特開2015-232294(P2015-232294A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-232294排熱回収装置、内燃機関システムおよび船舶、並びに排熱回収方法
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  • 特開2015232294-排熱回収装置、内燃機関システムおよび船舶、並びに排熱回収方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232294(P2015-232294A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】排熱回収装置、内燃機関システムおよび船舶、並びに排熱回収方法
(51)【国際特許分類】
   F01K 23/10 20060101AFI20151201BHJP
   F01K 23/06 20060101ALI20151201BHJP
   F01K 25/10 20060101ALI20151201BHJP
   F01K 23/12 20060101ALI20151201BHJP
   F01K 23/16 20060101ALI20151201BHJP
   F02G 5/00 20060101ALI20151201BHJP
   F02G 5/02 20060101ALI20151201BHJP
   F02G 5/04 20060101ALI20151201BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20151201BHJP
   F01D 17/06 20060101ALI20151201BHJP
   F01D 17/08 20060101ALI20151201BHJP
   F01N 5/02 20060101ALI20151201BHJP
   B63J 3/02 20060101ALI20151201BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   F01K23/10 P
   F01K23/06 P
   F01K25/10
   F01K23/12
   F01K23/16
   F01K23/10 M
   F02G5/00 B
   F02G5/02 B
   F02G5/04 G
   F01D17/00 B
   F01D17/00 N
   F01D17/06
   F01D17/08 A
   F01N5/02 F
   B63J3/02 D
   B63H21/38 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-119381(P2014-119381)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】市来 芳弘
【テーマコード(参考)】
3G071
3G081
【Fターム(参考)】
3G071AA01
3G071AA03
3G071AB01
3G071AB05
3G071BA02
3G071BA07
3G071DA01
3G071DA10
3G071FA02
3G071FA03
3G071HA03
3G081BA02
3G081BA05
3G081BA18
3G081BB04
3G081BB10
3G081BC04
3G081BC06
3G081BC07
3G081DA01
3G081DA03
3G081DA11
3G081DA13
3G081DA14
3G081DA27
(57)【要約】
【課題】内燃機関の負荷が小さくなり蒸気タービンの単独運転が困難な場合であっても、蒸気タービンの運転を継続させて有機流体タービンとともに発電を行う。
【解決手段】ディーゼル主機本体から排出された排ガスから熱回収することによって主蒸気を生成する排ガスエコノマイザと、主蒸気によって駆動される蒸気タービンと、排ガスエコノマイザの熱回収温度よりも低温とされた低温熱源から熱回収することによって有機媒体の蒸気を生成する有機流体熱交換器と、有機流体熱交換器で生成された有機流体の蒸気によって駆動される有機流体タービンと、蒸気タービン及び有機流体タービンからの出力によって発電する発電機とを備え、有機流体タービンは、蒸気タービンの速度調整に従属した速度で運転され、排ガスエコノマイザで生成される蒸気の圧力が閾値以下となった場合に、補助ボイラで生成された補助蒸気が蒸気タービンに供給される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関本体から排出された排ガスから熱回収することによって主蒸気を生成する排ガスエコノマイザと、
主に該排ガスエコノマイザから導かれた前記主蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記排ガスエコノマイザにて熱回収する温度よりも低温とされた低温熱源から熱回収することによって有機媒体の蒸気を生成する有機流体熱交換器と、
前記有機流体熱交換器で生成された前記有機流体の蒸気によって駆動される有機流体タービンと、
前記蒸気タービン及び前記有機流体タービンのうち少なくも一つからの出力によって発電する発電機と、
燃料の燃焼熱によって補助蒸気を生成する補助ボイラと、
を備え、
前記有機流体タービンは、前記蒸気タービンの速度調整に従属した速度で運転され、
前記排ガスエコノマイザで生成された前記主蒸気の圧力が閾値以下となった場合に、前記補助ボイラで生成された前記補助蒸気が前記蒸気タービンに供給されることを特徴とする排熱回収装置。
【請求項2】
前記補助ボイラは、前記内燃機関に供給される燃料油を加熱する蒸気を生成する燃料加熱用ボイラとされていることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
【請求項3】
内燃機関本体と、
請求項1又は2に記載された排熱回収装置と、
を備えていることを特徴とする内燃機関システム。
【請求項4】
請求項3に記載された内燃機関システムを備えていることを特徴とする船舶。
【請求項5】
内燃機関本体から排出された排ガスから熱回収することによって主蒸気を生成する主蒸気生成工程と、
該主蒸気生成工程で得られた主蒸気によって蒸気タービンを駆動する蒸気タービン駆動工程と、
前記主蒸気生成工程にて熱回収する温度よりも低温とされた低温熱源から熱回収することによって有機流体の蒸気を生成する有機流体蒸気生成工程と、
該有機流体蒸気生成工程で得られた前記有機流体の蒸気によって有機流体タービンを駆動する有機流体タービン駆動工程と、
前記蒸気タービン駆動工程及び前記有機流体タービン駆動工程の少なくとも一つの工程で得られた出力によって発電を行う発電工程と、
燃料の燃焼熱によって補助蒸気を生成する補助蒸気生成工程と、
を有し、
前記有機流体タービンを、前記蒸気タービンの速度調整に従属した速度で運転し、
前記主蒸気生成工程で生成される主蒸気の圧力が閾値以下となった場合に、前記補助蒸気生成工程で生成された前記補助蒸気を前記蒸気タービンに供給することを特徴とする排熱回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱回収装置、内燃機関システムおよび船舶、並びに排熱回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、船舶の推進用に大型ディーゼルエンジン(内燃機関)を用いたシステムでは、ディーゼルエンジンから排出される排ガスの熱エネルギーを排ガスエコノマイザで熱回収して蒸気を生成し、蒸気タービンを駆動させて発電を行う排熱回収システムが知られている。
また、排ガスエコノマイザで熱回収する温度よりも低い排熱温度でも熱回収し、さらに有効に排熱エネルギーを回収しようとする試みがなされている。例えば、特許文献1では、ディーゼルエンジンのジャケットを冷却するジャケット冷却水から、水よりも低沸点である有機流体によって排熱を回収する有機ランキンサイクル(ORC;Organic Rankin Cycle)が開示されている。
また、特許文献2には、内燃機関の排ガスから熱回収して駆動される水蒸気タービンと、ジャケット冷却水からペンタン等の低沸点媒体によって熱回収して駆動される蒸気タービンとをコンバインドさせて発電させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−160132号公報
【特許文献2】特開2006−057597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、低沸点媒体である有機流体を用いる有機ランキンサイクルでは、利用するジャケット冷却水等の低温熱源が内燃機関の負荷変動等の影響を受けて安定しないという問題がある。このため、有機ランキンサイクルで用いる有機流体タービンと蒸気タービンを同軸に接続する運用が考えられる。しかしながら、特許文献2では、蒸気タービン側と有機流体タービン側のいずれかを制御対象とし、内燃機関の負荷変動、特に内燃機関の低負荷時に対して安定した回転駆動とする制御方法については言及されていない。
【0005】
一方、ディーゼルエンジンの熱効率は年々改善されているため、排ガスエコノマイザで排ガスから熱回収できる熱量が減少してきている。このため、船内需要電力を蒸気タービン発電機単独で賄うだけの蒸気量が排ガスエコノマイザにて十分に確保できなくなってきている。
さらに、近年では、船舶の航行における燃料費削減の観点から、減速運航が主流となっているので、さらに排ガスエコノマイザにて生成できる蒸気量が不足するという事情がある。
【0006】
ディーゼルエンジンの負荷が小さくなり所定値を下回ると、排ガスエコノマイザだけでは蒸気タービンの単独運転に必要な蒸気が得られないため、蒸気タービンの運転を停止する制御が行われる。蒸気タービンの運転が停止されてしまうと、蒸気タービンをマスタとして制御している場合には、蒸気タービンに従属する有機流体タービンも停止せざるを得なくなってしまう。これでは、有機流体タービンを単独に駆動させて発電を行うことができず、排ガスの熱エネルギーを有効に回収できない場合がある。
【0007】
これに対して、蒸気タービンや有機流体タービンによって船内需要電力を得ることができない場合には、別に設けた発電用ディーゼルエンジンによって発電するディーゼル発電機を起動することが考えられる。しかし、ディーゼル発電機の運転は燃料費が嵩むため、コスト低減の観点からは好ましくない。また、蒸気タービンおよびディーゼル発電機の双方を運転すると、ディーゼル発電機の最低負荷が優先的に管理されることにより、蒸気タービンで余剰の蒸気が発生する可能性がある。余剰蒸気は復水器にダンプされてしまうので熱的な損失を招いてしまう。したがって、ディーゼルエンジンの負荷が小さくなっても、なるべくディーゼル発電機を起動せずに船内需要電力を得ることが求められる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、内燃機関の負荷が小さくなり蒸気タービンの単独運転が困難な場合であっても、蒸気タービンの運転を継続させて有機流体タービンとともに発電を行うことができる排熱回収装置、内燃機関システムおよび船舶、並びに排熱回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の排熱回収装置、内燃機関システムおよび船舶、並びに排熱回収方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる排熱回収装置は、内燃機関本体から排出された排ガスから熱回収することによって主蒸気を生成する排ガスエコノマイザと、主に該排ガスエコノマイザから導かれた前記主蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記排ガスエコノマイザにて熱回収する温度よりも低温とされた低温熱源から熱回収することによって有機媒体の蒸気を生成する有機流体熱交換器と、前記有機流体熱交換器で生成された前記有機流体の蒸気によって駆動される有機流体タービンと、前記蒸気タービン及び前記有機流体タービンのうち少なくも一つからの出力によって発電する発電機と、燃料の燃焼熱によって補助蒸気を生成する補助ボイラとを備え、前記有機流体タービンは、前記蒸気タービンの速度調整に従属した速度で運転され、前記排ガスエコノマイザで生成された前記主蒸気の圧力が閾値以下となった場合に、前記補助ボイラで生成された前記補助蒸気が前記蒸気タービンに供給されることを特徴とする。
【0010】
排ガスエコノマイザにて熱回収する温度よりも低温とされた低温熱源(例えばジャケット冷却水)は、内燃機関の負荷変動等の影響が大きいため安定した熱源とは言えない。そのため、このような低温熱源を利用する有機流体タービンは、安定性に優れる蒸気タービンの速度調整に従属した速度で運転される。すなわち、蒸気タービンをマスタとし、有機流体タービンをスレーブとする運転を行う。したがって、マスタである蒸気タービンの運転が停止されると、スレーブである有機流体タービンの運転も停止される制御となる。
一方、内燃機関の負荷が小さくなると排ガスエコノマイザにて生成される主蒸気が減少し、蒸気タービンに供給される蒸気圧力が減少する。そして、排ガスエコノマイザで生成される主蒸気の圧力が閾値以下となった場合、本発明では、補助ボイラで生成された補助蒸気を蒸気タービンに供給し、蒸気タービンの運転を継続することとした。これにより、蒸気タービンの停止を回避することができるので、蒸気タービンに従属して動作する有機流体タービンの運転も継続することになり、内燃機関が低負荷であっても有機流体タービンによる発電が可能となる。したがって、ディーゼル発電機を起動させる必要がなくなるので、ディーゼル発電機を運転するための燃料費を節約することができ、また場合によってはディーゼル発電機を設置せずにイニシャルコストを低減することができる。なお、本発明では補助ボイラの運転に燃料を用いることになるが、この補助ボイラの燃料費はディーゼル発電機で消費する燃料費に比べればはるかに安いので、十分にコストメリットがある。
なお、補助ボイラから補助蒸気を供給するタイミングを決める閾値としては、蒸気タービンが排ガスエコノマイザから供給される主蒸気によって単独運転できる最小圧力を基準に定められる。
排ガスエコノマイザで生成される主蒸気の圧力としては、好ましくは、排ガスエコノマイザを構成する汽水分離器のドラム圧力が用いられる。
低温熱源としては、例えば80℃〜90℃とされたエンジン冷却水が挙げられる。
蒸気タービン及び有機流体タービンは共通の発電機に接続されるが、蒸気タービンと有機流体タービンとは共通の回転軸で接続されてもよいし、それぞれ別の回転軸を備え、ギアを介して発電機に接続されてもよい。要するに、蒸気タービンの速度に依存するように、減速機や発電機の回転軸を介して有機流体タービンの回転軸が蒸気タービンの回転軸に接続されていればよい。
【0011】
さらに、本発明の排熱回収装置は、前記補助ボイラは、前記内燃機関に供給される燃料油を加熱する蒸気を生成する燃料加熱用ボイラとされていることを特徴とする。
【0012】
内燃機関に供給される燃料油(例えばC重油)の粘度を適正に調整するため、燃料油を蒸気によって加熱する。この燃料加熱用蒸気を生成するために燃料加熱用ボイラは、内燃機関の設備には一般的に設けられている。本発明では、この燃料加熱ボイラを、蒸気タービンに蒸気を供給する補助ボイラとして用いることとした。これにより、新たに専用のボイラを追加する必要なく本発明の排熱回収装置を構成することができる。
【0013】
また、本発明の内燃機関システムは、内燃機関本体と、上述の排熱回収装置とを備えていることを特徴とする。
【0014】
上記のいずれかの排熱回収装置を備えているので、内燃機関が低負荷であってもディーゼル発電機を運転させることなく需要電力を供給することができる内燃機関システムを提供することができる。
【0015】
また、本発明の船舶は、上記の内燃機関システムを備えていることを特徴とする。
【0016】
上述の内燃機関システムを備えている船舶とされているので、ディーゼル発電機の運転をさせることなく船内需要電力を賄うことができ、燃料油の消費量を削減した航行が可能な船舶を提供することができる。
【0017】
また、本発明の排熱回収方法は、内燃機関本体から排出された排ガスから熱回収することによって主蒸気を生成する主蒸気生成工程と、該主蒸気生成工程で得られた主蒸気によって蒸気タービンを駆動する蒸気タービン駆動工程と、前記主蒸気生成工程にて熱回収する温度よりも低温とされた低温熱源から熱回収することによって有機流体の蒸気を生成する有機流体蒸気生成工程と、該有機流体蒸気生成工程で得られた前記有機流体の蒸気によって有機流体タービンを駆動する有機流体タービン駆動工程と、前記蒸気タービン駆動工程及び前記有機流体タービン駆動工程の少なくとも一つの工程で得られた出力によって発電を行う発電工程と、燃料の燃焼熱によって補助蒸気を生成する補助蒸気生成工程とを有し、前記有機流体タービンを、前記蒸気タービンの速度調整に従属した速度で運転し、前記主蒸気生成工程で生成される主蒸気の圧力が閾値以下となった場合に、前記補助蒸気生成工程で生成された前記補助蒸気を前記蒸気タービンに供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、内燃機関の負荷が小さくなり排ガスエコノマイザによる蒸気タービンの単独運転が困難な場合であっても有機流体タービンとともに発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の内燃機関システムの一実施形態を示した概略構成図である。
図2図1の内燃機関システムの制御方法を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示されているように、船舶に設置されたディーゼル機関システム1は、ディーゼル主機(内燃機関)3と、ディーゼル主機3から排出される熱を回収する排熱回収装置4とを備えている。
【0021】
排熱回収装置4は、ディーゼル主機3が排出する高温の排ガスによって蒸気を生成する排ガスエコノマイザ5と、主に排ガスエコノマイザ5にて発生した蒸気(以下、排ガスエコノマイザ5にて発生した蒸気を「主蒸気」という。)によって駆動される蒸気タービン7とを備えている。さらに、排熱回収装置4は、ディーゼル主機3のジャケット冷却器を流れるジャケット冷却水(低温熱源)と有機流体熱交換器75で熱交換して過熱された有機流体の蒸気によって駆動される有機流体タービン9を備えている。蒸気タービン7と有機流体タービン9とは、それぞれ、共通の発電機11を駆動するようになっている。
【0022】
ディーゼル主機3は、例えば定格にて200rpm以下で運転される低速2ストローク1サイクルのユニフロー掃気方式とされ、船舶推進用のプロペラ13を駆動する。ディーゼル主機3へ供給される圧縮空気(掃気)は、ディーゼル主機3の排ガスによって駆動される過給器15から導かれる。
【0023】
過給器15は、同軸上に設けられた排気タービン17とコンプレッサ19とを有している。
排気タービン17は、ディーゼル主機3から排出された排ガスによって回転駆動されるようになっている。排気タービン17が駆動されると、同軸上に設けられたコンプレッサ19が回転して空気を圧縮する。コンプレッサ19によって圧縮された空気は、空気冷却器20にて冷却された後に、ディーゼル主機3の掃気トランク(図示せず)へと導かれる。
排気タービン17の下流側は、排ガス管21を介して排ガスエコノマイザ5に接続されている。
【0024】
ディーゼル主機3の排ガスの一部が抽気されて過給機15をバイパスするように、排ガスバイパス管23が設けられている。排ガスバイパス管23は、その上流端が排気タービン17の上流側に接続され、その下流端が過給機2の排ガス管21に接続されている。排ガスバイパス管23には、排ガスバイパス弁25が設けられている。排ガスバイパス弁25は、図示しない制御部によってその開度が制御されるようになっている。
【0025】
制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0026】
排ガスエコノマイザ5は、その煙道内に過熱器27と第1蒸発器29と第2蒸発器31とを有している。これら過熱器27、第1蒸発器29及び第2蒸発器31は、排ガスエコノマイザ5の煙道内を下から上(排ガス流れの上流側から下流側)に向かって順番に据え付けられた伝熱管群とされている。排ガスエコノマイザ5の煙道内には、過給機15側から導かれた高温の排ガスが流れるようになっており、煙道内を流れた後、排ガスは、下流側に接続された煙突(図示せず)を経て大気に放出される。
【0027】
過熱器27には、高圧汽水分離器33の上方の気相部から飽和蒸気が導かれる。第1蒸発器29には、高圧汽水分離器33の下方の液相部から水が導かれる。第2蒸発器31には、低圧汽水分離器35の下方の液相部から水が導かれる。
【0028】
高圧汽水分離器33には、高圧汽水分離器33内の水位を調整する高圧レベル調整弁37を介して空気冷却器20から導かれた水が供給される。高圧汽水分離器33内の水は、高圧循環水ポンプ39によって第1蒸発器29に導かれる。高圧汽水分離器33には、第1蒸発器29からの水分を含んだ湿り蒸気が導かれ、水と蒸気とに分離される。分離された飽和蒸気は、過熱器27に導かれ過熱蒸気とされる。過熱器27にて生成された過熱蒸気は、過熱蒸気供給管41を介して蒸気タービン7へと導かれる。
高圧汽水分離器33には、高圧汽水分離器33内のドラム圧力を検出する圧力センサ26が設けられている。圧力センサ26の検出出力は、制御部へと送信される。
高圧汽水分離器33の気相部と過熱器27との間には、高圧蒸気抽気弁44を介して過熱器27へ向かう飽和蒸気を抽気して取り出す高圧蒸気抽気配管43が設けられている。高圧蒸気抽気配管43を介して取り出された高圧蒸気は、船内雑用蒸気として用いられる。
また、高圧汽水分離器33の気相部と過熱器27との間には、過熱器27へ向かう飽和蒸気を取り出して復水器34へと導く高圧蒸気ダンプ配管36が設けられている。高圧蒸気ダンプ配管36には、制御部によって制御される高圧ダンプ弁38が設けられている。高圧ダンプ弁38が開くことによって、蒸気タービン7に供給するには過剰とされる蒸気が蒸気タービン7をバイパスして復水器34へと廃棄される。高圧ダンプ弁38が開くタイミングは、上述した圧力センサ26によって得られるドラム圧力が所定の閾値を超えた場合とされる。
【0029】
高圧汽水分離器33には、燃料を燃焼させるバーナ45が設けられている。このバーナ45は、高圧汽水分離器33内の水を加熱して蒸気を生成するためのものである。このバーナ45によって生成された蒸気は、ディーゼル主機3に供給する燃料油(例えばC重油)の粘度調整を行うために加熱する燃料加熱器へと供給される。このように、バーナ45と高圧汽水分離器33によって補助ボイラ47が構成されている。この補助ボイラ47は、コンポジットボイラ(composite boiler)やドンキーボイラ(donkey boiler)とも称され、ディーゼル機関システム1に標準的に搭載されるものである。また、補助ボイラ47は、居住区の暖房用としての蒸気を供給することもできる。
さらに、本実施形態では、補助ボイラ47のバーナ45によって生成された補助蒸気を蒸気タービン7へと導くことができるようになっている。蒸気タービン7へ補助蒸気を導く際のバーナ45の点火タイミングは、高圧汽水分離器33に設けられた圧力センサ26の出力に基づいて制御部によって決定される。
【0030】
低圧汽水分離器35には、低圧汽水分離器35内の水位を調整する低圧レベル調整弁49を介して空気冷却器20から導かれた水が供給される。低圧汽水分離器35内の水は、低圧循環水ポンプ51によって第2蒸発器31に導かれる。
低圧汽水分離器35には、第2蒸発器31からの水分を含んだ湿り蒸気が導かれ水と蒸気とに分離される。分離された飽和蒸気は、低圧蒸気供給管53を介して蒸気タービン7の中間段へと導かれる。
【0031】
低圧蒸気供給管53には、飽和蒸気を抽気して取り出す低圧蒸気抽気配管55が設けられている。低圧蒸気抽気配管55には低圧蒸気抽気弁56が設けられている。低圧蒸気抽気配管55を介して取り出された低圧蒸気は、船内雑用蒸気として用いられる。
また、低圧蒸気供給管53には、蒸気タービン7の中間段へ向かう飽和蒸気を取り出して復水器34へと導く低圧蒸気ダンプ配管57が設けられている。低圧蒸気ダンプ配管57には、制御部によって制御される低圧ダンプ弁59が設けられている。この低圧蒸気ダンプ配管59によって、蒸気タービン7の中間段に供給するには過剰とされる蒸気が蒸気タービン7をバイパスして復水器34へと廃棄される。
【0032】
蒸気タービン7の上流側(高圧側)に過熱蒸気を導く過熱蒸気供給管41には、高圧蒸気止め弁61と速度制御弁63が設けられている。高圧蒸気止め弁61と速度調整弁63は、制御部によって制御される。蒸気タービン7を運用する場合には、開閉弁とされた高圧蒸気止め弁61が全開とされ、蒸気タービン7を運用しない場合には高圧蒸気止め弁61が全閉とされる。速度制御弁63は、制御部の指示に基づき、船内系統の周波数と発電量要求に対応するように開度が調整される。
【0033】
蒸気タービン7の中間段に低圧蒸気を導く低圧蒸気供給管53には、低圧蒸気止め弁65と低圧蒸気制御弁67が設けられている。低圧蒸気止め弁65と低圧蒸気制御弁67は、制御部によって制御される。蒸気タービン7を運用する場合には、開閉弁とされた低圧蒸気止め弁65が全開とされ、蒸気タービン7を運用しない場合には低圧蒸気止め弁65が全閉とされる。低圧蒸気制御弁67は、制御部の指示に基づき開度が調整される。
【0034】
蒸気タービン7は、高圧蒸気止め弁61及び速度調整弁63を介して導かれた過熱蒸気と、低圧蒸気止め弁65及び低圧蒸気制御弁67を介して導かれた低圧蒸気とによって回転駆動され、この回転出力が蒸気タービン側減速機69を介して発電機11へと伝達される。
蒸気タービン7にて仕事を終えた蒸気は、復水器34へと導かれ、海水や清水によって冷却されて凝縮液化される。液化された復水は、復水ポンプ71によって大気圧ドレンタンク73へと導かれ、気液が分離される。大気圧ドレンタンク73にて脱気された水が給水ポンプ76によって空気冷却器20へと導かれる。空気冷却器20では、給水ポンプ76によって導かれた水によって、過給機15のコンプレッサ19にて圧縮されて温度上昇した圧縮空気が冷却される。
【0035】
ディーゼル主機3には、各シリンダを冷却するジャケット冷却器を流れるジャケット冷却水と熱交換する有機流体熱交換器75が設けられている。ジャケット冷却水の温度は、80℃〜90℃とされている。有機流体熱交換器75は、有機流体および有機流体の蒸気が循環する有機流体経路77内に設けられている。有機流体としては、ジャケット冷却水の熱源で蒸発する低沸点媒体が望ましく、イソペンタン、ブタン、プロパン等の低分子炭化水素や、冷媒として用いられるR134a、R245fa等を用いることができる。
【0036】
有機流体経路77は閉回路とされており、有機流体を循環させるための有機流体ポンプ79が設けられている。有機流体は、有機流体熱交換器75、有機流体入口弁80、有機流体タービン9、凝縮器81を通過するように相変化を繰り返しながら循環する。
【0037】
有機流体入口弁80は、制御部によって制御され、有機流体タービン9を運用する場合には全開とされ、有機流体タービン9を運用しない場合には全閉とされる。
【0038】
有機流体タービン9は、有機流体熱交換器75によって生成された有機流体の蒸気によって回転駆動される。有機流体タービン9の回転動力は、有機流体側減速機83にて減速された後に、自動嵌脱クラッチ84を介して発電機11に伝達されるようになっている。自動嵌脱クラッチ84は、シンクロ・セルフシフティング・クラッチ又はSSS(スリーエス)クラッチとも称され、有機流体タービン9側の出力軸の回転数が自動嵌脱クラッチ84の入力軸の回転数に達した際に爪が噛み合い嵌合して回転力を伝達するものである。
【0039】
有機流体タービン9にて仕事を終えた有機流体の蒸気は、凝縮器81にて海水や清水によって冷却されて凝縮液化する。凝縮液化した有機流体は、有機流体循環ポンプ79によって有機流体熱交換器75へと送られる。
このように、有機流体経路77は、有機流体熱交換器75、有機流体タービン9、凝縮器81及び有機流体ポンプ79とともに有機ランキンサイクル(ORC;Organic Rankine Cycle)を構成する。
【0040】
有機流体タービン9は、蒸気タービン7のような速度調整弁63を有しておらず、速度調整を行うようになっていない。これは、有機流体熱交換器75にて熱回収するジャケット冷却水からの熱量がディーゼル主機の負荷変動に大きく依存し、熱回収量が安定しないため有機流体の蒸気の流量を制御した速度調整が困難だからである。そこで、本実施形態では、蒸気タービン7と共通の発電機11に有機流体タービン9を接続することとした上で、蒸気タービン7の速度制御に有機流体タービン9を従属させることとした。すなわち、蒸気タービン7をマスタとし、有機流体タービン9をスレーブとする制御を行う。これにより、蒸気タービン7が運転されている間は、有機流体タービン9も運転可能となり、蒸気タービン7及び有機流体タービン9の両方を用いた発電が発電機11にて可能となる。蒸気タービン7の駆動力に有機流体タービン9の駆動力を合わせた合計駆動力が発電機11に伝達される。この合計駆動力は、速度調整弁63により安定して制御されることになる。発電機11で得られた電気出力は、出力電線87及び遮断機89を介して船内電力系統90へと導かれる。
【0041】
次に、上述したディーゼル機関システム1の運転方法について説明する。
ディーゼル主機3が運転を開始すると、過給機15にて圧縮された圧縮空気が空気冷却器20で冷却された後にディーゼル主機3へと供給される。ディーゼル主機3の筒内では、供給された圧縮空気と燃料油とによって燃焼が行われる。燃料油は、補助ボイラ47によって生成された蒸気によって燃料油加熱装置にて粘度調整されたものが用いられる。
【0042】
ディーゼル主機3にて燃焼が行われた後の排ガスは、過給機15の排気タービン17を経て排ガス管21を通り排ガスエコノマイザ5へと導かれる。排ガスは、排ガスエコマイザ5内を通過する際に過熱器27、第1蒸発器29及び第2蒸発器31と熱交換をする。
第1蒸発器27内の水は、排ガスと熱交換することによって湿り蒸気となる。この湿り蒸気は、高圧汽水分離器33に導かれて水分が分離された後、過熱器27に導かれる。過熱器27内の蒸気は、排ガスと熱交換することによって過熱蒸気となる。このように生成された過熱蒸気は、過熱蒸気供給管41を通り、蒸気止め弁61及び速度調整弁63を経て蒸気タービン7に供給される。
【0043】
第2蒸発器31内の水は、排ガスと熱交換することによって湿り蒸気となる。この湿り蒸気は、低圧汽水分離器35に導かれて水分が分離された後、分離された低圧蒸気は、低圧蒸気供給管53を通り、低圧蒸気止め弁65及び低圧蒸気制御弁67を経て蒸気タービン7の中段に供給される。
【0044】
蒸気タービン7は、上述のように導かれた過熱蒸気及び低圧蒸気によって回転駆動され、この回転出力が発電機11へと伝達される。
【0045】
一方、ディーゼル主機3のジャケット冷却器にてシリンダを冷却したジャケット冷却水は、有機流体熱交換器75へと導かれ、有機流体経路77を循環する有機流体と熱交換する。有機流体は、有機流体熱交換器75にてジャケット冷却水の顕熱によって加熱され蒸発気化する。蒸発気化して高エンタルピとなった有機流体の蒸気は、有機流体タービン9へと導かれ、その熱落差によって有機流体タービン9を回転駆動させる。有機流体タービン9の回転出力は、有機流体タービン9の回転数が所定値以上となった場合に自動嵌脱クラッチ84が連結され、発電機11へと伝達される。その後の有機流体タービン9の回転数は、マスタである蒸気タービン7の速度調整に依存したものとなる。
【0046】
有機流体タービン9にて仕事を終えた有機流体の蒸気は、凝縮器81へと導かれ、海水や清水によって冷却されることにより凝縮液化する。凝縮液化した有機流体は、有機流体ポンプ79によって再び有機流体熱交換器75へと導かれる。
【0047】
発電機11では、蒸気タービン7及び有機流体タービン9から得られた回転出力によって発電し、その発電出力を出力電線87及び遮断機89を介して船内電力系統90へと供給する。
【0048】
そして、本実施形態では、ディーゼル機関3の負荷が減少し、排ガスエコノマイザ5で発生する蒸気の圧力が減少し、閾値以下となった場合に、以下のような制御を行う。
ディーゼル機関3の負荷が減少すると、排ガスエネルギーが減少するので、排ガスエコノマイザ5にて生成される高圧蒸気の圧力が減少する。この高圧蒸気の圧力は、高圧汽水分離器33に設けた圧力センサ26によって検出され、制御部へと送られる。制御部では、圧力センサ26から得られた圧力が閾値以下となった場合、補助ボイラ47のバーナ45に点火指令を送信し、バーナ45を点火させる。なお、バーナ45の点火を行う圧力の閾値は、蒸気タービン7が排ガスエコノマイザ5から供給される蒸気によって単独で運転できる最小圧力を基準に定められる。
【0049】
補助ボイラ47のバーナ45が点火されると、バーナ45の燃焼熱によって高圧汽水分離器33にて蒸気が生成され、生成された蒸気が速度調整弁63を介して蒸気タービン7へと導かれる。これにより、蒸気タービン7の運転が継続され、同時に蒸気タービン7に従属する有機流体タービン9の運転も継続される。
【0050】
その後、ディーゼル機関3の負荷が上昇して、エコノマイザ5から得られる蒸気の圧力が回復し、所定値以上となった場合には、排ガスエコノマイザ5からの蒸気のみによって蒸気タービンの単独運転が可能となる。この場合には、制御部からの指令によって補助ボイラ47のバーナ45の点火を停止してもよいし、船内需要電力との関係でバーナ45の点火を継続してもよい。バーナ45の点火を継続する場合には、例えば、高圧汽水分離器33内の圧力が上昇して高圧ダンプ弁38が開く圧力となるまで継続させてもよい。これにより、補助ボイラ47からの蒸気によって、排ガスエコノマイザ5からの蒸気だけでは不足する船内需要電力を補うことができる。
【0051】
図2には、本実施形態の排熱回収装置4の制御方法が比較例とともに示されている。なお、同図における各数値は発明を理解しやすくするために挙げた例示であって、発明を限定するものではない。
同図において、横軸はディーゼル主機出力(%)、縦軸は電力(kW)を示す。ディーゼル主機出力100%はディーゼル主機の定格出力を意味し、Q(kW)は船内需要電力を意味する。
【0052】
線Aは、比較例としてのCase1であり、排ガスエコノマイザ5から得られた蒸気のみによって駆動される蒸気タービン(STG)7の発電量を示す。同図から分かるように、ディーゼル主機出力が100%の場合には船内需要電力を得ることができるが、常用運転負荷とされるディーゼル主機出力が85%では、a(kW)だけ電力が足りないことになる。また、ディーゼル主機出力が30%まで減少すると、排ガスエコノマイザ5からの蒸気だけでは蒸気タービン7による単独運転が不可能となり発電量はゼロとなる。
【0053】
線Bは、比較例としてのCase2であり、Case1の蒸気タービン7に加えて有機流体タービン9を用いた有機ランキンサイクル(ORC)による発電を組み合わせた場合の発電量を示す。このCase2もCase1と同様に、蒸気タービン7は排ガスエコノマイザ5からの蒸気のみによって運転される。同図から分かるように、常用運転負荷とされるディーゼル主機出力が85%では、有機流体タービン9によるアシストによって船内需要電力を得ることができる。しかし、ディーゼル主機出力が75%を下回ると、蒸気タービン7及び有機流体タービン9だけでは船内需要電力を得ることができない。さらに、ディーゼル主機出力が30%まで減少すると、蒸気タービン7での単独運転が不可能となり、蒸気タービン7に従属して制御される有機流体タービン9も同時に停止するため発電量はゼロとなる。
【0054】
線Cは、本実施形態を示すCase3であり、Case2の蒸気タービン7と有機流体タービン9との組合せに加えて、補助ボイラ47を用いた場合の発電量を示す。同図から分かるように、補助ボイラ47からの蒸気によって蒸気タービン7がアシストされているので、ディーゼル主機出力が50%を下回るまでは、船内需要電力を得ることができる。また、ディーゼル主機出力が30%を下回り、排ガスエコノマイザ5からの蒸気のみによる蒸気タービン7の単独運転が不可能となっても、補助ボイラ47からの蒸気によって蒸気タービン7の運転が継続されるため、有機流体タービン9の運転も継続され、ディーゼル主機出力が10%とされるまで発電をすることが可能となる。
【0055】
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
補助ボイラ47で生成された蒸気を蒸気タービン7に供給し、蒸気タービン7の運転を継続することとした。これにより、ディーゼル主機3の負荷が低下しても蒸気タービン7の停止を回避することができるので、蒸気タービンに従属して動作する有機流体タービン9の運転も継続することになり、有機流体タービン9による発電が可能となる。したがって、ディーゼル発電機を起動させる必要がなくなるので、ディーゼル発電機を運転するための燃料費を節約することができ、また場合によってはディーゼル発電機を設置せずにイニシャルコストを低減することができる。
【0056】
ディーゼル主機3の燃料油を加熱する補助ボイラ47を蒸気タービン7に蒸気を供給するボイラとして兼用させることとしたので、新たに専用のボイラを追加する必要なく本実施形態の排熱回収装置4を構成することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態では、船舶に適用する内燃機関システムを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、陸上に設置される内燃機関システムにも適用できるものである。
また、低温熱源としてジャケット冷却水を一例として説明したが、排ガスエコノマイザで熱回収する温度よりも低く、さらには100℃以下の温度の低温熱源であっても、有機流体によって熱回収して有機流体タービンが運転できるのであれば、ジャケット冷却水以外の低温熱源を利用することもできる。
【符号の説明】
【0058】
1 ディーゼル機関システム(内燃機関システム)
3 ディーゼル主機(内燃機関)
4 排熱回収装置
5 排ガスエコノマイザ
7 蒸気タービン
9 有機流体タービン
11 発電機
15 過給機
20 空気冷却器
26 圧力センサ
27 過熱器
29 第1蒸発器
31 第2蒸発器
33 高圧汽水分離器
35 低圧汽水分離器
45 バーナ
47 補助ボイラ
63 速度調整弁
75 有機流体熱交換器(低温熱源)
77 有機流体経路
79 有機流体ポンプ
80 有機流体入口弁
81 凝縮器
90 船内電力系統
図1
図2