特開2015-232339(P2015-232339A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232339(P2015-232339A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】無段変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 29/04 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   F16H29/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-118499(P2014-118499)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】西村 優史
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA01
3J062AA18
3J062AB01
3J062AB29
3J062AB33
3J062AC03
3J062AC07
3J062BA12
3J062BA16
3J062CB06
3J062CB14
3J062CB22
3J062CB44
3J062CG64
3J062CG82
3J062CG83
(57)【要約】
【課題】 クランク式の無段変速機の偏心量可変機構を強度や剛性を確保しながら小型化を図る。
【解決手段】 変速軸15を入力軸11に対して相対回転させると、クランクアーム31に対して第1円板32Aおよび第2円板32Bが相対移動することで、クランクアーム31に対する偏心ディスク13の位置関係が変化して偏心ディスク13の偏心量εが変化する。一対の第1円板32Aは偏心ディスク13を挟むように配置され、かつ第1円板32Aおよび第2円板32Bは軸方向に見てオーバーラップするため、従来の第1、第2円板32A,32Bを偏心ディスク13の第1、第2円形孔に嵌合するものに比べ、偏心ディスク13の直径を小さくして偏心量可変機構14を小型化することができる。しかも一対のクランクアーム31および一対の第1円板32Aで偏心ディスク13を両側から挟むことで、偏心量可変機構14の強度や剛性を高めて耐久性の向上および変速比の制御精度の向上を図ることができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源(E)に接続された入力軸(11)と、駆動輪(W)に接続された出力軸(12)と、前記入力軸(11)と一体に回転する円板状の偏心ディスク(13)と、前記出力軸(12)にワンウェイクラッチ(16)を介して揺動可能に支持された揺動アーム(17)と、前記偏心ディスク(13)および前記揺動アーム(17)を接続して往復運動するコネクティングロッド(23)と、前記入力軸(11)に対する前記偏心ディスク(13)の偏心量(ε)を変更する偏心量可変機構(14)とを備える無段変速機であって、 前記偏心量可変機構(14)は、前記入力軸(11)と同軸に配置されてアクチュエータ(A)により回転する変速軸(15)と、前記入力軸(11)に一端を固定されて前記偏心ディスク(13)を挟む一対のクランクアーム(31)と、前記偏心ディスク(13)に形成された軸孔(13a)および第1円形孔(13b)と、前記軸孔(13a)に偏心状態で枢支されて前記偏心ディスク(13)を挟む一対の第1円板(32A)と、前記一対のクランクアーム(31)の他端に偏心状態で枢支されて前記第1円形孔(13b)に回転自在に嵌合する第2円板(32B)とを備え、前記一対の第1円板(32A)は前記変速軸(15)に同軸に固定されて前記一対のクランクアーム(31)に前記入力軸(11)と同軸に形成した一対の第2円形孔(31a)に回転自在に嵌合し、前記一対の第1円板(32A)および前記第2円板(32B)は軸方向に見てオーバーラップすることを特徴とする無段変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、前記入力軸と一体に回転する円板状の偏心ディスクと、前記出力軸にワンウェイクラッチを介して揺動可能に支持された揺動アームと、前記偏心ディスクおよび前記揺動アームを接続して往復運動するコネクティングロッドと、前記入力軸に対する前記偏心ディスクの偏心量を変更する偏心量可変機構とを備える無段変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
係る無段変速機は、例えば下記特許文献1により公知である。図8に示すように、この無段変速機の偏心量可変機構は、中空の入力軸01に偏心状態で固定された三日月形の偏心カム02の外周に、偏心ディスク03の内部に偏心状態で形成したリングギヤ04を相対回転自在に支持し、入力軸01の内部に配置した変速軸05に設けたピニオン06を入力軸01の切欠きを通してリングギヤ04に噛合したものであり、入力軸01に対して変速軸05を相対回転させることで、ピニオン06によりリングギヤ04を駆動して偏心ディスク03を偏心カム02まわりに相対回転させ、偏心ディスク03の偏心量εを変化させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−24382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のものは、偏心量可変機構のピニオン06およびリングギヤ04が常時噛合しているため、その噛合部にフレッティング摩耗が発生したり歯先の衝突音が発生したりする問題があった。そこで、本出願人は、特願2013−179052号により、ピニオン06およびリングギヤ04のようなギヤを使用せず、図9に示すような四節リンクを用いた偏心量可変機構を提案している。
【0005】
この偏心量可変機構は、第1リンクを構成する偏心ディスク13と、第2リンクを構成するクランクア−ム31,31と、第3リンクを構成する第1円板32Aと、第4リンクを構成する第2円板32Bとで構成されており、第1円板32Aは偏心ディスク13の第1円形孔13aに相対回転自在に嵌合し、第2円板32Bは偏心ディスク13の第2円形孔13bに相対回転自在に嵌合し、第1円板32Aと一体の変速軸15はクランクア−ム31,31と一体の入力軸11の内部に同軸に嵌合し、第2円板32Bと一体の支軸33はクランクア−ム31,31の軸孔31a,31aに枢支される。そして入力軸11に対して変速軸15をアクチュエータで相対回転させて四節リンクを変形させることにより、入力軸11から偏心ディスク13の中心までの距離、つまり偏心ディスク13の偏心量εを変更することができる。
【0006】
しかしながら、この偏心量可変機構は、第1円板32Aおよび第2円板32Bが偏心ディスク13に形成した第1円形孔13aおよび第2円形孔13bにそれぞれ嵌合しているため、偏心ディスク13の外径を小型化するには第1円板32Aおよび第2円板32Bを小型化する必要があるが、第1円板32Aおよび第2円板32Bを小型化すると、第3リンクおよび第4リンクのリンク長が減少して四節リンクの強度や剛性が低下してしまい、偏心量可変機構に必要な強度や剛性が得られなくなる可能性がある。そこで第1円板32Aおよび第2円板32Bを小型化することなく、偏心ディスク13の外径を小型化することが望まれる。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機の偏心量可変機構を強度や剛性を確保しながら小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、前記入力軸と一体に回転する円板状の偏心ディスクと、前記出力軸にワンウェイクラッチを介して揺動可能に支持された揺動アームと、前記偏心ディスクおよび前記揺動アームを接続して往復運動するコネクティングロッドと、前記入力軸に対する前記偏心ディスクの偏心量を変更する偏心量可変機構とを備える無段変速機であって、前記偏心量可変機構は、前記入力軸と同軸に配置されてアクチュエータにより回転する変速軸と、前記入力軸に一端を固定されて前記偏心ディスクを挟む一対のクランクアームと、前記偏心ディスクに形成された軸孔および第1円形孔と、前記軸孔に偏心状態で枢支されて前記偏心ディスクを挟む一対の第1円板と、前記一対のクランクアームの他端に偏心状態で枢支されて前記第1円形孔に回転自在に嵌合する第2円板とを備え、前記一対の第1円板は前記変速軸に同軸に固定されて前記一対のクランクアームに前記入力軸と同軸に形成した一対の第2円形孔に回転自在に嵌合し、前記一対の第1円板および前記第2円板は軸方向に見てオーバーラップすることを特徴とする無段変速機が提案される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の構成によれば、無段変速機は、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、入力軸と一体に回転する円板状の偏心ディスクと、出力軸にワンウェイクラッチを介して揺動可能に支持された揺動アームと、偏心ディスクおよび揺動アームを接続して往復運動するコネクティングロッドと、入力軸に対する偏心ディスクの偏心量を変更する偏心量可変機構とを備えるので、駆動源により入力軸が回転すると偏心ディスクが入力軸と共に偏心回転してコネクティングロッドが往復運動し、往復運動するコネクティングロッドにより揺動アームが往復揺動するとワンウェイクラッチが間欠的に係合することで、出力軸が間欠的に回転して駆動輪が駆動される。
【0010】
アクチュエータで変速軸を駆動して入力軸に対して相対回転させると、入力軸と一体のクランクアームに対して変速軸と一体の第1円板が相対移動して軸孔を押圧された偏心ディスクが移動し、クランクアームに対して第2円板が相対移動することで、クランクアームに対する偏心ディスクの位置関係が変化して偏心ディスクの偏心量が変化し、コネクティングロッドの往復運動のストロークが変化して無段変速機の変速比が変更される。
【0011】
一対の第1円板は偏心ディスクを挟むように配置され、かつ第1円板および第2円板は軸方向に見てオーバーラップするため、第1円板および第2円板を小型化することなく偏心ディスクの直径を小さくして偏心量可変機構を小型化することができる。しかも一対のクランクアームおよび一対の第1円板で偏心ディスクを両側から挟むことで、偏心量可変機構の強度や剛性を高めて耐久性の向上および変速比の制御精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】無段変速機の全体構造を示す図。
図2】偏心量可変機構の組立状態の斜視図。
図3】偏心量可変機構の分解状態の斜視図。
図4図2の4−4線断面図。
図5】無段変速機のスケルトン図。
図6】変速軸が入力軸に対して反時計方向に相対回転したときの作用説明図。
図7】変速軸が入力軸に対して時計方向に相対回転したときの作用説明図。
図8】ピニオンおよびリングギヤを用いた偏心量可変機構を備える従来の無段変速機の全体構造を示す図。(従来例)
図9】四節リンクを用いた従来の偏心量可変機構の全体構造を示す図。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1に示すように、無段変速機Tは、例えばエンジンよりなる駆動源Eに接続された入力軸11と、駆動輪Wに接続された出力軸12とを備える。入力軸11には偏心ディスク13が偏心量可変機構14を介して支持されており、偏心ディスク13は入力軸11と一体に偏心回転する。中空に形成された入力軸11の内部に変速軸15が同軸に配置されており、アクチュエータAで変速軸15を入力軸11に対して相対回転させると、偏心量可変機構14により偏心ディスク13の偏心量εが変化して無段変速機Tの変速比が変更される。
【0015】
出力軸12の外周にはワンウェイクラッチ16を介して揺動アーム17が揺動自在に枢支される。ワンウェイクラッチ16は、出力軸12の外周に固定されたインナー部材18と、揺動アーム17の径方向内端に固定されたアウター部材19と、インナー部材18およびアウター部材19間に配置された複数のローラ20…と、ローラ20…を周方向に付勢するスプリング21…とを備える。偏心ディスク13の外周にはベアリング22を介してコネクティングロッド23の大端部が枢支され、揺動アーム17の先端にはピン24を介してコネクティングロッド23の小端部が枢支される。
【0016】
駆動源Eにより回転する入力軸11と一体に偏心ディスク13が偏心回転すると、偏心ディスク13の外周にベアリング22を介して大端部を枢支されたコネクティングロッド23が往復運動し、コネクティングロッド23の小端部にピン24を介して枢支された揺動アーム17が出力軸12まわりに往復揺動する。揺動アーム17が矢印a方向に揺動するとワンウェイクラッチ16が係合して駆動力が出力軸12に伝達され、揺動アーム17が矢印b方向に揺動するとワンウェイクラッチ16が係合解除して出力軸12への駆動力の伝達が遮断されることで、出力軸12は矢印a方向に間欠回転する。
【0017】
従って、上記構造の無段変速機Tを軸方向に複数個並置し、各無段変速機Tの偏心ディスク13の偏心方向を相互にずらせば、複数の無段変速機Tが交互に駆動力を伝達して出力軸12を連続回転させることができる。偏心量可変機構14で入力軸11に対する偏心ディスク13の偏心量εを無段階に変更すると、コネクティングロッド23の往復運動のストロークが変化して揺動アーム17の往復揺動のストロークが変化することで、コネクティングロッド23の1回のストロークに対する出力軸12の回転角が変化し、入力軸11および出力軸12間の変速比が無段階に変更される。
【0018】
次に、図2図5に基づいて偏心量可変機構14に構造を説明する。
【0019】
偏心量可変機構14は、第1リンクを構成する偏心ディスク13と、第2リンクを構成するクランクアーム31,31と、第3リンクを構成する第1円板32A,32Aと、第4リンクを構成する第2円板32Bとで構成される。
【0020】
中心Oを有する円板よりなる偏心ディスク13は、中心Oから偏心したO1を中心とする軸孔13aと、中心Oから偏心したO2を中心とする第1円形孔13bとを備える。分断された入力軸11の対向端部に一端を固定された一対のクランクアーム31,31は、それらの他端が支軸33で相互に連結されており、支軸33は第2円板32Bの中心O2(第1円形孔13bの中心)から偏心した軸孔32aを貫通する。
【0021】
一対のクランクアーム31,31は、入力軸11と同軸の第2円形孔31a,31aを備えており、これら一対の第2円形孔31a,31aに、2本に分断された変速軸15に同軸に固定された一対の第1円板32A,32Aが相対回転自在に嵌合する。変速軸15は入力軸11の内部に同軸に嵌合しており、この状態で偏心ディスク13は一対のクランクアーム31,31および一対の第1円板32A,32A間に挟まれる。一対の第1円板32A,32Aは変速軸15から偏心した位置に圧入された支軸34で相互に連結されており、支軸34は偏心ディスク13の軸孔13aを貫通する。
【0022】
次に、図6および図7に基づいて偏心量可変機構14の作用を説明する。
【0023】
無段変速機Tの変速比が一定であるとき、アクチュエータAの回転数は駆動源Eの回転数と同一になるように制御され、入力軸11および変速軸15は同一回転数で一体に回転する。変速軸15および支軸33を結ぶ線分(第2リンク)と、変速軸15および第1円板32A,32Aの支軸34の中心O1を結ぶ線分(第3リンク)とが成す角度をθと定義すると(図5参照)、図6(A)に示すようにθ=0゜のときは、変速軸15(入力軸11)と偏心ディスク13の中心Oとが重なり、偏心ディスク13の偏心量εはゼロになって変速比が無限大の状態、即ち入力軸11が回転しても出力軸12が停止するギヤドニュートラルの状態となる。
【0024】
この状態から、図6(B)に示すように、入力軸11に対して変速軸15が反時計方向に45゜回転すると、変速軸15に固定された第1円板32A,32Aが変速軸15まわりに反時計方向に回転して支軸34が偏心ディスク13の軸孔13aを押圧し、それに応じて偏心ディスク13の第1円形孔13bに嵌合する第2円板32Bが支軸33まわりにクランクアーム31,31に対して時計方向に回転することで、軸孔13aおよび第1円形孔13bをそれぞれ第1円板32A,32Aおよび第2円板32Bに支持された偏心ディスク13が図中右上方に偏倚し、変速軸15(入力軸11)に対して偏心ディスク13の中心Oが偏心する。
【0025】
入力軸11に対して変速軸15が反時計方向に更に回転すると、図6(C)および図6(D)に示すように偏心ディスク13の偏心量εが次第に増加する。そして回転角θが180°になると、図6(E)に示すように、偏心ディスク13の偏心量εが最大値に達する。
【0026】
このようにして、入力軸11に対して変速軸15を0°〜180°の範囲で相対回転させることで、偏心ディスク13の偏心量εをゼロから最大値まで変化させ、無段変速機Tの変速比を無限大のギヤドニュートラルから最小値のオーバードライブまで変更することができる。
【0027】
図6で示す例では、入力軸11に対して変速軸15が反時計方向に相対回転しており、この場合には偏心ディスク13の軸孔13aの中心O1および第1円形孔13bの中心O2を結ぶ線分(第1リンク)と、クランクアーム31,31の変速軸15(入力軸11)および支軸33を結ぶ線分(第2リンク)とが交差する。一方、図7に示す例では、入力軸11に対して変速軸15が時計方向に相対回転しており、この場合には偏心ディスク13により構成される第1リンクと、クランクアーム31,31により構成される第2リンクとが交差しないことになる。
【0028】
しかしながら、図6および図7の何れの場合であっても、四節リンクの変形途中の形状が異なるだけで、変形開始時の形状(図6(A)および図7(A)参照)は同じであり、かつ変形終了時の形状(図6(E)および図7(E)参照)は同じであるため、共に入力軸11に対する偏心ディスク13の偏心量εをゼロと最大値との間で変化させることが可能である。
【0029】
尚、偏心ディスク13の偏心量εがゼロの初期状態(図6(A)および図7(A)参照)では、第2円板32Bは時計方向および反時計方向の何れにも回転し得るデッドポイントにあり、四節リンクの寸法誤差や結合部のガタにより、図7に示すクロスリンクになったり、図6に示す非クロスリンクになったりし、その作動が定まらない可能性がある。従って、第2円板32Bが初期状態から時計方向に回転するか反時計方向に回転するかをストッパ等の手段で規制すれば、四節リンクをクロスリンクあるいは非クロスリンクの何れか一方の態様で作動させることができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態は、従来例の1枚の第1円板32A(図9参照)を2枚の第1円板32A,32Aに置き換えて偏心ディスク13の外部(一対のクランクアーム31,31の内部)に配置したものに相当するが、これにより、第1円板32A,32Aおよび第2円板32Bを軸方向に見てオーバーラップさせることが可能となり、第1円板32A,32Aおよび第2円板32Bの直径を大きくして四節リンクの剛性を高めながら、偏心ディスク13の直径を小さくして偏心量可変機構14を小型化することができる。また偏心ディスク13の小径化により、偏心ディスク13にベアリング22を介して支持されるコネクティングロッド23の大端部のフリクションを低減することができる。しかも一対のクランクアーム31,31および一対の第1円板32A,32Aで偏心ディスク13を両側から挟むことで、偏心量可変機構14の強度や剛性を高めて耐久性の向上および変速比の制御精度の向上を図ることができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0032】
例えば、実施の形態ではギヤドニュートラル状態を実現するために偏心量εの最小値をゼロに設定しているが、偏心量εの最小値は必ずしもゼロである必要はない。
【0033】
また本発明の駆動源は実施の形態のエンジンに限定されず、電気モータのような他種の駆動源であっても良い。
【符号の説明】
【0034】
A アクチュエータ
E 駆動源
ε 偏心量
W 駆動輪
11 入力軸
12 出力軸
13 偏心ディスク
13a 軸孔
13b 第1円形孔
14 偏心量可変機構
15 変速軸
16 ワンウェイクラッチ
17 揺動アーム
23 コネクティングロッド
31 クランクアーム
31a 第2円形孔
32A 第1円板
32B 第2円板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9