特開2015-232353(P2015-232353A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232353(P2015-232353A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】取外し冶具
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/12 20060101AFI20151201BHJP
   F16L 21/08 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   F16L37/12
   F16L21/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-118909(P2014-118909)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】柏又 智明
【テーマコード(参考)】
3H015
3J106
【Fターム(参考)】
3H015FA08
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE30
3J106EC01
3J106EC07
3J106ED15
(57)【要約】
【課題】管体の管継手からの取外し作業の作業性を向上させる取外し冶具を提供する。
【解決手段】取外し冶具22は本体部23と押圧部24と係止部25とを有する。本体部23は管継手の外周に装着可能である。押圧部24を本体部23に設ける。押圧部24は本体部23への管継手の装着に際して解除部に対向する。押圧部24は本体部23への管継手の装着に際して軸方向に沿って解除部を爪部側に移動させるように押圧可能である。係止部25を本体部23に設ける。係止部25は押圧部24が解除部を押圧した状態で管継手に係止可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体を引抜く力がかかるときに該管体の外表面に係合して、該管体の引抜きを阻止する爪部と、軸方向に沿って前記爪部側に移動するときに前記爪部の前記管体の外表面への係合を解除する解除部と、を備える管継手に挿入される管体を、該管継手から取外すための取外し冶具であって、
前記管継手の外周に装着可能な本体部と、
前記本体部に設けられ、前記本体部への前記管継手の装着に際して、前記解除部に対向し、前記軸方向に沿って前記解除部を前記爪部側に移動させるように前記解除部を押圧可能な押圧部と、
前記本体部に設けられ、前記押圧部が前記解除部を押圧した状態で前記管継手に係止可能な係止部と、
を有することを特徴とする取外し冶具。
【請求項2】
前記本体部の径方向外側に、前記本体部から広がる方向に突出する突出部を、更に備える、請求項1に記載の取外し冶具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取外し冶具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パイプなどの管体をワンタッチで接続させるロック爪と、管体をロック爪から離脱させるための解除部材を有する管継手が知られている。誤った操作による、意図しない管体のロック爪からの離脱を防ぐために、解除部材を外部に露出させない構造を管継手に採用することが提案されている。このような管継手に接続した管体の、意図的な取外し作業の作業性を向上する取外し冶具が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−188705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に提案された取外し冶具により取外し作業の作業性は向上したものの、管体を取外すためには、作業者が取外し冶具を管継手に押圧させた状態を維持する必要があった。特に、狭小な領域に管継手が用いられる場合には、取外し冶具の押圧の維持が困難となり得ることが分かり、更なる作業性の向上が求められていた。
【0005】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明は、管体の管継手からの取外し作業の作業性を向上させる取外し冶具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、本発明の取外し冶具は、管体を引抜く力がかかるときに該管体の外表面に係合して、該管体の引抜きを阻止する爪部と、軸方向に沿って前記爪部側に移動するときに前記爪部の前記管体の外表面への係合を解除する解除部と、を備える管継手に挿入される管体を、該管継手から取外すための取外し冶具であって、前記管継手の外周に装着可能な本体部と、前記本体部に設けられ、前記本体部への前記管継手の装着に際して、前記解除部に対向し、前記軸方向に沿って前記解除部を前記爪部側に移動させるように前記解除部を押圧可能な押圧部と、前記本体部に設けられ、前記押圧部が前記解除部を押圧した状態で前記管継手に係止可能な係止部と、を有することを特徴とする。本発明の取外し冶具によれば、管体の管継手からの取外し作業の作業性が向上する。
【0007】
また、本発明の取外し冶具では、前記本体部の径方向外側に、前記本体部から広がる方向に突出する突出部を、更に備えることが好ましい。このような構成によれば、押圧部の解除部への押圧をより容易に実行可能となる。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された本発明によれば、管体の管継手からの取外し作業の作業性を向上させる取外し冶具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る取外し冶具が用いられる管継手の一例を、管体を挿入した状態で示す、管継手の軸方向に沿った半裁断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る取外し冶具の斜視図である。
図3図2に示す取外し冶具を、図2のA方向から見た側面図である。
図4図1に示す管継手および管体、ならびに図2に示す取外し冶具を、管体が挿入された管継手に取外し冶具を装着させる作業中の状態で示す、半裁断面図である。
図5図1に示す管継手および管体、ならびに図2に示す取外し冶具を、管体が挿入された管継手に取外し冶具22を装着した状態で示す、半裁断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して例示説明する。
【0011】
まず、本発明の一実施形態に係る取外し冶具により管体を取外し可能となる管継手の一例について、説明する。図1は、当該一例の管継手10を、管体11を挿入した状態で示す、管継手10の軸方向(以下、単に「軸方向」という場合がある)ADに沿った半裁断面図である。
【0012】
図1に示すように、管継手10は、継手本体部12、制限部材13、シール部材14、リング部材15、ロック部材16、および解除部17を含んで構成されている。
【0013】
継手本体部12は、例えば樹脂製、砲金製または青銅製とすることができ、円筒要素18を有している。
制限部材13は、例えば樹脂製とすることができ、全体的に円筒状である。制限部材13の一端から継手本体部12の円筒要素18を挿入した状態で、制限部材13が円筒要素18に定着される構造とされている。
シール部材14は、例えばOリングであって、継手本体部12の円筒要素18の内部に収容され、継手本体部12の円筒要素18の内周面と、挿入される管体11の外周面とに密接して、円筒要素18および管体11の内部を密封している。
リング部材15は、例えば樹脂製とすることができ、全体的に円筒形状であり、管体11が管継手10内に挿入され流体内圧が付加された際に、継手本体部12との間でシール部材14を一定の位置に保持している。
なお、管継手10に挿入される管体11は、例えば、住宅用の給水および給湯の配管システムに用いられる樹脂製のパイプやホース等であって、管継手10は、上記管体11を他の管体や配管に接続するのに使用される。
【0014】
ロック部材16は、弾性を有する素材、例えばステンレスにより全体的に環状に形成され、ロック部材16を軸方向ADに沿って切断した断面は、横向きのV字形状となっている。ロック部材16は、V字形状の屈曲側がリング部材15側とは軸方向逆側を向く状態で、制限部材13内に収容されている。ロック部材16の内周側のV字形状の先端部は、爪部19を構成している。ロック部材16の断面のV字の屈曲側から、ロック部材16の内周に管体11を押込むと、爪部19が径方向外側に広がるように、ロック部材16が弾性変形して、管体11が挿入され得る。一方、ロック部材16の断面のV字の屈曲側に管体11を引抜く力がかかるとき、爪部19の管体11の外表面への係合、例えば、外径が一様な管体11の外表面への爪部19の食込み、または、管体11の外周面に形成された環状の溝への爪部19の掛合せにより、管体11のロック部材16からの引抜きが阻止される。
【0015】
解除部17は、例えば樹脂製とすることができ、円筒要素20およびテーパー要素21からなっている。円筒要素20およびテーパー要素21は、連続する、同一の内径であり、管体11を挿入可能な孔を有している。円筒要素20の外径は、制限部材13における継手本体部12と係合する側の端部と逆側の端部の内径と略同一か僅かに小さくなっており、解除部17は制限部材13の内部で軸方向に沿って滑動可能となっている。テーパー要素21の外径は、解除部17の一端から軸方向に沿った中心に向かって拡径するテーパー状であって、テーパー要素21の最大外径は円筒要素20の外径より大きくなっており、解除部17の制限部材13内部からの離脱が防がれている。この例の解除部17は、軸方向に沿って前記爪部側に移動するときに、ロック部材16の爪部19にテーパー要素21を圧入し、爪部19を径方向外側に広げ、爪部19の管体11の外表面への係合を解除する。
【0016】
次に、本発明の一実施形態に係る取外し冶具の構造について、説明する。図2は、本実施形態に係る取外し冶具22の斜視図である。図3は、取外し冶具22を図2のA方向から見た側面図である。図2、3に示すように、取外し冶具22は、本体部23、押圧部24、および係止部25を含んで構成される。取外し冶具22は、例えば、ポリプロピレン系、ポリアセタール系、ポリエチレン系、ナイロン系などの樹脂によって一体的に形成されている。
【0017】
取外し冶具22の本体部23は、本実施形態では、一部が切欠かかれた半円筒形状の側部要素26、および側部要素26の軸方向の一端に連続して円筒形状の径方向内側に延びる半円環状の底部要素27を有しており、管継手10の外周に装着可能である。
【0018】
押圧部24は、本実施形態では、半円筒形状で、取外し冶具22の本体部23の底部要素27の内周側において軸方向内側に円筒形状の壁面が延在するように、取外し冶具22の本体部23に設けられている。押圧部24は、管継手10の外周に取外し冶具22の本体部23が装着された状態において、管継手10の解除部17に軸方向ADに対向して、軸方向ADに沿って解除部17を軸方向内側すなわち爪部19側に移動させるように解除部17を押圧可能である。
【0019】
係止部25は、本実施形態では、取外し冶具22の本体部23の開口端、すなわち底部要素27が設けられる一端とは逆側の端部近傍に設けられ、側部要素26の円筒形状の径方向内側に延びる円弧形状を有している。係止部25は、押圧部24が管継手10の解除部17を押圧した状態で、管継手10に係止可能である。
【0020】
次に、本実施形態において、取外し冶具22を用いて、管継手10に挿入された管体11を取外す作業について説明する。図4は、管継手10および管体11ならびに取外し冶具22を、管体11が挿入された管継手10に取外し冶具22を装着させる作業中の状態で示す、半裁断面図である。図5は、管継手10および管体11ならびに取外し冶具22を、管体11が挿入された管継手10に取外し冶具22を装着した状態で示す、半裁断面図である。
【0021】
図4に示すように、まず取外し冶具22を本体部23の側部要素26を拡げるように弾性変形させながら、取外し冶具22を軸方向ADに沿って管継手10の外表面に押込む。図5に示すように、取外し冶具22を管継手10に押込んでいくと、取外し冶具22が弾性変形から復元した状態で、取外し冶具22の係止部25が制限部材13の端面に係合し、管継手10に係止される。また、係止部25が管継手10に係止された状態においては、取外し冶具22の押圧部24による、管継手10の解除部17の軸方向内側への押圧した状態、すなわち解除部17は管継手10内で軸方向内側に移動した状態が維持される。解除部17の移動により、テーパー要素21が爪部19を径方向外側に広げ、爪部19の管体11への係合を解除する。したがって、この状態で管体11を軸方向外側へ引抜くことにより、管体11を管継手10から取外すことができる。
【0022】
このように、本実施形態の取外し冶具を用いれば、係止部25が管継手10に係止された状態において、押圧部24による解除部17の押圧が維持される。それゆえ、係止部25が管継手10に係止されれば、管継手10からの管体11の引抜き作業中の、作業者による取外し冶具22の押込みの維持が不要となる。それゆえ、本実施形態の取外し冶具22によれば、取外し作業の作業性が向上される。
また、従来の取外し冶具のように、作業者による押込みの維持が必要な取外し冶具を用いる場合には、解除部17への押圧が不十分で、爪部19の管体11への係合の解除が不十分となり得る。爪部19の管体11への係合解除が不十分な状態で管体11を引抜くと、爪部19により管体11の外表面が損壊され得る。管体11の外表面の損壊による破片は管継手10内に残留し得、管体11の管継手10への再度の挿入時に当該破片が管体11の外表面とシール部材14との間に挟まり、その結果、漏水を引起す恐れがある。一方で、本実施形態の取外し冶具22によれば、解除部17への十分な押圧状態が維持されるので、爪部19の管体11への係合が十分に解除され、管体11の外表面の損壊が抑制される。
【0023】
また、本実施形態において、図2、3に示すように、取外し冶具22は、例えば本体部23の側部要素26の径方向外側に、本体部23から広がる方向に突出する、平板状の突出部28を有している。本実施形態においては、2つの突出部28が設けられている。なお、突出部28の数は単数でも複数であってもよい。複数の突出部28が設けられる場合には、例えば本実施形態のように、側部要素26の円筒形状の中心軸を挟む位置に配置されることが好ましい。
このような構成によれば、突出部28に指を掛けることにより、押圧部24による解除部17への押圧がより容易に実行される。また、突出部28に指を掛けることにより、管継手10からの取外し冶具22の離脱がより容易に実行される。
【0024】
また、本実施形態において、図2、3に示すように、取外し冶具22の本体部23の係止部25側の開口端側から軸方向ADに沿って延びる切欠き29が形成されている。
このような構成によれば、本体部23の当該開口端側において側部要素26を径方向外側に拡げることが容易となり、管継手10への取外し冶具22の装着が容易となる。
【0025】
なお、上記説明において、本体部23は半円筒形状であるが、(後述する係止部25も含め)、管継手10の外周に装着可能であればよく、例えば周上の一部が解放された筒形状であってもよい。
また、上記説明において、管継手10の爪部19および解除部17は別部材に設けられている構成であるが、同一の部材に一体化された構成であっても、本実施形態の取外し冶具22を使用可能である。
また、上記説明において、管継手10の継手本体部12とリング部材15は別部材であるが、一体化された構成であっても、本実施形態の取外し冶具22を使用可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 管継手
11 管体
12 継手本体部
13 制限部材
14 シール部材
15 リング部材
16 ロック部材
17 解除部
18 円筒要素
19 爪部
20 円筒要素
21 テーパー要素
22 取外し冶具
23 本体部
24 押圧部
25 係止部
26 側部要素
27 底部要素
28 突出部
AD 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5