(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232575(P2015-232575A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20151201BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
G01B11/25 H
G06T1/00 315
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-156758(P2015-156758)
(22)【出願日】2015年8月7日
(62)【分割の表示】特願2009-236031(P2009-236031)の分割
【原出願日】2009年10月13日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0099998
(32)【優先日】2008年10月13日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲民▼ 永
【テーマコード(参考)】
2F065
5B057
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065AA46
2F065AA53
2F065BB05
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2F065FF01
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2F065FF09
2F065FF41
2F065GG24
2F065HH06
2F065HH07
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2F065HH14
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065LL04
2F065LL18
2F065LL22
2F065LL24
2F065LL28
2F065LL41
2F065LL53
2F065NN02
2F065QQ31
2F065QQ34
5B057BA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB13
5B057CB16
5B057CD14
5B057CE06
5B057DA07
5B057DB03
5B057DB09
5B057DC22
(57)【要約】
【課題】多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法を提供すること。
【解決手段】本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置は、検査対象物を測定位置に移送させる移送ステージと、検査対象物に対して第1等価波長を有する第1パターン光を第1方向に照射する第1プロジェクターと、検査対象物に対して第1等価波長と波長が異なる第2等価波長を有する第2パターン光を第2方向に照射する第2プロジェクターと、移送ステージの検査対象物から反射される第1パターン光による第1パターンイメージと前記第2パターン光による第2パターンイメージとを撮影するカメラ部と、第1プロジェクターと第2プロジェクターとを制御し、第1パターンイメージと第2パターンイメージとがカメラ部で撮影されると、第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを受信して検査対象物の3次元形状を算出する制御部と、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を測定位置に移送させる移送ステージと、
前記検査対象物に対して第1等価波長を有する第1パターン光を第1方向に照射する第1プロジェクターと、
前記検査対象物に対して第1等価波長と波長が異なる第2等価波長を有する第2パターン光を第2方向に照射する第2プロジェクターと、
前記移送ステージの前記検査対象物から反射される前記第1パターン光による第1パターンイメージと前記第2パターン光による第2パターンイメージとを撮影するカメラ部と、
前記第1プロジェクターと前記第2プロジェクターとを制御し、前記第1パターンイメージと前記第2パターンイメージとが前記カメラ部で撮影されると、前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを受信して前記検査対象物の3次元形状を算出する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージから第1位相及び第2位相をそれぞれ取得し、
前記第1位相と前記第2位相との相対的な値を用いて第3位相を算出し、
算出された前記第3位相を用いて前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数を算出し、
前記第1位相と前記第1次数を用いて最大測定高さが増加された前記第1方向による第1高さ情報を算出し且つ前記第2位相と前記第2次数を用いて最大測定高さが増加された前記第2方向による第2高さ情報を算出し、
前記第1次数が適用された第1高さ情報と前記第2次数が適用された第2高さ情報を用いて影領域とノイズが除去された前記検査対象物の統合された高さ情報を算出する
ことを特徴とする3次元形状の測定装置。
【請求項2】
前記第1プロジェクターは、
光を発生させる照明部と、
前記照明部の一側に設置され、光を、前記第1等価波長を有する前記第1パターン光に変換させる第1格子部と、を含み、
前記第1格子部は、第1ピッチを有する複数の第1パターンが配列されて形成され、光を、前記第1等価波長を有する前記第1パターン光に変換させる第1格子と、前記第1格子に連結され、前記第1格子を一定の間隔に移送させる格子移送器を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項3】
前記第2プロジェクターは、
光を発生させる照明部と、
前記照明部の一側に設置され、光を、前記第2等価波長を有する前記第2パターン光に変換させる第2格子部と、を含み、
前記第2格子部は、第2ピッチを有する複数の第2パターンが配列されて形成され、光を、前記第2等価波長を有する前記第2パターン光に変換させる第2格子と、前記第2格子に連結され、前記第2格子を一定の間隔に移送させる格子移送器を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項4】
前記第1プロジェクターまたは前記第2プロジェクターは、前記照明部から入射された光を集める集光レンズを更に含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項5】
前記格子部は、格子プレートモジュール、液晶ディスプレイ、及びデジタルミラーのいずれか一つが適用されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項6】
前記カメラ部は、前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを受信して結像させる結像レンズと、
前記結像レンズの一側に設置され、前記結像レンズに結像された前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを撮影するカメラと、で構成され、
前記カメラは、CCDカメラまたはCMOSカメラが適用されることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項7】
前記カメラ部は、前記検査対象物の2次元検査のための光を発生させる2次元検査照明部を更に含み、前記2次元検査照明部は、複数の発光ダイオードまたは円形ランプを含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項8】
検査対象物を測定位置に移送させる移送ステージと、
第1等価波長を有する第1パターン光を発生させて、前記検査対象物に対してそれぞれ照射する複数の第1プロジェクターと、
前記第1等価波長と波長が異なる第2等価波長を有する第2パターン光を前記検査対象物に対してそれぞれ照射する複数の第2プロジェクターと、
前記検査対象物によって反射される前記第1パターン光による第1パターンイメージと前記第2パターン光による第2パターンイメージとを撮影するカメラ部と、
前記複数の第1プロジェクターと前記複数の第2プロジェクターとをそれぞれ制御して前記検査対象物の第1方向及び第2方向に前記複数の第1パターン光及び前記複数の第2パターン光を照射し、それぞれ前記第1パターン光及び前記第2パターン光により前記複数の第1パターンイメージと前記複数の第2パターンイメージとが前記カメラ部で撮影されると、前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを受信して前記検査対象物の3次元形状を算出する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージから第1位相及び第2位相をそれぞれ取得し、
前記第1位相と前記第2位相との相対的な値を用いて第3位相を算出し、
算出された前記第3位相を用いて前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数を算出し、
前記第1位相と前記第1次数を用いて最大測定高さが増加された前記第1方向による第1高さ情報を算出し且つ前記第2位相と前記第2次数を用いて最大測定高さが増加された前記第2方向による第2高さ情報を算出し、
前記第1次数が適用された第1高さ情報と前記第2次数が適用された第2高さ情報を用いて影領域とノイズが除去された前記検査対象物の統合された高さ情報を算出する
ことを特徴とする3次元形状の測定装置。
【請求項9】
前記複数の第1プロジェクターは互いに隣接するように設置されることを特徴とする請求項8に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項10】
前記複数の第1プロジェクターと前記複数の第2プロジェクターとは互いに対向するように設置されることを特徴とする請求項8に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項11】
第1プロジェクターの第1格子を移送しながら第1等価波長を有する第1パターン光を、検査対象物に対して第1方向に照射し、反射される複数の第1パターンイメージを取得し、取得された複数の第1パターンイメージを用いて第1位相を算出し、
第2プロジェクターの第2格子を移送しながら前記第1等価波長とは異なる波長の第2等価波長を有する第2パターン光を、前記検査対象物に対して第2方向に照射し、反射される複数の第2パターンイメージを取得し、取得された複数の第2パターンイメージを用いて第2位相を算出し、
前記第1位相と前記第2位相との相対的な値を用いて第3位相を算出し、
算出された前記第3位相を用いて前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数を算出し、
前記第1位相と前記第1次数を用いて最大測定高さが増加された前記第1方向による第1高さ情報を算出し且つ前記第2位相と前記第2次数を用いて最大測定高さが増加された前記第2方向による第2高さ情報を算出し、
前記第1次数が適用された第1高さ情報と前記第2次数が適用された第2高さ情報を用いて影領域とノイズが除去された前記検査対象物の統合された高さ情報を算出する
ことを含むことを特徴とする3次元形状の測定方法。
【請求項12】
前記第3位相を用いて、前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数とを算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項13】
前記第1次数及び前記第2次数と、前記第1位相及び前記第2位相とを用いて、前記第1高さ情報及び前記第2高さ情報を算出することを含むことを特徴とする請求項12に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項14】
前記第1位相を算出することは、
前記第1プロジェクターをオンし、
前記第1プロジェクターの前記第1格子を移送しながら前記第1等価波長を有する前記第1パターン光を、前記検査対象物に対して前記第1方向に照射し、反射される前記複数の第1パターンイメージを取得し、
前記複数の第1パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて前記第1位相を算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項15】
前記第2位相を算出することは、
前記第2プロジェクターをオンし、
前記第2プロジェクターの前記第2格子を移送しながら前記第1等価波長と異なる波長の前記第2等価波長を有する前記第2パターン光を、前記検査対象物に対して前記第2方向に照射し、反射される前記複数の第2パターンイメージを取得し、
前記複数の第2パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて前記第2位相を算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の3次元形状の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重波長(multi−wavelength)を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法に関し、より詳細には、検査対象物の3次元形状の測定時に、測定可能な高さ(height)の最大値を増加させ、検査対象物の反りの情報(warpage information)を算出し、影領域を除去しうる多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物の3次元形状を測定するための方法として、モアレパターンの投影(projection of Moire pattern)を用いる3次元測定方法がある。モアレパターンの投影を用いる3次元測定方法は、パターン光(pattern light)を検査対象物に照射した後、反射されて形成されるパターンイメージを用いて検査対象物の3次元形状を測定する。パターンイメージを用いた検査対象物の3次元形状の測定方法としては位相シフト法(phase shifting method)がある。
【0003】
位相シフト法は、検査対象物の基準面を移動させながら干渉信号によって複数のパターンイメージを取得し、取得されたパターンイメージは、各測定点での干渉信号の形態と高さとの数学的関係を算出して解析され、検査対象物の3次元形状が測定される。このような位相シフト法を用いて検査対象物の3次元形状を測定する場合に、2π曖昧性(2π ambiguity)という問題が発生しうる。
【0004】
2π曖昧性は、隣接した二つの測定点の高さの差が光源の等価波長の整数倍より大きい場合に測定誤差が発生することにより、回折格子の縞ピッチにより検査対象物の測定範囲が制限されるという問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のように位相シフト法を用いて検査対象物の3次元形状を測定するときに、モアレの投影を用いた3次元形状の測定装置により、測定範囲の異なる検査対象物を測定しようとする場合は、2π曖昧性の問題によって、各検査対象物の測定範囲に対応した回折格子に変更しなければならないという不便な問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、多重波長を用いて検査対象物の3次元形状を測定することで、検査対象物の測定可能な高さの最大値を増加させることができ、新規かつ改良された多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、複数のプロジェクター(projector)にそれぞれ異なる等価波長を有するパターン光を発生させて、検査対象物に照射させることによって、検査対象物の測定可能な高さの最大値を増加させ、検査対象物の反りの情報を算出し、影領域を除去しうる多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置は、検査対象物を測定位置に移送させる移送ステージ(transfer stage)と、移送ステージの上側に設置されて第1等価波長を有する第1パターン光を発生させて検査対象物の第1方向に照射する第1プロジェクターと、移送ステージの上側に第1プロジェクターと対向するように設置され、第1等価波長と波長の異なる第2等価波長を有する第2パターン光を検査対象物の第2方向に照射する第2プロジェクターと、移送ステージの上側に設置されて検査対象物で反射される第1パターン光による第1パターンイメージと第2パターン光による第2パターンイメージとをそれぞれ順次に撮影するカメラ部と、第1プロジェクターと第2プロジェクターとをそれぞれ制御して検査対象物の第1方向及び第2方向に複数の第1パターン光及び複数の第2パターン光が照射されるようにして、それぞれの第1パターン光及び第2パターン光による複数の第1パターンイメージと複数の第2パターンイメージとがカメラ部で撮影されると、第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを受信して検査対象物の3次元形状を測定する制御部とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定方法は、第1プロジェクターの第1格子を順次に移送しながら第1等価波長を有する第1パターン光を検査対象物の第1方向に照射し、反射される複数の第1パターンイメージを取得し、取得された複数の第1パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて第1位相を算出するし、第1位相が算出されると、第2プロジェクターの第2格子を順次に移送しながら第1等価波長と異なる波長の第2等価波長を有する第2パターン光を検査対象物の第2方向に照射し、反射される複数の第2パターンイメージを取得し、取得された複数の第2パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて第2位相を算出し、第1等価波長及び第2等価波長のうなり現象による第3位相を算出し、第3位相を用いて第1位相の第1次数と第2位相の第2次数とを算出し、第1次数及び第2次数と第1位相及び第2位相とを用いて第1高さ情報及び第2高さ情報を算出し、第1次数及び第2次数と第1高さ情報及び第2高さ情報とを用いて検査対象物の3次元形状を算出することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法によれば、多重波長を用いて検査対象物の3次元形状を測定することによって、検査対象物の測定可能な高さの最大値を増加させることができ、検査対象物の反りの情報を測定し、影領域を除去して3次元形状を測定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の構成図である。
【
図2】
図1に示した多重波長を用いた3次元形状の測定装置の平面図である。
【
図3】本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の他の実施例を示す平面図である。
【
図4】本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の他の実施例を示す平面図である。
【
図5】本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定方法を示すフローチャートである。
【
図6】多重波長を用いた検査対象物の測定方法を示す図である。
【
図7】多重波長を用いた検査対象物の測定方法を示す図である。
【
図8】多重波長を用いた検査対象物の測定方法を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置を添付する図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の構成を表す図であり、
図2は、
図1に示した多重波長を用いた3次元形状の測定装置の平面図である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置は、移送ステージ10、第1プロジェクター20、第2プロジェクター30、カメラ部40、及び制御部50で構成され、各構成について説明すると以下のようである。
【0015】
移送ステージ10は、検査対象物1が固着されるX/Yステージ11と、X/Yステージ11をX/Y軸方向に移送させ、検査対象物1を移送させるステージ移送器12を含み、検査対象物1を測定位置に移送させる。ステージ移送器12は、制御部50のステージ制御器52の制御により、X/Yステージ11をX/Y軸方向に移動させて検査対象物1を移送させる。
【0016】
第1プロジェクター20は、移送ステージ10の上側に設置され、第1等価波長を有する第1パターン光を発生させて検査対象物1の第1方向に照射する。このような第1プロジェクター20は、照明部21、第1格子部22、及び集光レンズ23で構成される。
【0017】
照明部21は、光源21a及びレンズ(21b、21c)を含み、光を発生させる。第1格子部22は、照明部21の下側に設置され、光を、第1等価波長を有する第1パターン光に変換させる。光を第1パターン光に変換させる第1格子部22は、格子プレートモジュール(grating plate module)(22a、22b)、液晶ディスプレイ、及びデジタルミラーのうち、いずれか一つが適用されてもよい。格子プレートモジュール(22a、22b)は、第1格子22a及び格子移送器22bを含み、第1格子22aは、
図2に示すように第1ピッチ(p1)を有する複数の第1パターン20aが配列されるように形成され、光を、第1等価波長を有する第1パターン光に変換させる。液晶ディスプレイ(図示せず)は、格子プレートモジュール(22a、22b)の代わりに用いてもよい。また、反射面を有するマイクロミラーと、マイクロミラーに均一な光を照射する光投影部とで構成されたデジタルミラー(図示せず)を用いてもよい。
【0018】
格子移送器22bは、第1格子22aに連結されて第1格子22aを一定の間隔に移送する。例えば、格子移送器22bは、第1格子22aの複数の第1パターン20aが第1ピッチ(p1)を有する場合に、第1ピッチ(p1)の4等分の間隔に第1格子22aを移送する。このように、第1格子22aを微細な動きをもって移送しうるように、格子移送器22bはPZTアクチュエータ(piezoelectric actuator)が適用されてもよい。集光レンズ23は、第1格子部22の下側に設置され、第1パターン光が照射されると、第1パターン光を集光して検査対象物1の第1方向に照射する。
【0019】
第2プロジェクター30は、移送ステージ10の上側に第1プロジェクター20と対向するように設置され、第1等価波長と波長の異なる第2等価波長とを有する第2パターン光を、検査対象物1の第2方向に照射する。このような第2プロジェクター30は、照明部31、第2格子部32、及び集光レンズ33で構成される。
【0020】
照明部31は、光源31a及びレンズ(31b、31c)を含み、光を発生し、光源31aは、第1プロジェクター20に具備される光源21aと同一の光が用いられてもよい。例えば、第1プロジェクター20の光源21aに白色光を用いる場合、第2プロジェクター30の光源31aも白色光を用いる。第2格子部32は照明部31の下側に設置され、光を、第2等価波長を有する第2パターン光に変換させる。第2パターン光に変換させる第2格子部32は、第2格子32a及び格子移送器32bを含む。
【0021】
第2格子32aは、
図2に示すように第2ピッチ(p2)を複数の第2パターン30aが配列されるように形成して、光を、第2等価波長を有する第2パターン光に変換し、格子移送器32bは、第2格子32aに連結されて第2格子32aを一定の間隔に移送する。例えば、格子移送器32bは、第2格子32aの複数の第2パターン30aが第2ピッチ(p2)を有する場合、第2ピッチ(p2)の4等分の間隔に第2格子32aを移送する。このように、第2格子32aを微細な動きをもって移送しうるように、格子移送器32bはPZTアクチュエータが適用されてもよい。集光レンズ33は、第2格子部32の下側に設置され、第2パターン光が照射されると、第2パターン光を集光して検査対象物1の第2方向に照射する。
【0022】
カメラ部40は、移送ステージ10の上側に設置され、検査対象物1で反射される第1パターン光による第1パターンイメージと第2パターン光による第2パターンイメージとをそれぞれ順次に撮影する。第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを撮影するカメラ部40は、フィルター41、結像レンズ42、及びカメラ43で構成される。
【0023】
フィルター41は、検査対象物1で反射される第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを、フィルタリングする。例えば、このようなフィルター41は、周波数フィルター(frequency filter)、カラーフィルター、光強度調節フィルター(intensity−adjusting filter)のいずれが適用されてもよい。結像レンズ42は、フィルター41の上側に設置され、フィルター41でフィルタリングされた第1パターンイメージや第2パターンイメージを受信して結像させる。カメラ43は、結像レンズ42の上側に設置され、結像レンズ42により結像された第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを撮影する。このようなカメラ43は、CCDカメラやCMOSカメラのいずれか一つが適用されてもよい。カメラ部40は、また、検査対象物1の2次元検査のための光を発生する2次元検査照明部44が更に具備されてもよい。2次元検査照明部44は、複数の発光ダイオードまたは円形ランプのいずれかを用いてもよく、検査対象物1の2次元撮影や特異形状を撮影する場合に用いてもよい。
【0024】
制御部50は、第1プロジェクター20と第2プロジェクター30とをそれぞれ制御し、検査対象物1の第1方向及び第2方向に複数の第1パターン光及び複数の第2パターン光が照射されるようにし、それぞれの第1パターン光及び第2パターン光による複数の第1パターンイメージ及び複数の第2パターンイメージがカメラ部40で撮影されると、第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを受信して検査対象物1の3次元形状を測定する。
【0025】
制御部50は、本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置を全般的に制御するために、メイン制御器51、ステージ制御器52、格子制御器53、照明制御器54、及びイメージ取得部55で構成される。
【0026】
メイン制御器51は、ステージ制御器52、格子制御器53、照明制御器54、及びイメージ取得部55を制御して検査対象物1の3次元形状を測定し、ステージ制御器52は、移送ステージ10を制御する。格子制御器53は、第1プロジェクター20及び第2プロジェクター30にそれぞれ具備される格子移送器22bや格子移送器32bをそれぞれ制御して第1格子22a及び第2格子32aが一定の間隔に移送されるように制御する。照明制御器54は、第1プロジェクター20及び第2プロジェクター30にそれぞれ具備される照明部21及び照明部31をそれぞれ制御してオン/オフさせる。イメージ取得部55は、カメラ部40で撮影された複数の第1パターンイメージ及び複数の第2パターンイメージを処理してメイン制御器51に送る。
【0027】
前記構成を有する本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の他の実施例について、添付する
図3及び
図4を参照して説明する。
【0028】
図3及び
図4は、本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の他の実施例を示す平面図である。
【0029】
図3及び
図4に示すように、本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置の他の実施例としては、移送ステージ10、複数の第1プロジェクター20、複数の第2プロジェクター30、カメラ部40、及び制御部50で構成される。
【0030】
移送ステージ10は、検査対象物1を測定位置に移送させ、複数の第1プロジェクター20は、それぞれ移送ステージ10の上側に設置されて、第1等価波長を有する第1パターン光を発生させて検査対象物1に照射する。このような複数の第1プロジェクター20は、互いに隣接するように設置される。複数の第2プロジェクター30は、それぞれ移送ステージ10の上側に複数の第1プロジェクター20とそれぞれ対向するように設置され、第1等価波長と波長の異なる第2等価波長を有する第2パターン光を検査対象物1にそれぞれ照射する。このような複数の第2プロジェクター30は、複数の第1プロジェクター20と対向するとともに互いに隣接するように設置される。例えば、
図3及び
図4に示したように、複数の第1プロジェクター20のうち、いずれか一つが検査対象物1の第1方向に第1パターン光を照射する場合、第1プロジェクター20と対向するように設置される複数の第2プロジェクター30のうち、いずれか一つの第2プロジェクター30は、第1方向と対向する検査対象物1の第2方向に第2パターン光を照射する。
【0031】
カメラ部40は、移送ステージ10の上側に設置され、検査対象物1で反射される第1パターン光による第1パターンイメージと、第2パターン光による第2パターンイメージとをそれぞれ順次に撮影する。制御部50は、複数の第1プロジェクター20と複数の第2プロジェクター30とをそれぞれ制御して検査対象物1に複数の第1パターン光及び複数の第2パターン光が照射されるようにし、それぞれの第1パターン光及び第2パターン光による複数の第1パターンイメージ及び複数の第2パターンイメージがカメラ部40で撮影されると、第1パターンイメージ及び第2パターンイメージを受信して検査対象物1の3次元形状を測定する。
【0032】
前記の構成を有する本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定方法を添付する図面を参照して説明する。
【0033】
図4は、本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定方法を示すフローチャートである。
【0034】
図4に示すように本発明の多重波長を用いる3次元形状の測定方法は、まず、第1プロジェクター20と第2プロジェクター30が
図2のようにそれぞれ一つのみ具備される場合には、第1プロジェクター20及び第2プロジェクター30を選択するが、
図3及び
図4に示すように第1プロジェクター20と第2プロジェクター30が、それぞれ複数具備される場合には、複数の第1プロジェクター20及び複数の第2プロジェクター30のうち、いずれか一つのプロジェクターを選択する(ステップS10)。
【0035】
第1プロジェクター20が選択されると、第1プロジェクター20の第1格子を順次に移送しながら第1等価波長を有する第1パターン光を検査対象物1の第1方向に照射して、反射される複数の第1パターンイメージを取得し、取得された複数の第1パターンイメージをN−バケットアルゴリズム(N−bucket algorithm)を用いて第1位相を算出する(ステップS20)。
【0036】
第1位相を算出する方法は、まず、複数の第1プロジェクター20を順次にオンさせる(ステップS21)。複数の第1プロジェクター20のうち、オンされた第1プロジェクター20の第1格子を順次に移送しながら、第1等価波長を有する第1パターン光を検査対象物1の第1方向に照射し、反射される複数の第1パターンイメージを取得する(ステップS22)。複数の第1パターンイメージが取得されると、複数の第1パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて第1位相を算出する(ステップS23)。
【0037】
第1位相が算出されると、第2プロジェクター30の第2格子を順次に移送しながら第1等価波長と異なる波長の第2等価波長を有する第2パターン光を検査対象物1の第2方向に照射して、反射される複数の第2パターンイメージを取得し、取得された複数の第2パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて第2位相を算出する(ステップS30)。
【0038】
第2位相を算出する方法は、まず、複数の第2プロジェクター30を順次にオンさせる(ステップS31)。複数の第2プロジェクター30のうち、オンされた第2プロジェクター30の第2格子を順次に移送しながら第1等価波長と異なる波長の第2等価波長を有する第2パターン光を検査対象物1の第2方向に照射して、反射される複数の第2パターンイメージを取得する(ステップS32)。複数の第2パターンイメージが取得されると、複数の第2パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて第2位相を算出する(ステップS33)。
【0039】
第1及び第2位相が算出されると、第1等価波長及び第2等価波長のうなり現象(beat)による第3位相を算出する(ステップS40)。第3位相を算出する方法は、φ
12(x,y)=φ
1(x,y)−φ
2(x,y)=2π(h(x、y)/λ
12)を用いて算出する。ここで、φ
12(x,y)は第3位相であり、φ
1(x,y)は第1位相であり、φ
2(x,y)は第2位相であり、h(x,y)は測定点の高さであり、λ
12はうなりが生じた等価波長(beaten equivalent wavelength)を示す。うなりが生じた等価波長λ
12は、第1等価波長が578μmであり、第2等価波長が713μmの場合に、前記第3位相(φ
21(x,y))を算出する式を用いて算出すると、3321μmとなる。
【0040】
第3位相が算出されると、第3位相を用いて第1位相の第1次数及び第2位相の第2次数を算出する(ステップS50)。ここで、
図6及び
図7に示したように、第1次数をMとし、第2次数をNとすると、第1次数Mは、φ
1(x,y)=2πh
1/λ
1+M・2πを用いて算出し、第2次数Nは、φ
2(x,y)=2πh2/λ
2+N・2πを用いて算出する。ここで、λ
1は第1パターン光の第1等価波長であり、h
1はλ
1に対応する測定点の高さであり、λ
2は第2パターン光の第2等価波長であり、h
2はλ
2に対応する測定点の高さを示す。
【0041】
次に、第1及び第2次数と第1及び第2位相とを用いて第1及び第2高さ情報を算出する(ステップS60)。このように、第1及び第2次数を算出した後、第1及び第2位相を用いて第1及び第2高さ情報を算出することによって、2π曖昧性を除去して検査対象物の測定可能な高さの最大値を増加させることができる。ここで、測定可能な高さの最大値は、h(x,y)=(φ
12(x,y)/2π)λ
12を用いて算出する。即ち、
図6及び
図7で示したようにうなりが生じた等価波長λ
12の、P=0次範囲にある第1等価波長の第1次数M=−2、−1、0、1、2を算出し、第2等価波長の第2次数N=−1、0、1を算出することによって、それぞれの次数による2π曖昧性を除去することができる。
【0042】
第1及び第2高さ情報が算出されると、第1及び第2次数と、第1及び第2高さ情報とを用いて検査対象物1の3次元形状を算出する(ステップS70)。検査対象物1の3次元形状を測定する方法は、まず、第1及び第2次数と第1及び第2高さ情報とを用いて、
図7に示した影領域1c及びノイズを除去した後、統合された高さの情報を算出する(ステップS71)。
【0043】
統合された高さの情報が算出されると、統合された高さ情報を用いて検査対象物1の基準面の高さ情報を算出し、基準面の高さ情報を用いて検査対象物1の反りの情報を算出する(ステップS72)。即ち、うなりが生じた等価波長λ
12を用いることによって測定可能な高さの最大値が増加し、検査対象物1が
図8に点線で示したように凹んで反るか、或いは膨らんで反る場合にも+λ
12/2〜−λ
12/2の範囲内にあるため、検査対象物1の高さの測定が可能であるため、全体的に検査対象物1の反りの情報を算出できることになる。ここで、検査対象物1は、
図6及び
図7のように3次元形状測定のための測定部位1bと基板1aを含み、基準面は基板1aの底面に設定する。
【0044】
このように、反りの情報が算出されて基準面の高さ情報が算出されると、反りの情報と基準面の高さ情報とを用いて基準面に対する検査対象物1の高さ情報を算出して(ステップS73)、検査対象物1の3次元形状を測定する。
【0045】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の多重波長を用いた3次元形状の測定装置及び測定方法は、印刷回路基板、はんだボール、または電子部品などの3次元形状の測定分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 移送ステージ
11 X/Yステージ
12 ステージ移送器
20 第1プロジェクター
21、31 照明部
23、33 集光レンズ
22 第1格子部
30 第2プロジェクター
32 第2格子部
40 カメラ部
50 制御部
【手続補正書】
【提出日】2015年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を測定位置に移送させる移送ステージと、
前記検査対象物に対して第1等価波長を有する第1パターン光を第1方向に照射する第1プロジェクターと、
前記検査対象物に対して第1等価波長と波長が異なる第2等価波長を有する第2パターン光を第2方向に照射する第2プロジェクターと、
前記移送ステージの前記検査対象物から反射される前記第1パターン光による第1パターンイメージと前記第2パターン光による第2パターンイメージとを撮影するカメラ部と、
前記第1プロジェクターと前記第2プロジェクターとを制御し、前記第1パターンイメージと前記第2パターンイメージとが前記カメラ部で撮影されると、前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを受信して前記検査対象物の3次元形状を算出する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージから第1位相及び第2位相をそれぞれ取得し、
前記第1位相と前記第2位相との相対的な値を用いて第3位相を算出し、
算出された前記第3位相を用いて前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数を算出し、
前記第1位相と前記第1次数を用いて最大測定高さが増加された前記第1方向による第1高さ情報を算出し且つ前記第2位相と前記第2次数を用いて最大測定高さが増加された前記第2方向による第2高さ情報を算出し、
前記第1次数が適用された第1高さ情報と前記第2次数が適用された第2高さ情報を用いて影領域とノイズが除去された前記検査対象物の統合された高さ情報を算出する
ことを特徴とする3次元形状の測定装置。
【請求項2】
前記第1プロジェクターは、
光を発生させる照明部と、
前記照明部の一側に設置され、光を、前記第1等価波長を有する前記第1パターン光に変換させる第1格子部と、を含み、
前記第1格子部は、第1ピッチを有する複数の第1パターンが配列されて形成され、光を、前記第1等価波長を有する前記第1パターン光に変換させる第1格子と、前記第1格子に連結され、前記第1格子を一定の間隔に移送させる格子移送器を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項3】
前記第2プロジェクターは、
光を発生させる照明部と、
前記照明部の一側に設置され、光を、前記第2等価波長を有する前記第2パターン光に変換させる第2格子部と、を含み、
前記第2格子部は、第2ピッチを有する複数の第2パターンが配列されて形成され、光を、前記第2等価波長を有する前記第2パターン光に変換させる第2格子と、前記第2格子に連結され、前記第2格子を一定の間隔に移送させる格子移送器を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項4】
前記第1プロジェクターは、前記照明部から入射された光を集める集光レンズを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項5】
前記第1格子部は、格子プレートモジュール、液晶ディスプレイ、及びデジタルミラーのいずれか一つが適用されることを特徴とする請求項2に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項6】
前記カメラ部は、前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを受信して結像させる結像レンズと、
前記結像レンズの一側に設置され、前記結像レンズにより結像された前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを撮影するカメラと、で構成され、
前記カメラは、CCDカメラまたはCMOSカメラが適用されることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項7】
前記カメラ部は、前記検査対象物の2次元検査のための光を発生させる2次元検査照明部を更に含み、前記2次元検査照明部は、複数の発光ダイオードまたは円形ランプを含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項8】
検査対象物を測定位置に移送させる移送ステージと、
第1等価波長を有する第1パターン光を発生させて、前記検査対象物に対してそれぞれ照射する複数の第1プロジェクターと、
前記第1等価波長と波長が異なる第2等価波長を有する第2パターン光を前記検査対象物に対してそれぞれ照射する複数の第2プロジェクターと、
前記検査対象物によって反射される前記第1パターン光による第1パターンイメージと前記第2パターン光による第2パターンイメージとを撮影するカメラ部と、
前記複数の第1プロジェクターと前記複数の第2プロジェクターとをそれぞれ制御して前記検査対象物の第1方向及び第2方向に前記複数の第1パターン光及び前記複数の第2パターン光を照射し、それぞれ前記第1パターン光及び前記第2パターン光により前記複数の第1パターンイメージと前記複数の第2パターンイメージとが前記カメラ部で撮影されると、前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージを受信して前記検査対象物の3次元形状を算出する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1パターンイメージ及び前記第2パターンイメージから第1位相及び第2位相をそれぞれ取得し、
前記第1位相と前記第2位相との相対的な値を用いて第3位相を算出し、
算出された前記第3位相を用いて前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数を算出し、
前記第1位相と前記第1次数を用いて最大測定高さが増加された前記第1方向による第1高さ情報を算出し且つ前記第2位相と前記第2次数を用いて最大測定高さが増加された前記第2方向による第2高さ情報を算出し、
前記第1次数が適用された第1高さ情報と前記第2次数が適用された第2高さ情報を用いて影領域とノイズが除去された前記検査対象物の統合された高さ情報を算出する
ことを特徴とする3次元形状の測定装置。
【請求項9】
前記複数の第1プロジェクターは互いに隣接するように設置されることを特徴とする請求項8に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項10】
前記複数の第1プロジェクターと前記複数の第2プロジェクターとは互いに対向するように設置されることを特徴とする請求項8に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項11】
第1プロジェクターの第1格子を移送しながら第1等価波長を有する第1パターン光を、検査対象物に対して第1方向に照射し、反射される複数の第1パターンイメージを取得し、取得された複数の第1パターンイメージを用いて第1位相を算出し、
第2プロジェクターの第2格子を移送しながら前記第1等価波長とは異なる波長の第2等価波長を有する第2パターン光を、前記検査対象物に対して第2方向に照射し、反射される複数の第2パターンイメージを取得し、取得された複数の第2パターンイメージを用いて第2位相を算出し、
前記第1位相と前記第2位相との相対的な値を用いて第3位相を算出し、
算出された前記第3位相を用いて前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数を算出し、
前記第1位相と前記第1次数を用いて最大測定高さが増加された前記第1方向による第1高さ情報を算出し且つ前記第2位相と前記第2次数を用いて最大測定高さが増加された前記第2方向による第2高さ情報を算出し、
前記第1次数が適用された第1高さ情報と前記第2次数が適用された第2高さ情報を用いて影領域とノイズが除去された前記検査対象物の統合された高さ情報を算出する
ことを含むことを特徴とする3次元形状の測定方法。
【請求項12】
前記第3位相を用いて、前記第1位相の第1次数と前記第2位相の第2次数とを算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項13】
前記第1次数及び前記第2次数と、前記第1位相及び前記第2位相とを用いて、前記第1高さ情報及び前記第2高さ情報を算出することを含むことを特徴とする請求項12に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項14】
前記第1位相を算出することは、
前記第1プロジェクターをオンし、
前記第1プロジェクターの前記第1格子を移送しながら前記第1等価波長を有する前記第1パターン光を、前記検査対象物に対して前記第1方向に照射し、反射される前記複数の第1パターンイメージを取得し、
前記複数の第1パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて前記第1位相を算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項15】
前記第2位相を算出することは、
前記第2プロジェクターをオンし、
前記第2プロジェクターの前記第2格子を移送しながら前記第1等価波長と異なる波長の前記第2等価波長を有する前記第2パターン光を、前記検査対象物に対して前記第2方向に照射し、反射される前記複数の第2パターンイメージを取得し、
前記複数の第2パターンイメージをN−バケットアルゴリズムを用いて前記第2位相を算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の3次元形状の測定方法。
【請求項16】
前記第2プロジェクターは、前記照明部から入射された光を集める集光レンズを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の3次元形状の測定装置。
【請求項17】
前記第2格子部は、格子プレートモジュール、液晶ディスプレイ、及びデジタルミラーのいずれか一つが適用されることを特徴とする請求項3に記載の3次元形状の測定装置。