【解決手段】像保持体上に現像剤を用いてトナー像を形成する画像形成手段と、像保持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、像保持体上の隣接するトナー像間に位置する非画像領域に、像保持体の移動方向と交差する方向に伸びた帯状トナー像を形成する帯状トナー像形成手段と、帯状トナー像の像保持体の移動方向と交差する方向の画像幅を、続いて形成されるトナー像の転写に使用される記録媒体の像保持体の移動方向と交差する方向の記録媒体幅よりも短く形成するように制御する帯状トナー像形成制御手段と、を備えた。
前記転写手段は、像保持体に対向して配置される中間転写体、前記像保持体上のトナー像を一次転写部で前記中間転写体に一次転写する一次転写手段、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写部で前記記録媒体に二次転写する二次転写手段、を備え、
前記二次転写手段は、前記中間転写体に保持された前記帯状トナー像が前記二次転写部を通過する際に、前記中間転写体に接触している、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、像保持体上の非転写トナー像に起因する転写手段の周辺部材の汚れを抑制することができる画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1記載の画像形成装置は、
像保持体上に現像剤を用いてトナー像を形成する画像形成手段と、
前記像保持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記像保持体上の隣接する前記トナー像間に位置する非画像領域に、前記像保持体の移動方向と交差する方向に伸びた帯状トナー像を形成する帯状トナー像形成手段と、
前記帯状トナー像の前記像保持体の移動方向と交差する方向の画像幅を、続いて形成される前記トナー像の転写に使用される前記記録媒体の前記像保持体の移動方向と交差する方向の記録媒体幅よりも短く形成するように制御する帯状トナー像形成制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記帯状トナー像形成制御手段が、前記記録媒体幅が最大幅寸法よりも小さい場合に前記帯状トナー像の画像濃度を増加させる、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記帯状トナー像形成制御手段が、前記記録媒体幅が最大幅寸法よりも小さい場合に前記帯状トナー像の前記像保持体の移動方向の画像長さを増加させる、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、前記像保持体に対向して配置される中間転写体、前記像保持体上のトナー像を一次転写部で前記中間転写体に一次転写する一次転写手段、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写部で前記記録媒体に二次転写する二次転写手段、を備え、
前記二次転写手段は、前記中間転写体に保持された前記帯状トナー像が前記二次転写部を通過する際に、前記中間転写体に接触している、
ことを有することを特徴とする。
【0009】
前記課題を解決するために、請求項5記載のプログラムは、
コンピュータに、
像保持体上に現像剤を用いてトナー像を形成する画像形成機能と、
前記像保持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写機能と、
前記像保持体上の隣接する前記トナー像間に位置する非画像領域に、前記像保持体の移動方向と交差する方向に伸びた帯状トナー像を形成する帯状トナー像形成機能と、
前記帯状トナー像の前記像保持体の移動方向と交差する方向の画像幅を、続いて形成される前記トナー像の転写に使用される前記記録媒体の前記像保持体の移動方向と交差する方向の記録媒体幅よりも短く形成するように制御する帯状トナー像形成制御機能と、を実現する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び5に記載の発明によれば、帯状トナー像の像保持体の移動方向と交差する方向の画像幅を、続いて形成されるトナー像の転写に使用される記録媒体の像保持体の移動方向と交差する方向の記録媒体幅よりも短く形成するように制御しない構成に比して、像保持体上の非転写トナー像に起因する転写手段の周辺部材の汚れを抑制することができることができる。
請求項2に記載の発明によれば、現像剤中の劣化したトナーの濃度の上昇を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、現像剤中の劣化したトナーの濃度の上昇を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、画像形成の生産性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0013】
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
(1.1)画像形成装置の全体構成
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成の一例を示す断面模式図、
図2は画像形成部10の機能ブロック図である。
画像形成装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の一端に装着された用紙送り装置20と、画像形成部10の他の一端に設けられ、印刷された用紙が排紙される排紙部30と、操作情報部40と、上位機器から送信された印刷情報から画像情報を生成する画像処理部50と、を備えて構成されている。
【0014】
画像形成部10は、システム制御装置11、露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、用紙搬送装置16a、16b、16c、定着装置17を備えて構成され、画像処理部50から受け取った画像情報を、用紙送り装置20から送り込まれた用紙P上にトナー画像として形成する。
【0015】
用紙送り装置20は、画像形成部10に対する用紙供給を行う。すなわち、種類(例えば、材質や厚さ、用紙サイズ、紙目)の異なる用紙Pを収容する複数の用紙積載部を備えており、これら複数の用紙積載部のいずれか一つから繰り出した用紙Pを画像形成部10に対して供給するように構成されている。
【0016】
排紙部30は、画像形成部10にて画像出力が行われた用紙Pの排出を行う。そのために、排紙部30は、画像出力後の用紙Pが排出される排紙収容部を備えている。なお、排紙部30は、画像形成部10から出力される用紙束に対して、裁断やステープル(針綴じ)等の後処理を行う機能を有したものであってもよい。
【0017】
操作情報部40は、各種の設定や指示の入力及び情報表示に用いられるものである。すなわち、いわゆるユーザインタフェースに相当するもので、具体的には液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成されている。
【0018】
(1.2)画像形成部の構成及び動作
このような構成の画像形成装置1では、画像形成のタイミングに合わせて用紙送り装置20のうち、印刷ジョブで印刷の1枚毎に指定された用紙積載部から繰り出された用紙Pが画像形成部10へ送り込まれる。
【0019】
感光体ユニット13は、露光装置12の下方に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する像保持体としての感光体ドラム131を備えている。感光体ドラム131の回転方向にそって、帯電器132、露光装置12、現像装置14、一次転写ローラ152、クリーニングブレード134が配置されている。
【0020】
現像装置14は、内部に現像剤が収容される現像ハウジング141を有する。現像ハウジング141内には、感光体ドラム131に対向して配置された現像ローラ142が配設され、現像ローラ142には、現像剤の層厚を規制する層規制部材(不図示)が近接配置されている。
現像装置14各々は、現像ハウジング141に収容される現像剤を除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。また、各現像装置14は、感光体ドラム131上の隣接するトナー像間に位置する非画像領域に、帯状トナー像としてのトナーバンドTBを形成し、帯状トナー像形成手段として機能する。
【0021】
回転する感光体ドラム131の表面は、帯電器132により帯電され、露光装置12から出射する潜像形成光により静電潜像が形成される。感光体ドラム131上に形成された静電潜像は現像ローラ142によりトナー像として現像される。
【0022】
転写手段としての転写装置15は、各感光体ユニット13の感光体ドラム131にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト151、各感光体ユニット13にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト151に順次転写(一次転写)する一次転写ローラ152、中間転写ベルト151上に重畳して転写された各色トナー像を記録媒体である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ローラ153、二次転写ローラ153の表面に付着する残留トナーや紙粉等を除去するクリーニング装置155、中間転写ベルト151上に付着している残留トナーや紙粉等を除去する中間転写ベルトクリーナ158を備えて構成されている。
【0023】
各感光体ユニット13の感光体ドラム131に形成された各色トナー像は、中間転写ベルト151と各感光体ドラム131が接触する一次転写部で、システム制御装置11により制御される電源装置110から所定の一次転写電圧が印加された一次転写ローラ152により中間転写ベルト151上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。
【0024】
中間転写ベルト151上の重畳トナー像は、中間転写ベルト151の移動に伴って、バックアップローラ165に中間転写ベルト151を介して二次転写ローラ153が圧接配置された二次転写部TRに搬送される。
重畳トナー像が二次転写部TRに搬送されると、そのタイミングに合わせて用紙送り装置20から用紙Pが二次転写部TRに供給される。そして、中間転写ベルト151を介して二次転写ローラ153と対向するバックアップローラ165には、システム制御装置11により制御される電源装置110から予め定められた二次転写電圧が印加され、用紙Pに中間転写ベルト151上の多重トナー像が一括転写される。
【0025】
感光体ドラム131表面の残留トナーは、クリーニングブレード134により除去され、廃トナー収容部(不図示)に回収され、感光体ドラム131の表面は、帯電器132により再帯電される。
また、トナー像が二次転写された後の中間転写ベルト151上の残留トナーや紙粉等は中間転写ベルトクリーナ158で除去・回収され、二次転写ローラ153の表面は、クリーニング装置155のクリーニングブラシ155a及びクリーニングブレード155bによって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0026】
定着装置17は一方向へ回転する無端状の定着ベルト17aと、定着ベルト17aの周面に接し、一方向へ回転する加圧ローラ17bとを有し、定着ベルト17aと加圧ローラ17bの圧接領域によってニップ部N(定着領域)が形成される。
転写装置15においてトナー像が転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で用紙搬送装置16aを経由して定着装置17に搬送される。定着装置17に搬送された用紙Pは、一対の定着ベルト17aと加圧ローラ17bにより、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。
【0027】
定着の終了した用紙Pは、用紙搬送装置16bを経由して排紙部30に送り込まれる。
尚、用紙Pの両面に画像出力を行う場合には、用紙搬送装置16cにより当該用紙Pの表裏が反転され、再び画像形成部10における二次転写部TRへ送り込まれる。そして、トナー像の転写および転写像の定着が行われた後に、排紙部30に送り込まれることになる。排紙部30へ送り込まれた用紙Pは、必要に応じて裁断やステープル(針綴じ)等の後処理を経た後に、排紙収容部へ排出される。
【0028】
(2)転写装置の構成と作用
(2.1)転写装置の構成
図3は本実施形態に係る画像形成装置1における用紙搬送部を含む転写装置15の構成を示す断面模式図である。
転写装置15は中間転写ベルト151、一次転写ローラ152、二次転写ローラ153、を備えて構成されている。
【0029】
中間転写ベルト151は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が10
6〜10
14Ω・cmとなるように形成されており、その厚みは例えば、0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。
中間転写ベルト151は、中間転写ベルト151を循環駆動させる駆動ローラ161、各感光体ドラム131の配列方向に沿って略直線状に伸びる中間転写ベルト151を支持する従動ローラ162、中間転写ベルト151に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト151の蛇行を防止するテンションローラ163、二次転写部TRの上流側に設けられ、中間転写ベルト151を支持する支持ローラ164、二次転写部TRに設けられるバックアップローラ165、中間転写ベルト151上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップローラ166を有している。
【0030】
バックアップローラ165は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブで、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が10
7〜10
10Ω/□でローラ径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70度(アスカーC)に設定されている。
バックアップローラ165は、中間転写ベルト151の裏面側に配置されて二次転写ローラ153の対向電極をなしている。そして、バックアップローラ165には、二次転写部TRにて二次転写電界を形成するための第1のバイアス電圧を印加する金属製の給電ローラ165Aが接触配置されている。
【0031】
一次転写ローラ152は、一次転写部において、中間転写ベルト151を挟んで、各感光体ドラム131に対向して設けられ、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム131上のトナー像が中間転写ベルト151に順次、静電吸引され、中間転写ベルト151上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0032】
二次転写ローラ153は、例えば、フッ素コートが施されたウレタンゴムのチューブからなる表面層を有する体積抵抗率が10
6〜10
10Ω・cmの半導電性ゴムからなり、ローラ径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば30度(アスカーC)に設定されている。
二次転写ローラ153は、中間転写ベルト151を介してバックアップローラ165に対向して配置され、用紙送り装置20から搬送される用紙Pに対して、バックアップローラ165とともに中間転写ベルト151が保持するトナー像を二次転写する二次転写部TRを形成する。
【0033】
二次転写ローラ153に対向して、二次転写ローラ153の表面に付着する残留トナーや紙粉等を除去するクリーニング装置155が配置されている。
クリーニング装置155は、二次転写ローラ153の表面に付着する残留トナーや紙粉等を掻き乱すクリーニングブラシ155aと、クリーニングブラシ155aで予め掻き乱された残留トナーや紙粉等を除去するクリーニングブレード155bから構成されている。
クリーニングブラシ155aには、フリッキングバー155cが当接配置されてクリーニングブラシ155a表面に付着した残留トナーや紙粉等を除去する。
【0034】
二次転写部TRの用紙搬送方向下流側には、電極部材156a、案内ガイド156bから構成される剥離徐電装置156が配置されている。トナー像が二次転写された用紙Pは、電極部材156aで用紙Pの背面から徐電されながら、中間転写ベルト151から分離・剥離され、案内ガイド156bに案内されながら、用紙搬送装置16aを経由して定着装置17に搬送される。
【0035】
(2.2)転写装置のバイアス印加制御
図4は画像形成装置1の二次転写部TR周辺の構成及び二次転写部TRにおけるトナーバンドTBの通過を説明する図である。
図4に示すように、バックアップローラ165に転写バイアスを印加する給電ローラ165Aには転写バイアス電圧を印加する電源装置110が接続されている。
【0036】
電源装置110は、二次転写ローラ153とバックアップローラ165との間にトナー像を用紙Pに転写させるための電流(以下転写電流)を供給する転写バイアス電源111と、中間転写ベルト151上に形成された帯状トナー像の一例としてのトナーバンドTB等の不要トナーの二次転写ローラ153への移行を防止するためのクリーニングバイアス電圧を供給するクリーニングバイアス電源112と、切替器113とを備えている。
【0037】
(2.3)トナーバンド形成と作用
このように構成される画像形成装置1において、画像形成部10では、用紙Pへの転写を目的としないトナー像も形成される。具体的には、感光体ドラム131のクリーニングブレード134の保護や現像装置14内の劣化トナーの排出の為に帯状トナー像の一例としてのトナーバンドTBが形成される。
【0038】
例えば、低密度画像が連続的に続いた場合には現像装置14内のトナー消費が少ない為に現像装置14の内部に滞留する時間が長くなり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化してしまい、形成される画像の粒状性が悪化する虞があった。
また、中間転写ベルト151上における各色のトナー像の重ね合わせ位置を調整するための画質調整パターンが形成される場合、かかる画質調整パターンは、画像密度が低く、頻繁に画質調整動作が行われると、現像装置14内のトナー消費が少なく、現像装置14のトナーが過剰に摩擦帯電されて劣化なる虞があった。
【0039】
そのために、画像形成装置1においては、感光体ドラム131上の隣接するトナー像間に位置する非画像領域(以下、インターイメージ部IMと記す)に、感光体ドラム131の回転移動方向と交差する方向(幅方向)に伸びた帯状トナー像であるトナーバンドTBを形成して、現像装置14内の滞留するトナーを強制的に消費する調整動作が行われる。
【0040】
感光体ドラム131上に形成されたトナーバンドTBは、一次転写部で中間転写ベルト151上に一次転写された後、二次転写部TRではバックアップローラ165へクリーニングバイアス電圧が印加されて、用紙Pに転写されることはなく、最終的には中間転写ベルトクリーナ158によって掻き落とされ回収される。
【0041】
(2.4)トナーバンドを含む二次転写動作
図5はインターイメージ部IMに最大画像形成幅でトナーバンドTBが形成されたときの中間転写ベルト151上のトナー像と二次転写部TRの幅方向との関係を示す平面模式図、
図6は本実施形態に係る画像形成装置1におけるトナーバンドTBの画像幅Lbと後続の用紙Pの用紙幅Lpとの関係を示す平面模式図である。
【0042】
中間転写ベルト151上に保持されたトナーバンドTBが二次転写部TRを通過するときは、バックアップローラ165には、トナーの帯電極性とは逆極性のバイアス電圧が印加され、二次転写ローラ153は、対トナー像に対しては同極性となる。
その結果、トナーバンドTBは、二次転写ローラ153へは移行しにくく、中間転写ベルト151上に保持されて中間転写ベルトクリーナ158へ移動することになるが、トナーバンドTBの表層の一部のトナーは二次転写ローラ153表面層へ付着し、クリーニング装置155のクリーニングブラシ155a及びクリーニングブレード155bによって除去される(
図4参照)。
【0043】
クリーニング装置155のクリーニングブラシ155aは、二次転写ローラ153の表面層に付着したトナーを掻き乱し、クリーニングブレード155bによって除去されやすくしている。一方、クリーニングブラシ155aで掻き乱されたトナーの一部は二次転写部TRにおいてトナークラウド(空気中を浮遊するトナー)として浮遊して二次転写ローラ153と剥離徐電装置156の間隙部Gから電極部材156aや案内ガイド156bに蓄積されていく。
【0044】
二次転写部TRで二次転写ローラ153と剥離徐電装置156の間隙部Gからトナークラウドとして浮遊するトナーは、用紙Pが通過する領域(R1)においては、用紙Pの裏面側に付着して用紙Pとともに搬送され電極部材156aや案内ガイド156bに蓄積されることはない。
一方、用紙Pの通過領域(R1)よりも外側の領域(R2)においては、電極部材156aや案内ガイド156bに蓄積されて、後続する用紙Pが幅広であった場合に、用紙Pの両側において裏面汚れが発生する虞があった。
【0045】
本実施形態に係る画像形成装置1においては、システム制御装置11に制御される帯状トナー像形成制御手段としてのトナーバンド生成部120を備えている(
図2参照)。
【0046】
図6に示すように、トナーバンド生成部120は、インターイメージ部IMに、帯状トナー像としてのトナーバンドTBを形成する場合には、形成するトナーバンドTBに続くトナー画像の転写に使用される用紙Pの用紙幅Lpに関する用紙属性情報に基づいて、形成するトナーバンドTBの感光体ドラム131の軸方向長さLbを、用紙幅Lpよりも短く形成する。
【0047】
そして、各感光体ドラム131上に形成されたトナーバンドTB及びトナー像は、一次転写部において、中間転写ベルト151上に一次転写される。
中間転写ベルト151上に保持されたトナーバンドTB及びトナー像が二次転写部TRに搬送されると、そのタイミングに合わせて用紙送り装置20から用紙Pが二次転写部TRに供給される。
【0048】
二次転写部TRにおいては、二次転写ローラ153は中間転写ベルト151を介してバックアップローラ165に圧接された状態で、バックアップローラ165には、システム制御装置11により制御される電源装置110から予め定められたクリーニングバイアス及び二次転写バイアスが印加され、トナーバンドTBは二次転写ローラ153表面と接触して二次転写部TRを通過し、用紙Pには中間転写ベルト151上のトナー像が一括転写される。
【0049】
トナーバンドTBが二次転写部TRを二次転写ローラ153表面と接触して通過する際に、二次転写ローラ153表面に付着して、クリーニング装置155のクリーニングブラシ155aで掻き乱されたトナーの一部は、トナークラウドとして浮遊して二次転写ローラ153と剥離徐電装置156の間隙部Gから電極部材156aや案内ガイド156b側に漏出しても、トナーバンドTBの画像幅Lbよりも広い用紙幅Lpを有する後続の用紙Pの裏面に付着して搬送され、電極部材156aや案内ガイド156bに蓄積されることはない。
【0050】
そのために、トナーバンドTBが二次転写部TRを通過する際に、二次転写ローラ153を中間転写ベルト151表面から離間させる動作を必要とせず、画像形成の生産性の低下を抑制することができる。
【0051】
(2.5)トナーバンドの形成条件
トナーバンド生成部120は、形成するトナーバンドTBに続くトナー画像の転写に使用される用紙Pの用紙幅Lpが最大幅寸法よりも小さい場合には、用紙Pの用紙幅Lpが最大幅寸法である場合に形成されるトナーバンドTBよりも濃度を増加させてトナーバンドTBを形成する。
その結果、形成されるトナーバンドTBの画像領域が狭くなった場合にも、現像装置14の内部で過剰に帯電されて滞留するトナーの増加を抑制することができる。
【0052】
形成されるトナーバンドTBの濃度は、露光装置12から出射する潜像形成光の強度を変更したり、トナーバンドTBの網点画像密度を変更することにより感光体ドラム131上に形成される静電潜像を変更することにより行われる。
また、現像装置14の現像ローラ142に印加される現像バイアス電圧を変更しても良い。
【0053】
また、トナーバンド生成部120は、形成するトナーバンドTBに続くトナー画像の転写に使用される用紙Pの用紙幅Lpが最大幅寸法よりも小さい場合には、用紙Pの用紙幅Lpが最大幅寸法である場合に形成されるトナーバンドTBの感光体ドラム131の移動方向の画像長さよりも長い画像長さのトナーバンドTBを形成する。
その結果、形成されるトナーバンドTBの画像幅Lbが狭くなった場合にも、形成されるトナーバンドTBの画像領域を拡大して、現像装置14の内部で過剰に帯電されて滞留するトナーの増加を抑制することができる。
【0054】
以上、本発明に係る実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことが可能である。
【0055】
例えば、本実施形態では画像形成装置1は二次転写ローラ方式による中間転写ベルトを用いたタンデム型のカラープリンタとして説明したが、二次転写ベルトを有する二次転写ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。