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特開2015-232761車両の制御装置及びステアリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232761(P2015-232761A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】車両の制御装置及びステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   G05B19/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-118810(P2014-118810)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】米木 真哉
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA08
5H220BB09
5H220CC09
5H220CX01
5H220EE01
5H220HH03
5H220JJ12
5H220JJ38
(57)【要約】
【課題】制御の継続性を向上させることのできる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置は、制御装置ネットワーク34を介して接続されたセンサコントローラ31、アクチュエータコントローラ32、及び指令コントローラ33を備える。モータ制御装置は、各コントローラ31〜33の間で通信を行うことにより、センサ40,41からそれぞれ出力される検出信号St,Sθに基づきモータの駆動を制御する。センサコントローラ31は、CPU60、メモリ61、監視部62、ネットワークコントローラ63、及び周辺デバイス64を有する。CPU60、ネットワークコントローラ63、及び周辺デバイス64はペリフェラルバス66を介して通信可能に接続されている。監視部62は、CPU60及びメモリ61のそれぞれの状態を監視し、それらの少なくとも一方に異常が生じた場合、ネットワークコントローラ63にバスマスタの権限を付与する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された複数のコントローラ間で通信を行うことにより、車両に搭載されたセンサから出力される検出信号に基づきアクチュエータの駆動を制御する車両の制御装置において、
前記複数のコントローラのうちの所定のコントローラは、演算処理部と、メモリと、前記ネットワークを介して他のコントローラと通信を行うためのネットワークコントローラと、前記ネットワークコントローラ以外の周辺デバイスと、前記演算処理部及び前記メモリの少なくとも一方の状態を監視する監視手段と、を有し、
前記演算処理部、前記ネットワークコントローラ、及び前記周辺デバイスはバスを介して通信可能に接続され、
前記監視手段により前記演算処理部及び前記メモリの少なくとも一方に異常が検出された場合、前記ネットワークコントローラにバスマスタの権限を付与する
ことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記監視手段は、前記演算処理部及び前記メモリの少なくとも一方に異常が生じた場合、異常検出信号を前記ネットワークコントローラ及び前記ネットワークを介して前記他のコントローラに送信する
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記他のコントローラは、前記異常検出信号を受信した場合、前記所定のコントローラとの通信の際に、前記周辺デバイスの動作を直接指示する態様にて通信を行う
請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記他のコントローラは、前記異常検出信号を受信した場合、前記演算処理部にて行われていた処理を代替して行う
請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記監視手段は、前記演算処理部に異常が生じた場合、前記演算処理部を一旦停止させた後に再起動させるとともに、前記演算処理部を停止させている期間に限り、前記ネットワークコントローラにバスマスタの権限を付与する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記複数のコントローラとして、
前記センサの検出信号を取り込むセンサコントローラと、
前記センサコントローラから前記ネットワークを介して取得した情報に基づき前記アクチュエータの制御指令値を演算する指令コントローラと、
前記指令コントローラから前記ネットワークを介して送信される前記制御指令値に基づき前記アクチュエータの駆動を制御するアクチュエータコントローラと、を有し、
前記所定のコントローラは、前記センサコントローラであり、前記周辺デバイスとして、前記センサの検出信号を取り込む入力部を有する
請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
前記複数のコントローラとして、
前記センサの検出信号を取り込むセンサコントローラと、
前記センサコントローラから前記ネットワークを介して取得した情報に基づき前記アクチュエータの制御指令値を演算する指令コントローラと、
前記指令コントローラから前記ネットワークを介して送信される前記制御指令値に基づき前記アクチュエータの駆動を制御するアクチュエータコントローラと、を有し、
前記所定のコントローラは、前記アクチュエータコントローラであり、前記周辺デバイスとして、前記アクチュエータの駆動回路に駆動信号を送信する入出力ポートを有する
請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項8】
車両の操舵機構に操舵力を付与するモータと、
車両の走行路の情報を検出する走行路検出部と、を備え、
前記走行路検出部により検出される前記走行路の情報に基づき前記モータの制御指令値を設定し、同制御指令値に基づき前記モータの駆動を制御するステアリング装置において、
前記モータの駆動を制御するモータ制御装置として、請求項6又は7に記載の制御装置が用いられ、
前記センサとして、操舵角を検出する操舵角センサを有し、
前記アクチュエータとして、前記モータを有し、
前記センサコントローラは、前記操舵角センサの検出信号を取り込み、
前記指令コントローラは、前記モータの制御指令値を設定し、
前記アクチュエータコントローラは、前記制御指令値に基づき前記モータの駆動を制御する
ことを特徴とするステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置及びステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の制御装置の一つとして、アクチュエータの駆動制御に必要な各種機能を複数のコントローラで分散して実行する制御装置がある。この種の制御装置としては、特許文献1に記載の制御装置がある。
【0003】
特許文献1に記載の制御装置は、センサコントローラと、指令コントローラと、アクチュエータコントローラとを備えている。各コントローラはネットワークを介して通信可能に接続されている。センサコントローラは、車両に搭載されたセンサから出力される検出信号を取り込む。指令コントローラは、センサの検出信号をセンサコントローラからネットワークを介して取得し、取得したセンサの検出信号に基づきアクチュエータの制御指令値を演算する。また、指令コントローラは、演算した制御指令値をアクチュエータコントローラに送信する。アクチュエータコントローラは、指令コントローラから送信された制御指令値を受信すると、同制御指令値に基づきアクチュエータの駆動を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−41043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の制御装置では、センサコントローラやアクチュエータコントローラに異常が生じるとアクチュエータの駆動制御を継続することができない。例えばセンサコントローラに異常が生じた場合には、センサが正常であっても、指令コントローラはセンサの検出信号を取得することができない。この場合、指令コントローラは制御指令値を演算することができず、結果的にアクチュエータの駆動制御を継続することができない。また、例えばアクチュエータコントローラに異常が生じた場合には、アクチュエータが正常であっても、アクチュエータの駆動制御を継続することができない。
【0006】
なお、このような課題は、特許文献1に記載の制御装置に限らず、ネットワークを介して接続された複数のコントローラ間で通信を行うことにより、車両に搭載されたセンサから出力される検出信号に基づきアクチュエータの駆動を制御する車両の各種制御装置に共通する課題である。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御の継続性を向上させることのできる車両の制御装置及びステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
制御装置において異常の発生頻度の高い要素は演算処理部やメモリである。換言すれば、演算処理部やメモリ以外の装置には異常が発生し難い。
発明者はこの点に着目し、上記課題を解決するために、ネットワークを介して接続された複数のコントローラ間で通信を行うことにより、車両に搭載されたセンサから出力される検出信号に基づきアクチュエータの駆動を制御する車両の制御装置において、前記複数のコントローラのうちの所定のコントローラは、演算処理部と、メモリと、前記ネットワークを介して他のコントローラと通信を行うためのネットワークコントローラと、前記ネットワークコントローラ以外の周辺デバイスと、前記演算処理部及び前記メモリの少なくとも一方の状態を監視する監視手段と、を有し、前記演算処理部、前記ネットワークコントローラ、及び前記周辺デバイスはバスを介して通信可能に接続され、前記監視手段により前記演算処理部及び前記メモリの少なくとも一方に異常が検出された場合、前記ネットワークコントローラにバスマスタの権限を付与することとした。
【0009】
この構成によれば、所定のコントローラの演算処理部やメモリの少なくとも一方に異常が生じた場合でも、ネットワークコントローラがバスを介して周辺デバイスにアクセスすることができる。これにより、他のコントローラはネットワークコントローラを介して所定のコントローラの周辺デバイスを動作させることができるため、異常の生じた所定のコントローラの有する機能を維持することができる。したがって、アクチュエータの駆動制御を継続することができるため、制御の継続性を向上させることができる。
【0010】
上記車両の制御装置について、前記監視手段は、前記演算処理部及び前記メモリの少なくとも一方に異常が生じた場合、異常検出信号を前記ネットワークコントローラ及び前記ネットワークを介して前記他のコントローラに送信することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、他のコントローラが所定のコントローラの異常を検出することができる。
上記車両の制御装置について、前記他のコントローラは、前記異常検出信号を受信した場合、前記所定のコントローラとの通信の際に、前記周辺デバイスの動作を直接指示する態様にて通信を行うことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、所定のコントローラの演算処理部及びメモリの少なくとも一方に異常が生じた場合でも、他のコントローラが所定のコントローラの周辺デバイスを所要に動作させることが可能となる。
【0013】
上記車両の制御装置について、前記他のコントローラは、前記異常検出信号を受信した場合、前記演算処理部にて行われていた処理を代替して行うことが好ましい。
この構成によれば、所定のコントローラの演算処理部及びメモリの少なくとも一方に異常が生じた場合でも、所定のコントローラの演算処理部にて行われていた処理を継続することができるため、アクチュエータの駆動制御をより的確に継続することができる。
【0014】
上記車両の制御装置について、前記監視手段は、前記演算処理部に異常が生じた場合、前記演算処理部を一旦停止させた後に再起動させるとともに、前記演算処理部を停止させている期間に限り、前記ネットワークコントローラにバスマスタの権限を付与することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、所定のコントローラの演算処理部に異常が生じた場合でも、所定のコントローラと他のコントローラとの間で通信を継続しつつ演算処理部を復帰させることができる。そのため、車両の制御装置の可用性を向上させることができる。
【0016】
上記車両の制御装置について、前記複数のコントローラとして、前記センサの検出信号を取り込むセンサコントローラと、前記センサコントローラから前記ネットワークを介して取得した情報に基づき前記アクチュエータの制御指令値を演算する指令コントローラと、前記指令コントローラから前記ネットワークを介して送信される前記制御指令値に基づき前記アクチュエータの駆動を制御するアクチュエータコントローラと、を有し、前記所定のコントローラは、前記センサコントローラであり、前記周辺デバイスとして、前記センサの検出信号を取り込む入力部を有することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、センサコントローラの演算処理部やメモリに異常が生じた場合でも、指令コントローラはセンサコントローラのネットワークコントローラを介して入力部からセンサの検出信号を取得することができる。したがって、指令コントローラは制御指令値を演算することができるため、アクチュエータの駆動制御を継続することができる。
【0018】
上記車両の制御装置について、前記複数のコントローラとして、前記センサの検出信号を取り込むセンサコントローラと、前記センサコントローラから前記ネットワークを介して取得した情報に基づき前記アクチュエータの制御指令値を演算する指令コントローラと、前記指令コントローラから前記ネットワークを介して送信される前記制御指令値に基づき前記アクチュエータの駆動を制御するアクチュエータコントローラと、を有し、前記所定のコントローラは、前記アクチュエータコントローラであり、前記周辺デバイスとして、前記アクチュエータの駆動回路に駆動信号を送信する入出力ポートを有することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、アクチュエータコントローラの演算処理部やメモリに異常が生じた場合でも、指令コントローラがアクチュエータコントローラのネットワークコントローラ及び入出力ポートを介して駆動回路を駆動させることができる。したがって、アクチュエータの駆動制御を継続することができる。
【0020】
また、車両の操舵機構に操舵力を付与するモータと、車両の走行路の情報を検出する走行路検出部と、を備え、前記走行路検出部により検出される前記走行路の情報に基づき前記モータの制御指令値を設定し、同制御指令値に基づき前記モータの駆動を制御するステアリング装置において、前記モータの駆動を制御するモータ制御装置として、上記の制御装置が用いられ、前記センサとして、操舵角を検出する操舵角センサを有し、前記アクチュエータとして、前記モータを有し、前記センサコントローラは、前記操舵角センサの検出信号を取り込み、前記指令コントローラは、前記モータの制御指令値を設定し、前記アクチュエータコントローラは、前記制御指令値に基づき前記モータの駆動を制御することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、車両の走行路に応じて車両の操舵角を自動的に変化させる、いわゆる自動操舵制御や、モータから操舵機構に付与される操舵力により車両の走行車線からの逸脱を防止する、いわゆるレーンキープアシスト制御等を実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、制御の継続性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ステアリング装置の一実施形態についてその概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態のステアリング装置についてそのモータ制御装置の構成を示すブロック図。
図3】実施形態のモータ制御装置についてそのセンサコントローラの構成を示すブロック図。
図4】実施形態のモータ制御装置についてそのアクチュエータコントローラの構成を示すブロック図。
図5】実施形態のモータ制御装置についてその動作例を示すシーケンスチャート。
図6】実施形態のモータ制御装置についてその動作例を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、ステアリング装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール11の操作に基づき転舵輪16を転舵させる操舵機構10と、モータ21から操舵機構10に操舵力を付与する動力付与機構20と、モータ21の駆動を制御するモータ制御装置30とを備えている。
【0025】
操舵機構10は、ステアリングホイール11の回転軸となるステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12の下端部にラックアンドピニオン機構13を介して連結されたラックシャフト14とを有している。操舵機構10では、運転者のステアリングホイール11の操作に伴いステアリングシャフト12が回転すると、その回転運動がラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト14の軸方向の往復直線運動に変換される。このラックシャフト14の軸方向の往復直線運動がその両端に連結されたタイロッド15を介して転舵輪16に伝達されることにより転舵輪16の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
【0026】
動力付与機構20は、モータ21と、モータ21の出力軸21a及びステアリングシャフト12を連結する減速機22とを備えている。モータ21はブラシ付きモータからなる。動力付与機構20は、モータ21の出力軸21aの回転を減速機22により減速してステアリングシャフト12に伝達することによりステアリングシャフト12にトルクを付与する。
【0027】
ステアリング装置1には、車両の状態量や運転者の操作量を検出する各種センサが設けられている。例えばステアリングシャフト12にはトルクセンサ40と操舵角センサ41とが設けられている。トルクセンサ40は、運転者のステアリング操作に際してステアリングシャフト12に付与される操舵トルクを検出し、操舵トルクに応じたトルク検出信号Stを出力する。操舵角センサ41は、ステアリングシャフト12の回転角、すなわち操舵角を検出し、操舵角に応じた操舵角検出信号Sθを出力する。これらの検出信号St,Sθはモータ制御装置30に取り込まれる。
【0028】
モータ制御装置30は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク50を介して他の制御装置、例えばエンジン制御装置51や自動操舵制御装置52と通信可能に接続されている。
【0029】
エンジン制御装置51は、車両の速度を検出する車速センサ42を有している。エンジン制御装置51は、車速センサ42により検出される車速等の情報に基づき図示しないエンジンの駆動を制御する。
【0030】
自動操舵制御装置52は、車両前方を撮像する車載カメラ43と、車両のインストルメントパネル等に設けられる運転モード切り替えスイッチ44とを有している。運転モード切り替えスイッチ44は、運転者の手動操作によりアシストモードと自動操舵モードとを選択することが可能なスイッチである。アシストモードは、運転者のステアリングホイール11の操作に応じてモータ21からステアリングシャフト12に操舵力が付与されることにより操舵補助が行われる、いわゆるアシスト制御が行われるモードである。自動操舵モードは、運転者のステアリングホイール11の操作によらずにモータ21からステアリングシャフト12に付与される操舵力により走行路の状態に応じて操舵角が自動的に変化する、いわゆる自動操舵が行われるモードである。自動操舵制御装置52は、運転モード切り替えスイッチ44に対するアシストモードの選択操作を検出した場合には、運転モードがアシストモードに設定された旨の信号を車載ネットワーク50を介して他の制御装置30,51に通知する。また、自動操舵制御装置52は、運転モード切り替えスイッチ44に対する自動操舵モードの選択操作を検出した場合には、運転モードが自動操舵モードに設定された旨の信号を車載ネットワーク50を介して他の制御装置30,51に通知する。自動操舵制御装置52は、運転モードが自動操舵モードである場合、エンジン制御装置51から車速の情報を取得する。また、自動操舵制御装置52は、車載カメラ43により車両前方の画像データを取得し、取得した画像データから例えば車両の走行路面の情報を抽出する等の画像処理を行う。そして自動操舵制御装置52は、車速と走行路面の情報とに基づき目標操舵角を演算し、演算した目標操舵角をモータ制御装置30に送信する。
【0031】
モータ制御装置30は、トルクセンサ40及び操舵角センサ41のそれぞれの検出信号St,Sθ、並びにエンジン制御装置51及び自動操舵制御装置52から得られる各種情報に基づきモータ21の駆動を制御する。
【0032】
次に、モータ制御装置30の構成について詳述する。
図2に示すように、モータ制御装置30は、モータ21の駆動制御に必要な各種機能に応じた複数のコントローラ、具体的にはセンサコントローラ31と、アクチュエータコントローラ32と、指令コントローラ33とを有している。また、モータ制御装置30は、駆動回路35と電流センサ36とを有している。駆動回路35は、車載バッテリ等の電源から供給される直流電力を交流電力に変換する周知のインバータ回路からなる。駆動回路35は、生成した交流電力を給電線Wを介してモータ21に供給する。電流センサ36は給電線Wに設けられており、給電線Wを流れる電流、すなわちモータ21に供給される実際の電流値に応じた電流検出信号Siを出力する。各コントローラ31〜33はCAN等の制御装置ネットワーク34を介して通信可能に接続されている。センサコントローラ31は、トルクセンサ40及び操舵角センサ41からそれぞれ出力される検出信号St,Sθを取り込む機能を有する。指令コントローラ33は、モータ21の制御指令値である電流指令値を演算する機能を有する。アクチュエータコントローラ32は、指令コントローラ33により演算される電流指令値に基づきモータ21の駆動を制御する機能を有する。
【0033】
次に、各コントローラ31〜33の構成について詳述する。
図3に示すように、センサコントローラ31は、演算処理部としてのCPU60と、メモリ61と、監視部62と、ネットワークコントローラ63と、周辺デバイス64とを有している。CPU60及びメモリ61はCPUバス65を介して通信可能に接続されている。また、CPU60、ネットワークコントローラ63、及び周辺デバイス64はペリフェラルバス66を介して通信可能に接続されている。なお、CPUバス65及びペリフェラルバス66のそれぞれのバスマスタの権限はCPU60が有している。すなわち、CPUバス65及びペリフェラルバス66上の転送処理はCPU60により制御されている。
【0034】
メモリ61は、各種制御プログラム等が記憶されたROMや、演算結果やデータ等を一時的に記憶することが可能なRAM等からなる。
ネットワークコントローラ63は、制御装置ネットワーク34を介して他のコントローラ32,33と通信を行う。
【0035】
周辺デバイス64は、図示された第1のA/D(アナログ/デジタル)変換部64a、及び第2のA/D変換部64bの他、図示されない入出力(I/O)ポートやタイマ等からなる。第1のA/D変換部64aは、トルクセンサ40から出力されるトルク検出信号Stを取り込み、同信号Stをアナログ信号からデジタル信号に変換する。第2のA/D変換部64bは、操舵角センサ41から出力される操舵角検出信号Sθを取り込み、同信号Sθをアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0036】
CPU60は、デジタル信号に変換されたトルク検出信号St及び操舵角検出信号SθをA/D変換部64a,64bからそれぞれ取り込むとともに、これらの検出信号St,Sθに対して、例えばノイズ除去のためのフィルタリング処理等、各種信号処理を行う。そして、CPU60は、信号処理の施されたトルク検出信号St及び操舵角検出信号Sθに基づき操舵トルク及び操舵角をそれぞれ演算し、メモリ61のRAMに記憶させる。CPU60は、制御装置ネットワーク34及びネットワークコントローラ63を介して他のコントローラ32,33から操舵トルクや操舵角の送信要求があった場合には、操舵トルクや操舵角の情報をメモリ61のRAMから読み込む。そして、CPU60は、読み込んだ操舵トルクや操舵角の情報をネットワークコントローラ63及び制御装置ネットワーク34を介して他のコントローラ32,33に送信する。
【0037】
監視部62はCPU60及びメモリ61のそれぞれの状態をリアルタイムで監視し、CPU60及びメモリ61のいずれか一方に異常が生じた場合、異常検出信号をネットワークコントローラ63及び制御装置ネットワーク34を介して他のコントローラ32,33にそれぞれ送信する。また、監視部62は、CPU60及びメモリ61のいずれか一方に異常が生じた場合、CPU60を停止させるとともに、バスマスタの権限をネットワークコントローラ63に付与する。これにより、CPU60が停止している状態でも、ネットワークコントローラ63はペリフェラルバス66を介して周辺デバイス64にアクセスすることができる。例えばネットワークコントローラ63は、ペリフェラルバス66を介して第1のA/D変換部64aからトルク検出信号Stのデジタル値を取得したり、第2のA/D変換部64bから操舵角検出信号Sθのデジタル値を取得することができる。
【0038】
図4に示すように、アクチュエータコントローラ32は、演算処理部としてのCPU70と、メモリ71と、監視部72と、ネットワークコントローラ73と、周辺デバイス74とを有している。CPU70及びメモリ71はCPUバス75を介して通信可能に接続されている。また、CPU70、ネットワークコントローラ73、及び周辺デバイス74はペリフェラルバス76を介して通信可能に接続されている。なお、CPUバス75及びペリフェラルバス76のバスマスタの権限はCPU70が有している。これらのうち、メモリ71及びネットワークコントローラ73の構成は、図3に示したセンサコントローラ31の各要素の構成と同一であるため、便宜上、それらの説明は割愛する。
【0039】
周辺デバイス74は、図示された入出力ポート74a及びA/D変換部74bの他、図示されないタイマ等からなる。入出力ポート74aは、例えば駆動回路35に駆動信号を出力する。A/D変換部74bは、電流センサ36から出力される電流検出信号Siを取り込み、同信号Siをアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0040】
CPU70は、デジタル信号に変換された電流検出信号SiをA/D変換部74bからペリフェラルバス76を介して取り込むとともに、同検出信号Siに対して、例えばノイズ除去のためのフィルタリング処理等、各種信号処理を行う。そして、CPU70は、信号処理の施された電流検出信号Siに基づき、モータ21に実際に供給されている実電流値を演算する。また、CPU70は、制御装置ネットワーク34を介して指令コントローラ33から送信される電流指令値に実電流値を追従させる電流フィードバック制御を行うことにより駆動信号を生成し、この駆動信号をペリフェラルバス76及び入出力ポート74aを介して駆動回路35に送信することにより駆動回路35を駆動させる。これにより、駆動信号に応じた交流電流がモータ21に供給され、モータ21が駆動する。
【0041】
監視部72はCPU70及びメモリ71のそれぞれの状態をリアルタイムで監視し、CPU70及びメモリ71のいずれか一方に異常が生じた場合、異常検出信号をネットワークコントローラ73及び制御装置ネットワーク34を介して他のコントローラ31,32にそれぞれ送信する。また、監視部72は、CPU70及びメモリ71のいずれか一方に異常が生じた場合、CPU70を停止させるとともに、バスマスタの権限をネットワークコントローラ73に付与する。これにより、CPU70が停止している状態でも、ネットワークコントローラ73は周辺デバイス74にアクセスすることができる。例えば、ネットワークコントローラ73は、ペリフェラルバス76及び入出力ポート74aを介して駆動回路35を駆動させることができる。また、ネットワークコントローラ73はA/D変換部74bから電流検出信号Siのデジタル値を取得することができる。
【0042】
図2に示すように、指令コントローラ33は車載ネットワーク50を介してエンジン制御装置51及び自動操舵制御装置52と通信可能に接続されている。なお、図示は割愛するが、指令コントローラ33は、CPU、メモリ、及びネットワークコントローラ等により構成されている。指令コントローラ33は、モータ制御装置30からの通知に基づき運転モードがアシストモード及び運転モードのいずれであるかを判断する。指令コントローラ33は、運転モードがアシストモードである場合、アシスト制御に対応する電流指令値を演算し、運転モードが自動操舵モードである場合、自動操舵制御に対応する電流指令値を演算する。
【0043】
詳しくは、指令コントローラ33は、運転モードがアシストモードである場合、制御装置ネットワーク34を介してセンサコントローラ31から操舵トルクの情報を取得する。具体的には、指令コントローラ33は、操舵トルクの送信を要求する信号を制御装置ネットワーク34を介してセンサコントローラ31のCPU60に通知することにより、センサコントローラ31から操舵トルクの情報を取得する。また、指令コントローラ33は、車載ネットワーク50を介してエンジン制御装置51から車速の情報を取得する。そして、指令コントローラ33は、操舵トルク及び車速に基づき電流指令値を演算し、演算した電流指令値をアクチュエータコントローラ32に送信する。
【0044】
また、指令コントローラ33は、運転モードが自動操舵モードである場合、制御装置ネットワーク34を介してセンサコントローラ31から操舵角の情報を取得する。具体的には、指令コントローラ33は、操舵角の送信を要求する信号を制御装置ネットワーク34を介してセンサコントローラ31のCPU60に通知することにより、センサコントローラ31から操舵角の情報を取得する。そして、指令コントローラ33は、自動操舵制御装置52から目標操舵角の情報が送信されると、同目標操舵角に実際の操舵角を追従させるべく、それらの偏差に応じた電流指令値を演算し、演算した電流指令値をアクチュエータコントローラ32に送信する。
【0045】
次に、図5を参照して、センサコントローラ31のCPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合のモータ制御装置30の動作について説明する。なお、ここでは、自動操舵制御が行われている場合について例示する。
【0046】
センサコントローラ31のCPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合、その異常が監視部62により検出される(S1)。このとき、監視部62はCPU60に動作停止信号を送信することにより、CPU60を停止させる(S2)。次に、監視部62はネットワークコントローラ63にバスマスタの権限を付与する(S3)。これにより、ネットワークコントローラ63は制御装置ネットワーク34を介して周辺デバイス64にアクセスすることが可能となる。また、監視部62は異常検出信号をネットワークコントローラ63を介して指令コントローラ33及びアクチュエータコントローラ32にそれぞれ送信する(S4)。
【0047】
指令コントローラ33は、センサコントローラ31から送信される異常検出信号を受信すると(S5)、センサコントローラ31に対する通信方法を変更する(S6)。具体的には、指令コントローラ33は、センサコントローラ31のCPU60に対して操舵トルクや操舵角の送信を要求する通信方法に代えて、センサコントローラ31の周辺デバイス64に対して直接動作を指示する通信方法に変更する。具体的には、指令コントローラ33は、変更後の通信において、以下のビットデータを含むフレーム構成からなる信号を用いる。
【0048】
・読み込み及び書き込みのいずれか一方を指定するビットデータ。
・周辺デバイス64の機器に対応するアドレス情報を含むビットデータ。
・書き込みの場合には、書き込む値を示すビットデータ。
【0049】
したがって、指令コントローラ33は、操舵角検出信号Sθをセンサコントローラ31から取得する場合、読み込みを示すビットデータと、センサコントローラ31の第2のA/D変換部64bのアドレスを指定するビットデータとを含むフレーム構成からなる送信要求信号をセンサコントローラ31に送信する(S7)。
【0050】
センサコントローラ31のネットワークコントローラ63は、この送信要求信号を受信すると(S8)、同送信要求信号の内容に基づき動作する。すなわち、ネットワークコントローラ63は、送信要求信号に含まれるアドレス情報に基づき第2のA/D変換部64bに対して読み込みを要求する(S9)。これにより、第2のA/D変換部64bは、自身のレジスタに記憶されている操舵角検出信号Sθのデジタル値をネットワークコントローラ63に送信する(S10)。ネットワークコントローラ63は操舵角検出信号Sθのデジタル値を取得すると、取得した操舵角検出信号Sθのデジタル値を指令コントローラ33に送信する(S11)。
【0051】
指令コントローラ33は、センサコントローラ31から送信される操舵角検出信号Sθのデジタル値を取得すると(S12)、その値に基づき操舵角を演算し(S13)、演算した操舵角に基づき電流指令値を演算する(S14)。
【0052】
次に、図6を参照して、アクチュエータコントローラ32のCPU70及びメモリ71の少なくとも一方に異常が生じた場合のモータ制御装置30の動作について説明する。なお、ここでも自動操舵制御が行われている場合について例示する。
【0053】
アクチュエータコントローラ32のCPU70及びメモリ71の少なくとも一方に異常が生じた場合、監視部72は、図5に示したS1〜S3と同様の処理を行う(S20〜S22)。そして、監視部72は異常検出信号をネットワークコントローラ73を介してセンサコントローラ31及び指令コントローラ33にそれぞれ送信する(S23)。
【0054】
指令コントローラ33は、アクチュエータコントローラ32から送信される異常検出信号を受信すると(S24)、アクチュエータコントローラ32に対する通信方法を変更する(S25)。具体的には、アクチュエータコントローラ32のCPU70に対して電流指令値を送信する通信方法に代えて、アクチュエータコントローラ32の駆動回路35に対して直接動作を指示する通信方法に変更する。この際、指令コントローラ33は、アクチュエータコントローラ32のCPU70にて行われていた処理、例えば駆動回路35の駆動信号を生成する処理を代替して行う。すなわち、指令コントローラ33は、実際の操舵角を目標操舵角に追従させるべく、それらの偏差に応じたフィードバック制御を行うことにより駆動信号を生成する(S26)。そして、指令コントローラ33は、書き込みを示すビットデータと、入出力ポート74aにおける駆動回路35に対応する出力レジスタのアドレスを示すビットデータと、駆動信号に対応するビットデータとを含むフレーム構成からなる駆動要求信号をアクチュエータコントローラ32に送信する(S27)。
【0055】
アクチュエータコントローラ32のネットワークコントローラ73は、この駆動要求信号を受信すると(S28)、同動作要求信号の内容に基づき動作する。すなわち、ネットワークコントローラ73は、動作要求信号に含まれるアドレス情報に基づき、入出力ポート74aに対して駆動回路35への駆動信号の送信を要求する(S29)。具体的には、入出力ポート74aにおける駆動回路35に対応する出力レジスタに駆動信号のデータを書き込む。これにより、入出力ポート74aが駆動回路35に駆動信号を送信するため(S30)。駆動回路35が駆動信号に応じた動作を行う。
【0056】
以上説明した本実施形態のステアリング装置1及びモータ制御装置30によれば以下の作用及び効果を得ることができる。
(1)図5に示すように、センサコントローラ31のCPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合でも、指令コントローラ33はセンサコントローラ31のネットワークコントローラ63を介して第2のA/D変換部64bから操舵角検出信号Sθを取得することができる。また、指令コントローラ33は第1のA/D変換部64aからトルク検出信号Stを取得することもできる。すなわち、センサコントローラ31の有する機能を維持することができる。これにより、指令コントローラ33は電流指令値の演算を継続することができるため、モータ21の駆動制御を継続することができる。よって、制御の継続性を向上させることができる。
【0057】
(2)図6に示すように、アクチュエータコントローラ32のCPU70及びメモリ71の少なくとも一方に異常が生じた場合でも、指令コントローラ33はアクチュエータコントローラ32のネットワークコントローラ73を介して入出力ポート74aを利用することで、駆動回路35を駆動させることができる。すなわち、アクチュエータコントローラ32の有する機能を維持することができる。これにより、モータ21の駆動制御を継続することができるため、制御の継続性を向上させることができる。
【0058】
(3)センサコントローラ31の監視部62は、CPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合、異常検出信号を指令コントローラ33及びアクチュエータコントローラ32にそれぞれ送信することとした。これにより、指令コントローラ33及びアクチュエータコントローラ32はセンサコントローラ31の異常を検出することができる。
【0059】
(4)アクチュエータコントローラ32の監視部72は、CPU70及びメモリ71の少なくとも一方に異常が生じた場合、異常検出信号をセンサコントローラ31及び指令コントローラ33にそれぞれ送信することとした。これにより、センサコントローラ31及び指令コントローラ33はセンサコントローラ31の異常を検出することができる。
【0060】
(5)指令コントローラ33は、センサコントローラ31の異常検出信号を受信した場合、センサコントローラ31との通信の際に周辺デバイス64の動作を直接指示する態様にて通信を行うこととした。これにより、指令コントローラ33は、センサコントローラ31の第1のA/D変換部64a及び第2のA/D変換部64bからトルクセンサ40及び操舵角センサ41のそれぞれの検出信号St,Sθを取得することができる。
【0061】
(6)指令コントローラ33は、アクチュエータコントローラ32の異常検出信号を受信した場合、アクチュエータコントローラ32のCPU70にて行われていた駆動信号の生成処理を代替して行うこととした。また、指令コントローラ33は、アクチュエータコントローラ32との通信の際に周辺デバイス74の動作を直接指示する態様にて通信を行うこととした。これにより、指令コントローラ33はモータ21を直接駆動させることができる。
【0062】
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・センサコントローラ31のCPU60は、操舵トルク及び操舵角を演算する処理を行わずに、トルク検出信号St及び操舵角検出信号Sθのそれぞれのデジタル値をそのまま指令コントローラ33に送信してもよい。この場合、指令コントローラ33がトルクセンサ40及び操舵角センサ41のそれぞれの検出信号St,Sθから操舵トルク及び操舵角を演算する処理を行う。
【0063】
・センサコントローラ31のCPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合、指令コントローラ33は、センサコントローラ31の第1のA/D変換部64a及び第2のA/D変換部64bに限らず、周辺デバイス64の他の機器、例えばタイマや入出力ポートを直接動作させてもよい。また、アクチュエータコントローラ32のCPU70及びメモリ71の少なくとも一方に異常が生じた場合、指令コントローラ33は、アクチュエータコントローラ32の入出力ポート74a及びA/D変換部74bに限らず、周辺デバイス74の他の機器、例えばタイマ等を直接動作させてもよい。
【0064】
・センサコントローラ31のCPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合、センサコントローラ31のCPU60にて行われていた処理の全て、あるいはその一部を指令コントローラ33が代替して行ってもよい。また、アクチュエータコントローラ32のCPU70及びメモリ71の少なくとも一方に異常が生じた場合、アクチュエータコントローラ32のCPU70にて行われていた処理の全て、あるいはその一部を指令コントローラ33が代替して行ってもよい。
【0065】
・トルクセンサ40及び操舵角センサ41からそれぞれ出力される検出信号St,Sθは、アナログ信号ではなく、デジタル信号であってもよい。この場合、センサコントローラ31は、トルクセンサ40及び操舵角センサ41のそれぞれの検出信号St,Sθを取り込む入力部として、A/D変換部64a,64bに代えて、入出力ポートを用いればよい。
【0066】
・センサコントローラ31の監視部62は、CPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合、CPU60を停止させる処理に代えて、CPU60を一旦停止させた後に再起動させるリセット処理を実行してもよい。この場合、監視部62は、CPU60を停止させている期間に限り、ネットワークコントローラ63にバスマスタの権限を付与する。このような構成によれば、センサコントローラ31のCPU60及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合でも、センサコントローラ31と指令コントローラ33との間の通信を継続しつつCPU60を正常な状態に戻すことができる。そのため、センサコントローラ31の可用性を向上させることができる。なお、同様の構成は、アクチュエータコントローラ32にて採用することが可能である。
【0067】
・アクチュエータコントローラ32に指令コントローラ33の機能を持たせてもよい。すなわち、アクチュエータコントローラ32がセンサコントローラ31やエンジン制御装置51、自動操舵制御装置52と通信を行うことで、電流指令値を演算してもよい。同様に、センサコントローラ31に指令コントローラ33の機能を持たせてもよい。いずれの構成であっても、モータ制御装置30から指令コントローラ33を排除することができるため、モータ制御装置30の構造を簡素化することができる。
【0068】
・センサコントローラ31のCPU60に監視部62の機能を持たせてもよい。この場合、CPU60に、例えばソフトウェアにより自己監視を行う機能を搭載し、CPU60が自身の状態とメモリ61の状態とを監視する。そして、CPU60は、自身及びメモリ61の少なくとも一方に異常が生じた場合、他のコントローラ32,33に異常検出信号を通知するとともに、ネットワークコントローラ63にバスマスタの権限を付与する。要は、センサコントローラ31に、CPU60及びメモリ61の少なくとも一方の異常を監視する何らかの監視手段が設けられていればよい。なお、アクチュエータコントローラ32についても同様である。
【0069】
・モータ制御装置30では、自動操舵制御に限らず、例えばモータ21からステアリングシャフト12に付与される操舵力により車両の走行車線からの逸脱を防止する、いわゆるレーンキープアシスト制御等を実行してもよい。
【0070】
・センサコントローラ31は、トルクセンサ40及び操舵角センサ41の出力に限らず、適宜のセンサの出力を取り込んでもよい。
・モータ21はブラシレスモータであってもよい。
【0071】
・上記実施形態では、車両の走行路の情報を検出する走行路検出部として車載カメラ43を用いたが、走行路検出部はこれに限定されない。走行路検出部として例えばカーナビゲーション装置とGPS装置とを用いることにより、カーナビゲーション装置に予め記憶された道路情報と、GPS(Global Positioning System)により検出される車両の現在位置とに基づいて、車両の走行路の情報を取得してもよい。
【0072】
・上記実施形態のモータ制御装置30の構成は、車両に搭載される各種制御装置にて採用することができる。要は、ネットワークを介して接続された複数のコントローラ間で通信を行うことにより、車両に搭載されたセンサの検出信号に基づきアクチュエータの駆動を制御する車両の制御装置であれば、上記実施形態のモータ制御装置30に準じた構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0073】
Sθ…操舵角検出信号、St…トルク検出信号、1…ステアリング装置、10…操舵機構、21…モータ、30…モータ制御装置、31…センサコントローラ、32…アクチュエータコントローラ、33…指令コントローラ、34…制御装置ネットワーク、35…駆動回路、40…トルクセンサ、41…操舵角センサ、60,70…CPU(演算処理部)、61,71…メモリ、62,72…監視部(監視手段)、63,73…ネットワークコントローラ、64,74…周辺デバイス、64a,64b,74b…A/D変換部(入力部)、74a…入出力ポート、66,76…ペリフェラルバス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6