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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232797(P2015-232797A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】束紙幣処理装置および精査処理方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20151201BHJP
   B65H 31/24 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   G07D9/00 401E
   G07D9/00 408E
   B65H31/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-119380(P2014-119380)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 雅晴
(72)【発明者】
【氏名】向田 雅幸
【テーマコード(参考)】
3E040
3F054
【Fターム(参考)】
3E040AA02
3E040BA06
3E040DA08
3E040EA06
3E040EA10
3E040FC05
3E040FD08
3F054AA03
3F054AB01
3F054AC06
3F054BA02
3F054BF08
3F054DA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第1収納部に収納されている束紙幣の状態に応じて精査処理可能な束紙幣の容積を変えることができ、よって第1収納部の容量を有効に活用することができるとともに精査処理にかかる時間を短縮することができる束紙幣処理装置および精査処理方法を提供する。
【解決手段】制御部は、第1収納部(例えば、束収納庫230a〜230e)に収納された束紙幣を1束ずつ第2収納部(例えば、束紙幣昇降通路220)に送った後に第2収納部から束紙幣を1束ずつ第1収納部に戻し、この際に第1収納部から第2収納部に送られる束紙幣等を識別部270により識別するような精査処理を行う。この制御部は、精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、第1収納部に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には精査処理を行わないようになっており、所定の容積は変更可能となっている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の束紙幣を積層状態で収納可能な第1収納部と、
精査処理が行われる際に前記第1収納部に収納された束紙幣が一時的に送られる第2収納部と、
前記第1収納部と前記第2収納部との間で束紙幣を搬送する束紙幣搬送部と、
前記束紙幣搬送部により搬送される束紙幣の識別を行う識別部と、
前記第1収納部に収納された束紙幣を1束ずつ前記第2収納部に送った後に前記第2収納部から束紙幣を1束ずつ前記第1収納部に戻し、この際に前記第1収納部から前記第2収納部に送られる束紙幣および/または前記第2収納部から前記第1収納部に戻される束紙幣を前記識別部により識別するような精査処理を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記第1収納部に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には前記精査処理を行わないようになっており、前記所定の容積は変更可能となっている、束紙幣処理装置。
【請求項2】
前記第1収納部に収納されている束紙幣の高さを検知する高さ検知手段を更に備え、
前記制御部は、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが、前記所定の容積に関連する所定の高さよりも大きいときには前記精査処理を行わないようになっており、前記所定の容積に関連する前記所定の高さは変更可能となっている、請求項1記載の束紙幣処理装置。
【請求項3】
前記第1収納部には、複数の束紙幣が積層状態で載置され、鉛直方向に移動可能となっている載置台が設けられており、
前記高さ検知手段は、前記載置台の移動距離に基づいて前記第1収納部に収納されている束紙幣の高さを検知するようになっている、請求項2記載の束紙幣処理装置。
【請求項4】
前記高さ検知手段は、前記第1収納部の上部に設けられた上部検知部および前記第1収納部の下部に設けられた下部検知部を有しており、
前記制御部は、前記載置台に載置された束紙幣の上端位置が前記上部検知部の検知位置にある状態から前記載置台を前記所定の高さに関連する所定の移動距離だけ下降させた場合に当該載置台が前記下部検知部により検知されたときに、前記高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが前記所定の高さよりも大きいと判断するようになっており、前記所定の高さに関連する前記所定の移動距離は変更可能となっている、請求項3記載の束紙幣処理装置。
【請求項5】
前記所定の高さを入力するための入力手段を更に備えた、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の束紙幣処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定の高さを自動で設定するようになっている、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の束紙幣処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1収納部に1または複数の束紙幣を収納したときの当該1または複数の束紙幣の高さおよび束数に基づいて前記所定の高さを設定するようになっている、請求項6記載の束紙幣処理装置。
【請求項8】
前記第1収納部に収納されるべき束紙幣の撮像を行い当該束紙幣の画像を取得する撮像部を更に備え、
前記制御部は、前記撮像部により取得された、前記第1収納部に収納された束紙幣の画像に基づいて前記所定の高さを設定するようになっている、請求項6記載の束紙幣処理装置。
【請求項9】
前記第1収納部に収納された1または複数の束紙幣を上下から挟圧する束紙幣挟圧手段を更に備え、
前記制御部は、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記第1収納部に収納されている束紙幣の容積が前記所定の容積よりも大きい場合には、前記第1収納部に収納された1または複数の束紙幣を前記束紙幣挟圧手段により上下から挟圧する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の束紙幣処理装置。
【請求項10】
複数の束紙幣を積層状態で収納可能な第1収納部と、精査処理が行われる際に前記第1収納部に収納された束紙幣が一時的に送られる第2収納部と、前記第1収納部と前記第2収納部との間で束紙幣を搬送する束紙幣搬送部と、前記束紙幣搬送部により搬送される束紙幣の識別を行う識別部とを備えた束紙幣処理装置による精査処理方法であって、
前記第1収納部に収納された束紙幣を1束ずつ前記第2収納部に送る工程と、
前記第2収納部から束紙幣を1束ずつ前記第1収納部に戻す工程と、
前記第1収納部から前記第2収納部に送られる束紙幣および/または前記第2収納部から前記第1収納部に戻される束紙幣を前記識別部により識別する工程と、
を備え、
前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記第1収納部に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には前記精査処理を行わないようになっており、前記所定の容積は変更可能となっている、精査処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯封紙幣等の束紙幣の処理を行う束紙幣処理装置およびこのような束紙幣処理装置による精査処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金融機関の出納業務等に利用され、帯封紙幣等の束紙幣を金種別の束収納庫に出し入れするように構成された束紙幣処理装置が知られている(例えば、特許文献1、2等参照)。このような束紙幣処理装置において、各束収納庫に収納されている束紙幣の金種等の確認を装置内で自動的に行うような自動精査処理を実行する場合には、次のような手順を踏むようになっている。まず、ある金種の束収納庫に収納されている全ての束紙幣を1束ずつ搬送機構により束紙幣昇降通路に搬送し、このような束紙幣の移し替えの間に束紙幣の金種等の識別を行う。そして、対象となる束収納庫の束紙幣を全て束紙幣昇降通路に移し替え終わったら、それらの束紙幣を搬送機構により1束ずつ元の束収納庫に戻す。このような動作を全ての束収納庫において束収納庫毎に行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4034064号公報
【特許文献2】特許第3973881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の束紙幣処理装置においてこのような自動精査処理を行う際に、束収納庫に収納されている束紙幣の状態が悪い場合には(具体的には、束収納庫に収納されている束紙幣の厚みが膨らんだり束形態が沿ったりして変形してしまっている場合には)、束収納庫から束紙幣昇降通路に束紙幣を移し替えた際に当該束紙幣昇降通路に束紙幣が入りきらなかったり、あるいは束紙幣昇降通路から束収納庫に束紙幣を戻す際に当該束収納庫に束紙幣が入りきらなかったりするおそれがある。このため、束紙幣処理装置に自動精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、束収納庫に収納されている束紙幣の高さが所定の高さ(具体的には、例えば13束分の束紙幣の高さ)よりも大きい場合には、自動精査処理を行わないようになっている。ここで、束紙幣が厚みの薄い官封券である場合には、束収納庫に最大で例えば30束の束紙幣を収納することができるが、自動精査処理において上記の運用が行われる場合には、各束収納庫について最大13束の束紙幣の自動精査処理しか行うことができないため、束収納庫に14束以上の束紙幣が収納されている場合には一部または全部の束紙幣を束紙幣処理装置の機体外に投出して予め回収しなければならず、束収納庫の容量を有効に活用できなかったり、自動精査処理にかかる時間が長くなってしまったりする等の問題があった。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、第1収納部に収納されている束紙幣の状態に応じて精査処理可能な束紙幣の容積を変えることができ、よって第1収納部の容量を有効に活用することができるとともに精査処理にかかる時間を短縮することができる束紙幣処理装置および精査処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の束紙幣処理装置は、複数の束紙幣を積層状態で収納可能な第1収納部と、精査処理が行われる際に前記第1収納部に収納された束紙幣が一時的に送られる第2収納部と、前記第1収納部と前記第2収納部との間で束紙幣を搬送する束紙幣搬送部と、前記束紙幣搬送部により搬送される束紙幣の識別を行う識別部と、前記第1収納部に収納された束紙幣を1束ずつ前記第2収納部に送った後に前記第2収納部から束紙幣を1束ずつ前記第1収納部に戻し、この際に前記第1収納部から前記第2収納部に送られる束紙幣および/または前記第2収納部から前記第1収納部に戻される束紙幣を前記識別部により識別するような精査処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記第1収納部に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には前記精査処理を行わないようになっており、前記所定の容積は変更可能となっていることを特徴とする。
【0007】
このような束紙幣処理装置によれば、精査処理を行う旨の指令が制御部に入力されたときに、第1収納部に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には精査処理を行わないようになっており、この所定の容積は変更可能となっているため、第1収納部に収納されている束紙幣の状態に応じて精査処理可能な束紙幣の容積を変えることができ、よって第1収納部の容量を有効に活用することができるとともに精査処理にかかる時間を短縮することができる。より詳細に説明すると、第1収納部に収納されている束紙幣の容積の比較対象となる「所定の容積」が一定の場合には、一方の端縁が膨らんだ束紙幣や全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣等の、状態が悪い束紙幣が第1収納部に収納されることを見越して、この所定の容積を第1収納部における束紙幣の集積可能な容積の約半分の大きさとする必要がある。なぜならば、第1収納部に収納されている束紙幣の状態が悪いときに、あまりに多くの束紙幣の精査処理を行おうとすると束紙幣を第1収納部から第2収納部に移し替えた際に当該第2収納部に束紙幣が入りきらなかったり、あるいは第2収納部から第1収納部に束紙幣を戻す際に当該第1収納部に束紙幣が入りきらなかったりするおそれがあるからである。このように、第1収納部に収納されている束紙幣の容積の比較対象となる所定の容積を一定とすると、この所定の容積を第1収納部における束紙幣の集積可能な容積の約半分の大きさとしなければならないため、精査可能な束紙幣の数が少なくなってしまう。これに対し、本発明では第1収納部に収納されている束紙幣の容積の比較対象となる所定の容積が変更可能となっているため、例えば第1収納部に収納されている束紙幣が官封券等の新しい束紙幣である場合には所定の容積を大きくすることにより精査可能な束紙幣の数を増やすことができ、第1収納部の容量を有効に活用したり、精査処理にかかる時間を短縮したりすることができるようになる。
【0008】
本発明の束紙幣処理装置は、前記第1収納部に収納されている束紙幣の高さを検知する高さ検知手段を更に備え、前記制御部は、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが、前記所定の容積に関連する所定の高さよりも大きいときには前記精査処理を行わないようになっており、前記所定の容積に関連する前記所定の高さは変更可能となっていてもよい。
【0009】
この場合、前記第1収納部には、複数の束紙幣が積層状態で載置され、鉛直方向に移動可能となっている載置台が設けられており、前記高さ検知手段は、前記載置台の移動距離に基づいて前記第1収納部に収納されている束紙幣の高さを検知するようになっていてもよい。
【0010】
また、この際に、前記高さ検知手段は、前記第1収納部の上部に設けられた上部検知部および前記第1収納部の下部に設けられた下部検知部を有しており、前記制御部は、前記載置台に載置された束紙幣の上端位置が前記上部検知部の検知位置にある状態から前記載置台を前記所定の高さに関連する所定の移動距離だけ下降させた場合に当該載置台が前記下部検知部により検知されたときに、前記高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが前記所定の高さよりも大きいと判断するようになっており、前記所定の高さに関連する前記所定の移動距離は変更可能となっていてもよい。
【0011】
本発明の束紙幣処理装置は、前記所定の高さを入力するための入力手段を更に備えていてもよい。
【0012】
あるいは、前記制御部は、前記所定の高さを自動で設定するようになっていてもよい。
【0013】
この場合、前記制御部は、前記第1収納部に1または複数の束紙幣を収納したときの当該1または複数の束紙幣の高さおよび束数に基づいて前記所定の高さを設定するようになっていてもよい。
【0014】
また、本発明の束紙幣処理装置は、前記第1収納部に収納されるべき束紙幣の撮像を行い当該束紙幣の画像を取得する撮像部を更に備え、前記制御部は、前記撮像部により取得された、前記第1収納部に収納された束紙幣の画像に基づいて前記所定の高さを設定するようになっていてもよい。
【0015】
本発明の束紙幣処理装置は、前記第1収納部に収納された1または複数の束紙幣を上下から挟圧する束紙幣挟圧手段を更に備え、前記制御部は、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記第1収納部に収納されている束紙幣の容積が前記所定の容積よりも大きい場合には、前記第1収納部に収納された1または複数の束紙幣を前記束紙幣挟圧手段により上下から挟圧するようになっていてもよい。
【0016】
本発明の精査処理方法は、複数の束紙幣を積層状態で収納可能な第1収納部と、精査処理が行われる際に前記第1収納部に収納された束紙幣が一時的に送られる第2収納部と、前記第1収納部と前記第2収納部との間で束紙幣を搬送する束紙幣搬送部と、前記束紙幣搬送部により搬送される束紙幣の識別を行う識別部とを備えた束紙幣処理装置による精査処理方法であって、前記第1収納部に収納された束紙幣を1束ずつ前記第2収納部に送る工程と、前記第2収納部から束紙幣を1束ずつ前記第1収納部に戻す工程と、前記第1収納部から前記第2収納部に送られる束紙幣および/または前記第2収納部から前記第1収納部に戻される束紙幣を前記識別部により識別する工程と、を備え、前記精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、前記第1収納部に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には前記精査処理を行わないようになっており、前記所定の容積は変更可能となっていることを特徴とする。
【0017】
このような精査処理方法によれば、精査処理を行う旨の指令が入力されたときに精査処理を行うか否かの判断の元となる、第1収納部に収納されている束紙幣の容積の閾値である所定の容積が変更可能となっているため、第1収納部に収納されている束紙幣の状態に応じて精査処理可能な束紙幣の容積を変えることができ、よって第1収納部の容量を有効に活用することができるとともに精査処理にかかる時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の束紙幣処理装置および精査処理方法によれば、第1収納部に収納されている束紙幣の状態に応じて精査処理可能な束紙幣の容積を変えることができ、よって第1収納部の容量を有効に活用することができるとともに精査処理にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態による紙幣処理機の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す紙幣処理機におけるバラ紙幣処理装置の内部構成を示す構成図である。
図3図1に示す紙幣処理機における束紙幣処理装置の内部構成を示す構成図である。
図4図3に示す束紙幣処理装置における束紙幣搬送路の周辺部分(束紙幣収納時)を拡大して示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は縦断面図である。
図5図3に示す束紙幣処理装置における束紙幣搬送路の周辺部分(束紙幣投出時)を拡大して示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は縦断面図である。
図6】(a)〜(c)は、図3に示す束紙幣処理装置における自動精査処理の様子を順に示す図である。
図7図1に示す紙幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。
図8】(a)〜(c)は、図3に示す束紙幣処理装置において自動精査処理が行われるときの束収納庫の内部の様子を順に示す図である。
図9】(a)〜(c)は、図3に示す束紙幣処理装置において昇降ステージ上の束紙幣の圧縮動作が行われるときの束収納庫の内部の様子を順に示す図である。
図10】(a)は、一方の端縁が膨らんだ束紙幣の状態を示す図であり、(b)は、全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図8は、本実施の形態による束紙幣処理装置やこの束紙幣処理装置が設けられた紙幣処理機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による紙幣処理機の外観を示す斜視図であり、図2および図3は、それぞれ、図1に示す紙幣処理機におけるバラ紙幣処理装置および束紙幣処理装置の内部構成を示す構成図である。また、図4(a)(b)および図5(a)(b)は、束紙幣収納時や束紙幣投出時における、図3に示す束紙幣処理装置における束紙幣搬送路の周辺部分を拡大して示す平面図や縦断面図である。また、図6(a)〜(c)は、図3に示す束紙幣処理装置における自動精査処理の様子を順に示す図である。また、図7は、図1に示す紙幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図8(a)〜(c)は、図3に示す束紙幣処理装置において自動精査処理が行われるときの束収納庫の内部の様子を順に示す図である。
【0021】
まず、本実施の形態による紙幣処理機10について図1を用いて簡単に説明する。図1に示すように、紙幣処理機10は、バラ紙幣を処理するためのバラ紙幣処理装置100および束紙幣を処理するための束紙幣処理装置200を備えており、これらのバラ紙幣処理装置100および束紙幣処理装置200は左右に並ぶよう互いに連結されている。
【0022】
次に、バラ紙幣処理装置100の具体的な構成について図1図2等を用いて説明する。図1に示すように、バラ紙幣処理装置100は略直方体形状の筐体102を有しており、この筐体102の内部の上部および下部にそれぞれ入出金処理部165および紙幣収納部180が設けられている。入出金処理部165は、筐体102の前方上部にそれぞれ配置された入金集積部170およびリジェクト集積部171と、筐体102の上面部に配置された出金集積部175とを有している。入金集積部170およびリジェクト集積部171は、シャッター開閉式の入金口116を通じて外部に開放可能となっている。また、出金集積部175も、シャッター開閉式の出金口118を通じて外部に開放可能となっている。また、バラ紙幣処理装置100には、入金口116に設けられたシャッターを駆動するシャッター駆動部117および出金口118に設けられたシャッターを駆動するシャッター駆動部119がそれぞれ設けられている(図7参照)。
【0023】
一方、紙幣収納部180は、前後方向に一列に配置された5つの紙幣収納庫(以下、単に「収納庫」ともいう)180a〜180eを有している。これらの収納庫180a〜180eは、バラ紙幣(図2において参照符号Sで表示)を金種別に収納する4つの金種別収納庫180a〜180dと、バラ紙幣を金種混合状態で収納する一括収納庫180eとに分けられる。各収納庫180a〜180eの上端部には、これらの収納庫180a〜180eに収納される前の紙幣を一時的に保留するための一時保留部184が設けられており、また、各収納庫180a〜180eの下端部には、これらの収納庫180a〜180eに収納された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出機構186が設けられている。また、各収納庫180a〜180eの内部には、可動セパレータ181、182が2段ずつ設けられている。
【0024】
入金集積部170には、当該入金集積部170に投入された紙幣(図2において参照符号Sで表示)を1枚ずつ筐体102内に繰り出すための繰出機構172が設けられており、この繰出機構172と各収納庫180a〜180eの一時保留部184との間には入金搬送部120が設けられている。この入金搬送部120の途中には、紙幣の金種、真偽、正損、表裏等の識別を行う入金識別部130と、入金識別部130による紙幣の識別結果に基づいて紙幣の表裏を選択的に反転させる表裏反転部173とがそれぞれ設けられている。また、入金搬送部120は、入金識別部130と表裏反転部173との間でリジェクト集積部171へ分岐している。
【0025】
また、各収納庫180a〜180eに設けられた繰出機構186には出金搬送部122が接続されており、繰出機構186により各収納庫180a〜180eから繰り出された紙幣は出金搬送部122により出金集積部175等に搬送されるようになっている。また、出金搬送部122の途中には、繰出機構186により各収納庫180a〜180eから繰り出された紙幣の金種、真偽、正損、表裏等の識別を行う出金識別部132が設けられている。また、出金搬送部122は、出金集積部175の手前側で2つのスタッカ176a、176bおよび出金リジェクト箱177へそれぞれ分岐している。また、表裏反転部173の下流側で入金搬送部120から分岐したバイパス搬送部124が、スタッカ176aの上流側で出金搬送部122に合流している。
【0026】
スタッカ176a、176bの後方には、束搬送ユニット160が進入可能となっている。束搬送ユニット160は、バラ紙幣の束を把持する上下一対の把持部160aと、これらの把持部160aを移動させる移動部160bとを有しており、移動部160bは、各把持部160aを、前後方向に進退移動させるとともに、バラ紙幣処理装置100と束紙幣処理装置200との間で左右方向に移動させるようになっている。また、一対の把持部160aは、上下2つのスタッカ176a、176bに対応して、移動部160bに対して上下移動できるようにもなっている。そして、一対の把持部160aは、スタッカ176a、176b内に集積されたバラ紙幣の束(図2において参照符号B´で表示)を把持し、後方に引き出すことができるようになっている。
【0027】
次に、このようなバラ紙幣処理装置100の動作について簡単に説明する。
【0028】
入金口116を介して入金集積部170に投入されたバラ紙幣は、繰出機構172によって1枚ずつ筐体102内に繰り出され、入金搬送部120により搬送される。入金搬送部120により搬送されるバラ紙幣は、入金識別部130で金種等の識別が行われ、識別不能なリジェクト紙幣はリジェクト集積部171に戻される。また、表裏が所定の向きと反対の紙幣は、表裏反転部173で反転されてから下流側へ送られる。入金搬送部120を通じて紙幣収納部180に送られたバラ紙幣は、その金種に応じた収納庫180a〜180eへ収納される。この際に、バラ紙幣は、一時保留部184に集積された後、可動セパレータ181、182の動作によって、各収納庫180a〜180e内に収納される。
【0029】
一方、各収納庫180a〜180eから繰出機構186によって1枚ずつ繰り出されたバラ紙幣は、出金搬送部122により搬送される。出金搬送部122により搬送されるバラ紙幣は、出金識別部132で金種等の識別が行われ、識別不能な出金リジェクト紙幣は出金リジェクト箱177に集積される。それ以外のバラ紙幣は、目的に応じて、出金集積部175またはスタッカ176a、176bのいずれかに集積される。出金集積部175に集積された出金紙幣は出金口118を介して取り出される。また、バイパス搬送部124を利用することで、入金集積部170に投入されたバラ紙幣を、紙幣収納部180を通さずに直接、スタッカ176a、176bに集積させることもできる。
【0030】
次に、束紙幣処理装置200の具体的な構成について図1および図3乃至図5等を用いて説明する。図1に示すように、束紙幣処理装置200は略直方体形状の筐体202を有しており、この筐体202の内部には、帯封紙幣からなる束紙幣(図3において参照符号Bで表示)を鉛直方向に移動させるための束紙幣昇降通路220および束紙幣を収納する束紙幣収納部230がそれぞれ設けられている。また、束紙幣処理装置200は、束紙幣昇降通路220と束紙幣収納部230との間で束紙幣を水平方向に移動させる搬送機構240と、この搬送機構240によって搬送される束紙幣の金種等の識別を行う識別部270とを備えている。
【0031】
また、束紙幣処理装置200の筐体202の内部において、束紙幣収納部230の上方には、所定枚数のバラ紙幣の束(図3において参照符号B´で表示)を帯封紙(図3において参照符号Wで表示)で結束して束紙幣(具体的には、帯封紙幣)とするとともに、その帯封紙に所定の印字等を行うための結束印字部250が設けられている。この結束印字部250の後方には、バラ紙幣処理装置100からバラ紙幣の束を搬入するための上述した束搬送ユニット160が進入可能となっている。
【0032】
束紙幣昇降通路220は、筐体202の前面側に沿って配置されており、その内部には、束紙幣を乗せて昇降する昇降ステージ221が設けられている。また、この昇降ステージ221の上面側には、前下がりに傾斜するように揺動可能な傾斜板222が設けられている。また、束紙幣昇降通路220の上部は、シャッター開閉式の束出金口210を通じて外部と連通可能となっている。また、束紙幣昇降通路220の下部は、施錠機構214付きの開閉扉212を前方へ開くことで全体的に開放されるとともに、開閉扉212に設けられたシャッター開閉式の束放出口213を通じて部分的に外部と連通可能にもなっている。
【0033】
束紙幣収納部230は、前後方向に一列に配置された5つの束収納庫230a〜230eを有している。これらの束収納庫230a〜230eは、束紙幣を金種別に収納する4つの金種別束収納庫230a〜230dと、束紙幣を金種混合状態で一括して収納する一括束収納庫230eとに分けられる。各束収納庫230a〜230eは、独立して着脱可能なカセット式のものからなり、それぞれ上端部が開口するとともに、内部にパンタグラフ機構232付きの昇降ステージ231が設けられている。
【0034】
搬送機構240は、束紙幣収納部230から束紙幣昇降通路220内まで水平に延びる左右一対の搬送ベルト244(図4(a)等参照)を有している。各搬送ベルト244は、一対のプーリ241a、241bの間に掛け渡されるとともに、外側に4本のピン245が所定間隔で突設されている。各搬送ベルト244に対して、一対のプーリ241a、241bの間に第3のプーリ242が配置されている。そして、束紙幣昇降通路220側の2つのプーリ241a、242の間を連結するレバー248が、プーリ242の回転軸を中心として上方へ90°揺動可能となっている。これにより、搬送機構240における束紙幣昇降通路220側の部分は、水平方向に延びる搬送位置から鉛直方向に延びる退避位置へ揺動することで束紙幣昇降通路220内から退避可能な揺動退避部240aを構成している。
【0035】
この搬送機構240と各束収納庫230a〜230eとの間には、左右に開閉する一対の開閉板234(図4等参照)が、それぞれ設けられている。また、上記の搬送位置にあるときの搬送機構240の揺動退避部240aと束紙幣昇降通路220の下部との間にも、同じく一対の開閉板234が設けられている。各束収納庫230a〜230eに対応する開閉板234同士の間には、それぞれ仕切板236が設けられている。各仕切板236の上端面には、束紙幣の通過や遮光を検知するための一対のセンサ237(図4(a)等参照)が設けられている。また、束収納庫230a上の開閉板234と束紙幣昇降通路220内の開閉板234との間には、上記の識別部270が配置されている。
【0036】
これらの開閉板234、仕切板236および識別部270と、搬送機構240との間に、束紙幣が水平方向(図3における矢印方向)に搬送される束紙幣搬送路249が形成されている。すなわち、束紙幣搬送路249内において、搬送ベルト244のピン245によって搬送力を受ける束紙幣が、開閉板234等の上を摺動しながら搬送されるようになっている(図4(b)等参照)。なお、一対の搬送ベルト244の間には、各束収納庫230a〜230e上の開閉板234と対向した押圧板238が配置されている。
【0037】
ここで、図4および図5を参照して、各束収納庫230a〜230eにおける束紙幣(図4および図5において参照符号Bで表示)の収納および投出がどのようにして行われるかを説明する。なお、図4および図5では、いずれの束収納庫であるかを特定することなく、束収納庫230a〜230eとして説明する。
【0038】
図4に示すような各束収納庫230a〜230eへの束紙幣の収納時には、収納すべき束収納庫230a〜230eに対応した開閉板234上まで束紙幣が搬送機構240により搬送される。一方、束収納庫230a〜230e内では、図4(b)に示すように、昇降ステージ231が、収納する束紙幣を受け取る高さまで上昇する。この状態で図4(a)に示すように一対の開閉板234が左右に開かれ、開閉板234上にある束紙幣を昇降ステージ231上に落下させる。その後、一対の開閉板234が閉じられ、昇降ステージ231が所定位置まで降下して、当該束紙幣の収納が完了する。
【0039】
また、図5に示すような各束収納庫230a〜230eからの束紙幣の投出時には、図5(a)に示すように束紙幣を投出すべき束収納庫230a〜230e上の開閉板234が左右に開かれ、その後、束紙幣を乗せた昇降ステージ231が上昇する。このとき、開閉板234の開放に連動して押圧板238が下降し、昇降ステージ231上の束紙幣の上昇高さを規制する。具体的には、押圧板238は、最上部の束紙幣によって押し上げられると、昇降ステージ231の上昇を停止させるスイッチとして作用する。これにより、最上部の束紙幣のみを束紙幣搬送路249上に出して搬送機構240により1束ずつ搬送するようになる。
【0040】
結束印字部250は、束搬送ユニット160によって搬送されてきたバラ紙幣の束(図3において参照符号B´で表示)を帯封紙(図3において参照符号Wで表示)で結束して帯封紙幣からなる束紙幣(図3において参照符号Bで表示)にするための結束機構250aと、その束紙幣の帯封紙に所定の印字等を行うための印字部250bとを有している。結束機構250aは、バラ紙幣の束を挟持するための挟持部251と、挟持されたバラ紙幣の束に、ロール253から引き出された帯封紙を巻き付けるための旋回アーム252とを有している。また、結束機構250aは、バラ紙幣の束に巻き付けられた帯封紙の端部を接着するための接着コテ255と、帯封紙を1束分ずつ切断するためのカッター256とを有している。
【0041】
また、結束印字部250には、結束された束紙幣を束紙幣昇降通路220の上部へ送るための搬送ベルト258、259が設けられている。そのうち上側の搬送ベルト258に隣接して、束紙幣の帯封紙に金融機関名等を印字するための行名スタンプ250cと、損券紙幣を束ねた帯封紙に損券マークを押印するための損券スタンプ250dとが配置されている。なお、各搬送ベルト258、259における挟持部251に対向する側は、帯封紙の巻き付け時等に外側に退避する揺動退避部258a、259aを構成している。
【0042】
次に、本実施の形態による紙幣処理機10の制御系の構成について図7に示す機能ブロック図を用いて説明する。
【0043】
図7に示すように、本実施の形態による紙幣処理機10には制御部20が設けられており、この制御部20によりバラ紙幣処理装置100および束紙幣処理装置200の各構成部材が制御されるようになっている。具体的には、バラ紙幣処理装置100の繰出機構172、入金搬送部120、入金識別部130、表裏反転部173、可動セパレータ181、182、繰出機構186、出金搬送部122、出金識別部132、バイパス搬送部124、シャッター駆動部117、119、束搬送ユニット160等、ならびに束紙幣処理装置200の昇降ステージ221、傾斜板222、施錠機構214、パンタグラフ機構232、検知センサ233a、233b(後述)、搬送機構240、開閉板234、押圧板238、識別部270、結束印字部250等がそれぞれ制御部20に通信可能に接続されている。そして、バラ紙幣処理装置100の入金識別部130および出金識別部132、ならびに束紙幣処理装置200の識別部270によるバラ紙幣や束紙幣の識別情報が制御部20に送られるとともに、制御部20はバラ紙幣処理装置100の繰出機構172、入金搬送部120、表裏反転部173、可動セパレータ181、182、繰出機構186、出金搬送部122、バイパス搬送部124、シャッター駆動部117、119、束搬送ユニット160等、ならびに束紙幣処理装置200の昇降ステージ221、傾斜板222、施錠機構214、パンタグラフ機構232、搬送機構240、開閉板234、押圧板238、結束印字部250等に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。
【0044】
また、図7に示すように、制御部20には操作表示部22、記憶部24、印字部26、通信インターフェース部28がそれぞれ通信可能に接続されている。操作表示部22は紙幣処理機10の前面や上面に設けられた例えばタッチパネル等からなり、バラ紙幣処理装置100や束紙幣処理装置200におけるバラ紙幣や束紙幣の処理状況、ならびに各収納庫180a〜180eや各束収納庫230a〜230eにおけるバラ紙幣や束紙幣の在高等の情報が表示されるとともに、操作者は操作表示部22により制御部20に対して様々な情報や指令を入力することができるようになっている。また、記憶部24は、バラ紙幣処理装置100や束紙幣処理装置200におけるバラ紙幣や束紙幣の処理状況、ならびに各収納庫180a〜180eや各束収納庫230a〜230eにおけるバラ紙幣や束紙幣の在高等の情報を記憶するようになっている。また、印字部26は紙幣処理機10の前面や上面に設けられた例えばプリンタ等からなり、各収納庫180a〜180eや各束収納庫230a〜230eにおけるバラ紙幣や束紙幣の在高等の情報をレシートに印字するようになっている。また、通信インターフェース部28は、上位端末等の外部装置に対して信号の送受信を行うことにより当該外部装置と通信を行うようになっている。
【0045】
次に、このような構成からなる紙幣処理機10の様々な動作について説明する。以下に示すような紙幣処理機10の各動作は、制御部20がバラ紙幣処理装置100や束紙幣処理装置200の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
【0046】
本実施の形態では、バラ紙幣を束紙幣にして外に出す処理として、紙幣処理機10は、バラ紙幣処理装置100の入金集積部170に投入されたバラ紙幣を、束紙幣処理装置200において束紙幣として束出金口210からの取り出しに供するような(あるいは束放出口213から放出するような)ローカル結束処理を行うことができるようになっている。また、紙幣処理機10は、バラ紙幣処理装置100の紙幣収納部180に収納されているバラ紙幣を、束紙幣処理装置200において束紙幣として回収するために束放出口213から放出するような結束回収処理を行うことができるようになっている。また、紙幣処理機10は、バラ紙幣処理装置100の紙幣収納部180に収納されているバラ紙幣を、束紙幣処理装置200において束紙幣として出金し、束出金口210からの取り出しに供するような結束出金処理を行うことができるようになっている。
【0047】
また、バラ紙幣を束紙幣にして収納する処理として、紙幣処理機10は、バラ紙幣処理装置100の入金集積部170に投入されたバラ紙幣を、束紙幣処理装置200において束紙幣として束紙幣収納部230に収納するような結束装填処理を行うことができるようになっている。また、紙幣処理機10は、バラ紙幣処理装置100の紙幣収納部180(具体的には、いずれかの収納庫180a〜180e)のバラ紙幣が満杯になると、自動的に束紙幣処理装置200において束紙幣として束紙幣収納部230に収納するような自動収集処理を行うことができるようになっている。
【0048】
また、収納されていた束紙幣を外に出す処理として、紙幣処理機10は、束紙幣処理装置200において、束紙幣収納部230に収納されていた束紙幣を出金して、束出金口210からの取り出しに供する束紙幣出金処理や、束紙幣処理装置200において、束紙幣収納部230に収納されていた束紙幣を回収するために束放出口213から放出する束紙幣回収処理を行うことができるようになっている。
【0049】
また、紙幣処理機10は、束紙幣処理装置200において、外部から(例えば、開閉扉212を通じて)束紙幣昇降通路220内に投入された束紙幣を束紙幣収納部230に自動的に装填するような機外束装填処理や、束紙幣処理装置200において、束紙幣収納部230に収納されている束紙幣を、束紙幣昇降通路220を利用して自動的に精査するような(具体的には、金種、束数等の確認により在高を確定させるような)自動精査処理を行うことができるようになっている。また、紙幣処理機10は、束紙幣処理装置200の束紙幣収納部230において、一括束収納庫230eに金種混合状態で収納されていた束紙幣を、束紙幣昇降通路220を利用して、対応する金種別束収納庫230a〜230dへ自動的に振り分けるような自動振り分け処理を行うことができるようになっている。
【0050】
ここで、紙幣処理機10が上述した自動精査処理を行うときの動作について図6(a)〜(c)を用いて詳述する。
【0051】
操作者が操作表示部22により制御部20に対して自動精査処理を実行する旨の指令を入力したり、上位端末等の外部装置から通信インターフェース部28を介して制御部20に自動精査処理を実行する旨の指令が送られたりすると、制御部20が束紙幣処理装置200の各構成部材を制御することにより以下に示すような自動精査処理が行われるようになる。より詳細には、まず、対象となる束収納庫(ここでは金種別束収納庫230a)から1束ずつ束紙幣が投出され、この投出された束紙幣は搬送機構240により束紙幣昇降通路220側へ搬送されて昇降ステージ221上に集積される。このとき、各束紙幣に対して、識別部270により1回目の識別が行われる(図6(a)参照)。
【0052】
そして、金種別束収納庫230aから束紙幣が全て束紙幣昇降通路220側へ搬送されて昇降ステージ221上に集積されると(図6(b)参照)、昇降ステージ221上に集積された束紙幣を1束ずつ元の束収納庫230aに戻す(図6(c)参照)。この際に、1回目の識別で識別ができなかった束紙幣に対してのみ、識別部270により2回目の識別が行われる。このときに、2回目の識別でも識別ができなかった束紙幣については、搬送機構240によって一旦束紙幣昇降通路220側へ逆送してから束紙幣収納部230側へ戻し、その間に識別部270により識別するような識別リトライ動作を行う。ここで、制御部20において識別リトライ動作を行う回数が予め設定されており、実際に識別リトライ動作が行われた回数が制御部20において予め設定された回数に達すると、束紙幣処理装置200の動作(具体的には、自動精査処理)が休止し、制御部20は操作表示部22に警告画面を表示させることにより操作者に対して対処を促すことになる。
【0053】
本実施の形態では、制御部20において上記の識別リトライ動作を行う回数を自在に変更することができるようになっている。例えば、紙幣処理機10が設置された店舗の営業時間中等、自動精査処理にかかる時間を短縮したい場合には識別リトライ動作を行う回数を少なく設定し、一方、夜間等、束紙幣処理装置200の休止率を低減したい場合には識別リトライ動作を行う回数を多く設定する。また、店舗の営業時間中では紙幣処理機10のそばに店員等の操作者がいる可能性が高く、識別部270により識別できなかった束紙幣をこの操作者が束紙幣処理装置200から外部に取り出すことができるため識別リトライ動作を行う回数を少なくしてもよいが、夜間では紙幣処理機10のそばに誰も操作者がいない可能性が高いため識別リトライ動作を行う回数を多くすることにより束紙幣処理装置200から束紙幣を外部に取り出さなければならない事態となることをできるだけ未然に防止する必要がある。このように、本実施の形態では、制御部20において識別リトライ動作を行う回数を自在に変更することにより、周囲の状況に応じて自動精査処理にかかる時間を短縮したり束紙幣処理装置200の休止率を低減したりすることができるようになる。
【0054】
なお、上記の自動精査処理を行う際に、束紙幣収納部230の束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の状態が悪い場合に(具体的には、図10(a)に示すような一方の端縁が膨らんだ束紙幣や図10(b)に示すような全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣が束収納庫230a〜230eに収納されている場合に)、自動精査処理が行われる束紙幣の数があまりに多いときには、束収納庫230a〜230eから束紙幣昇降通路220に束紙幣を移し替えた際に当該束紙幣昇降通路220に束紙幣が入りきらなかったり、あるいは束紙幣昇降通路220から束収納庫230a〜230eに束紙幣を戻す際に束収納庫230a〜230eに束紙幣が入りきらなかったりするおそれがある。このため、本実施の形態では、制御部20に対して自動精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、上述した自動精査処理を実際に実行する前に、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の容積を検知し、この検知された束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には制御部20は自動精査処理を行わないようになっている。
【0055】
このような動作について図8を用いて具体的に説明する。本実施の形態では、自動精査処理を行う旨の指令が制御部20に入力されたときに、各束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の容積として束紙幣の高さを検知し、この検知された束紙幣の高さが所定の高さよりも大きい場合には制御部20は自動精査処理を行わないようになっている。より詳細には、本実施の形態では、図8に示すように、各束収納庫230a〜230eの上端部および下端部の近傍にはそれぞれ検知センサ233a、233bが設けられている。各検知センサ233a、233bは、水平方向に沿って延びる光軸がその間に設けられた発光素子および受光素子を有しており、発光素子から発せられた光が昇降ステージ231やこの昇降ステージ231に集積された束紙幣により遮られて受光素子に届かないようになると、各検知センサ233a、233bは昇降ステージ231やこの昇降ステージ231に集積された束紙幣を検知するようになる。
【0056】
束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の高さを検知する際に、まず、図8(a)に示すように、昇降ステージ231に集積されている1または複数の束紙幣のうち最上層にある束紙幣の上面が検知センサ233aと同じ高さレベルとなるように昇降ステージ231を昇降させる。次に、制御部20は昇降ステージ231を所定の移動距離だけ下降させる。この際に、図8(b)に示すように昇降ステージ231が検知センサ233bにより検知されなかった場合には、すなわち昇降ステージ231が検知センサ233bの高さレベルよりも上方に位置する場合には、制御部20において束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の高さが所定の高さよりも小さいと判断される。この場合には、当該束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣について制御部20は自動精査処理を行うようになる。一方、制御部20が昇降ステージ231を所定の移動距離だけ下降させたときに、図8(c)に示すように昇降ステージ231が検知センサ233bにより検知された場合には、すなわち昇降ステージ231が下降して検知センサ233bの高さレベルに達した場合には、制御部20において束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の高さは所定の高さよりも大きいと判断される。この場合には、当該束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣について制御部20は自動精査処理を行わず、この束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣の一部または全部を上記の束紙幣回収処理により束放出口213から放出する。このように、本実施の形態では、検知センサ233a、233bにより、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の高さを検知する高さ検知手段が構成されており、制御部20は、自動精査処理を行う旨の指令が入力されたときに、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが所定の高さよりも大きいときに自動精査処理を行わないようになっている。
【0057】
また、本実施の形態では、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる「所定の高さ」は変更可能となっている。具体的には、操作者が操作表示部22によりこの所定の高さを制御部20に手入力することができるようになっていてもよいし、あるいは制御部20はこの所定の高さを自動で設定するようになっていてもよい。
【0058】
操作者が操作表示部22によりこの所定の高さを制御部20に手入力する場合には、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の状態によって操作者は当該所定の高さを決めるようになる。具体的には、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣が官封券のようにその厚みが小さいものであれば、操作者は所定の高さとして比較的大きい値を操作表示部22により制御部20に入力する。この場合には、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の数が比較的多い場合でも自動精査処理を行うことができるようになり、束収納庫230a〜230eの容量を有効に活用するとともに自動精査処理にかかる時間を短縮することができるようになる。なお、操作者が所定の高さとして比較的大きい値を操作表示部22により制御部20に入力した場合には、昇降ステージ231に集積されている1または複数の束紙幣のうち最上層にある束紙幣の上面が検知センサ233aと同じ高さレベルとなった後に昇降ステージ231が下降する距離(上述した所定の移動距離)は短くなる。
【0059】
一方、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣が図10(a)に示すような一方の端縁が膨らんだ束紙幣や図10(b)に示すような全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣のようにその厚みが大きいものであるときには、操作者は所定の高さとして比較的小さい値を操作表示部22により制御部20に入力する。この場合には、自動精査処理を行うことができる束紙幣の数の上限が少なくなるものの、自動精査処理が行われる束紙幣の数を減らすことにより束収納庫230a〜230eから束紙幣昇降通路220に束紙幣を移し替えた際に当該束紙幣昇降通路220に束紙幣が入りきらなくなる等のトラブルを防止することができるようになる。なお、操作者が所定の高さとして比較的小さい値を操作表示部22により制御部20に入力した場合には、昇降ステージ231に集積されている1または複数の束紙幣のうち最上層にある束紙幣の上面が検知センサ233aと同じ高さレベルとなった後に昇降ステージ231が下降する距離(上述した所定の移動距離)は長くなる。
【0060】
もし仮に、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる「所定の高さ」が一定の場合には、図10(a)に示すような一方の端縁が膨らんだ束紙幣や図10(b)に示すような全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣等の、状態が悪い束紙幣が束収納庫230a〜230eに収納されることを見越して、この所定の高さを束収納庫230a〜230eにおける束紙幣の集積可能な高さ(具体的には、検知センサ233aの高さレベルと検知センサ233bの高さレベルとの間の距離)の約半分の大きさとする必要がある。所定の高さが比較的大きい場合には、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の状態が悪いときに、この束紙幣を束収納庫230a〜230eから束紙幣昇降通路220に移し替えた際に当該束紙幣昇降通路220に束紙幣が入りきらなかったり、あるいは束紙幣昇降通路220から束収納庫230a〜230eに束紙幣を戻す際に当該束収納庫230a〜230eに束紙幣が入りきらなかったりするおそれがあるからである。このように、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを一定とすると、この所定の高さを束収納庫230a〜230eにおける束紙幣の集積可能な高さの約半分の大きさとしなければならないため、自動精査可能な束紙幣の数が少なくなってしまう。これに対し、本実施の形態では、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる「所定の高さ」が変更可能となっているため、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の状態に基づいてこの所定の高さを変えることにより、具体的には例えば束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣が官封券等の新しい束紙幣である場合には所定の高さを大きくすることにより、精査可能な束紙幣の数を増やすことができ、束収納庫230a〜230eの容量を有効に活用したり、自動精査処理にかかる時間を短縮したりすることができるようになる。
【0061】
また、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを制御部20が自動で設定する場合には、当該制御部20は束収納庫230a〜230eに1または複数の束紙幣を収納したときの当該1または複数の束紙幣の高さおよび束数に基づいて所定の高さを設定するようになっている。具体的には、搬送機構240から束収納庫230a〜230eの昇降ステージ231上に束紙幣を収納する際に、昇降ステージ231上に集積された束紙幣の上端が検知センサ233aの高さレベルよりも上方に超えないように、搬送機構240から昇降ステージ231に束紙幣が送られるたびに当該昇降ステージ231は徐々に降下する。このときの昇降ステージ231の降下量は、当該昇降ステージ231を駆動する駆動モータ(図示せず)のパルス数等に基づいて検知することができる。そして、搬送機構240から束収納庫230a〜230eの昇降ステージ231上に収納された束紙幣の束数がBであるときに昇降ステージ231の降下量がHであったときに、降下量Hを束数Bで割った値(すなわち、束紙幣1束の平均の厚さ)が予め設定された所定値以上である場合には、制御部20は束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣をその厚さが比較的大きく使い古したものであるとみなし、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを比較的小さく設定する。一方、降下量Hを束数Bで割った値が予め設定された所定値よりも小さい場合には、制御部20は束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣をその厚さが比較的小さく官封券等の新しいものであるとみなし、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを比較的大きく設定する。このような方法では、制御部20は束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣の状態を自動的に判断することにより、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを適切に設定することができるようになる。
【0062】
また、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを制御部20が自動で設定する際に、上記の方法以外にも様々な方法で制御部20が所定の高さを自動で設定するようになっていてもよい。例えば、識別部270は束紙幣における最外側面の紙幣の記番号を読み取るようなイメージセンサ等を撮像部として有しており、識別部270のイメージセンサ等により読み取られた紙幣の記番号に基づいて制御部20は束収納庫230a〜230eに収納される束紙幣が新しいものであるかあるいは古いものであるかを判断するようになっていてもよい。この場合には、束収納庫230a〜230eに収納される束紙幣が新しいものであると制御部20が判断したときには、束収納庫230a〜230eに収納される束紙幣の厚さは比較的小さいと考えられるため、当該制御部20は、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを比較的大きく設定する。一方、束収納庫230a〜230eに収納される束紙幣が古いものであると制御部20が判断したときには、束収納庫230a〜230eに収納される束紙幣の厚さは比較的大きいと考えられるため、当該制御部20は、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを比較的小さく設定する。このような方法でも、制御部20は束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣の状態を自動的に判断することにより、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さの比較対象となる所定の高さを適切に設定することができるようになる。
【0063】
以上のような構成からなる本実施の形態の束紙幣処理装置200およびこのような束紙幣処理装置200による精査処理方法によれば、自動精査処理を行う旨の指令が制御部20に入力されたときに、束収納庫230a〜230e(第1収納部)に収納されている束紙幣の容積が所定の容積よりも大きい場合には自動精査処理を行わないようになっており、この所定の容積は変更可能となっている。このことにより、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の状態に応じて精査処理可能な束紙幣の容積を変えることができ、よって束収納庫230a〜230eの容量を有効に活用することができるとともに自動精査処理にかかる時間を短縮することができる。より詳細に説明すると、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の容積の比較対象となる「所定の容積」が一定の場合には、図10(a)に示すような一方の端縁が膨らんだ束紙幣や図10(b)に示すような全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣等の、状態が悪い束紙幣が束収納庫230a〜230eに収納されることを見越して、この所定の容積を束収納庫230a〜230eにおける束紙幣の集積可能な容積の約半分の大きさとする必要がある。なぜならば、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の状態が悪いときに、あまりに多くの束紙幣の自動精査処理を行おうとすると束紙幣を束収納庫230a〜230eから束紙幣昇降通路220に移し替えた際に当該束紙幣昇降通路220に束紙幣が入りきらなかったり、あるいは束紙幣昇降通路220から束収納庫230a〜230eに束紙幣を戻す際に当該束収納庫230a〜230eに束紙幣が入りきらなかったりするおそれがあるからである。このように、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の容積の比較対象となる所定の容積を一定とすると、この所定の容積を束収納庫230a〜230eにおける束紙幣の集積可能な容積の約半分の大きさとしなければならないため、自動精査可能な束紙幣の数が少なくなってしまう。これに対し、本実施の形態では、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の容積の比較対象となる所定の容積が変更可能となっているため、例えば束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣が官封券等の新しい束紙幣である場合には所定の容積を大きくすることにより精査可能な束紙幣の数を増やすことができ、束収納庫230a〜230eの容量を有効に活用したり、自動精査処理にかかる時間を短縮したりすることができるようになる。
【0064】
また、本実施の形態の束紙幣処理装置200では、上述したように、自動精査処理を行う旨の指令が制御部20に入力されたときに、検知センサ233a、233b等からなる高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが、上記の所定の容積に関連する所定の高さよりも大きいときには自動精査処理を行わないようになっており、上記の所定の容積に関連する上記の所定の高さは変更可能となっている。
【0065】
また、本実施の形態の束紙幣処理装置200では、上述したように、複数の束紙幣が積層状態で載置され、鉛直方向に移動可能となっている載置台として昇降ステージ231が設けられており、高さ検知手段は、この昇降ステージ231の移動距離に基づいて束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の高さを検知するようになっている。また、図8(a)〜(c)に示すように、制御部20は、昇降ステージ231に載置された束紙幣の上端位置が検知センサ233a(上部検知部)の検知位置にある状態から昇降ステージ231を上記の所定の高さに関連する所定の移動距離だけ下降させた場合に当該昇降ステージ231が検知センサ233b(下部検知部)により検知されたときに、高さ検知手段により検知された束紙幣の高さが所定の高さよりも大きいと判断するようになっている。また、この所定の移動距離は変更可能となっている。
【0066】
また、本実施の形態の束紙幣処理装置200では、上述したように、上記の所定の高さを入力するための入力手段として操作表示部22が設けられている。
【0067】
なお、所定の高さを操作表示部22により操作者が手入力する代わりに、制御部20は上記の所定の高さを自動で設定するようになっていてもよい。この場合には、制御部20は、上述したように、束収納庫230a〜230eに1または複数の束紙幣を収納したときの当該1または複数の束紙幣の高さおよび束数に基づいて所定の高さを設定するようになっている。あるいは、制御部20は、識別部270に設けられたイメージセンサ等の撮像部により取得された、束紙幣の画像(具体的には、例えば束紙幣の最外側面の紙幣の記番号等)に基づいて所定の高さを設定するようになっていてもよい。
【0068】
なお、本実施の形態による束紙幣処理装置200やこの束紙幣処理装置200による精査処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0069】
例えば、束紙幣処理装置200において自動精査処理が行われる際に、各束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣を束紙幣昇降通路220に移動させるのではなく、自動精査処理が行われる対象となる束収納庫以外の束収納庫をまず空にし、自動精査処理において束紙幣昇降通路220ではなくこの空になった束収納庫に束紙幣を移し替えるようにしてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、制御部20が自動精査処理を行うか否かの判断を行う際に比較対象となる束紙幣の容積は束紙幣の高さに限定されることはない。制御部20が自動精査処理を行うか否かの判断を行う際に比較対象となる束紙幣の容積として、束紙幣の高さ以外の要素を用いてもよい。例えば、各束収納庫230a〜230eの側面に撮像カメラを設置しておき、この撮像カメラにより撮像された、昇降ステージ231上に集積された束紙幣の側面の画像に基づいて束紙幣の側面積を検知するようになっていてもよい。この場合には、自動精査処理を行う旨の指令が制御部20に入力されたときに、撮像カメラにより検知された束紙幣の側面積が所定の側面積よりも大きいときには自動精査処理を行わないようになる。また、この場合には、上記の所定の側面積は手動または自動により変更可能となっている。
【0071】
また、搬送機構240から各束収納庫230a〜230eに束紙幣を収納する際に、開閉板234が開くことにより束紙幣が自由落下して昇降ステージ231上に載置されるようになるが、図10(a)に示すような一方の端縁が膨らんだ束紙幣や図10(b)に示すような全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣等の、状態が悪い束紙幣が各束収納庫230a〜230eに収納される場合には、昇降ステージ231に載置された束紙幣は上下に膨らんでいるため、各束収納庫230a〜230eの容量を有効に活用できないという問題があった。具体的には、搬送機構240から各束収納庫230a〜230eに束紙幣を収納する度に昇降ステージ231を下降させることにより、この昇降ステージ231に集積された束紙幣の上端位置(すなわち、最上層にある束紙幣の上面)が検知センサ233aの検知位置と略同一の高さレベルとなるようにしているが、昇降ステージ231に載置された束紙幣の状態が悪く上下に膨らんでいる場合には、束収納庫230a〜230eに束紙幣が所定の上限数だけ収納されていないときでも、図9(a)に示すように昇降ステージ231が検知センサ233bにより検知されてしまい、集積異常エラーとなってしまっていた。従来技術では、このような集積異常エラーが発生したときには、束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣の一部または全部を上記の束紙幣回収処理により束放出口213から放出することにより集積異常エラーを解消していたが、束収納庫230a〜230eにおける束紙幣の集積容量が少なくなってしまったり、集積異常エラーを解消するのに時間がかかったりするという問題があった。
【0072】
これに対し、本実施の形態では、図9(a)に示すように昇降ステージ231が検知センサ233bにより検知されたときには、図9(b)に示すように昇降ステージ231を上昇させ、同時に押圧板238を下降させる。このことにより、昇降ステージ231上に積層状態で集積された束紙幣は上下から挟圧されることにより上下方向において圧縮されるようになる。その後、昇降ステージ231を下降させるとともに押圧板238を上昇させるが、昇降ステージ231上の束紙幣が上下方向において圧縮されることにより、図9(c)に示すように、昇降ステージ231に集積された束紙幣の上端位置が検知センサ233aの検知位置と略同一の高さレベルとなったときに当該昇降ステージ231は検知センサ233bにより検知されなくなり、集積異常エラーが解消される。このように、本実施の形態では、昇降ステージ231および押圧板238により、束収納庫230a〜230eに収納された束紙幣を上下から挟圧する束紙幣挟圧手段が構成されており、束収納庫230a〜230eにおいて集積異常エラーが発生したときにはこの束紙幣挟圧手段により昇降ステージ231上の束紙幣を上下から挟圧することにより集積異常エラーを解消している。この場合には、図10(a)に示すような一方の端縁が膨らんだ束紙幣や図10(b)に示すような全体的に凸形状となるよう湾曲した束紙幣が各束収納庫230a〜230eに収納される場合でも、これらの束収納庫230a〜230eにおける束紙幣の集積容量を増やすとともに、集積異常エラーを短時間で解消することができるようになる。
【0073】
また、上記の自動精査処理を行う際において、自動精査処理を行う旨の指令が制御部20に入力されて高さ検知手段により昇降ステージ231上の束紙幣の高さが検知されたときに、この検知された束紙幣の高さが予め設定された所定の高さよりも大きい場合に、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の一部または全部を上記の束紙幣回収処理により束放出口213から放出する代わりに、昇降ステージ231および押圧板238からなる束紙幣挟圧手段により昇降ステージ231上の束紙幣を上下から挟圧してもよい。この場合には、昇降ステージ231上に積層状態で集積された束紙幣が上下方向において圧縮されるため、束紙幣の高さが所定の高さよりも小さくなることにより自動精査処理を行うことができるようになる可能性があり、束収納庫230a〜230eに収納されている束紙幣の一部または全部を上記の束紙幣回収処理により束放出口213から放出する場合と比較して処理時間を短縮するとともに自動精査処理を行うことができる束紙幣の数を増やすことができる。
【符号の説明】
【0074】
10 紙幣処理機
20 制御部
22 操作表示部
24 記憶部
26 印字部
28 通信インターフェース部
100 バラ紙幣処理装置
102 筐体
116 入金口
117 シャッター駆動部
118 出金口
119 シャッター駆動部
120 入金搬送部
122 出金搬送部
124 バイパス搬送部
130 入金識別部
132 出金識別部
160 束搬送ユニット
160a 把持部
160b 移動部
165 入出金処理部
170 入金集積部
171 リジェクト集積部
172 繰出機構
173 表裏反転部
175 出金集積部
176a、176b スタッカ
177 出金リジェクト箱
180 紙幣収納部
180a〜180d 金種別収納庫
180e 一括収納庫
181、182 可動セパレータ
184 一時保留部
186 繰出機構
200 束紙幣処理装置
202 筐体
210 束出金口
212 開閉扉
213 束放出口
214 施錠機構
220 束紙幣昇降通路(第2収納部)
221 昇降ステージ
222 傾斜板
230 束紙幣収納部
230a〜230d 金種別束収納庫(第1収納部)
230e 一括束収納庫(第1収納部)
231 昇降ステージ(載置台)
232 パンタグラフ機構
233a、233b 検知センサ(上部検知部、下部検知部)
234 開閉板
236 仕切板
237 センサ
238 押圧板
240 搬送機構
240a 揺動退避部
241a、241b プーリ
242 プーリ
244 搬送ベルト
245 ピン
248 レバー
249 束紙幣搬送路(束紙幣搬送部)
250 結束印字部
250a 結束機構
250b 印字部
250c 行名スタンプ
250d 損券スタンプ
251 挟持部
252 旋回アーム
253 ロール
255 接着コテ
256 カッター
258、259 搬送ベルト
258a、259a 揺動退避部
270 識別部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10