特開2015-232812(P2015-232812A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-232812サービス提供システム、サービス提供方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232812(P2015-232812A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】サービス提供システム、サービス提供方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20151201BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20151201BHJP
【FI】
   G06F12/00 531M
   G06Q50/10 100
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-119560(P2014-119560)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田代 淳一
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】松永 典子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】バックアップサービスを行うシステムにおいて、ユーザの要求に柔軟に対応すること。
【解決手段】オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバとオリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供システム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバと前記オリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、前記システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供システム。
【請求項2】
前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバとバックアップ用のサーバとの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバとアーカイブ用のサーバとの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである、請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバからテンポラリ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記テンポラリ用のサーバから前記バックアップ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバからアーカイブ用のサーバまでの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである、請求項1又は2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバからレプリケーション用のサーバまでの間を同期に設定し、前記レプリケーション用のサーバから前記バックアップ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバからアーカイブ用のサーバまでの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバからレプリケーション用のサーバまでの間を同期に設定し、前記レプリケーション用のサーバから前記テンポラリ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記テンポラリ用のサーバから前記バックアップ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバからアーカイブ用のサーバまでの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバと前記オリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、前記システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供方法。
【請求項7】
オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバと前記オリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、前記システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップサービス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クラウドサービスの進展に伴い、自社環境やデータセンタ環境に構築したシステムデータをクラウド環境に移行するケースが増えてきている。それに伴い、システムデータのバックアップについてもクラウド環境に移行するケースが増えてきている。例えば、特許文献1には、クラウド環境において、低コストでバックアップサイトの構築を可能とするディザスタリカバリシステムが開示されている。また、特許文献2には、クラウド環境において、サーバの増減やリソースの変更等の動的な構成変更に対応したバックアップ管理を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−150459号公報
【特許文献2】特開2012−68771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2の技術では、システムデータをクラウド環境に移行したことにより、災害時のシステムデータの復旧に迅速に対応することができないおそれがある。例えば、災害時に早急にシステムデータを復旧してほしいユーザの場所からシステムデータがバックアップされている場所までの物理的距離が遠い場合、迅速にシステムデータを復旧させることができない。また、システムデータの復旧に時間がかかってもよいが、災害が発生した場合に、バックアップされているシステムデータが失われないような対策を所望するユーザも多い。しかし、従来の技術では、上述したようなユーザの要求に柔軟に対応することができないという問題があった。このような問題は、クラウドシステムに限らず、バックアップサービスを行うシステム全体に共通する問題である。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、バックアップサービスを行うシステムにおいて、ユーザの要求に柔軟に対応することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバと前記オリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、前記システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記のサービス提供システムであって、前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバとバックアップ用のサーバとの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバとアーカイブ用のサーバとの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである。
【0008】
本発明の一態様は、上記のサービス提供システムであって、前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバからテンポラリ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記テンポラリ用のサーバから前記バックアップ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバからアーカイブ用のサーバまでの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである。
【0009】
本発明の一態様は、上記のサービス提供システムであって、前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバからレプリケーション用のサーバまでの間を同期に設定し、前記レプリケーション用のサーバから前記バックアップ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバからアーカイブ用のサーバまでの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである。
【0010】
本発明の一態様は、上記のサービス提供システムであって、前記サービスレベルに応じたサービスの1つは、前記オリジナル用のサーバからレプリケーション用のサーバまでの間を同期に設定し、前記レプリケーション用のサーバから前記テンポラリ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記テンポラリ用のサーバから前記バックアップ用のサーバまでの間を非同期に設定し、前記バックアップ用のサーバからアーカイブ用のサーバまでの間を非同期に設定することによって前記サーバごとに前記データ内容を保存させるサービスである。
【0011】
本発明の一態様は、オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバと前記オリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、前記システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供方法である。
【0012】
本発明の一態様は、オリジナルのシステムデータを保存するオリジナル用のサーバと前記オリジナル用のサーバから離れた場所に位置するサーバとの間を同期又は非同期に設定することによって、前記システムデータのデータ内容をバックアップ可能な複数種類のサービスレベルのうち、ユーザに選択されたサービスレベルに応じたサービスを提供するサービス提供システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、バックアップサービスを行うシステムにおいて、ユーザの要求に柔軟に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明におけるクラウドサービス提供システム100のシステム構成を示す図である。
図2】本発明におけるクラウドサービス提供システム100が提供するサービスの概略を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明におけるクラウドサービス提供システムの概要について説明する。
本発明におけるクラウドサービス提供システムでは、クラウド環境におけるディザスタリカバリのためのサービスが複数のサービスレベルに応じて提供される。サービスレベルとは、クラウドサービスの利用者(以下、単に「利用者」という。)に提供されるサービスの質の高さを表す基準である。利用者に提供されるサービスの具体例として、クラウドシステム上で利用中のシステムデータを圧縮し、遠距離拠点にバックアップ可能とするサービスや、災害時に同期機能を利用した短時間リカバリを可能とするサービスなど、利用者の選択に応じてサービスが使い分けられる。そのため、利用者は、提供されるサービスの中からクラウドシステム上に移行するシステムデータのデータ内容に応じて適切なサービスを選択することができる。
以下、クラウドサービス提供システムの詳細について説明する。
【0016】
図1は、本発明におけるクラウドサービス提供システム100のシステム構成を示す図である。本発明のクラウドサービス提供システム100は、管理装置10、オリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60を備える。管理装置10、オリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60のそれぞれは、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。
【0017】
管理装置10は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。管理装置10は、クラウドサービス提供システム100の管理を行う。例えば、管理装置10は、利用者が要求するサービスレベルに応じて各サーバを制御する。例えば、管理装置10は、各サーバに対してシステムデータのバックアップを指示する。また、管理装置10は、利用者が利用しているサービスを利用者ごとに記憶する。
オリジナルサーバ20は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。オリジナルサーバ20は、利用者がクラウドシステム上に移行したオリジナルのシステムデータを保存している。
【0018】
レプリケーション用サーバ30は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。レプリケーション用サーバ30には、オリジナルサーバ20のレプリケーション機能により複製されたシステムデータが保存される。
テンポラリ用サーバ40は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。テンポラリ用サーバ40には、システムデータが一時保存される。
【0019】
バックアップ用サーバ50は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。バックアップ用サーバ50には、バックアップを目的としたシステムデータが保存される。バックアップ用サーバ50は、重複除外技術を利用して自装置のストレージ内にあるシステムデータの重複を検出し、重複しているシステムデータの一方を排除することでストレージ容量を効率的に利用できる。
【0020】
アーカイブ用サーバ60は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。アーカイブ用サーバ60には、バックアップ用サーバ50にバックアップされたシステムデータが保存される。
ネットワーク70は、どのように構成されたネットワークでもよい。例えば、ネットワーク70は、インターネットを用いて構成されてもよい。
【0021】
図2は、本発明におけるクラウドサービス提供システム100が提供するサービスの概略を示す概略図である。
図2に示されるように、クラウドサービス提供システム100では、システムデータのデータ内容の転送先として、オリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50、アーカイブ用サーバ60がある。レプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60は、オリジナルサーバ20が設けられているサービス提供拠点からレプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50、アーカイブ用サーバ60の順に物理的距離が遠い拠点に設けられる。例えば、レプリケーション用サーバ30は、オリジナルサーバ20が設けられているサービス提供拠点に隣接する拠点(例えば、サービス提供拠点がある県に隣接している県)に設けられる。
【0022】
また、クラウドサービス提供システム100では、図2に示されるように複数のサービスレベルに応じたサービスが提供される。複数のサービスレベルは、Tier1、Tier2、Tier3、Tier4の4つである。以下、4つのサービスレベルそれぞれについて具体的に説明する。
【0023】
まず、サービスレベルTier1について説明する。Tier1では、オリジナルサーバ20、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60が利用される。Tier1では、オリジナルサーバ20とバックアップ用サーバ50とが非同期に設定され、バックアップ用サーバ50とアーカイブ用サーバ60とが非同期に設定される。
管理装置10は、オリジナルサーバ20を制御して、オリジナルサーバ20に保存されているシステムデータをバックアップ用サーバ50にバックアップさせる。この際、バックアップされるシステムデータは暗号化されて圧縮される。バックアップ用サーバ50にバックアップされたシステムデータは、管理装置10の制御によってアーカイブ用サーバ60にもバックアップされる。
【0024】
上述したように、Tier1では、システムデータがオリジナルサーバ20、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60に保存される。また、システムデータのリカバリ時には、管理装置10の制御によってバックアップ用サーバ50に保存されているシステムデータが圧縮された状態でリカバリ先のサーバに転送され、リカバリ先のサーバで復号される。この処理により、システムデータのリカバリが可能になる。しかし、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60に保存されるシステムデータは生データではなく、圧縮されたデータである。そのため、サーバの再構築などが必要であるため、そのままシステムデータの復旧ができない。このような条件があるため、Tier1のサービスは、低コストで利用できるサービスではあるが、堅牢性が低い。そのため、Tier1のサービスは、災害時の復旧に時間がかかってもよく、長期保管を目的とする利用者に提供されるサービスである。
【0025】
次に、サービスレベルTier2について説明する。Tier2では、オリジナルサーバ20、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60が利用される。Tier2では、オリジナルサーバ20とテンポラリ用サーバ40とが非同期に設定され、テンポラリ用サーバ40とバックアップ用サーバ50とが非同期に設定され、バックアップ用サーバ50とアーカイブ用サーバ60とが非同期に設定される。
【0026】
管理装置10は、オリジナルサーバ20を制御して、オリジナルサーバ20に保存されているシステムデータをテンポラリ用サーバ40にバックアップさせる。この際、バックアップされるシステムデータは暗号化される。次に、管理装置10は、テンポラリ用サーバ40にバックアップされたシステムデータをバックアップ用サーバ50にバックアップさせる。この際、バックアップされるシステムデータは圧縮される。バックアップ用サーバ50にバックアップされたシステムデータは、管理装置10の制御によってアーカイブ用サーバ60にもバックアップされる。
【0027】
上述したように、Tier2では、システムデータがオリジナルサーバ20、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60に保存される。また、システムデータのリカバリ時には、管理装置10の制御によってテンポラリ用サーバ40に保存されているシステムデータが暗号化された状態でリカバリ先のサーバに転送され、リカバリ先のサーバで復号される。この処理により、システムデータのリカバリが可能になる。なお、テンポラリ用サーバ40に保存されるシステムデータは、生データ(圧縮されていないデータ)であるため、テンポラリ用サーバ40に保存されるシステムデータを利用してそのまま復旧することができる。
【0028】
さらに、管理装置10は、オリジナルサーバ20に保存されているシステムデータと略同期のコピーデータをテンポラリ用サーバ40にバックアップさせることにより、RPO(Recovery Point Objective)をゼロに近づけることができる。このようにTier2のサービスは、Tier1のサービスに比べてリカバリ時に有効であり、さらに低コストで利用できるサービスである。
【0029】
次に、サービスレベルTier3について説明する。Tier3では、オリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60が利用される。Tier3では、オリジナルサーバ20とレプリケーション用サーバ30とが同期に設定され、レプリケーション用サーバ30とバックアップ用サーバ50とが非同期に設定され、バックアップ用サーバ50とアーカイブ用サーバ60とが非同期に設定される。
【0030】
オリジナルサーバ20は、レプリケーション機能を利用して自装置に保存されているシステムデータをレプリケーション用サーバ30に複製する。この際、レプリケーション用サーバ30に複製されるシステムデータは暗号化される。管理装置10は、レプリケーション用サーバ30を制御して、レプリケーション用サーバ30に保存されているシステムデータをバックアップ用サーバ50にバックアップさせる。この際、バックアップされるシステムデータは圧縮される。バックアップ用サーバ50にバックアップされたシステムデータは、管理装置10の制御によってアーカイブ用サーバ60にもバックアップされる。
【0031】
上述したように、Tier3では、システムデータがオリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60に保存される。また、システムデータのリカバリ時には、管理装置10の制御によってレプリケーション用サーバ30に保存されているシステムデータが暗号化された状態でリカバリ先のサーバに転送され、リカバリ先のサーバで復号される。レプリケーション用サーバ30は、オリジナルサーバ20が設けられているサービス拠点から近い拠点に位置するため、災害時に早急なシステムデータのリカバリが可能になる。
【0032】
さらに、レプリケーション機能によりオリジナルサーバ20に保存されているシステムデータとレプリケーション用サーバ30に保存されているシステムデータとが常に同期される。そのため、災害などの影響により損失した際のシステムデータに、より近い最新のシステムデータをリカバリすることができる。このようにTier3のサービスは、災害時のシステムデータの普及などのサービスが充実しているため、コストが高くなってしまうものの、堅牢性が高い。そのため、Tier3のサービスは、災害時に早急な復旧を必要とする利用者に提供されるサービスである。
【0033】
次に、サービスレベルTier4について説明する。Tier4では、オリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60が利用される。Tier4では、オリジナルサーバ20とレプリケーション用サーバ30とが同期に設定され、レプリケーション用サーバ30とテンポラリ用サーバ40とが非同期に設定され、テンポラリ用サーバ40とバックアップ用サーバ50とが非同期に設定され、バックアップ用サーバ50とアーカイブ用サーバ60とが非同期に設定される。
【0034】
オリジナルサーバ20は、レプリケーション機能を利用して自装置に保存されているシステムデータをレプリケーション用サーバ30に複製する。この際、レプリケーション用サーバ30に複製されるシステムデータは暗号化される。管理装置10は、レプリケーション用サーバ30を制御して、レプリケーション用サーバ30に保存されているシステムデータをテンポラリ用サーバ40にバックアップさせる。次に、管理装置10は、テンポラリ用サーバ40にバックアップされたシステムデータをバックアップ用サーバ50にバックアップさせる。この際、バックアップされるシステムデータは圧縮される。バックアップ用サーバ50にバックアップされたシステムデータは、管理装置10の制御によってアーカイブ用サーバ60にもバックアップされる。
【0035】
上述したように、Tier4では、システムデータがオリジナルサーバ20、レプリケーション用サーバ30、テンポラリ用サーバ40、バックアップ用サーバ50及びアーカイブ用サーバ60に保存される。また、システムデータのリカバリ時には、管理装置10の制御によってレプリケーション用サーバ30に保存されているシステムデータが暗号化された状態でリカバリ先のサーバに転送され、リカバリ先のサーバで復号される。レプリケーション用サーバ30は、オリジナルサーバ20が設けられているサービス拠点から近い拠点に位置するため、災害時に早急なシステムデータのリカバリが可能になる。
【0036】
さらに、レプリケーション機能によりオリジナルサーバ20に保存されているシステムデータとレプリケーション用サーバ30に保存されているシステムデータとが常に同期される。そのため、災害などの影響により損失した際のシステムデータに、より近い最新のシステムデータをリカバリすることができる。また、管理装置10は、レプリケーション用サーバ30を制御してシステムデータをテンポラリ用サーバ40にもバックアップしている。そのため、オリジナルサーバ20に保存されているシステムデータと略同期のコピーデータが複数存在する。このように、Tier4のサービスは、災害時のシステムデータの普及などのサービスが充実しているため、コストが高くなってしまうものの、堅牢性が高い。そのため、Tier4のサービスは、災害時に早急な復旧を必要とする利用者に提供されるサービスである。
【0037】
上述したように、クラウドサービス提供システム100では、Tier1〜Tier4の4つのサービスレベルに応じたサービスが提供される。利用者は、複数あるサービスのうち、自身がクラウドシステム上に移行したいシステムデータのデータ内容に応じてサービスを選択することができる。
【0038】
以上のように構成されたクラウドサービス提供システム100によれば、ユーザが選択するサービスレベルに応じて様々なクラウドサービスが提供される。具体的には、災害時の早急な復旧を目的とした利用者に対するサービスや、災害時の復旧に時間がかかってもいいから低コストでクラウドサービスを利用したい利用者に対するサービスを、ユーザの要求に応じて提供することができる。そのため、クラウド環境において、ユーザの要求に柔軟に対応することが可能になる。
【0039】
また、各サーバに転送又はバックアップされるデータも、保存されるデータも全て暗号化したデータになる。そのため、回線上のパケットキャプチャによる情報漏えいを防ぐことができる。
また、本発明のクラウドサービス提供システム100によれば、最もサービスレベルが低いサービスであってもバックアップデータが2重化される。したがって、1つのバックアップデータが破損又は故障した場合であってもシステムデータを復元させることができる。そのため、信頼性を向上させることができる。
【0040】
<変形例>
本実施形態では、サービスレベルに応じて利用者に提供されるサービスが4つ(Tier1〜Tier4)の場合を例に説明したが、利用者に提供されるサービスは3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0041】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0042】
10…管理装置, 20…オリジナルサーバ(オリジナル用のサーバ), 30…レプリケーション用サーバ(レプリケーション用のサーバ), 40…テンポラリ用サーバ(テンポラリ用のサーバ), 50…バックアップ用サーバ(バックアップ用のサーバ), 60…アーカイブ用サーバ(アーカイブ用のサーバ), 70…ネットワーク
図1
図2