特開2015-232823(P2015-232823A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232823(P2015-232823A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】デザイン管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/21 20060101AFI20151201BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   G06F17/21 538A
   G06F17/30 170Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-119683(P2014-119683)
(22)【出願日】2014年6月10日
(11)【特許番号】特許第5664813号(P5664813)
(45)【特許公報発行日】2015年2月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤垣 真人
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109NB11
5B109NB15
5B109ND01
(57)【要約】
【課題】ユーザの希望するデザインの主題に合致するテンプレートを提供する。
【解決手段】テンプレート記憶部12には、デザインを作成するための複数のテンプレートが記憶されている。各テンプレートには、予め決定されたサンプルとしての複数の文字列が含まれている。主題スコア演算部14は、テンプレートの主題に関するスコアであって文字列のサイズに応じたスコアを、各テンプレートの各文字列について演算する。テンプレート検索部18は、検索用の主題を示す情報を受け、その検索用の主題に対応する文字列であってスコアが出力条件を満たす文字列を含むテンプレートを、テンプレート記憶部12から取得する。そのテンプレートは端末装置30に提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デザインを作成するための複数のテンプレートであって、予め決定されたサンプルとしての複数の文字列を含む複数のテンプレートを受け、テンプレートの主題に関するスコアであって文字列のサイズに応じたスコアを、各テンプレートの各文字列について演算する演算手段と、
検索用の主題を示す情報を受け、前記検索用の主題に対応する文字列であってスコアが出力条件を満たす文字列を含むテンプレートを出力する出力手段と、
を有するデザイン管理装置。
【請求項2】
前記演算手段は、テンプレート毎に規格化されたスコアを演算する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデザイン管理装置。
【請求項3】
前記演算手段は、文字列の装飾の度合いに応じて当該文字列のスコアを変更する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデザイン管理装置。
【請求項4】
前記スコアは、文字列のサイズが大きくなるほど大きくなる値であり、
前記出力手段は、前記検索用の主題を示す文字列を受け、前記検索用の主題を示す文字列に合致する文字列であってスコアが基準値以上の文字列を含むテンプレートを出力する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデザイン管理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、スコアが高い文字列を含むテンプレートを優先的に出力する、
ことを特徴とする請求項4に記載のデザイン管理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、スコアが同じ値の同一の文字列を含む複数のテンプレートのうち、当該文字列のサイズがより大きいテンプレートを優先的に出力する、
ことを特徴とする請求項5に記載のデザイン管理装置。
【請求項7】
前記出力手段は、スコアが同じ値の同一の文字列を含む複数のテンプレートのうち、指定された印刷サイズに合致するテンプレートを優先的に出力する、
ことを特徴とする請求項5に記載のデザイン管理装置。
【請求項8】
前記複数のテンプレートは、予め作成された基礎テンプレートと、前記基礎テンプレートが編集されることにより作成された派生テンプレートと、を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のデザイン管理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
デザインを作成するための複数のテンプレートであって、予め設定されたサンプルとしての複数の文字列を含む複数のテンプレートを受け、テンプレートの主題に関するスコアであって文字列のサイズに応じたスコアを、各テンプレートの各文字列について演算する演算手段と、
検索用の主題を示す情報を受け、前記検索用の主題に対応する文字列であってスコアが出力条件を満たす文字列を含むテンプレートを出力する出力手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザイン管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
チラシ、広告、ダイレクトメール(DM)、ポスター、カタログ、はがき等についてのデザインを作成するための技術が知られている。例えば、デザインが異なる複数種類のテンプレートを予め用意しておき、ユーザがテンプレートを選択して編集することによりデザインを作成する場合がある。
【0003】
特許文献1に記載された装置では、入力されたキーワードについて、グラフィックデザインの特徴を示す特定要素に対する評価値を特定し、その特定された評価値と、テンプレートデータに予め記憶されて特定要素に対する評価値と、を比較し、その比較結果に基づいてテンプレートデータを検索している。特定要素は、文字に対する図版の視覚的な強さを規定する「視覚度」や、媒体内の領域に対する図版の占有面積比率を既定する「図版度」等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−221600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数種類のテンプレートから特定のテンプレートを選択する場合、その選択時点ではユーザによるテンプレートの編集が行われていないため、選択されたテンプレートから作成されるデザインのイメージをユーザが把握することは難しい。それ故、ユーザの希望するデザインを作成する上で基礎又は参考とすべきテンプレートを、ユーザが判断して選択することは容易ではない。
【0006】
本発明の目的は、ユーザの希望するデザインの主題に合致するテンプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、デザインを作成するための複数のテンプレートであって、予め決定されたサンプルとしての複数の文字列を含む複数のテンプレートを受け、テンプレートの主題に関するスコアであって文字列のサイズに応じたスコアを、各テンプレートの各文字列について演算する演算手段と、検索用の主題を示す情報を受け、前記検索用の主題に対応する文字列であってスコアが出力条件を満たす文字列を含むテンプレートを出力する出力手段と、を有するデザイン管理装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記演算手段は、テンプレート毎に規格化されたスコアを演算する、ことを特徴とする請求項1に記載のデザイン管理装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記演算手段は、文字列の装飾の度合いに応じて当該文字列のスコアを変更する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデザイン管理装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記スコアは、文字列のサイズが大きくなるほど大きくなる値であり、前記出力手段は、前記検索用の主題を示す文字列を受け、前記検索用の主題を示す文字列に合致する文字列であってスコアが基準値以上の文字列を含むテンプレートを出力する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデザイン管理装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記出力手段は、スコアが高い文字列を含むテンプレートを優先的に出力する、ことを特徴とする請求項4に記載のデザイン管理装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記出力手段は、スコアが同じ値の同一の文字列を含む複数のテンプレートのうち、当該文字列のサイズがより大きいテンプレートを優先的に出力する、ことを特徴とする請求項5に記載のデザイン管理装置である。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記出力手段は、スコアが同じ値の同一の文字列を含む複数のテンプレートのうち、指定された印刷サイズに合致するテンプレートを優先的に出力する、ことを特徴とする請求項5に記載のデザイン管理装置である。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記複数のテンプレートは、予め作成された基礎テンプレートと、前記基礎テンプレートが編集されることにより作成された派生テンプレートと、を含む、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のデザイン管理装置である。
【0015】
請求項9に係る発明は、コンピュータを、デザインを作成するための複数のテンプレートであって、予め設定されたサンプルとしての複数の文字列を含む複数のテンプレートを受け、テンプレートの主題に関するスコアであって文字列のサイズに応じたスコアを、各テンプレートの各文字列について演算する演算手段と、検索用の主題を示す情報を受け、前記検索用の主題に対応する文字列であってスコアが出力条件を満たす文字列を含むテンプレートを出力する出力手段と、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1,9に係る発明によると、ユーザの希望するデザインの主題に合致するテンプレートを提供することができる。
【0017】
請求項2に係る発明によると、統一の基準で得られたスコアに基づいてテンプレートを提供することができる。
【0018】
請求項3に係る発明によると、文字列の装飾が考慮されたスコアに基づいてテンプレートを提供することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によると、ユーザの希望するデザインの主題に合致する文字列を含むテンプレートであって、その文字列が目立つように設定されたテンプレートを提供することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によると、ユーザの希望するデザインの主題により合致するテンプレートほど優先的に提供される。
【0021】
請求項6に係る発明によると、より目立ちやすい文字列を含むテンプレートが優先的に提供される。
【0022】
請求項7に係る発明によると、実際の印刷要求に合致するテンプレートが優先的に提供される。
【0023】
請求項8に係る発明によると、編集の結果であるテンプレートが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係るデザイン管理装置を示すブロック図である。
図2】テンプレートの構成を示す図である。
図3】複数のテンプレートが表示された画面を示す図である。
図4】基礎テンプレート及び派生テンプレートを示す図である。
図5】テンプレートを示す図である。
図6】テンプレートを示す図である。
図7】主題スコアテーブルを示す図である。
図8】検索語を決定するための処理を示すフローチャートである。
図9】複数のテンプレートが表示された画面を示す図である。
図10】テンプレートを示す図である。
図11】テンプレート及び主題スコアテーブルを示す図である。
図12】テンプレート及び主題スコアテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に、本発明の実施形態に係るデザイン管理システムの一例を示す。本実施形態に係るデザイン管理システムは、一例として、デザイン管理装置10及び端末装置30を含む。本実施形態に係るデザイン管理装置10は、例えば、ネットワーク等の通信経路Nを介して端末装置30に接続される。図1に示す例では、1つの端末装置30が通信経路Nを介してデザイン管理装置10に接続されているが、複数の端末装置30が通信経路Nを介してデザイン管理装置10に接続されてもよい。
【0026】
デザイン管理装置10は、デザインを作成するためのテンプレート(テンプレートデータ)を記憶しており、ユーザの要求に応じてテンプレートを提供する機能を備えている。デザイン管理装置10は、端末装置30との間でデータの送受信を行う機能を備えている。
【0027】
端末装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置であり、キーボードやマウス等の操作部、ディスプレイとして機能する表示部、ネットワークインターフェースとして機能する送受信部、及び、CPUを含む制御部を備えている。端末装置30は、デザイン管理装置10との間でデータの送受信を行う機能を備えている。端末装置30は、例えば、テンプレートを編集してデザインを作成するユーザによって使用される端末装置である。テンプレートがデザイン管理装置10から端末装置30に送信され、端末装置30の表示部に表示される。そして、利用者によってテンプレートが編集される。なお、端末装置30は、デザイン管理装置10に組み込まれていてもよい。
【0028】
以下、デザイン管理装置10について説明する。
【0029】
テンプレート記憶部12には、デザインが異なる複数種類のテンプレートの実データ(テンプレートデータ)が記憶されている。テンプレートは、例えば、チラシ、広告、ダイレクトメール(DM)、ポスター、カタログ、はがき等についてのデザインの雛型のデータである。
【0030】
テンプレートは、一例として、1又は複数のデザイン部品(デザイン部品データ)(オブジェクト)によって構成されている。デザイン部品としては、例えば、文字部品、画像部品及び図形部品等がある。文字部品は文字列で構成されており、文字部品には、例えば、表題(タイトル)の文字部品や、本文の文字部品等がある。画像部品は、例えば、ビットマップ形式の画像データである。図形部品は、例えば、ベクター形式で表された図形データである。テンプレートは、一例として、文字部品を示すテキストデータ、画像部品を示す画像データ、図形部品を示す図形データ、各データのデータ容量情報及び各デザイン部品の配置位置情報等を含むデータである。
【0031】
テンプレートに予め含まれている各デザイン部品は、予め作成されたサンプルとしてのデザイン部品である。サンプルとしてのデザイン部品は、例えば、テンプレートの提供者によって予め作成されたデータである。サンプルとしてのデザイン部品がユーザによって編集されることにより、テンプレートに依拠したデザインが作成される。なお、テンプレートには、ユーザによる編集が許可されたデザイン部品の他、ユーザによる編集が禁止されたデザイン部品が含まれていてもよい。例えば、文字部品(テキスト)は、ユーザによる編集が許可されたデザイン部品であり、画像部品は、ユーザによる編集が禁止されたデザイン部品であってもよい。勿論、画像部品についても、ユーザによる編集が許可されてもよい。
【0032】
テンプレートの編集時では、ユーザが端末装置30を使用することにより、個々のデザイン部品の内容が編集される。なお、編集には、デザイン部品の内容の加工及び変更が含まれる。例えば、表題の文字部品や本文の文字部品について、文字列、フォントの種類、フォントサイズ、文字の色、文字の配置位置等が、利用者によって編集される。画像部品については、画像のデザイン、画像の種類、画像の大きさ、画像の配置位置等が、利用者によって編集される。図形部品については、図形の色、図形の透明度(影の度合い)、図形の大きさ、図形の配置位置等が、利用者によって編集される。このように、サンプルとしてのデザイン部品がユーザによって編集されることにより、テンプレートのデザインが編集されて新たなデザインが作成される。すなわち、本実施形態に係るシステムでは、テンプレートを基礎としてユーザによって新たなデザインが作成されるようになっている。
【0033】
なお、テンプレートを基礎にして新たに作成されたテンプレートが、テンプレート記憶部12に記憶されてもよい。以下では、元のテンプレートを「基礎テンプレート」と称し、その基礎テンプレートを基礎にして作成されたテンプレートを「派生テンプレート」と称する場合がある。
【0034】
個々のテンプレートにはテンプレート属性情報が予め対応付けられている。テンプレート属性情報には、例えば、テンプレート識別情報、作成日時情報、登録日時情報、基礎テンプレート情報、印刷サイズ情報及び主題情報が含まれている。
【0035】
テンプレート識別情報は、テンプレートを識別するための情報であり、一例としてIDやデザイン名称等である。作成日時情報は、テンプレートが作成された日時を示す情報である。登録日時情報は、テンプレートがデザイン管理装置10に登録された日時を示す情報である。
【0036】
印刷サイズ情報は、用紙等の記録媒体に実際に印刷されるテンプレートのサイズ(寸法)、又は、当該記録媒体のサイズ(寸法)を示す情報である。印刷サイズは予め決定された値であり、印刷時において変更されてもよい。
【0037】
基礎テンプレート情報は、派生テンプレートのテンプレート属性情報に含まれる情報であり、その派生テンプレートの作成の基礎となった基礎テンプレートのテンプレート識別情報である。すなわち、派生テンプレート(子テンプレート)のテンプレート属性情報には、基礎テンプレート(親テンプレート)のテンプレート識別情報が含まれることになる。例えば、端末装置30にて基礎テンプレートが編集されて派生テンプレートが作成されると、その派生テンプレートのテンプレート属性情報に基礎テンプレートのテンプレート識別情報が含まれる。
【0038】
主題情報は、その主題情報を含むテンプレート属性情報が対応付けられているテンプレートの主題に関する情報である。この主題情報は、後述する主題スコア演算部14によって生成される。
【0039】
主題スコア演算部14は、テンプレートに含まれる各文字列のフォントサイズに基づいて、各文字列についてテンプレートの主題に関するスコア(以下、「主題スコア」と称する)を演算する。例えば、主題スコアは、文字列のフォントサイズが大きいほど大きい値となる。主題スコアは、テンプレートの主題の程度を示す評価値である。主題スコアが大きい文字列ほど、その文字列を含むテンプレートの主題(閲覧者に対して最も伝えたい内容)を表していると推測される。主題スコアは、端末装置30に提供されるテンプレートを選択する際の基準となる値である。主題スコア演算部14は、各テンプレートに含まれる各文字列の主題スコアを演算する。主題スコアは、主題情報の一例としてテンプレートのテンプレート属性情報に含まれる。
【0040】
主題分析部16は、テンプレートを検索するための文字列であってテンプレートの主題に関する文字列(以下、「検索用主題文字列」と称する)を受け、検索用主題文字列を解析することにより、後述するテンプレート検索部18による検索に用いられる「検索語」を決定する。検索用主題文字列は、例えば、端末装置30を使用してユーザによって入力される。一例として、主題分析部16は、類語辞典を用いて検索用主題文字列の意義素(意味)を決定し、その検索用主題文字列と同一の意義素を有する類語を類語辞典から抽出する。そして、主題分析部16は、抽出された類語を語句の単位に分割し、分割された語句のうちの名詞を「検索語」として採用する。なお、類語辞典は、デザイン管理装置10において図示しない記憶装置に予め記憶されていてもよいし、外部装置に記憶されていてもよい。
【0041】
テンプレート検索部18は、検索用主題文字列を用いてテンプレート記憶部12からテンプレートを検索し、そのテンプレートを表示制御部20に出力する。例えば、テンプレート検索部18は、検索用主題文字列に対応する文字列であってスコアが出力条件を満たす文字列を含むテンプレートをテンプレート記憶部12から取得して表示制御部20に出力する。より具体的には、テンプレート検索部18は、上記の検索語に一致する文字列であって主題スコアがスコア基準値以上の文字列を含むテンプレートをテンプレート記憶部12から取得し、そのテンプレートを表示制御部20に出力する。なお、テンプレート検索部18は、上記の基礎テンプレート及び派生テンプレートの中からテンプレートを検索してもよいし、基礎テンプレート又は派生テンプレートの中からテンプレートを検索してもよい。スコア基準値は、例えば予め決定された値であり、変更されてもよい。
【0042】
表示制御部20は、テンプレートを端末装置30にて表示するための制御を行う。例えば、表示制御部20は、複数のテンプレートのサムネイル画像(縮小画像)を端末装置30に表示させる機能、テンプレート検索部18によって検索されたテンプレート又はそのサムネイル画像を端末装置30に表示させる機能、及び、ユーザによって指定されたテンプレートを端末装置30に表示させる機能等を備えている。具体的には、表示制御部20は、表示対象のテンプレートやサムネイル画像と表示用の情報とを、送受信部22によって端末装置30に送信する。端末装置30では、表示用の情報に従い、表示対象のテンプレートやサムネイル画像が表示部に表示させる。なお、テンプレートのサムネイル画像は予め作成されてテンプレート記憶部12に記憶されていてもよいし、サムネイル画像を表示するときに、表示制御部20によってテンプレートからサムネイル画像が作成されてもよい。
【0043】
表示制御部20は、表示対象のテンプレートのテンプレート属性情報を送受信部22によって端末装置30に送信し、テンプレート属性情報を端末装置30に表示させる機能を備えていてもよい。
【0044】
送受信部22はネットワークインターフェースである。送受信部22は、端末装置30との間でデータの送受信を行う機能を備えている。例えば、送受信部22は、通信経路Nを介して端末装置30から検索用主題文字列を示す情報を受信し、その情報を主題分析部16に出力する。また、送受信部22は、通信経路Nを介して端末装置30にテンプレートやそのサムネイル画像を送信する。
【0045】
なお、上記の主題スコア演算部14は、テンプレートに含まれる各文字列のフォントサイズに基づいて、当該テンプレートに含まれる複数の文字列の中から当該テンプレートの主題を表す文字列(以下、「主題文字列」と称する)を決定してもよい。例えば、主題スコア演算部14は、テンプレートに含まれる複数の文字列の中でフォントサイズが最大の文字列を主題文字列として決定する。別の例として、主題スコア演算部14は、フォントサイズが基準値以上となる文字列を主題文字部品として決定してもよい。この場合、同一のテンプレートについて複数の文字列が主題文字列として決定されることがある。主題文字列は、端末装置30に提供されるテンプレートを選択する際の基準となる文字列である。主題文字列は、主題情報の一例としてテンプレートのテンプレート属性情報に含まれる。このようにして主題文字列が決定される場合、テンプレート検索部18は、検索語に一致する主題文字列を含むテンプレートをテンプレート記憶部12から取得して表示制御部20に出力してもよい。
【0046】
また、デザイン管理装置10は、テンプレートの編集機能を備えていてもよい。この場合、デザイン管理装置10は、端末装置30からの編集指示に応じて、ユーザによって指定されたテンプレートを編集する。
【0047】
上述したデザイン管理装置10は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、デザイン管理装置10は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、デザイン管理装置10の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記憶媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。または、デザイン管理装置10の各部は、回路等のハードウェア資源により実現されてもよい。
【0048】
図2にテンプレートの一例を示す。テンプレート100は、一例として、ユーザによる編集が禁止された画像部品102(画像データ)と、ユーザによる編集が許可された領域104,106と、を含んで構成されている。図2に示す例では、領域104,106は文字部品に相当し、領域104,106には文字列が入力される。例えば、領域104,106には、サンプルの文字列(サンプル情報)が予め入力されており、そのサンプル情報が入力されたテンプレート110が、テンプレート記憶部12に記憶されている。領域104,106内の文字列がユーザによって編集されることにより、テンプレート110を基礎とした新たなデザインが作成されるようになっている。
【0049】
図3にテンプレートの表示例を示す。例えば、端末装置30を使用してユーザがデザイン管理装置10にログインすると、表示制御部20は、複数のテンプレートのサムネイル画像を端末装置30の表示部に表示させる。一例として、端末装置30の表示部の画面30Aには、テンプレート200〜211のサムネイル画像が表示されている。
【0050】
例えば、ユーザが端末装置30の操作部を使用してテンプレート200〜211の中から特定のテンプレートを指定し、表示指示を与えると、指定されたテンプレートのテンプレート識別情報と表示指示を示す情報とが、端末装置30からデザイン管理装置10に送信される。表示制御部20は、その表示指示に従って、指定されたテンプレートを端末装置30の表示部に拡大して表示させる。このとき、表示制御部20は、指定されたテンプレートのテンプレート属性情報を、端末装置30の表示部に表示させてもよい。例えば、テンプレート200のサムネイル画像がユーザによって指定されると、テンプレート200が端末装置30の表示部に拡大して表示される。このとき、テンプレート200と共に、テンプレート200のテンプレート属性情報も、端末装置30の表示部に表示されてもよい。
【0051】
また、ユーザが端末装置30の操作部を使用して編集対象のテンプレートを選択し、編集の指示を与えると、編集対象のテンプレートが端末装置30の表示部に表示され、ユーザによる編集が許可された状態となる。そして、ユーザが端末装置30の操作部を使用して編集対象のテンプレートを編集することにより、そのテンプレートを基礎とした新たなデザイン(派生テンプレートに相当する)が作成されることになる。
【0052】
図4に、基礎テンプレート及び派生テンプレートの一例を示す。図4に示す例では、テンプレート200が基礎テンプレートであり、テンプレート200A,200B,200Cが、テンプレート200を基礎にして作成された派生テンプレートである。例えば、ユーザによってテンプレート200が編集されることにより、テンプレート200A,200B,200Cが作成される。テンプレート200A,200B,200Cのそれぞれのテンプレート属性情報には、テンプレート200のテンプレート識別情報が基礎テンプレート情報として含まれている。テンプレート200A,200B,200Cのテンプレート属性情報を参照することにより、基礎テンプレートであるテンプレート200が特定されることになる。
【0053】
次に、図5を参照して、主題スコア演算部14による処理の一例について説明する。図5に示す例では、主題スコア演算部14は、テンプレートに含まれる複数の文字列の中でフォントサイズが最大の文字列を主題文字列として決定する。具体例を挙げて説明すると、テンプレート300に含まれる文字列302(「感謝祭」)のフォントサイズが、テンプレート300に含まれる文字列の中で一番大きい場合、主題スコア演算部14は、文字列302を主題文字列として決定する。また別の例として、テンプレート310に含まれる文字列312(「特売」)のフォントサイズが、テンプレート310に含まれる文字列の中で最も大きい場合、主題スコア演算部14は、文字列312を主題文字列として決定する。このような場合、テンプレート検索部18は、検索語に一致する主題文字列を含むテンプレートをテンプレート記憶部12から取得して表示制御部20に出力する。例えば、検索語が「感謝祭」の場合、テンプレート検索部18は、主題文字列である文字列302を含むテンプレート300をテンプレート記憶部12から取得して表示制御部20に出力する。表示制御部20は、送受信部22によってテンプレート300を端末装置30に送信し、端末装置30の表示部にテンプレート300を表示させる。また、検索語が「特売」の場合、テンプレート検索部18は、主題文字列である文字列312を含むテンプレート310をテンプレート記憶部12から取得して表示制御部20に出力する。
【0054】
閲覧者に対して最も伝えたい内容(主題)は、テンプレートにおいて閲覧者が最も注目するように設定されている場合がある。例えば、主題となる内容をテンプレートにおいて最も大きいフォントサイズで表現することにより、その主題となる内容が閲覧者に注目されやすくなる。それ故、本実施形態では、テンプレートにおいてフォントサイズが最大の文字列を主題文字列として決定し、検索語に一致する主題文字列を含むテンプレートを端末装置30に提供している。従って、ユーザの希望するデザインの主題を示す文字列を検索用主題文字列として用いることにより、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い文字列を含むテンプレートであって、その文字列が閲覧者の目を引き付けるように設定されたテンプレートが、端末装置30に提供されることになる。このようにして提供されたテンプレートを基礎にして、チラシ、広告、ダイレクトメール、ポスター等についてのデザインを作成することにより、それらの閲覧者に対して最も伝えたい内容(主題)が最大サイズのフォントで表現されることになる。
【0055】
次に、図6を参照して、主題スコア演算部14による処理の詳細について説明する。ここでは、主題スコアの演算方法について説明する。まず、主題スコア演算部14は、テンプレートに含まれる各文字列に対して構文分析を行うことにより、各文字列を語句の単位に分割する。本実施形態では、語句が数詞(例えば「1枚」等)又は固有名詞(例えば「東京」等)である場合には、その語句を演算対象から除外する。図6に示されているテンプレート320を例に挙げて説明すると、主題スコア演算部14は、文字列「1杯無料券」に対して構文分析を行うことにより、文字列「1杯無料券」を、語句「1杯」、語句「無料」及び語句「券」に分割する(破線で囲まれた語句に分割する)。また、文字列「特製ドリンク」は、語句「特製」及び語句「ドリンク」に分割される(破線で囲まれた語句に分割される)。その他の文字列についても同様に、語句の単位に分割される。
【0056】
一例として、文字列「1杯無料券」のフォントサイズが「25pt」であり、文字列「特製ドリンク」のフォントサイズが「15pt」であり、文字列「Restaurant」のフォントサイズが「7pt」であるとする。文字列「1杯無料券」のフォントサイズ「25pt」が、テンプレート320において最大フォントサイズである。文字列「Restaurant」のフォントサイズ「7pt」が、テンプレート320において最小サイズである。また、語句「1杯」は数詞であるため、演算対象から除外される。
【0057】
次に、主題スコア演算部14は、各語句について、テンプレート毎に規格化された主題スコアを演算する。例えば、主題スコア演算部14は、同一テンプレート(例えばテンプレート320)における最大フォントサイズ、最小フォントサイズ及び演算対象の語句のフォントサイズを用いて、演算対象の語句の規格化された主題スコアを演算する。具体的には、テンプレート320において最大フォントサイズを100点とし、最小フォントサイズを50点とし、主題スコア演算部14は、以下の式(1)に従って、各語句の主題スコアを演算する。
主題スコア={50+50×[(A−B)/(C−B)]・・・(1)
Aは演算対象の語句のフォントサイズである。
Bは、テンプレート320における最小フォントサイズ(7pt)である。
Cは、テンプレート320における最大フォントサイズ(25pt)である。
【0058】
式(1)の[(A−B)/(C−B)]の部分が、最大フォントサイズ、最小フォントサイズ及び演算対象の語句のフォントサイズによって決定される係数である。演算対象の語句のフォントサイズが大きくなるほど、係数が大きくなって「1」に近くなる。その結果、フォントサイズが大きくなるほど、主題スコアは100点に近くなる。上記式(1)によって、同一テンプレートにおける最大フォントサイズ及び最小フォントサイズによって規格化された主題スコアが演算される。
【0059】
例えば、語句「特製」及び「ドリンク」(フォントサイズが15pt)の主題スコアは、以下の値となる。
主題スコア={50+50×[(15−7)/(25−7)]=72点
【0060】
また、語句「無料」及び「券」のフォントサイズは最大であるため、それらの語句の主題スコアは100点である。語句「Restaurant」のフォントサイズは最小であるため、その語句の主題スコアは50点である。
【0061】
図7に、主題スコアテーブルの一例を示す。主題スコアテーブルは、「語句」、「主題スコア」及び「フォントサイズ」の項目を含み、各語句の主題スコア及びフォントサイズが示されている。図7に示されている主題スコアテーブルは、図6に示されているテンプレート320に含まれる各語句の主題スコアをまとめたものである。
【0062】
主題スコア演算部14は、各テンプレートの各語句について主題スコアを演算し、各テンプレートについての主題スコアテーブルを作成する。主題スコアテーブルは、主題情報としてテンプレートのテンプレート属性情報に含められる。例えば、テンプレート320のテンプレート属性情報には、図7に示されている主題スコアテーブルが含められる。または、主題スコアテーブルは、テンプレート属性情報とは別にテンプレートに対応付けられていてもよい。
【0063】
主題スコアの係数は、テンプレートにおける最大フォントサイズ及び最小フォントサイズによって変動する。従って、テンプレートによって最大フォントサイズ及び最小フォントサイズが異なる場合、テンプレートによって係数が異なることになるので、同一のフォントサイズの語句であっても、テンプレートによって主題スコアが異なることになる。例えば図6及び図7に示す例では、語句「特製」のフォントサイズが「15pt」の場合に、主題スコアが「72点」となる。この主題スコアは、テンプレート320における最大フォントサイズが「25pt」であって、最小フォントサイズが「7pt」であるという条件の下で計算された値である。一方で、テンプレート320とは異なるテンプレートにおいて、語句「特製」のフォントサイズが「15pt」であって、当該テンプレートにおける最大フォントサイズが「15pt」の場合、語句「特製」の主題スコアは「100点」となる。このように、フォントサイズが同じ語句であっても、テンプレートによって主題スコアが異なることがある。つまり、主題スコアは、テンプレート毎に規格化された値であり、複数のテンプレート間において相対的な値であるといえる。
【0064】
次に、図8を参照して、主題分析部16による処理の詳細について説明する。まず、ユーザが端末装置30を使用して検索用主題文字列を入力してテンプレートの検索を指示すると、検索用主題文字列を示す情報が、端末装置30からデザイン管理装置10に送信される(S01)。一例として、検索用主題文字列として「開店する」という文字列がユーザによって入力されたものとする。主題分析部16は、類語辞典を用いて検索用主題文字列「開店する」の意義素(意味)を決定する。検索用主題文字列「開店する」の意義素は、例えば、「店を開くこと」である。検索用主題文字列「開店する」に対応する意義素「店を開くこと」が見つかった場合(S02,Yes)、主題分析部16は、検索用主題文字列「開店する」と同一の意義素「店を開くこと」を有する類語を類語辞典から抽出する(S03)。類語として、例えば、「看板を上げる」、「開店する」、「店開きをする」、「オープンする」、「店を開く」、「お店を開く」、「店を始める」、「店開きをする」、「商売を始める」、「店を立ち上げる」、「のれんを出す」、「のれんを掲げる」、「シャッターを上げる」等がある。次に、主題分析部16は、抽出された上記の類語を語句の単位に分割し(S04)、分割された語句のうちの名詞を検索語として採用する(S05)。上記の例では、「看板」、「開店」、「店開き」、「オープン」、「商売」、「のれん」、「シャッター」等が検索語として採用される。一方、検索用主題文字列「開店する」に対応する意義素が見つからなかった場合(S02,No)、主題分析部16は、検索用主題文字列「開店する」を語句の単位に分割し(S06)、分割された語句のうちの名詞を検索語として採用する(S07)。例えば、「開店」が検索語として採用される。
【0065】
次に、テンプレート検索部18による処理の詳細について説明する。テンプレート検索部18は、テンプレート記憶部12に記憶されている各テンプレートの主題スコアテーブルを参照し、主題分析部16によって決定された「検索語」に一致する「語句」であって主題スコアがスコア基準値以上の「語句」を含むテンプレートをテンプレート記憶部12から取得する。上記の例では、テンプレート検索部18は、「看板」、「開店」、「店開き」、「オープン」、「商売」、「のれん」、「シャッター」等の「検索語」に一致する「語句」であって主題スコアがスコア基準値(例えば80点)以上の「語句」を含むテンプレートを、テンプレート記憶部12から取得する。テンプレート検索部18によって取得されたテンプレートは表示制御部20に出力される。
【0066】
表示制御部20は、テンプレート検索部18によって取得されたテンプレートを端末装置30の表示部に表示させる。このとき、表示制御部20は、複数のテンプレートを主題スコアの高い順に端末装置30の表示部に表示させてもよい。
【0067】
図9に、テンプレート検索部18によって検索されたテンプレートの表示例を示す。端末装置30を使用してユーザが検索用主題文字列を入力してテンプレートの検索を指示すると、端末装置30の表示部の画面30Aには、検索されたテンプレートが表示される。一例として、端末装置30の表示部の画面30Aには、テンプレート200,201,200A,200B,204〜211のサムネイル画像が表示されている。このとき、表示制御部20は、テンプレート200,201,200A,200B,204〜211のサムネイル画像を、主題スコアの高い順に端末装置30の表示部に表示させる。例えば、表示制御部20は、主題スコアが高いテンプレートほど、画面30Aの上部及び左側に表示する。また、表示制御部20は、派生テンプレートのサムネイル画像の近傍に、派生テンプレートであることを示す情報(例えばマーク)を表示してもよい。図9に示す例では、テンプレート200A,200Bが派生テンプレートであるため、それらの近傍には、派生テンプレートであることを示すマークが表示されている。なお、基礎テンプレートについては、基礎テンプレートであることを示す情報を表示してもよいし、その情報を表示しなくてもよい。図9に示す例では、基礎テンプレートについては、基礎テンプレートであることを示す情報は表示されていない。
【0068】
そして、ユーザが端末装置30の操作部を使用して特定のテンプレートを指定し、表示指示を与えると、指定されたテンプレートが端末装置30の表示部に拡大して表示される。このとき、指定されたテンプレートのテンプレート属性情報も表示されてもよい。
【0069】
なお、テンプレート検索部18は、検索語に一致する語句を含む全てのテンプレートをテンプレート記憶部12から取得し、表示制御部20は、それらのテンプレートを主題スコアの高い順に端末装置30の表示部に表示させてもよい。
【0070】
図10に、派生テンプレートの表示例を示す。例えば、図9に示す画面30Aにおいて、派生テンプレートであるテンプレート200Aのサムネイル画像がユーザによって指定されると、図10に示すように、テンプレート200Aが端末装置30の表示部に拡大して表示される。このとき、テンプレート200Aのテンプレート属性情報も表示される。また、テンプレート200Aの作成の基礎となったテンプレート200(基礎テンプレート)も表示されてもよい。そして、ユーザが端末装置30の操作部を使用して編集の指示を与えると、テンプレート200Aに対する編集が許可された状態となる。テンプレート200Aが編集されることにより、テンプレート200Aを基礎とした新たなデザインが作成されることになる。
【0071】
閲覧者に対して伝えたい内容は、テンプレートにおいて閲覧者が注目するように設定されている場合がある。例えば、主題となる内容を表す文字列のフォントサイズを大きくするほど、その内容が閲覧者に注目されやすくなる。従って、フォントサイズが大きい文字列ほど、主題の内容を表していると推測される。主題スコアは、語句のフォントサイズが大きいほど大きくなるので、主題スコアが大きい語句ほど、より主題の内容を表していると推測される。本実施形態では、検索語に一致する語句であって主題スコアがスコア基準値以上となる語句を含むテンプレートが端末装置30に提供される。従って、ユーザの希望するデザインの主題を示す文字列を検索用主題文字列として用いることにより、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い語句を含むテンプレートであって、その語句が閲覧者の目を引き付けるようにして設定されたテンプレートが、端末装置30に提供される。このようにして提供されたテンプレートを基礎にして、チラシ、広告、ダイレクトメール、ポスター等についてのデザインを作成することにより、それらの閲覧者に対して伝えたい内容が、相対的に大きいサイズのフォントで表現されることになる。
【0072】
本実施形態によれば、例えばデザインについての知識が乏しいユーザであっても、そのユーザの希望する主題を示す検索用主題文字列を端末装置30に入力すれば、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い語句を含むテンプレートであって、その語句が閲覧者の目を引くように設定されたテンプレートが、端末装置30に提供される。
【0073】
また、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い派生テンプレートを端末装置30に提供することにより、基礎テンプレートから作成されたデザインの具体的なイメージがユーザに提供される。これにより、基礎テンプレートから作成されるデザインのイメージの把握が、ユーザにとって容易となる。
【0074】
また、主題スコアが同じ値の同一の語句を含む複数のテンプレートを表示する場合、当該語句のフォントサイズがより大きいテンプレートを、他のテンプレートよりも優先的に表示してもよい。図11及び図12を参照して、この処理の詳細について説明する。
【0075】
図11(b)に示されている主題スコアテーブルは、図11(a)に示されているテンプレート500についての主題スコアテーブルである。この主題スコアテーブルに示されているように、語句「無料」の主題スコアは100点となっている。また、テンプレート500の印刷時における実サイズは、一例として、縦297mm×横210mmである。
【0076】
図12(b)に示されている主題スコアテーブルは、図12(a)に示されているテンプレート510についての主題スコアテーブルである。この主題スコアテーブルに示されているように、語句「無料」の主題スコアは100点となっている。また、テンプレート510の印刷時における実サイズは、一例として、縦58mm×横101mmである。
【0077】
上記のように、テンプレート500,510における語句「無料」の主題スコアは、いずれも100点となっている。一方で、テンプレート500の印刷時における実サイズは、テンプレート510の印刷時における実サイズよりも大きい。また、テンプレート500における語句「無料」のフォントサイズは「105pt」であり、テンプレート510における語句「無料」のフォントサイズは「25pt」である。つまり、テンプレート500における語句「無料」のフォントサイズは、テンプレート510における語句「無料」のフォントサイズよりも大きい。
【0078】
上記の場合、表示制御部20は、テンプレート500,510のうち、語句「無料」のフォントサイズがより大きいテンプレート500を、テンプレート510よりも優先的に端末装置30の表示部に表示させる。例えば、表示制御部20は、テンプレート500のサムネイル画像を、テンプレート510のサムネイル画像よりも画面の上部に表示させる。
【0079】
フォントサイズがより大きいテンプレートを優先的に表示することにより、印刷時の実サイズがより大きい語句を含むテンプレートが優先的に表示されることになる。これにより、印刷時の実サイズが考慮されたテンプレートが端末装置30に提供される。
【0080】
なお、互いの主題スコアの差が予め決定された値以下となる同一の語句を含む複数のテンプレートを表示する場合も、当該語句のフォントサイズがより大きいテンプレートを、他のテンプレートよりも優先的に表示してもよい。
【0081】
また、表示制御部20は、主題スコアが同じ値の同一の語句を含む複数のテンプレートのうち、指定された印刷サイズに合致するテンプレートを、他のテンプレートよりも優先的に端末装置30の表示部に表示させてもよい。印刷サイズを示す情報は、例えば、端末装置30の操作部を使用してユーザによって入力される。例えば、表示制御部20は、端末装置30の表示部の画面において、指定された印刷サイズに合致するテンプレートを、他のテンプレートよりも上部に表示させる。これにより、ユーザの希望する印刷サイズに合致するテンプレートが優先的に表示されることになる。
【0082】
また、印刷サイズがテンプレートの検索条件として用いられる場合、テンプレート検索部18は、検索条件としての印刷サイズに一致するテンプレートを対象にして、検索語に一致する語句であって主題スコアがスコア基準値以上の語句を含むテンプレートをテンプレート記憶部12から取得して表示制御部20に出力するようにしてもよい。検索条件としての印刷サイズを示す情報は、例えば、端末装置30の操作部を使用してユーザによって入力される。
【0083】
なお、主題スコア演算部14は、語句の装飾の度合いに応じて、当該語句の主題スコアを変更してもよい。例えば、主題スコア演算部14は、語句のフォントの種類に応じて、当該語句の主題スコアを変更してもよい。具体的には、フォントの種類に応じた主題スコアの加算点を予め決定しておく。主題スコア演算部14は、語句のフォントの種類に応じた加算点を、上記の式(1)で求められた当該語句の主題スコアに加算し、加算後の値を正式の主題スコアとして採用する。別の例として、主題スコア演算部14は、語句の傾きに応じて、当該語句の主題スコアを変更してもよい。具体的には、語句の傾きに応じた主題スコアの加算点を予め決定しておく。例えば、語句の傾きが大きくなるほど、加算点を大きくする。主題スコア演算部14は、語句の傾きに応じた加算点を、上記の式(1)で求められた当該語句の主題スコアに加算し、加算後の値を正式の主題スコアとして採用する。これにより、語句の傾きが大きくなるほど、主題スコアが増大することになる。加算処理は、主題スコアがスコア基準値未満(例えば80点未満)の語句を対象に行ってもよい。例えば、フォントサイズのみを用いて決定された主題スコアがスコア基準値未満(例えば80点未満)となるテンプレートであっても、加算処理された主題スコアがスコア基準値以上となって、端末装置30に提供されることがある。例えば、フォントの種類に特徴がある語句は、フォントサイズが小さい場合であっても、閲覧者の目を引き付ける場合がある。それ故、フォントの種類に応じて主題スコアを増大し、その主題スコアを用いてテンプレートを検索することにより、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い語句を含むテンプレートであって、その語句が閲覧者の目を引き付けるように設定されたテンプレートが、端末装置30に提供され得る。また、傾きが大きい語句は、フォントサイズが小さい場合であっても、閲覧者の目を引き付ける場合がある。従って、語句の傾きに応じて主題スコアを増大し、その主題スコアを用いてテンプレートを検索することにより、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い語句を含むテンプレートであって、その語句が閲覧者の目を引き付けるように設定されたテンプレートが、端末装置30に提供され得る。
【0084】
なお、上述した実施形態では、フォントサイズが大きいほど主題スコアが大きくなる例について説明したが、フォントサイズが大きいほど主題スコアが小さくなるようにしてもよい。この場合、主題スコアが小さい語句ほど、その語句を含むテンプレートの主題を表していると推測される。テンプレート検索部18は、検索語に一致する語句であって主題スコアが予め決定された基準値以下(例えば20点以下)の語句を含むテンプレートを検索して出力することになる。これによっても、ユーザの希望するデザインの主題に合致する又は近い語句を含むテンプレートであって、その語句が閲覧者の目を引き付けるように設定されたテンプレートが、端末装置30に提供される。
【符号の説明】
【0085】
10 デザイン管理装置、12 テンプレート記憶部、14 主題スコア演算部、16 主題分析部、18 テンプレート検索部、20 表示制御部、22 送受信部、30 端末装置。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図10
図11
図12