【解決手段】積層セラミックキャパシタは、複数の誘電体層を含むセラミック本体110と、セラミック本体110の内部に配置され、互いに所定の間隔をおいてセラミック本体の第1の面1に露出する第1及び第2の引出部を有する第1の内部電極、及びセラミック本体の第1の面に露出し且つ第1の面と連結された第3の面3及び第4の面4と所定の間隔をおいて配置される第3の引出部を有する第2の内部電極と、セラミック本体の第1の面に配置され、第1から第3の引出部とそれぞれ連結される第1から第3の外部電極131、132、133と、セラミック本体の第1の面に配置される絶縁層141、142と、を含む。第1及び第2の引出部はそれぞれ第3の引出部と所定の間隔で離隔する。
複数の誘電体層を含むセラミック本体であって、前記セラミック本体は、幅方向に対向する第1の面及び第2の面と、前記第1の面及び第2の面を連結し長さ方向に対向する第3の面及び第4の面と、前記第1の面及び第2の面を連結し厚さ方向に対向する第5の面及び第6の面とを有する、セラミック本体と、
前記セラミック本体の内部に配置され、互いに所定の間隔をおいて前記セラミック本体の第1の面に露出する第1及び第2の引出部を有する第1の内部電極、及び前記セラミック本体の第1の面に露出し且つ前記第3の面及び第4の面と所定の間隔をおいて配置される第3の引出部を有する第2の内部電極と、
前記セラミック本体の第1の面に配置され、前記第1から第3の引出部とそれぞれ連結される第1から第3の外部電極と、
前記セラミック本体の第1の面に配置される絶縁層と、
を含み、
前記第1及び第2の引出部はそれぞれ前記第3の引出部と所定の間隔で離隔する、積層セラミックキャパシタ。
前記第1及び第2の引出部がそれぞれ前記第3の引出部と離隔した前記所定の間隔をGとしたとき、0≦G≦50μmを満たす、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記第3の引出部の幅をW1、前記第3の引出部と連結される第3の外部電極の幅をW2としたとき、1.0≦W1/W2≦2.0を満たす、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記セラミック本体の第1の面に形成される絶縁層は前記セラミック本体の第1の面から測定される第1及び第2の外部電極の高さより小さく配置される、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
複数の誘電体層を含むセラミック本体であって、前記セラミック本体は、幅方向に対向する第1の面及び第2の面と、前記第1の面及び第2の面を連結し長さ方向に対向する第3の面及び第4の面と、前記第1の面及び第2の面を連結し厚さ方向に対向する第5の面及び第6の面とを有する、セラミック本体と、
前記セラミック本体の内部に配置され、互いに所定の間隔をおいて前記セラミック本体の第1の面及び第2の面に露出する第1から第4の引出部を有する第1の内部電極、及び前記セラミック本体の第1の面及び第2の面に露出し且つ前記セラミック本体の第3の面及び第4の面と所定の間隔をおいて配置される第5及び第6の引出部を有する第2の内部電極と、
前記セラミック本体の第1の面及び第2の面に配置され、前記第1から第6の引出部とそれぞれ連結される第1から第6の外部電極と、
前記セラミック本体の第1の面及び第2の面に配置された絶縁層と、
を含み、
前記第1から第4の引出部はそれぞれ前記第5及び第6の引出部と所定の間隔で離隔する、積層セラミックキャパシタ。
前記第1から第4の引出部がそれぞれ前記第5及び第6の引出部と離隔した前記所定の間隔をGとしたとき、0≦G≦50μmを満たす、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記第5又は第6の引出部の幅をW1、前記第5又は第6の引出部と連結される第5又は第6の外部電極の幅をW2としたとき、1.0≦W1/W2≦2.0を満たす、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記セラミック本体の第1の面又は第2の面に形成される絶縁層は前記セラミック本体の第1の面又は第2の面から測定される第1から第6の外部電極の高さより小さく形成される、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0022】
積層セラミックキャパシタ
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図であり、
図2は
図1に示された積層セラミックキャパシタの内部電極構造を示す断面図であり、
図3は
図1のA‐A’線に沿う断面図である。
【0023】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは3端子垂直積層型キャパシタであることができる。「垂直積層型(vertically laminated or vertical multilayer)」はキャパシタ内に積層された内部電極が回路基板の実装領域面に垂直に配置されることを意味し、「3端子(3‐terminal)」はキャパシタの端子として3個の端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0024】
図1及び
図2を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110と、上記セラミック本体の内部に形成される内部電極121、122と、上記セラミック本体にそれぞれ形成される絶縁層141、142、143、144と、外部電極131、132、133と、を含むことができる。
【0025】
本実施形態において、セラミック本体110は、幅方向に対向する第1の面1及び第2の面2と、上記第1の面及び第2の面を連結し長さ方向に対向する第3の面3及び第4の面4と、上記第1の面及び第2の面を連結し厚さ方向に対向する第5の面5及び第6の面6と、を有することができる。
【0026】
上記セラミック本体110の形状は、特に制限されず、図示のように第1の面から第6の面を有する六面体形状であることができる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、第3の面3と第4の面4が対向し、第5の面5と第6の面6が対向することができる。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、セラミック本体の第1の面1は、回路基板の実装領域に配置される実装面となることができる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、x‐方向は第1から第3の外部電極が所定の間隔をおいて形成される方向であり、y‐方向は内部電極が誘電体層を介して積層される方向であり、z‐方向は内部電極が回路基板に実装される方向であることができる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111が積層されて形成されることができる。上記セラミック本体110を構成する複数の誘電体層111は焼結された状態で、隣接する誘電体層間の境界は確認できないほどに一体化されている。
【0031】
上記セラミック本体の長さ方向の長さは1.0mm以下であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0032】
上記誘電体層111は、セラミックパウダー、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックグリーンシートの焼成によって形成されることができる。上記セラミックパウダーは高誘電率を有する物質であり、特に制限されず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系材料等を用いることができる。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、セラミック本体110の内部には第1及び第2の内部電極121、122が配置されることができる。
【0034】
図2は、セラミック本体110を構成する誘電体層111と上記誘電体層に配置された内部電極121、122を示す断面図である。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、第1の極性の第1の内部電極121と第2の極性の第2の内部電極122を一対とし、一つの誘電体層111を介してy‐方向に対向するように配置されることができる。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の内部電極121、122は、積層セラミックキャパシタの実装面、即ち、上記セラミック本体110の第1の面1に垂直に配置されることができる。
【0037】
本発明において、「第1の」及び「第2の」は相違する極性を意味し、「第1の」及び「第3の」は同一の極性を意味する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の内部電極121、122は、導電性金属を含む導電性ペーストによって形成されることができる。
【0039】
上記導電性金属は、特に制限されず、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、又はこれらの合金であることができる。
【0040】
誘電体層を形成するセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法等の印刷法により導電性ペーストで内部電極層を印刷することができる。
【0041】
内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層し焼成してセラミック本体を形成することができる。
【0042】
図2及び
図3を参照すると、第1及び第2の内部電極121、122は相違する極性の外部電極と連結されるためにそれぞれ引出部121a、121b、122aを有し、上記引出部121a、121b、122aはセラミック本体の第1の面1に露出することができる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、積層セラミックキャパシタは垂直積層型であり、第1の内部電極の引出部及び第2の内部電極の引出部はセラミック本体の同一面に露出することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、内部電極の引出部は、内部電極を形成する導体パターンのうち幅(W)が増加してセラミック本体の一面に露出した領域を意味する。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、第1の内部電極は、2つの引出部121a、121bを有することができる。
【0046】
上記第1の内部電極の2つの引出部121a、121bは、所定の間隔をおいて配置され、セラミック本体の第1の面1に露出することができる。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の内部電極の第1の引出部121aはセラミック本体の第1の面1に露出すると共に第3の面3に露出し、第1の内部電極の第2の引出部121bはセラミック本体の第1の面1に露出すると共に第4の面4に露出することができる。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、第2の内部電極は、1つの引出部122aを有することができる。
【0049】
上記第2の内部電極の第3の引出部122aは、上記セラミック本体の第3の面3及び第4の面4と所定の間隔をおいて配置され、セラミック本体の第1の面1に露出することができる。
【0050】
上記「所定の間隔をおいて」とは、上記第2の内部電極の第3の引出部122aが上記セラミック本体の第3の面3及び第4の面4に露出せずに絶縁された状態を意味する。
【0051】
上記第1の内部電極の2つの引出部121a、121bはそれぞれ第2の内部電極の引出部122aと所定の間隔Gをおいて離隔することができる。
【0052】
上記「所定の間隔Gをおいて離隔」とは、重ならずに絶縁された状態を意味し、以下では、同一の意味で用いられる。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の内部電極121、122の端部は、セラミック本体110の第3の面3及び第4の面4に露出することができる。上記セラミック本体の第3の面3及び第4の面4に絶縁層が形成されることにより、内部電極間の短絡を防止することができる。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の内部電極121、122は、セラミック本体110の第2の面2のみにマージン部があり、上記第3の面3及び第4の面4にはマージン部がないように形成されることができる。
【0056】
一般に、第1及び第2の内部電極は重なり領域によって静電容量を形成し、相違する極性の外部電極と連結される引出部は重なり領域を有しない。
【0057】
よって、上記相違する極性の外部電極と連結される引出部の一部が重なるようにすることにより静電容量を増加させようとする試みがあった。
【0058】
しかしながら、この場合には、外部に露出する引出部の重なり領域で短絡不良問題が発生する可能性がある。
【0059】
上記の問題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、上記第1の内部電極の2つの引出部121a、121bはそれぞれ第2の内部電極の引出部122aと所定の間隔をおいて離隔することができる。
【0060】
上記第1及び第2の引出部121a、121bがそれぞれ上記第3の引出部122aと離隔した上記所定の間隔をGとしたとき、0≦G≦50μmを満たすことができる。
【0061】
上記のように、第1及び第2の引出部121a、121bがそれぞれ上記第3の引出部122aと離隔した上記所定の間隔Gが0≦G≦50μmを満たすように調節することにより、短絡不良問題を解決することができる。
【0062】
上記第1及び第2の引出部121a、121bがそれぞれ上記第3の引出部122aと離隔した上記所定の間隔Gが0μmの場合は、上記第1及び第2の引出部121a、121bと第3の引出部122aが一致する場合であり、重なり領域がないため、短絡不良問題が発生しない。しかしながら、上記所定の間隔Gが0μm未満(陰(−)の値)の場合は、重なり領域が発生するため、チップ切断工程で短絡不良問題が発生する可能性がある。
【0063】
これに対し、第1及び第2の引出部121a、121bがそれぞれ上記第3の引出部122aと離隔した上記所定の間隔Gが50μmを超える場合は、外部極性が印加される第1及び第2の内部電極間の距離が増加してカレントループ(current loop)が長くなるため、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が高くなる。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、上記第3の引出部122aの幅をW1、上記第3の引出部122aと連結される第3の外部電極133の幅をW2としたとき、1.0≦W1/W2≦2.0を満たすことができる。
【0065】
上記のように、第3の引出部122aの幅W1と上記第3の引出部122aと連結される第3の外部電極133の幅W2との比が1.0≦W1/W2≦2.0を満たすように調節することにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなり、短絡不良を防止して信頼性に優れるという効果を奏することができる。
【0066】
上記第3の引出部122aの幅W1と上記第3の引出部122aと連結される第3の外部電極133の幅W2との比(W1/W2)が1.0未満の場合及び2.0を超える場合は、短絡不良が発生し、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)も高くなる可能性があるため、問題となる。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、上記セラミック本体の一面には、内部電極と連結されるように外部電極が配置されることができる。
【0068】
より具体的には、セラミック本体110の第1の面1に露出した第1の内部電極121の第1の引出部121aと連結されるように第1の外部電極131が配置され、セラミック本体110の第1の面1に露出した第1の内部電極の第2の引出部121bと連結されるように第2の外部電極132が配置されることができる。
【0069】
上記第1及び第2の外部電極131、132は、特に制限されず、例えば、上記第1及び第2の引出部121a、121bの一部と連結されることができる。
【0070】
また、上記セラミック本体110の第1の面1に引き出された第2の内部電極122の第3の引出部122aと連結されるように第3の外部電極133が形成されることができる。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、セラミック本体110には、絶縁層141、142、143、144が形成されることができる。
【0072】
より具体的には、セラミック本体の第1の面1には第1の絶縁層141及び第2の絶縁層142が形成され、セラミック本体の第3の面3及び第4の面4にはそれぞれ第3の絶縁層143及び第4の絶縁層144が形成されることができる。
【0073】
上記セラミック本体110の第1の面1に形成された第1の絶縁層141は第1及び第3の外部電極131、133の間に形成され、第2の絶縁層142は第2及び第3の外部電極132、133の間に形成されることができる。
【0074】
上記第1及び第2の絶縁層141、142は、第1の面に露出した第1の内部電極の引出部121a、121bの一部と第2の内部電極の引出部122aの一部を覆うように形成されることができる。
【0075】
第1及び第2の絶縁層141、142は、第1の内部電極の引出部121a、121bと第2の内部電極の引出部122aの露出した領域も覆うように形成されることができる。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、
図3に示されたように、上記第1及び第2の絶縁層141、142は、セラミック本体の第1の面1において第1の外部電極131、第2の外部電極132、または第3の外部電極133が形成されてない領域を完全に覆うように形成されることができる。
【0077】
また、図示されてはいないが、本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の絶縁層141、142は、第1から第3の外部電極131、132、133と所定の間隔をおいて形成されることができる。
【0078】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の内部電極121、122の端部が露出したセラミック本体110の第3の面及び第4の面にはそれぞれ第3の絶縁層143及び第4の絶縁層144が形成されることができる。
【0079】
上記第3の絶縁層143は、セラミック本体の第2の面に2形成されたマージン部誘電体層111と連結されることができる。
【0080】
上記第4の絶縁層144は、セラミック本体の第2の面2に形成されたマージン部誘電体層111と連結されることができる。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、絶縁層は、誘電体層と同じかほぼ同じ物質で形成され、誘電体層と連結される場合は絶縁層とセラミック本体の結合強度が向上することができる。
【0082】
本発明の一実施形態によれば、絶縁層141、142、143、144は、セラミックスラリーで形成されることができる。上記セラミックスラリーの量及び形状を調節することにより、絶縁層の形成位置及び高さを調節することができる。上記絶縁層141、142、143、144は、焼成工程によりセラミック本体が形成された後、上記セラミック本体にセラミックスラリーを塗布し焼成して形成されることができる。
【0083】
或いは、セラミック本体を形成するセラミックグリーンシート上に絶縁層を形成するセラミックスラリーを形成し、セラミックグリーンシートと共に焼成して形成されることができる。
【0084】
上記セラミックスラリーの形成方法としては、特に制限されず、例えば、スプレーで噴射する方法や、ローラーを用いた塗布、コーティング、付着等の方法を用いることができる。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、絶縁層141、142、143、144は、セラミック本体の一面に露出した第1及び第2の内部電極の引出部121a、121b、122aと、第1及び第2の内部電極121、122の端部を覆うことにより、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性低下等の内部欠陥を防止することができる。
【0086】
本発明の一実施形態によれば、外部極性が印加される第1及び第2の内部電極間の距離が近くなるため、カレントループ(current loop)が短くなり、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の絶縁層141、142の高さ(
図1におけるZ方向の寸法)は上記第1から第3の外部電極131、132、133の高さ(
図1におけるZ方向の寸法)より小さく形成されることができる。
【0088】
上記絶縁層141、142及び外部電極131、132、133の高さは、上記第1の面を基準に測定されることができる。
【0089】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の絶縁層141、142の高さが第1から第3の外部電極131、132、133の高さより低いため、積層セラミックキャパシタが回路基板上により安定して実装されることができる。
【0090】
また、図示されてはいないが、第1及び第2の絶縁層141、142の高さは異なってもよい。
【0091】
図4は本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す斜視図であり、
図5は
図4に示された積層セラミックキャパシタの内部電極構造を示す断面図であり、
図6は
図4のA‐A’線に沿う断面図である。
【0092】
なお、以下では、上述した本発明の一実施形態と異なる構成要素を中心に説明し、同じ構成要素に関する詳細な説明は省略する。
【0093】
図4から
図6を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは6端子垂直積層型キャパシタであることができる。
【0094】
「6端子(6‐terminal)」は、キャパシタの端子として6個の端子が回路基板に接続されることができることを意味する。
【0095】
本実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、セラミック本体210と、上記セラミック本体210の内部に配置される内部電極221、222と、上記セラミック本体210に形成される絶縁層241、242、243、244、245、246と、外部電極231、232、233、234、235、236と、を含むことができる。
【0096】
図5は、セラミック本体210を構成する誘電体層211と上記誘電体層に形成された内部電極221、222を示す断面図である。
【0097】
本発明の一実施形態によれば、第1の極性の第1の内部電極221と第2の極性の第2の内部電極222を一対とし、一つの誘電体層211を介してy‐方向に対向するように配置されることができる。
【0098】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の内部電極221、222は、積層セラミックキャパシタの実装面に垂直に配置されることができる。
【0099】
本実施形態によれば、積層セラミックキャパシタの実装面は、上記セラミック本体の第1の面1又はこれに対向する第2の面2となることができる。
【0100】
図5及び
図6を参照すると、上記第1及び第2の内部電極221、222は、相違する極性の外部電極と連結されるためにそれぞれ引出部221a、221b、221c、221d、222a、222bを有することができる。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、積層セラミックキャパシタは垂直積層型であり、第1の内部電極の引出部及び第2の内部電極の引出部はセラミック本体の同一面に露出することができる。
【0102】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の内部電極221は、4つの引出部221a、221b、221c、221dを有することができる。
【0103】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の内部電極221の2つの引出部221a、221bは互いに所定の間隔をおいてセラミック本体の第1の面1に露出し、上記第1の内部電極の他の2つの引出部221c、221dは互いに所定の間隔をおいてセラミック本体の第1の面1に対向する第2の面2に露出することができる。
【0104】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の内部電極221の第1の引出部221aは上記セラミック本体210の第1の面1に露出すると共に第3の面3に露出し、第1の内部電極221の第2の引出部221bは上記セラミック本体210の第1の面1に露出すると共に第4の面4に露出することができる。
【0105】
また、上記と同様の方式により、上記第1の内部電極221の第3の引出部221cは上記セラミック本体210の第2の面2に露出すると共に第3の面3に露出し、第1の内部電極221の第4の引出部221dは上記セラミック本体210の第2の面2に露出すると共に第4の面4に露出することができる。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、上記第2の内部電極222は、2つの引出部222a、222bを有することができる。
【0107】
本発明の一実施形態によれば、上記第2の内部電極222の第5の引出部222aは、セラミック本体の第3の面3及び第4の面4と所定の間隔をおいて形成され、上記セラミック本体210の第1の面1に露出し、第2の内部電極222の第6の引出部222bは、セラミック本体210の第3の面3及び第4の面4と所定の間隔をおいて形成され、セラミック本体210の第1の面1に対向する第2の面2に露出することができる。
【0108】
上記第1の内部電極の第1及び第2の引出部221a、221bはそれぞれ第2の内部電極の第5の引出部222aと互いに所定の間隔Gで離隔することができる。
【0109】
また、上記と同様の方式により、第1の内部電極の第3及び第4の引出部221c、221dはそれぞれ第2の内部電極の第6の引出部222bと互いに所定の間隔Gで離隔することができる。
【0110】
また、本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の内部電極221、222の端部は、上記セラミック本体210の第3の面3及び第4の面4に露出することができる。
【0111】
上記セラミック本体210の第3の面3及び第4の面4に絶縁層が形成されることにより、第1及び第2の内部電極間の短絡を防止することができる。
【0112】
図6を参照すると、上記セラミック本体の一面には、内部電極と連結されるように外部電極が形成されることができる。
【0113】
より具体的には、上記セラミック本体210の第1の面1に露出した第1の内部電極221の第1及び第2の引出部221a、221bとそれぞれ連結されるように第1及び第2の外部電極231、232が形成されることができる。
【0114】
また、上記セラミック本体210の第1の面1に露出した第2の内部電極222の第5の引出部222aと連結されるように第5の外部電極235が形成されることができる。
【0115】
また、上記と同様に、セラミック本体の第2の面2に露出した第1の内部電極の第3及び第4の引出部221c、221dとそれぞれ連結されるように第3及び第4の外部電極233、234が形成され、セラミック本体の第2の面に露出した第2の内部電極の第6の引出部222bと連結されるように第6の外部電極236が形成されることができる。
【0116】
上述した実施例と同様に、上記第1から第4の外部電極231、232、233、234は、第1の内部電極の第1から第4の引出部221a、221b、221c、221dの一部と連結されることができる。
【0117】
本発明の一実施形態によれば、セラミック本体には、絶縁層241、242、243、244、245、246が形成されることができる。
【0118】
より具体的には、セラミック本体の第1の面には第1の絶縁層241及び第2の絶縁層242が形成され、セラミック本体の第3の面及び第4の面にはそれぞれ第3の絶縁層243及び第4の絶縁層244が形成され、セラミック本体の第2の面には第5の絶縁層245及び第6の絶縁層246が形成されることができる。
【0119】
セラミック本体の第1の面に形成された第1の絶縁層241は第1及び第5の外部電極231、235の間に形成され、第2の絶縁層242は第2及び第5の外部電極232、235の間に形成されることができる。
【0120】
上記第1及び第2の絶縁層241、242は、第1の面に露出した第1の内部電極の引出部221a、221bの一部と第2の内部電極の引出部222aの一部を覆うように形成されることができる。第1及び第2の絶縁層241、242は、第1の内部電極の引出部及び第2の内部電極の引出部の露出した領域も覆うように形成されることができる。
【0121】
また、本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の絶縁層241、242は、セラミック本体の第1の面において第1の外部電極231、第2の外部電極232、または第5の外部電極235が形成されてない領域を完全に覆うように形成されることができる。
【0122】
また、図示されてはいないが、本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の絶縁層241、242は、第1、第2及び第5の外部電極231、232、235と所定の間隔をおいて形成されることができる。
【0123】
また、上記と同様の方式により、セラミック本体の第2の面には、第5の絶縁層245及び第6の絶縁層246が形成されることができる。
【0124】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の内部電極221、222の端部が露出したセラミック本体の第3の面及び第4の面にはそれぞれ第3の絶縁層243及び第4の絶縁層244が形成されることができる。
【0125】
本発明の一実施形態によれば、絶縁層は、誘電体層と同じかほぼ同じ物質で形成され、誘電体層と連結される場合は絶縁層とセラミック本体の結合強度が向上することができる。
【0126】
また、上記絶縁層は、セラミック本体の一面に露出した第1及び第2の内部電極の端部と第1及び第2の内部電極の引出部を覆うことにより、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性低下等の内部欠陥を防止することができる。
【0127】
本実施形態によれば、外部極性が印加される第1及び第2の内部電極間の距離が近くなるため、カレントループ(current loop)が短くなり、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0128】
また、図示されてはいないが、第1の内部電極又は第2の内部電極は2個以上の引出部を有し、第1の内部電極又は第2の内部電極に形成された引出部はセラミック本体の同一面又は相違する面に露出することができる。なお、内部電極の引出部の個数及び位置等は多様に変わっても良い。
【0129】
図7は、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す斜視図である。
【0130】
図7を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記
図4に示されている本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて上記セラミック本体210の第2の面2に配置された第3、第4及び第6の外部電極233、234、236と第5及び第6の絶縁層245、246の代わりに第5の絶縁層245が配置されることができる。
【0131】
この場合、上記第3及び第4の引出部221c、221dと上記第6の引出部222bは、上記セラミック本体210の第2の面2に露出するが、上記第5の絶縁層245によって絶縁されるため、信頼性低下の問題は発生しない。
【実施例】
【0132】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
【0133】
実施例
実施例は、垂直積層型キャパシタの第1の内部電極の第1及び第2の引出部がそれぞれ第2の内部電極の第3の引出部と離隔した所定の間隔G及び第3の引出部の幅W1と上記第3の引出部と連結される第3の外部電極の幅W2との比(W1/W2)が本発明の数値範囲を満たすように製作したものである。
【0134】
比較例
比較例は、垂直積層型キャパシタの第1の内部電極の第1及び第2の引出部がそれぞれ第2の内部電極の第3の引出部と離隔した所定の間隔G及び第3の引出部の幅W1と上記第3の引出部と連結される第3の外部電極の幅W2との比(W1/W2)が本発明の範囲を外れる以外は上記実施例と同じ条件で製作したものである。
【0135】
下記表1は、本発明の実施形態により垂直積層型キャパシタの第1の内部電極の第1及び第2の引出部がそれぞれ第2の内部電極の第3の引出部と離隔した間隔Gの値による等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)及び短絡発生数による信頼性を比較したものである。
【0136】
上記短絡発生数による信頼性は試料50個に対して短絡発生数を測定して評価し、第3の引出部の幅W1と上記第3の引出部と連結される第3の外部電極の幅W2との比(W1/W2)を1.7に固定した状態で測定した。
【0137】
【表1】
*:比較例
【0138】
上記表1を参照すると、比較例であるサンプル1〜4は、第1の内部電極の第1及び第2の引出部がそれぞれ第2の内部電極の第3の引出部と離隔した所定の間隔Gが陰(−)の値を有するものであり、これは、引出部が重なることを意味する。
【0139】
この場合、短絡発生数が多いことから信頼性に問題があることが分かる。
【0140】
また、比較例であるサンプル8〜10は、第1の内部電極の第1及び第2の引出部がそれぞれ第2の内部電極の第3の引出部と離隔した所定の間隔Gが50μmを超えるものであり、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が高いことから問題があることが分かる。
【0141】
これに対し、実施例であるサンプル5〜7は、本発明の数値範囲を満たすものであり、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くて短絡発生がないことから信頼性に優れることが分かる。
【0142】
下記表2は、本発明の実施形態により垂直積層型キャパシタの第3の引出部の幅W1と上記第3の引出部と連結される第3の外部電極の幅W2との比(W1/W2)の値による等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)及び短絡発生数による信頼性を比較したものである。
【0143】
上記短絡発生数による信頼性は試料50個に対して短絡発生数を測定して評価し、第1の内部電極の第1及び第2の引出部がそれぞれ第2の内部電極の第3の引出部と離隔した所定の間隔Gを0、20、50μmに固定した状態で測定した。
【0144】
【表2】
*:比較例
【0145】
上記表2を参照すると、比較例であるサンプル11、15、16、20、21及び25は、第3の引出部の幅W1と上記第3の引出部と連結される第3の外部電極の幅W2との比(W1/W2)が本発明の数値範囲を外れるものであり、短絡不良が発生したことから信頼性に問題があり、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が高いことから問題があることが分かる。
【0146】
これに対し、実施例であるサンプル12〜14、17〜19及び22〜24は、本発明の数値範囲を満たすものであり、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くて短絡発生がないことから信頼性に優れることが分かる。
【0147】
積層セラミックキャパシタの実装基板
図8は、
図5の積層セラミックキャパシタが印刷回路基板に実装された態様を示した斜視図である。
【0148】
図8を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタ200の実装基板300は、積層セラミックキャパシタ200が垂直に実装される印刷回路基板310と、印刷回路基板310の上面に離隔して形成された第1から第3の電極パッド321、322、323と、を含む。
【0149】
この際、積層セラミックキャパシタ200は、第1、第2及び第5の外部電極231、232、235がそれぞれ第1、第2の電極パッド321、322及び第3の電極パッド323上に接触するように位置した状態でハンダによって印刷回路基板310と電気的に連結されることができる。
【0150】
なお、上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴と重複する内容についてはその説明を省略する。
【0151】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。