特開2015-233048(P2015-233048A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-233048(P2015-233048A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20151201BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20151201BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20151201BHJP
【FI】
   H01L33/00 410
   F21S2/00 311
   F21S2/00 100
   F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-118665(P2014-118665)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江高 恵一
【テーマコード(参考)】
3K243
5F142
【Fターム(参考)】
3K243AA01
3K243AB01
3K243AC06
3K243BA09
3K243CD00
3K243MA01
5F142AA22
5F142AA23
5F142BA24
5F142CA03
5F142CB13
5F142CE02
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142DA02
5F142DA03
5F142DA12
5F142DA22
5F142DA32
5F142DA73
5F142GA11
5F142GA21
5F142HA03
5F142HA05
(57)【要約】
【課題】輝度に関して使用可能な発光素子を制限することなく、所望の色合いの光で発光させることが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は青色の波長域帯の光を出射する青色発光素子3と、青色の波長域帯とは異なる第1の波長域帯を含む光を出射する第1発光素子4と、第1の波長域帯を含む光で発光する第1蛍光体11と、青色及び第1の波長域帯とは異なる第2の波長域帯を含む光で発光する第2蛍光体12と、を備える。第1発光素子4及び第1蛍光体11の発光色が赤色または緑色のうち赤色であり、第2蛍光体12の発光色が赤色または緑色のうち緑色である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色の波長域帯の光を出射する青色発光素子と、
青色の波長域帯とは異なる第1の波長域帯を含む光を出射する第1発光素子と、
第1の波長域帯を含む光で発光する第1蛍光体と、
青色及び第1の波長域帯とは異なる第2の波長域帯を含む光で発光する第2蛍光体と、
を備え、
第1発光素子及び第1蛍光体の発光色が赤色または緑色のうち一方であり、第2蛍光体の発光色が赤色または緑色のうち他方である発光装置。
【請求項2】
第1発光素子及び第1蛍光体が生成する赤色光が620nm以上680nm未満の発光ピーク波長及び半値幅40nm以下となる発光スペクトルを有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
第1発光素子及び第1蛍光体が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅80nm以下となる発光スペクトルを有する請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
第1発光素子及び第1蛍光体が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅50nm以下となる発光スペクトルを有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.330≦x≦0.380、且つ0.295≦y≦0.370の領域内の色の光で発光する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.230≦x≦0.300、且つ0.200≦y≦0.270の領域内の色の光で発光する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる色の光を出射する複数の発光素子を用いた白色光で発光する発光装置が知られている。このような発光装置に係る従来技術が例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された従来の発光装置(LEDランプ)は青色発光LED素子と、赤色発光LED素子と、青色と赤色との間の波長帯域で発光する蛍光体と、を備え、白色光で発光する。青色と赤色との間の波長帯域で発光する蛍光体としては、例えば黄色蛍光体や緑色蛍光体が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−80046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、赤色発光LED素子は個体ごとの輝度のばらつきが比較的大きい場合があり、上記従来の発光装置の白色光の色合いにもばらつきが生じる可能性がある。使用する赤色発光LED素子の輝度の範囲をある程度狭く設定すれば白色光の色合いのばらつきを抑制することができるが、使用可能な赤色発光LED素子が厳しく制限されて発光装置の製造効率が低下する虞がある。これに関しては、緑色発光LED素子でも同様のことが起こり得る。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、輝度に関して使用可能な発光素子を厳しく制限することなく、所望の色合いの範囲内でその色合いのばらつきをできるだけ小さくすることが可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の発光装置は、青色の波長域帯の光を出射する青色発光素子と、青色の波長域帯とは異なる第1の波長域帯を含む光を出射する第1発光素子と、第1の波長域帯を含む光で発光する第1蛍光体と、青色及び第1の波長域帯とは異なる第2の波長域帯を含む光で発光する第2蛍光体と、を備え、第1発光素子及び第1蛍光体の発光色が赤色または緑色のうち一方であり、第2蛍光体の発光色が赤色または緑色のうち他方である。
【0008】
この構成によれば、発光色が赤色または緑色である第1発光素子の個体ごとの輝度のばらつきが比較的大きい場合であっても、第1蛍光体でその輝度のばらつきが調整される。したがって、第1発光素子に係る発光装置において、所望の白色光の色合いの範囲内でその白色光の色合いのばらつきが抑制される。そして、使用可能な第1発光素子についての厳しい制限が解消されて発光装置の製造効率が向上する。
【0009】
また、上記構成の発光装置において、第1発光素子及び第1蛍光体が生成する赤色光が620nm以上680nm未満の発光ピーク波長及び半値幅40nm以下となる発光スペクトルを有する。
【0010】
この構成によれば、例えば食肉用照明の発光装置として好適な特性が得られ、食肉が本来有する新鮮さが強調される。
【0011】
また、上記構成の発光装置において、第1発光素子及び第1蛍光体が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅80nm以下となる発光スペクトルを有する。
【0012】
この構成によれば、例えば食肉用照明の発光装置として好適な特性が得られ、食肉が本来有する新鮮さが強調される。
【0013】
また、上記構成の発光装置において、第1発光素子及び第1蛍光体が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅50nm以下となる発光スペクトルを有する。
【0014】
この構成によれば、例えばバックライト用の発光装置として好適な特性が得られ、鮮明な画像、映像が提供される。
【0015】
また、上記構成の発光装置において、国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.330≦x≦0.380、且つ0.295≦y≦0.370の領域内の色の光で発光する。
【0016】
この構成によれば、例えば食肉用照明の発光装置として好適な特性を有する所望の色度の範囲内で白色光の色合いのばらつきが抑制される。
【0017】
また、上記構成の発光装置において、国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.230≦x≦0.300、且つ0.200≦y≦0.270の領域内の色の光で発光する。
【0018】
この構成によれば、例えばバックライト用の発光装置として好適な特性を有する所望の色度の範囲内で白色光の色合いのばらつきが抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の構成によれば、輝度に関して使用可能な発光素子を厳しく制限することなく、所望の色合いの範囲内でその色合いのばらつきをできるだけ小さくすることが可能な発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態の発光装置の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態の発光装置の断面図である。
図3】本発明の第1実施形態の発光装置の発光色を示すxy色度図である。
図4】本発明の第1実施形態の発光装置の発光色を示すxy色度図である。
図5】本発明の第1実施形態の発光装置の発光スペクトルを示す図である。
図6】本発明の第2実施形態の発光装置の発光スペクトルを示す図である。
図7】本発明の第2実施形態の発光装置の発光色を示すxy色度図である。
図8】本発明の第2実施形態の発光装置の発光色を示すxy色度図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図1図8に基づき説明する。
【0022】
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の発光装置について、図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は発光装置の斜視図及び断面図である。なお、図1は後述する封止樹脂の描画を省略している。
【0023】
発光装置1は、図1及び図2に示すように枠体2に搭載される青色発光素子3及び赤色の第1発光素子4を備える。青色発光素子3は青色の波長域帯の光を出射する。第1発光素子4は第1の波長域帯(赤色の波長域帯)を含む光を出射する。青色発光素子3及び第1発光素子4は例えば半導体を用いて形成されたLEDチップからなる。
【0024】
枠体2は外形が略直方体形状をなし、凹部5を備える。凹部5は枠体2の内部から図2における枠体2の上面方向に向かって広口となるように傾斜した側面を有し、枠体2の上面において開口となる。青色発光素子3(青色LED)及び第1発光素子4(赤色LED)はこの凹部5の内底部に配置される。
【0025】
青色発光素子3(青色LED)及び第1発光素子4(赤色LED)が照射する光の一部は凹部5の傾斜した側面で反射される。発光装置1の光の取り出し効率を向上させるため、枠体2は反射率がより高い材料であることが望ましい。
【0026】
枠体2の下部には基板6及び端子部7が敷設される。基板6及び端子部7は正負の電極として機能するように対をなして構成され、それらの間に形成された絶縁部2aを隔てて互いに離隔する。基板6及び端子部7はいずれもそれらの一端部が凹部5の内底部に位置するように設けられる。
【0027】
青色発光素子3(青色LED)及び第1発光素子4(赤色LED)は基板6の上面に載置される。青色発光素子3(青色LED)及び第1発光素子4(赤色LED)は基板6と端子部7との間でワイヤ8、9及び不図示のワイヤを用いて電気的に直列接続される。
【0028】
青色発光素子3(青色LED)、第1発光素子4(赤色LED)及びワイヤ8、9はそれらの周囲が封止樹脂10によって覆われる。封止樹脂10は枠体2の凹部5を満たすように凹部5に充填される。封止樹脂10は、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透光性の樹脂からなる。
【0029】
封止樹脂10には第1蛍光体11及び第2蛍光体12が混入され、分散される。第1蛍光体11は赤色の波長域帯(第1の波長域帯)を含む光で発光する赤色蛍光体である。第2蛍光体12は緑色の波長域帯(第2の波長域帯)を含む光で発光する緑色蛍光体である。なお、封止樹脂10には第1蛍光体11(赤色蛍光体)及び第2蛍光体12(緑色蛍光体)のほか、例えば酸化アルミニウム、シリカなどの無機材料や、フッ素系樹脂などの有機材料からなる粒子状の拡散材を必要に応じて分散しても良い。
【0030】
続いて、発光装置1の詳細な構成について、図3図5を用いて説明する。図3及び図4は発光装置1の発光色を示すxy色度図であり、図5は発光装置1の発光スペクトルを示す図である。なお、図3図4の詳細図である。
【0031】
図3及び図4は国際照明委員会が定めるxy色度図の一部を示している。ここで、赤色LEDからなる第1発光素子4は個体ごとの輝度のばらつきが比較的大きい場合がある。これにより、例えば図3の各点が示すように、赤色LEDの製品単位(ロット1、ロット2及びロット3)で、発光装置の発光色がばらつくことがある。
【0032】
これに対して、本実施形態の発光装置1は図5に実線で示した発光スペクトルを有する。図5の横軸は光の波長(nm)を示し、縦軸は光の相対強度を示す。発光装置1は第1発光素子4(赤色LED)及び第1蛍光体11(赤色蛍光体)が生成する赤色光が620nm以上680nm未満の発光ピーク波長及び半値幅40nm以下となる発光スペクトルを有する。
【0033】
ここで、図5に破線で示した発光スペクトルは、赤色光を得るために赤色LEDのみを使用し、赤色蛍光体を使用していない比較例の発光装置の発光スペクトルを表す。すなわち、比較例の発光装置は青色LED、赤色LED及び緑色蛍光体を使用している。
【0034】
本実施形態の発光装置1では、第1発光素子4(赤色LED)の個体ごとの輝度のばらつきが比較的大きい場合であっても、第1蛍光体11(赤色蛍光体)でその輝度のばらつきを調整することができる。これにより、図5に示すように、所望の赤色光を得るために厳選した赤色LEDのみを使用した比較例の発光装置の場合と同等の発光スペクトルを得ることができる。
【0035】
そして、発光装置1は図3及び図4に示した四角形で囲まれる領域内の色の光で発光する。図3及び図4に示した四角形は国際照明委員会が定めるxy色度図上の、点A(0.3475,0.3105)と点B(0.3495,0.3255)とを結ぶ直線、点Bと点C(0.3600,0.3350)とを結ぶ直線、点Cと点D(0.3580,0.3200)とを結ぶ直線及び点Dと点Aとを結ぶ直線からなる。また、図3及び図4に示した四角形は、図4に示した国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.330≦x≦0.380、且つ0.295≦y≦0.370の領域内に含まれる。
【0036】
図3によれば、ロット1(図3の●印)の赤色LEDを使用した発光装置は点A、点B、点C及び点Dを結ぶ直線(四角形)で囲まれる領域内の色の光で発光する。しかしながら、ロット2(図3の○印)及びロット3(図3の◆印)の赤色LEDを使用した発光装置には図3に示した四角形で囲まれる領域内の色の光で発光しないものがある。
【0037】
そこで、例えば図3のロット3(図3の◆印)の第1発光素子4(赤色LED)に対して第1蛍光体11(赤色蛍光体)を適用することで、発光装置1の白色光の色合いのばらつきが抑制され、所望の色合いの光が得られる(図3の◇印)。
【0038】
図示していないが、ロット2(図3の○印)の赤色LEDについても好適な赤色蛍光体を適用することで、図3に示した四角形で囲まれる領域内の色の光にすることが可能である。なお、赤色LEDの製品単位(ロット)に応じて好適な赤色蛍光体の材料や封止樹脂10への混入量等を設定すれば良い。
【0039】
上記のように、本発明の実施形態の発光装置1は青色の波長域帯の光を出射する青色発光素子3と、青色の波長域帯とは異なる第1の波長域帯を含む光を出射する第1発光素子4と、第1の波長域帯を含む光で発光する第1蛍光体11と、青色及び第1の波長域帯とは異なる第2の波長域帯を含む光で発光する第2蛍光体12と、を備える。そして、第1発光素子4及び第1蛍光体11の発光色が赤色または緑色のうち赤色であり、第2蛍光体12の発光色が赤色または緑色のうち緑色である。
【0040】
この構成によれば、第1発光素子4(赤色LED)の個体ごとの輝度のばらつきが比較的大きい場合であっても、第1蛍光体11(赤色蛍光体)でその輝度のばらつきを調整することができる。したがって、赤色LEDに係る発光装置1において、所望の白色光の色合いの範囲内でその白色光の色合いのばらつきを抑制することが可能である。そして、使用可能な第1発光素子4(赤色LED)についての厳しい制限を解消することができ、発光装置1の製造効率を向上させることが可能である。
【0041】
また、発光装置1は第1発光素子4(赤色LED)及び第1蛍光体11(赤色蛍光体)が生成する赤色光が620nm以上680nm未満の発光ピーク波長及び半値幅40nm以下となる発光スペクトルを有する。この構成によれば、例えば食肉用照明の発光装置1として好適な特性を得ることができ、食肉が本来有する新鮮さを強調することが可能である。
【0042】
また、発光装置1は国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.330≦x≦0.380、且つ0.295≦y≦0.370の領域内の色の光で発光する。この構成によれば、例えば食肉用照明の発光装置1として好適な特性を有する所望の色度の範囲内で白色光の色合いのばらつきを抑制することが可能である。
【0043】
なお、食肉用照明の発光装置1としては、第1発光素子4及び第1蛍光体11を緑色の波長域帯を含む光を出射または発光する緑色LED及び緑色蛍光体とし、第1発光素子4(緑色LED)及び第1蛍光体11(緑色蛍光体)が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅80nm以下となる発光スペクトルを有するよう構成しても良い。この構成においても、食肉用照明の発光装置1として好適な特性を得ることができ、食肉が本来有する新鮮さを強調することが可能である。
【0044】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の発光装置について、図6図8を用いて説明する。図6は発光装置の発光スペクトルを示す図であり、図7及び図8は発光装置の発光色を示すxy色度図である。なお、図7図8の詳細図である。また、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付してその説明を省略するものとする。
【0045】
第2実施形態の発光装置1は、第1発光素子4が緑色の波長域帯を含む光を出射する例えば緑色LEDからなる。また、第1蛍光体11は緑色の波長域帯を含む光で発光する緑色蛍光体である。第2蛍光体12は赤色の波長域帯を含む光で発光する赤色蛍光体である。
【0046】
そして、第2実施形態の発光装置1は図6に実線で示した発光スペクトルを有する。発光装置1は第1発光素子4(緑色LED)及び第1蛍光体11(緑色蛍光体)が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅50nm以下となる発光スペクトルを有する。
【0047】
第2実施形態の発光装置1では、第1発光素子4(緑色LED)の個体ごとの輝度のばらつきが比較的大きい場合であっても、第1蛍光体11(緑色蛍光体)でその輝度のばらつきを調整することができる。これにより、図6に示すように、所望の緑色光を得るために厳選した緑色LEDのみを使用した比較例の発光装置の場合と同等の発光スペクトルを得ることができる。
【0048】
そして、発光装置1は図7及び図8に示した四角形で囲まれる領域内の色の光で発光する。図7及び図8に示した四角形は国際照明委員会が定めるxy色度図上の、点E(0.2462,0.2070)と点F(0.2549,0.2022)とを結ぶ直線、点Fと点G(0.2712,0.2360)とを結ぶ直線、点Gと点H(0.2625,0.2408)とを結ぶ直線及び点Hと点Eとを結ぶ直線からなる。また、図7及び図8に示した四角形は、図8に示した国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.230≦x≦0.300、且つ0.200≦y≦0.270の領域内に含まれる。
【0049】
図7によれば、ロット4(図7の●印)の緑色LEDを使用した発光装置は点E、点F、点G及び点Hを結ぶ直線(四角形)で囲まれる領域内の色の光で発光する。しかしながら、ロット5(図7の◆印)の緑色LEDを使用した発光装置には図7に示した四角形で囲まれる領域内の色の光で発光しないものがある。
【0050】
そこで、例えば図7のロット5(図7の◆印)の第1発光素子4(緑色LED)に対して第1蛍光体11(緑色蛍光体)を適用することで、発光装置1の白色光の色合いのばらつきが抑制され、所望の色合いの光が得られる(図7の◇印)。なお、緑色LEDの製品単位(ロット)に応じて好適な緑色蛍光体の材料や封止樹脂10への混入量等を設定すれば良い。
【0051】
上記のように、第2実施形態の発光装置1は第1発光素子4及び第1蛍光体11の発光色が赤色または緑色のうち緑色であり、第2蛍光体12の発光色が赤色または緑色のうち赤色であって、第1発光素子4(緑色LED)及び第1蛍光体11(緑色蛍光体)が生成する緑色光が510nm以上560nm未満の発光ピーク波長及び半値幅50nm以下となる発光スペクトルを有する。
【0052】
この構成によれば、第1発光素子4(緑色LED)に対して第1蛍光体11(緑色蛍光体)を適用することで、緑色LEDに係る発光装置1において、所望の白色光の色合いの範囲内でその白色光の色合いのばらつきを抑制することが可能である。そして、例えばバックライト用の発光装置1として好適な特性を得ることができ、鮮明な画像、映像を提供することが可能である。
【0053】
また、発光装置1は国際照明委員会が定めるxy色度図上の、0.230≦x≦0.300、且つ0.200≦y≦0.270の領域内の色の光で発光する。この構成によれば、例えばバックライト用の発光装置1として好適な特性を有する所望の色度の範囲内で白色光の色合いのばらつきを抑制することが可能である。
【0054】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は発光装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 発光装置
2 枠体
3 青色発光素子
4 第1発光素子
10 封止樹脂
11 第1蛍光体
12 第2蛍光体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8