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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-233056(P2015-233056A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20151201BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   H01L29/78 301D
   H01L29/78 301S
   H01L29/78 301R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-118729(P2014-118729)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108914
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
(72)【発明者】
【氏名】片倉 英明
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA25
5F140AA39
5F140AB04
5F140AC21
5F140BA01
5F140BA02
5F140BA06
5F140BC06
5F140BD01
5F140BD07
5F140BD19
5F140BE07
5F140BE10
5F140BE11
5F140BF01
5F140BF04
5F140BF44
5F140BF54
5F140BH12
5F140BH14
5F140BH18
5F140BH30
5F140BH47
5F140BH49
5F140BH50
5F140BJ27
5F140BK13
5F140BK21
5F140CA03
5F140CB01
5F140CB10
5F140CC03
(57)【要約】
【課題】デバイス耐圧を確保しつつ、小型化を図ることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】第1導電型のチャネル形成領域2と、チャネル形成領域の上部の一部に配置された第2導電型の第1主電極領域10と、チャネル形成領域の上部に第1主電極領域から離間して配置され、第1主電極領域からのキャリアが走行する第2導電型のドリフト領域3と、ドリフト領域の上部の一部に配置され、第1主電極領域からのキャリアを受け入れる第2導電型の第2主電極領域11と、ドリフト領域の端部に第1主電極領域から離間して配置された、ドリフト領域よりも高濃度の第2導電型のストッパ領域4と、を備え、ストッパ領域がチャネル形成領域とドリフト領域とが構成するpn接合界面の空乏層20aの広がりを抑制する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のチャネル形成領域と、
前記チャネル形成領域の上部の一部に配置された第2導電型の第1主電極領域と、
前記チャネル形成領域の上部に前記第1主電極領域から離間して配置され、前記第1主電極領域からのキャリアが走行する第2導電型のドリフト領域と、
前記ドリフト領域の上部の一部に配置され、前記第1主電極領域からのキャリアを受け入れる第2導電型の第2主電極領域と、
前記ドリフト領域の端部に前記第1主電極領域から離間して配置された、前記ドリフト領域よりも高濃度の第2導電型のストッパ領域と、
を備え、
前記ストッパ領域が前記チャネル形成領域と前記ドリフト領域とが構成するpn接合界面の空乏層の広がりを抑制することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
ストライプ状の第2主電極領域用窓部を有するフィールド絶縁膜を更に備え、
前記第2主電極領域用窓部の内部において、前記ドリフト領域の中央部に前記第2主電極領域が配置され、
前記第2主電極領域用窓部の周辺に沿って、前記ドリフト領域が前記第2主電極領域用窓部側から前記フィールド絶縁膜の下方にまで延在することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記フィールド絶縁膜の下方に位置する前記ドリフト領域の端部に、前記ストッパ領域が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ストッパ領域の直上の位置となる前記フィールド絶縁膜の上面に、前記空乏層が広がる方向の電圧が印加される表面配線を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ストライプ状の第2主電極領域用窓部の長手方向に直交する方向において、前記フィールド絶縁膜が、前記第2主電極領域用窓部から離間して、前記第2主電極領域用窓部を挟む位置に、ストライプ状の第1主電極領域用窓部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記長手方向に直交する方向において、前記第1主電極領域用窓部の内部の中央部において、前記チャネル形成領域の上部に、前記ドリフト領域から離間して、前記第1主電極領域が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ドリフト領域と前記第1主電極領域との間の前記チャネル形成領域の表面に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
を更に備え、
前記ゲート電極に電圧を印加することにより、前記チャネル形成領域の表面に前記キャリアが移動するチャネルを形成することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記長手方向に沿って、前記フィールド絶縁膜の下方となる前記ドリフト領域の端部に、前記ストッパ領域が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ストッパ領域の直上の位置となる前記フィールド絶縁膜の上面に、前記ゲート電極と同電位の電圧が印加される表面配線を更にそなえることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ゲート電極と前記表面配線が同一配線層として構成されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
第1導電型のチャネル形成領域と、
前記チャネル形成領域上に形成されたフィールド絶縁膜及びゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜を介在して前記チャネル形成領域上を第1方向に沿って延在し、前記第1方向と直交する第2方向に沿って周期的に配置された複数のゲート電極と、
前記フィールド絶縁膜上を前記第2方向に沿って延在し、前記複数のゲート電極の一端側を互いに連結する第1ゲート配線と、
前記チャネル形成領域の上部の前記複数のゲート電極のうちの一対のゲート電極に挟まれた領域を含む、前記一対のゲート電極の下方に設けられた第2導電型のドリフト領域と、
前記チャネル形成領域の上部に設けられ、かつ前記第2方向において前記一対のゲート電極の外側を挟むように配置された一対の第2導電型の第1主電極領域と、
前記ドリフト領域の表面に設けられ、前記ドリフト領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の第2主電極領域と、
前記ドリフト領域の内部において前記第2主電極領域から離間して前記第1ゲート配線下に設けられ、前記ドリフト領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の第1ストッパ領域と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記第1ストッパ領域は、前記第2主電極領域側の端が前記第1ゲート配線の前記第2主電極領域側の端よりも前記第2主電極領域側に位置していることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1ストッパ領域は、前記第2方向に沿って点在するように複数個設けられていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1ストッパ領域の底部は、前記ドリフト領域の底部よりも深いことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記フィールド絶縁膜は、前記第1主電極領域と前記第2主電極領域との間に形成され、
前記ゲート電極は、前記第2主電極領域側が前記フィールド絶縁膜上に乗り上がっていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1主電極領域及び第2主電極領域は、前記第2方向に沿って交互に周期的に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記フィールド絶縁膜は、前記第1方向に沿って延在し、前記第2方向に周期的に配列された複数の窓部を有してはしご型に形成されていることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記ゲート絶縁膜は、前記第2方向に沿って前記複数の窓部の内部に1行おきに配置されていることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第2主電極領域は、前記ゲート絶縁膜が配置されていない前記複数の窓部の残余の行に周期的に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第2方向に沿って前記フィールド絶縁膜上を延在し、かつ前記複数のゲート電極の一端側とは反対側の他端側に連結された第2ゲート配線と、
前記ドリフト領域の内部において前記第2主電極領域から離間して前記第2ゲート電極下に設けられ、前記ドリフト領域よりも不純物濃度が高い第2ストッパ領域と、
を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、オフセットゲート構造の電界効果トランジスタを集積化した半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力増幅回路、電源回路、コンバータ或いは電源保護回路などに用いられるパワートランジスタとして、例えば横型パワーMOSFETが知られている。この横型パワーMOSFETに関して、特許文献1には、ゲート電極のドレイン領域側にフィールド絶縁膜を形成し、さらにドレイン領域の周辺にこのドレイン領域よりも低不純物濃度のオフセット(ドリフト)領域を形成することにより、耐圧を高くするための高電界を緩和する方法が開示されている。
また、特許文献2には、オフセット領域とドレイン領域との境界部での不純物濃度を高くすることにより、チャネル形成領域とオフセット領域とのpn接合部の界面で生じる空乏層が広かった(伸びた)ときに、オフセット領域とドレイン領域との境界で起こる電界集中を緩和する方法が開示されている。
【0003】
横型パワーMOSFETにおいては、ゲート電極の長手方向と直交する短手方向(ゲート長方向)に沿ってソース領域とドレイン領域とを交互にそれぞれ複数配置したレイアウトになっている。これは、オン抵抗を下げるためにチャネル幅を長くした場合に、ドレイン領域を共通化することで面積を縮小することを目的としている。そして、ソース領域とドレイン領域との間にはゲート電極が配置されており、各ゲート電極はソース領域及びドレイン領域の外側においてゲート電極の短手方向に沿ってフィールド絶縁膜上を延在するゲート配線と一体に連結されている。
なお、オフセット領域とドレイン領域とで起こる電界集中について、特許文献2では、ゲート配線のフィールドプレート効果によりデバイスの一部だけで起こるようなケースについては開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−324159号公報
【特許文献2】特開平7−28832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、デバイス耐圧を確保しつつ、小型化を図ることができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る半導体装置は、第1導電型のチャネル形成領域と、チャネル形成領域の上部の一部に配置された第2導電型の第1主電極領域と、チャネル形成領域の上部に第1主電極領域から離間して配置され、第1主電極領域からのキャリアが走行する第2導電型のドリフト領域と、ドリフト領域の上部の一部に配置され、第1主電極領域からのキャリアを受け入れる第2導電型の第2主電極領域と、ドリフト領域の端部に第1主電極領域から離間して配置された、ドリフト領域よりも高濃度の第2導電型のストッパ領域と、を備え、ストッパ領域がチャネル形成領域とドリフト領域とが構成するpn接合界面の空乏層の広がりを抑制することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チャネル形成領域と第2主電極領域との間の耐圧(デバイス耐圧)を確保しつつ、半導体装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す要部平面図である。
図2図1の第1及び第2金属配線を除去した状態を示す平面図である。
図3図2のゲート配線及びゲート電極を除去した状態を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す要部断面図((a)は図1のIIA−IIA線に沿う断面構造を示す断面図,(b)は図1のIIB−IIB線に沿う断面構造を示す断面図)である。
図5】本発明の一実施形態に係る半導体装置と従来の横型MOSFETとの耐圧シミュレーション結果を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る半導体装置において、チャネル形成領域とオフセット領域とのpn接合部界面で生じる空乏層の広がりを示す断面図である。
図7】従来の横型MOSFETにおいて、チャネル形成とドリフト領域とのpn接合部界面で生じる空乏層の広がりを示す断面図((a)はゲート配線を第2主電極領域から離した場合の断面図,(b)はゲート配線を第2主電極領域に近づけた場合の断面図)である。
図8】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図((a)は図1のIIA−IIA線に対応する位置での断面図,(b)は図1のIIB−IIB線に対応する位置での断面図)である。
図9】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図((a)は図1のIIA−IIA線に対応する位置での断面図,(b)は図1のIIB−IIB線に対応する位置での断面図)である。
図10】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図((a)は図1のIIA−IIA線に対応する位置での断面図,(b)は図1のIIB−IIB線に対応する位置での断面図)である。
図11】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図((a)は図1のIIA−IIA線に対応する位置での断面図,(b)は図1のIIB−IIB線に対応する位置での断面図)である。
図12】本発明の一実施形態に係る半導体装置の第1の変形例を示す平面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る半導体装置の第2の変形例を示す断面(図1のIIA−IIA線に対応する位置での断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
パワートランジスタにおいても更なる小型化が要求されている。上述の横型パワーMOSFETにおいては、フィールド絶縁膜上を延在するゲート配線をドレイン領域に近づけることで小型化を図ることができる。
しかしながら、本発明者らは、ゲート配線とドレイン領域との距離が1μm以下になると、デバイス耐圧(チャネル形成領域/ドレイン領域間耐圧)が低下することを見出した。このデバイス耐圧の低下は、フィールド絶縁膜上のゲート配線によるフィールドプレート効果により、ゲート配線下においてチャネル形成領域とドレイン領域とのpn接合部界面で生じる空乏層がドレイン領域まで広がって(伸びて)しまい、ドレイン領域のゲート配線側のエッジ部で電界集中することで起こる。
そこで、本発明者らは、ゲート配線下のドリフト(オフセット)領域に着目し、本発明をなした。
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
本明細書において、「主電極領域」とは、電界効果トランジスタ(FET)においてソース領域又はドレイン領域の何れか一方となる低比抵抗の半導体領域を意味する。IGBTにおいてはエミッタ領域又はコレクタ領域の何れか一方となる半導体領域を意味するので「半導体装置」に依拠した名称となる。より具体的には、上記の「一方となる半導体領域」を「第1主電極領域」として定義すれば、「他方となる半導体領域」は、「第2主電極領域」となる。すなわち、「第2主電極領域」とは、FET,SITにおいては第1主電極領域とはならないソース領域又はドレイン領域の何れか一方となる半導体領域、IGBTにおいては第1主電極領域とはならないエミッタ領域又はコレクタ領域の何れか一方となる半導体領域を意味する。以下の一実施形態では、横型MOFETに着目して説明するので、ソース領域を「第1主電極領域」、ドレイン領域を「第2主電極領域」と呼ぶ。
【0011】
以下の一実施形態の説明では、第1導電型がp型、第2導電型がn型の場合について例示的に説明するが、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をn型、第2導電型をp型としても構わない。
また、本明細書及び添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子又は正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+及び−は、+及び−の付記されていない半導体領域に比してそれぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。
なお、以下の一実施形態の説明及び添付図面において、同様の構成には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
また、一実施形態で説明される添付図面は、見易く又は理解し易くするために正確なスケール、寸法比で描かれていない。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する一実施形態に記載に限定されるものではない。
以下の一実施形態では、本発明の「半導体装置」の代表例として横型MOSFETに着目して例示的に説明する。また、以下の一実施形態では、同一平面内で互いに直交する第1及び第2方向をそれぞれX方向及びY方向と呼ぶ。図1乃至図3図12では、水平方向をX方向、垂直方向をY方向と定義している。また、図4図8乃至図11では、(a)において水平方向をX方向、(b)において水平方向をY方向と定義し、図13では水平方向をY方向と定義している。
【0013】
図1乃至図4((a),(b))に示すように、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、例えば単結晶シリコンからなる第2導電型(n型)の半導体基板1を主体にした横型MOSFETである。また、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、詳細に図示していないが、半導体基板1の主面に形成された微細な複数のトランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1を電気的に並列に接続して大電力を得る構成になっている。図1及び図2には、便宜上4つのトランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1が集積化された例を示すが、トランジスタセルQの数は4つに限定されるものではない。
【0014】
トランジスタセルQは、主に、第1導電型(p型)のチャネル形成領域2と、ゲート絶縁膜7と、ゲート電極8と、ソース領域としての第2導電型(n型)の第1主電極領域10と、ドレイン領域としての第2導電型(n型)の第2主電極領域11と、第2導電型(n型)のドリフト領域3(オフセット領域)と、を有する構成になっている。
トランジスタセルQp+1は、主に、チャネル形成領域2と、ゲート絶縁膜7と、ゲート電極8p+1と、ソース領域としての第2導電型(n型)の第1主電極領域10j+1と、ドレイン領域としての第2主電極領域11と、ドリフト領域3と、を有する構成になっている。
【0015】
トランジスタセルQp−1は、主に、チャネル形成領域2と、ゲート絶縁膜7と、ゲート電極8p−1と、ソース領域としての第1主電極領域10と、ドレイン領域としての第2導電型(n型)の第2主電極領域11j−1図1図3参照)と、第2導電型(n型)のドリフト領域3j−1(オフセット領域)と、を有する構成になっている。
トランジスタセルQp−2は、主に、チャネル形成領域2と、ゲート絶縁膜7と、ゲート電極8p−2と、ソース領域としての(n型)の第1主電極領域10j−1と、ドレイン領域としての第2主電極領域11j−1と、ドリフト領域3j−1と、を有する構成になっている(図1図3参照)。
【0016】
すなわち、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、図1乃至図4((a),(b))に示すように、第2主電極領域11およびドリフト領域3をトランジスタセルQとQp+1とで共用し、第1主電極領域10をトランジスタセルQp−1とQとで共用した構成になっている。また、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、図1乃至図3に示すように、第2主電極領域11j−1及びドリフト領域3j−1をトランジスタセルQp−2とQp−1とで共用した構成になっている。
【0017】
トランジスタセルQ,Qp+1は、第1主電極領域10,10j+1からのキャリアがドリフト領域3を走行し、第1主電極領域10,10j+1からのキャリアを第2主電極領域11で受け入れる構成になっている。
同様に、トランジスタセルQp−2,Qp−1においても、第1主電極領域10j−1,10からのキャリアがドリフト領域3j−1を走行し、第1主電極領域10j−1,10からのキャリアを第2主電極領域11j−1で受け入れる構成になっている。
【0018】
図1乃至図4((a),(b))に示すように、半導体基板1の主面には、フィールド絶縁膜5が形成されている。このフィールド絶縁膜5は、例えば選択酸化法により半導体基板1の主面を酸化して作製された二酸化シリコン膜で形成されている。フィールド絶縁膜5は、主に、半導体基板1の主面において、素子間や主電極領域間を絶縁分離する。
フィールド絶縁膜5は、X方向に沿ってストライプ状に延在し、かつ同一平面内においてX方向と直交するY方向に沿って周期的に配列された複数の窓部6を有してはしご型に形成されている。複数の窓部6は、Y方向に沿って交互に周期的に配置された第1主電極領域用窓部6aj−1,6a,6aj+1及び第2主電極領域用窓部6bj−1,6bを含んでいる。
【0019】
ストライプ状の第1主電極領域用窓部6a及び6aj+1は、ストライプ状の第2主電極領域用窓部6bの長手方向(X方向)に直交する方向(Y方向)において、第2主電極領域用窓部6bから離間して、第2主電極領域用窓部6bを挟む位置に配置されている。また、第1主電極領域用窓部6aj−1及び6aは、ストライプ状の第2主電極領域用窓部6bj−1の長手方向に直交する方向において、第2主電極領域6bj−1から離間して、第2主電極領域用窓部6bj−1を挟む位置に配置されている。
【0020】
チャネル形成領域2は、半導体基板1の主面側の上部に配置されている。第1主電極領域10j−1,10,10j+1は、半導体基板1の主面側であってチャネル形成領域2の上部の一部に配置されている。ドリフト領域3j−1,3は、チャネル形成領域2の上部に第1主電極領域10j−1,10,10j+1から離間して配置されている。第2主電極領域11j−1,11は、ドリフト領域3j−1,3の上部の一部に配置されている。
【0021】
ドリフト領域3は、第1主電極領域用窓部6aと6aj+1との間においてチャネル形成領域2の上部に配置され、第2主電極領域用窓部6bの周辺に沿って第2主電極領域用窓部6b側からフィールド絶縁膜5下にまで延在する構成になっている。また、ドリフト領域3j−1においても、第1主電極領域用窓部6aj−1と6aとの間においてチャネル形成領域2の上部に配置され、第2主電極領域用窓部6bj−1の周辺に沿って第2主電極領域用窓部6bj−1側からフィールド絶縁膜5下にまで延在する構成になっている。ドリフト領域3j−1,3は、X方向に沿ってストライプ状に形成され、チャネル形成領域2の上部において島状に設けられている。
【0022】
第1主電極領域10は、第1主電極領域用窓部6aの内部において、チャネル形成領域2の上部にドリフト領域3j−1及び3から離間して配置されている。この第1主電極領域10は、第1主電極領域用窓部6aの長手方向に直交する方向(Y方向)において、第1主電極領域用窓部6aの中央部に配置されている。
また、第1主電極領域10j+1は、第1主電極領域用窓部6aj+1の内部において、チャネル形成領域2の上部にドリフト領域3から離間して配置されている。この第1主電極領域10j+1は、第1主電極領域用窓部6aj+1のY方向において、第1主電極領域用窓部6aj+1の中心からドリフト領域3側とは反対側に位置を偏心させた状態で配置されている。
【0023】
また、第1主電極領域10j−1は、第1主電極領域用窓部6aj−1の内部において、チャネル形成領域2の上部にドリフト領域3j−1から離間して配置されている。この第1主電極領域10j−1においても、第1主電極領域用窓部6aj−1のY方向において、第1主電極領域用窓部6aj−1の中心からドリフト領域3j−1側とは反対側に位置を偏心させた状態で配置されている。第1主電極領域10j−1,10,10+1は、X方向に沿ってストライプ状に形成され、チャネル形成領域2の上部において島状に設けられている。
【0024】
第2主電極領域11は、第2主電極領域用窓部6bの内部において、ドリフト領域3の中央部に配置されている。この第2主電極領域11は、第2主電極領域用窓部6bの内部全域に形成され、周辺が第2主電極領域用窓部6bj−1の周辺よりも外側に位置する平面サイズで形成されている。
また、第2主電極領域11j−1は、第2主電極領域用窓部6bj−1の内部において、ドリフト領域3j−1の中央部に配置されている。この第2主電極領域11j−1においても、第2主電極領域用窓部6bj−1の内部全域に形成され、周辺が第2主電極領域用窓部6bj−1の周辺よりも外側に位置する平面サイズで形成されている。第2主電極領域11j−1,11は、X方向に沿ってストライプ状に形成され、ドリフト領域3j−1,3の上部において島状に設けられている。
【0025】
ゲート絶縁膜7は、半導体基板1の主面に形成されている。ゲート絶縁膜7は、チャネル形成領域2の表面において、ドリフト領域3と第1主電極領域10との間、及び、ドリフト領域3と第1主電極領域10j+1との間にそれぞれ設けられている。また、ゲート絶縁膜7は、チャネル形成領域2の表面において、ドリフト領域3j−1と第1主電極領域10との間、及び、図示していないがドリフト領域3j−1と第1主電極領域10j−1との間にそれぞれ設けられている。すなわち、ゲート絶縁膜7は、Y方向に沿ってフィールド絶縁膜5の複数の窓部6の内部に1行おきに配置されている。また、第2主電極領域11j−1,11は、ゲート絶縁膜7が設けられていない複数の窓部6の残余の行に配置されている。
【0026】
ゲート絶縁膜7は、例えば熱酸化法により半導体基板1の表面に作製された二酸化シリコン膜(SiO)で形成されている。ゲート絶縁膜7としては、熱酸化法の他に化学的気相堆積(CVD)法による酸化シリコン膜や窒化シリコン(Si3)膜、或いはこれらの積層膜を用いることができるが、高耐圧が要求されるパワーデバイス(電力用半導体装置)においては緻密性に有利な熱酸化法による酸化シリコン膜を用いることが好ましい。
【0027】
本発明の一実施形態では、ゲート絶縁膜が酸化膜からなるMOS型のFETでトランジスタセルQ(Qp−1,Qp−2,Q,Qp+1)が構成された場合を説明しているが、トランジスタセルQとしては、ゲート絶縁膜が酸化シリコン膜や窒化シリコン膜、或いはこれらの積層膜などの絶縁膜からなるMIS型FETでも構わない。
ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の平面パターンは、図2に示すように、X方向に沿ってストライプ状に形成されている。ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1は、図4(b)に示すように、チャネル形成領域2上にゲート絶縁膜7を介在して形成され、かつX方向(ゲート幅方向)に沿って延在するストライプ部分の直下にチャネルが形成可能なように構成されている。ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1は、例えば不純物が添加された低比抵抗のドープドポリシリコン層で形成されている。
【0028】
X方向のストライプ部分となるゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の直下のチャネル形成領域2の表面には、ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1に印加される電圧に制御されてチャネルが形成される。このゲート電極8,8p+1下のチャネル及びドリフト領域3を通して第1主電極領域10,10j+1から第2主電極領域11にキャリアが移動する。また、このゲート電極p−2p−1下のチャネル及びドリフト領域3j−1を通して第1主電極領域10j−1,10から第2主電極領域11j−1にキャリアが移動する。
【0029】
図1乃至図4((a),(b))に示すように、ゲート電極8は、第1主電極領域10と第2主電極領域11との間において、フィールド絶縁膜5上及びゲート絶縁膜7上に配置されている。ゲート電極8p+1は、第1主電極領域10j+1と第2主電極領域11との間において、フィールド絶縁膜5上及びゲート絶縁膜7上に配置されている。ゲート電極p−1は、第1主電極領域10と第2主電極領域11j−1との間において、フィールド絶縁膜5上及びゲート絶縁膜7上に配置されている。ゲート電極8p−2は、第1主電極領域10j−1と第2主電極領域11j−1との間において、フィールド絶縁膜5上及びゲート絶縁膜7上に配置されている。すなわち、ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1は、第2主電極領域11j−1,11側がフィールド絶縁膜5上に乗り上がるようにして配置されている。
【0030】
第1主電極領域10j−1,10,10j+1及びドリフト領域3j−1,3の各々は、ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1のゲート長方向(Y方向)の両側に互いに離間して配置されている。ドリフト領域3j−1,3は、チャネル形成領域2の上部に第2主電極領域11j−1,11を囲むようにして配置され、かつ第2主電極領域11j−1,11よりも低不純物濃度で形成されている。
第1主電極領域10j−1,10,10j+1は、チャネル形成領域2の上部に周期的に配置されている。一方、第2主電極領域11j−1,11は、第1主電極領域10j−1,10,10j+1とは異なり、チャネル形成領域2の上部に配置されたドリフト領域3j−1,3の上部の中央部に配置されている。
【0031】
図2に示すように、本発明の一実施形態の半導体装置は、ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1のゲート長方向に沿って第1主電極領域(ソース領域)10j−1,10,10j+1と第2主電極領域(ドレイン領域)11j−1,11とを交互に周期的に複数配置したレイアウトになっている。これは、オン抵抗を下げるためにチャネル幅を長くした場合に、第2主電極領域(ドレイン領域)11j−1,11を共通化することでパワーデバイの面積を縮小して小型化を図ることを目的としている。そして、第1主電極領域10j−1と第2主電極領域11j−1との間,第1主電極領域10と第2主電極領域11j−1との間、第1主電極領域10と第2主電極領域11との間、第1主電極領域10j+1と第2主電極領域11との間にはケード電極8p−2,8p−1,8,8p+1がそれぞれ配置されており、各ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1は後述する第1及び第2ゲート配線9a,9bと一体に連結され、はしご型形状を構成している。
【0032】
図2乃至図4((a),(b))に示すように、ドリフト領域3は、複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1のうち、互いに隣り合う一対のゲート電極8,8p+1で挟まれた領域を含めて一対のゲート電極8,8p+1の下方に設けられている。また、ドリフト領域3j−1は、複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1のうち、互いに隣り合う一対のゲート電極8p−2,8p−1で挟まれた領域を含めて一対のゲート電極8,8p+1の下方に設けられている。
【0033】
図1図2及び図4((a),(b))に示すように、各ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の長手方向の一端側は、フィールド絶縁膜5上をY方向に沿って延在する表面配線としての第1ゲート配線9aと一体に連結されている。また、各ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の長手方向の一端側とは反対側の他端側は、フィールド絶縁膜5上をY方向に沿って延在する表面配線としての第2ゲート配線9bと一体に連結されている。第1及び第2ゲート配線9a,9bの各々は、各ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1と同一層で形成されている。第1及び第2ゲート配線9a,9bの各々は、パワーデバイスの小型化を図るため、従来の横型MOSFETと比較して第2主電極領域11j−1,11との距離が短い位置に配置されている。第1ゲート配線9aにはゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1に供給する電圧が印加され、第2ゲート配線9bにも第1ゲート配線9aと同電位の電圧が印加される。
【0034】
図4((a),(b))に示すように、半導体基板1の主面上には、ゲート電極8を覆うようにして例えば二酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜12が形成されている。層間絶縁膜12上には、第1主電極領域10j−1,10,10j+1と電気的に接続される第1主電極領域用の第1金属配線15と、第2主電極領域11j−1,11と電気的に接続される第2主電極領域用の第2金属配線16とが形成されている。第1及び第2金属配線15,16の各々は、同一配線層に形成され、例えばアルミニウム(Al)膜、又はAl−Si,Al−Cu,Al−Cu−Siなどのアルミ合金膜で形成されている。
【0035】
図1に示すように、第1金属配線15は、半導体基板1の主面に向かって平面視したとき、フィールド絶縁膜5上において、第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11の各々の一端側の外側をY方向に沿って延在する第1配線部分15aと、この第1配線部分15aからX方向に沿って各々の第1主電極領域10j−1,10,10j+1上を延在する複数の第2配線部分15bとを有する構成になっている。第1金属配線15の各々の第2配線部分15bは、層間絶縁膜12に埋め込まれた導電性プラグ13aを介して、対応する第1主電極領域10j−1,10,10j+1と電気的に接続されている。
【0036】
第2金属配線16は、半導体基板1の主面に向かって平面視したとき、フィールド絶縁膜5上において、第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11の各々の他端側の外側をY方向に沿って延在する第1配線部分16aと、この第1配線部分16aからX方向に沿って各々の第2主電極領域11j−1,11上を延在する複数の第2配線部分16bとを有する構成になっている。第2金属配線16の各々の第2配線部分16bは、層間絶縁膜12に埋め込まれた導電性プラグ13bを介して、対応する第2主電極領域11j−1,11と電気的に接続されている。
【0037】
図3及び図4((a),(b))に示すように、半導体基板1の主面にはチャネル形成領域2に囲まれてドリフト領域3j−1,3が島状に設けられ、このドリフト領域3j−1,3の内部には第2主電極領域11j−1,11が設けられている。また、ドリフト領域3j−1,3の内部には、第2主電極領域11j−1,11から離間してドリフト領域3j−1,3の端部の第1ゲート配線9a下に選択的に、かつドリフト領域3j−1,3よりも高不純物濃度の第1ストッパ領域4aj−1,4aが配置されている。
そして、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、図2及び図4((a),(b))に示すように、ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の両端側に第1ゲート配線9a及び第2ゲート配線9bが設けられているので、第2ゲート配線9b下にも第1ストッパ領域4aj−1,4aと同様の第2ストッパ領域4bj−1,4bが設けられている。
【0038】
すなわち、ドリフト領域3j−1,3の両端部には、ドリフト領域3j−1,3よりも不純物濃度が高い第1ストッパ領域4aj−1,4aと、第2ストッパ領域4bj−1,4bと、が対向して配置されている。第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの各々は、後で詳細に説明するが、電圧が印加された第1及び第2ゲート配線9a,9bによるフィールドプレート効果が生じても、第1および第2ゲート配線9a,9b下においてチャネル形成領域2とドリフト領域3j−1,3とが構成するpn接合部界面で生じる空乏層20a(図6参照)の第2主電極領域11j−1,11側への広がりを抑制する。
【0039】
ここで、別な表現をすると、第1ゲート配線9aは、第2主電極領域11j−1,11の一端側の外側において、フィールド絶縁膜5の下方となるドリフト領域3j−1,3の一端側の端部に配置されている。また、第2ゲート配線9bは、第2主電極領域11j−1,11の一端側とは反対側の他端側の外側において、フィールド絶縁膜5の下方となるドリフト領域3j−1,3の他端側の端部に配置されている。
【0040】
更に、別な表現をすると、第1ゲート配線9aは、第2主電極領域11j−1,11の一端側の外側において、第1ストッパ領域4aj−1,4aの直上の位置となるフィールド絶縁膜5の上面に配置されている。また、第2ゲート配線9bは、第2主電極領域11j−1,11の他端側の外側において、第2ストッパ領域4aj−1,4aの直上の位置となるフィールド絶縁膜5の上面に配置されている。
【0041】
第1ストッパ領域4aは、図2及び図4(a)に示すように、第2主電極領域11側の端4a1が第1ゲート配線9aの第2主電極領域11側の端9a1よりも第2主電極領域11側に位置している。また、第2ストッパ領域4bにおいても、1ストッパ領域4aと同様に、第2主電極領域11側の端4b1が第2ゲート配線9bの第2主電極領域11側の端9b1よりも第2主電極領域11側に位置している。
【0042】
また、詳細に図示していないが、第1ストッパ領域4aj−1においても、第1ストッパ領域4aと同様に、図2に示すように、第2主電極領域11j−1側の端4a1が第1ゲート配線9aの第2主電極領域11j−1側の端9a1よりも第2主電極領域11j−1側に位置している。また、第2ストッパ領域4bj−1においても、第2ストッパ領域4bと同様に、図2に示すように、第2主電極領域11j−1側の端4b1が第2ゲート配線9bの第2主電極領域11j−1側の端9b1よりも第2主電極領域11j−1側に位置している。
【0043】
第1ストッパ領域4a及び第2ストッパ領域4bの各々は、図4(a)に示すように、互いに概ね同一の深さ(厚み)で形成され、第2主電極領域11側とは反対側の端4a2,4b2及び底部4a3,4b3がチャネル形成領域2と接するようにして形成されている。また、第1ストッパ領域4a及び第2ストッパ領域4bの各々は、図3に示すように、長軸がY方向に沿って延在する楕円形状で形成され、長軸の長さは第2主電極領域11の幅よりも長くてドリフト領域3の幅と概ね同等の幅で形成されている。
【0044】
また、詳細に図示していないが、第1ストッパ領域4aj−1及び第2ストッパ領域4bj−1の各々においても、第1ストッパ領域4a及び第2ストッパ領域4bの各々と同様に、互いに概ね同一の深さ(厚み)で形成され、第2主電極領域11j−1側とは反対側の端及び底部がチャネル形成領域2と接するようにして形成されている。また、第1ストッパ領域4aj−1及び第2ストッパ領域4bj−1の各々は、第1ストッパ領域4a及び第2ストッパ領域4bの各々と同様に、図2及び図3に示すように、長軸がY方向に沿って延在する楕円形状で形成され、長軸の長さは第2主電極領域11j−1の幅よりも長くてドリフト領域3j−1の幅と概ね同等の幅で形成されている。
【0045】
ここで、各半導体領域の不純物濃度の一例を示す。
第1導電型(p型)のチャネル形成領域2は、例えば1×1016/cmから8×1016/cm程度の不純物濃度で形成されている。第2導電型(n型)の第1主電極領域(ソース領域)10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域(ドレイン領域)11j−1,11は、例えば1×1020/cmから4×1020/cm程度の不純物濃度で形成されている。ドリフト領域3,3j−1は、第2主電極領域11j−1,11よりも低不純物濃度で形成されており、例えば1×1016/cmから8×1016/cm程度の不純物濃度で形成されている。ドリフト領域3,3j−1の不純物濃度は、ゲート絶縁膜7下のドリフト領域3,3j−1表面で電界集中が起こらないような濃度で、さらにオン抵抗などを考慮して決める。また、第1ストッパ領域4a,4aj−1及び第2ストッパ領域4b,4bj−1は、第2主電極領域11j−1,11よりも低く、ドリフト領域3,3j−1よりも高い不純物濃度で形成されており、例えば2×1016/cmから2×1017/cm程度の不純物濃度で形成されている。
【0046】
このように構成されたトランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1は、第1主電極領域10j−1,10,10j+1に第1基準電圧(例えば0V)、第2主電極領域11j−1,11に第1基準電圧よりも高い第2基準電圧(例えば20V)をそれぞれ印加し、ゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1に制御電圧(例えば5V)を印加することによりゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1下のチャネル形成領域2にチャネルが形成され、このチャネル及びドリフト領域3j−1,3を通して第1主電極領域10j−1,10,10j+1から第2主電極領域11j−1,11にキャリアが移動する。このトランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1の動作時、第1及び第2ゲート配線9a,9bには、チャネル形成領域2とドリフト領域3j−1,3とのpn接合界面に生じる空乏層20a(図6参照)が広がる方向の電圧(制御電圧)が印加され、電位固定される。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態に係る半導体装置(横型MOSFET)と従来の横型MOSFETとの耐圧シミュレーション結果の一例を示す図である。図5において、本発明の一実施形態に係る半導体装置のデータは、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの不純物濃度をドリフト領域3j−1,3の不純物濃度の1.5倍にした場合のデータである。
図5に示すように、従来の横型MOSFETでは、ゲート配線109と第2主電極領域111との間の距離S2が1μm以下になると、チャネル形成領域102と第2主電極領域(ドレイン領域)111との間での耐圧低下が起こることがわかる。これに対して、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、第1及び第2ゲート配線9a,9bと第2主電極領域11との間の距離S1を0.3μmまで短くしても、チャネル形成領域2と第2主電極領域(ドレイン領域)11との間での耐圧低下は起こらないことがわかる。
【0048】
次に、本発明の一実施形態に係る半導体装置(横型MOSFET)の製造方法について、図8乃至図11を用いて説明する。
まず、図8(a)及び(b)に示す第2導電型(n型)の半導体基板1を準備する。
次に、図8(a)及び(b)に示すように、半導体基板1の主面に第1導電型(p型)のチャネル形成領域2を形成する。チャネル形成領域2は、半導体基板1の主面に不純物イオンとして例えばボロン(B)イオンを選択的にイオン注入し、その後、イオン注入された不純物イオンを活性化させる熱処理を施すことによって形成される。
【0049】
次に、図9(a)及び(b)に示すように、半導体基板1の主面の上部であってチャネル形成領域2の上部に第2導電型(n型)のドリフト領域3を形成すると共に、このドリフト領域3のX方向の両端側に第2導電型(n型)の第1及び第2ストッパ領域4a,4bを形成する。ドリフト領域3、第1及び第2ストッパ領域4a,4bは、チャネル形成領域2の上部にドリフト領域3を形成するための不純物イオンとして例えばリン(P)イオンを選択的にイオン注入し、その後、第1及び第2ストッパ領域4a,4bを形成するための不純物イオンとして例えばヒ素(As)イオンを選択的にイオン注入し、その後、これらの不純物イオンを活性化させる熱処理を施すことによって形成される。この工程において、詳細に図示していないが、チャネル形成領域2の上部に第2導電型(n型)のドリフト領域3j−1、このドリフト領域3j−1のX方向の両端側に第2導電型(n型)の第1及び第2ストッパ領域4aj−1,4bj−1も形成される。
【0050】
次に、図10(a)及び(b)に示すように、半導体基板1の主面に、選択酸化法で酸化シリコン膜からなるフィールド絶縁膜5を形成する。フィールド絶縁膜5は、半導体基板1の主面において、トランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1が形成されない非活性領域に形成されると共に、トランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1が形成される活性領域においては、主に、ゲート絶縁膜7、第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11が形成される領域を除いて選択的に形成される。また、フィールド絶縁膜5は、複数の窓部6(6aj−1,6bj−1,6a,6b,6aj+1)を有するはしご形状で形成される。
次に、図11(a)及び(b)に示すように、半導体基板1の主面において、フィール絶縁膜の窓部6(6aj−1,6bj−1,6a,6b,6aj+1)の内部に、例えば熱酸化処理により二酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜7を形成する。
【0051】
次に、フィールド絶縁膜5上及びゲート絶縁膜7上を含む半導体基板1の主面上の全面に導電層として例えば不純物が添加された低比抵抗のドープドポリシリコン層を形成し、その後、ドープドポリシリコン層をパターンニングして、図11(a)及び(b)に示すように、複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1と、この複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の両端側に一体に連結された第1及び第2ゲート配線9a,9bとを形成する。複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1は、トランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1に対応してそれぞれ個別に形成される。複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の各々は、主にゲート絶縁膜7上に形成され、第2主電極領域11j−1,11側がフィールド絶縁膜5上に乗り上がるようにして形成される。第1ゲート配線9aは、Y方向に沿って第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11の一端側の外側のフィールド絶縁膜5上を延在し、複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の各々の一端側と一体に連結される。第2ゲート配線9bは,Y方向に沿って第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11の他端側の外側のフィールド絶縁膜5上を延在し、複数のゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1の各々の他端側と一体に連結される。この工程において、第2主電極領域用窓部6bj−1,6bの内部のゲート絶縁膜7はオーバーエッチングによって除去される。
【0052】
次に、図11(a)及び(b)に示すように、半導体基板1の主面側の上部であってチャネル形成領域2の上部に第1主電極領域10j−1,10,10j+1を形成すると共に、ドリフト領域3j−1,3の上部に第2主電極領域11j−1,11を形成する。第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11の各々は、フィールド絶縁膜5及びゲート電極8p−2,8p−1,8,8p+1をイオン注入用マスクとして使用して、チャネル形成領域2の上部及びドリフト領域3j−1,3jの上部に不純物イオンとして例えばヒ素(As)イオンを選択的にイオン注入し、その後、これらの不純物イオンを活性化させる熱処理を施すことによって形成される。第1主電極領域10j−1,10,10j+1及び第2主電極領域11j−1,11は、複数のトランジスタセルQp−2,Qp−1,Q,Qp+1の各々に対応してそれぞれ個別に形成される。
【0053】
次に、ゲート電極8上、第1及び第2ゲート配線9a,9b上を含む半導体基板1の主面上の全面に、例えばCVD法で酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜12を形成し、その後、層間絶縁膜12に第1主電極領域10j−1,10,10j+1と電気的に接続される導電性プラグ13aを各々の第1主電極領域10j−1,10,10j+1に対応して形成すると共に、第2主電極領域11j−1,11と電気的に接続される導電性プラグ13bを各々の第2主電極領域11j−1,11に対応して形成する。そして、導電性プラグ13a,13b上を含む層間絶縁膜12上の全面にスパッタ蒸着などにより例えばAl膜又はAl合金膜などの金属層を形成し、その後、この金属層をパターニングして、図1及び図4((a),(b))に示すように、第1及び第2金属配線15,16を形成する。
【0054】
この後、第1及び第2金属配線15,16を覆うようにして層間絶縁膜12上に例えばポリイミド系の樹脂からなるパッシベーション膜や半導体基板1の裏面に裏面電極などを形成することにより、図1乃至図4に示す本発明の一実施形態に係る半導体装置のウエハプロセスが完了する。
ここで、本発明の一実施形態に係る半導体装置(横型MOSFET)と、従来の横型MOSFETとを比較する。図6は、本発明の一実施形態に係る半導体装置において、チャネル形成領域とドリフト領域とのpn接合部界面で生じる空乏層の広がりを示す断面図である。図7は、従来の横型MOSFETにおいて、チャネル形成とドリフト領域とのpn接合部界面で生じる空乏層の広がりを示す断面図((a)はゲート配線を第2主電極領域から離した場合の断面図,(b)はゲート配線を第2主電極領域に近づけた場合の断面図)である。
【0055】
図7(a)に示すように、従来の横型MOSFETでは、第2導電型(n型)の半導体基板101の主面側の上部に形成された第1導電型(p型)のチャネル形成領域102と、このチャネル形成領域102の上部に形成された第2導電型(n型)のドリフト領域103とのpn接合部界面で空乏層20bが生じる。この空乏層20bは、ドリフト領域103の不純物濃度が高すぎると、ドリフト領域103の上部に形成された第2導電型(n型)の第2主電極領域(ドレイン領域)111側に十分に広がらなく(伸びなく)なるため、電界緩和効果が得られなくなる。また、この空乏層20bは、ドリフト領域103の不純物濃度が低すぎると、第2主電極領域111側に広がり(伸び)すぎてしまうため、第2主電極領域111で電界集中がおこり、チャネル形成領域102と第2主電極領域111との間での耐圧が低下する。したがって、第2主電極領域111とチャネル形成領域102との間のドリフト領域103の幅は、高電界が緩和されるように設定される。
【0056】
一方、横型MOSFETの小型化を図るためには、フィールド絶縁膜105上を延在するゲート配線109を第2主電極領域111に近づけることが有効である。しかしながら、図7(b)に示すように、フィールド絶縁膜105上を延在するゲート配線109を第2主電極領域111側に近づけると、すなわちゲート配線109と第2主電極領域111との間の距離S2を短くすると、動作時に電圧が印加されたゲート配線109によるフィールドプレート効果により、ゲート配線109下においてチャネル形成領域102とドリフト領域103とのpn接合部界面で生じる空乏層20bが第2主電極領域111(ドレイン領域)まで広がってしまい、第2主電極領域111のゲート配線109側のエッジ部で電界集中が起こり、チャネル形成領域102と第2主電極領域111との間での耐圧(デバイス耐圧)が低下する。
【0057】
これに対し、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前述したように、ドリフト領域3j−1,3の内部において、第2主電極領域11j−1,11から離間してゲート配線9a下にドリフト領域3j−1,3よりも高不純物濃度の第1ストッパ領域4aj−1,4を配置しているので、図6に示すように、フィールド絶縁膜5上をY方向に沿って延在するゲート配線9aと第2主電極領域11との間の距離S1を短くすることで、動作時に電圧が印加されたゲート配線9aによるフィールドプレート効果が生じても、ゲート配線9a下においてチャネル形成領域2とドリフト領域3とのpn接合部界面で生じる空乏層20aの第2主電極領域(ドレイン領域)11側への広がり(伸び)を抑制することができ、第2主電極領域11で起こる電界集中を防ぐことができる。また、図6には図示していないが、ドリフト領域3と同様に、ドリフト領域3j−1でもゲート配線9a下においてチャネル形成領域2とドリフト領域3j−1とのpn接合部界面で生じる空乏層20aの第2主電極領域(ドレイン領域)11j−1側への広がりを抑制することができ、第2主電極領域11j−1で起こる電界集中を防ぐことができる。この結果、本発明の一実施形態に係る半導体装置は、第2主電極領域11j−1,11の一端側でのチャネル形成領域2と第2主電極領域11j−1,11との間での耐圧(デバイス耐圧)を確保しつつ、小型化を図ることができる。
【0058】
図6には図示していないが、図1乃至図4((a),(b))に示すように、ドリフト領域3j−1,3の内部において、第2主電極領域11j−1,11から離間して第2ゲート配線9b下にも、ドリフト領域3j−1,3と比較して高不純物濃度の第2ストッパ領域4bj−1,4bが設けられているので、フィールド絶縁膜5上をY方向に沿って延在するゲート配線9bと第2主電極領域11j−1,11との間の距離を短くすることで、動作時に電圧が印加されたゲート配線9bによるフィールドプレート効果が生じでも、ゲート配線9b下においてチャネル形成領域2とドリフト領域3j−1,3とのpn接合部界面で生じる空乏層20aの第2主電極領域11j−1,11側への広がりを抑制することができ、第2主電極領域11j−1,11で起こる電界集中を防ぐことができる。この結果、第2主電極領域11j−1,11の他端側でのチャネル形成領域2と第2主電極領域11j−1,11との間での耐圧(デバイス耐圧)を確保しつつ、半導体装置の小型化を図ることができる。
【0059】
なお、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの第2主電極領域11j−1,11側の端4a1,4b1は、第1及び第2ゲート配線9a,9bの第2主電極領域11j−1,11側の各々の端9a1,9b1よりも第2主電極領域11j−1,11側に位置していることが好ましい。これは、第1及び第2ゲート配線9a,9bの各々の端9a1,9b1が第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの各々の端4a1,4b1よりも第2主電極領域11j−1,11に近いと、チャネル形成領域2とドリフト領域3j−1,3とのpn接合部界面で生じる空乏層20aが第2主電極領域11j−1,11まで広がり易くなるからである。
【0060】
また、第1及び第2ゲート配線9a,9b下における空乏層20aの第2主電極領域11j−1,11側への広がりは、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの不純物濃度を、ドリフト領域3j−1,3の不純物濃度よりも高くし、第2主電極領域11j−1,11の不純物濃度よりも低くすることにより抑制することができる。しかしながら、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの不純物濃度が低すぎると第2主電極領域11j−1,11側への空乏層20aの広がりを抑制する効果が低下し、逆に高すぎると高電界緩和効果が低下する。したがって、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bの不純物濃度は、ドリフト領域3j−1,3の不純物濃度の1.5〜2倍程度が好ましい。
【0061】
(変形例)
以上説明した本発明の一実施形態に係る半導体装置では、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4b,4bj−1をY方向に連続的に延在するストライプ形状で形成した場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bは、Y方向に沿って複数点在するように配置してもよい。
【0062】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、第1ストッパ領域4aj−1,4a及び第2ストッパ領域4bj−1,4bをドリフト領域3の深さと概ね同一の深さで形成した場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図13に示すように、第1ストッパ領域4aj−1(図示せず),4a及び第2ストッパ領域4bj−1(図示せず),4bは、各々の底部4a3,4b3がドリフト領域3j−1,3の底部よりもチャネル形成領域2の底部側に位置するように深さを深く(厚さを厚く)してもよい。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る半導体装置によれば、チャネル形成領域2と第2主電極領域(ドレイン領域)11との間での耐圧(デバイス耐圧)を確保しつつ、小型化を図ることができる。
【0063】
なお、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、ゲート電極の短手方向(ゲート長方向)に沿って第1主電極領域(ソース領域)と第2主電極領域(ドレイン領域)とを交互にそれぞれ複数配置した場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1主電極領域と第2主電極領域が一対の構造などからなる半導体装置にも適用することができる。また、本発明は、ゲート電極を連結するゲート配線以外の配線でも電位関係により高濃度の主電極領域の長手方向のエッジ部でフィールドプレート効果が生じる場合にも適用することができる。更に、横型MOSFET以外の半導体装置であっても、高濃度の主電極領域と、電界を緩和するための低濃度のドリフト領域(オフセット領域)との組み合わせにおいて、配線の電位関係で生じたフィールドプレート効果による耐圧低下を防ぐ場合にも本発明を適用することができる。
【0064】
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、横型MOSFETについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば横型のIGBTにも適用することができる。
また、本発明の一実施形態に係る半導体装置では、半導体基板としてシリコン半導体基板を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの半導体基板を用いた半導体装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…半導体基板、2…チャネル形成領域
…ドリフト領域、4a…第1ストッパ領域、4b…第2ストッパ領域、
5…フィールド絶縁膜、6…窓部、6a…第1主電極領域用窓部、6b…第2主電極用窓部
7…ゲート絶縁膜、8…ゲート電極、
9a…第1ゲート配線、9b…第2ゲート配線
10…第1主電極領域(ソース領域)、11…第2主電極領域(ドレイン領域)
12…層間絶縁膜、13a,13b…導電性プラグ
15…第1金属配線、15a…第1配線部分、15b…第2配線部分
16…第2金属配線、16a…第1配線部分、16b…第2配線部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13