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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-233179(P2015-233179A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】自己最適化移動体通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20151201BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20151201BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20151201BHJP
   H04W 40/14 20090101ALI20151201BHJP
【FI】
   H04W24/02
   H04W92/12
   H04M3/00 E
   H04W40/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-118478(P2014-118478)
(22)【出願日】2014年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】金原 邦敏
【テーマコード(参考)】
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5K067AA33
5K067BB04
5K067BB21
5K067DD51
5K067DD57
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF18
5K067FF20
5K067KK11
5K067LL01
5K067LL05
5K067LL15
5K201AA02
5K201BC27
5K201CB11
5K201DB02
5K201EC01
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED04
5K201EE12
5K201FA02
5K201FA03
5K201FA08
(57)【要約】
【課題】基地局‐管理サーバ間の規定通信経路で生じる問題に対してその影響を低減する手法をネットワーク自己最適化アルゴリズムに組み込む。
【解決手段】自己最適化移動体通信システムとして、最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する第1の無線局と、第1の無線局と通信可能な第2の無線局と、第1及び/又は第2の無線局と通信可能な管理サーバとを含み、管理サーバに、第1及び/又は第2の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、第1の無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、検出手段によって 第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、第1の無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、第2の無線局を介して交換するネットワーク自己最適化手段を設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する第1の無線局と、前記第1の無線局と通信可能な第2の無線局と、前記第1及び/又は第2の無線局と通信可能な管理サーバとを含み、
前記管理サーバは、
前記第1及び/又は第2の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、
前記第1の無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって 前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記第1の無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記第2の無線局を介して交換するネットワーク自己最適化手段と、
を含むことを特徴とする自己最適化移動体通信システム。
【請求項2】
前記検出手段は、任意の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りする通信状態に基づいて、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることを判別することを特徴とする請求項1記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項3】
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる無線局群の中から任意指標に従って抽出処理した無線局を、該第1の無線局の前記第2の無線局として選定する選定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項4】
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記任意指標として、前記第1の無線局との間に基地局間リンクを有する無線局を選定することを特徴とする請求項3に記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項5】
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、前記第1の無線局を管理する基地局制御装置を、該第1の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項6】
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる無線局及び基地局制御装置を含むノード群の中から任意指標に従って抽出処理したノードを、該第1の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項7】
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる中継ノード群の中から自己最適化後の運用コストを指標として用いて導出処理したノードを、該第1の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項8】
ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージに、経由基地局情報を記載する項目を追加した拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを前記最適化用メッセージとしてシステム内で用いて、
前記管理サーバは、前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを選定した中継ノードに通知することによって、ネットワークの自律的な自己最適化処理を継続する
ことを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の自己最適化移動体通信システム。
【請求項9】
最適化処理用パラメータの通知先となる無線局 及び/又は 前記無線局と通信可能な通信ノードとの間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、
前記無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって 前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記通信ノードを介して交換するネットワーク最適化手段と、
を含むことを特徴とする自己最適化ネットワークの管理サーバ。
【請求項10】
最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する無線局と、前記無線局と通信可能な通信ノードと、前記無線局及び/又は前記通信ノードと通信可能な管理サーバとを含む移動体通信システムでのネットワーク自己最適化方法であって、
前記管理サーバは、
前記無線局及び/又は前記通信ノードとの間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換にかかる前記無線局との間の通信状態を監視する工程と、
前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記通信ノードを介して交換するネットワーク最適化工程と、
を含むことを特徴とするネットワーク自己最適化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己最適化アルゴリズムを有するネットワークの最適化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、移動体通信システムを構成する各ノードが人手に寄らずに各種パラメータを設定/再設定する技術が開発されている。この技術は、SON(Self-Organizing Network)と呼ばれ、自動的なモビリティ負荷分散や局間の無線カバレッジ最適化などを可能にする。
【0003】
関連する技術としては、特許文献1ないし3が挙げられる。
【0004】
特許文献1では、管理サーバが複数の基地局(eNB(evolutional Node B)s)から通知されるユーザ端末(UE(User Equipment)s)と基地局との間の通信環境状況を示した報告を用いて、各基地局の最適化を実施するネットワーク最適化技術を開示している。この文献では、管理サーバが基地局の種別を判別して、各々の基地局の干渉要因ごとに適切な最適化処理を選定する最適化アルゴリズムが開示されている。
【0005】
また、特許文献2でも、各基地局の最適化を実施するネットワーク最適化技術を開示している。この文献では、ある基地局が自局の各種パラメータの最適化を自律的に実行する際に、自局の最適化処理を実行すると共に、隣接基地局や自局を管理していない管理サーバに 最適化情報を通知する最適化手法が開示されている。このように隣接基地局や自局を管理していない管理サーバに 最適化情報を通知することで、ある基地局が自律的最適化を実行したことに起因したシステム全体の特性劣化を予防/回避が図り得るようになる。
【0006】
また特許文献3でも、各基地局の最適化を実施するネットワーク最適化技術を開示している。この文献では、管理サーバ(監視サーバ)が基地局との間で UE―基地局との無線環境などを情報交換して、該基地局に適したサービス品質パラメータ値を管理サーバ側で導出した後に、基地局にパラメータ値を通知する。最適化処理用パラメータの通知を受けた基地局は、その最適化処理用パラメータに従って自局の制御パラメータを調整する。このことによって、管理サーバが多くの基地局を傘下に横断的なネットワーク最適化を行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2012/043307 A1
【特許文献2】WO2013/001758 A1
【特許文献3】特開2014−003476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1ないし3に記載したネットワーク自己最適化技術は様々な利点を有している。
【0009】
一方で、管理サーバが ある基地局の制御パラメータを該基地局から収集した情報などに基き導き出した最適パラメータを設定するにあたり、基地局‐管理サーバ間の通信環境が適切に動作している必要がある。
【0010】
この基地局‐管理サーバ間の通信環境が正常でなければ、収集すべき情報の取得/適切度/到達までの遅延時間などに悪い影響がでる。また、管理サーバから基地局に最適パラメータを設定するにあたっても、基地局‐管理サーバ間の通信環境が正常でなければ、設定/適切度/到達までの遅延時間などに悪い影響がでる。
【0011】
上記特許文献1ないし3で開示したネットワーク自己最適化手法では、この問題点について解決できていない。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、基地局‐管理サーバ間の規定通信経路で生じる問題に対してその影響を低減する手法をネットワーク自己最適化アルゴリズムとして有する自己最適化移動体通信システム、管理サーバ、ネットワーク自己最適化方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る自己最適化移動体通信システムは、最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する第1の無線局と、前記第1の無線局と通信可能な第2の無線局と、前記第1及び/又は第2の無線局と通信可能な管理サーバとを含み、前記管理サーバは、前記第1及び/又は第2の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、前記第1の無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって 前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記第1の無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記第2の無線局を介して交換するネットワーク自己最適化手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る自己最適化ネットワークの管理サーバは、最適化処理用パラメータの通知先となる無線局 及び/又は 前記無線局と通信可能な通信ノードとの間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、前記無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって 前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記通信ノードを介して交換するネットワーク最適化手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る移動体通信システムでのネットワーク自己最適化方法は、最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する無線局と、前記無線局と通信可能な通信ノードと、前記無線局及び/又は前記通信ノードと通信可能な管理サーバとを含む移動体通信システムでのネットワーク自己最適化方法であって、前記管理サーバは、前記無線局及び/又は前記通信ノードとの間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換にかかる前記無線局との間の通信状態を監視する工程と、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記通信ノードを介して交換するネットワーク最適化工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、基地局‐管理サーバ間の規定通信経路で生じる問題に対してその影響を低減する手法をネットワーク自己最適化アルゴリズムとして有する自己最適化移動体通信システム、管理サーバ、ネットワーク自己最適化方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の自己最適化移動体通信システムを示す概略図である。
図2】O&Mサーバ200の構成例を示したブロック図である。
図3】O&Mサーバ200と複数の基地局100との動作を示したシーケンス図である。
図4】O&Mサーバ200の選択処理にかかる処理動作例を示したフローチャートである。
図5】O&Mサーバ200とMMEと中継対象である基地局100Aとの動作を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態の説明は、LTE(Long Term Evolution)を想定して記載する。
【0019】
[構成の説明]
図1は、実施形態の自己最適化移動体通信システムを示す概略図である。
図1で示した自己最適化移動体通信システムは、最適化処理を実行可能な複数の基地局100A〜100Cと、各基地局と通信可能な管理サーバとしてのO&Mサーバ(Operation and Maintenance Server)200を含む。基地局100A〜100Cは、少なくとも最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行可能である。また、自己最適化移動体通信システムは、図中でLTEネットワークと示している通信経路やEPC(Evolved Packet Core)、コアネットワークなどと協働して、UE(User Equipment)に通信サービスを提供する。EPC(Evolved Packet Core)は、MME(Mobility Management Entity)やS−GW(Serving Gateway)、P−GW(PDN Gateway)を含んでいる。
【0020】
図2は、O&Mサーバ200の構成例を示したブロック図である。
O&Mサーバ200は、基地局等の各種ノードとメッセージを交換するメッセージ交換部201、少なくとも無線局の制御パラメータを 通知した最適化処理用パラメータでその制御局に更新させるネットワーク最適化部202を含む。また、O&Mサーバ200は、各無線局との間の通信状態を各々検出する検出部203を有する。
【0021】
メッセージ交換部201は、最適化処理用パラメータの通知先となる基地局100A〜Cとの間で最適化用メッセージ群をやり取りする。最適化用メッセージは、基地局100からの最新の情報収集用メッセージや基地局へのパラメータ更新用メッセージである。例えば、ネットワークトポロジ情報/カバレッジ設定パラメータ値/トラヒック情報等を収集するメッセージが挙げられる。
【0022】
ネットワーク最適化部202は、検出部203によってある基地局100との間の通信状態に問題があることが検出された際に、ある基地局100(例えば基地局100B)との間でやり取りする最適化用メッセージ群を、別のノードを(例えば基地局100C)を介して交換する。
【0023】
ネットワーク最適化部202は、この別のノード(例.基地局100C)として、問題が生じた基地局100(例.基地局100B)とX2インタフェースを有する基地局を中継ノードとして選択する。なお、各基地局100は、別の基地局100に最適化用メッセージ群を中継(転送)する機能を予め拡張しておく。ネットワーク最適化部202は、中継経路として選択した中継ノード(例えば基地局100C)を経由して、経由基地局情報を問題が生じた基地局100(例えば基地局100B)に最適化用メッセージに含ませて通知する。
【0024】
また、ネットワーク最適化部202は、中継する基地局などを候補となるノード群から選定する中継ノード選定部204を有してもよい。
【0025】
中継ノード選定部204は、ある基地局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、候補となるノード群の中から任意指標に従って抽出処理したノードを、該基地局の経由ノードとして選定する。
【0026】
ここで、候補となるノード群は、問題を検出した基地局との間で基地局間通信が行えるノードとする。任意指標としては、例えば ある基地局をメッセージの中継ノードとして働かせた際に、ネットワーク網として負荷が集中しすぎないいか、余力があるかなどの1ないし複数の指標を基準に指定条件を設定すればよい。中継ノード選定部204は、最適解とする条件を満たす基地局を選定すればよい。仮に、条件を満たす基地局が無ければ、複数台で分散して中継ルートを形成するように複数台の基地局を選定してもよい。また、O&Mサーバ200とある基地局100とのアップ回線もしくはダウン回線の一方のみの問題であれば、中継ノードの選定もアップ回線もしくはダウン回線の一方のみの選定としてもよい。
【0027】
また、ネットワーク最適化部202は、ある基地局100に対して最適化処理を実行すると判定した場合、その対象となる基地局100に中継経路(中継ノード)を設定中であるか否かに従って、最適化処理用メッセージを生成する。
【0028】
最適化処理用メッセージは、中継経路を設定中である基地局100向けであれば、その最適化処理用メッセージを中継する中継ノードに通知される。換言すれば、上記例であれば、基地局100Bに対して基地局100Cを経由して最適化処理を行う。
【0029】
この最適化処理用メッセージの送信によって、中継するノード(例.基地局100C)は、メッセージ内容を参照して、転送先の基地局(例.基地局100B)に最適化処理用メッセージを通知する。また、転送先の基地局(例.基地局100B)は、中継ノード(例.基地局100C)から通知された最適化処理用メッセージの内容を参照して、自装置の制御パラメータ等を更新する。
【0030】
検出部203は、各基地局100との間の通信状態を検出する。通信状態の検出では、任意の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りする通信状態を判別して、最適化用メッセージ群をやり取りする上で問題が生じないか判別する。例えば、通信ネットワークが切断されたことやメッセージ交換に問題を生ずる遅延が発生していること、通信エラーが多いことなどを検知する。
【0031】
各基地局100は、最適化用メッセージに含まれた自装置向けの経由基地局情報をO&Mサーバ200から受け付けた場合、O&Mサーバ200とのメッセージ交換を経由ノード経由で行う。また、各基地局100は、最適化用メッセージに含まれた経由基地局情報を、他のノードから受け付けることも可能に予め設定される。経由基地局情報や最適化用メッセージは、X2インタフェースを介して各基地局100間で交換され、その後O&Mサーバ200に通知する。
【0032】
各基地局100は、経由基地局情報を受け付けた後で、自装置の最新の状態をO&Mサーバ200に通知する際に、経由基地局情報に記載された基地局100に対して、その情報を報告する最適化用メッセージを通知する。
【0033】
一方で、経由基地局情報に記載された基地局100は、他の基地局からO&Mサーバ200向けのメッセージを受けた場合、そのメッセージをO&Mサーバ200に通知する。
【0034】
同様に、ある基地局100が別の基地局から通知された最適化用メッセージ(パラメータ更新要求)を受信した場合に、経由基地局情報を参照して自装置向けであることを識別して、そのパラメータ更新要求に従って自装置に設定されている制御パラメータを更新処理する。
【0035】
ネットワーク自己最適化処理で用いる自己最適化用メッセージは、新規のメッセージ(X2-AP(X2 Application Protocol)メッセージ)を追加して各ノードにその運用ルールを実装してもよい。また、既存のメッセージを拡張して各ノードに実装してもよい。例えば、ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージやENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGEメッセージを拡張して自己最適化用メッセージを実装してもよい。メッセージ内に経由基地局情報として、ECGI(E-UTRAN Cell Global ID)やPCI(Physical Cell ID)、EARFCN(E-UTRAN Absolute Radio Frequency Channel Number)などを経路識別用にメッセージ内に記載すればよい。そして、メッセージを受け付けた各基地局100が所要に使用すればよい。
このようにメッセージを実装すれば、自己最適化用メッセージで伝える情報として、既存の自己最適化用メッセージ(O&Mサーバ200から直接的に任意の基地局に通知されるメッセージ)と同様のデータを使用できる。
【0036】
上記構成によれば、基地局‐管理サーバ間の規定通信経路で生じた問題に対して、例え基地局とO&Mサーバが通信不可能な状況になった場合でも、別の基地局を経由して最適なパラメータを基地局に設定することが可能になる。
【0037】
[全体動作の説明]
次に、図3を用いて自己最適化処理に関係する各ノード間のシーケンスを説明する。図3では、O&Mサーバ200と複数の基地局100との処理シーケンス例を示している。本例では、O&Mサーバ200と基地局100Cとの間に通信障害が発生する事例を示している。
【0038】
まず、監視工程として、O&Mサーバ200は、ある基地局(基地局100C)との間でネットワーク接続等に問題があることを検知するために、ネットワーク状態を監視する。この監視工程によって、O&Mサーバ200は、最適化用メッセージ群を交換することに対する任意の基地局との間の状態を即座に識別可能になる。
【0039】
次に、中継基地局選定工程として、O&Mサーバ200は、問題が生じた基地局(基地局100C)との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を中継させる基地局100Bを経由基地局として選択する。
【0040】
次に、中継経路生成工程として、O&Mサーバ200は、経由基地局である基地局100Bに対して経由基地局情報通知メッセージ(新規に作成したAPメッセージや既存メッセージを拡張したメッセージ)を送信する。
【0041】
この中継経路生成工程では、各基地局は、受け付けた経由基地局情報通知メッセージ内容を識別し、経由基地局情報などの所要な情報を判別することにより中継する基地局/中継される基地局として適宜動作する。
基地局100Bは、経由基地局情報通知メッセージによって、自局がO&Mサーバ200と基地局100Cとの経由基地局であることを識別させてもよい。
【0042】
基地局100Cは、経由基地局情報通知メッセージによって、O&Mサーバ200との間で基地局100Bが経由基地局であることを識別する。
次に、メッセージ中継工程として、基地局100CからO&Mサーバ200に所要な情報を通知する場合、基地局100Cは基地局100Bに所要な情報を入れた情報通知メッセージ(最適化用メッセージ)を通知する。基地局100Bは、通知された情報通知メッセージをO&Mサーバ200に中継する。この中継処理で、O&Mサーバ200は、情報通知メッセージで、問題が生じている基地局100Cのネットワークトポロジ情報/カバレッジ設定パラメータ値/トラヒック情報等を早期に取得できる。
【0043】
その後、メッセージ中継工程で収集した情報などに基づき基地局100Cに最適化処理を実施することが最適化になることを識別した場合、O&Mサーバ200は、基地局100C用のパラメータ更新要求メッセージ(最適化用メッセージ)を基地局100Bに送信する。
基地局100Bは、受信したパラメータ更新要求メッセージを識別してX2リンクを介して基地局100Cに送信(中継)する。
基地局100Cは、受信したパラメータ更新要求メッセージを識別して、自装置の制御パラメータを更新する。
この更新によって、ネットワーク網として最適なパラメータが基地局100Cに設定される。
【0044】
[中継ノード選定処理の説明]
次に、ネットワーク最適化部202による中継ノードの選定処理を説明する。
【0045】
図4は、O&Mサーバ200の選定処理にかかる処理動作を示したフローチャート例である。
【0046】
O&Mサーバ200(ネットワーク最適化部202)は、O&Mサーバ200とある基地局100のネットワーク接続が切断されたことを検知した際に本処理を開始する。なお、ネットワークの切断以外にも、速度低下や何らかのエラーの発生などもトリガーにすることが望ましい。問題事象の検知は、検出部203からの通知や、他ノードからの通知を参照すればよい。
【0047】
まず、O&Mサーバ200は、保持しているネットワークトポロジ情報を参照して、問題を生じた基地局100との間でX2リンクを有する基地局100を経由基地局の候補として抽出する(S101)。
【0048】
次に、O&Mサーバ200は、抽出した基地局リストの中に、自装置とのネットワーク接続が切断/異常/高負荷気味のリンクを有している基地局が存在した場合、その基地局を除外する(S102)。
【0049】
次に、O&Mサーバ200は、問題を生じた基地局100との間で中継ノード候補となる基地局100が有るか否かを基地局リストを参照して判別する(S103)。
X2リンクを持つ基地局100が存在しない場合(経由ノードとなる候補がない場合)、X2リンクを用いた中継ができないため、O&Mサーバ200は、管理者に報知したり、問題が生じた該当基地局に対する最適化処理を一時停止する。
一方、候補となるノードが存在する場合、O&Mサーバ200は、保持しているトラヒック情報や各基地局負荷情報(CPU(Central Processing Unit)使用率やメモリ使用率等)などを参照して、候補ノード群の中で通信量や負荷が十分に低い基地局を経由基地局として選定する(S104)。
この選定結果は、経由ノード情報に反映される。
【0050】
なお、上記説明では、現在の候補基地局群の負荷等を参照して、1つの経由基地局を選定した。一方で、1ないし複数の基地局を経由基地局に選定した後のネットワーク網状態で生じる運用コストを基準に経由基地局を導出してもよい。この際、予め自装置とのネットワーク接続が切断/異常/高負荷気味のリンクを有している基地局を除外して、各々の事例の運用コストを算定すればよい。換言すれば、ネットワーク最適化部202の中継ノード選定部204に経由ノードを定めることによる運用コストの最適化アルゴリズムを導入することを行ってもよい。
【0051】
以上、実施形態を用いて説明したように本自己最適化移動体通信システムによれば、O&Mサーバ200とある基地局との間でメッセージ交換に問題が生じている状況でも、自己最適化処理が継続される。
その結果、O&Mサーバ200による基地局のパラメータ最適化が継続されるため、呼損やハンドオーバー失敗率などの上昇を抑制できる。
【0052】
換言すれば、O&Mサーバ‐基地局間で問題が生じたとしても、ネットワーク網の自律的動作で、問題が生じる前と同様な最適化処理が継続される。
【0053】
最適化処理では、基地局と管理サーバが通信可能な状況において、基地局の最適化パラメータ(隣接セル情報、X2リンク情報、カバレッジパラメータ等)の情報が適宜更新される。
【0054】
結果的に、管理者は、網の自律的最適化処理が継続した状態で、ネットワークに生じた問題の把握や修繕が行えるようになる。
【0055】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。本実施形態では、O&Mサーバとある基地局との間で問題が生じた際に、他の基地局ではなく、EPCの1ノードであるMMEを経由ノードとして選定して、基地局の最適化処理を継続する。
【0056】
例えば、他の基地局との間でX2リンクを有さない基地局の最適化処理の継続にMMEを経由ノードとして選定するアルゴリズムを組み込めばよい。
O&Mサーバ200(ネットワーク最適化部202の中継ノード選定部204)は、中継対象の基地局が他の基地局との間でX2リンクを有さなければ中継ノードとしてMMEを選定する。なお、全ての中継ノードとしてMMEを選定することを行ってもよいし、また任意指標に従って候補となるノード群の中からMMEを選定してもよい。
【0057】
図5では、O&Mサーバ200とMMEと中継対象である基地局100Aとの処理シーケンス例を示している。
【0058】
まず、監視工程として、O&Mサーバ200は、ある基地局(基地局100A)との間でネットワーク接続等に問題があることを検知するために、ネットワーク状態を監視する。
【0059】
次に、中継基地局選定工程として、O&Mサーバ200は、基地局100Aとの間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を中継させる中継ノードを選択する。本実施形態の説明では、MMEが選定される。
【0060】
次に、中継経路生成工程として、O&Mサーバ200は、経由ノードであるMMEに対して経由ノード情報通知メッセージを送信する。MMEは、経由ノード情報通知メッセージ(新規に作成したS1−APメッセージや既存メッセージを拡張したメッセージ)を、中継先の基地局100Aに通知する。
【0061】
この中継経路生成工程では、各ノードは、受け付けた経由ノード情報通知メッセージを識別し、所要な情報を判別することにより中継するノード/中継される基地局として適宜動作する。
【0062】
次に、メッセージ中継工程として、基地局100AからO&Mサーバ200に所要な情報を通知する場合、基地局100AはMMEに所要な情報を入れた情報通知メッセージを通知する。MMEは、通知された情報通知メッセージをO&Mサーバ200に中継する。この中継処理で、O&Mサーバ200は、情報通知メッセージで、問題が生じている基地局100Aのネットワークトポロジ情報/カバレッジ設定パラメータ値/トラヒック情報等を早期に取得できる。
【0063】
その後、メッセージ中継工程で収集した情報などに基づき基地局100Aに最適化処理を実施することが最適化になることを識別した場合、O&Mサーバ200は、パラメータ更新要求メッセージをMMEに送信する。
MMEは、受信したパラメータ更新要求メッセージを識別してS1リンクを介して基地局100Aに送信(中継)する。
基地局100Aは、受信したパラメータ更新要求メッセージを識別して、自装置の制御パラメータを更新する。
この更新によって、ネットワーク網として最適なパラメータが基地局100Aに設定される。
【0064】
尚、O&Mサーバの各部は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実現すればよい。ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた形態では、RAM(Random Access Memory)にネットワーク自己最適化用プログラムが展開され、プログラムに基づいて制御部(CPU)等のハードウェアを動作させる。
【0065】
同様に、各基地局とMMEの各部も、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実現すればよい。本発明にかかる基地局やMMEは、既存の基地局やMMEの構成と同様に、RAMにSON対応プログラムが展開され、各プログラムに基づいて制御部等のハードウェアを動作させればよい。
【0066】
また、これらのプログラムは、記録媒体に非一時的に記録されて頒布されてもよい。当該記録媒体に記録されたプログラムは、有線、無線、又は記録媒体そのものを介して、メモリに読込まれ、制御部等を動作させる。尚、記録媒体を例示すれば、オプティカルディスクや磁気ディスク、半導体メモリ装置、ハードディスクなどが挙げられる。
【0067】
以上、実施形態及びシーケンス例を図示して説明したが、そのブロック構成の分離併合、手順の入れ替えなどの変更は本発明の趣旨および説明される機能を満たせば自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。
【0068】
以上説明したように、本発明を適用した自己最適化移動体通信システムは、基地局‐管理サーバ間の規定通信経路で生じる問題に対してその影響を低減する手法をネットワーク自己最適化アルゴリズムとして提供できる。
【0069】
また、本発明にかかる各ノードは、既存の基地局やMMEなどとの混在も可能であり、拡張性などに優れている。例えば、本発明にかかるアップデート前の既存基地局などは、管理サーバ内のリスト情報上で中継ノード候補から除外すればよい。また、このリスト化も自己最適化処理用の情報収集過程で実現すればよい。
【0070】
すなわち、本発明によれば、基地局‐管理サーバ間の規定通信経路で生じる問題に対して その影響を低減する手法をネットワーク自己最適化アルゴリズムとして有する自己最適化移動体通信システム、管理サーバ、ネットワーク自己最適化方法を提供できる。
【0071】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうる。尚、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する第1の無線局と、前記第1の無線局と通信可能な第2の無線局と、前記第1及び/又は第2の無線局と通信可能な管理サーバとを含み、
前記管理サーバは、
前記第1及び/又は第2の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、
前記第1の無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって 前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記第1の無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記第2の無線局を介して交換するネットワーク自己最適化手段と、
を含むことを特徴とする自己最適化移動体通信システム。
【0072】
[付記2]
前記検出手段は、任意の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りする通信状態に基づいて、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることを判別することを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0073】
[付記3]
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる無線局群の中から任意指標に従って抽出処理した無線局を、該第1の無線局の前記第2の無線局として選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0074】
[付記4]
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記任意指標として、前記第1の無線局との間に基地局間リンクを有する無線局を選定することを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0075】
[付記5]
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、前記第1の無線局を管理する基地局制御装置を、該第1の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0076】
[付記6]
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる無線局及び基地局制御装置を含むノード群の中から任意指標に従って抽出処理したノードを、該第1の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0077】
[付記7]
前記ネットワーク自己最適化手段は、前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる中継ノード群の中から自己最適化後の運用コストを指標として用いて導出処理したノードを、該第1の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0078】
[付記8]
ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージに、経由基地局情報を記載する項目を追加した拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを前記最適化用メッセージとしてシステム内で用いて、
前記管理サーバは、前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを選定した中継ノードに通知することによって、ネットワークの自律的な自己最適化処理を継続する
ことを特徴とする上記付記記載の自己最適化移動体通信システム。
【0079】
[付記9]
最適化処理用パラメータの通知先となる無線局 及び/又は 前記無線局と通信可能な通信ノードとの間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換手段と、
前記無線局との間の通信状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって 前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記通信ノードを介して交換するネットワーク最適化手段と、
を含むことを特徴とする自己最適化ネットワークの管理サーバ。
【0080】
[付記10]
前記検出手段は、任意の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りする通信状態に基づいて、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることを判別することを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0081】
[付記11]
前記ネットワーク最適化手段は、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる通信ノード群の中から任意指標に従って抽出処理した無線局を、該任意の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0082】
[付記12]
前記ネットワーク最適化手段は、前記任意指標として、前記任意の無線局との間に基地局間リンクを有する無線局を中継ノードとして選定することを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0083】
[付記13]
前記ネットワーク最適化手段は、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、前記任意の無線局を管理する基地局制御装置を、該人の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0084】
[付記14]
前記ネットワーク最適化手段は、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる無線局及び基地局制御装置を含むノード群の中から任意指標に従って抽出処理したノードを、該任意の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0085】
[付記15]
前記ネットワーク最適化手段は、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる中継ノード群の中から自己最適化後の運用コストを指標として用いて導出処理したノードを、該任意の無線局の中継ノードとして選定する選定手段を有することを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0086】
[付記16]
ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージに、経由ノード情報を記載する項目を追加した拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを前記最適化用メッセージとしてシステム内で用いて、
前記管理サーバは、前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを選定した中継ノードに通知することによって、ネットワークの自律的な自己最適化処理を継続する
ことを特徴とする上記付記記載の管理サーバ。
【0087】
[付記17]
管理サーバの制御部を、上記付記記載の、メッセージ交換手段、検出手段、ネットワーク最適化手段、選定手段の何れかないし全てとして動作させることを特徴とするプログラム。
【0088】
[付記18]
基地局の制御部を、上記付記記載のメッセージ交換手段との間で、前記最適化用メッセージを交換可能に動作させることを特徴とするプログラム。
【0089】
[付記18]
最適化処理用パラメータに基づき最適化処理を実行する無線局と、前記無線局と通信可能な通信ノードと、前記無線局及び/又は前記通信ノードと通信可能な管理サーバとを含む移動体通信システムでのネットワーク自己最適化方法であって、
前記管理サーバは、
前記無線局及び/又は前記通信ノードとの間で自己最適化用メッセージ群をやり取りするメッセージ交換にかかる前記無線局との間の通信状態を監視する工程と、
前記第1の無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記無線局との間でやり取りする自己最適化用メッセージ群を、前記通信ノードを介して交換するネットワーク最適化工程と、
を含むことを特徴とするネットワーク自己最適化方法。
【0090】
[付記19]
前記管理サーバは、任意の無線局との間で自己最適化用メッセージ群をやり取りする通信状態に基づいて、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることを判別することを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【0091】
[付記20]
前記管理サーバは、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる通信ノード群の中から任意指標に従って抽出処理した無線局を、該任意の無線局の中継ノードとして選定することを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【0092】
[付記21]
前記管理サーバは、前記任意指標として、前記任意の無線局との間に基地局間リンクを有する無線局を中継ノードとして選定することを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【0093】
[付記22]
前記管理サーバは、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、前記任意の無線局を管理する基地局制御装置を、該人の無線局の中継ノードとして選定することを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【0094】
[付記23]
前記管理サーバは、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる無線局及び基地局制御装置を含むノード群の中から任意指標に従って抽出処理したノードを、該任意の無線局の中継ノードとして選定することを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【0095】
[付記24]
前記管理サーバは、前記任意の無線局との間の通信状態に問題があることが検出された際に、候補となる中継ノード群の中から自己最適化後の運用コストを指標として用いて導出処理したノードを、該任意の無線局の中継ノードとして選定することを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【0096】
[付記25]
ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージに、経由ノード情報を記載する項目を追加した拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを前記最適化用メッセージとしてシステム内で用いて、
前記管理サーバは、前記無線局との間の通信状態に問題があることを検出した際に、前記拡張ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを選定した中継ノードに通知することによって、ネットワークの自律的な自己最適化処理を継続する
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク自己最適化方法。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、自己最適化処理を実施するLTEネットワークや今後の移動体通信ネットワークに適用できる。
【符号の説明】
【0098】
100 基地局(eNB,無線局)
200 O&Mサーバ(管理サーバ)
201 メッセージ交換部(メッセージ交換手段)
202 ネットワーク最適化部(ネットワーク自己最適化手段、ネットワーク最適化手段)
203 検出部(検出手段)
図1
図2
図3
図4
図5