【解決手段】 本発明は、通信制御装置と既にネットワークに既登録の通信装置と、ネットワークに新規登録の通信装置とを備えるネットワークシステムに関する。そして、通信制御装置は、既登録の通信装置を介して新規登録の通信装置と通信し登録処理を受付け、既登録の通信装置は、通信制御装置に登録要求信号を送信し、新規登録の通信装置から探索要求信号を受信した場合新規登録の通信装置と通信制御装置との間の通信を中継し、新規登録の通信装置は、探索要求信号を発信し、応答する既登録の通信装置を介して通信制御装置と通信してネットワークに登録する要求を行うことを特徴とする。
ネットワークに接続する通信装置を管理する通信制御装置と、上記通信制御装置に、既に上記ネットワークに接続するための登録がなされている1又は複数の既登録の通信装置と、新規に上記通信制御装置に上記ネットワークに接続するための登録を行う新規登録の通信装置とを備えるネットワークシステムにおいて、
上記通信制御装置は、
いずれかの既登録の通信装置から、新規登録の通信装置の登録要求を示す登録要求信号を受信した場合、上記ネットワーク上に、新規登録の通信装置の登録が可能な状態であることを判断する登録可能状態判定手段と、
上記登録可能状態判定手段が、新規登録の通信装置の登録を可能な状態であることを判断した場合、既登録の通信装置を介して、新規登録の通信装置と通信し、当該新規登録の通信装置を、上記ネットワークに接続する通信装置として登録する登録処理を受付ける登録受付手段とを有し、
上記既登録の通信装置は、
上記通信制御装置に、登録要求信号を送信する登録要求信号送信手段と、
新規登録の通信装置から接続可能なネットワークを探索するための探索要求信号を受信した場合、当該新規登録の通信装置と、上記通信制御装置との間の通信を中継する通信中継手段とを有し、
上記新規登録の通信装置は、
探索要求信号を発信する探索要求信号送信手段と、
既登録の通信装置から探索要求信号に対する応答があった場合、当該既登録の通信装置を介して、上記通信制御装置と通信して、上記ネットワークに登録する要求を行う登録要求手段とを有する
ことを特徴とするネットワークシステム。
上記登録可能状態判定手段は、新規登録の通信装置の登録が可能な状態であることを判断した場合、上記ネットワーク上に、新規登録の通信装置の登録が可能である旨を示す登録可能信号を送信し、
上記通信中継手段は、新規登録の通信装置から探索要求信号を受信した場合、当該新規登録の通信装置に、上記通信制御装置から受信した登録可能信号に係るデータを転送するとともに、当該新規登録の通信装置と、上記通信制御装置との間の通信を中継し、
上記登録受付手段は、上記登録要求信号の送信元となる既登録の通信装置を介して、新規登録の通信装置と通信し、当該新規登録の通信装置を登録する登録処理を受付ける
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム
上記登録可能状態判定手段は、受信した登録要求信号の送信元となっていた既登録の通信装置にだけ、登録可能信号を送信することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のネットワークシステム。
ネットワークに接続する通信装置を管理する通信制御装置と、上記通信制御装置に、既に上記ネットワークに接続するための登録がなされている1又は複数の既登録の通信装置と、新規に上記通信制御装置に上記ネットワークに接続するための登録を行う新規登録の通信装置とを備えるネットワークシステムにおいて、
上記通信制御装置は、
いずれかの既登録の通信装置から、新規登録の通信装置の登録要求を示す登録要求信号を受信した場合、上記ネットワーク上に、新規登録の通信装置の登録が可能な状態であることを判断する登録可能状態判定手段と、
上記登録可能状態判定手段が、新規登録の通信装置の登録を可能な状態であることを判断した場合、既登録の通信装置を介して、新規登録の通信装置と通信し、当該新規登録の通信装置を、上記ネットワークに接続する通信装置として登録する登録処理を受付ける登録受付手段とを有し、
第1の上記既登録の通信装置は、
上記通信制御装置に、登録要求信号を送信する登録要求信号送信手段を有し、
第2の上記既登録の通信装置は、
新規登録の通信装置から接続可能なネットワークを探索するための探索要求信号を受信した場合、当該新規登録の通信装置と、上記通信制御装置との間の通信を中継する通信中継手段とを有し、
上記新規登録の通信装置は、
探索要求信号を発信する探索要求信号送信手段と、
既登録の通信装置から探索要求信号に対する応答があった場合、当該既登録の通信装置を介して、上記通信制御装置と通信して、上記ネットワークに登録する要求を行う登録要求手段を有する
ことを特徴とするネットワークシステム。
ネットワークに接続する通信装置を管理する通信制御装置に既に上記ネットワークに接続するための登録がなされている既登録の通信装置において、新規に上記通信制御装置に上記ネットワークに接続するための登録を行う新規登録の通信装置から接続可能なネットワークを探索するための探索要求信号を受信した場合、当該新規登録の通信装置と、上記通信制御装置との間の通信を中継する通信中継手段を有することを特徴とする通信装置。
ネットワークに接続する通信装置を管理する通信制御装置に既に上記ネットワークに接続するための登録がなされている既登録の通信装置において、上記通信制御装置に、登録要求信号を送信する登録要求信号送信手段を有することを特徴とする通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)第1の実施形態
以下、本発明によるネットワークシステム、通信制御装置及び通信装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明の通信制御装置を登録装置に適用した例について説明する。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、この実施形態のネットワークシステム1の全体構成を示すブロック図である。
【0020】
この実施形態において、ネットワークシステム1には、マルチホップネットワークNを構成している3台の通信装置10(10−1〜10−3)と、これからマルチホップネットワークNに新規登録する通信装置10(10−4)と、登録装置20とが配置されているものとして説明する。なお、通信システム1に配置される通信装置10及び登録装置20の数は限定されないものである。
【0021】
図2に示す各通信装置10は、マルチホップネットワークNを構成する無線ノードである。ネットワークシステム1では、登録装置20により、マルチホップネットワークNに参加しているノード(通信装置10)が管理されているものとする。すなわち、マルチホップネットワークNには、登録装置20に登録(認証)されたノード(通信装置10)のみが継続的に参加(接続)できる。
【0022】
各通信装置10に搭載される上位機能(アプリケーション)については限定されないものであり、例えば、センサノード等の無線通信を行うノード(例えば、種々の無線LANのインタフェース仕様に基づいて無線通信を行う無線ノード)を適用することができる。また、ネットワークシステム1において、マルチホップネットワークN内でのトポロジについては限定されないものであり、種々のルーティングプロトコル等を用いて収束する構成となっているものとして説明する。この実施形態の例では、
図2に示すように、通信装置10−2を中心として通信装置10−1、10−2、及び登録装置20がリンクしている状態で、通信装置10−2の配下に、さらに通信装置10−4が新規接続されるものとして説明する。
【0023】
次に、各通信装置10の内部構成について説明する。
【0024】
図3は、通信装置10の内部構成について示した説明図である。
【0025】
図3に示すように、通信装置10は、送信部11、受信部12、通信処理部13、入力部14、表示部15、及び電源部16を有している。
【0026】
図3においては図示を省略しているが、通信装置10には、その機能に応じた上位層の構成要素(例えば、所定のセンサにより検知した値のデータを送信する機能等)が搭載される。
【0027】
送信部11及び受信部12は、通信装置10が無線信号を送受信する無線インタフェースとして機能するものである。
【0028】
電源部16は、当該通信装置10の各構成要素に電力供給を行うものである。この実施形態では、電源部16には、電源ON/OFFの切替可能な電源スイッチ160が設けられているものとする。電源スイッチ160の形状は限定されないものであり、例えば、ボタン形式のものとしてもよい。
【0029】
通信処理部13は、当該通信装置10に係る通信処理を行うものであり、新規登録要求部131、ネットワーク登録処理部132、ネットワーク情報管理部133、新規登録モード要求部134、新規登録モード取得部135、及び登録処理中継部136を有している。通信処理部13は、送信部11及び受信部12を用いて、登録装置20との間で通信制御に係る信号を送受信することにより、マルチホップネットワークNへ参加するための新規登録処理や、新規登録処理後にマルチホップネットワークNへ参加する処理(以下、「新規登録処理」と呼ぶ)等を行う。また、通信処理部13は、新規登録処理の後、これからネットワーク参加処理を行う他の通信装置10(新規登録処理実行前の通信装置10)と、登録装置20との間の中継(仲介)の処理(以下、「新規登録中継処理」と呼ぶ)も実行する。
【0030】
入力部14及び表示部15は、通信装置10におけるユーザインタフェース(主として当該通信装置10を設置する作業者向けのユーザインタフェース)として機能するものである。入力部14は、作業者から操作を受付けるための操作受付手段(入力手段)である。この実施形態においては、入力部14は1個のボタン140を用いて構成されているものとして説明する。なお、入力部14を構成するデバイスの種類や数は限定されないものである。例えば、入力部14として複数のボタンやタッチパネル等を用いるようにしてもよいことは当然である。なお、入力部1のボタン140と、電源部16の電源スイッチ160とは、一つのボタン等を用いて構成するようにしてもよい。
【0031】
表示部15は、作業者に当該通信装置10の状態等を表示出力する表示出力手段である。この実施形態においては、表示部15は1個のランプ150(例えば、LEDランプ)を用いて構成されているものとして説明する。なお、表示部15を構成するデバイスの種類や数は限定されないものである。例えば、表示部15として複数のランプやディスプレイ等を用いるようにしてもよいことは当然である。なお、特に作業者に対して提示する信号が必要ない場合には、表示部15は省略するようにしてもよい。
【0032】
ランプ150は、通信処理部13の制御に応じて点灯・点滅等を行うことが可能である。例えば、通信処理部13の動作状態の遷移に応じてランプ150の点滅や点灯等を行うようにしてもよい。また、通信処理部13は、マルチホップネットワークNへの登録成功や失敗等の処理結果に応じて点灯・点滅等を行うようにしてもよい。
【0033】
次に、通信装置10が、新規登録処理を行う際の状態、及び新規登録処理後の状態(既登録の状態)について、
図4及び
図5を用いて説明する。
【0034】
図4は、通信装置10において新規登録処理を行う前の状態(
図2に示す通信装置10−4の状態)について示している。通信装置10の通信処理部13では、新規登録処理には、新規登録要求部131、ネットワーク登録処理部132、及びネットワーク情報管理部133が用いられる。
図4では、説明を簡易とするため、通信処理部13内に、新規登録処理の際に用いられる構成要素(新規登録要求部131、ネットワーク登録処理部132、及びネットワーク情報管理部133)のみを図示している。
【0035】
また、
図5は、通信装置10において新規登録処理後に新規登録中継処理が行われる際の状態(
図2に示す通信装置10−1〜10−3の状態)について示している。通信装置10の通信処理部13では、新規登録処理後に行われる新規登録中継処理に、新規登録モード要求部134、新規登録モード取得部135、及び登録処理中継部136が用いられる。
図5では、説明を簡易とするため、通信処理部13内に、ネットワーク参加処理の際に用いられる構成要素(新規登録モード要求部134、新規登録モード取得部135、及び登録処理中継部136)のみを図示している。
【0036】
次に、
図4を用いて、通信装置10において新規登録処理を行う際に用いられる構成要素(新規登録要求部131、ネットワーク登録処理部132、及びネットワーク情報管理部133等)の詳細について説明する。
【0037】
新規登録要求部131は、当該通信装置10が参加するネットワーク情報を新たに設定するための動作モード(以下、「新規登録モード」と呼ぶ)を起動するものである。通信装置10(新規登録要求部131)において、新規登録モードの起動判断方法は、特に限定されないが、第1の実施形態では例として、入力部14に対する所定の操作(ボタン140の押下)により起動するものとして説明する。なお、通信装置10では、例えば、工場出荷時の状態で電源投入する(電源スイッチ160をON状態に切替える)ことにより新規登録モードを起動するようにしてもよいし、ボタン140を押下しながら電源投入する(電源スイッチ160をON状態に切替える)ことにより新規登録モードを起動するようにしてもよい。新規登録要求部131は、ユーザによる上述の所定の操作に応じて、新規登録モードの起動開始要求をネットワーク登録処理部132へ与える。
【0038】
ネットワーク登録処理部132は、マルチホップネットワークNの登録装置20との間で新たに登録処理を実施し、当該ネットワークを参加しても良いネットワークとして登録するか否かを判断するものである。ネットワーク登録処理部132は、新規登録要求部131より、新規登録モードの起動開始要求を与えられることにより、新規登録処理を開始する。ネットワーク登録処理部132は、まず、ネットワーク探索要求(接続可能なネットワークを探索するための信号(フレーム))を送信部11へ与え、受信部12を介して応答があったネットワーク情報(マルチホップネットワークNを含むネットワークの識別情報)の中から、参加要求を出すネットワークを選択する。ネットワーク情報には、例えば、新規登録モード中であることを示す情報やネットワークの識別情報が含まれており、ネットワーク登録処理部132は、これらの情報に基づいて参加要求を出すネットワークを選択しても良い。ネットワーク登録処理部132は、選択したネットワークに対して参加要求を送信し、前記ネットワークから参加許可または拒否の応答を受信することにより完了する。ネットワーク登録処理部132は、当該通信装置10とマルチホップネットワークNの登録装置20間の認証処理を伴っても良い。ネットワーク登録処理部132が行う認証処理の詳細については、特に限定しないが、例えば、共通鍵暗号や公開鍵暗号といった暗号技術に基づく認証・鍵交換を実施しても良い。
【0039】
ネットワーク登録処理部132は、マルチホップネットワークNから参加許可の応答を受信することにより、マルチホップネットワークNの登録を判断しても良い。また、ネットワーク登録処理部132は、マルチホップネットワークNから参加拒否の応答を受信することや、応答を得られないことにより、マルチホップネットワークNの登録処理を中止しても良い。ネットワーク登録処理部132は、登録を判断したネットワーク情報をネットワーク情報管理部133へ与える。ここで、ネットワーク情報には、ネットワークの識別情報や、ネットワーク情報登録後の再参加時の認証処理に利用する認証情報等を含んでも良い。
【0040】
ネットワーク情報管理部133は、当該通信装置10が登録したネットワーク情報を管理するものである。ネットワーク情報管理部133は、ネットワーク登録処理部132より、参加を許可されたネットワーク情報を与えられることにより、当該ネットワーク情報を管理する。ネットワーク情報には、例えば、ネットワークの識別情報やネットワークの認証情報を含んでも良い。
【0041】
図4の状態において、送信部11は、ネットワークの登録処理の際に、ネットワーク登録処理部132から与えられたデータを送信する処理を行うことになる。また、
図4の状態において、受信部12は、登録処理を実施するネットワークから受信したデータを、ネットワーク登録処理部132へ与えることになる。
【0042】
次に、
図5を用いて、通信装置10において新規登録中継処理を行う際に用いられる構成要素(新規登録モード要求部134、新規登録モード取得部135、登録処理中継部136等)の詳細について説明する。
【0043】
新規登録モード要求部134は、マルチホップネットワークNの登録装置20に対して、新規登録モードの開始を要求するものである。新規登録モード開始の要求判断方法は、特に限定しないが、例えば、当該通信装置10が装備するボタン140を押下(又は所定時間以上押下の状態とする長押し)することにより実現するようにしてもよい。また、入力部14が複数のボタンを備える場合に、新規登録モード要求部134は、複数のボタンを同時押しすることにより新規登録モードの開始を判断するようにしてもよい。さらに、新規登録モード要求部134は、当該通信装置10と接続可能な装置からの指示により新規登録モードを開始するようにしてもよい。新規登録モード要求部134は、新規登録モードの開始要求を送信部11へ与える。ここで、新規登録モードの開始要求には、暗号化処理や認証処理により、盗聴、改竄、なりすましといった攻撃に耐性を持たせても良い。
【0044】
新規登録モード取得部135は、受信部12より新規登録モード設定通知を与えられることにより、マルチホップネットワークNが新規登録モードに設定されたことを認識するものである。新規登録モード設定通知は、暗号化処理や認証処理により、盗聴、改竄、なりすましといった攻撃に耐性を持たせても良い。新規登録モード取得部135は、新規登録モード設定通知を、登録処理中継部136へ与える。
【0045】
登録処理中継部136は、新規に登録される通信装置10と、マルチホップネットワークNの登録装置20間で送受信される登録処理を仲介するものである。登録処理中継部136は、新規登録モード取得部135より、新規登録モード設定通知を与えられることにより、新規に登録される通信装置10からのネットワーク探索要求に対して、新規登録モード中であることを応答する。ここで、登録処理中継部136は、新規登録モード中であることの応答は、当該既に登録されている通信装置10が属するマルチホップネットワークNの識別情報と共に応答しても良い。また、登録処理中継部136は、新規に登録される通信装置10からのネットワーク探索要求を登録装置20へ中継配送するために送信部11へ与え、受信部12より与えられる新規登録モード中であることを示すネットワーク情報を、前記新規に登録される通信装置10へ中継配送するために送信部11へ与えても良い。
【0046】
登録処理中継部136は、新規に登録される通信装置10からのネットワーク参加要求を、受信部12を介して与えられることにより、当該新規に登録される通信装置10と、マルチホップネットワークNの登録装置20間の認証メッセージの交換を中継配送する。前記認証メッセージには、例えば、ネットワークヘの参加認証処理や、アドレス情報の設定、通信経路情報の設定のためにやりとりされるメッセージを含んでも良い。
【0047】
図5の状態において、送信部11は、新規登録モード要求部134から与えられる新規登録モード開始要求を、マルチホップネットワークNの登録装置20へ向けて送信する。また、
図5の状態において、送信部11は、新規に登録される通信装置10とマルチホップネットワークNの登録装置20間のネットワークの登録処理において、登録処理中継部136から与えられた情報を送信する。さらにまた、
図5の状態において、受信部12は、マルチホップネットワークNの登録装置20から与えられる新規登録モード設定通知を、新規登録モード取得部135へ与える。また、
図5の状態において、受信部12は、新規に登録される通信装置10とマルチホップネットワークNの登録装置20間のネットワークの登録処理に関わる情報を、登録処理中継部136へ与える。
【0048】
次に、登録装置20の構成について
図6を用いて説明する。
【0049】
登録装置20は、新規登録モード要求取得部231、通信装置登録処理部232、通信装置情報管理部233、送信部21、及び受信部22を有する。
【0050】
送信部21及び受信部22は、登録装置20が無線信号を送受信する無線インタフェースとして機能するものである。
【0051】
新規登録モード要求取得部231は、受信部22より、新規登録モード開始要求を与えられることにより、通信装置10の新規接続を受け入れ、設定するための新規登録モードを起動するものである。ここで、新規登録モード開始要求は、暗号化処理や認証処理により、盗聴、改竄、なりすまし等の攻撃に耐性を持たせても良い。新規登録モード要求取得部231は、新規登録モード起動要求を通信装置登録処理部232へ与える。
【0052】
通信装置登録処理部232は、通信装置10との間で新規に登録処理を実施し、当該通信装置10をネットワークに登録するか否かを判断するものである。通信装置登録処理部232は、新規登録モード要求取得部231より新規登録モード起動要求を与えられることにより、当該マルチホップネットワークNに、新規に通信装置10を登録するための処理を実施する。通信装置登録処理部232は、マルチホップネットワークNを形成するすべての通信装置10に対して、新規登録モード(新規登録が受付可能な状態)への突入を通知するための通知(新規登録モード設定通知)を送信部21へ与える。通信装置登録処理部232は、通信装置登録処理においては、例えば、新規登録モード起動要求を与えられた後から、任意の期間のみを実施し、任意の期間の終了後は、実施しないように制御しても良い。
【0053】
また、通信装置登録処理部232は、例えば、当該登録装置20に対する操作(例えば、図示しないボタンの押下等)により、通信装置登録処理の実施を中止しても良い。通信装置登録処理部232において、通信装置登録処理は、例えば、任意の通信装置10より参加要求を受信し、参加許可または拒否を応答することにより実施される。通信装置登録処理部232において、通信装置登録処理は、通信装置10と当該登録装置20間の認証処理を伴っても良い。通信装置登録処理部232が行う認証処理の方式は、特に限定しないが、例えば、共通鍵暗号や公開鍵暗号といった暗号技術に基づく認証・鍵交換を実施しても良い。
【0054】
通信装置情報管理部233は、当該登録装置20が参加することを許可した通信装置10の情報を管理するものである。通信装置情報管理部233は、通信装置登録処理部232より与えられた、参加が許可された通信装置の情報を管理する。前記通信装置の情報とは、例えば、MACアドレス等の通信装置10を識別する情報であり、さらに、通信装置10を認証するための認証情報を含んでも良い。
【0055】
送信部21は、ネットワーク参加処理において、通信装置登録処理部232から与えられた情報を送信する。また、受信部22は、既に登録されている通信装置10から受信した新規登録モード開始要求を新規登録モード要求取得部231へ与える。さらに、受信部22は、新規登録処理、登録処理を実施する通信装置10から受信した情報を、通信装置登録処理部232へ与える。
【0056】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のネットワークシステム1の動作を説明する。
【0057】
図1は、ネットワークシステム1の動作の一例を説明したシーケンス図である。
図1では、マルチホップネットワークNに3台の通信装置10−1〜10−3が登録されている状態で、新たに通信装置10−4を登録する処理について示したシーケンス図となっている。
図1では、ネットワークシステム1の動作について、大別して3つのステップS101(新規登録モードの起動)、S102(登録処理)、S103(登録設定)の処理が含まれている。
【0058】
図1では、「既に登録されている通信装置10」を通信装置10−2、「新規に登録される通信装置10」を通信装置10−4として説明する。すなわち、
図1では、新規に登録される通信装置10−4は、既に登録さている通信装置10−2を経由して登録装置20にアクセスして新規登録処理を行うことになる。
【0059】
[S101]新規登録モードの起動
まず、既に登録されている通信装置10−2の新規登録モード要求部134において、新規登録モードの開始要求が判断され(S101−1)、新規登録モード開始要求が登録装置20へ送信されたものとする(S101−2)。ここでは、既に登録されている通信装置10−2において、入力部14のボタン140が押下され、新規登録モード要求部134で、新規登録モードの開始要求の判断が行われたものとする。
【0060】
次に、登録装置20の新規登録モード要求取得部231において、新規登録モード開始要求が与えられ、新規登録モードの起動が判断される。新規登録モードの起動要求が、通信装置登録処理部232へ与えられる(S101−3)。
【0061】
次に、登録装置20の通信装置登録処理部232が、新規登録モードを開始し、新規登録モード設定通知が現在マルチホップネットワークNを形成するすべての通信装置10(10−1〜10−3)へ送信される(S101−4)。これにより、既に登録されている通信装置10−2の新規登録モード取得部135において、新規登録モード設定通知が受理され、登録処理中継部136において、新規登録処理の中継処理が開始する。
【0062】
そして、新規に登録される通信装置の新規登録要求部131において、新規登録モードの起動が判断され、新規登録モードの起動開始要求がネットワーク登録処理部132へ与えられたものとする(S101−5)。ここでは、新規に登録される通信装置10−4において、入力部14のボタン140が押下され、新規登録要求部131で、新規登録モードの起動が判断されたものとする。
【0063】
[S102]登録処理
次に、新規に登録される通信装置10−4のネットワーク登録処理部132において、ネットワーク探索要求が生成され、送信部11を介して近傍の通信装置10(通信装置10−2を含む)に発信される(S102−1)。そして、このネットワーク探索要求は、通信装置10−4の近傍に位置する通信装置10−2により受信されることになる。
【0064】
次に、既に登録されている通信装置10−2の登録処理中継部136において、ネットワーク探索要求が与えられ、新規登録モード中であることを示すネットワーク情報(マルチホップネットワークNのネットワーク情報)を応答する(S102−2)。なお、ネットワーク探索要求を登録装置20に中継配送し、登録装置20より返信されるネットワーク情報を新規に登録される通信装置10−4へ応答しても良い。
【0065】
次に、新規に登録される通信装置10−4のネットワーク登録処理部132において、新規登録モード中のマルチホップネットワークNが参加先のネットワークとして選択され、送信部11を介して参加要求が送信(通信装置10−2を経由して登録装置20に送信)される。そして、新規に登録される通信装置10−4のネットワーク登録処理部132と、登録装置20の通信装置登録処理部232との間で、登録処理が実施される(例えば、通信装置のMACアドレス等の装置確認情報と、ネットワークの識別情報等のネットワーク情報が交換される)(S102−3)。ここでは、既に登録されている通信装置10−2の登録処理中継部136が、新規に登録される通信装置10−4と登録装置20の間で交換する情報を中継配送することになる。当該登録処理は、新規に登録される通信装置10−4と登録装置20の間で暗号技術に基づく認証処理を行っても良い。ここでは、認証処理に成功すると同時に、当該通信装置10−4が再参加時の認証処理に利用する認証情報(例えば、事前共有鍵やパスワード等)を新たに生成しても良し、当該通信装置10−4が再参加時の認証処理に利用する認証情報(例えば、当該通信装置10−4の公開鍵等)を保持しても良い。また、ここで、通信装置10−4は、認証処理に失敗することにより、登録処理を中止しても良い。
【0066】
次に、登録装置20の通信装置登録処理部232において、参加許可もしくは参加拒否の応答メッセージが生成され、送信部21を介して、新規に登録される通信装置10−4へ送信される。そして、新規に登録される通信装置10−4のネットワーク登録処理部132において、参加許可もしくは参加拒否の応答メッセージが与えられ、現在登録処理中のネットワークの登録を判断することになる(S102−4)。
【0067】
[S103]登録設定
次に、登録装置20の通信装置情報管理部233において、登録を判断した通信装置10−4の情報が管理される。ここでは、MACアドレス等の通信装置を識別する情報の他に、当該通信装置10登録後の再参加時の認証処理に利用する認証情報(例えば、事前共有鍵やパスワード、公開鍵等)を含んでも良い。また、通信装置10−4のネットワーク情報管理部133において、登録を判断したネットワークの識別情報(マルチホップネットワークNの識別情報)が管理される。ネットワーク情報管理部133では、ネットワークの識別情報の他に、ネットワーク情報登録後の再参加時の認証処理に利用する認証情報(例えば、事前共有鍵やパスワード、公開鍵等)を含んでも良い(S103−1)。
【0068】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0069】
第1の実施形態によれば、マルチホップネットワークNの登録装置20を操作(例えば、図示しないボタン等の押下)を必要とせずに、新規に登録する通信装置10の近傍に存在する既登録の通信装置10(ボタン140が押下され新規登録モードが開始した通信装置0;以下「中継装置」とも呼ぶ)の入力部14(ボタン140)を操作(押下)することにより、マルチホップネットワークNを制御する登録装置20の新規登録モードを開始させることができる。これにより、マルチホップネットワークNを制御する登録装置20に対して、新規に通信装置10を登録するときに、既登録の登録装置20と、新規に登録する通信装置10とが物理的に離れている場合でも、通信装置10の設置者が、登録装置20まで移動して新規登録モードを起動することなく、容易に新規登録モードを開始することができる。さらに、通信装置10では、入力部14の構成を1つのボタン140等簡素な構成で実現することができる。
【0070】
また、既登録の通信装置10を直接操作できる者でなければ、通信装置10の新規登録を行うことができないので、通信装置10の登録作業を容易としつつ、マルチホップネットワークNの不正アクセスを抑制することも可能となる。
【0071】
(B)第2の実施形態
以下、本発明によるネットワークシステム、通信制御装置及び通信装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明の通信制御装置を登録装置に適用した例について説明する。
【0072】
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の全体構成及び各装置(通信装置10及び登録装置20)の内部構成についても、第1の実施形態と同様に上述の
図2〜
図6で示すことができる。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を説明する。
【0073】
第2の実施形態では、マルチホップネットワークNの登録装置20が、既に登録されている通信装置10のうち、新規に登録される通信装置10と登録装置20との間の通信を中継する通信装置10(中継装置)のみに対して、新規登録モードの設定を通知し、登録処理において、登録処理を中継処理する通信装置10を確認するものとする。
【0074】
以下では、説明を簡易とするため、第1の実施形態と同様に、既に登録されている通信装置10を通信装置10−2、新規に登録される通信装置を通信装置10−4として説明する。
【0075】
第2の実施形態の既に登録されている通信装置10−2では、登録処理中継部136の一部の処理が、第1の実施形態と異なっている。
【0076】
第2の実施形態の登録処理中継部136は、新規に登録される通信装置10−4から与えられるネットワーク参加要求、および、認証メッセージを、登録装置20へ中継配送する際、メッセージの中継配送元が当該既に登録されている通信装置10−2であることを登録装置20に証明するために、共通鍵暗号や公開鍵暗号などの暗号技術を用いてメッセージを認証処理しても良い。
【0077】
第2の実施形態における登録装置20では、新規登録モード要求取得部231、および、通信装置登録処理部232に関して一部の動作が異なる。以下、第2の実施形態の登録装置20について、第1の実施形態との差異を説明する。
【0078】
第2の実施形態の新規登録モード要求取得部231は、新規登録モード開始要求を与えられると共に、当該新規登録モード開始要求を送信した通信装置10のアドレス情報を取得し、新規登録モード起動要求と共に、当該取得したアドレス情報を通信装置登録処理部232へ与える。
【0079】
第2の実施形態の通信装置登録処理部232は、新規登録モード要求取得部231より、新規登録モード起動要求と共に、当該新規登録モード起動要求の送信元アドレス情報をも取得する。また、第2の実施形態の通信装置登録処理部232は、マルチホップネットワークNを形成する通信装置10のうち、当該送信元アドレス情報が設定された通信装置10に対してのみ、新規登録モードヘの移行を通知するために、新規登録モード設定通知を送信部21へ与える。さらに、第2の実施形態の通信装置登録処理部232は、任意の通信装置10より参加要求、および、登録処理に必要な認証メッセージを与えられた場合に、その中継装置が前記送信元アドレス情報を持つ通信装置であることを確認しても良い。ここでは、メッセージの中継配送元が前記中継装置であることを確認するために、共通鍵暗号や公開鍵暗号などの暗号技術を用いてメッセージを認証処理しても良い。さらにまた、第2の実施形態の通信装置登録処理部232は、メッセージの中継配送元となる通信装置10が、新規登録モード設定通知を送った中継装置であることを確認できる場合のみ、登録処理を継続し、確認できない場合は、登録処理を中止しても良い。
【0080】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のネットワークシステム1の動作を説明する。
【0081】
図7は、第2の実施形態のネットワークシステム1の動作の一例を説明したシーケンス図である。
図7では、マルチホップネットワークNに3台の通信装置10−1〜10−3が登録されている状態で、新たに通信装置10−4を登録する処理について示したシーケンス図となっている。なお、
図7のシーケンス図では、
図1と同一又は対応するステップについて同一又は対応するステップ番号(符号)を付している。
図7では、ネットワークシステム1の動作について、大別して3つのステップS101A(新規登録モードの起動)、S102A(登録処理)、S103(登録設定)の処理が含まれている。第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、ステップS101、S102がステップS101A、S102Aに置き換わっている。
【0082】
以下では、第2の実施形態のネットワークシステム1において、第1の実施形態の動作(上述の
図1に示シーケンス)との差異のみを説明する。
【0083】
[S101A]新規登録モードの起動
第2の実施形態のステップS101Aでは、第1の実施形態のステップS101におけるステップS101−3、S102−4が、ステップS101A−3、S101A−4に置き換わっている。
【0084】
ステップS101A−3では、登録装置20の新規登録モード要求取得部231で、新規登録モード開始要求と共に当該新規登録モード開始要求の送信元アドレス情報(通信装置10−2のアドレス)が取得され、新規登録モードの起動要求および送信元アドレス情報が、通信装置登録処理部232へ与えられる。
【0085】
ステップS101A−4では、登録装置20の通信装置登録処理部232が、新規登録モードを開始し、新規登録モード設定通知が新規登録モード要求取得部231から与えられた送信元アドレス情報が設定された通信装置10−2へ送信する。
【0086】
[S102A]登録処理
第2の実施形態のステップS102Aでは、第1の実施形態と比較して、ステップS102−3がステップS102A−3に置き換わっている。
【0087】
ステップS102A−3では、既に登録されている通信装置10−2の登録処理中継部136が、新規に登録される通信装置10−4からのネットワーク参加要求、および、認証メッセージの中継配送元が自装置であることを登録装置20に証明するために、暗号技術を用いてメッセージの送信元を認証処理する処理を行う。
【0088】
また、ステップS102A−3では、登録装置20の通信装置登録処理部232が、ネットワーク参加要求、および、認証メッセージを与えられた場合に、その中継配送元が、前記新規登録モード要求取得部231から与えられた送信元アドレス情報を持つ通信装置10であるか否かを確認する。通信装置登録処理部232は、その確認に、暗号技術を用いたメッセージの送信元認証を利用するようにしても良い。
【0089】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0090】
第2の実施形態では、マルチホップネットワークNの登録装置20が、中継装置となる既登録の通信装置10(ボタン140が押下された既登録の通信装置10)のみに対して新規登録モードの設定を通知する。また、第2の実施形態では、登録処理に関しては、登録装置20が、登録処理を中継処理する通信装置10を確認することができる。これにより、第2の実施形態では、中継装置となる既登録の通信装置10(ボタン140が押下された既登録の通信装置10)以外から第三者の通信装置が、マルチホップネットワークNヘ不正に接続(誤接続)すること等を抑制することができる。
【0091】
(C)第3の実施形態
以下、本発明によるネットワークシステム、通信制御装置及び通信装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明の通信制御装置を登録装置に適用した例について説明する。
【0092】
(C−1)第3の実施形態の構成
図8は、第3の実施形態のネットワークシステム1Bの全体構成について示したブロック図である。
【0093】
第3の実施形態では、登録装置20が登録装置20Bに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。以下、第3の実施形態について第1の実施形態との差異を説明する。なお、第3の実施形態において、各通信装置10の構成については第1の実施形態と同様であるため詳しい説明を省略する。
【0094】
次に、第3の実施形態の登録装置20Bの機能的構成について
図9を用いて説明する。
【0095】
第3の実施形態の登録装置20Bは、新規登録モード要求を許可する通信装置10を事前に把握しておき、その通信装置20からの新規登録モード要求に対してのみ、新規登録モードを起動する。
【0096】
第3の実施形態の登録装置20Bでは、登録処理部23に、新規登録モード権限管理部234が追加されている点で、第1の実施形態と異なっている。また、第3の実施形態の登録装置20Bでは、新規登録モード要求取得部231の処理の一部が第1の実施形態と異なっている。
【0097】
第3の実施形態の新規登録モード要求取得部231は、新規登録モード開始要求を与えられると共に、当該新規登録モード開始要求を送信した通信装置の識別情報を取得し、当該通信装置10の識別情報が、新規登録モード権限管理部234より与えられた識別情報に含まれる場合にのみ、新規登録モードを起動すると判断する。
【0098】
新規登録モード権限管理部234は、既にマルチホップネットワークNに登録される通信装置10のうち、新規登録モード要求を受け入れる通信装置10(中継装置となることが許可された通信装置10)を事前に把握しておくものである。新規登録モード権限管理部234は、既に登録されている通信装置10−2のうち、新規登録モードの起動を許す通信装置10の識別情報を管理し、管理する識別情報を新規登録モード要求取得部231へ与える。
【0099】
新規登録モード権限管理部234において、新規登録モードの起動を許す通信装置10の把握方法(管理方法)は、特に限定しないが、例えば、オペレータにより手動設定で入力可能としてもよいし、別途通信装置10管理を行うサーバ(データベースサーバ)や認証サーバ等を構築して管理するようにしてもよい。
【0100】
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第3の実施形態のネットワークシステム1Bの動作を説明する。
【0101】
図10は、第3の実施形態のネットワークシステム1Bの動作の一例を説明したシーケンス図である。
図10では、マルチホップネットワークNに3台の通信装置10−1〜10−3が登録されている状態で、新たに通信装置10−4を登録する処理について示したシーケンス図となっている。なお、
図10のシーケンス図では、上述の
図1と同一又は対応するステップについて同一又は対応するステップ番号(符号)を付している。
図10では、ネットワークシステム1Bの動作について、大別して3つのステップS101B(新規登録モードの起動)、S102(登録処理)、S103(登録設定)の処理が含まれている。第3の実施形態では、第1の実施形態と比較して、ステップS101がステップS101Bに置き換わっている。以下では、
図1に示す第1の実施形態のシーケンス図と異なる部分のみを説明する。
【0102】
[S101B]新規登録モードの起動
第3の実施形態のステップS101Bの処理では、ステップS101−3の処理がステップS101B−3に置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
【0103】
ステップS101B−3において、第3の実施形態の登録装置20Bの新規登録モード要求取得部231は、新規登録モード開始要求、および、新規登録モード開始要求の送信元となる通信装置10(中継装置となりえる通信装置10)のリスト(識別情報のリスト)が、事前に新規登録モード権限管理部234から供給されている。そして、新規登録モード要求取得部231は、取得した新規登録モード開始要求の送信元となる通信装置10の識別情報が、新規登録モード権限管理部234より供給された識別情報に含まれる場合にのみ、新規登録モードの起動を判断し、新規登録モードの起動要求を、通信装置登録処理部232へ与える。
【0104】
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0105】
第3の実施形態では、マルチホップネットワークNの登録装置20Bが、新規登録モード要求を許可する通信装置10を事前に把握しておき、その通信装置からの新規登録モード要求に対してのみ、新規登録モードを起動する。これにより、第3の実施形態では、マルチホップネットワークNの登録装置20Bが第三者によって意図せず新規登録モードに設定されてしまうことを防ぐことができる。例えば、第三者がアクセスしやすい屋外に設置される通信装置10に関しては、新規登録モードを起動する権限を与えないことで、新規登録モードが不正に起動されることを防ぐことができる。また、登録装置20以外に、新規登録モードを起動できる代表装置を事前に設定しておくことにより、新規登録モードが意図せず起動されることを防ぐことができる。
【0106】
(D)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0107】
(D−1)上記の各実施形態のネットワークシステムでは、無線通信装置により構成される無線マルチホップネットワークについて説明したが、本発明のネットワークシステムにおいて、ネットワーク接続する媒体(有線又は無線)は限定されず、一部又は全部の通信装置を有線接続とするようにしてもよい。
【0108】
(D−2)上記の各実施形態のネットワークシステムでは、マルチホップネットワークを前提に説明したが、本発明のネットワークシステムでは、ルーティング機能に対応する通信装置に限定されず、例えば、メッセージをリレーするだけの中継装置(例えば、レイヤ2のブリッジ機能のみに対応した通信装置)を含むようにしてもよい。
【0109】
(D−3)上記の各実施形態のネットワークシステムでは、中継装置となる通信装置において、新規登録モードが起動された場合に、まず、登録装置に通知し、登録装置から新規登録モードの設定が通知された後で、新規の通信装置に新規登録モード状態を応答する構成で説明したが、これに限定するものではない。例えば、中継装置において新規登録モードが起動された場合に、新規の通信装置に新規登録モード情報を応答し、新規の通信装置からの参加要求を受信した後に、登録装置に対して新規登録モードの開始要求を通知する構成としても良い。
【0110】
(D−4)上記の各実施形態では、既に登録されている通信装置は、新規登録モードが設定される通信装置の場合を例に説明したが、新規登録モードが設定されない通信装置においては、新規の通信装置からのネットワーク探索要求に、ネットワーク情報を応答しない構成や、新規の通信装置からの参加要求及び認証メッセージを登録装置へ中継しない構成としてもよい。これにより、本発明のネットワークシステムでは、無駄な通信の発生を抑制することができる。
【0111】
(D−5)上記の各実施形態において、既に登録されている通信装置は、新規に登録される通信装置と登録装置間の登録処理を中継処理する例で説明したが、既に登録されている通信装置のすべてが登録処理中継部を備えることに限定するものではない。例えば、登録処理中継部を備えない通信装置が、新規登録モード要求部で生成された新規登録モード開始要求のみを登録装置に通知する通信装置があっても良い。この場合、他の既登録の通信装置(登録処理中継部を備える通信装置)が、配下に接続された新規登録の通信装置を登録装置と通信させることになる。言い換えると、本発明のネットワークシステムでは、第1の既登録の通信装置(登録処理中継部を備えなえず新規登録モード要求部を備える通信装置)と、第2の既登録の通信装置(少なくとも登録処理中継部を備える通信装置)とを用いて、登録装置に新規登録の通信装置の登録を実行させるようにしてもよい。
【0112】
(D−6)本発明のネットワークシステムでは、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせて適用することも可能である。すなわち、本発明のネットワークシステムにおいて、新規登録モードを開始できる中継装置を限定しつつ、当該中継装置を利用した登録処理であることを認証する構成としてもよい。