表示装置(20,57)に表示された画像の色を閲覧者が判別することが可能か否かの境界となる境界階調値を特定する特定手段(62)と、特定された境界階調値に近い階調値を有する境界画像を用いて視野角評価画像を生成し表示装置(20,57)に出力する第1の出力手段(63)と、複数の視野角度から視野角評価画像を見た場合の視野角評価画像の見え方の異同の有無を特定し、表示装置(20,57)の視野角度の違いによる表示特性を評価する評価手段(64)と、を含むように構成した。
前記第2の出力手段は、予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む画像の前記相対的な階調値を各々異ならせた複数の単位階調画像を組み合わせて前記階調評価画像を生成し前記表示装置に出力し、
前記第1の出力手段は、前記境界画像の階調値に基づいて選択した階調値の前記単位階調画像を前記視野角評価画像として生成し、
前記基準視野角度から前記階調評価画像を見た場合の見え方の回答を受け付けるとともに、前記基準視野角度とは異なる複数の視野角度から前記視野角評価画像を見た場合の見え方の回答を受け付ける受付手段をさらに含み、
前記評価手段は、特定された前記境界階調値に近い階調値の単位階調画像を前記境界画像として決定する
請求項2に記載の表示評価装置。
前記第2の出力手段は、前記複数の単位階調画像を、前記相対的な階調値が判別しにくい順番、または前記相対的な階調値が判別しやすい順番に配列させて前記表示装置に出力する
請求項3または請求項4に記載の表示評価装置。
前記第2の出力手段は、固定された階調値の第1の領域および前記第1の領域の内部に配置されるとともに階調値が可変とされた第2の領域を含む前記単位階調画像の、前記第2の領域の階調値を変化させて前記相対的な階調値を異ならせた前記複数の単位階調画像を生成し前記表示装置に出力する
請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の表示評価装置。
前記第2の出力手段は、固定された階調値の第1の領域および前記第1の領域の内部に配置されるとともに階調値が可変とされた文字または図形で表された第2の領域を含む単位階調画像の、前記文字または図形の階調値を変化させて前記相対的な階調値を異ならせた前記複数の単位階調画像を生成し予め定められた順序で並べて前記表示装置に出力する 請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の表示評価装置。
前記第2の出力手段は、固定された階調値の第1の領域および前記第1の領域と並べて配置されるとともに階調値が可変とされた第2の領域を含む単位階調画像の、前記第2の領域の階調値を変化させて前記相対的な階調値を異ならせた前記複数の単位階調画像を生成し予め定められた順序で並べて前記表示装置に出力する
請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の表示評価装置。
前記第2の出力手段は、前記第1の領域のRGB色空間における座標成分のうち最も小さい座標成分に対して加算または減算を行って前記第2の領域のRGB色空間における座標成分を定めることにより前記相対的な階調値を異ならせた複数の単位階調画像を生成する
請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の表示評価装置。
前記第2の出力手段は、前記第1の領域のRGB色空間における座標成分の少なくとも1つの座標成分に対して加算または減算を行って前記第2の領域のRGB色空間における座標成分を定めるとともに、前記第2の領域のRGB色空間における座標成分の各々がRGB色空間における座標成分の最大値の1/2以下の値となるようにして前記相対的な階調値を異ならせた複数の単位階調画像を生成する
請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の表示評価装置。
予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む第1の画像の前記相対的な階調値を異ならせた複数の第1の画像を生成し表示装置に出力する第1の出力手段と、
前記複数の第1の画像から特定された、前記相対的な階調値が判別可能か否かの境界に最も近い前記相対的な階調値を有する第1の画像である境界画像に基づいて生成された第2の画像を前記表示装置に出力する第2の出力手段と、
前記表示装置の予め定められた視野角度から前記複数の第1の画像を見て応答した第1の回答を受け付け、かつ前記表示装置の画面に対して垂直な直線上の相互に異なる複数の視野角度から、または前記表示装置の画面に対して平行な直線上の相互に異なる複数の視野角度から前記第2の画像を見て応答した複数の第2の回答を受け付ける受付手段と、
前記第1の回答に基づいて前記境界画像を特定するとともに、前記複数の第2の回答に基づいて前記複数の視野角度から見た前記第2の画像の見え方の異同の有無を特定し、前記表示装置の閲覧に適した領域を評価する評価手段と、
を含む表示評価装置。
予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む第1の画像の前記相対的な階調値を異ならせた複数の第1の画像を生成し表示装置に出力する第1の出力手段と、
前記複数の第1の画像から特定された、前記相対的な階調値が判別可能か否かの境界に最も近い前記相対的な階調値を有する第1の画像である境界画像に基づいて生成された第2の画像の前記相対的な階調値を、前記生成された第2の画像の前記相対的な階調値を中心として前後に複数段階変えた複数の第2の画像を生成し前記表示装置に出力する第2の出力手段と、
前記表示装置の予め定められた視野角度から前記複数の第1の画像を見て応答した第1の回答を受け付け、かつ前記表示装置の前記予め定められた視野角度とは異なる視野角度から前記複数の第2の画像の各々を見て応答した複数の第2の回答を受け付ける受付手段と、
前記第1の回答に基づいて前記境界画像を特定するとともに、前記複数の第2の回答に基づいて前記予め定められた視野角度とは異なる視野角度から見た前記複数の第2の画像の見え方の異同の有無を特定し、前記複数段階の前記相対的な階調値の各々に対する前記表示装置の色味の差異を評価する評価手段と、
を含む表示評価装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、階調特性の評価を伴わずに視野角の評価を行った場合と比較して、視野角の差によって生ずる色味の変化を加味した画質の評価をより正確に行うことが可能な表示評価装置、表示評価方法および表示評価プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の表示評価装置は、表示装置の表示特性に基づいて、当該表示装置に表示された画像の色を閲覧者が判別することが可能か否かの境界となる境界階調値を特定する特定手段と、前記特定された境界階調値に近い階調値を有する境界画像を用いて視野角評価画像を生成し前記表示装置に出力する第1の出力手段と、複数の視野角度から前記視野角評価画像を見た場合の前記視野角評価画像の見え方の異同の有無を特定し、前記表示装置の視野角度の違いによる表示特性を評価する評価手段と、を含むものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の階調値を有する階調評価画像を生成し前記表示装置に出力する第2の出力手段をさらに有し、前記第1の出力手段は、前記境界画像の階調値に基づいて前記視野角評価画像を生成し、前記評価手段は、前記表示装置の予め定められた基準視野角度から前記階調評価画像を見た場合の見え方によって前記境界階調値を特定して前記境界画像を決定し、前記基準視野角度を含む複数の視野角度から前記視野角評価画像を見た場合の見え方に基づいて前記視野角評価画像の見え方の異同の有無を特定するものである。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第2の出力手段は、予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む画像の前記相対的な階調値を各々異ならせた複数の単位階調画像を組み合わせて前記階調評価画像を生成し前記表示装置に出力し、前記第1の出力手段は、前記境界画像の階調値に基づいて選択した階調値の前記単位階調画像を前記視野角評価画像として生成し、前記基準視野角度から前記階調評価画像を見た場合の見え方の回答を受け付けるとともに、前記基準視野角度とは異なる複数の視野角度から前記視野角評価画像を見た場合の見え方の回答を受け付ける受付手段をさらに含み、前記評価手段は、特定された前記境界階調値に近い階調値の単位階調画像を前記境界画像として決定するものである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記評価手段は、前記相対的な階調値が判別できる単位階調画像のうち最も前記相対的な階調値の判別がしにくい単位階調画像を前記境界画像として決定し、前記第1の出力手段は、前記境界画像よりもさらに前記相対的な階調値の判別がしにくい単位階調画像を前記視野角評価画像として生成するものである。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、前記第2の出力手段は、前記複数の単位階調画像を、前記相対的な階調値が判別しにくい順番、または前記相対的な階調値が判別しやすい順番に配列させて前記表示装置に出力するものである。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の出力手段は、前記複数の単位階調画像が前記表示装置の中央部に表示されるようにして前記表示装置に出力するものである。
【0011】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の出力手段は、固定された階調値の第1の領域および前記第1の領域の内部に配置されるとともに階調値が可変とされた第2の領域を含む前記単位階調画像の、前記第2の領域の階調値を変化させて前記相対的な階調値を異ならせた前記複数の単位階調画像を生成し前記表示装置に出力するものである。
【0012】
また、請求項8に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の出力手段は、固定された階調値の第1の領域および前記第1の領域の内部に配置されるとともに階調値が可変とされた文字または図形で表された第2の領域を含む単位階調画像の、前記文字または図形の階調値を変化させて前記相対的な階調値を異ならせた前記複数の単位階調画像を生成し予め定められた順序で並べて前記表示装置に出力するものである。
【0013】
また、請求項9に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の出力手段は、固定された階調値の第1の領域および前記第1の領域と並べて配置されるとともに階調値が可変とされた第2の領域を含む単位階調画像の、前記第2の領域の階調値を変化させて前記相対的な階調値を異ならせた前記複数の単位階調画像を生成し予め定められた順序で並べて前記表示装置に出力するものである。
【0014】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の出力手段は、前記第1の領域のRGB色空間における座標成分のうち最も小さい座標成分に対して加算または減算を行って前記第2の領域のRGB色空間における座標成分を定めることにより前記相対的な階調値を異ならせた複数の単位階調画像を生成するものである。
【0015】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の出力手段は、前記第1の領域のRGB色空間における座標成分の少なくとも1つの座標成分に対して加算または減算を行って前記第2の領域のRGB色空間における座標成分を定めるとともに、前記第2の領域のRGB色空間における座標成分の各々がRGB色空間における座標成分の最大値の1/2以下の値となるようにして前記相対的な階調値を異ならせた複数の単位階調画像を生成するものである。
【0016】
また、請求項12に記載の発明は、請求項3〜請求項11のいずれか1項に記載の発明において、前記予め定められた色の階調値はRGB色空間における座標成分の少なくとも1つを0または0との差が予め定められた範囲内の値とした階調値であるものである。
【0017】
一方、上記目的を達成するために、請求項13に記載の表示評価装置は、予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む第1の画像の前記相対的な階調値を異ならせた複数の第1の画像を生成し表示装置に出力する第1の出力手段と、前記複数の第1の画像から特定された、前記相対的な階調値が判別可能か否かの境界に最も近い前記相対的な階調値を有する第1の画像である境界画像に基づいて生成された第2の画像を前記表示装置に出力する第2の出力手段と、前記表示装置の予め定められた視野角度から前記複数の第1の画像を見て応答した第1の回答を受け付け、かつ前記表示装置の画面に対して垂直な直線上の相互に異なる複数の視野角度から、または前記表示装置の画面に対して平行な直線上の相互に異なる複数の視野角度から前記第2の画像を見て応答した複数の第2の回答を受け付ける受付手段と、前記第1の回答に基づいて前記境界画像を特定するとともに、前記複数の第2の回答に基づいて前記複数の視野角度から見た前記第2の画像の見え方の異同の有無を特定し、前記表示装置の閲覧に適した領域を評価する評価手段と、を含むものである。
【0018】
また、上記目的を達成するために、請求項14に記載の表示評価装置は、予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む第1の画像の前記相対的な階調値を異ならせた複数の第1の画像を生成し表示装置に出力する第1の出力手段と、前記複数の第1の画像から特定された、前記相対的な階調値が判別可能か否かの境界に最も近い前記相対的な階調値を有する第1の画像である境界画像に基づいて生成された第2の画像の前記相対的な階調値を、前記生成された第2の画像の前記相対的な階調値を中心として前後に複数段階変えた複数の第2の画像を生成し前記表示装置に出力する第2の出力手段と、前記表示装置の予め定められた視野角度から前記複数の第1の画像を見て応答した第1の回答を受け付け、かつ前記表示装置の前記予め定められた視野角度とは異なる視野角度から前記複数の第2の画像の各々を見て応答した複数の第2の回答を受け付ける受付手段と、前記第1の回答に基づいて前記境界画像を特定するとともに、前記複数の第2の回答に基づいて前記予め定められた視野角度とは異なる視野角度から見た前記複数の第2の画像の見え方の異同の有無を特定し、前記複数段階の前記相対的な階調値の各々に対する前記表示装置の色味の差異を評価する評価手段と、を含むものである。
【0019】
さらに、上記目的を達成するために、請求項15に記載の表示評価方法は、表示装置の表示特性に基づいて、当該表示装置に表示された画像の色を閲覧者が判別することが可能か否かの境界となる境界階調値を特定するステップと、前記特定された境界階調値に近い階調値を有する境界画像を用いて視野角評価画像を生成し前記表示装置に出力するステップと、複数の視野角度から前記視野角評価画像を見た場合の前記視野角評価画像の見え方の異同の有無を特定し、前記表示装置の視野角度の違いによる表示特性を評価するステップと、を含むものである。
【0020】
また、上記目的を達成するために、請求項16に記載の表示評価プログラムは、表示装置の表示特性に基づいて、当該表示装置に表示された画像の色を閲覧者が判別することが可能か否かの境界となる境界階調値を特定するステップと、前記特定された境界階調値に近い階調値を有する境界画像を用いて視野角評価画像を生成し前記表示装置に出力するステップと、複数の視野角度から前記視野角評価画像を見た場合の前記視野角評価画像の見え方の異同の有無を特定し、前記表示装置の視野角度の違いによる表示特性を評価するステップと、を備えた処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1、請求項15および請求項16に記載の発明によれば、階調特性の評価を伴わずに視野角の評価を行った場合と比較して、視野角の差によって生ずる色味の変化を加味した画質の評価がより正確に行われる、という効果が得られる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、複数の階調値を有する階調評価画像を生成し表示装置に出力する第2の出力手段をさらに有し、表示装置の予め定められた基準視野角度から階調評価画像を見た場合の見え方によって境界階調値を特定して境界画像を決定しない場合と比較して、表示装置の実状に合わせて視野角の差によって生ずる色味の変化を加味した画質の評価がより正確に行われる、という効果が得られる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、予め定められた色の相対的な階調値が異なる2つの領域を含む画像の相対的な階調値を各々異ならせた複数の単位階調画像を組み合わせて階調評価画像を生成しない場合と比較して、より精度よく表示装置の階調特性が把握される、
という効果が得られる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、境界画像よりもさらに相対的な階調値の判別がしにくい単位階調画像を視野角評価画像としない場合と比較して、視野角評価画像を見た閲覧者は見えるか見えないか回答をすればよいので、視野角の差によって生ずる画質の評価がより簡易に行われる、という効果が得られる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、複数の単位階調画像を、相対的な階調値が判別しにくい順番、または相対的な階調値が判別しやすい順番に配列させて表示装置に出力しない場合と比較して、閲覧者にとって複数の単位階調画像の選択が行いやすい、という効果が得られる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、複数の単位階調画像を表示装置の中央部に表示されるようにして表示装置に出力しない場合と比較して、表示装置の輝度むらの影響が抑制される、という効果が得られる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、第1の領域および第1の領域の内部に配置されるとともに階調値が可変とされた第2の領域を含む単位階調画像を用いて複数の単位階調画像を生成しない場合と比較して、より簡易に階調値を異ならせた複数の単位階調画像が生成される、という効果が得られる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、第1の領域の内部に配置されるとともに階調値が可変とされた文字または図形で表された第2の領域を含む単位階調画像を用いて複数の単位階調画像を生成しない場合と比較して、文字または図形の判別が伴うため閲覧者の回答がより信頼度の高いものとなる、という効果が得られる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、第1の領域と並べて配置されるとともに階調値が可変とされた第2の領域を含む単位階調画像を用いて複数の単位階調画像を生成しない場合と比較して、単位階調画像の形状の判別が伴うため閲覧者の回答がより信頼度の高いものとなる、という効果が得られる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、第1の領域のRGB色空間における座標成分のうち最も小さい座標成分に対して加算または減算を行って第2の領域のRGB色空間における座標成分を定めることにより相対的な階調値を異ならせた複数の単位階調画像を生成しない場合と比較して、閲覧者にとってより判断のしやすい単位階調画像が生成される、という効果が得られる。
【0031】
請求項11記載の発明によれば、第1の領域のRGB色空間における座標成分の少なくとも1つの座標成分に対して加算または減算を行って第2の領域のRGB色空間における座標成分を定めるとともに、第2の領域のRGB色空間における座標成分の各々がRGB色空間における座標成分の最大値の1/2以下の値となるようにして相対的な階調値を異ならせた複数の単位階調画像を生成しない場合と比較して、人間の視覚上の感度を考慮した単位階調画像が生成される、という効果が得られる。
【0032】
請求項12に記載の発明によれば、予め定められた色の階調値を、RGB色空間における座標成分の少なくとも1つを0または0との差が予め定められた範囲内の値としない場合と比較して、閲覧者にとってより判断のしやすい単位階調画像および視野角評価画像が生成される、という効果が得られる。
【0033】
請求項13に記載の発明によれば、表示装置の画面に対して垂直な直線上の相互に異なる複数の視野角度から、または表示装置の画面に対して平行な直線上の相互に異なる複数の視野角度から第2の画像を見た場合の第2の画像の見え方の異同の有無の複数の回答により評価しない場合と比較して、表示装置の閲覧に適した領域が評価される、という効果が得られる。
【0034】
請求項14に記載の発明によれば、第2の画像の相対的な階調値を、生成された第2の画像の相対的な階調値を中心として前後に複数段階変えるとともに、予め定められた視野角度とは異なる視野角度から、相対的な階調値が複数段階変えられた第2の画像の各々を見た場合の第2の画像の見え方の異同の有無の複数の回答により評価しない場合と比較して、特定の視野角度における色味の視野角依存性についてその厳密性が評価される、という効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0037】
[第1の実施の形態]
本実施の形態に係る表示評価装置は、表示装置を利用するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置をプログラムに従って動作させることで実現する。なお、表示装置が同様のプログラムに従って動作する機能を有している場合には、表示装置単体であっても、表示評価装置を実現することは可能である。
【0038】
図1は、本実施の形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。同図(a)に示したものは、表示装置を接続して利用する情報処理装置で、たとえば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータに相当するものである。また、同図(b)に示したものは、表示装置が一体となっている情報処理装置で、たとえば、ノート型のパーソナルコンピュータに相当するものである。
【0039】
同図(a)に示すように、情報処理装置10は、演算部11、記憶部12、一時記憶部13、記憶装置接続部14、記憶装置15、表示装置接続部16、および入力装置接続部17を含んで構成されている。
【0040】
演算部11は演算処理行うもので、たとえば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実現されるものである。
【0041】
記憶部12は、プログラムや設定情報等を記憶するもので、たとえばROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(Nonvolatile Memory)等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0042】
一時記憶部13は、演算部11が演算処理を行う際の作業領域等に用いられ情報等を一時的に記憶するもので、たとえばRAM(Random Access Memory)等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0043】
記憶装置接続部14は、記憶装置15を接続するインタフェイスであり、記憶装置15との間で情報等の授受を行うとともに、記憶装置15の動作を制御するもので、プロセッサ等を含む集積回路等により実現されるものである。
【0044】
記憶装置15は、情報等を記憶するもので、磁気ディスクや半導体記憶素子で実現されるものである。
【0045】
表示装置接続部16は、表示装置20を接続するインタフェイスであり、表示装置20に表示画面を表示するための信号を生成するもので、プロセッサ等を含む集積回路等により実現されるものである。
【0046】
入力装置接続部17は、マウス等のポインティングデバイスやキーボード等である入力装置30を接続するインタフェイスであり、入力装置30に対して行われた指示操作に応じた信号を取得するもので、プロセッサ等を含む集積回路等により実現されるものである。
【0047】
なお、同図(a)においては省略しているが、情報処理装置10には、ネットワークとのインタフェイスとして動作する通信部等の他の構成も含まれる場合がある。
【0048】
また、同図(b)に示すように、情報処理装置50は、演算部51、記憶部52、一時記憶部53、記憶装置接続部54、記憶装置55、表示装置接続部56、表示装置57、
入力装置接続部58、および入力装置59を含んで構成されている。
【0049】
演算部51は演算処理行うもので、たとえば、CPU等のプロセッサにより実現されるものである。
【0050】
記憶部52は、プログラムや設定情報等を記憶するもので、たとえばROM、不揮発性メモリ等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0051】
一時記憶部53は、演算部51が演算処理を行う際の作業領域等に用いられ情報等を一時的に記憶するもので、たとえばRAM等の半導体記憶素子で実現されるものである。
【0052】
記憶装置接続部54は、記憶装置55を接続するインタフェイスであり、記憶装置55との間で情報等の授受を行うとともに、記憶装置55の動作を制御するもので、プロセッサ等を含む集積回路等により実現されるものである。
【0053】
記憶装置55は、情報等を記憶するもので、磁気ディスクや半導体記憶素子で実現されるものである。
【0054】
表示装置接続部56は、表示装置57を接続するインタフェイスであり、表示装置57に表示画面を表示するための信号を生成するもので、プロセッサ等を含む集積回路等により実現されるものである。
【0055】
表示装置57は、表示装置接続部56から出力される信号に応じて、表示画面を表示するものであり、たとえば、液晶等が用いられたものである。
【0056】
入力装置接続部58は、入力装置59を接続するインタフェイスであり、入力装置59に対して行われた指示操作に応じた信号を取得するもので、プロセッサ等を含む集積回路等により実現されるものである。
【0057】
入力装置59は、パッド等のポインティングデバイスやキーボード等である。
【0058】
なお、同図(b)においては省略しているが、情報処理装置50には、ネットワークとのインタフェイスとして動作する通信部等の他の構成も含まれる場合がある。
【0059】
情報処理装置10で表示評価装置を実現する場合、情報処理装置10の記憶部12あるいは記憶装置15に記憶したプログラムに基づいて演算部11等を動作させ、表示評価処理のための表示画面を表示装置20に表示し、当該表示に対する入力装置30からの入力にしたがって、表示評価処理を行う。
【0060】
同様に、情報処理装置50で表示評価装置を実現する場合、情報処理装置50の記憶部52あるいは記憶装置55に記憶したプログラムに基づいて演算部51等を動作させ、表示評価処理のための表示画面を表示装置57に表示し、当該表示に対する入力装置59からの入力にしたがって、表示評価処理を行う。
【0061】
なお、本実施の形態では、本実施の形態に係るプログラムを記憶装置15等または記憶装置55等に記憶する形態を例示して説明するがこれに限られず、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の光記憶媒体または他の媒体等を介して提供する形態、ネットワークを介して提供する形態等としてもよい。
【0062】
つぎに、本実施の形態に係る表示評価装置の機能的な構成について説明する。
図2は、
本実施の形態に係る表示評価装置60の機能的な構成の例を示した図である。
【0063】
同図に示すように、表示評価装置60は、階調特性評価用画像生成部61、階調特性評価部62、視野角評価用画像生成部63、視野角評価部64、および入力受付部65を含んで構成されている。なお、情報処理装置50を利用して表示評価装置60を実現した場合には、表示装置57と入力装置59も表示評価装置60の一部となる(同図中に破線で示す)。
【0064】
階調特性評価用画像生成部61は、本実施の形態に係る表示評価処理で用いる階調特性評価用画像の画像データを生成し、生成した画像データに基づいた表示画面を表示装置20または表示装置57に表示させる。また、生成した階調特性評価用画像の画像データを階調特性評価部62に供給する。表示装置20または表示装置57に表示させる階調特性評価用画像の詳細については後述する。
【0065】
階調特性評価部62は、階調特性評価用画像生成部61から受け取った階調特性評価用画像の画像データ、および入力受付部65が受け付けた階調特性評価用画像に応じた指示操作の入力に基づいて、本実施の形態に係る表示評価処理のうちの階調特性の評価を実行する部位である。
【0066】
視野角評価用画像生成部63は、本実施の形態に係る表示評価処理で用いる視野角評価用画像の画像データを生成し、生成した画像データに基づいた表示画面を表示装置20または表示装置57に表示させる。また、生成した視野角評価用画像の画像データを視野角評価部64に供給する。表示装置20または表示装置57に表示させる視野角評価用画像の詳細については後述する。
【0067】
視野角評価部64は、視野角評価用画像生成部63から受け取った視野角評価用画像の画像データ、および入力受付部65が受け付けた視野角評価用画像に応じた指示操作の入力に基づいて、本実施の形態に係る表示評価処理のうちの視野角の評価を実行する部位である。
【0068】
入力受付部65は、表示装置20または表示装置57に表示させた表示画面に応じて、
当該表示装置の閲覧者による指示操作の入力を受け付ける。
【0069】
ここで、
図3を参照して、閲覧者が表示装置20(57)の表示画面を見た場合の視野角について説明する。閲覧者は、基本的には、表示装置に表示される表示画面を正面から閲覧する傾向にあるが、表示画面内の注目する位置によって視野角に差が生ずる。たとえば、机上に固定的に配置される据え置き型の表示装置20の場合、
図3(a)に示すように、閲覧者の視点が図中の符号Aの位置あったとすれば、表示画面上部である符号aの位置を閲覧する際と、表示画面下部である符号a’の位置を閲覧する際とで、表示画面に対する視野角が異なるものとなる。
【0070】
なお、本実施の形態では視野角を、点Aから表示装置20に向けて法線Hを引いた場合に、点Aと点aとを結ぶ直線の法線Hに対する角度θu、または、点Aと点a’とを結ぶ直線の法線Hに対する角度θdと定義する。また、角度θu+θdを視野角と称する場合もある。
【0071】
同様に、表示装置が一体となっている情報処理装置の表示装置57の場合、
図3(b)に示すように、閲覧者の視点が図中の符号Bの位置あったとすれば、表示画面上部である符号bの位置を閲覧する際と、表示画面下部である符号b’の位置を閲覧する際とで、表示画面に対する視野角が異なるものとなる。
【0072】
また、同じ表示装置57を閲覧する場合であっても、表示装置57と情報処理装置50の本体との相対角度(開き具合)が異なる場合、
図3(c)に示すように、閲覧者の視点が図中の符号Cの位置あったとすれば、表示画面上部である符号cの位置を閲覧する際と、表示画面下部である符号c’の位置を閲覧する際とで、表示画面に対する視野角が異なるものとなり、
図3(b)に示した場合とも異なるものとなる。
【0073】
なお、ここでは、表示画面の上部と下部の閲覧に際して視野角の差が生じる場合を説明したが、表示画面の左部と右部に対しても、閲覧に際して視野角の差が生じる。
【0074】
つぎに、本実施の形態に係る表示評価装置で実行される表示評価処理について説明する。まず、本実施の形態に係る表示評価処理の概要は以下のとおりである。
[1]:複数の階調特性評価用画像を生成し、階調が判別しにくい階調特性評価用画像から階調が判別しやすい方向に表示装置20(57)の表示画面に表示する。
[2]:閲覧者が、表示画面に表示された階調特性評価用画像を視野角0°、または0°との差が予め定められた範囲内である視野角の位置から見た場合に、判別できる階調の階調特性評価用画像の中で、閲覧者が最も判別しにくい階調の階調特性評価用画像を入力装置30(59)を介して指定(回答)する。
ここで、以下においては、視野角0°、または0°との差が予め定められた範囲内である視野角の位置から見ることを「正面視」という場合があり、また、閲覧者が最も判別しにくい階調の階調特性評価用画像を「境界画像」という場合がある。
[3]:[2]で指定された境界画像に基づいて、視野角評価用画像を生成し、表示画面に表示する。本実施の形態に係る視野角評価用画像は、境界画像自身を用いて生成してもよいし、複数の階調特性評価用画像から境界画像の階調値に近い階調値の階調特性評価用画像を選択して生成してもよい。後者の場合には、たとえば、境界画像の階調に対して階調の判別がしにくい方向に1段階前の階調の階調特性評価用画像を視野角評価画像とする。このように選択された視野角評価用画像は、閲覧者によって正面視では階調の判別ができないとされた階調特性評価用画像である。
[4]:閲覧者が、表示画面に表示された視野角評価用画像を少なくとも2つの異なる視野角の視点から見た場合に、閲覧者が各々の視点から視野角評価用画像の判別がなされるか否かについて入力装置30(59)を介して指定(回答)する。
[5]:[4]において取得した回答に基づいて、表示装置20(57)の表示評価を行う。
【0075】
なお、本実施の形態では、表示画面に表示された階調特性評価用画像を見た閲覧者が指定することにより境界画像を特定する形態を例示して説明するが、これに限られず、たとえば、閲覧者の指定によることなく、表示装置に表示された画像の色を閲覧者が判別することが可能か否かの境界となる階調値(以下、「境界階調値」という場合がある)を予め特定し、これに近い階調値をもつ境界画像として設定する形態としてもよい。境界階調値を予め特定する方法としては、たとえば、評価用画像を測色器等により測定することで得られた色の値と閲覧者が一般的に判別可能とされている色の値との比較により特定する方法、表示装置の表示特性に関する仕様(使用している液晶や偏光板の種類等)から特定する方法、表示装置の実機を模したシミュレーションにより特定する方法等が挙げられる。
【0076】
図4(a)は表示画面100に表示された本実施の形態に係る階調特性評価用画像生成部61が生成する階調特性評価用画像200の一例を、
図4(b)は本実施の形態に係る視野角評価用画像生成部63が生成する視野角評価用画像210の一例を示している。
【0077】
ここで、色の階調は、予め定められた色空間内における予め定められたビット数の階調値を用いた座標で表される場合があるが、本実施の形態では、一例として、
図6に示すRGB色空間内の座標(R,G,B)で表した場合を例示して説明する。また、階調を表現するビット数は、8ビット(256階調、階調値は0〜255)を例示して説明する。
【0078】
図6に示すように、RGB色空間は、R軸、G軸、B軸を有する直交座標系であり、たとえば、図に示す黒(Bk)の座標は(0,0,0)、赤(R)の座標は(255,0,0)、緑(G)の座標は(0,255,0)、青(B)の座標は(0,0,255)、白(W)の座標は(255,255,255)となる。また、図に示す立方体の他の頂点を構成する黄(Y)の座標は(255,255,0)、マゼンタ(M)の座標は(255,0,255)、シアン(C)の座標は(0,255,255)となる。
【0079】
図4(a)に示すように、階調特性評価用画像200は、基準色の画像である基準画像220および評価色の画像である第1評価画像222を含んで構成されている。本実施の形態において「基準色」とは、階調特性評価用画像200の階調を変える際の基準となる予め定められた色で予め定められた階調値を有する色いう。また、本実施の形態において「評価色」とは、階調特性評価用画像200の階調を変える際に、前記予め定められた色の階調を変化させる色をいう。
【0080】
ここでは、基準画像220の基準色をR(255,0,0)とし、評価色はこのRをWの方向にN段階に加算しつつ変化させる階調値RW(i)(255,a(i),a(i))(0<a(i)<255、iは1〜Nの整数)として決定し、第1評価画像222を生成する。つまり、基準画像220と第1評価画像222との相対的な階調差を大きくしていき、閲覧者にとって判別しやすい方向に変化させる。
【0081】
このとき、基準画像220の階調値R(255,0,0)は変化させず、同じ値のままとする。階調特性評価用画像生成部61は、以上のように基準画像220および第1評価画像222を組み合わせて、両者の相対的な階調が異なる階調特性評価用画像200の画像データを生成し、表示画面100に表示する。
【0082】
図4(a)に示すように、表示画面100には、階調特性評価用画像200とともに、
「判別できる正方形の中で、一番判別しにくい正方形の番号を入力してください。」とのメッセージが、入力ボックスとともに表示されている。
【0083】
図4(a)の視点Vp1にから、相対的な階調差が小さい階調特性評価用画像200から徐々に大きくなる方向に変化する階調特性評価用画像200を正面視している閲覧者Eは、上記メッセージに従って、第1評価画像222が最も判別しにくい階調特性評価用画像200を入力装置30(59)を介して指定する。このときの階調値をRW(k)(255,a(k),a(k))とする。入力受付部65を介してこの階調値RW(k)の階調特性評価用画像200の指定を受け取った階調特性評価部62は、この階調値RW(k)の階調特性評価用画像200を境界画像とし、一時記憶部13(53)等の記憶手段に記憶させる。
【0084】
つぎに、境界画像の階調値RW(k)に基づいて、視野角評価用画像生成部63は、
図4(b)に示すように、基準画像220および第2評価画像224を含む視野角評価用画像210を生成する。本実施の形態では、基準画像220の階調値をR(255,0,0)とし、第2評価画像224の階調値をRW(k)(255,a(k),a(k))、つまり、境界画像の第1評価画像222の階調値とする。この階調値RW(k)の第1評価画像222は、閲覧者によって判別ができるとされた第1評価画像222である。
【0085】
図4(b)に示すように、表示画面100には、視野角評価用画像210とともに、「中央に正方形が見えますか?(YorN)」とのメッセージが、入力ボックスとともに表示されている。
【0086】
閲覧者Eは上記メッセージに従い、視野角評価用画像210を視点Vp1とは異なる視野角の視点(視野角が0°ではない視点)から見て、第2評価画像224が判別されるか否かを入力装置30(59)を介して回答する。閲覧者が見る視点は1つでもよいが、評価精度の観点からは複数の視点とした方が好ましい。
【0087】
図4(b)に示すように、本実施の形態における視野角評価の際の視点は、一例として、Vp2およびVp3の2点とする。
図4(b)では、表示画面100に対して水平方向に視点Vp2およびVp3を設定しているが、むろん垂直方向に視点Vp2およびVp3を設定してもよい。また、視野角評価の際の視点には、正面視の視点Vp1を含ませてもよい。
【0088】
つぎに、視点Vp2およびVp3から見た場合の第2評価画像224の判別可否の回答を入力受付部65から受け取った視野角評価部64は、判別できないとの回答に対する視点Vpに対しては視野角不良の判定をし、判別できるとの回答に対する視点Vpに対しては視野角良好の判定をして各々の視点に対する視野角の評価を行う。
【0089】
たとえば、視点Vp2から見た場合に第2評価画像224が判別できるとの回答であり、視点Vp3から見た場合に第2評価画像224が判別できないとの回答であった場合には、視点Vp2の視野角は良好の評価結果となり、視点Vp3の視野角は不良の評価結果となる。
図5は、視野角評価用画像210の評価の一例を示す図であり、
図5(a)は視野角不良と、
図5(b)は視野角良好と判定された視野角評価用画像210の見え方を各々示している。
【0090】
一方、階調の判別がしにくい方向に1段階前の階調の階調特性評価用画像200を視野角評価画像210とする場合には、境界画像の階調値RW(k)に基づいて、視野角評価用画像生成部63は、基準画像220の階調値をR(255,0,0)とし、第2評価画像224の階調値をRW(k−1)(255,a(k−1),a(k−1))、つまり、
境界画像に対し1段階前の第1評価画像222の階調値とする。この階調値RW(k−1)の第1評価画像222は、閲覧者によって判別できないとされた第1評価画像222である。
【0091】
この場合、視点Vp2およびVp3から見た場合の第2評価画像224の判別可否の回答を入力受付部65から受け取った視野角評価部64は、判別できないとの回答に対する視点Vpに対しては視野角良好の判定をし、判別できるとの回答に対する視点Vpに対しては視野角不良の判定をして各々の視点に対する視野角の評価を行う。
【0092】
以上詳述したように、本実施の形態に係る表示評価装置によれば、表示装置の色味の変化の有無が評価される。また、視野角評価用画像210が判別されるか否かの回答で視野角が評価されるので評価自体が簡易であるとともに、閲覧者の主観の入る余地が少ないのでより正確な評価が行われる。
【0093】
ここで、本実施の形態に係る階調特性評価用画像200では、基準色R(255,0,0)の階調値に対して加算する方向の階調値の第1評価画像222を順次生成して表示画面100に表示する形態としたが、これに限られず基準色に対して減算する方向の階調値の第1評価画像222を生成して表示画面100に表示する形態としてもよい。この場合には、減算する方向の階調値の第1評価画像222の生成に適するように基準画像220の基準色を変えてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態では、基準色RからWに向かう方向に階調値を加算して階調特性評価用画像200を生成する形態を例示して説明したが、これに限られず、たとえば基準色RからYに向かう方向に階調値を加算して階調特性評価用画像200を生成してもよい。この場合、第1評価画像222の階調値をRY(i)(255,b(i),0)(0<b(i)<255、iは1〜Nの整数)とし、b(i)の値を段階的に加算して大きくしていけばよい。
【0095】
また、上記実施の形態では、階調特性の評価において、階調特性評価用画像生成部61が第1評価画像222の階調を変えて順次表示し、その中から閲覧者が境界画像を指定する形態を例示して説明したが、これに限られない。たとえば、階調特性評価用画像生成部61が階調の異なる第1評価画像222を表示するごとに、閲覧者が判別可能か否かを入力し、該入力に基づいて階調特性評価部62が境界画像を特定する形態としてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、第1評価画像222の階調値を段階的に(離散的に)変える形態を例示して説明したが、これに限られず、第1評価画像222の階調値を連続的に変える形態としてもよい。この場合、閲覧者は、階調特性の評価において、階調値が連続的に変化する第1評価画像222を見て、見え始めた階調値の第1評価画像222を入力装置30(59)を介して指定すればよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、複数の階調特性評価用画像200について、階調が判別しにくい階調特性評価用画像から階調が判別しやすい方向に順次表示装置20(57)の表示画面に表示する形態を例示して説明したが、逆に、階調が判別しやすい階調特性評価用画像から階調が判別しにくい方向に順次表示装置20(57)の表示画面に表示する形態としてもよい。さらに、複数の階調特性評価用画像200をランダムに表示装置20(57)の表示画面に表示する形態としてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、視野角評価用画像210について、境界画像の階調に対して、階調の判別がしにくい方向に1段階前の階調の階調特性評価用画像としたが、これに限られず、複数段階前の階調の階調特性評価用画像としてもよい。また、境界画像の階調値をもとに、新たに階調値を設定して視野角評価用画像210を生成してもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、階調特性評価用画像200、あるいは視野角評価用画像210を表示画面100の中央部に表示しているが、これに限られず、たとえば表示画面100の周辺部に表示してもよい。
【0100】
また、本実施の形態では、階調特性評価用画像200を評価する視点を正面視の視点Vp1としたが、これに限られず、正面視の視点Vp1以外の予め定められた視野角の視点としてもよい。
【0101】
つぎに、
図6を参照して、本実施の形態に係る基準色および評価色に適用する階調値(色)の決定方法について、より詳細に説明する。
図6において、点P1〜P7の座標(階調値)は、P1(128,255,255)、P2(128,255,128)、P3(255,255,128)、P4(128,128,255)、P5(128,128,128)、P6(255,128,128)、P7(255,128,255)となっている。
【0102】
基準色および評価色の階調値に関しては、特に制限なく選択し組み合わせて決定してよいが、頂点Bk、R、G、B、Y、M、C、Wを含む立方体から、
図6に示す点P1〜P7、Wを含む立方体を除いた部分の階調値を用いて決定すると、階調特性評価用画像200、視野角評価用画像210の閲覧者による判別がしやすくより好ましい。これは、人間の視覚上の感度が、階調値が大きい領域より階調値の小さい領域の方が大きいことによる。ただし、P1〜P7の階調値における境界値128は一例を示したものであり、表示装置20(57)の特性等に応じて設定してよい。
【0103】
また、同様に人間の視覚上の特性を考慮すると、基準色の階調値を、RGB色空間内の座標成分において少なくとも1つの0(または0との差が予め定められた範囲内である値)を含む階調値、つまり、頂点Bk(0,0,0)、R(255,0,0)、G(0,255,0)、B(0,0,255)、Y(255,255,0)、M(255,0,255)、C(0,255,255)とするとより好ましい。0とされた座標成分は階調が変化しないからである。
【0104】
また、上記実施の形態では、基準色および評価色としてR(255,0,0)を使用した形態を例示して説明したが、これ限定されず、G,B,Y,M,C等他の色を使用してもよい。さらに、複数の色を組み合わせて使用し、本実施の形態に係る表示評価処理を行うと、色味に関してより精度の高い評価結果が得られる。複数の色を組み合わせて評価する形態では、上記表示評価処理を色の数だけ実行すればよい。
【0105】
R(255,0,0)以外の基準色および評価色の一例として、C(0,255,255)を使用した場合には、たとえば、第1評価画像222の階調値をCからWに向かう方向の階調値CW(c,255,255)(0<c<255)とし、変数cの値を変えればよい。あるいは、基準色および評価色の色としてC’(0,128,128)を使用した場合には、たとえば、第1評価画像222の階調値をCからWに向かう方向の階調値CW(d,128,128)(0<d<255)とし、変数dの値を変えればよい。
【0106】
一方、大きな階調値を有する基準色の基準画像220に対して加算または減算して第1評価画像222の階調値を決定し、階調特性評価用画像200を生成してもよいが、人間の視覚特性を考慮するとより判別しにくくなる。たとえば、基準色としてC(0,255,255)を使用し、第1評価画像222の階調値をCからBkに向かう方向の階調値CBk(0,255−e,255−e)(0<e<255)として、あるいは、CからBに向かう方向の階調値CB(0,255−f,255)(0<f<255)として階調特性評価用画像200を生成する場合である。
【0107】
さらに、基準色および評価色として中間階調同士の色を組み合わせてもよい。この場合、先述したように、人間の視覚上階調値の大きい領域での判別はしにくくなるので、基準色および評価色の階調値を予め定められた階調値(たとえば、128)未満の階調値とすることが好ましい。
【0108】
具体的には、グレーであれば、たとえば基準色を(60,60,60)とした場合、評価色を(60+g、60+g,60+g)(0<g<68)のように選択する。また、グレー以外の色であれば、基準色として、たとえば(64,32,0)を採用した場合、評価色を(64+h,32+h,h)(0<h<64)のように選択する。
【0109】
なお、本実施の形態では、RGBの各階調値に対して一律の値を加算・減算して評価色を決定する形態を例示して説明したが、R,G,Bの各階調値について異なる値を加算・減算して評価色を決定してもよい。具体的には、基準色として(60,60,60)を選択した場合に、評価色を(60+g1、60+g2,60+g3)(0<g1,g2,g3<68、g1≠g2≠g3)のように選択する。
【0110】
[第2の実施の形態]
図7ないし
図10を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置について説明する。本実施の形態に係る表示評価装置は、第1の実施の形態に係る表示評価装置における階調特性評価用画像、視野角評価用画像の形態を変えた形態である。本実施の形態では、境界画像の階調に対して階調の判別がしにくい方向に1段階前の階調の階調特性評価用画像を視野角評価画像とする形態を例示して説明する。
【0111】
図7(a)は、「Aの文字が判別できる画像のうち、Aの文字が一番判別しにくい画像の番号を入力してください。」との入力ボックス付きのメッセージとともに、表示画面100に表示された階調特性評価用画像300を示している。また、
図7(b)は、「正方形の中にAの文字が見えますか?(YorN)」との入力ボックス付きのメッセージとともに、表示画面100に表示された視野角評価用画像310を示している。
【0112】
図7(a)に示すように、本実施の形態に係る階調特性評価用画像300は、4つの単位画像UGaの組、UGa1ないしUGa4を含んで構成されている。単位画像UGaは、
図8に示すように、基準色の基準画像320および評価色の第1評価画像322(基準画像320内に含まれた文字Aの部分)を含んで構成されている。
【0113】
第1の実施の形態に係る表示評価装置では、第1評価画像222の階調値を変えた階調特性評価用画像200が表示画面100に順次表示された。これに対し、本実施の形態に係る表示評価装置では、階調特性評価用画像生成部61が、階調値を変えた第1評価画像322を含む単位画像UGa1ないしUG4の組を予め並べた階調特性評価用画像300を生成し、表示装置20(57)に出力し、表示画面100に表示する。そして、基準画像320の階調値に対する第1評価画像322の階調値は、UGa1、UGa2、UGa3、UGa4の順に基準画像320と第1評価画像322とが判別しやすくなるように並べられている。
【0114】
閲覧者Eは、視点Vp1から階調特性評価用画像300を正面視し、上記メッセージに従って、単位画像UGa1ないしUGa4のうちから最も第1評価画像322の判別が困難な単位画像UGa(すなわち、境界画像)を入力装置30(59)を介して指定する。
ここでは、その指定が単位画像UGa3であったとする。
【0115】
階調特性評価部62を介して単位画像UGa3の指定を取得した視野角評価用画像生成部63は、
図7(b)に示すように、単位画像UGa2を視野角評価用画像310として生成し、表示装置20(57)に出力し、表示画面100に表示する。
【0116】
つまり、視野角評価用画像310は、
図8に示す単位画像UGaの第1評価画像322を単位画像UGa2の階調にし第2評価画像324としたものである。したがって、この視野角評価用画像310を閲覧者が正面視すると、基準画像320と第2評価画像324の判別ができない(視野角評価用画像310が、基準色1色の正方形に見える)。
【0117】
図7(b)に示すように、閲覧者Eは、正面視の視点Vp1とは異なる視点Vp2およびVp3から視野角評価用画像310を見て、上記メッセージに従い、第2評価画像324の判別の可否を入力装置30(59)を介して回答する。むろん、視野角評価の際の視点には、正面視の視点Vp1を含ませてもよい。
【0118】
視野角評価部64は、第2評価画像324が判別できないとの回答に対する視点Vpに対しては視野角良好の判定をし、判別できるとの回答に対する視点Vpに対しては視野角不良の判定をして各々の視点に対する視野角の評価を行う。
図9は、視野角評価用画像310の評価の一例を示す図であり、
図9(a)は視野角良好と、
図9(b)は視野角不良と判定された視野角評価用画像310の見え方を各々示している。
【0119】
本実施の形態に係る表示評価装置によれば、階調特性評価用画像300の第1評価画像322(
図8に示す文字Aの部分)、および視野角評価用画像310の第2評価画像324(
図8に示す文字Aの部分)が文字であるため、画像の判別の可否に加えて文字の識別の可否(当該文字として認識されたか否か)も判断するする必要があるので、より表示評価の精度が向上する。
【0120】
なお、本実施の形態においては、階調特性評価用画像300を表示画面100の中央部に表示させる形態を例示して説明したが、これに限られず、階調特性評価用画像300は表示画面100のいずれの位置に表示させてもよい。また、本実施の形態においては、階調特性評価用画像300を構成する単位画像UGa1ないしUGa4を集中して並べて表示画面100に表示させる形態を例示して説明したが、これに限られず、単位画像UGa1ないしUGa4を予め定められた距離だけ離してばらばらに表示画面100に表示させてもよい。ただし、単位画像UGa1ないしUGa4は集中して並べて表示画面100に表示すると、表示画面100自体の特性に基づく輝度分布(表示むら)の影響が抑制され、また視野角の変動も抑制されるのでより好ましい。
【0121】
また、本実施の形態においては、第2評価画像324が文字である形態を例示して説明したが、これに限られず、たとえば図形等であってもよい。
【0122】
ここで、
図10を参照して、本実施の形態に係る視野角評価方法の他の形態について説明する。上記実施の形態では、
図7(b)の視点Vp2、Vp3で示すように、閲覧者Eが視点を変えて視野角評価用画像310を見たが、本実施の形態は、閲覧者Eの視点を同じ視点とし、視野角評価用画像310の表示画面100における表示位置を変えて視野角の評価を行うものである。
【0123】
図10(a)に示すように、視野角評価用画像生成部63は、まず、閲覧者Eが視点Vp1から正面視して見られるように視野角評価用画像310を生成し、表示装置20(57)に出力し、表示画面100に表示する。
【0124】
つぎに、閲覧者Eは、視野角評価用画像310の第2評価画像324が判別されるか否か入力装置30(59)を介して回答する。
【0125】
つぎに、視野角評価用画像生成部63は、表示画面100上の視野角θhの位置に視野角評価用画像310を生成し、表示装置20(57)に出力し、表示画面100に表示する。
【0126】
つぎに、閲覧者Eは、視野角評価用画像310の第2評価画像324が判別されるか否か入力装置30(59)を介して回答する。
【0127】
視野角評価部64は、正面視した場合および視野角θhから見た場合の、第2評価画像324の判別可否の回答に基づいて、判別できないとの回答に対しては視野角良好の判定をし、判別できるとの回答に対しては視野角不良の判定をして各々の視野角に対する評価を行う。
【0128】
以上のような表示評価装置によっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0129】
[第3の実施の形態]
図11ないし
図14を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置について説明する。
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る表示評価装置の階調特性評価用画像および視野角評価用画像の画像を変えた形態である。本実施の形態では、境界画像の階調に対して階調の判別がしにくい方向に1段階前の階調の階調特性評価用画像を視野角評価画像とする形態を例示して説明する。
【0130】
図11(a)は、「2つの正方形が判別できる画像のうち、一番判別しにくい画像の番号を入力してください。」との入力ボックス付きのメッセージとともに、表示画面100に表示された階調特性評価用画像400を示している。また、
図11(b)は、「2つの正方形が見えますか?(YorN)」との入力ボックス付きのメッセージとともに、表示画面100に表示された視野角評価用画像410を示している。
【0131】
図11(a)に示すように、本実施の形態に係る階調特性評価用画像400は、4つの単位画像UGbの組、UGb1ないしUGb4を含んで構成されている。単位画像UGbは、
図12(a)に示すように、基準色の基準画像420および評価色の第1評価画像422が隣接して配置されている。そして、基準画像420の階調値に対する第1評価画像422の階調値は、UGb1、UGb2、UGb3、UGb4の順に基準画像420と第1評価画像422とが判別しやすくなるように並べられている。
【0132】
第2の実施の形態に係る表示評価装置では、基準画像320の内部に第1評価画像322が含まれるように配置された単位画像UGaを複数並べて配置し、階調特性評価用画像300を生成した。これに対し、本実施の形態に係る表示評価装置の階調特性評価用画像生成部61は、基準画像420と第1評価画像422とが隣接して配置された単位画像UGbを複数並べて配置し、階調特性評価用画像400を生成する。そして、生成した階調特性評価用画像400を表示装置20(57)に出力し、表示画面100に表示する。
【0133】
図11(a)に示すように、閲覧者Eは、視点Vp1から階調特性評価用画像400を正面視し、上記メッセージに従って、単位画像UGb1ないしUGb4のうちから、最も基準画像420と第1評価画像422との判別が困難な単位画像UGb(すなわち、境界画像)を入力装置30(59)を介して指定する。ここでは、その指定が単位画像UGb3であったとする。
【0134】
階調特性評価部62を介して単位画像UGb3の指定を取得した視野角評価用画像生成部63は、
図11(b)に示すように、単位画像UGb2を視野角評価用画像410として生成し、表示装置20(57)に出力し、表示画面100に表示する。
【0135】
つまり、視野角評価用画像410は、
図12(a)に示す単位画像UGbの第1評価画像422を単位画像UGb2の階調にして第2評価画像424としたものである。したがって、この視野角評価用画像410を閲覧者が正面視すると、基準画像420と第2評価画像424との判別ができない(視野角評価用画像410が、基準色1色の長方形に見える)。
【0136】
図11(b)に示すように、閲覧者Eは、正面視の視点Vp1とは異なる視点Vp2およびVp3から視野角評価用画像410を見て、上記メッセージに従い、基準画像420と第2評価画像424との判別の可否を入力装置30(59)を介して回答する。むろん、視野角評価の際の視点には、正面視の視点Vp1を含ませてもよい。
【0137】
視野角評価部64は、基準画像420と第2評価画像424とが判別できないとの回答に対する視点Vpに対しては視野角良好の判定をし、判別できるとの回答に対する視点Vpに対しては視野角不良の判定をして各々の視点に対する視野角の評価を行う。
図13は、視野角評価用画像410の評価の一例を示す図であり、
図13(a)は視野角良好と、
図13(b)は視野角不良と判定された視野角評価用画像410の見え方を各々示している。
【0138】
以上のような表示評価装置によっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0139】
なお、上記実施の形態では、
図12(a)に示すように、単位画像UGbの基準画像420と第1評価画像422(第2評価画像424)とを隣接させて配置する形態を例示して説明したが、これに限られず、
図12(b)に示すように、予め定められた距離dだけ離して配置する形態としてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態では、
図12に示すように、基準画像を420を左に、第1評価画像422(第2評価画像424)を右に配置する形態を例示して説明したが、これを逆にして、基準画像を420を右に、第1評価画像422(第2評価画像424)を左に配置する形態としてもよい。
【0141】
また、本実施の形態に係る階調特性評価用画像400の表示画面100上への表示方法において、表示画面100のいずれの位置に表示させてもよいこと、単位画像UGbをばらばらに表示させてもよいこと等は、第2の実施の形態に係る階調特性評価用画像300と同様である。
【0142】
つぎに、
図14を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置60が実行する表示評価処理について説明する。
図14は、本実施の形態に係る情報処理装置10(50)の演算部11(51)により実行される表示評価処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、本表示評価処理プログラムは、第1の実施の形態に係る表示評価処理、第2の実施の形態に係る表示評価処理についても共通に使用されるプログラムである。
【0143】
図14に示す処理は、実行開始の指示がなされると、演算部11(51)が記憶部12(52)、記憶装置15(55)等の記憶手段から表示評価処理プログラムを読み込み、
実行する。本実施の形態では、本表示評価処理プログラムを記憶部12(52)、記憶装置15(55)等の記憶手段等に予め記憶させておく形態を例示して説明するが、これに限られず、本表示評価処理プログラムが情報処理装置により読み取り可能な可搬型の記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
【0144】
また、本実施の形態では、本表示評価処理を、プログラムを実行することによるコンピュータを利用したソフトウエア構成により実現しているが、これに限らない。たとえば、
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を採用したハードウエア構成や、ハードウエア構成とソフトウエア構成の組み合わせによって実現してもよい。
【0145】
図14に示すように、ステップS100で、階調特性評価用画像400(200、300)を生成し、つぎのステップS102で生成した階調特性評価用画像400(200、
300)を表示画面100に表示する。この処理は、主として
図2に示す階調特性評価用画像生成部61、表示装置20(57)における処理である。
【0146】
つぎのステップS104では、階調特性評価用画像400(200、300)を見た閲覧者が入力装置30(59)を介して境界画像の指定を行うことにより、境界画像を取得する。この処理は、主として
図2に示す階調特性評価部62における処理である。
【0147】
つぎのステップS106では、ステップS104で取得した境界画像に基づいて、視野角評価用画像410(210、310)を生成し、つぎのステップS108で生成した視野角評価用画像410(210、310)を表示画面100に表示する。この処理は、主として
図2に示す視野角評価用画像生成部63、表示装置20(57)における処理である。先述したように、本実施の形態に係る視野角評価用画像410(210、310)は、境界画像の階調値を1段階判別しにくい方向に変えた階調特性評価用画像400(200、300)を選択して生成する。
【0148】
つぎのステップS110では、視野角評価用画像410(210、310)を見た閲覧者が入力装置30(59)を介して判別可否の回答を行うことにより、各視野角における判別可否の結果を取得する。この処理は、主として
図2に示す視野角評価部64における処理である。
【0149】
つぎのステップS112では、ステップS110で取得した視野角評価用画像410(210、310)の判別可否の回答に基づいて、表示装置20(57)の表示特性の評価を実行する。この際、視野角評価用画像410が判別できないとの回答に対する視点Vpに対しては視野角良好の判定をし、判別できるとの回答に対する視点Vpに対しては視野角不良の判定をする。この処理は、主として
図2に示す視野角評価部64における処理である。その後、本表示評価処理プログラムを終了する。
【0150】
[第4の実施の形態]
図15および
図16を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置について説明する。
本実施の形態は、上記各実施の形態に係る表示評価装置による表示評価結果を用いて、たとえば居室等の空間内に配置された表示装置の表示画面の、閲覧に適した領域(以下、この領域を「閲覧適合領域」という場合がある)を決定する表示評価装置である。
【0151】
図15(a)は、居室等の空間内に配置された表示装置80について、閲覧適合領域を決定する方法の一形態を示している。
【0152】
本実施の形態に係る表示評価装置では、まず、表示装置80の表示画面110に、視野角評価用画像(
図15(a)において、○で示されている)および表示画面110上の位置を特定するマーカー(
図15(a)において、×で示されている)を表示する。また、
図15(a)において、垂線Lvは、表示画面110に対する垂線のうちマーカーを通る垂線を示し、法線Hは、表示画面110に対する法線のうち視野角評価用画像にを通る法線を示している。
【0153】
つぎに、閲覧者Eは、視野角評価用画像を見ながら垂線Lv上を移動し、予め定められた視野角の視点において当該視野角評価用画像の判別結果(視野角評価用画像の判別可否)を入力装置30(59)を介して回答する。ここで、本実施の形態に係る視野角評価用画像としては、上記第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る視野角評価用画像のいずれを用いてもよい。
【0154】
図15(a)には、Vp1およびVp2の2つの視点が図示されており、視点Vp1(視野角θh1)における視野角評価用画像の評価結果は不良であり、視点Vp2(視野角θh2)における視野角評価用画像の評価結果は良好である場合を例示している。
【0155】
ここで、視野角θh2の値は、たとえば、マーカーから視点Vp2までの距離をL1、
視野角評価用画像とマーカーとの距離をL2とすれば、
tan(θh2)=L2/L1
を満たすθh2を求めることにより決定される。ここで、距離L2は、距離L2に含まれる表示画面110の画素数から換算して求められる。
【0156】
つぎに、視野角評価用画像に対して表示画面110の反対側(たとえば、視野角評価用画像に対して対称な位置)にもマーカーを表示し、上記と同様の手順で視野角評価用画像の評価結果が良好である視野角θh2’を決定する。
つぎに、角度θh2+θh2’で規定される範囲を閲覧適合領域として決定する。
【0157】
なお、閲覧に適した視野角は、必ずしも上記のようにθh2、θh2’の両側を求める必要はなく、評価目的等に応じて片側だけでもよい。
また、表示装置80の大きさ等に応じ、表示装置80に対する高さ(紙面に垂直な方向の距離)を変えて複数回の上記表示評価処理を行い、表示装置80に対する高さの違いによる視野角の違いも含めて閲覧適合領域を決定してもよい。この場合、表示装置80に対する高さに応じて、表示画面110上の視野角評価用画像およびマーカーの位置を変えてもよい。
【0158】
図15(b)は、閲覧適合領域の決定における他の形態を示す図である。
図15(b)では、ある広さを有する居室90内に、表示装置80が設置されている。
図15(b)における平行線Lhは、表示画面110の面に対して平行な線である。
【0159】
本実施の形態に係る表示評価装置では、まず、表示装置80の表示画面110に、視野角評価用画像(
図15(b)において、○で示されている)を表示する。本実施の形態に係る視野角評価用画像としては、上記第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る視野角評価用画像のいずれを用いてもよい。
【0160】
つぎに、閲覧者Eは、視野角評価用画像を見ながら平行線Lh上を移動し、予め定められた視野角の視点において当該視野角評価用画像の判別結果(視野角評価用画像の判別可否)を入力装置30(59)を介して回答する。
【0161】
図15(b)には、平行線Lh上に8つの視点Vp3ないしVp10が図示されており、視点Vp4ないしVp9における視野角評価用画像の評価結果は良好であり、視点Vp3およびVp10における視野角評価用画像の評価結果は不良である場合を例示している。
【0162】
この場合の閲覧に適した視野角は、視野角評価用画像とVp4とを結ぶ直線と、視野角評価用画像とVp9とを結ぶ直線とのなす角度θvとして求められる。したがって、この場合の居室90内の閲覧適合領域は、
図15(b)に示す破線で囲まれた領域(灰色に着色された領域)となる。
【0163】
つぎに、
図15(b)および
図16を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置60が実行する表示評価処理について説明する。
図16は、本実施の形態に係る情報処理装置10(50)の演算部11(51)により実行される表示評価処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0164】
図16に示すステップS200〜S206は、
図14に示すステップS100〜S106と同じ処理なので説明を省略する
【0165】
つぎのステップS208では、生成した視野角評価用画像を表示画面100に表示する。この処理は、主として
図2に示す視野角評価用画像生成部63、表示装置20(57)における処理である。
【0166】
つぎのステップS210では、最初の視点Vp3から視野角評価用画像を見た閲覧者が、入力装置30(59)を介して判別可否の回答を行うことにより、視点Vp3から見た場合の視野角評価用画像の判別可否の結果を取得する。この処理は、主として
図2に示す視野角評価部64における処理である。
【0167】
つぎのステップS212では、全視点Vp3〜Vp10についての視野角評価用画像の判別可否の回答取得が終了したか否か判定し、当該判定が否定判定となった場合にはステップS210に戻り、つぎの視点に移って視野角評価用画像の判別可否の回答の取得を継続する。
【0168】
つぎのステップS214では、ステップS212で取得した各視点からの視野角評価用画像の判別可否の回答に基づいて、表示装置20(57)の表示特性の評価を実行する。
この際、視野角評価用画像が判別できないとの回答に対する視点Vp(Vp4〜Vp9)に対しては視野角良好の判定をし、判別できるとの回答に対する視点Vp(Vp3,Vp10)に対しては視野角不良の判定をする。この処理は、主として
図2に示す視野角評価部64における処理である。
【0169】
[第5の実施の形態]
図15(a)を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る表示評価装置による評価結果を用いて、特定の視野角の視点から見た場合の当該視野角の色の厳密性を評価する表示評価装置である。本実施の形態では、該特定の視野角を
図15(a)に示すVp2とする。
【0170】
本実施の形態に係る表示評価装置では、まず、本表示評価処理で用いる視野角評価用画像を決定する。本実施の形態に係る視野角評価用画像としては、上記第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る視野角評価用画像のいずれを用いてもよく、
図14に示すフローチャートにしたがって予め決定されているものとする。ここでは、一例として基準色をR(255,0,0)とし、視野角評価用画像の評価色をRからYに向かう方向のRY(255,α,0)(αは、0<α<255の固定値)とする。
【0171】
そして、視野角評価用画像生成部63は、RY(255,α,0)に対して、αの値をαを中心として変動量i・Δα(i=0〜M)だけ変動させた(2M+1)個の視野角評価用画像の組、RY(255,α−M・Δα,0)、RY(255,α−(M−1)・Δα,0)・・・RY(255,α,0)・・・RY(255,α+(M−1)・Δα,0)、RY(255,α+M・Δα,0)を生成する。
【0172】
つぎに、閲覧者Eが、視点Vp2から表示装置80の表示画面110に表示された上記視野角評価用画像の組の各々を見て、各々の判別可否の評価結果を入力装置30(59)を介して回答する。
【0173】
本実施の形態に係る表示評価装置では、Δαを小さな値とすることにより、視野角評価用画像の組の各々の視野角評価用画像について回答された判別結果から、表示装置80に対するさらに厳密な色味の評価が行われる。したがって、たとえば厳密な色の再現性を要求される情報処理装置の表示装置等に本実施の形態に係る表示評価装置を適用するとよい。
【0174】
本実施の形態に係る表示評価装置によれば、上述した色の厳密性についての表示評価処理と同様の手法により、視野角の厳密性についても評価が可能である。
【0175】
図15(a)を参照して、本実施の形態に係る表示評価装置について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る表示評価装置による結果を用いて、特定の視野角の視点から見た場合の当該視野角の厳密性を評価する表示評価装置である。本実施の形態では、該特定の視野角を
図15(a)に示すVp2とする。
【0176】
本実施の形態に係る表示評価装置では、まず、本表示評価処理で用いる予め定められた色の視野角評価用画像を決定する。本実施の形態に係る視野角評価用画像としては、上記第1の実施の形態ないし第3の実施の形態に係る視野角評価用画像のいずれを用いてもよく、
図14に示すフローチャートにしたがって予め決定されているものとする。
【0177】
つぎに、視野角θh2を中心とする、異なる(2M+1)個の視野角の組、(θh2−M・Δθ)、(θh2−(M−1)・Δθ)・・・θh2・・・(θh2+(M−1)・Δθ)、(θh2+M・Δθ)を設定する。
【0178】
つぎに、閲覧者Eは、上記視野角の組の各々の視点から表示装置80の表示画面110に表示された視野角評価用画像を見て、各々の視点からの視野角評価用画像の判別可否の評価結果を入力装置30(59)を介して回答する。
【0179】
本実施の形態に係る表示評価装置では、Δθを小さな値とすることにより、(2M+1)個の視野角の組について、各々の視野角の視点から見た場合の視野角評価用画像の判別結果から、さらに厳密な視野角の評価が行われる。