【解決手段】第1の人感センサ28として焦電型センサを用い、第2の人感センサ30として使用者の動作形態を検出可能なジェスチャーセンサを用い、第1の人感センサ28はモードの種類に関わらず常時電力供給するが、第2の人感センサ30はスリープモード時は電力の供給を遮断することで、消費電力を抑制している。また、第1の人感センサ28で移動体を検出した時点で、第2の人感センサ30に電力を供給し、第2の人感センサ30による検出結果に基づいて動作形態を判別し、第1の人感センサ28による検出精度よりも高い精度で、使用者に関する情報(処理の種類等)を得て、利便性を損なうことなく、かつ、必要最小限の電力消費を実現した。
前記他の検出手段が、検出領域内での少なくとも移動体の移動を検出する焦電型検出手段、又は検出領域内での移動体の有無を検出する反射型検出手段の少なくとも何れか一方を含む請求項2記載の電力供給制御装置。
前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記負荷が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行すると共に、
前記一の検出手段が、前記ユーザーインターフェイス部又は使用者識別装置の一部の機能の代替として設けられた画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(画像処理装置の構成)
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。
図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0026】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。
図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、ネットワーク通信回線網20は、一部又は全部を無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0027】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0028】
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
【0029】
画像処理装置10は、筐体10Aによって覆われており、適宜個所に開閉可能な扉が設けられている。一例として、
図2の前面の扉10Bを図示するが、例えば、左右の側面にも扉が存在する場合がある。この扉10Bは、例えば、紙詰まり、消耗品の交換、定期点検等、装置内部に作業者が手を差し延べて作業する場合に開放されるものであり、通常処理中は閉止されている。
【0030】
この扉10Bの開閉動作軌跡上には、当該扉10Bの開閉状態を検出する開閉検出スイッチ14Aが設けられている。
【0031】
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一時的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0032】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0033】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0034】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0035】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0036】
(画像処理装置の制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0037】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部(
図4参照)が取り付けられている場合がある。
【0038】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とは信号ハーネス201で接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0039】
また、メインコントローラ200には、2個の人感センサ(第1の人感センサ28、第2の人感センサ30)が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
【0040】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給(電力遮断)が可能となっている(部分節電)。
【0041】
なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよいし、処理部を一括して節電の制御を行ってもよい。
【0042】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD、DVD、BD(ブルーレイディスク)、USBメモリ、SDメモリ等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0043】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0044】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
【0045】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(
図4の点線参照)。なお、
図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0046】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0047】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0048】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0049】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0050】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
【0051】
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0052】
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0053】
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0054】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
【0055】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0056】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0057】
(画像処理装置の状態遷移のための監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある(
図5参照)。
【0058】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
【0059】
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0060】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力の供給を行なうことが前提である。
【0061】
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電の設定及び設定解除可能となっている。すなわち、この節電制御ボタン26には、節電解除のみならず、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を併せ持つ。
【0062】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。このときの電力供給元は、商用電源242に限定されるものではなく、蓄電池、ソーラー電池や、商用電源242から電力が供給されているときに充電される充電器等であってもよい。
【0063】
なお、スリープモードの特定の期間として、メインコントローラ200、UIタッチパネル216やICカードリーダ217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を供給する期間を設けてもよい。これは、使用者への利便性を考慮したものである。なお、この場合、UIタッチパネル216では、少しでも省エネ性を確保するため、バックライト部216BLを消灯する、或いは照度を通常よりも減らすことが好ましい。
【0064】
上記特定の期間を、例えば、
図5では仮称として、アウェイクモード(awk)として区別したが、特に、このモードは必須ではない。
【0065】
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0066】
そこで、本実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電制御ボタン26を操作(押圧等)する前に人感センサ(第1の人感センサ28、第2の人感センサ30)で検知して早期に電力供給を再開して、使用者が、節電制御ボタン26を操作して使用を開始するよりも早く使えるようにした。
【0067】
図4に示される如く、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0068】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が検知(「検出」と同義である)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の検知も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も検知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して検知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
【0069】
(第1の人感センサ28)
本実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲(例えば、1m〜5mの範囲)において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0070】
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、例えば、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等に比べて、消費電力が小さく、かつ検出領域が広いことである。また、移動体の動きを検知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0071】
なお、第1の実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0072】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0073】
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の感度特性に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
【0074】
(第2の人感センサ30)
一方、本実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、画像処理装置10の周囲において、移動体の有無、形状(輪郭)、並びに時系列的な移動情報等を検出するものであり、ジェスチャーセンサが適用可能である。
【0075】
ジェスチャーセンサは、例えば、マイクロ波ドップラーセンサを用い、動作をドップラーの差として検出するものであり、センサ検出信号をフーリエ変換し、ジェスチャーを検出する。消費電力は、約0.25Wdcである。
【0076】
この第2の人感センサ30(本実施の形態では、ジェスチャーセンサ)は、検出領域内の特徴領域(「ROI」等という場合がある)を周知の抽出手段で抽出し、当該特徴領域内の画像を検出するようになっている。
【0077】
検出された画像は、その輪郭から動作形態を判別する。本実施の形態では、予め3種類(ここでは、じゃんけんの「グー」「チョキ」「パー」を例に挙げるが、とくに限定されるものではない)の動作形態を予め記憶しておき、検出された輪郭に一致する、或いは最も近似する動作形態を判別する。
【0078】
ここで、前記動作形態のそれぞれは、画像処理装置10の処理(サービス)と対応付けられており、判別した動作形態によって処理(サービス)が特定されるようになっている。
【0079】
本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、2つの領域(
図6(A)の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
【0080】
相対的に遠い検出領域である
図6(A)の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、相対的に遠隔の移動体を検出する手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である
図6(A)の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、相対的に近接の移動体を検出する手段としての機能を有する。
【0081】
第1の人感センサ28の検出領域(
図6(A)の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として1〜5m程度である。一方、第2の人感センサ30の検出領域(
図6(A)の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0〜2m程度である。なお、第1の検出領域F、第2の検出領域Nは、上記数値に限定されるものではなく、ここで明示したのは、相対的に第1の領域Fの検出領域の方が第2の領域Nの検出領域よりも、画像処理装置10から遠くの位置にあることを示すための目安である。従って、画像処理装置10が設置される環境に応じて、相対的に広い領域(第1の領域F)を対象として第1の人感センサ28の感度等を設定し、相対的に狭い領域(第2の領域N)を対象として第2の人感センサの感度等を設定すればよい。
【0082】
図6(A)に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(
図6(A)のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(
図6(A)のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(
図6(A)のC線矢視の動向(Cパターン)参照)である。
【0083】
本実施の形態では、人の動向を少なくとも上記Aパターン〜Cパターンに区別することで、画像処理装置10の状態、特にスリープモードからの電力供給状態へ立ち上げ、或いは電力供給状態からスリープモードへの立ち下げを制御する。
【0084】
ところで、本実施の形態では、第2の人感センサ30は、常時、電力供給を受けていない構成としている。第2の人感センサ30は、第1の人感センサ28が管轄する
図6(A)の第1の領域Fに移動体(使用者)が進入した時点で電力が供給されて動作を開始し、その後、この第2の人感センサ30が管轄する
図6(A)の第2の領域Nに移動体(使用者)が進入した時点で、処理(サービス)を特定し、必要なデバイスをスリープモードからスタンバイモードへの立ち上げを指示する構成となっている。
【0085】
すなわち、検出領域の異なる2つの人感センサ(第1の人感センサ28と第2の人感センサ30)が互いに連携しあって、必要最小限の電力供給を受けるようになっている。
【0086】
一方、第2の人感センサ30の電力供給の遮断に関しては、前記第1の人感センサ28の移動体検出状況に加え、前記節電中監視制御部24に設けられたタイマ機能が併用されるようになっている。このタイマ機能は、前述したシステムタイマと区別するため、「センサタイマ」という場合がある。
【0087】
センサタイマは、節電中監視制御部24の機能の1つである。すなわち、制御系は当然動作クロックを備えており、このクロック信号からタイマを生成してもよいし、一定時間毎処理毎にカウントするカウンタプログラムを生成してもよい。
【0088】
本実施の形態の監視制御部24には、小電力で動作する集積回路150(ASIC(「Application Specific Integrated Circuit」/電子部品の種別の1つで、特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路)を具備しており、集積回路150は、最も大きい消費電力で動作する第2の人感センサに対して電力が供給されることに同期して起動され(電力が供給され)、当該第2の人感センサ30の検出結果に基づいて、前記電力供給状態遷移制御手段による遷移時期等を判定する。
【0089】
図7は、監視制御部24の一部を構成する前記集積回路150による、遷移先のモード、電力を供給するデバイスを選択するための制御を機能的に示したブロック図である。なお、この
図7の各ブロックは、各制御を機能的に分類したものであり、ハード構成を限定するものではない。
【0090】
(センサの段階的電力供給制御)
図7に示される如く、監視制御部24には、前述したように電源供給制御部154から電力が供給されており、前記第1の人感センサ28、検出情報解析部152、並びに電力供給制御回路部252は、この電源供給制御部154から直接かつ常時、電力の供給を受けている。
【0091】
このため、スリープモード(
図5参照)時においても、第1の人感センサ28はその検出領域(
図6(A)に示す第1の領域F)の範囲内の検出情報を常に検出情報解析部152へ出力している。
【0092】
検出情報解析部152では、前記第1の領域Fの範囲内で移動体の移動があったか否かを解析し、移動体の移動を認識すると、電力供給制御部154へ供給指示信号を送出するようになっている。
【0093】
電力供給制御部154は、前記供給指示信号を受けると、電力供給制御回路252と、第1の人感センサ28及び集積回路150へ電力を供給する。
【0094】
また、電力供給制御部154には、センサタイマ156が接続されており、第2の人感センサ30等に電力供給を開始してから、予め定めた時間経過しても、第2の人感センサ30による検出領域(
図5に示す第2の領域N)で移動体の検出がない場合に、電力供給制御部154からの第2の人感センサ30及び集積回路150への電力供給を遮断するようになっている。
【0095】
なお、第2の人感センサ30に基づくスリープモードからの立ち上げ後、予め定めた時間経過しても、デバイスの動作がない場合においても、電力供給制御部154からの第2の人感センサ30及び集積回路150への電力供給を遮断する。
【0096】
(集積回路による個体認証制御)
図7に示される如く、第2の人感センサ30は、集積回路150の信号受付部158に接続されている。
【0097】
信号受付部158は、前記第2の人感センサ30から信号(特徴領域の画像情報を含む)を受け付けると、当該信号を信号処理部160に送出する。
【0098】
信号処理部160は、異動対動作形態判別部162に接続されている。信号処理部160が第2の人感センサ30から特徴領域の画像情報を受けると、前記移動体動作状態判別部162では、当該画像情報の輪郭に基づいて、予め設定されている動作形態(基準パターンとしての「グー」「チョキ」「パー」))から一致するものを選択するようになっている。
【0099】
選択された動作形態は、処理内容(サービス)特定部164に送出されるようになっている。この処理内容(サービス)特定部164には、動作形態−処理(サービス)相関テーブルメモリ166が接続されている。この動作形態−処理(サービス)相関テーブルメモリ166には、動作形態と画像処理装置10での処理内容(サービス)とが予め関連付けられて(相関を持って)記憶されている。
【0100】
以下に相関関係の一例を示す。
(相関関係1) 動作形態が「グー」はスキャン処理を示す。
(相関関係2) 動作形態が「チョキ」はコピー処理を示す。
(相関関係3) 動作形態が「パー」はFAX送信処理を示す。
(相関関係4) 動作形態が「グー」と「パー」との組み合わせはプリント認証を示す。
【0101】
プリント認証とは、遠隔のPC21(
図1等参照)から画像処理装置10に対してプリント指示を行い、当該指示した者(移動体である使用者)がプリントを受け取るときに必要なICカード認証である。従って、この時点で、電力を供給するのはICカードリーダ217のみであってもよいし、同時に、画像形成部240を電力供給させてもよい。
(相関関係5) 動作形態が「グー」と「チョキ」との組み合わせはFAX受信(受取)を示す。
【0102】
FAX受信(受取)とは、処理(サービス)が不要であるため、移動体が画像処理装置10に接近しても、逆に、一時的にセンサ機能(第1の人感センサ28、第2の人感センサ30の一方又は両方)を停止する(ブランキング期間を設ける)。
【0103】
なお、上記相関関係は、一例であり、他の動作形態の組み合わせ、動作形態の特定順序等によって、その他の処理(サービス)と対応付けてもよい。その他の処理としては、メインコントローラ200の電力供給を前提として、UIタッチパネル216のみの電力供給、ICカードリーダ217のみの電力供給、UIタッチパネル216とICカードリーダ217の電力供給、節電制御ボタン26の操作と同等の指示等が挙げられる。
【0104】
図7に示される如く、処理内容(サービス)特定部164では、前記移動体動作形態判別部162で判別した動作形態に基づいて、前記動作形態−処理(サービス)相関テーブルメモリ166に記憶された動作形態−処理(サービス)相関テーブルによって、処理(サービス)を特定するようになっている。
【0105】
この処理内容(サービス)特定部164は、特定された処理(サービス)に関する情報を処理デバイス選択部188へ出力する。処理デバイス選択部188では、特定の可否情報及び使用者の個人情報に基づいて、当該特定された使用者が行おうとしているジョブ(プリント、コピー、スキャン、ファクシミリ送受信等)に基づいて必要な処理デバイスを選択し、当該選択した情報を情報出力部188を介して、前記立ち上げトリガと共にメインコントローラ200へ出力する。
【0106】
以下、本実施の形態の作用を説明する。
【0107】
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、
図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
【0108】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、本実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0109】
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いはUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力)があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0110】
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義し、UIタッチパネル216を起動(メインコントローラ200の起動が前提)するようにしてもよいし、或いは、UIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、仮称として、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(
図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。このアウェイクモードでUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0111】
前記立ち上げトリガとは、主として、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、操作者による節電解除操作も立ち上げトリガとしてもよい。
【0112】
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
【0113】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
【0114】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0115】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0116】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
【0117】
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
【0118】
なお、立ち下げトリガとは、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、システムタイマを併用してもよい。
【0119】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0120】
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、
図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
【0121】
このように、本実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
【0122】
本実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件(例えば、人感センサ30による移動体(使用者)立ち去り情報、或いはシステムタイマのタイムアップによる立ち下げトリガ出力)が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電制御ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、メイン電源スイッチが切られている状態とほぼ同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
【0123】
(人感センサを対象とする節電)
本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30とを相互に連携し、検出系への電力供給制御を実行している。具体的には、第1の人感センサ28は常時電力を供給しているが、第2の人感センサ30は第1の人感センサ28の検出情報に基づいて電力を供給する制御を行っており、デバイスに対する電力供給制御に加え、さらなる省エネ性向上を確立している。
【0124】
より具体的には、画像処理装置10のデバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)に関しては、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30に基づき、省エネ性及び利便性という二律背反の目的を相互に考慮し、適正なモード遷移(特に、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち下げ)を行っている。この場合、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30等の検出系については、常時、電力が供給される前提となっていた。
【0125】
これに対して、本実施の形態では、
図5に示されるスリープモード中は、第1の人感センサ28には電力が供給されているが、第2の人感センサ30には電力が供給されておらず、
図6に示す第1の領域Fへの移動体(使用者)の進入を監視する。この第1の領域Fの範囲で、第1の人感センサ28が移動体(使用者)を検出することで、第2の人感センサ30に電力を供給するようにした。
【0126】
さらに、本実施の形態では、第2の人感センサ30として、ジェスチャーセンサを適用し、検出した画像を解析(特徴領域の抽出、動作形態判別)して移動体が指示使用とする画像処理装置10の処理(サービス)の種類を確認することで、デバイスの電力供給制御の精度を高めている。すなわち、少なくとも、移動体として検出したが人ではない、或いは人ではあるが素通りするだけの人(非使用者)等の誤検知を防止される。さらに、第2の人感センサ30(ジェスチャーセンサ)で検出した画像を解析した結果、すなわち、判別した動作形態により、画像処理装置10の使用目的等を予測することが可能となる。
【0127】
以下、
図8のフローチャートに従い、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30との連携による、検出系の電力供給制御ルーチンを説明する。
【0128】
図8は、監視制御部主体の監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0129】
ステップ100では、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定されると、ステップ102へ移行して、第2の人感センサ30がオン、すなわち、電力が供給されているか否かが判断される。このステップ102で否定判定された場合は、ステップ100へ戻り、ステップ100又はステップ102で肯定判定されるまで、ステップ100及びステップ102を繰り返す。
【0130】
ステップ100で肯定判定されると、ステップ104へ移行して第2の人感センサ30をオン、すなわち、電力の供給を開始し、次いでステップ106へ移行してセンサタイマをリセットスタートし、ステップ108へ移行する。
【0131】
また、前記ステップ102で肯定判定されると、既に、第2の人感センサ30に電力が供給されている状態であるので、ステップ108へ移行する。
【0132】
ステップ108では、第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定されると、ステップ110へ移行してセンサタイマがタイムアップしているか否かが判断される。このステップ110で否定判定されると、ステップ108へ戻り、ステップ108又はステップ110で肯定判定されるまで、ステップ108及びステップ110を繰り返す。
【0133】
前記ステップ110で肯定判定されると、ステップ112へ移行して、センサタイマをストップし、次いでステップ113へ移行して、第2の人感センサ30をオフ、すなわち電力の供給を遮断して、ステップ100へ戻り、上記工程を繰り返す。
【0134】
また、ステップ108で肯定判定されると、ステップ114へ移行して、第2の人感センサ30(ジェスチャーセンサ)による検出信号に基づき画像解析処理を実行する(
図9参照)。
【0135】
次のステップ115では、画像解析の結果、サービス、すなわち処理内容を特定認識できたか否かが判断される。
【0136】
このステップ115で否定判定された場合は、ステップ116へ移行して、メインコントローラ200(
図4参照)に対してアウェイクモードへの立ち上げトリガを出力し、ステップ118へ移行する。この立ち上げトリガにより、画像処理装置10の必要最小限の一部に対して、電力が供給されスリープモードからアウェイクモードへ遷移する。その後は、使用者にUIタッチパネル216の操作等に基づいて、必要なデバイスを立ち上げ、ジョブ実行キー入力等によって、ランニングモードへ遷移し、画像処理が実行可能となる。
【0137】
ステップ118では、前記ステップ106でスタートさせたセンサタイマがタイムアップしたか否かが判断される。このステップ118で否定判定された場合は、ステップ120へ移行して、システムタイマの動作が開始されているか否かが判断され、否定判定されると、ステップ118へ戻り、ステップ118又はステップ120で肯定判定されるまで、ステップ118及びステップ120を繰り返す。
【0138】
ステップ118で肯定判定されると、ステップ122へ移行してセンサタイマをストップし、次いでステップ124へ移行して第2の人感センサ30をオフ、すなわち、電力供給を遮断して、このルーチンは終了する。また、ステップ120で肯定判定された場合は、待機トリガによってスタンバイモードに遷移していると判断し、ステップ121へ移行して、制御主体をメインコントローラ200へ移し、このルーチンは終了する。
【0139】
また、前記ステップ115において肯定判定された場合は、処理内容を認識しているため、ステップ126へ移行してジョブ内容に即した立ち上げトリガを出力する。すなわち、処理に必要なデバイスのみを立ち上げてスタンバイモードとする。
【0140】
ステップ126での立ち上げトリガの出力が終了すると、ステップ128へ移行して、制御主体をメインコントローラ200へ移し、このルーチンは終了する。
【0141】
以上が、画像処理装置10のモードがスリープモードにあり、第2の人感センサ30に電力が供給されていない状態から電力を供給することを主体とした制御の流れである。基本的に、第2の人感センサ30は、第1の人感センサ28が管轄する第1の領域Fに移動体(使用者)が進入しないかぎり電力は供給されないので、デバイスの節電に加え、さらに省エネ効果を高めることになる。
【0142】
図9は、
図8のステップ114における解析処理サブルーチンを示す制御フローチャートである。
【0143】
ステップ130では、第2の人感センサ30から画像情報を取得する。
【0144】
画像情報を取得すると、ステップ130からステップ132へ移行して、特徴領域(本実施の形態では、使用者の手を含む領域)を抽出し、次いでステップ134へ移行して特徴領域から、手の輪郭を認識して動作形態を判別する。本実施の形態では、動作形態は、「グー」「チョキ」「パー」の3種類であり、この中から一致する、或いは近似する動作形態を選択する。なお、動作形態は、変位する場合があり、例えば、「グー」→「パー」等のように、2以上の動作形態の組み合わせとして判別される場合がある。
【0145】
次のステップ136では、動作形態−処理(サービス)相関テーブルメモリ166から動作形態−処理(サービス)相関テーブルを読み出し、ステップ138へ移行して、判別した動作形態から画像処理装置10における処理(サービス)を特定する。
【0146】
ステップ140では、特定された処理(サービス)を実行するのに必要なデバイスに関する情報を出力して、このルーチンは終了する。
【0147】
以上説明したように本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを用い、第2の人感センサ30として使用者の動作形態を検出可能なジェスチャーセンサを用い、第1の人感センサ28はモードの種類に関わらず常時電力供給するが、第2の人感センサ30はスリープモード時は電力の供給を遮断することで、消費電力を抑制している。また、第1の人感センサ28で移動体を検出した時点で、第2の人感センサ30に電力を供給し、第2の人感センサ30による検出結果に基づいて動作形態を判別し、第1の人感センサ28による検出精度よりも高い精度で、使用者に関する情報(処理の種類等)を得て、利便性を損なうことなく、かつ、必要最小限の電力消費を実現した。
【0148】
なお、本実施の形態では、使用者がジェスチャーする動作形態として、じゃんけんの「グー」「チョキ」「パー」を例にとり説明したが、じゃんけんの動作形態に限らず、手話等に用いる動作形態を適用してもよいし、独自に動作形態を創作してもよい。
【0149】
また、第2の人感センサ30として、音センサを用いる、或いは併用するようにしてもよい。すなわち、使用者が画像処理装置10に接近しながら、処理(サービス)を発声することで、これを受信して、使用者の意志を特定するようにしてもよい。
【0150】
また、第2の人感センサ30(ジェスチャーセンサ)を用いて所謂ジェスチャーではなく接近する使用者の形状(輪郭等)を認識した場合、予め登録しておいた使用者に応じた操作に関する準備動作を行うようにしてもよい。例えば、歩行以外(例えば、車椅子乗車)で使用者が接近したときは、操作位置を使用者が到着する以前に、UIタッチパネル216の向きを調整するようにしてもよい。
【0151】
(変形例)
なお、本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを用い、第2の人感センサ30としてジェスチャーセンサを用いたが、第2の人感センサ30として反射型センサとし、ジェスチャーセンサを第3の人感センサという位置付けとしてもよい。なお、これは、定義上の区別であり、前記実施の形態の変形例として、
図6(B)に示すように、焦電センサとして第1の人感センサ28、反射型センサとして第2の人感センサ30が既存の構成とした場合に、さらに、ジェスチャーセンサを設ける構成としてもよいことを含むものである。
【0152】
すなわち、相対的に電力消費が最も少ない焦電型センサに常時電力を供給し、移動体を検出したら、相対的に電力消費が焦電型センサよりも多くジェスチャーセンサよりも少ない反射型センサに電力を供給して画像処理装置10に接近していることを判別し、その後に、電力消費が最も多いジェスチャーセンサに電力を供給して動作形態を判別する。
【0153】
反射型センサは、移動体の有無(存在・不存在)を検出可能であり、投光部と受光部とを備えている。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0154】
この反射型センサの最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0155】
例えば、
図6(B)に示される如く、第1の人感センサ28である焦電型センサの検出領域Fが画像処理装置10の正面から斜め下向きとされて検出距離が最大1〜5m程度に制限され、第2の人感センサ30である反射型センサの検出領域Nが画像処理装置10の正面から水平に向けられて検出距離が最大0.5m程度に制限されている(基本構成)。
【0156】
この第1の人感センサ28(焦電型センサ)から第2の人感センサ30(反射型センサ)を介して、ここでは、第3の人感センサの位置付けとなるジェスチャーセンサに電力を供給することで、反射型センサを介在させないよりも省エネ性を向上することができる。