特開2015-233387(P2015-233387A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-233387(P2015-233387A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】電動車両の充電制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20151201BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   B60L11/18 A
   B60L15/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-119837(P2014-119837)
(22)【出願日】2014年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】松下 悟史
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC14
5H125AC22
5H125BC13
5H125CA18
5H125CC06
5H125EE41
5H125EE42
5H125EE44
5H125EE52
5H125EE61
5H125EE66
(57)【要約】
【課題】スイッチバック走行が行われた場合に回生制動による減速を可能にして運転フィールの向上をはかり、かつ航続距離の低下を回避する。
【解決手段】蓄電装置22から供給される電力により駆動される電動機12の動力を用いて走行し、電動機による回生制動により制動力を付与する電動車両10の充電制御装置であって、蓄電装置への充電量を制御する制御手段(充電量制御部262)と、蓄電装置22の充電中に、電動車両の運転操作に起因して発生するスイッチバック走行の開始を予測する予測手段(スイッチバック走行予測部241)と、を備え、制御手段は、予測手段でスイッチバック走行の開始が予測された場合に、充電量を抑制する制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置から供給される電力により駆動される電動機の動力を用いて走行し、前記電動機による回生制動により制動力を付与する電動車両の充電制御装置であって、
前記蓄電装置への充電量を制御する制御手段と、
前記蓄電装置の充電中に、前記電動車両の運転操作に起因して発生する、前記電動車両の移動方向と前記電動車両のシフト位置が示す移動方向とが異なるスイッチバック走行の開始を予測する予測手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記予測手段で前記スイッチバック走行の開始が予測された場合に、前記充電量を抑制する制御を行うことを特徴とする電動車両の充電制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記予測手段が前記電動車両の前向き駐車を検出した場合に前記充電量を抑制する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項3】
前記予測手段は、
前記電動車両の前方に設けられた検知手段により前記前向き駐車を検出することを特徴とする請求項2記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項4】
前記検知手段は、
駐車したときに対向して位置する充電スタンドを撮影する撮像部であることを特徴とする請求項3記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項5】
前記検知手段は、
駐車してときに対向して位置する充電スタンドを検知するミリ波レーダであることを特徴とする請求項3記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
充電スタンドに設置された撮像手段と通信を行い、前記撮像手段から取得される前記電動車両の撮影画像から画像処理によって前記前向き駐車を検出することを特徴とする請求項2記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項7】
充電スタンドまたは前記電動車両に操作手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段によるスイッチバック操作を検出したタイミングで前記充電量を抑制する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記スイッチバック走行の発生頻度を学習して前記スイッチバック状態の発生を予測することを特徴とする請求項1記載の電動車両の充電制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記電動車両の車速が所定速度を超えたことを検出した場合に、前記充電量を抑制する制御を解除することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の電動車両の充電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置から供給される電力により駆動される電動機の動力を用いて走行し、電動機による回生制動により制動力を付与する電動車両の充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行動力として電動機を用いる電動車両が知られている。この電動車両において、例えば、特許文献1に開示されているように、シフト位置を後退位置にしてアクセルペダル操作により後退している状態において、シフト位置を前進位置に切り替えてアクセルペダルの操作を継続して前進するとき、電動機を発電機として動作させて回生制動をかけることにより電動車両を後退状態から円滑に停止させ、停止状態から前進状態へ移行させる、所謂、スイッチバック操作の走行技術が知られている。
【0003】
図4に、スイッチバック走行時に回生制動で減速しながら進行方向を反転する際の動作を説明するためのタイミング図が示されている。上から順に、シフト位置、車速[km/h]、加速度[m/s]、駆動力[N]を示す。
【0004】
図4によれば、シフト位置がRレンジで後退している状態(モータ回転数は逆転側、モータトルクは力行側)において、進行方向を前進に切り替えたいとき、ドライバは、RレンジからD位置にシフト操作を行う。電動車両は、モータトルクが力行側から回生側に切り替わると、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力(回生制動)で減速し、停止してモータ回転数が逆転側から正転側に切り替わり、電動車両の進行方向が後退方向から前進方向に反転する。
【0005】
ところが、図5に示すように、モータトルクが力行側から回生側に切り替わろうとするときに、蓄電装置が満充電状態であれば回生制動が制限され、結果的に減速G抜けが発生してドライバが意図する運転ができなくなる。この状態を回避するために、例えば、特許文献2に、スイッチバック走行時に、蓄電装置の充電状態にかかわらず回生制動による減速が可能な電動車両の制御装置および制御方法が記載されている。具体的に、同文献の段落[0051]に記載されているように、バッテリが満充電状態にあれば回生制動が制限されることから、スイッチバック走行による回生分を見越して満充電の閾値を小さく設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−74817号公報
【特許文献2】WO2013/084682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示された技術によれば、シフト位置を後退位置にしてアクセル操作により電動車両を後退させている状態において、シフト位置を前進位置に切り替えたとき、例え、満充電状態であっても回生制動がかかりながら車両が減速して停止するため、蓄電装置の充電状態に依存することなくスイッチバック走行時に回生制動がかかるようになる。しかしながら、スイッチバック走行による回生分を予め充電余裕(充電マージン)として設定すると、スイッチバックを伴わない通常走行中にも充電マージンを多く設定する必要が有るため、蓄電装置の使用電力が抑制されることから航続距離が短くなるという課題があった。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、スイッチバック走行が行われた場合に回生制動による減速を可能にして運転フィールの向上をはかり、かつ航続距離の低下を回避する電動車両の充電制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために請求項1に記載の発明は、蓄電装置から供給される電力により駆動される電動機の動力を用いて走行し、前記電動機による回生制動により制動力を付与する電動車両の充電制御装置であって、前記蓄電装置への充電量を制御する制御手段と、前記蓄電装置の充電中に、前記電動車両の運転操作に起因して発生する、前記電動車両の移動方向と前記電動車両のシフト位置が示す移動方向とが異なるスイッチバック走行の開始を予測する予測手段と、を備え、前記制御手段は、前記予測手段で前記スイッチバック走行の開始が予測された場合に、前記充電量を抑制する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電動車両の充電制御装置において、前記制御手段は、前記予測手段が前記電動車両の前向き駐車を検出した場合に前記充電量を抑制する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の電動車両の充電制御装置において、前記予測手段は、前記電動車両の前方に設けられた検知手段により前記前向き駐車を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の電動車両の充電制御装置において、前記検知手段は、駐車したときに対向して位置する充電スタンドを撮影するカメラであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の電動車両の充電制御装置において、前記検知手段は、駐車したときに対向して位置する充電スタンドを検知するミリ波レーダであることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項2記載の電動車両の充電制御装置において、前記制御手段は、充電スタンドに設置された撮像手段と通信を行い、前記撮像手段から取得される前記電動車両の撮影画像から画像処理によって前記前向き駐車を検出することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1記載の電動車両の充電制御装置において、充電スタンドまたは前記電動車両に操作手段を備え、前記制御手段は、前記操作手段によるスイッチバック操作を検出したタイミングで前記充電量を抑制する制御を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の電動車両の充電制御装置において、前記制御手段は、前記スイッチバック状態の発生頻度を学習して前記スイッチバック状態の発生を予測することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の電動車両の充電制御装置において、前記制御部は、前記電動車両の車速が所定速度を超えたことを検出した場合に、前記充電量を抑制する制御を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スイッチバック走行が行われた場合に回生制動による減速を可能にして運転フィールの向上をはかり、かつ航続距離の低下を回避する、電動車両の充電制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2図1の動作を示すフローチャートである。
図3図1の変形例を示すブロック図である。
図4】スイッチバック走行時の回生制動が無い場合の動作を説明するために引用したタイミング図である。
図5】スイッチバック走行時の回生制限がある場合の動作を説明するために引用した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という)を添付図に基づいて説明する。
【0021】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態の電動車両の充電制御装置の構成を示すブロック図である。図1によれば、電動車両10は、動力を発生する電動機12を備え、電動機12の回転軸は、トランスミッション14等を介して車輪16に接続されている。そして、車輪16には制動力を付与する摩擦ブレーキ18が係合している。
【0022】
電動機12には、3相の結線を介してインバータ20(電力変換装置)が接続され、インバータ20には、蓄電装置22が接続されるとともに、インバータ20を駆動制御して電動機12を制御するモータECU(Electronic Control Unit)24が接続される。
【0023】
蓄電装置22は、エネルギーストレージであり、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池、又はキャパシタ等を利用することができる。蓄電装置22には、充放電電流を制御乃至制限する充放電回路60が内蔵されている。蓄電装置22には、充放電回路60の充放電電流を制御するとともに、蓄電装値22の充電状態であるSOC(State Of Charge:残容量)を検出する充電検出部261と、充電電流(回生量)を制御する充電量制御部262とを備えるバッテリECU26が接続されている。充電量制御部261は、後述するモータECU24が内蔵するスイッチバック走行予測部241でスイッチバック走行の開始が予測された場合に、充電量を抑制する制御を行う。
【0024】
モータECU24は、少なくとも、スイッチバック走行予測部241と、制動量制御部242とを含む。スイッチバック走行予測部241は、蓄電装置22の充電中に、電動車両10の運転操作に起因して発生するスイッチバック走行の開始を予測する。バッテリECU26の充電量制御部262は、モータECU24と通信を行い、スイッチバック走行予測部241でスイッチバック走行の開始が予測された場合に充電量を抑制する制御を行う。スイッチバック走行予測部241は、電動車両の前方に設けられた、カメラにより撮影される画像、あるいはミリ波レーダから照射されるミリ波を受信する下界センサ62により車両が前向き駐車したことを検出した場合にスイッチバック走行の開始を予測して充電量制御部262を制御する。
【0025】
このため、モータECU24に内蔵されるスイッチバック走行予測部241は、「蓄電装置の充電中に、電動車両の運転操作に起因して発生するスイッチバック走行の開始を予測する予測手段」として機能し、バッテリECU26に内蔵される充電量制御部262は、「予測手段でスイッチバック走行の開始が予測された場合に、充電量を抑制する制御を行う制御手段」としてそれぞれ機能する。
【0026】
モータECU24には、アクセルペダル28の操作量が操作量センサ30により検出されたアクセル開度θと、ブレーキペダル32の操作量が操作量センサ34により検出されたブレーキ操作量Bと、シフトレバー36の操作位置がシフト位置センサ38により検出された駐車位置P(P位置)、後退位置R(R位置)、又は漸進位置D(D位置)の各シフト位置と、車速センサ40により検出された車速Vsと、電動機12を構成するレゾルバ等の回転数センサで検出されたモータ回転数Nm、及びモータ回転方向(前進方向、停止、後退方向)Md等と、撮像部(カメラ)、あるいはミリ波レーダ等、電動車両10の前方に設けられた検知手段(下界センサ62)により検出される情報、あるいは操作部61からの操作情報がそれぞれ供給されている。
【0027】
スイッチバック走行予測部241は、操作部61からの操作情報により、あるいは外界センサ62からの、例えば、駐車したときに対向して位置する充電スタンドを撮影して得られる撮像情報、または障害物検知情報等により電動車両10の前向き駐車を検出し、これを契機に続く電動車両10のスイッチバック走行を予測する。モータECU24には、ナビゲーションECU(以下、単にナビECU42という)も接続され、このナビECU42から、自車両における地図上の位置、高度等の情報が供給される。
【0028】
モータECU24には、さらにブレーキECU50が接続される。ブレーキECU50には、ブレーキペダル32の操作量センサ34からブレーキ操作量Bが供給され、液圧モジュレータ52を介して車輪16に対し摩擦制動力を付与する。
【0029】
一方、モータECU24は、電動機12の回生電力を、インバータ20を通じて蓄電装置22に回収させることで、車輪16に対して電動機12の回生制動により制動させる制動力を付与する。モータECU24とブレーキECU50とバッテリECU26は、回生制動による制動力と摩擦制動による制動力との協調制御を行う。
【0030】
上記のモータECU24、バッテリECU26、及びナビゲーションECU42、ブレーキECU50の各ECUは、それぞれマイクロコンピュータを含む計算機である。そして、CPU(中央処理装置)、ROM(EEPROMも含む)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置等を内蔵する。CPUがROMに記録されているプログラムを逐次読み出し実行することにより、例えば、蓄電装置22の充電中に、電動車両10の運転操作に起因して発生するスイッチバック走行の開始を予測する予測手段として、あるいは、スイッチバック走行の開始が予測された場合に充電量を抑制する制御を行う制御手段として機能する。
【0031】
なお、バッテリECU26、モータECU24及びブレーキECU50は、CAN(Control Area Network:車載LAN)等の通信ネットワークに係る図示しない通信線を通じて相互にデータを利用する等、通信可能に接続されている。
【0032】
(実施形態の動作)
以下、図2のフローチャートを参照して本実施形態に係る電動車両の充電制御装置の動作について詳細に説明する。
【0033】
まず、ドライバが電動車両10を運転し、蓄電装置22を充電するために充電スタンドと対向して駐車したとする。そして、バッテリECU26では充電検出部261が、蓄電装置22の充電開始を検出し(ステップS101"YES")、モータECU24ではスイッチバック走行予測部241が、外界センサ62等により電動車両10の前向き駐車を検出してスイッチバック走行を予測したとする(ステップS102"YES")。
【0034】
これを受けたバッテリECU26の充電量制御部262は、蓄電装置22に対する充電量を、例えば、満充電時の95%に抑制する充電完了SOCの設定制御を行う(ステップS103)。このSOC設定による、満充電(100%)に対する例えば5%程度の充電抑制制御により、図4に示すように、スイッチバック走行時の回生制動による減速を可能にし、その結果、スイッチバック走行時の運転フィールの改善とともに、航続距離の低下を回避することができる。なお、充電完了SOCの設定については、充電量制御部262が、ドライバの普段の運転操作からスイッチバック走行の頻度を学習し、都度設定されたSOCの中から最適な値を選択する構成としてもよい。
【0035】
一方、後ろ向き駐車等によりスイッチバック走行が予測されない場合(ステップS102"NO")、充電量制御部262は、充電量を抑制することなく満充電のSOC制御を行う(ステップS104)。このように、スイッチバック走行が行われる可能性が高い場合に充電マージンを多く設定するために航続距離が低下することはない。
【0036】
続いて、バッテリECU26は、モータECU24から車速センサ40により検出される車速Vsを通信により取得して判定閾値VTHと、を比較する(ステップS105)。ここで、車速が判定閾値以上(ステップS105"YES")、すなわち、予測に反してスイッチバック走行が実際に行われなかった場合、充電量制御部262が充電量抑制制御を解除する(ステップS106)。このことにより、適切に充電量抑制制御を解除できるため、航続距離が低下することはない。
【0037】
なお、車速Vsが判定閾値未満の場合は(ステップS105"NO")、シフト位置がRレンジで後退している状態(モータ回転数は逆転側、モータトルクは力行側)において、進行方向を前進に切り替えたいとき、RレンジからD位置にシフト操作を行ない、モータトルクが力行側から回生側に切り替わるとアクセルペダルの操作量に応じた駆動力(回生制動)で減速し、停止状態を経てモータ回転数が逆転側から正転側に切り替わり、電動車両10の進行方向が後退方向から前進方向に反転するスイッチバック操作が実施されていると判定し(ステップS107)、ステップS101以降の処理をループする。
【0038】
(実施形態の効果)
以上説明のように、本実施形態に係る電動車両の充電制御装置によれば、蓄電装置22の充電中に、電動車両10の運転操作に起因して発生するスイッチバック走行の開始を予測された場合に充電量を抑制する制御を行うことにより、仮に、スイッチバック走行が行われた場合でも、回生制動による減速が可能になるため、スムーズなスイッチバック走行を実現し、ドライバビリティの向上がはかれ、かつ、航続距離の低下を回避することができる。
【0039】
また、電動車両10の車速(車速Vs)が所定速度を超えたことを検出した場合に、充電量を抑制する制御を解除することにより、スイッチバック走行が実際に行われなかった場合にも充電量の抑制制御を解除することができるため、航続距離が低下することを回避できる。なお、上記した本実施形態に係る電動車両の充電制御装置によれば、スイッチバック走行予測部241が、充電時に電動車両10が前向き駐車したことを検知することにより電動車両10のスイッチバック走行の予測を行ったが、外界センサ62によらず、ドライバによる操作部61の操作(スイッチバック操作ボタン押下)を検知することで代替してもよい。
【0040】
また、本実施形態に係る電動車両の充電制御装置によれば、モータECU24にスイッチバック走行予測部241を実装し、バッテリECU26に充電量制御部262が実装された構成について説明したが、モータECU24,あるいはバッテリECU26のいずれか一方にそれらをともに実装し、あるいは、モータECU24とバッテリECU26を統合した新たなECUを設計し、その中にスイッチバック走行予測部241と充電量制御部262とを実装してもよい。この場合、ECU間の通信が不要になるため、通信トラフィックが低減され、その分だけ処理速度が向上する。
【0041】
(変形例)
図3に、本実施形態に係る電動車両の充電制御装置の変形例が示されている。図2に示す実施形態との差異は、電動車両10に外界センサ62を設ける代わりに、充電スタンド70に、例えば、撮像部71と画像処理部72とを設け、蓄電装置22を充電するために充電スタンド70に対向して停車した電動車両10を撮像部71で撮影し、画像処理部72で処理した画像を近距離無線通信部73により電動車両10に送信する構成としたことにある。このため、電動車両10も、充電スタンド70と、バッテリECU26との間で通信を行うために、近距離無線通信部263を付加する必要がある。
【0042】
上記した変形例によれば、充電スタンド70が電動車両の前向き駐車を検出してスイッチバック走行を予測するため、外界センサ62は不要になって部品点数が削減する他に、スイッチバック予測のためのモータECU24の負荷が軽減される。なお、画像処理によらず、充電スタンド70に、ドライバがスイッチバック走行を意志表示する操作ボタンを実装してもよい。
【0043】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0044】
10・・・電動車両、12・・・電動機、22・・・蓄電装置、24・・・モータECU、26・・・バッテリECU、73,263・・・近距離無線通信部、61・・・操作部、62・・・外界センサ、70・・・充電スタンド、71・・・撮像部、72・・・画像処理部、241・・・スイッチバック走行予測部、242・・・制動量制御部、261・・・充電検出部、262・・・充電量制御部
図1
図2
図3
図4
図5