特開2015-23341(P2015-23341A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-23341(P2015-23341A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】構内交換機および通話システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 3/58 20060101AFI20150106BHJP
【FI】
   H04Q3/58 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-148495(P2013-148495)
(22)【出願日】2013年7月17日
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】八ッ役 勇二
【テーマコード(参考)】
5K049
【Fターム(参考)】
5K049AA15
5K049BB04
5K049BB12
5K049EE01
5K049EE02
5K049EE11
5K049EE12
5K049FF01
5K049FF11
5K049FF12
5K049FF32
5K049FF45
5K049GG05
5K049GG07
(57)【要約】
【課題】着信先電話端末が応答せず、その後、着信先電話端末から着信履歴に基づいて折り返し電話があった場合に、発信元電話端末にスムーズに取り次ぐ。
【解決手段】構内交換機10は、外線電話端末50a,50b,50c(第1の電話端末)のいずれかから内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)宛に折り返し電話があると、制御部11は、記憶部12の所定の領域に割り当てられて記憶された発信放棄テーブル120を参照し、その内容にしたがい発信元の第2の電話端末に対して報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信履歴を記憶可能な第1の電話端末とは公衆電話網を経由して接続されるとともに、前記公衆電話網を経由せずに構内で内線通話が可能な第2の電話端末が複数接続される構内交換機であって、
前記第2の電話端末の一つから前記第1の電話端末宛の発信があり、着信があった前記第1の電話端末から着信応答がなかった場合に、発信元の前記第2の電話端末の電話番号と着信先の前記第1の電話端末の電話番号とを対で記憶する記憶部と、
前記第1の電話端末から前記第2の電話端末宛に折り返し電話があると、前記記憶部を参照して発信元の前記第2の電話端末に対して報知する制御部と、
を有することを特徴とする構内交換機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の電話端末から前記第2の電話端末宛に所定時間内に折り返し電話があるとダイヤルイン接続で報知し、前記所定時間内に前記折り返し電話がなければ一般着信で報知することを特徴とする請求項1記載の構内交換機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2の電話端末のいずれかが着信応答した場合に、前記発信元の第2の電話端末の電話番号を前記着信応答した第2の電話端末が有する表示部に表示して転送を促すことを特徴とする請求項1記載の構内交換機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2の電話端末のいずれかが着信応答した場合に、前記発信元の第2の電話端末の電話番号を前記着信応答した第2の電話端末が有する表示部に表示し、前記着信応答した第2の電話端末が有する操作部による所定の操作を検出すると保留し、前記発信元の第2の電話端末を呼び出すことを特徴とする請求項1記載の構内交換機。
【請求項5】
着信履歴を記憶可能な第1の電話端末と、
前記第1の電話端末とは公衆電話網を経由して接続される構内交換機と、
前記公衆電話網を経由せず、前記構内交換機を介して構内で内線通話が可能な第2の電話端末と、
を有し、
前記構内交換機は、
前記第2の電話端末の一つから前記第1の電話端末宛の発信があり、着信があった前記第1の電話端末から着信応答がなかった場合に、発信元の前記第2の電話端末の電話番号と着信先の前記第1の電話端末の電話番号とを対で記憶し、前記第1の電話端末から前記第2の電話端末宛に折り返し電話があると、前記記憶してある発信元の前記第2の電話端末に対して報知することを特徴とする通話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信履歴を記憶可能な第1の電話端末とは公衆電話網を経由して接続されるとともに、公衆電話網を経由せずに構内で内線通話が可能な第2の電話端末が複数接続される、構内交換機および通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内線電話は、専用線や構内交換機、あるいは主装置を使用して、公衆電話網を使用することなく企業等の組織内で通話可能な電話である。例えば、図5(a)に示すように、α社の構内交換機100に収容されている1階にいるAさんの釦電話400aからBさんの携帯電話200に電話したが応答がなかった場合を想定する。そして、図5(b)に示すように、Bさんの携帯電話200がその発着信履歴から折り返しα社に電話し、一般着信で2階にいるCさんの釦電話400bが応答したとする。この場合、Bさんはα社の誰から電話がかかってきたのか分からず、応答したCさんに「そちらから電話があったのですが」等と問い合わせるが、2階にいるCさんも発信者が不明であるため転送等の取次ができない。
【0003】
ところで、特許文献1には、相手不在時の折り返し電話である場合の確認が表示部を見ることなく可能であり、また、電話番号登録が無くても最近の通話先であればその識別が可能な電話端末装置に関する技術が開示されている。これは、着信時に報知される電話番号と発着信履歴との電話番号を比較し、一致した場合と不一致の場合とで着信時の呼び出し方法を異なるように制御することにより実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−245019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、携帯電話機等の一般電話端末において、着信先電話端末による折り返し電話の確認のための方法であって、構内交換機において、着信先から折り返し電話を受けた発信元電話端末にスムーズに取り次ぐ要求に応えるものではない。
【0006】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、着信先電話端末が応答せず、その後、着信先電話端末から着信履歴に基づいて折り返し電話があった場合に、発信元電話端末にスムーズに取り次ぐことができる、構内交換機および通話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る構内交換機は、着信履歴を記憶可能な第1の電話端末とは公衆電話網を経由して接続されるとともに、前記公衆電話網を経由せずに構内で内線通話が可能な第2の電話端末が複数接続される構内交換機であって、前記第2の電話端末の一つから前記第1の電話端末宛の発信があり、着信があった前記第1の電話端末から着信応答がなかった場合に、発信元の前記第2の電話端末の電話番号と着信先の前記第1の電話端末の電話番号とを対で記憶する記憶部と、前記第1の電話端末から前記第2の電話端末宛に折り返し電話があると、前記記憶部を参照して発信元の前記第2の電話端末に対して報知する制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記制御部は、前記第1の電話端末から前記第2の電話端末宛に所定時間内に折り返し電話があるとダイヤルイン接続で報知し、前記所定時間内に前記折り返し電話がなければ一般着信で報知することを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記制御部は、前記第2の電話端末のいずれかが着信応答した場合に、前記発信元の第2の電話端末の電話番号を前記着信応答した第2の電話端末が有する表示部に表示して転送を促すことを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記制御部は、前記第2の電話端末のいずれかが着信応答した場合に、前記発信元の第2の電話端末の電話番号を前記着信応答した第2の電話端末が有する表示部に表示し、前記着信応答した第2の電話端末が有する操作部による所定の操作を検出すると保留し、前記発信元の第2の電話端末を呼び出すことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る通話システムは、着信履歴を記憶可能な第1の電話端末と、前記第1の電話端末とは公衆電話網を経由して接続される構内交換機と、前記公衆電話網を経由せず、前記構内交換機を介して構内で内線通話が可能な第2の電話端末と、を有し、前記構内交換機は、前記第2の電話端末の一つから前記第1の電話端末宛の発信があり、着信があった前記第1の電話端末から着信応答がなかった場合に、発信元の前記第2の電話端末の電話番号と着信先の前記第1の電話端末の電話番号とを対で記憶し、前記第1の電話端末から前記第2の電話端末宛に折り返し電話があると、前記記憶してある発信元の前記第2の電話端末に対して報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着信先電話端末が応答せず、その後、着信先電話端末から着信履歴に基づいて折り返し電話があった場合に、発信元電話端末にスムーズに取り次ぐことができる、構内交換機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る通話システムの接続構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る構内交換機の発信放棄処理動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例1の着信応答処理動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例2の着信応答処理動作を示すフローチャートである。
図5】従来の通話システムによる折り返し電話の様子を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という)について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0015】
(実施形態の構成)
図1に示すように、本実施形態に係る通話システム1は、着信履歴を記憶可能な外線電話端末50a,50b,50c(第1の電話端末)と、この外線電話端末50a,50b,50cとは、アナログ電話網31、携帯電話網32、IP(Internet Protocol)ネットワーク網33等、公衆電話網30を経由して接続される構内交換機10と、公衆電話網30を経由せず、構内交換機10を介して構内で内線通話が可能な内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)と、を有する。
【0016】
構内交換機10は、内線電話端末20a,20b,20cの一つから外線電話端末50a,50b,50cのいずれか宛の発信があり、発信先の外線電話端末50a,50b,50cから着信応答がなかった場合に、発信元の内線電話端末20a,20b,20cの電話番号と着信先の外線電話端末50a,50b,50cの電話番号とを対で記憶し、外線電話端末50a,50b,50cから内線電話端末20a,20b,20c宛に折り返し電話があると、記憶してある発信元の内線電話端末20a,20b,20cに対して報知する。詳細は後述する。
【0017】
構内交換機10は、外線電話と内線電話との間の中継を行う機能を有し、公衆電話網30からの外線電話を、構内の内線電話端末20a,20b,20cに接続する機能を有している。また、構内交換機10は、構内の内線電話端末20a,20b,20cからかけられる外線電話を公衆電話網30に接続する機能を有している。また、構内交換機10は、構内の内線電話端末20a,20b,20c同士を接続して内線通話を可能にする機能も有している。
【0018】
構内交換機10は、制御部11と、記憶部12と、アナログ電話通信部13と、携帯電話通信部14と、アナログ内線通信部15と、IPネットワーク通信部16とを備えている。
【0019】
制御部11は、例えば、マイクロプロセッサにより構成され、記憶部12に記憶されたプログラムを逐次読み出し実行することにより、外線電話端末50a,50b,50cから内線電話端末20a,20b,20c宛に折り返し電話があると、記憶部12(後述する発信放棄テーブル120)を参照して発信元の内線電話端末20a,20b,20cに対して報知する。
【0020】
制御部11は、外線電話端末50a,50b,50cから内線電話端末20a,20b,20c宛に所定時間内に折り返し電話があるとダイヤルイン接続で報知し、所定時間内に折り返し電話がなければ一般着信で報知してもよい。また、制御部11は、内線電話端末20a,20b,20cのいずれかが着信応答した場合に、発信元の内線電話端末20a,20b,20cの電話番号を着信応答した内線電話端末20a,20b,20cが有する表示部22に表示して転送を促してもよい。また、制御部11は、内線電話端末20a,20b,20cのいずれかが着信応答した場合に、発信元の内線電話端末20a,20b,20cの電話番号を着信応答した内線電話端末20a,20b,20cが有する表示部22に表示し、着信応答した内線電話端末20a,20b,20cが有する操作部23(後述する自動保留転送ボタン23a)による所定の操作を検出すると保留し、発信元の内線電話端末20a,20b,20cを呼び出してもよい。
【0021】
記憶部12には制御部11が実行するプログラムや各種データが格納されており、書き換え可能なフラッシュメモリで構成される。各種データとして、例えば、発信放棄テーブル120が格納されている。発信放棄テーブル120は、内線電話端末20a,20b,20cのいずれかが外線電話端末50a,50b,50cのいずれかに発信して相手が応答しなかった場合に、制御部11による制御の下、発信元の電話番号と着信先の電話番号とが対で記憶されるテーブルである。ここでは、最大100件迄記憶できる容量を有し、常に最新の状態で保存されるものとし、古い組み合わせから順に消去され、発信先電話番号が同じであれば最新の組み合わせに上書きされる。
【0022】
アナログ電話通信部13は、アナログ電話網31に接続されており、1回線のアナログ電話通信が可能に構成されている。また、携帯電話通信部14は、携帯電話網32に接続されており、1回線の携帯電話通信が可能に構成されている。また、IPネットワーク通信部16は、IPネットワーク網33に接続されており、IPネットワーク網33上の複数のIP電話端末50cと並行して通信可能である。なお、IPネットワーク通信部16には、構内に構築されたLAN(Local Area Network)40が接続されている。また、IPネットワーク通信部16は、公衆電話網30上の各電話端末50a,50b,50cとLAN40上の図示省略したPC端末等とを通信可能に接続する機能を有している。
【0023】
なお、アナログ内線通信部15は、アナログ電話通信に対応しており、アナログ電話通信に対応した複数の内線電話端末20a,20b,20cに接続されている。内線電話端末20aは、その外観略図が示されているように、送受話器21と、表示部22と、操作部23とを含み構成される。なお、操作部23として、フレキシブルキー23a、テンキー23bを含み、フレキシブルキー23aの中には更に後述する「自動保留転送キー」が割り当てられている。なお、内線電話機20b,20cも同様の構成を有する。また、アナログ内線通信部15は、公衆電話網30(アナログ電話網31、携帯電話網32およびIPネットワーク網33)上の外線電話端末50a,50b,50cと内線電話端末20a,20b,20cを通信可能に接続する機能を有している。
【0024】
(実施形態の動作)
以下、図2図4のフローチャートを参照しながら、図1に示す本実施形態に係る構内交換機10の動作について詳細に説明する。まず、図2のフローチャートを参照して構内交換機10(制御部11)による発信放棄テーブル120の生成処理から説明する。
【0025】
構内交換機10では、内線電話端末20a,20b,20cの一つから外線電話端末50a,50b,50cのいずれかに宛に発信がある都度、制御部11が、記憶部12の発信放棄テーブル120を参照して、同じ発信先の電話番号が既に登録されているか否かを判定する(ステップS201)。ここで同じ発信先の電話番号が既に登録されていれば(ステップS201“YES”)、発信元と発信先の電話番号の組を発信放棄テーブル120の該当領域に上書きし、記憶内容を更新する(ステップS202)。なお、制御部11が発信放棄テーブル120を作成するタイミングは、発信先の相手が応答せずに終了した時点とする。
【0026】
一方、発信先が新規の電話番号であれば(ステップS201“NO”)、制御部11は、容量判定を行なう(ステップS203)。ここで、既に100件(但し、100件に限らない)の組み合わせが登録済みであれば(ステップS203“YES”)、古い電話番号の組み合わせを消去し(ステップS204)、その記憶領域に、新規の発信先と発信元の電話番号の組み合わせ追加登録する(ステップS205)。なお、容量判定の結果、記憶されてある電話番号の組み合わせが100件に満たない場合は(ステップS203“NO”)、その空き領域に、発信先と発信元の新規の電話番号の組み合わせを追加登録する(ステップS205)。制御部11は、以上の手順にしたがい、100件(但し、100件に限らない)の発信先と発信元電話番号の組を記憶部12の所定の領域に割り当て記憶される発信放棄テーブル120上に書き込む。
【0027】
以下に、本実施形態に係る構内交換機10の着信応答処理動作について図3図4のフローチャートを参照しながら説明する。以下の説明では、ダイヤルインまたは一般着信による着信応答処理を実施例1とし、「自動保留転送ボタン」押下による着信応答処理を実施例2として説明する。
【0028】
まず、図3のフローチャートを参照して実施例1について説明する。図3において、構内交換機10(制御部11)は、外線電話端末50a,50b,50cのいずれからか、公衆電話網30、およびアナログ電話通信部13、携帯電話通信部14,IPネットワーク通信部16経由で、着信履歴に基づく折り返し電話があると、記憶部12の所定の領域に割り当てられた発信放棄テーブル120の記憶内容を参照し、その着信先電話番号が既に登録済みか否かを判定する(ステップS301)。ここで、既に登録済みであれば(ステップS301“YES”)、制御部11は、ダイヤルイン設定の有無を判定する(ステップS302)。
【0029】
ダイヤルイン設定の有無は、着信先の外線電話端末50a,50b,50cのいずれからか所定時間内に折り返し電話があったか否かにより判定されるものとする。ダイヤルイン設定がなされていれば(ステップS302“YES”)、制御部11は、アナログ内線通信部15を制御してダイヤルインにより対応する発信元の内線電話端末20a,20b,20cのいずれかを鳴動させる(ステップS303)。ダイヤルイン設定がなされていなければ(ステップS302“NO”)、アナログ内線通信部15により一般着信で応答し(ステップS304)、そのとき着信応答した内線電話端末(20a,20b,20cのいずれか)の表示部22に対し着信先に対応する発信元電話番号を表示して、その発信元電話番号に転送を促す(ステップS305)。
【0030】
すなわち、制御部11は、着信先外線電話端末50a,50b,50cから所定時間内に折り返し電話があった場合は、ダイヤルイン接続により、直接発信元の内線電話端末20a,20b,20cに報知し、所定時間を超えて折り返し電話があった場合は、一般着信で着信応答した内線電話端末20a,20b,20cの表示部22に発信元電話番号を表示してその発信元の電話番号に手動による転送を促す。したがって、不在等により着信先の外線電話端末50a,50b,50cから着信履歴に基づく折り返し電話があった場合に、着信応答した内線電話端末20a,20b,20cのいずれかは、発信元の内線電話端末20a,20b,20cのいずれかにスムーズに取り次ぐことができる。また、ダイヤルイン接続により、直接、発信元の内線電話端末20a,20b,20cを鳴動させることができるため、取り次ぐオペレータの負担を軽減することもできる。
【0031】
次に、図4のフローチャートを参照して実施例2に係る構内交換機10(制御部11)の折り返し電話による外線着信処理について説明する。
【0032】
図4において、制御部11は、外線電話端末50a,50b,50cのいずれからか折り返し電話があると、記憶部12の所定の領域に割り当てられている発信放棄テーブル120の内容を参照し、その発信先電話番号が既に登録済みか否かを判定する(ステップS401)。ここで、既に登録済みであれば(ステップS401“YES”)、「自動保留転送ボタン」設定の有無を判定する(ステップS402)。「自動保留転送ボタン」設定の有無は、内線電話機20a,20b,20cの操作部23のフレキシブルキーに自動保留転送ボタン23aが定義されているか否かにより判定されるものとする。
【0033】
自動保留転送ボタン23aが設定されていれば(ステップS402“YES”)、制御部11は、自動保留転送ボタン23aを点滅させて押下を促す(ステップS403)。なお、自動保留転送ボタン23aが設定されていなければ(ステップS402“NO”)、あるいは、ステップS401の発信放棄テーブル登録有無判定処理で発信先電話番号が登録されていなければ(ステップS401“NO”)、折り返し電話による外線着信応答処理を終了する。
【0034】
制御部11は、自動保留転送ボタン23aの押下を検出すると(ステップS404“YES”)、制御部11は、通話中の外線を保留し(ステップS405)、記憶部12の発信放棄テーブル120の内容を参照し、該当する発信元の内線電話端末20a,20b,20cのいずれかに発信する(ステップS406)。すなわち、発信元の内線電話端末20a,20b,20cに対して転送を要することなく自動発信する。なお、自動保留転送ボタン23aの押下がないと(ステップS404“NO”)、折り返し電話による外線着信応答処理を終了する。すなわち、制御部11は、自動保留転送ボタン23aの押下を検出した場合に、発信元の内線電話端末20a,20b,20cに自動接続が可能であり、この場合、取り次ぐオペレータの転送に対する負担を軽減することができる。
【0035】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る構内交換機10によれば、外線電話端末50a,50b,50c(第1の電話端末)のいずれかから内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)宛に折り返し電話があると、制御部11は、記憶部12の所定の領域に割り当てられて記憶された発信放棄テーブル120を参照し、その内容にしたがい発信元の第2の電話端末に対して報知する。したがって、発信放棄テーブル120に、発信元の内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)の電話番号と着信先の、外線電話端末50a,50b,50c(第1の電話端末)の電話番号とを対で記憶しておくことにより、不在等により着信先の外線電話端末50a,50b,50c(第1の電話端末)から着信履歴に基づく折り返し電話があった場合に、着信応答した内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)が発信元の内線電話端末20a,20b,20c(第1の電話端末)のいずれかにスムーズに取り次ぐことができる。
【0036】
また、本実施形態に係る構内交換機10によれば、制御部11は、所定時間内に折り返し電話があるとダイヤルイン接続で報知し、所定時間内に折り返し電話がなければ一般着信で報知する。したがって、所定時間内に折り返し電話があるとダイヤルインで発信元の内線電話端末20a,20b,20cに自動接続されるため、オペレータの負担が軽減される。また、着信先の外線電話端末50a,50b,50cから折り返し電話があって、内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)のいずれかが着信応答した場合に、発信元の電話番号を着信応答した内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)が有する表示部22に表示して転送を促すため取次が容易になる。更に、着信応答した内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)が有する操作部23(自動保留転送ボタン23a)による所定の操作を検出すると保留し、発信元の内線電話端末20a,20b,20c(第2の電話端末)を呼び出すことで、折り返し電話を取り次いだオペレータの転送に対する負担を軽減することができる。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0038】
1…通話システム、10…構内交換機、11…制御部、12…記憶部、20a,20b,20c…内線電話端末(第2の電話端末)、30…公衆電話網(31…アナログ電話網、32…携帯電話網、33…IPネットワーク網)、50a,50b,50c…外線電話端末(第1の電話端末)、120…発信放棄テーブル
図1
図2
図3
図4
図5