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特開2015-23481無線LAN装置、無線LAN装置のプログラムおよび無線LAN装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-23481(P2015-23481A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】無線LAN装置、無線LAN装置のプログラムおよび無線LAN装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/26 20090101AFI20150106BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20150106BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20150106BHJP
【FI】
   H04W8/26 110
   H04W84/12
   H04W92/20 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-151361(P2013-151361)
(22)【出願日】2013年7月22日
(71)【出願人】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】特許業務法人 クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 康晴
(72)【発明者】
【氏名】川久保 優
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067BB21
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF02
5K067HH21
5K067HH24
(57)【要約】
【課題】無線LAN装置の置きかえ、および/または無線LANの追加の場合に既設の通信ネットワークのみならず、新規の通信ネットワークを構築することができる無線LAN装置、無線LAN装置のプログラムおよび無線LAN装置の制御方法を提供することである。
【解決手段】 本発明においては、送信部200によりコピーボタン610の押下操作で通信パラメータが要請され、受信部300により通信パラメータが受信される。記録部500により通信パラメータが記録される。設定部400により通信パラメータが設定される。
記録部500は、受信部により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1記録部510と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2記録部520と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信が可能な無線LAN装置であって、
所定の操作により通信パラメータを要請する要請部と、
前記要請部による要請に応じて送信される前記通信パラメータを受信する受信部と、
前記通信パラメータを記録する記録部と、
前記通信パラメータを設定する設定部と、を含み、
前記記録部は、
前記受信部により受信した前記通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、
前記通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含む、無線LAN装置。
【請求項2】
コピーボタンをさらに含み、
前記所定の操作は、前記コピーボタンの押下操作である、請求項1記載の無線LAN装置。
【請求項3】
QRコード(登録商標)をさらに含み、
前記QRコード(登録商標)は、前記第2の記録領域における第2の通信パラメータが表示された、請求項1または2に記載の無線LAN装置。
【請求項4】
前記第1の記録領域に前記第1の通信パラメータが記録された場合、前記要請部は、前記受信部に前記通信パラメータを送信してきた装置へ、当該通信パラメータを削除するよう要請する、請求項1乃至3記載の無線LAN装置。
【請求項5】
前記要請部は、前記受信部に前記通信パラメータを送信してきた装置の通信が所定時間消失しているか否かを判定し、消失したと判定した場合に、前記第1の通信パラメータを使用した通信を可能とする、請求項1乃至3記載の無線LAN装置。
【請求項6】
前記所定の操作の後、
前記記録部は、前記第1の記録領域に記録可能な領域があるか否かを判定する、請求項1乃至5記載の無線LAN装置。
【請求項7】
電源投入またはリセット時に、
前記要請部および前記受信部は、自身が通信に使用する通信パラメータによる通信の有無を判定する、請求項1乃至6記載の無線LAN装置。
【請求項8】
無線通信が可能な無線LAN装置のプログラムであって、
所定の操作により通信パラメータを要請する要請処理と、
前記要請処理による要請に応じて送信される前記通信パラメータを受信する受信処理と、
前記通信パラメータを記録する記録処理と、
前記通信パラメータを設定する設定処理と、を含み、
前記記録処理は、
前記受信処理により受信した前記通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、
前記通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含む、無線LAN装置のプログラム。
【請求項9】
無線通信が可能な無線LAN装置用の制御方法であって、
所定の操作により通信パラメータを要請する要請工程と、
前記要請工程による要請に応じて送信される前記通信パラメータを受信する受信工程と、
前記通信パラメータを記録する記録工程と、
前記通信パラメータを設定する設定工程と、を含み、
前記記録工程は、
前記受信工程により受信した前記通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、
前記通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含む、無線LAN装置の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN装置の通信に関する。特に、無線LAN装置の置きかえ、または追加の場合における無線LAN装置、無線LAN装置のプログラムおよび無線LAN装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無線LAN装置に関して、種々の研究開発が行なわれている。例えば、特許文献1(特開2012−44707号)には、すでに構築済みであるネットワークに所属する通信装置と、新規にネットワークに参加する通信装置とで通信パラメータの自動設定を行った場合に、構築済みのネットワークでの通信ができなくなってしまうことを防止する通信装置、通信装置の制御方法、プログラムについて開示されている。
【0003】
特許文献1(特開2012−44707号)記載の通信装置は、通信パラメータを提供する提供装置、又は提供装置が提供する通信パラメータを受信する受信装置として通信パラメータの設定処理を行う通信装置であって、提供装置として受信装置に通信パラメータを提供する提供手段と、受信装置として提供装置から通信パラメータを受信する受信手段と、通信装置の役割を提供装置もしくは受信装置に設定する設定手段と、を有し、設定手段は、所定のユーザ操作が行われた際に、既にネットワークに参加している場合、通信装置の役割を提供装置に設定し、所定のユーザ操作が
行われた際に、ネットワークに参加していない場合、他の通信装置が提供装置として送信した信号を受信すると通信装置の役割を受信装置に設定することを特徴とするものである。
【0004】
また、特許文献2(特開2011−193225号)には、非対称なプロトコルを用いた処理の当事者の一方と他方との機能を併せ持つ無線LAN装置と、他の無線LAN装置との間で、非対称なプロトコルを用いた処理を好適に実行する無線LAN装置、プロトコル実行方法及びそのプログラムについて開示されている。
【0005】
特許文献2(特開2011−193225号)記載の無線LAN装置は、無線通信を行う無線LAN装置であって、非対称なプロトコルを用いた非対称処理の一方の当事者として無線通信を行う第1の通信手段と、非対称なプロトコルを用いた非対称処理の他方の当事者として無線通信を行う第2の通信手段と、非対称なプロトコルを用いた非対称処理の実行指示を受け付ける受付手段と、受付手段が受け付けた指示に基づき、無線LAN装置の電波到達範囲内に通信可能に存在する非対称処理の当事者と、第1及び/または第2の通信手段との間で、非対称処理を実行する実行手段と、第1または第2の通信手段が非対称処理を行う際、該第1及び第2の通信手段の少なくとも一方が該非対称処理を完遂する前に、非対称処理の当事者から、該第1及び第2の通信手段の他方を除外する除外手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また、特許文献3(特開2011−205292号)には、非対称なプロトコルを用いた処理の当事者の一方と他方との機能を併せ持つ無線LAN装置を含む3台以上の無線LAN装置を備える無線LANシステムにおいて、無線通信の設定に関する設定情報を共有させるためのユーザ操作を簡略化する無線LANシステム、無線LAN装置、設定情報設定方法及びそのプログラムについて開示されている。
【0007】
特許文献3(特開2011−205292号)記載の無線LANシステムは、無線通信を行う無線LAN装置を3台以上備えた無線LANシステムであって、無線通信の設定に関する情報を含む設定情報を無線通信によって共有可能とする非対称なプロトコルを用いた非対称処理の一方の当事者として無線
通信を行う第1の通信手段と、非対称処理の他方の当事者として無線通信を行う第2の通信手段とを備えた少なくとも1台の第1の無線LAN装置と、非対称処理の一方の当事者として無線通信を行う第3の通信手段を備えた1台の第2の無線LAN装置と、非対称処理の他方の当事者として無線通信を行う第4の通信手段を備えた1台の第3の無線LAN装置とを備え、第1ないし第3の無線LAN装置の各々は、非対称処理の実行指示を受け付ける実行受付手段と、実行受付手段が受け付けた指示に基づき、非対称処理の当事者として該非対称処理を実行する実行手段とを備え、第1ないし第4の通信手段の各々は、当事者として1つの非対称処理を完遂した際に、該非対称処理の動作を停止し、第1の無線LAN装置は、第1または第2の通信手段が非対称処理を行う際、同一の第1の無線LAN装置が備える第1及び第2の通信手段の間での非対称処理の完遂を禁止する禁止手段を備えたものである。
【0008】
また、特許文献4(特開2013−46290号)には、無線通信に関する通信設定情報をアクセアスポイント間で容易に共有する通信装置、通信システムおよび通信設定情報の共有方法について開示されている。
【0009】
特許文献4(特開2013−46290号)記載の通信装置は、通信装置であって、アクセスポイントとして、所定の通信設定情報に基づいて無線通信が可能な無線通信部と、有線を介して通信を行う有線通信部と、通信装置を含む2以上のアクセスポイント装置のうちの1つのアクセスポイント装置に対して設定される動作モードであって、該1つのアクセスポイント装置に既に設定された通信設定情報を、2以上のアクセスポイント装置のうちの他のアクセスポイント装置に提供すべき第1の動作モードと、他のアクセスポイント装置に対して設定される動作モードであって、該第1の動作モードに設定されたアクセスポイント装置から既に設定された通信設定情報の提供を受けるべき第2の動作モードとのうちの、いずれの動作モードで動作するかを通信装置に対して設定する動作モード設定部と、通信装置が第1の動作モードに設定された場合に、通信装置に初めて設定された、または、変更により新たに設定された通信設定情報を、有線通信部による通信によって、第2の動作モードに設定された他の通信装置に提供する提供部とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
さらに、特許文献5(特開2012−60351号)には、無線LANを利用するための利用情報を転送する技術を提供するデータ転送方法および端末について開示されている。
【0011】
特許文献5(特開2012−60351号)記載のデータ転送方法は、無線LANと接続可能な複数の端末においてデータを転送するデータ転送方法であって、端末の一つは、端末が利用可能な無線LANを当該端末以外の他の端末が利用するために必要な情報である利用情報を予め記録しており、端末の少なくとも一方に対する外部からの所定の操作に基づいて、端末の一つが記録している利用情報を、無線を介して他の端末に転送し該他の端末が記録することを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2012−44707号公報
【特許文献2】特開2011−193225号公報
【特許文献3】特開2011−205292号公報
【特許文献4】特開2013−46290号公報
【特許文献5】特開2012−60351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1乃至5の無線LAN装置では、上記の効果が記載されている。
しかしながら、近年、無線LAN装置は、多数のクライアントとの通信を行なう要望が高まっている。それに伴い、マルチSSIDと呼ばれる多数の設定が可能な無線LAN装置が開発されている。しかしながら、マルチSSIDにおいて、新たな無線LAN装置に置きかえる際に、全ての通信パラメータの設定をコピーするのみでは、さらに新たなクライアントとの通信ネットワークを構築することができないという問題が生じる。
すなわち、既設の通信ネットワーク内に新たな無線LAN装置を配置するのみならず、新たな無線LAN装置に置きかえつつ、さらに新規の通信ネットワークを構築させたいという要望がある。
【0014】
本発明の目的は、無線LAN装置の置きかえ、および/または無線LANの追加の場合に既設の通信ネットワークのみならず、新規の通信ネットワークを構築することができる無線LAN装置、無線LAN装置のプログラムおよび無線LAN装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)
一局面に従う無線LAN装置は、無線通信が可能な無線LAN装置であって、所定の操作により通信パラメータを要請する要請部と、要請部による要請に応じて送信される通信パラメータを受信する受信部と、通信パラメータを記録する記録部と、通信パラメータを設定する設定部と、を含み、記録部は、受信部により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含むものである。
【0016】
本発明においては、要請部により所定の操作で通信パラメータが要請される。受信部により要請部の要請に応じて送信された通信パラメータが受信される。記録部により通信パラメータが記録される。設定部により通信パラメータが設定される。
記録部は、受信部により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含む。
【0017】
この場合、無線LAN装置の要請部により他の無線LAN装置へ要請され、送信された既存の通信パラメータが受信部により受信され、第1の記録領域に記録される。その結果、本発明にかかる無線LAN装置は、第1の記録領域を用いて、古い無線LAN装置から既存の通信パラメータを確実にコピーし、既設のネットワークを正常に維持しつつ、第2の記録領域を用いて、新たなネットワークを容易に構築することができる。
すなわち、新たな無線LAN装置の記憶領域においては、既設の無線LAN装置の通信パラメータの設定情報を完全にコピーするのみではなく、第2記録領域を設けて、新たな無線LAN用の通信パラメータを記録することで、新たな通信ネットワークを増築することができる。その結果、マルチSSIDの場合の無線LAN装置の置きかえ、および、通信ネットワークの増築にも対応することができる。
したがって、単に既設の通信パラメータをコピーをする無線LANにおいては、第2の記録領域を持たないため、新たな通信パラメータを設定することができなかった。本発明における無線LAN装置においては、当該問題を解消することができる。
【0018】
(2)
第2の発明にかかる無線LAN装置は、一局面にかかる無線LAN装置において、コピーボタンをさらに含み、所定の操作は、コピーボタンの押下操作であってもよい。
【0019】
この場合、コピーボタンにより容易に第1の通信パラメータを第1の記録領域に保存することができる。
なお、コピーボタンは、第1の通信パラメータを第1の記録領域に記録した後は、他の機能を有してもよい。例えば、複数回押下操作することにより、省電力モードに移行させる機能、USBの取り外し機能、フィルタリングのオンオフ機能等、任意の機能を持たせてもよい。
【0020】
(3)
第3の発明にかかる無線LAN装置は、一局面または第2の発明にかかる無線LAN装置において、QRコード(登録商標)をさらに含み、QRコードは、第2の記録領域における第2の通信パラメータを表示してもよい。
【0021】
この場合、無線LAN装置は、QRコードに記録された通信パラメータを記録する第2の記録領域を有するので、新たなネットワークを容易に構築することができる。すなわち、第1の記憶領域に既設の通信ネットワークにおける通信パラメータを保存し、当該通信パラメータを用いて既設のネットワークを維持しつつ、第2の記憶領域においてQRコードを用いた通信パラメータで新たな通信ネットワークを形成することができる。
【0022】
(4)
第4の発明にかかる無線LAN装置は、一局面から第3の発明にかかる無線LAN装置において、第1の記録領域に第1の通信パラメータが記録された場合、要請部は、受信部に通信パラメータを送信してきた装置へ、当該通信パラメータを削除するよう要請してもよい。
【0023】
この場合、無線LAN装置を容易に置きかえることができる。すなわち、既設の通信ネットワークにおける無線LAN装置の代わりに本発明にかかる無線LAN装置を配設させることで、既設のクライアントの通信不良を防止することができる。つまり、既設の通信ネットワークにおけるクライアントがいずれの無線LAN装置と通信すべきかという問題を排除することができる。
なお、ユーザが既設の無線LAN装置の電源を遮断することでも、当該問題を解決することができる。
【0024】
(5)
第5の発明にかかる無線LAN装置は、一局面から第3の発明にかかる無線LAN装置において、要請部は、受信部に通信パラメータを送信してきた装置の通信が所定時間消失しているか否かを判定し、消失したと判定した場合に、第1の通信パラメータを使用した通信を可能としてもよい。
【0025】
この場合、所定時間消失している、すなわち、当該装置の電源がカットされたと判定することができる。その結果、通信の重複を防止することができる。
また、この場合、第1の記録領域に第1の通信パラメータを有効にすることができ、さらに、第1の記録領域に第1の通信パラメータを記録し、その後、判定を行って、第1の記録領域に記録された第1の通信パラメータを有効にし、通信を可能としてもよい。
【0026】
(6)
第6の発明にかかる無線LAN装置は、一局面から第5の発明にかかる無線LAN装置において、所定の操作の後、記録部は、第1の記録領域に記録可能な領域があるか否かを判定してもよい。
【0027】
この場合、第1の記録領域に既に通信パラメータが記録されている場合には、報知することにより、ユーザの意図しない通信エラーを防止することができる。したがって、確実に通信パラメータを無効の領域(空き領域)に記録することができる。ここで、無効の領域とは、無線LAN装置の第1の記録領域、第2の記録領域に設定されている通信パラメータが削除された状態、または、無線LAN装置100の第1記録部、第2記録部に設定されている通信パラメータに対して無線LAN装置100は有効または無効を切り換えるフラグを持ち、有効フラグ時はその通信パラメータを通信に使用し、無効フラグ時は通信に使用しない、といった場合の「無効フラグ時」を含むものである。
【0028】
(7)
第7の発明にかかる無線LAN装置は、電源投入またはリセット時に、要請部および受信部は、自身が通信に使用する通信パラメータによる通信の有無を判定してもよい。
【0029】
この場合、自身が通信に使用する通信パラメータが既に使用されているか否かを判定するので、初期通信エラーを防止することができる。
また、自身が通信に使用する通信パラメータとは、無線LAN装置100がデフォルト値として予め設定されている通信パラメータ(SSIDなど)がQRコードとして装置に貼り付け、もしくは添付されている状態の通信パラメータ、無線LAN装置100に対してユーザが手動で設定した通信パラメータ、本願発明を利用することによって他の無線LAN装置からコピーを実施した(他の無線LAN装置で使用していた)通信パラメータを意味する。
また、実際に通信可能な状態(有効または無効フラグが設定可能であり、有効に設定されている場合)と、各記録部に記録されているが通信可能な状態では無い(有効または無効フラグが無効に設定されている)ものを含む。
【0030】
(8)
他の局面に従う無線LAN装置のプログラムは、無線通信が可能な無線LAN装置のプログラムであって、所定の操作により通信パラメータを要請する要請処理と、要請処理による要請に応じて送信される通信パラメータを受信する受信処理と、通信パラメータを記録する記録処理と、通信パラメータを設定する設定処理と、を含み、記録処理は、受信処理により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含むものである。
【0031】
本発明においては、要請処理により所定の操作で通信パラメータが要請される。受信処理により要請処理の要請に応じて送信された通信パラメータが受信される。記録処理により通信パラメータが記録される。設定処理により通信パラメータが設定される。
記録処理は、受信処理により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含む。
【0032】
この場合、無線LAN装置の要請部により他の無線LAN装置へ要請され、送信された通信パラメータが受信部により受信され、第1の記録領域に記録される。その結果、本発明にかかる無線LAN装置は、第1の記録領域を用いて、古い無線LAN装置から通信パラメータを確実にコピーし、既設のネットワークを正常に維持しつつ、第2の記録領域を用いて、新たなネットワークを容易に構築することができる。
すなわち、新たな無線LAN装置の記憶領域においては、古い無線LAN装置の通信パラメータの設定情報をを完全にコピーするのみではなく、第2記録領域を設けて、新たな無線LAN用の通信パラメータを記録することで、新たな通信ネットワークを増築することができる。その結果、マルチSSIDの場合の無線LAN装置の置きかえ、および、通信ネットワークの増築にも対応することができる。
したがって、単に既設の通信パラメータをコピーをする無線LANにおいては、第2の記録領域を持たないため、新たな通信パラメータを設定することができなかった。本発明における無線LAN装置においては、当該問題を解消することができる。
【0033】
(9)
さらに他の局面に従う無線LAN装置の制御方法は、無線通信が可能な無線LAN装置用の制御方法であって、所定の操作により通信パラメータを要請する要請工程と、要請工程による要請に応じて送信される通信パラメータを受信する受信工程と、通信パラメータを記録する記録工程と、通信パラメータを設定する設定工程と、を含み、記録工程は、受信工程により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含むものである。
【0034】
本発明においては、要請工程により所定の操作で通信パラメータが要請される。受信工程により要請工程の要請に応じて送信された通信パラメータが受信される。記録工程により通信パラメータが記録される。設定工程により通信パラメータが設定される。
記録工程は、受信工程により受信した通信パラメータのうち第1の通信パラメータを記録する第1の記録領域と、通信パラメータのうち第2の通信パラメータを記録する第2の記録領域と、を含む。
【0035】
この場合、無線LAN装置の要請部により他の無線LAN装置へ要請され、送信された通信パラメータが受信部により受信され、第1の記録領域に記録される。その結果、本発明にかかる無線LAN装置は、第1の記録領域を用いて、古い無線LAN装置から通信パラメータを確実にコピーし、既設のネットワークを正常に維持しつつ、第2の記録領域を用いて、新たなネットワークを容易に構築することができる。
すなわち、新たな無線LAN装置の記憶領域においては、古い無線LAN装置の通信パラメータの設定情報を完全にコピーするのみではなく、第2記録領域を設けて、新たな無線LAN用の通信パラメータを記録することで、新たな通信ネットワークを増築することができる。その結果、マルチSSIDの場合の無線LAN装置の置きかえ、および、通信ネットワークの増築にも対応することができる。
したがって、単に既設の通信パラメータをコピーをする無線LANにおいては、第2の記録領域を持たないため、新たな通信パラメータを設定することができなかった。本発明における無線LAN装置においては、当該問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本実施の形態にかかる無線LAN装置の外観の一例を示す模式的斜視図である。
図2】本実施の形態にかかる無線LAN装置の一例の内部構成を示す模式図である。
図3】既設の無線LAN装置による通信ネットワーク環境を説明するための模式図である。
図4】本発明にかかる無線LAN装置を既設の通信ネットワークに追加した場合を示す模式図である。
図5】無線LAN装置における新規の通信ネットワークを追加した場合を示す模式図である。
図6】本発明にかかる無線LAN装置を既設の通信ネットワークに追加した場合のタイムチャート図である。
図7】本発明にかかる無線LAN装置の新たな通信ネットワークを構築する場合のタイムチャート図である。
図8図6に示した初期処理の一例を示すフローチャートである。
図9図6の領域決定処理の一例を示すフローチャートである。
図10図6の設定前処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0038】
(本実施の形態)
図1は、本実施の形態にかかる無線LAN装置100の外観の一例を示す模式的斜視図であり、図2は、本実施の形態にかかる無線LAN装置100の一例の内部構成を示す模式図である。
【0039】
図1および図2に示すように、無線LAN装置100は、送信部200、受信部300、設定部400、電源部450、記録部500、コピーボタン610、およびQRコード情報部620を含む。
図2に示すように、本実施の形態にかかる記録部500は、第1記録部510および第2記録部520を含む。
【0040】
また、コピーボタン610は、無線LAN装置100の筐体に設けられる。QRコード情報部620は、QRコードを印刷したシールが図1の筐体の裏面に貼り付けられる。
【0041】
次に、本実施の形態にかかる無線LAN装置100の使用時の具体例について説明する。図3は既設の無線LAN装置700による通信ネットワーク環境を説明するための模式図であり、図4は本発明にかかる無線LAN装置100を既設の通信ネットワークに追加した場合を示す模式図であり、図5は無線LAN装置100における新規の通信ネットワークを追加した場合を示す模式図である。
【0042】
また、図6は本発明にかかる無線LAN装置100を既設の通信ネットワークに追加した場合のタイムチャート図であり、図7は本発明にかかる無線LAN装置100の新たな通信ネットワークを構築する場合のタイムチャート図である。
また、図8図9図10は、図6における処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
まず、図3に示す通信ネットワークは、既設の無線LAN装置700と、クライアント710,720とにより構築されている。
ここで、既設の無線LAN装置700は、例えば、IEEE802.11規格に準拠する無線通信をクライアント710,720との間で行う。したがって、既設の無線LAN装置700には、WPS(Wi-Fi Protected Setup)に含まれる、ネットワーク識別子としてのSSID(Service Set Identifier)、WPA(Wi-Fi Protected Access:暗号方式)、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線通信をおこなうために必要な通信パラメータが設定されている。
【0044】
例えば、図3に示すように、既設の無線LAN装置700には、既設の通信ネットワークのSSIDがOLDSSIDであり、暗号化がB1であることが設定されている。
【0045】
続いて、図4に示すように、本発明にかかる無線LAN装置100を既設の通信ネットワーク内に配置させる場合、無線LAN装置100の電源を入力する。それにより、図6に示した初期処理が実施される。
以下、初期処理の流れについて説明を行う。
【0046】
図8は、図6に示した初期処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、無線LAN装置100は、電源投入またはリセット認識を行なう(ステップS1)。
続いて、無線LAN装置100は、自身が使用可能な通信パラメータが存在するか否かを判定する(ステップS2)。ここで、通信パラメータが存在しないと判定した場合(ステップS2のNo)、初期処理を終了する。
一方、自身が使用可能な通信パラメータが存在すると判定した場合(ステップS2のYes)、自身が使用する通信パラメータを使用する無線親機が存在するか否かを判定する(ステップS3)。
【0047】
ここで、自身が使用可能な通信パラメータについて説明する。本実施の形態において、図4に示すように、無線LAN装置100はマルチSSID対応である。無線LAN装置100は、例えばSSID_A、SSID_B、SSID_Cを持つ。
また、無線LAN装置100は、本体の裏面に貼り付けられているQRコード情報部620に記載されたQRコードを印刷したシールに対応付けられている通信パラメータのデフォルト値を持つ。したがって、SSID_Aは、当該通信パラメータのDefaultSSID、SSID_Bはユーザが手動設定する通信パラメータであるUserSSID、SSID_Cは無効(空き)を有する。
【0048】
なお、本実施の形態では、SSID_Cは無効(空き)としたが、例えば無線LAN装置100は、すでに無線LAN装置700などの無線親機から通信パラメータをコピー済みであり、その通信パラメータをSSID_Cとして設定し、通信可能な状態の場合もある。
【0049】
本実施の形態においては、無線LAN装置100の電源投入時の動作として、使用可能な通信パラメータが存在するため、ステップS2の処理の次にステップS3の処理に進み、自身が使用する通信パラメータを使用した無線親機が他に存在するかどうかを確認する。
【0050】
例えば、当該確認は他の無線親機から送信されるBeacon(ビーコン)を用いて、SSID情報を含む信号を受信することにより確認することができる。
【0051】
ステップS3の処理の具体例として、無線LAN装置100は、SSID_AとSSID_Bとして設定可能な通信パラメータを使用した他の親機による通信の存在を確認する。
【0052】
次いで、当該確認により、自身が使用する通信パラメータを使用している他の無線親機が存在しないと判断した場合(ステップS3のNo)、無線LAN装置100はSSID_A,SSID_Bを自身に設定し、通信可能状態とする。
【0053】
一方、当該確認により、自身が使用する通信パラメータを使用している他の無線親機が存在すると判断した場合(ステップS3のYes)、無線LAN装置100は、例えばSSID_Bを使用した他の無線親機が存在する場合、存在する旨をLEDや音などにより報知する(ステップS4)。そして、存在しなくなるまでステップS3の処理およびステップS4の処理を繰り返す。
【0054】
なお、その際、該当する通信パラメータ(上記の場合SSID_B)を「無効」に設定してもよい。この場合、「自身が使用する通信パラメータを使用している他の無線親機が存在する」旨の報知を行いつつ、通信可能な通信パラメータ(例えばデフォルト値など)を使用した通信を可能としてもよい。
【0055】
最後に、存在しないと判定した通信パラメータ、SSID_A,SSID_Bの通信を可能とする(ステップS5)。以上により、無線LAN装置100の初期処理を終了する。
【0056】
これにより、例えばユーザが間違って他の無線親機に対して同じ通信パラメータを設定していた場合または、他の無線親機から通信パラメータをコピー済みであるにもかかわらず、自身と他の無線親機(通信パラメータのコピー元)の電源を投入してしまった場合に、通信パラメータが重複することを防止することができる。
【0057】
続いて、図6に示すように、無線LAN装置100のコピーボタン610を押下操作する。
また、既設の無線LAN装置700に予め設けられたWPSボタンを押下操作する。
この場合、図6に示すように、無線LAN装置100は、領域決定処理を行い、その後、WPSによる要求を待ち受ける。
【0058】
続いて、図6の領域決定処理について説明を行う。図9は、図6の領域決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
図9に示すように、無線LAN装置100は、コピーボタン610の押下操作の後に、記憶領域に無効の領域があるか否かを判定する(ステップS11)。
【0060】
無効の領域が存在する場合(ステップS11のYes)、例えば、SSID_AがDefaultSSIDであり、暗号化A1であり、SSID_BがUserSSIDであり、暗号化B1であり、SSID_Cが無効の場合、無効の領域が決定するので、領域決定処理を終了させる。
なお、DefaultSSID、暗号化A1とは、無線LAN装置100自身の通信パラメータであり、無線LAN装置100に貼り付けられたQRコード情報部620のQRコードが印刷されたシールの情報でもある。
【0061】
また、無効の領域が存在しない場合(ステップS11のNo)、例えば、SSID_AがDefaultSSIDであり、暗号化A1であり、SSID_BがUserSSIDであり、暗号化B1であり、SSID_CがoldSSIDであり、暗号化C1の場合、無効の領域が存在しないため、LEDや音などにより報知する(ステップS12)。その結果、ユーザは、無効の領域が存在しないことを認識することができる。
【0062】
続いて、所定時間内に所定の操作が実施されたか否かを判定する(ステップS13)。実施されないと判定された場合(ステップS13のNo)、コピーをすることなく終了する(ステップS14)。そのため、既に設定済みの大切な通信パラメータを誤って上書きすることを防止できる。
【0063】
一方、所定の操作が実施されたと判定された場合(ステップS13のYes)、コピー領域を無効に設定する(ステップS15)。すなわち、予め決められたSSIDのうち一部または全部を無効とする。たとえば、SSID_B、SSID_Cのいずれか一方または両方を無効とする。
【0064】
また、上記の所定の操作とは、例えば、「5秒以内にWPSボタンとコピーボタンの同時押し」、「WPSボタンまたはコピーボタンの2秒以上の長押し」など、任意で予め決定された操作である。
なお、SSID_B,SSID_Cのいずれか一方を無効とする場合、所定の操作、例えば、コピーボタンの押下回数により無効に変更させる優先順位を決定させることとしてもよい。
さらに、SSID_B,SSID_Cのうち所定期間以上アクセスが無い場合、当該通信パラメータを自動的に無効に変更させてもよい。
【0065】
なお、所定期間以上アクセスが無いかどうかの判定は、無線LAN装置100が自身の通信履歴を保持し、その保持されている情報を確認することにより判定してもよい。
【0066】
次いで、図6に示すように、無線LAN装置100の送信部200から既設の無線LAN装置700に対して無線LAN設定情報を要請する信号が送信される。
なお、本実施の形態においては、記載していないが、予めリクエスト信号またはビーコン等を無線LAN装置100から既設の無線LAN装置700へ発信し、当該発信の回答を無線LAN装置100が受信するようにしてもよい。
【0067】
また、既設の無線LAN装置700にWPSに関するボタンを設けず、自動的に無線LAN装置100の要請する信号に応答させてもよい。
【0068】
続いて、図6に示すように、既設の無線LAN装置700は、要請する信号を受信し、既設の通信ネットワークに関するWPSを含む無線LAN設定情報を無線LAN装置100へ送信する。
具体的には、既設の通信ネットワークのSSIDがOldSSIDであり、暗号化がC1であることを送信する。
【0069】
無線LAN装置100は、既設の無線LAN装置700からの無線LAN設定情報を受信した場合、既設の無線LAN装置700へ無線LAN設定情報を受信した旨の信号を送信する。
続いて、図6に示すように、無線LAN装置100は、設定前処理を実施する。
【0070】
図10は、図6の設定前処理の一例を示すフローチャート図である。
図10に示すように、無線LAN装置100は、既設の無線LAN装置700から取得した通信パラメータを使用する無線親機が存在するか否かを判定する(ステップS21)。
すなわち、ステップS21の処理は、同じ通信パラメータが重複することを防止するための処理である。
【0071】
例えば、当該確認は他の無線親機から送信されるBeacon(ビーコン)を用いて、SSID情報を含む信号を受信することにより確認することができる。
【0072】
ここで、例えば、ステップS21の処理により、既設の無線LAN装置700から取得した通信パラメータを使用している他の無線親機が存在すると判定した場合(ステップS21のYes)、すなわち、既設の無線LAN装置700自身がまだ存在する場合、存在する旨をLEDや音などにより報知する(ステップS22)。そして、当該無線親機である既設の無線LAN装置700の通信が消失されるまで、待機する。
【0073】
一方、当該無線親機が存在しないと判定された場合(ステップS21のNo)、図6に示すように、無線LAN装置100の設定部400は、無線LAN設定情報を記録部500の第1記録部510に記録するとともに、受信した無線LAN設定情報に基づいて設定を行う。
【0074】
具体的に、図4に示すように、無線LAN装置100は、WPSに含まれるSSID_CにOldSSIDおよび暗号化にC1を設定する。
【0075】
その結果、図4に示すように、無線LAN装置100は、クライアント710,720と無線通信を行うことができる。
【0076】
次いで、図5に示すように、無線LAN装置100は、クライアント730,740,750,760と新たな通信ネットワークを構築する。
この場合、クライアント730,740,750,760の通信設定は、図7に示すように、無線LAN装置100のQRコード情報部620に記載されたQRコードを印刷したシールを用いて行うことができる。
例えば、QRコードをバーコードスキャナまたはカメラで読み取ることにより無線LAN設定情報を設定することができる。
【0077】
ここで、無線LAN装置100がSSID_A、SSID_BおよびSSID_Cという複数のSSID(以下、マルチSSID)を有さず、新たな通信ネットワークを構築する場合、無線LAN装置100に貼り付けられたQRコードは、無線LAN装置100固有のものであり、既設の無線LAN装置700固有のQRコード情報を確認する必要がある。
【0078】
したがって、例えば、既設の無線LAN装置700が旧式になったために、無線LAN装置100に置きかえを行った場合、既設の無線LAN装置700を廃棄する場合も多々ある。この場合、クライアント710,720に関しては、再度手作業による設定をやり直す必要があり、手間となる。
【0079】
しかしながら、本発明にかかる無線LAN装置100においては、記録部500の第1記録部510に既設の通信ネットワークのWPS情報が記録されているため、問題が生じず、QRコードに第2記録部520の通信ネットワークのWPS情報が記録されているため、容易に新たな通信ネットワークを構築することができる。
【0080】
続いて、図5に示すように、新たな通信ネットワークにおいて、クライアント730,〜,760にSSID_AがDefaultSSIDであり、暗号化の初期値が、A1であることを設定できる。
なお、本実施の形態においては、QRコード情報部620に記録されたWPS情報であるSSID等から通信を設定することとしているが、これに限定されず、クライアント730,〜,760がパーソナルコンピュータの場合には、マウスまたはキーボードを用いて設定を行ってもよい。
【0081】
さらに、クライアント730,〜,760が携帯通信端末またはゲーム機器の場合には、QRコードを撮像することにより容易に通信設定を行なうことができる。
【0082】
なお、図6の無線LAN装置100とクライアント710,720が通信を行なう前に、既設の無線LAN装置700のWPS情報を消去する信号を無線LAN装置100から送信してもよい。
【0083】
以上のように、無線LAN装置100の送信部200の要請により既設の無線LAN装置700へ要請され、送信された通信パラメータが受信部300により受信され、第1記録部510に記録される。その結果、本発明にかかる無線LAN装置100は、既設の無線LAN装置700から通信パラメータを確実にコピーし、既設のネットワークを正常に維持しつつ、新たなネットワークを容易に構築することができる。
すなわち、新たな無線LAN装置100においては、既設の無線LAN装置700の通信データをそのままコピーするのではないため、新たな無線LAN装置100において、新たなネットワークを増築することができる。その結果、マルチSSIDにも対応することができる。
【0084】
また、コピーボタンにより容易に既設の通信ネットワークの通信パラメータを第1記録部510に保存することができる。
【0085】
さらに、第2記録部520における通信パラメータが、QRコードに表示されているので、容易に新規の通信ネットワークを形成することができる。
【0086】
本発明においては、無線LAN装置100が「無線LAN装置」に相当し、送信部200が「要請部」に相当し、受信部300が「受信部」に相当し、記録部500が「記録部」に相当し、設定部400が「設定部」に相当し、第1記録部510が「第1の記録領域」に相当し、第2記録部520が「第2の記録領域」に相当し、OldSSIDが「第1の通信パラメータ」に相当し、DefaultSSIDが「第2の通信パラメータ」に相当し、コピーボタン610が「コピーボタン」に相当し、既設の無線LAN装置700が「受信部に通信パラメータを送信してきた装置」に相当し、QRコード情報部620が「QRコード」に相当する。
【0087】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0088】
100 無線LAN装置
200 送信部
300 受信部
400 設定部
500 記録部
510 第1記録部
520 第2記録部
610 コピーボタン
620 QRコード情報部
700 既設の無線LAN装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10