(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-25507(P2015-25507A)
(43)【公開日】2015年2月5日
(54)【発明の名称】四方切換弁及び四方切換弁における固定ねじの溶接方法
(51)【国際特許分類】
F16K 11/065 20060101AFI20150109BHJP
F16B 39/02 20060101ALI20150109BHJP
B23K 11/00 20060101ALI20150109BHJP
【FI】
F16K11/065 Z
F16B39/02 E
B23K11/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-155374(P2013-155374)
(22)【出願日】2013年7月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】村田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】木村 宏光
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA15
3H067CC22
3H067CC32
3H067CC33
3H067DD05
3H067DD12
3H067DD33
3H067EA16
3H067EA28
3H067FF11
3H067GG01
3H067GG23
3H067GG24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】四方切換弁において、ピストンを連結金具に固定する固定ねじのゆるみを確実に防止するとともに、部品点数と製造上の手間を低減する。
【解決手段】弁ハウジング内にピストン弁を収容する。ピストン弁を第1及び第2のピストン1,2、連結金具3、弁体で構成する。ピストン1をパッキン11、ガイド板12、菊ばね13及び補強板14で構成する。ピストン2をパッキン21、ガイド板22、菊ばね23及び補強板24で構成する。ピストン1を固定ねじN1,N2により連結金具3の立板31に固定する。ピストン2を固定ねじN3,N4により連結金具3の立板32に固定する。固定ねじN1とガイド板12との当接箇所、固定ねじN2とガイド板12との当接箇所に抵抗溶接による溶融層P1,P2を形成する。固定ねじN3とガイド板22との当接箇所、固定ねじN4とガイド板22との当接箇所に抵抗溶接による溶融層P3,P4を形成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の弁ハウジングと、連結金具の両端にピストンが取り付けられるとともに前記連結金具の中央に椀状の弁体を保持して前記弁ハウジング内に収容されたピストン弁と、前記弁体に対向して前記弁ハウジング内に配置された弁座とを備え、前記2つのピストンにより、前記弁ハウジング内を中央部の主弁室と該主弁室の両側の2つの副弁室とを画定し、前記2つの副弁室のうち減圧された副弁室内と前記主弁室内との差圧により前記ピストン弁を移動して、前記弁座及び弁ハウジングに接続される配管を流れる流体の流路を切り換えるようにした四方切換弁において、
前記各ピストンは、前記弁ハウジングの内周に摺接するパッキンと、該パッキンを前記連結金具の端部の立板側に押圧する導電性のガイド板とを有し、該ピストンは、前記ガイド板及び前記パッキンを貫通して前記立板にねじ止めされる導電性の固定ねじにより前記連結金具に固定され、前記固定ねじと前記ガイド板との当接箇所、または、前記固定ねじと前記立板との螺合部が、抵抗溶接されていることを特徴とする四方切換弁。
【請求項2】
前記ピストンの同一ピストン側に2つの前記固定ねじを有し、前記固定ねじと前記ガイド板との当接箇所が前記抵抗溶接されている請求項1に記載の四方切換弁における固定ねじの溶接方法であって、前記同一ピストンにおける2つの固定ねじ間に溶接電流を通電して当該2つの固定ねじを抵抗溶接するようにしたことを特徴とする四方切換弁における固定ねじの溶接方法。
【請求項3】
前記抵抗溶接の前に、前記固定ねじと前記ガイド板との当接箇所の、前記固定ねじまたは前記ガイド板の何れか一方に凸部を形成することを特徴とする請求項2に記載の四方切換弁における固定ねじの溶接方法。
【請求項4】
前記固定ねじと前記立板との螺合部が前記抵抗溶接されている請求項1に記載の四方切換弁における固定ねじの溶接方法であって、前記2つのピストンにおける一方のピストン側の固定ねじと他方のピストン側の固定ねじとの間に溶接電流を通電して当該2つの固定ねじを抵抗溶接するようにしたことを特徴とする四方切換弁における固定ねじの溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椀状の弁体を保持する連結金具の両端にピストンを有するピストン弁と、ピストン弁を収容する弁ハウジングとを有し、流体の圧力でピストン弁を移動して流路を切り換えるようにした四方切換弁に関し、詳細にはそのピストン弁の構造及びその固定ねじの溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の四方切換弁におけるピストン弁として、例えば特開2009−144880号公報(特許文献1)に開示されたピストン装置がある。この特許文献1には、従来のピストン装置は、補助ばねとパッキンを挟持プレートで挟み、プレート部材を当てがってリベットでかしめ固定することでピストン単体を組み立てている。そして、このピストン単体の2つを連結板(連結金具)の端部にそれぞれボルト(固定ねじ)にて締結したものである。また、他の例として、挟持プレート、パッキン、補助ばね及びプレート部材を備え、これらの部材をボルトにて連結板に締結したものが開示されている。そして、これら従来のピストン装置では、かしめプレートあるいはプレート部材により、ボルトの回り止めを行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−144880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来のピストン弁(ピストン装置)では、ボルトの回り止めのために、かしめプレートやプレート部材を用いるようにしている。このようにボルトの回り止めは、ピストン装置の耐久性を高めるために必要であるが、かしめプレートやプレート部材を用いると、部品点数が増加するとともに組み付け作業に手間がかかり、コストアップになるという問題がある。
【0005】
本発明は、四方切換弁において、ピストンを連結金具に固定する固定ねじのゆるみを確実に防止して高耐久性を確保するとともに、部品点数と製造上の手間を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の四方切換弁は、筒状の弁ハウジングと、連結金具の両端にピストンが取り付けられるとともに前記連結金具の中央に椀状の弁体を保持して前記弁ハウジング内に収容されたピストン弁と、前記弁体に対向して前記弁ハウジング内に配置された弁座とを備え、前記2つのピストンにより、前記弁ハウジング内を中央部の主弁室と該主弁室の両側の2つの副弁室とを画定し、前記2つの副弁室のうち減圧された副弁室内と前記主弁室内との差圧により前記ピストン弁を移動して、前記弁座及び弁ハウジングに接続される配管を流れる流体の流路を切り換えるようにした四方切換弁において、前記各ピストンは、前記弁ハウジングの内周に摺接するパッキンと、該パッキンを前記連結金具の端部の立板側に押圧する導電性のガイド板とを有し、該ピストンは、前記ガイド板及び前記パッキンを貫通して前記立板にねじ止めされる導電性の固定ねじにより前記連結金具に固定され、前記固定ねじと前記ガイド板との当接箇所、または、前記固定ねじと前記立板との螺合部が、抵抗溶接されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の四方切換弁における固定ねじの溶接方法は、前記ピストンの同一ピストン側に2つの前記固定ねじを有し、前記固定ねじと前記ガイド板との当接箇所が前記抵抗溶接されている請求項1に記載の四方切換弁における固定ねじの溶接方法であって、前記同一ピストンにおける2つの固定ねじ間に溶接電流を通電して当該2つの固定ねじを抵抗溶接するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の四方切換弁における固定ねじの溶接方法は、請求項2に記載の四方切換弁における固定ねじの溶接方法であって、前記抵抗溶接の前に、前記固定ねじと前記ガイド板との当接箇所の、前記固定ねじまたは前記ガイド板の何れか一方に凸部を形成しておくことを特徴とする。
【0009】
請求項4の四方切換弁における固定ねじの溶接方法は、前記固定ねじと前記立板との螺合部が前記抵抗溶接されている請求項1に記載の四方切換弁における固定ねじの溶接方法であって、前記2つのピストンにおける一方のピストン側の固定ねじと他方のピストン側の固定ねじとの間に溶接電流を通電して当該2つの固定ねじを抵抗溶接するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の四方切換弁によれば、ピストン弁の各ピストンは、弁ハウジングの内周に摺接するパッキンと、パッキンを連結金具の端部の立板側に押圧する導電性のガイド板とを有し、ピストンは、ガイド板及びパッキンを貫通して立板にねじ止めされる導電性の固定ねじにより連結金具に固定され、固定ねじとガイド板との当接箇所、または、固定ねじと立板との螺合部が、抵抗溶接されているので、この抵抗溶接による溶融層により固定ねじのゆるみを確実に防止することができ、また、ゆるみ防止のために他の部材を要せず、組み付け作業も容易になる。
【0011】
請求項2の四方切換弁における固定ねじの溶接方法によれば、請求項1の四方切換弁が得られるとともに、同一ピストンにおける2つの固定ねじ間に溶接電流を通電して当該2つの固定ねじを抵抗溶接するので、同じ側の固定ねじに電極を接続すればよいので、溶接作業が容易になる。
【0012】
請求項3の四方切換弁における固定ねじの溶接方法によれば、請求項2の効果が得られるとともに、凸部の箇所での電気抵抗が高くなり固定ねじとガイド板とをより確実に溶接することができる。
【0013】
請求項4の四方切換弁における固定ねじの溶接方法によれば、請求項1の四方切換弁が得られるとともに、連結金具を挟む2つのピストン側の固定ねじに対して2極の電極を挟みこむように接続するので、電極と固定ねじとを容易に確実に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態における四方切換弁の一部破砕側面図である。
【
図2】第1実施形態の四方切換弁におけるピストン弁の一部破砕要部拡大図である。
【
図3】第1実施形態のピストン弁における固定ねじの溶接方法を示す図である。
【
図4】第1実施形態における凸部の例を示す図である。
【
図5】第2実施形態の四方切換弁におけるピストン弁の一部破砕要部拡大図である。
【
図6】第2実施形態のピストン弁における固定ねじの溶接方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について説明する。
図1は実施形態における四方切換弁の一部破砕側面図である。この実施形態の四方切換弁は、円筒状の主弁室A、第1及び第2の副弁室B1,B2を構成する弁ハウジング10と、弁ハウジング10内に収容されたピストン弁20と、弁ハウジング10内に配置された弁座30とを備えている。ピストン弁20は、第1のピストン1と、第2のピストン2と、ステンレス製の連結金具3と、椀状の弁体4とで構成されている。第1及び第2のピストン1,2は連結金具3の両端にそれぞれ取り付けられ、弁体4は連結金具3の中央の嵌合孔3a内に嵌め込まれて連結金具3に保持されている。
【0016】
第1及び第2のピストン1,2は、弁ハウジング10内を中央部の主弁室Aとその両側の2つの副弁室B1,B2とを画定している。この四方切換弁には図示しない例えばパイロット弁が接続されており、このパイロット弁により高圧流体が副弁室B1または副弁室B2に供給される。このとき、他方の副弁室B2または副弁室B1は低圧側に導通される。これにより、一方の副弁室B1または副弁室B2が高圧になるとともに、他方の副弁室B2または副弁室B1が減圧される。そして、ピストン1及びピストン2に加わる圧力の差圧によりピストン弁20が移動して弁体4の位置が切り換えられ、弁座30及び弁ハウジング10に接続される配管40a〜40dを流れる流体の流路が切り換わる。
【0017】
図2は第1実施形態の四方切換弁におけるピストン弁20の一部破砕要部拡大図である。第1のピストン1は、弁ハウジング10の内周に摺接するパッキン11、ガイド板12、菊ばね(板ばね)13及び補強板14で構成されている。パッキン11は弾性素材であり、ガイド板12、菊ばね13及び補強板14はそれぞれステンレス製である。パッキン11と菊ばね13はガイド板12と補強板14に挟まれ、図示しないリベットによりこれらパッキン11、菊ばね13、ガイド板12、補強板14が一体に組み付けられている。連結金具3の立板31にはねじ孔311,312が形成されており、固定ねじN1と固定ねじN2が、ガイド板12、パッキン11、菊ばね13及び補強板14を貫通して立板31のねじ孔311,312にそれぞれねじ止めされている。これにより、ピストン1が連結金具3の端部に固定されている。
【0018】
同様に、第2のピストン2は、弁ハウジング10の内周に摺接するパッキン21、ガイド板22、菊ばね23及び補強板24で構成されている。パッキン21は弾性素材であり、ガイド板22、菊ばね23及び補強板24はそれぞれステンレス製である。パッキン21と菊ばね23はガイド板22と補強板24に挟まれ、図示しないリベットによりこれらパッキン21、菊ばね23、ガイド板22、補強板24が一体に組み付けられている。連結金具3の立板32側に押圧されている。立板32にはねじ孔321,322が形成されており、固定ねじN3と固定ねじN4が、ガイド板22、パッキン21、菊ばね23及び補強板24を貫通して立板32のねじ孔321,322にそれぞれねじ止めされている。これにより、ピストン2が連結金具3の端部に固定されている。
【0019】
固定ねじN1とガイド板12との当接箇所、固定ねじN2とガイド板12との当接箇所には、それぞれ抵抗溶接による溶融層P1,P2が形成されている。また、固定ねじN3とガイド板22との当接箇所、固定ねじN4とガイド板22との当接箇所には、それぞれ抵抗溶接による溶融層P3,P4が形成されている。この溶融層P1,P2,P3,P4により、固定ねじN1,N2,N3,N4のゆるみ(回転)が防止される。
【0020】
図3は第1実施形態のピストン弁20における固定ねじN1,N2の溶接方法を示す図である。この第1実施形態では、固定ねじN1と固定ねじN2とを立板31にねじ止めして第1のピストン1を固定した後、
図3(A) に示すように、固定ねじN1と固定ねじN2とに電極を接触させ、溶接電源により固定ねじN1と固定ねじN2との間に溶接電流を通電する。これにより、
図3(B) に矢印で示すように固定ねじN1→ガイド板12→固定ねじN2と溶接電流を流し、前記溶融層P1,P2を形成する。なお、固定ねじN3,N4についても同様に、固定ねじN3と固定ねじN4の間に溶接電流を通電し、固定ねじN3→ガイド板22→固定ねじN4と溶接電流を流し、前記溶融層P3,P4を形成する。
【0021】
固定ねじN1,N2とガイド板12との接触部の抵抗、固定ねじN3,N4とガイド板22との接触部の抵抗をそれぞれ高めるために、固定ねじN1,N2,N3,N4またはガイド板12,22の接触面に凸部を設けるようにしてもよい。例えば、
図4(A) のような点状の凸部a、
図4(B) のような線状の凸部b、あるいは
図4(C) のような曲線状の凸部cを設けるようにしてもよい。また、固定ねじN1,N2とガイド板12との間、固定ねじN3,N4とガイド板22との間に、ワッシャを設けて接触部の抵抗を高めるようにしてもよい。
【0022】
なお、ピストン弁20において、固定ねじN1,N2あるいは固定ねじN3,N4をねじ止めして溶接する際には、
図1に示すキャップ部10a,10bを外した弁ハウジング10内に、弁体4を保持した連結金具3を配置した状態で作業をする必要がある。これは、ピストン弁20を先に組み付けてしまうと、弁座30があるためピストン弁20を弁ハウジング10内に配置することができないためである。少なくとも両方のピストン1,2を連結金具3に取り付けておくことはできない。したがって、少なくとも一方のピストンについては内側からの加工等を行うことができない。しかしながら、本発明による抵抗溶接によれば、いずれの固定ねじN1,N2,N3,N4も弁ハウジング10の端部から露出させることができるので、容易に作業を行うことができる。
【0023】
図5は第2実施形態の四方切換弁におけるピストン弁20の一部破砕要部拡大図である。この第2実施形態と第1実施形態との違いは、固定ねじN1,N2,N3,N4に対する溶接箇所の違いだけである。その他の構成は同様でああり、重複する説明は省略する。
【0024】
この第2実施形態では、固定ねじN1と固定ねじN2を立板31のねじ孔311,312にそれぞれねじ止めした螺合部には、それぞれ抵抗溶接による溶融層P5,P6が形成されている。また、固定ねじN3と固定ねじN4を立板32のねじ孔321,322にそれぞれねじ止めした螺合部には、それぞれ抵抗溶接による溶融層P7,P8が形成されている。そして、この溶融層P5,P6,P7,P8により、固定ねじN1,N2,N3,N4のゆるみ(回転)が防止される。
【0025】
図6は第2実施形態のピストン弁20における固定ねじN1,N3の溶接方法を示す図である。この第2実施形態では、
図6(A) に示すように、固定ねじN1と固定ねじN3とに電極を接触させ、溶接電源により固定ねじN1と固定ねじN3との間に溶接電流を通電する。これにより、
図6(B) に矢印で示すように固定ねじN1→立板31→連結金具3→立板32→固定ねじN3と溶接電流を流し、前記溶融層P5,P7を形成する。なお、固定ねじN2,N4についても同様に、固定ねじN2と固定ねじN4の間に溶接電流を通電し、固定ねじN2→立板31→連結金具3→立板32→固定ねじN4と溶接電流を流し、前記溶融層P6,P8を形成する。このように、第2実施形態におけるピストン弁20はステンレス製の連結金具3を介して抵抗溶接している。
【0026】
なお、固定ねじN1と固定ねじN4に通電して、溶融層P5,P8を形成し、固定ねじN2と固定ねじN3に通電して、溶融層P6,P7を形成するようにしてもよい。さらに、ピストン1側の二つの螺合部間、あるいはピストン2側の二つの螺合部間での抵抗のバラツキがすくない場合は、固定ねじN1と固定ねじN2に同一電極を接続し、固定ねじN3と固定ねじN4に同一電極を接続し、溶融層P5,P6,P7,P8を一度に形成するようにしてもよい。
【0027】
以上の実施形態では、パッキン、菊ばね、ガイド板及び補強板をリベットにより一体に組み付け、それを固定ねじで連結金具に固定するようにしているが、組み付けるためのリベットを用いずに、固定ねじにより連結金具に固定するようにしてもよい。
【0028】
以上の実施形態では固定ねじでピストンを連結金具に固定及び溶接するようにしているが、参考例として、固定ねじの代わりにリベット等の溶接片をもちい、この溶接片を介して電流を流して溶接片と連結金具とを抵抗溶接し、その溶融層によりピストンを連結金具に固定するようにしてもよい。なお、従来は、リベットで固定する場合にリベットのピストンの裏側を潰す必要があるが、四方切換弁の構造上、裏側を潰すのは極めて困難であるが、このように溶接片と連結金具とを溶接で固定するのでその必要がない。
【符号の説明】
【0029】
A 主弁室
B1 第1の副弁室
B2 第2の副弁室
10 弁ハウジング
20 ピストン弁
30 弁座
1 第1のピストン
11 パッキン
12 ガイド板
13 菊ばね
14 補強板
2 第2のピストン2
21 パッキン
22 ガイド板
23 菊ばね
24 補強板
3 連結金具
3a 嵌合孔
31 立板
311 ねじ孔
312 ねじ孔
32 立板
321 ねじ孔
322 ねじ孔
4 弁体
N1 固定ねじ
N2 固定ねじ
N3 固定ねじ
N4 固定ねじ
P1 溶融層
P2 溶融層
P3 溶融層
P4 溶融層
P5 溶融層
P6 溶融層
P7 溶融層
P8 溶融層