(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-27436(P2015-27436A)
(43)【公開日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】将棋用具
(51)【国際特許分類】
A63F 3/02 20060101AFI20150116BHJP
【FI】
A63F3/02 502A
A63F3/02 502Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-107645(P2014-107645)
(22)【出願日】2014年5月25日
(31)【優先権主張番号】特願2013-165564(P2013-165564)
(32)【優先日】2013年7月2日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303063023
【氏名又は名称】加賀 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100103399
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 清
(72)【発明者】
【氏名】加賀 亘
(57)【要約】
【課題】 若年者にとっても興趣が湧くような将棋を実施することができ、遊戯時、保管時、携帯時における便宜性をも向上させた将棋用具を提供する。
【解決手段】 正八角形状のマス12を縦方向に8又は10マス、横方向に9マス形成して成り、縦方向の各端から3段目までを各陣の陣地14f,14eとし、縦方向の各端から3段目を王又は玉が最初に配置される王道15f,15eとした将棋盤1と、前記マス12に対応する正八角形状の将棋駒2と、から将棋用具を構成する。将棋盤1は、その側面部18に将棋駒2の駒収納箱19を設置してある。又、将棋駒2は、その表面に通常時の動き、その裏面に成駒時の動きを、点又は線で表示してある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正八角形状のマスを縦方向に8又は10マス、横方向に9マス形成して成り、縦方向の各端から3段目までを各陣の陣地とし、縦方向の各端から3段目を王が最初に配置される王道とした将棋盤と、前記マスに対応する正八角形状の将棋駒と、から構成したことを特徴とする将棋用具。
【請求項2】
前記将棋盤は、その一方の表面に縦方向に8マス、その他方の表面に縦方向に10マス形成したことを特徴とする請求項1に記載の将棋用具。
【請求項3】
前記将棋盤は、その側面部に前記将棋駒の駒収納箱を設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の将棋用具。
【請求項4】
前記将棋駒は、その表面に通常時の動きを表示し、その裏面に成駒時の動きを表示したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の将棋用具。
【請求項5】
前記将棋駒は、その動きを点又は線で表示したことを特徴とする請求項4に記載の将棋用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤上遊戯の一種である従来の日本将棋を発展させ、より興趣深いものとした変則将棋を指すのに好適な将棋用具に関する。
【背景技術】
【0002】
日本将棋は、
図7に示すように、縦横9×9のマスを形成した、長方形状を呈する将棋盤51と、先端尖鋭状の五角形状を呈する、玉将以下8種類、全部で40個の将棋駒52と、を使用するものであり、将棋盤51を挟んで二名の対局者が相対し、盤上に配置した駒52を交互に動かし、相手の玉将を先に詰めた者が勝者となる盤上遊戯である。
【0003】
上記日本将棋は、プロ、アマともに種々の公式棋戦が存在する他、過去における対局の棋譜も豊富に蓄積されており、これらを研究することによって、既に幾他の定跡が存在している。このため、少々、定型化した遊戯との印象を受けるために、最近の若年者の間においては、将棋に対する興味が薄れている感がある。
【0004】
一方、遊戯方法及び手順を大容量メモリに蓄積し、コンピュータと棋士とを対局させる企画等も実施され、平成25年4月20日に開催された、将棋ソフト「GPS将棋」を格納したコンピュータとプロ棋士との対局戦では、コンピュータ側が3勝1敗1分という好成績を収めるという結果もあって、将棋に対する興味が急速に薄れている感もある。
【0005】
上記のように、将棋に対する興味が薄れている要因として、将棋用具である将棋盤と将棋駒とが定型的過ぎて、興趣が湧かなくなってしまったこと、遊戯方法が定型的過ぎて、研究の蓄積が十分であるために、上級者又はコンピュータには容易に勝利できず、興趣が湧かなくなってしまったこと等が考えられる。
【0006】
そのため、日本将棋の基本概念は残存させしつつも、将棋用具及び遊戯方法の側面から種々改良を加え、最近の若年者にとっても興趣が湧くような将棋を実施することができると共に、遊戯時、保管時、携帯時における便宜性を向上させた、将棋用具が種々提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
【0007】
特許文献1に記載のものは、将棋盤の盤面上のマスの数、将棋駒の種類及び個数を減少させ、遊戯方法を単純化すると共に、各駒に移動方法を表示して、直ちに遊戯方法を習得できるようにして、初心者にも理解し易くしたものである。
【0008】
特許文献2に記載のものは、逆に、将棋盤の盤面上のマスの数、将棋駒の種類及び個数を増大させ、遊戯方法を複雑化すると共に、将棋盤の盤面の形状、各駒の形態を特殊なものとして、遊戯者に興趣を湧かせるようにしたものである。
【0009】
特許文献3に記載のものは、将棋盤の側面に収納自在な駒置台を配設し、遊戯時には、その駒置台に取得した駒を載置できるようにして、遊戯時における便宜性を向上させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−061647号公報
【特許文献2】特開2005−131353号公報
【特許文献3】特開2002−186703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1に記載のものは、将棋盤の盤面上のマスの数、将棋駒の種類及び個数を減少させ、遊戯方法を単純化したものであり、初心者でも直ちに遊戯方法を習得できるために、短期間のうちに飽きられてしまうという問題がある。
【0012】
上記特許文献2に記載のものは、将棋盤の盤面上のマスの数、将棋駒の種類及び個数を増大させ、遊戯方法を複雑化すると共に、将棋盤の盤面の形状、各駒の形態を特殊なものとしたために、直ちに遊戯方法を習得できないという問題がある。
【0013】
上記特許文献3に記載のものは、将棋盤の側面に収納自在な駒置台を配設しただけであるから、遊戯時における便宜性を向上させることはできるものの、保管時、携帯時における便宜性を向上させることはできない。
【0014】
本発明は、かかる問題点を解決するために為されたものであって、日本将棋の基本概念は残存させしつつも、将棋用具及び遊戯方法の側面から種々改良を加え、最近の若年者にとっても興趣が湧くような将棋を実施することができると共に、遊戯時、保管時、携帯時における便宜性をも向上させた将棋用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の将棋用具は、正八角形状のマスを縦方向に8又は10マス、横方向に9マス形成して成り、縦方向の各端から3段目までを各陣の陣地とし、縦方向の各端から3段目を王又は玉が最初に配置される王道とした将棋盤と、前記マスに対応する正八角形状の将棋駒と、から構成したことを特徴とする。
【0016】
前記将棋盤は、その一方の表面に縦方向に8マス、その他方の表面に縦方向に10マス形成するのが好ましい。
【0017】
前記将棋盤は、その側面部に前記将棋駒の駒収納箱を設置したものであるのが好ましい。
【0018】
前記将棋駒は、その表面に通常時の動きを表示し、その裏面に成駒時の動きを表示したものであるのが好ましい。
【0019】
そして、前記将棋駒は、その動きを点又は線で表示するのが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の将棋用具によれば、日本将棋の基本概念は残存させしつつも、将棋用具及び遊戯方法の側面から種々改良を加え、最近の若年者にとっても興趣が湧くような将棋を実施することができる。
【0021】
又、側面部に前記将棋駒の挿入箱を設置した将棋用具によれば、遊戯時、保管時、携帯時における便宜性をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】本発明の将棋盤の(A)は駒収納箱を引き出した状態の斜視図、(B)は駒収納箱を反転させた状態の斜視図である。
【
図6】本発明の将棋用具により遊戯する方法を説明する平面図である。
【
図7】従来の将棋盤の盤面に将棋駒を配置した状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の将棋用具の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
将棋用具は、
図1乃至5に示すように、将棋盤1と将棋駒2とから構成される。
【0024】
将棋盤1は、
図1に示すように、表面盤面11に、正八角形状のマス12を縦方向に8マス、横方向に9マス形成してある。
そして、各マス12の中心12cから各頂点12tを直線13で結ぶと共に、隣接するマス12,12の中心12c,12cをも直線13で結んである。
【0025】
図1において、縦方向の下端から3段目までを自陣の陣地14fとし、縦方向の上端から3段目までを敵陣の陣地14eとしてあり、各端から3段目を王将が最初に配置される王道15e,15fとしてある。
【0026】
ここで、王道15e,15fが明瞭に理解できるように、3段目と隣接する2段目、4段目との間に境界線16を付すか、3段目に赤色、青色等の色彩を付すのが好ましい。
【0027】
将棋盤1は、又、
図2に示すように、裏面盤面17に、正八角形状のマス12を縦方向に10マス、横方向に9マス形成してある。
【0028】
裏面盤面17の構成は、縦方向に10マス、横方向に9マス形成した以外は、表面盤面11の構成と同様である。
【0029】
将棋盤1は、又、
図3に示すように、縦方向中央線1aで折曲自在としてあり、その側面部18には、出入自在の駒収納箱19を設置してある。
【0030】
図3(A)に示すように、この駒収納箱19を引き出し、その内部19aに将棋駒2を収納した後、駒収納箱19を押し入れておけば、保管時又は携帯時に、将棋駒2を専用の駒箱に収納することなく、将棋盤1と一体に保管又は携帯することができる。
【0031】
一方、
図3(B)に示すように、この駒収納箱19を引き出し、その底面19bを上側に反転させておけば、遊戯時に、その底面19bに取得した将棋駒2を載置させておくことができ、別途、駒載置台を使用する必要がない。
【0032】
将棋駒2は、
図4及び5に示すように、薄肉平板状であって、前記マス12に対応し、平面視、正八角形状を呈するものである。
【0033】
将棋駒2は、
図4に示すように、従来の日本将棋と同様に、王将21、飛車22、角行23、金将24、銀将25、桂馬26、香車27及び歩兵28の8種類から成る。
【0034】
そして、各将棋駒2の表面には、
図4に示すように、通常時の動きを点又は線で表示してある。
本実施例では、各将棋駒2の表面に、将棋駒2の中心2cから同心円31,32を描いてある。
そして、その同心円31,32上で将棋駒2の頂点2t方向に白丸、黒丸等の点33を描き、又、同心円31,32を通る将棋駒2の頂点2t方向へ矢線34等の線を描けば、一目で、各将棋駒2の動きが理解できる。
【0035】
ここで、桂馬26の場合には、点又は線が頂点2t方向に向かわないが、
図4に示すように、頂点2t方向を利用してその動きを描くことができる。
尚、同心円31,32の代わりに、同心で正八角形を描いてもよい。
【0036】
本発明の将棋駒2も、
図5に示すように、従来の日本将棋と同様に、飛車22、角行23、銀将25、桂馬26、香車27及び歩兵28の裏面には、龍22a、馬23a、成銀25a、成桂26a、成香27a、と28aと表示してある。
【0037】
そして、各将棋駒2の裏面には、
図5に示すように、成駒時の動きを点又は線で表示してある。
ここで、裏面の点又は線の表示も、表面と同様な方法を採用してある。
【0038】
本発明の将棋用具は、以上のような構成であり、
図6に示すようにして、遊戯することができる。
【0039】
この遊戯方法では、従来の将棋と異なり、遊戯開始時には、将棋盤1の盤面には何等の将棋駒2も配置せず、全ての将棋駒2は、各自の持駒となっている。
【0040】
先ず、先手は、
図6(A)に示すように、自陣の陣地14fに形成された王道15fの何れかのマス12に玉将21を配置し、次に、後手も、
図6(B)に示すように、敵陣の陣地14eに形成された王道15eの何れかのマス12に玉将21を配置する。
【0041】
次に、先手は、
図6(C)に示すように、自分の持駒から適宜駒を選択し、将棋盤1の盤面の適宜マス12に配置する。この際、後手の玉将21に対して、直ちに「王手」をかけても構わない。
【0042】
これに対して、後手は、自分の玉将21を「王手」を回避すべく、適宜マス12に移動するか、
図6(D)に示すように、「王手」を阻止すべく、適宜駒を適宜マス12に配置する。
【0043】
先手が「王手」をかけない場合、後手は、自分の持駒から適宜駒を選択し、将棋盤1の盤面の適宜マス12に配置する。この際、先手の玉将21に対して、直ちに「王手」をかけても構わない。
【0044】
以下、先手、後手ともに、自分の持駒から適宜駒を選択し、適宜マス12に自由に配置していき、相手の玉将21を先に詰んだ方を勝者とするが、各駒2の動かし方は、従来における日本将棋と同様である。
【0045】
又、各駒2が相手方の陣地14f,14eに侵入した場合に、当該駒2が成駒となることができるのも、従来における日本将棋と同様である。
【0046】
以上のように、本発明の将棋用具によれば、上述のような遊戯方法を採用することができるから、遊戯開始時に、将棋盤1の盤面に全ての将棋駒2を配置する従来の日本将棋とは異なって、極めて変化に富んだ戦略をとることができる。
【0047】
このため、従来の定跡は通用せず、対局者には新たな構想に基づく戦略をとることが要求され、最近の若年者にとっても興趣が湧くような将棋を実施することができる。
【0048】
そして、各駒2の表面及び裏面には、その駒2の動きが、点又は線に明瞭に表示されているから、始めて遊戯する者も、混乱することなく、直ちに遊戯することができる。
【0049】
又、各駒2は正八角形状を呈するものであり、各駒2の動き方は正八角形の各頂点方向になるから、その駒2の動きを明瞭に知ることができる。
【0050】
又、将棋盤1は、各マス12の中心12cから各頂点12tを直線13で結ぶと共に、隣接するマス12,12の中心12c,12cをも直線13で結んであるから、盤上に配置した駒2も、この直線に沿って動かすことを容易に知ることができる。
【0051】
本発明の将棋盤1は、表面盤面11に、正八角形状のマス12を縦方向に8マス、横方向に9マス形成し、裏面盤面17に、正八角形状のマス12を縦方向に10マス、横方向に9マス形成したから、表面と裏面とで、異なった遊戯を楽しむことができる。
【0052】
将棋盤1は、又、その側面部18に、収納自在の駒収納箱19を設置したから、駒収納箱19の内部19aに将棋駒2を収納し、駒収納箱19を押し込んでおけば、保管時又は携帯時に、専用の駒箱に収納する必要はなく、保管又は携帯することができ、極めて便利である。
【0053】
一方、駒収納箱19を引き出し、その底面19b上側に反転させておけば、遊戯時に、その底面19bに取得した将棋駒2を載置させておくことができ、極めて便利である。
【符号の説明】
【0054】
1 将棋盤
2 将棋駒
11 表面盤面
12 マス
17 裏面盤面
18 側面部
19 駒収納箱