【解決手段】モータの回転駆動の制御を開始後、上センサ61によってクランク34の角度位置の検出にエラーが発生している場合には、クランク34が回転を開始してから1回転する時間の所定倍数の時間が経過後にモータを停止している。所定倍数の時間が経過後にモータを停止するので、クランク34が回転を開始した位置、すなわち初期位置に戻すことができる。
浴槽(16)の底面に設けられた排水栓(19)を開閉するための直接操作部(33)であって、前記排水栓が開状態にある開位置と前記排水栓が閉状態にある閉位置とにわたって変位される直接操作部と、
前記直接操作部が変位する力を、前記排水栓を開閉するための力に変換する直接変換部(36)と、
前記排水栓を遠隔操作で開閉するための遠隔操作部(41,42,43)と、
所定の回転軸まわりに回転駆動される回転部(34)と、
前記遠隔操作部の操作に応じて前記回転部を回転駆動する駆動部(39)と、
前記回転部に連結され、前記回転部の回転運動を往復運動に変換して、前記排水栓を開閉するための力に変換する遠隔動力変換部(35)と、
前記排水栓に機械的に接続されて、前記直接変換部および前記遠隔動力変換部によって変換された力を用いて前記排水栓を開閉する開閉部(37)と、
前記回転部の角度位置を検出する回転検出手段(61)と、
前記駆動部を制御する制御部(20)と、を含み、
前記回転部は、1回転する毎に前記遠隔動力変換部に前記排水栓の開閉状態を切替える力を与え、
前記遠隔動力変換部は、前記回転部が1回転する間に前記直接操作部の変位を妨げる干渉範囲があり、
前記制御部は、
前記遠隔操作部によって開閉操作がされた場合には、前記駆動部の回転駆動を制御して前記遠隔操作による開閉が完了した後、前記回転検出手段によって検出された前記回転部の角度位置に応じて、前記駆動部をさらに回転駆動して、前記干渉範囲を除いた位置に前記回転部が位置するように前記駆動部を制御し、
前記駆動部の回転駆動の制御を開始後、前記回転検出手段によって前記回転部の角度位置の検出にエラーが発生している場合には、前記回転部が回転を開始してから1回転する時間の所定倍数の時間が経過後に前記回転部の駆動を停止するように前記駆動部を制御することを特徴とする排水装置。
前記制御部は、前記排水装置が起動されると、前記駆動部によって前記回転部を複数回回転するように制御し、前記複数回回転させた際に前記測定手段によって測定された各時間を最新の各時間として前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の排水装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付すか、または先行の参照符号に一文字追加し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0014】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、
図1〜
図24を用いて説明する。給湯装置10の給湯機11は、ヒートポンプから成り、貯湯タンク部12との接続部位であるヒートポンプ往き部13とヒートポンプ戻り部14となる配管部分に接続されている。貯湯タンク部12は、貯湯タンク(図示せず)とその周辺の配管および機器を含む部分であり、制御部20も含まれている。
【0015】
貯湯タンク部12からは給湯口15へ給湯配管を介してお湯が供給される。また、貯湯タンク部12から風呂場の浴槽16には、浴槽16に接続して浴槽水を図示しない風呂ポンプで循環する循環回路17が接続されている。浴槽16内には浴槽16の底から予め決められた高さに設置され循環回路17を浴槽16に接続する浴槽アダプタ18が備えられている。
【0016】
浴槽16内の水を排水する排水栓19の開閉を、ワイヤ(コントロールワイヤまたはコントロールケーブルとも言う)31を介して行う排水装置30が、浴槽16の側面に設けられている。排水装置30は、浴室リモコン41および台所リモコン42らの信号で駆動して排水栓19を開閉する。さらに排水装置30は、スマートフォン43などの情報端末装置からのサーバ44を介して受信した信号で排水栓19を開閉する。
【0017】
給湯機11と貯湯タンク部12とは屋外に設置され、これら給湯機11と貯湯タンク部12には、水道水が水道配管21上の止水栓22、減圧弁23、給水用逆止弁24および弁25等を介して供給されている。
【0018】
浴室内に置かれ遠隔装置として機能する浴室リモコン41と、台所に置かれた遠隔装置として機能するメインの台所リモコン42とには、貯湯タンク部12内の制御部20から通信線と電源線とを含む配管53を介して制御信号と電源とが供給されている。
【0019】
次に、貯湯タンク部12の構成に関して説明する。貯湯タンク部12内の図示を省略した貯湯タンクは、給湯機11が沸かしたお湯を貯え保温する。貯湯タンクの底には、水道配管21から水道水が供給され、ヒートポンプ戻り部14から逆止弁等を介して貯湯タンクにお湯が循環するようになっている。
【0020】
浴槽16に給湯するときは、貯湯タンクから水量を検出する図示しない風呂カウンタ等を経由し、更に浴槽アダプタ18を介して湯が浴槽16内に注がれる。浴槽16内には、浴槽16内の底から予め決められた高さに設置され、循環回路17を浴槽16に接続する浴槽アダプタ18が設けられている。
【0021】
貯湯タンク部12内の制御部20に操作信号を供給し、制御部20の制御状態を表示するリモコン(遠隔装置)のうち、浴室リモコン41から排水栓19の開閉を行う排水装置30に通信信号と電源の両方を配線54で供給している。
【0022】
次に、遠隔装置の操作画面に関して、
図2〜
図4を用いて説明する。
図2に示すように、浴室リモコン41には、設定温度および貯湯タンクの貯湯量などが表示されている。また風呂自動スイッチ45や通話スイッチ46などがあり、浴槽16に所定量のお湯を自動で貯めたり、台所リモコン42を介して通話したりすることができる。また排水栓スイッチ47を操作することによって、排水栓19を開閉することができる。
【0023】
図3に示すように、台所リモコン42には、給湯器だけでなく、他の装置も遠隔操作することができる。たとえば、家の電子錠48、エアコン49、床暖房50なども操作することができる。また現在の家の状況として、たとえば各部屋の消費電力などの情報を表示することができる。また浴室リモコン41と同様に、風呂自動スイッチ45や通話スイッチ46などがあり、浴槽16に所定量のお湯を自動で貯めたり、浴室リモコン41を介して通話したりすることができる。また排水栓スイッチ47を操作することによって、排水栓19を開閉することができる。そして排水栓19の開閉状態も表示態様を変更することによって、視認できるように表示している。
【0024】
図4に示すように、スマートフォン43によっても台所リモコン42と同様の操作をすることができる。スマートフォン43は、制御部20と台所リモコン42、ルータ51およびサーバ44を介して接続されている。したがってスマートフォン43は、サーバ44を介してルータ51に無線通信可能である。制御部20は、各部の状態、たとえば排水栓19の開閉状態に関連する情報をスマートフォン43などの遠隔操作部にサーバ44を介して無線通信で送信する送信部としても機能する。そしてスマートフォン43は、制御部20から送信された情報を受信する受信部として機能するとともに、受信した情報を出力する出力部を有する。出力部は、
図4に示すように、表示画面であってもよく、音声出力であってもよく、振動で出力してもよい。したがってスマートフォン43の表画面には、排水栓19の開閉状態が表示される。これによってユーザは、スマートフォン43を用いて排水栓19の開閉状態を確認することができ、さらに排水栓スイッチ47を操作することができる。スマートフォン43の排水栓スイッチ47を操作すると、サーバ44およびルータ51を介して台所リモコン42に排水栓スイッチ47の操作指令が与えられる。そして台所リモコン42から制御部20に操作指令が送信されて、排水栓19の開閉制御がなされる。またスマートフォン43によって、風呂自動(湯はり)を実行する遠隔操作、および湯はりの予約操作も実行することができる。
【0025】
次に排水装置30に関して、
図5〜
図14を用いて説明する。排水装置30は、ケース32、手動スイッチ33、クランク34、連結棒35、手動推進力伝達部材36、推進力受け部材37、ノックカム38、モータ39、上センサ61および開センサ62を含んで構成される。排水装置30は、クランク機構を有する。クランク34の回転によってクランク34に接続された連結棒35が推進力受け部材37を上下することで推進力受け部材37と接続されたワイヤ31が上下して他端にある排水栓19を開閉する。換言すると、排水装置30は、浴槽16の縁の上面に備えられた手動スイッチ33側がノックカム38になっている。そしてノックカム38の上下動によって、線方向に剛性を持つワイヤ31で浴槽16の底面に備えられた排水栓19をワイヤ31先端が垂直方向に上下することで排水栓19を開閉する。
【0026】
手動スイッチ33は、直接操作部であって、排水栓19が開状態にある開位置と排水栓19が閉状態にある閉位置とにわたって変位される。手動スイッチ33は、上下に変位し、上方に位置している場合には排水栓19は閉状態であり、下方に位置している場合には排水栓19は開状態である。したがってユーザは、手動スイッチ33を押すことによって、排水栓19を開閉することができる。
【0027】
手動スイッチ33は、
図6および
図7に示すように、手動推進力伝達部材36に連結される。手動推進力伝達部材36は、手動スイッチ33が変位する力を、排水栓19を開閉するための力に変換する直接変換部である。手動推進力伝達部材36は、下方に位置する推進力受け部材37に連結される。手動推進力伝達部材36は、断面C字状であって、内部にクランク34および連結棒35を収納している。したがって手動推進力伝達部材36は、クランク34に接続された連結棒35を回避する構成を有する。
【0028】
モータ39は、制御部20によって制御され、台所リモコン42などの遠隔操作部の操作に応じてクランク34を回転駆動する駆動部である。モータ39は、回転部であるクランク34を所定の回転軸まわりに回転駆動する。回転軸は、ケース32に固定されている。連結棒35は、クランク34に連結され、クランク34の回転運動を往復運動に変換して、排水栓19を開閉するための力に変換する遠隔動力変換部である。連結棒35の一端部は、クランク34の回転軸から径方向ずれた位置、すなわち偏心した位置に連結される。連結棒35の他端部は、推進力受け部材37に連結される。これによってモータ39がクランク34を回転すると、連結棒35の一端が回転して、推進力受け部材37が上下することになる。
【0029】
推進力受け部材37は、排水栓19に機械的に接続されて、手動推進力伝達部材36および連結棒35によって変換された力を用いて排水栓19を開閉する開閉部である。推進力受け部材37は、ノックカム38を介して排水栓19とワイヤ31によって接続されている。
【0030】
ノックカム38は、図示は省略するが、ボールペンなどに採用されている機構であり、下方に押圧される毎に、上方の位置と下方の位置とを往復する機構である。したがってノックカム38は、下方に押圧されるまで現在位置を保持する機構である。このノックカム38が下方に位置する場合は、排水栓19に連結されるワイヤ31が押圧されて、浴槽16の底面から上方に変位して開状態となる。またノックカム38は上方に位置する場合には、排水栓19はワイヤ31によって浴槽16の底面に引っ張られて閉状態となる。
【0031】
したがってクランク34をモータ39で一回転させることで、クランク34に接続された連結棒35が推進力受け部材37を押し下げて、その下にあるノックカム38が操作される。そしてノックカム38に接続されたワイヤ31が上下して、ワイヤ31の他端に接続された排水栓19が上下して、排水栓19を開閉することができる。
【0032】
次に、排水装置30の動作に関して、
図8〜
図14を用いて説明する。
図8〜
図12は、遠隔操作によって排水栓19を閉状態から開状態にする場合の各部の変位を示している。
図7に示すクランク34が0度にある状態であって、手動スイッチ33が上位置(閉位置)にある状態から、モータ39によってクランク34が時計まわりに90度回転(
図8参照)すると、連結棒35によって推進力受け部材37が下方に変位する。また推進力受け部材37が下方に変位するので、推進力受け部材37に連結されている手動推進力伝達部材36および手動スイッチ33が下方に変位する。そしてさらに回転して、クランク34が180度の位置に配置されると(
図9参照)、推進力受け部材37がさらに下方に変位して、ノックカム38を押下して、開状態となる。また手動スイッチ33も下位置(開位置)に位置する。さらにクランク34が回転して、270度(
図10参照)および再び0度の位置(
図11参照)に戻ってきても、連結棒35の変位に伴って推進力受け部材37は上方に変位する。しかしノックカム38は下方に位置したままであるので、排水栓19は開状態のままである。したがってクランク34は、排水栓19が開状態から閉状態になると1回転し、排水栓19が閉状態から開状態になると1回転する。換言すると、クランク34は、1回転する毎に連結棒35に排水栓19の開閉状態を切替える力を与える。
【0033】
この状態で、手動スイッチ33を押下すると、
図11および
図12に示すように、手動スイッチ33が押下可能であるので、この手動スイッチ33の押下によって手動推進力伝達部材36が下方に変位する。そして推進力受け部材37が下方に変位して、ノックカム38も押下されて、開状態から閉状態となる。
【0034】
ここで
図13に示すようクランク34が50度に位置している場合には、手動スイッチ33を押下しようとしても連結棒35と手動推進力伝達部材36とが干渉して、
図14に示すように、手動スイッチ33を押下することができない。したがって手動スイッチ33で開閉できるように、クランク34をたとえば0度などの所定の範囲内に配置する必要がある。したがって連結棒35は、クランク34が1回転する間に手動スイッチ33の変位を妨げる干渉範囲がある。
【0035】
換言すると、排水装置30は、クランク34に接続された連結棒35を回避するための手動推進力伝達部材36を備える。そして手動スイッチ33を押下すると手動推進力伝達部材36が推進力受け部材37を押し下げてノックカム38を操作することで、手動で排水栓19の開閉が可能である。ただし、手動スイッチ33による手動操作は、クランク34が手動操作可能範囲(クランク34が−10度〜10度)に停止している場合にのみ可能となる。
【0036】
次に、排水装置30に設けられている上センサ61および開センサ62に関して、
図15を用いて説明する。開センサ62は、手動スイッチ33の位置を検出するスライド検出手段である。具体的には、開センサ62は、
図15に示すように、推進力受け部材37の位置を検出する。推進力受け部材37には、マグネットが設けられており、リードスイッチによって推進力受け部材37が下方(手動スイッチ33の開位置)にきた場合には、開センサ62はオンとなる。開センサ62がオンの場合は、排水栓19は開状態にある。また開センサ62がオフの場合は、排水栓19は閉状態にある。
【0037】
上センサ61は、クランク34の角度位置を検出する回転検出手段である。具体的には、上センサ61は、
図15に示すように、クランク34の角度位置を検出する。クランク34には、周方向の一部にマグネットが設けられており、ケース32に固定されているリードスイッチによってクランク34が0度を中心として所定範囲にきた場合には、ONとなる。したがって上センサ61は、クランク34の所定位置が所定角度以下の検出範囲内にあるか否かを検出する。
【0038】
次に、制御部20の制御に関して説明する。制御部20は、内蔵する記憶部(ROMおよびRAMなど)に予め記憶されている各種設定情報や所定のプログラムを読み出して実行する。
図16に示す処理は、給湯装置10の電源投入状態において実行されている。ステップS161では、台所スイッチなどから風呂自動スイッチ45が操作されたか、または湯はり予約時刻の所定時間前であるか否かが判断される。そして風呂自動スイッチ45が操作されたか、または予約時刻の所定時間前である場合には、ステップS162に移り、条件を満たすまでステップS161の処理を繰り返す。
【0039】
ステップS162では、排水装置30の有無を判断し、排水装置30がある場合には、ステップS163に移り、排水装置30がない場合には、ステップS165に移る。排水装置30の有無は、たとえば制御部20から排水装置30に信号を出力した場合にエラーの発生有無によって判断することができる。また各リモコンの設定、機種設定と照合することによっても排水装置30の有無を判断することができる。
【0040】
ステップS163では、排水装置30があるので、排水装置30のエラーの発生の有無を判断し、エラーがある場合には、ステップS165に移り、エラーがない場合にはステップS164に移る。排水装置30のエラーは、たとえば上センサ61の異常および開センサ62の異常である。
【0041】
ステップS164では、排水装置30にエラーがないので、排水栓19を閉状態となるように排水装置30を制御し、ステップS165に移る。ステップS165では、排水装置30が閉状態とあるものとして、風呂の湯張りを開始し、本フローを終了する。
【0042】
このように制御部20は、浴槽16に給湯するための給湯装置10を制御しつつ、風呂自動スイッチ45によって浴槽16に給湯するための操作がされた場合には、給湯するように給湯装置10を制御するとともに、排水栓19が閉状態になるよう制御する。
【0043】
次に、制御部20による排水栓19の開制御に関して説明する。
図17に示す処理は、給湯装置10の電源投入状態において実行されている。ステップS171では、遠隔操作によって排水栓19の開操作がなされたか否かが判断され、開操作がなされた場合には、ステップS172に移り、開操作がなされるまでステップS171の処理を繰り返す。
【0044】
ステップS172では、排水装置30の有無を判断し、排水装置30がある場合には、ステップS173に移り、排水装置30がない場合には、本フローを終了する。ステップS173では、排水装置30があるので、排水装置30のエラーの発生の有無を判断し、エラーがある場合には、本フローを終了し、エラーがない場合にはステップS174に移る。ステップS174では、排水装置30にエラーがないので、排水栓19を開状態となるように排水装置30を制御し、本フローを終了する。
【0045】
次に、制御部20による排水栓19の閉制御に関して説明する。
図18に示す処理は、給湯装置10の電源投入状態において実行されている。ステップS181では、遠隔操作によって排水栓19の閉操作がなされたか否かが判断され、閉操作がなされた場合には、ステップS182に移り、閉操作がなされるまでステップS181の処理を繰り返す。
【0046】
ステップS182では、排水装置30の有無を判断し、排水装置30がある場合には、ステップS183に移り、排水装置30がない場合には、本フローを終了する。ステップS183では、排水装置30があるので、排水装置30のエラーの発生の有無を判断し、エラーがある場合には、本フローを終了し、エラーがない場合にはステップS184に移る。ステップS184では、排水装置30にエラーがないので、排水栓19を閉状態となるように排水装置30を制御し、本フローを終了する。
【0047】
次に、制御部20による排水装置30のイニシャル制御に関して
図19を用いて説明する。イニシャル制御は、クランク34を手動操作が可能な範囲内に配置し、さらに手動操作が可能な位置に配置するためのクランク34の回転時間を算出するための処理である。イニシャル制御は、(1)排水装置30が停止してから所定時間経過後に起動された場合、(2)記憶部の情報がリセットされた場合、および(3)排水装置30の異常による停止後に起動された場合に実行される。(1)の場合には、初回電源投入時(バックアップ無しからの電源投入)および、モータ駆動中に停電し、10秒以上バックアップ無しになるまでの時間未満の停電復帰時が含まれる。(2)の場合には、マイコンリセット時が含まれる。またイニシャル制御は、異常処理によってモータ39がOFFされると、強制終了する。
【0048】
ステップS191では、各時間に初期値0に設定し、ステップS192に移る。初期値が設定される各時間は、上センサOFF時間〜開センサON時間、上センサOFF時間、開センサOFF〜上センサON時間および上センサON時間である。
【0049】
ステップS192では、モータ39をONにして、ステップS193に移る。ステップS193では、上センサ=ONかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=ONかつ開センサ=OFFになるまでステップS193の処理を繰り返し、ステップS193の条件を満たすと、ステップS194に移る。
【0050】
ステップS194では、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFになるまでステップS194の処理を繰り返し、ステップS194の条件を満たすと、ステップS195に移る。
【0051】
ステップS195では、上センサOFF時間〜開センサON時間(以下、「上OFF開ON時間」ということがある)の計測をスタートし、ステップS196に移る。ステップS196では、上センサOFF時間の計測をスタートし、ステップS197に移る。
【0052】
ステップS197では、上センサ=OFFかつ開センサ=ONであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=ONになるまでステップS197の処理を繰り返し、ステップS197の条件を満たすと、ステップS198に移る。ステップS198では、上OFF開ON時間の計測を停止し、ステップS199に移る。
【0053】
ステップS199では、上センサ=ONかつ開センサ=ONであるか否かを判断し、上センサ=ONかつ開センサ=ONになるまでステップS199の処理を繰り返し、ステップS199の条件を満たすと、ステップS1910に移る。ステップS1910では、上センサOFF時間の計測を停止し、ステップS1911に移る。
【0054】
ステップS1911では、上センサON時間の計測をスタートし、ステップS1912に移る。ステップS1912では、上センサ=OFFかつ開センサ=ONであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=ONになるまでステップS1912の処理を繰り返し、ステップS1912の条件を満たすと、ステップS1913に移る。ステップS1913では、上センサON時間の計測を停止し、ステップS1914に移る。ステップS1914では、ステップS1913で求めた上センサON時間の半分の時間を算出し、ステップS1915に移る。
【0055】
ステップS1915では、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFになるまでステップS1915の処理を繰り返し、ステップS1915の条件を満たすと、ステップS1916に移る。
【0056】
ステップS1916では、開センサOFF〜上センサON時間(以下、「開OFF上ON時間」ということがある)の計測をスタートし、ステップS1917に移る。ステップS1917では、上センサ=ONかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=ONかつ開センサ=OFFになるまでステップS1917の処理を繰り返し、ステップS1917の条件を満たすと、ステップS1918に移る。
【0057】
ステップS1918では、開OFF上ON時間の計測を停止し、ステップS1919に移る。ステップS1919では、ステップS1919に移ってから記憶部に記憶されている上センサON半分時間の学習値を経過したか否かを判断し、経過するとステップS1920に移る。ステップS1920では、モータ39をOFFにし、ステップS1921に移る。
【0058】
ステップS1921では、S198、S1910、S1914およびS1918で求めた最新の各時間と、記憶部に記憶されている学習値とによって、最新の学習値を算出し、記憶部(EEPROM)に記憶し、ステップS1922に移る。記憶部には、たとえば上センサON半分時間が測定された測定時刻と関連付けて複数記憶されており、記憶部に記憶されている複数の上センサON半分時間の平均値を最新の上センサON半分時間の学習値とする。学習方法としては、たとえば各学習値について過去10回のデータの相加平均を算出して更新してもよい。但し記憶しているデータが10個未満の場合は記憶しているデータでの相加平均としてもよい。更新した学習値が前回の値と異なる場合、EEPROMへ学習値を保存する。また、学習済みの場合はバックアップ無しからの電源投入時・マイコンリセット時にはEEPROMに格納されている学習値を過去10回分のデータ領域へ展開してもよい。
【0059】
ステップS1922では、上センサ故障カウンタ=0および開センサ故障カウンタ=0として、ステップS1923に移る。ステップS1923では、次回学習可能フラグをONにして、本フローを終了する。
【0060】
次に、イニシャル制御に関して、
図20および
図21のタイミングチャートを用いて説明する。
図20では、イニシャル制御時に最小回転(2回転)する場合を示している。
図21では、イニシャル制御時に最大回転(4回転)する場合を示している。
【0061】
まず、
図20に関して説明する。時刻t1の初期位置にて、上センサ=ONかつ開センサ=OFFであるので、ステップS193の条件を満たす。そして、クランク34が回転するにつれて、各センサのオンオフ状態が変化する。時刻t2にて、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFとなり、ステップS194の条件を満たす。そして時刻t2から上OFF開ON時間および上センサOFF時間の計測を開始し、時刻t3にて、上センサ=OFFかつ開センサ=ONとなるとステップS197の条件を満たし、上OFF開ON時間の計測を終了する(ステップS198)。
【0062】
次に、時刻t4にて、上センサ=ONかつ開センサ=ONとなり、ステップS199の条件を満たし、上センサOFF時間の計測を終了する(ステップS1910)。そして時刻t4から上センサON時間の計測を開始し、時刻t5にて、上センサ=OFFかつ開センサ=ONとなると計測を終了する(ステップS1912)。次に、時刻t6にて、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFとなり、ステップS1915の条件を満たす。そして時刻t6から開OFF上ON時間の計測を開始し、時刻t7にて、上センサ=ONかつ開センサ=OFFとなり、ステップS1912の条件を満たし、開OFF上ON時間の計測を終了する(ステップS1918)。
【0063】
次に、時刻t8にて、上センサON半分時間が経過し(ステップS1919)、モータ39を停止する(ステップS1920)。したがってイニシャル制御後には、時刻t8のように、上センサON時間の半分が経過した位置、すなわちクランク34が0度の位置に配置されており、開センサ62もOFFであるので、手動スイッチ33も閉位置にある。
【0064】
このように
図20に示すイニシャル制御では、2回転することによって、上センサON半分時間が算出されて、最新の上センサON半分時間が記憶部に記憶されることになる。また開OFF上ON時間、上OFF開ON時間および上センサOFF時間も測定されて、最新の開OFF上ON時間、上OFF開ON時間および上センサOFF時間が記憶部に記憶されることになる。このようにモータ39を2回転して上センサOFF⇒ONから上センサON⇒OFFのエッジを測ることで、上センサON範囲をモータ39が通過する時間を正確に測ることができる。上センサ61はON範囲の中心が手動可能範囲の中心=クランク34の上死点にくるように設計されている。したがって上センサOFF⇒ONのエッジを検出してから上センサON半分時間経過後にモータ39を停止すればクランク34を手動可能範囲の中心=クランク34の上死点で停止させることができる。
【0065】
次に、
図21のタイミングチャートに関して説明する。
図21では、時刻t1〜時刻t8は、
図20の時刻t1〜時刻t8にそれぞれ対応している。時刻t0の初期位置にて、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFであるので、ステップS193の条件を満たす時刻t1まで、モータ39によってクランク34が2回転する。そして時刻t1となり、ステップS193の条件を満たすと、後は
図20と同様の処理によって、クランク34が2回転する間に、各時間が計測され、その後、クランク34が0度の位置に配置であって、開センサ62もOFFの位置に配置される。
【0066】
次に、
図17の排水栓19の開制御に関してさらに説明する。
図22に示す開制御は、
図17のステップS174に移ると開始される。また開制御は、異常処理によってモータ39がOFFされると、強制終了する。
【0067】
ステップS221では、排水栓19が開状態にあるか否かを判断し、開状態である場合には、ステップS222に移り、開状態でない場合には、開制御をする必要がないので、本フローを終了する。開状態の場合とは、上センサ=ONかつ開センサ=ONの場合である。
【0068】
ステップS222では、各時間を初期値0に設定し、ステップS223に移る。初期値が設定される各時間は、上センサON半分時間、上OFF開ON時間および上センサOFF時間である。ステップS223では、排水栓19が閉状態であるか否かを判断し、閉状態である場合には、ステップS224に移り、閉状態でない場合には、ステップS225に移る。閉状態の場合とは、上センサ=ONかつ開センサ=OFFの場合である。
【0069】
ステップS224では、学習可能フラグをONに設定し、ステップS226に移る。ステップS225では、開状態ではないが上センサ=ONかつ開センサ=OFFでもないので、学習不可と判断し、学習可能フラグ=OFFにし、ステップS226に移る。
【0070】
ステップS226では、モータ39を駆動し、ステップS227に移る。ステップS227では、上センサON半分時間の計測を開始し、ステップS228に移る。ステップS228では、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFになるまでステップS228の処理を繰り返し、ステップS228の条件を満たすと、ステップS229に移る。ステップS229では、上センサON半分時間の計測を終了し、ステップS2210に移る。
【0071】
ステップS2210では、上OFF開ON時間の計測をスタートし、ステップS2211に移る。ステップS2211では、上センサOFF時間の計測をスタートし、ステップS2212に移る。
【0072】
ステップS2212では、上センサ=OFFかつ開センサ=ONであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=ONになるまでステップS2212の処理を繰り返し、ステップS2212の条件を満たすと、ステップS2213に移る。ステップS2213では、上OFF開ON時間の計測を停止し、ステップS2214に移る。
【0073】
ステップS2214では、上センサ=ONかつ開センサ=ONであるか否かを判断し、上センサ=ONかつ開センサ=ONになるまでステップS2214の処理を繰り返し、ステップS2214の条件を満たすと、ステップS2215に移る。ステップS2215では、上センサOFF時間の計測を停止し、ステップS2216に移る。
【0074】
ステップS2216では、ステップS2216に移ってから記憶部に記憶されている上センサON半分時間の学習値を経過したか否かを判断し、経過するとステップS2217に移る。上センサON半分時間の学習値が記憶部に記憶されていない場合には、ステップS229で計測した最新の上センサON半分時間を用いる。ステップS2217では、モータ39をOFFにし、ステップS2218に移る。
【0075】
ステップS2218では、学習可能フラグ=ONかつ次回学習可能フラグ=ONであるか否かを判断し、学習可能フラグ=ONかつ次回学習可能フラグ=ONの場合にはステップS2219に移り、違う場合にはステップS2220に移る。
【0076】
ステップS2219では、S229、S2213およびS2215で求めた最新の各時間と、記憶部に記憶されている学習値とによって、最新の学習値を算出し、記憶部(EEPROM)に記憶し、ステップS2220に移る。
【0077】
ステップS2220では、上センサ故障カウンタ=0および開センサ故障カウンタ=0として、ステップS2221に移る。ステップS2221では、次回学習可能フラグをONにして、本フローを終了する。
【0078】
次に、
図18の排水栓19の閉制御に関してさらに説明する。
図23に示す閉制御は、
図18のステップS184に移ると開始される。また開制御は、異常処理によってモータ39がOFFされると、強制終了する。
【0079】
ステップS231では、排水栓19が閉状態にあるか否かを判断し、閉状態である場合には、ステップS232に移り、閉状態でない場合には、開制御をする必要がないので、本フローを終了する。閉態の場合とは、上センサ=ONかつ開センサ=OFFの場合である。
【0080】
ステップS232では、各時間を初期値0に設定し、ステップS233に移る。初期値が設定される各時間は、上センサON半分時間、開OFF上ON時間および上センサOFF時間である。ステップS233では、排水栓19が開状態であるか否かを判断し、開状態である場合には、ステップS234に移り、開状態でない場合には、ステップS235に移る。開状態の場合とは、上センサ=ONかつ開センサ=ONの場合である。
【0081】
ステップS234では、学習可能フラグをONに設定し、ステップS236に移る。ステップS235では、閉状態ではないが上センサ=ONかつ開センサ=ONでもないので、学習不可と判断し、学習可能フラグ=OFFにし、ステップS236に移る。
【0082】
ステップS236では、モータ39を駆動し、ステップS237に移る。ステップS237では、上センサON半分時間の計測を開始し、ステップS238に移る。ステップS238では、上センサ=OFFかつ開センサ=ONであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=ONになるまでステップS238の処理を繰り返し、ステップS238の条件を満たすと、ステップS239に移る。ステップS239では、上センサON半分時間の計測を終了し、ステップS2310に移る。ステップS2310では、上センサOFF時間の計測を開始し、ステップS2311に移る。
【0083】
ステップS2311では、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFになるまでステップS2311の処理を繰り返し、ステップS2311の条件を満たすと、ステップS2312に移る。ステップS2312では、開OFF上ON時間の計測を開始し、ステップS2313に移る。
【0084】
ステップS2313では、上センサ=ONかつ開センサ=OFFであるか否かを判断し、上センサ=ONかつ開センサ=OFFになるまでステップS2313の処理を繰り返し、ステップS2313の条件を満たすと、ステップS2314に移る。ステップS2314では、開OFF上ON時間の計測を停止し、ステップS2315に移る。ステップS2315では、上センサOFF時間の計測を停止し、ステップS2316に移る。
【0085】
ステップS2316では、ステップS2316に移ってから記憶部に記憶されている上センサON半分時間の学習値を経過したか否かを判断し、経過するとステップS2317に移る。上センサON半分時間の学習値が記憶部に記憶されていない場合には、ステップS239で計測した最新の上センサON半分時間を用いる。ステップS2317では、モータ39をOFFにし、ステップS2318に移る。
【0086】
ステップS2318では、学習可能フラグ=ONかつ次回学習可能フラグ=ONであるか否かを判断し、学習可能フラグ=ONかつ次回学習可能フラグ=ONの場合にはステップS2319に移り、違う場合にはステップS2320に移る。
【0087】
ステップS2319では、S239、S2312およびS2315で求めた最新の各時間と、記憶部に記憶されている学習値とによって、最新の学習値を算出し、記憶部(EEPROM)に記憶し、ステップS2320に移る。
【0088】
ステップS2320では、上センサ故障カウンタ=0および開センサ故障カウンタ=0として、ステップS2321に移る。ステップS2321では、次回学習可能フラグをONにして、本フローを終了する。
【0089】
次に、開制御および閉制御に関して、
図24のタイミングチャートを用いて説明する。まず、開制御に関して説明する。時刻t11の初期位置にて、上センサ=ONかつ開センサ=OFFであるので、ステップS223の条件を満たす。そして、ステップS226にてモータ39がONされて、クランク34が回転するにつれて、各センサのオンオフ状態が変化する。時刻t12にて、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFとなり、ステップS228の条件を満たす。したがってステップS229にて、上センサON半分時間TM1が計測される。
【0090】
次に、時刻t13にて、上センサ=OFFかつ開センサ=ONとなり、ステップS2212の条件を満たす。したがってステップS2213にて、上OFF開ON時間TM2が計測される。
【0091】
次に、時刻t14にて、上センサ=ONかつ開センサ=ONとなり、ステップS2214の条件を満たす。したがってステップS2215にて、上センサOFF時間TM3が計測される。
【0092】
次に、時刻t15にて、上センサON半分時間が経過し(ステップS2216)、モータ39を停止する(ステップS2217)。これによって排水栓19が開状態となる。そして開状態の位置では、時刻t15のように、上センサON時間の半分が経過した位置、すなわちクランク34が0度の位置に配置されており、開センサ62もONであるので、手動スイッチ33も開位置にある。したがって手動スイッチ33は、手動可能な範囲内に位置している。
【0093】
次に、閉制御に関して説明する。時刻t15の初期位置にて、上センサ=ONかつ開センサ=ONであるので、ステップS233の条件を満たす。そして、ステップS236にてモータ39がONされて、クランク34が回転するにつれて、各センサのオンオフ状態が変化する。時刻t16にて、上センサ=OFFかつ開センサ=ONとなり、ステップS238の条件を満たす。したがってステップS239にて、上センサON半分時間TM1が計測される。
【0094】
次に、時刻t17にて、上センサ=OFFかつ開センサ=OFFとなり、ステップS2311の条件を満たす。次に、時刻t18にて、上センサ=ONかつ開センサ=OFFとなり、ステップS2313の条件を満たす。したがってステップS2314にて、開OFF上ON時間TM4が計測される。またステップS2315にて、上センサOFF時間TM3が計測される。
【0095】
次に、時刻t19にて、上センサON半分時間が経過し(ステップS2316)、モータ39を停止する(ステップS2317)。これによって排水栓19が閉状態となる。そして閉状態の位置では、時刻t19のように、上センサON時間の半分が経過した位置、すなわちクランク34が0度の位置に配置されており、開センサ62もOFFであるので、手動スイッチ33も閉位置にある。したがって手動スイッチ33は、手動可能な範囲内に位置している。
【0096】
このようにイニシャル制御、開制御および閉制御にて、時間TM1〜TM4が計測される。表1は、各学習値における学習タイミングおよび範囲の一例を示す表である。
【表1】
【0097】
上センサON半分時間TM1は、イニシャル制御(ステップS1914)にて算出され、開制御(ステップS229)および閉制御(ステップS239)にて計測される。上OFF開ON時間TM2は、イニシャル制御(ステップS198)および開制御(ステップS2213)にて計測される。上センサOFF時間TM3は、イニシャル制御(ステップS1910)、開制御(ステップS2215)および閉制御(ステップS2315)にて計測される。開OFF上ON時間TM4は、イニシャル制御(ステップS1918)および閉制御(ステップS2314)にて計測される。
【0098】
次に、表2を用いて異常検出処理に関して説明する。異常検出処理は、表2に示す検出タイミングにて、検出条件成立した場合に実施される。エラーは故障カウンタ(エラー回数)に基づいて確定する。また上センサ故障と開センサ故障との同時成立する場合も考慮する。上センサ61および開センサ62の故障は、たとえば上センサ61および開センサ62を構成するリードスイッチやマグネットの脱落、リードスイッチの故障、配線の短絡/ショート、および制御部20の故障が考えられる。
【表2】
【0099】
検出タイミングとしては、(1)イニシャル制御においてモータ39が駆動している場合と、(2)イニシャル制御以外でモータ39が駆動している場合とに分けられる。検出タイミングが(1)の場合、第1の検出条件は、モータ39のON継続時間が1回転する時間の所定倍数の時間が経過しており、かつ上センサ61のON→OFFが未検出であり、かつ上センサ61のOFF→ONが未検出の場合である。所定の倍数は、たとえば2回である。2回、クランク34が回転しても上センサ61の検出のONOFFに変化がない場合は、上センサ61による検出にエラーが発生している。したがって異常が検出されたとして、異常処理が実施される。
【0100】
異常処理として、モータ39が回転を開始してから1回転する時間の所定倍数の時間が経過後にクランク34の駆動を停止するようにモータ39を制御する。これによって単に上センサ61に故障が発生している場合には、初期位置に戻すことができる。このときに使用される1回転の時間は、記憶部に記憶されている上センサON半分時間TM1の学習値の2倍と上センサOFF時間TM3の学習値との合計時間である。またイニシャル制御中に異常が検出されたので、学習可能フラグおよび次回学習可能フラグをOFFにして、今回のイニシャル制御中に測定した各時間は使用しない。また上センサ61に異常が発生しているので、上センサ故障カウンタを所定値αだけカウントさせる。イニシャル制御中に異常が検出さたので、所定値αは直ちに異常がユーザに出力されるように各部が制御される。これによって、たとえば施工時にイニシャル制御が実施された場合には、上センサ61の異常発生を直ちに施工者が認識することができ、異常を早期に発見することができる。
【0101】
検出タイミングが(1)の場合、第2の検出条件は、モータ39のON継続時間が1回転する時間の所定倍数の時間が経過しており、かつ開センサ62のON→OFFが未検出であり、かつ開センサ62のOFF→ONが未検出の場合である。所定の倍数は、たとえば2回である。2回、クランク34が回転しても開センサ62の検出のONOFFに変化がない場合は、開センサ62による検出にエラーが発生している。したがって異常が検出されたとして、異常処理が実施される。
【0102】
異常処理として、上センサOFF⇒ON到達後、上センサON半分時間TM1経過時に、クランク34の駆動を停止するようにモータ39を制御する。これによって単に開センサ62に故障が発生している場合には、初期位置に戻すことができる。またイニシャル制御中に異常が検出されたので、学習可能フラグおよび次回学習可能フラグをOFFにして、今回のイニシャル制御中に測定した各時間は使用しない。また開センサ62に異常が発生しているので、開センサ故障カウンタを所定値αだけカウントさせる。イニシャル制御中に異常が検出さたので、所定値αは直ちに異常がユーザに出力されるように各部が制御される。これによって、たとえば施工時にイニシャル制御が実施された場合には、開センサ62の異常発生を直ちに施工者が認識することができ、異常を早期に発見することができる。
【0103】
検出タイミングが(1)の場合、第3の検出条件は、モータ39のON継続時間が1回転する時間の所定倍数の時間が経過しており、所定の倍数が第1の検出条件および第2の検出条件よりも大きい回数の場合である。たとえば所定の倍数は、5回に設定される。5回、クランク34が回転してもイニシャル制御が終了していない場合には、開センサ62および上センサ61以外の異常が発生しているか、各センサ61,62がたまたま検出できなかった場合が考えられる。この場合には、異常が検出されたとして、異常処理が実施される。
【0104】
異常処理として、モータ39が回転を開始してから1回転する時間の所定倍数の時間が経過後にクランク34の駆動を停止するようにモータ39を制御する。これによってクランク34を初期位置に戻すことができる。またイニシャル制御中に異常が検出されたので、学習可能フラグおよび次回学習可能フラグをOFFにして、今回のイニシャル制御中に測定した各時間は使用しない。また各センサ61,62の異常の有無を特定できないので、上センサ故障カウンタおよび開センサ故障カウンタを所定値αよりも小さい値、たとえば1だけ増加させる。イニシャル制御中に異常が検出されたので、上センサ故障カウンタおよび開センサ故障カウンタをいずれも所定値1とするため、直ちに異常がユーザに出力されるように各部が制御される。これによって、たとえば施工時にイニシャル制御が実施された場合には、各センサ61,62の異常の有無を特定できない場合であっても直ちに施工者が認識することができ、異常を早期に発見することができる。
【0105】
検出タイミングが(2)の場合において、3つの検出条件は所定倍数が異なり、第1の検出条件および第2の検出条件の場合はモータ39が所定倍数が1である。したがって第1の検出条件および第2の検出条件の場合は、モータ39が一周する時間とモータ39の駆動時間とを比較している。第3の検出条件では、所定倍数を1よりも大きい値、たとえば2としている。また各検出条件における、モータ39の制御、各フラグの設定も同じである。
【0106】
検出タイミングが(2)の場合での第1の検出条件および第2の検出条件の場合は、対応する各故障カウンタを所定値αよりも小さい値、たとえば1だけ増加させる点が異なる。これはモータ39が1回転するうちに、各センサ61,62のオンオフが未検出であったとしても1回転だけ未検出という可能性もあるので各センサ61,62の軽微な異常と判断しているからである。
【0107】
次に、故障カウンタとエラーとの関係について、表3を用いて説明する。表3に示すように、エラーコードE1は、上センサの異常を示し、エラーコードE2は、開センサの異常を示し、エラーコードE3は両センサ61,62の異常を示す。
【表3】
【0108】
まず、上センサ61の異常検出に関して説明する。上センサ61の異常検出条件は、上センサ故障カウンタがα以上であり、かつエラーコードE3が未確定の場合である。検出タイミングとして、排水栓19の制御を強制終了時であり、その時に検出条件を満たしていた場合には、異常発生処理が実施される。αは、2以上の上限回数、たとえば3などが用いられる。これはユーザの使い方によってエラーを誤検知することを防ぐためであり、複数回異常検出したら機器の故障と判断してエラーを表示するためである。異常発生処理は、台所リモコン42などの表示装置にエラー情報としてエラーコードE1を表示する。表示されたエラーコードE1は、台所リモコン42などを操作することによって、エラークリアも可能である。またエラー発生中でも、湯張りなどの操作は可能である。
【0109】
次に、開センサ62の異常検出に関して説明する。開センサ62の異常検出条件は、開センサ故障カウンタがα以上であり、かつエラーコードE3が未確定の場合である。検出タイミングおよび異常発生処理は、上センサ61の異常検出の場合と同じである。
【0110】
次に、両センサ61,62の異常検出に関して説明する。両センサ61,62の異常検出条件は、上センサ故障カウンタおよび開センサ故障カウンタがそれぞれ1以上の場合である。検出タイミングおよび異常発生処理は、上センサ61の異常検出の場合と同じである。両センサ異常の状態は、モータ39の故障、排水装置30のハーネス断線や基板のコネクタ抜けの場合が考えられるため1回でエラー出すようにしている。
【0111】
以上説明したように本実施形態の排水装置30は、ユーザは手動スイッチ33を直接操作することによって、排水栓19を開閉できるとともに、台所リモコン42およびスマートフォン43を操作することによっても排水栓19を開閉することができる。また制御部20は、遠隔開閉操作がされた場合には、モータ39の回転駆動を制御して開閉が完了した後、手動スイッチ33の位置とクランク34の角度位置に応じて、モータ39をさらに回転駆動する。したがって制御部20は、単に開閉操作が完了したら回転を停止するのではなく、手動スイッチ33の影響を受けない干渉範囲を除いた位置になるまでさらにクランク34が回転するように制御する。これによって遠隔操作によって開閉操作が行われた後であっても、手動スイッチ33による直接操作が可能となる。
【0112】
特許文献1に記載の排水装置30では、手動操作は、クランク軸が0°付近に戻っていないと手動操作部とクランク軸が干渉して、手動操作が行えないという問題がある。またクランク軸を0°付近に戻す方法について特許文献1には開示されていないが、クランク軸に取り付けられたマグネットとケースに取り付けられたリードスイッチを用いて0°位置を検出してモータを停止させる構成が考えられる。しかしマグネットとリードスイッチの性能のばらつきや、それらの取り付けのばらつきや、経年的な性能の劣化によって、検出値が変化してクランク軸を0°位置に停止させることができなくなる恐れがある。
【0113】
これに対して本実施形態では、上センサ61の検出範囲をモータ39が通過する時間を学習する。これによって上センサ61の性能のばらつきや、それらの取り付けのばらつきや、経年的な性能の劣化によって、検出値が変化しても、変わらずにクランク34を0度付近に停止させることができる。クランク34の回転速度は、浴槽16内の残湯量による排水栓19にかかる水圧の変化や、制御部20からモータ39に供給される電流や電圧のばらつきによって変わる。また制御部20からの指示値が同じでも、制御部20から排水装置30までの配線の長さの違いや、同時に動作する給湯装置10の負荷の動作状況によって電流値や電圧値は変化する。したがって複数回取得した値の平均値を学習記憶することでロバスト性が向上する。また、記憶部として内部メモリや不揮発性メモリに保存することで、不慮の停電があっても記憶値を忘れることがない。
【0114】
さらに本実施形態では、モータ39の回転駆動の制御を開始後、上センサ61によってクランク34の角度位置の検出にエラーが発生している場合には、クランク34が回転を開始してから1回転する時間の所定倍数の時間が経過後にモータ39を停止している。所定倍数の時間が経過後にモータ39を停止するので、クランク34が回転を開始した位置、すなわち初期位置に戻すことができる。初期位置は、干渉範囲 を除いた位置にあるので、上センサ61にエラーが発生している場合であっても、直接操作が可能となる。したがって上センサ61に不具合が発生した場合であっても、手動操作が可能な排水装置30を実現することができる。
【0115】
換言すると、上センサ61に故障(検出エラー)が発生した場合に、あらかじめ学習記憶したクランク一回転時間の所定倍数で故障を判断して停止させることで、クランク34を必ず手動操作可能範囲に停止させることができる。これによって上センサ61の故障時にクランク34を手動操作可能範囲に停止させることで、ユーザが故障のエラー表示を見てからサービスコールして修理するまでの間、排水栓19が閉められずにお風呂に入れないといった最悪の事態を防ぐことができる。
【0116】
さらに本実施形態では、上センサ61は、クランク34が1回転するとき、上センサ61がON(検出範囲)の範囲は干渉範囲を除いた位置である。したがって上センサ61がONのとき、たとえば上センサ61がONになってから上センサON半分時間が経過した時にクランク34を停止させると、確実に干渉範囲を除いた位置となる。これによって確実に手動スイッチ33が操作可能な範囲内に配置することができる。
【0117】
また本実施形態では、モータ39の回転駆動の制御を開始後、クランク34が回転を開始してから所定倍数の時間が経過するまでに、開センサ62にエラーが発生している場合には、駆動してから所定倍数の時間が経過後にモータ39の駆動を停止している。所定倍数の時間が経過後にモータ39を停止するので、クランク34が回転を開始した位置、すなわち初期位置に戻すことができる。初期位置は、干渉範囲を除いた位置にあるので、開センサ62にエラーが発生している場合であっても、直接操作が可能となる。したがって開センサ62に不具合が発生した場合であっても、手動操作が可能な排水装置30を実現することができる。
【0118】
また本実施形態では、上センサ61によって、検出範囲内にある検出時間(上センサON時間)および検出範囲外にある検出外時間(上センサOFF時間)が制御部20によって測定される。クランク34を二回転して上センサOFF⇒ONのエッジから上センサON⇒OFFのエッジを測ることで、クランク34が上センサON範囲を通過する時間を正確に測ることができる。そして記憶部には、測定された検出時間(上センサON半分時間×2)および検出外時間(上センサOFF時間)が記憶されている。そこで制御部20は、クランク34が1回転する時間として、記憶部に記憶されている上センサON半分時間×2と上センサOFF時間との合計時間を用いている。これらの時間は、イニシャル制御、開制御および閉制御中に測定されるので、毎回直近に測定された値を反映することができる。これらの時間は、モータ39の回転速度は制御部20から供給される電圧のばらつきや浴槽16内の湯のあり/なしによって変わるため、ロバスト性を向上することができる。
【0119】
また本実施形態では、制御部20は、上センサ61によって検出範囲内にある検出時間を測定する測定手段として機能する。そして、少なくとも検出範囲の中央のクランク34の角度位置(0度)は、干渉範囲を除いた位置であり、記憶部に記憶されている停止時間は、検出時間の半分の値(上センサON半分時間)である。これによってクランク34を0度付近に確実に配置することができる。
【0120】
さらに本実施形態では、制御部20は、排水装置30が起動されると、モータ39によってクランク34を複数回回転するように制御し、複数回回転させた際に制御部20によって測定された検出時間の半分の値を最新の停止時間として記憶部に記憶させる。排水装置30の起動時にイニシャル制御を実施することによって、最新の上センサON半分時間を取得することができる。これによってクランク34を0度付近に高精度に配置することができる。
【0121】
また本実施形態では、制御部20は、遠隔操作によって開閉操作がされた場合には、モータ39によってクランク34が回転駆動されてから検出範囲外になるまでの上センサON半分時間(開始時間)を測定する。また記憶部に記憶されている停止時間は、開始時間である。したがって開閉操作をするたびに最新の上センサON半分時間を取得することができる。これによってクランク34を0度付近に高精度に配置することができる。またモータ39の回転速度は制御部20から供給される電圧のばらつきや浴槽16内の湯のあり/なしによって変わるため、イニシャル制御以外の通常使用時に計測し直すことで、ロバスト性を向上することができる。
【0122】
このように本実施形態では、電気的に浴槽16の排水栓19を開閉できる排水装置30を給湯装置10の制御部20からコントロールできるようにすることで、スマートハウスやHEMSシステムのユーザの利便性を格段に向上させている。具体的には、外出先からスマートフォン43などによって湯張りを実施する場合は、浴槽16に備えられた排水装置30により自動的に浴槽16の排水栓19を閉状態にしてから湯張りを開始する。したがって外出前に浴槽16の排水栓19を閉めてくる必要がない。また浴槽16の排水栓19を閉め忘れても自動的に浴槽16の排水栓19を閉めてから湯張りするため湯が無駄になることがなく省エネ性が向上する。また外出先でもスマートフォン43などによって排水装置30に備えられた上センサ61および閉センサなどの情報により排水栓19の開閉状態がわかる。またクランク34を0°位置に戻すことで排水装置30上部にある手動スイッチ33が最上部に戻るためスイッチ部に隙間ができず見栄えをよくすることができる。
【0123】
また本実施形態では、給湯装置10の遠隔装置またはHEMSシステムの表示装置またはHEMSシステムとネットワークサーバで連携可能なスマートフォン43によって、遠隔操作することができる。遠隔操作(湯張りまたはふろ自動)がなされた場合は湯張りの出湯の前に排水栓19を開から閉に切り替えてから湯張りの出湯を実施する。または、所定の排水栓19の開(または閉)操作がなされた場合は排水栓19を閉から開(または開から閉)に切り替えることができる。さらに排水栓19の開閉状態を給湯装置10の遠隔装置またはHEMSシステムの表示装置またはHEMSシステムとネットワークサーバで連携可能なスマートフォン43などの情報端末装置に、アニメーション、文字またはLEDで、通知することができる。
【0124】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、
図25を用いて説明する。本実施形態では、制御部20をネットワークに接続した点に特徴を有する。
図25に示すように、給湯装置10Aの制御部20とルータ51とを配線52によって接続している。制御部20は、Ethernet回路(登録商標)とLANポートを内蔵する。これによってネットワーク対応していない台所リモコン42および浴室リモコン41を使用することができる。したがって台所リモコン42および浴室リモコン41のコストを抑制することができる。また台所リモコン42を介さずに直接制御部20から排水装置30をコントロールできるためレスポンスが向上することができる。
【0125】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に関して、
図26を用いて説明する。本実施形態では、制御部20が拡張基板70を介してネットワークに接続されている点に特徴を有する。
図26に示すように、拡張基板70とルータ51とを配線71によって接続している。拡張基板70は、Ethernet回路(登録商標)とLANポートを内蔵する。制御部20は、拡張基板70とシリアル通信で接続されている。これによって制御部20単体の製造コストを抑制することができる。またネットワーク対応していない台所リモコン42および浴室リモコン41を使用することができる。したがって台所リモコン42および浴室リモコン41のコストを抑制することができる。また台所リモコン42を介さずに直接制御部20から排水装置30をコントロールできるためレスポンスが向上することができる。
【0126】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に関して、
図27を用いて説明する。本実施形態では、貯湯タンク部12と台所リモコン42との連携に、ホームオートメーションシステム(HAシステムともいう)が用いられている点に特徴を有する。HAシステムは、日本電機工業会規格JEM1427HA端子(JEM−A)で定められた家庭内機器を相互に有機的に連携するシステムである。
【0127】
本実施形態では、制御部20がJEM−A通信用インターフェースユニット(IFU)75および拡張ECU74を介して台所リモコン42に接続されている。拡張ECU74と台所リモコン42とは、LANケーブル72と電力線73で接続されている。そして拡張ECU74は、JEM−A通信用IFU75とリモコン通信線でなくJEM−A通信線76で接続されている。JEM−A通信用IFU75は、JEM−A用処理部77と拡張ECU74とのインターフェース条件の整合性を図る機能を持つ。制御部20には、JEM−A用処理部77が内蔵されている。JEM−A用処理部77は、JEM−A通信用IFU75とJEM−A通信線76を介して接続されている。
【0128】
台所リモコン42に拡張ECU74などを介してJEM−A用処理部77と接続されると、排水装置30がHA機器として認識される。これによって台所リモコン42には、HA機器である排水栓19の状態を確認するためのスイッチ、すなわち排水栓スイッチ47が表示される。したがって台所リモコン42には、台所リモコン42の専用の排水栓スイッチでなく、HA接続機器に排水装置30を割り当ててHA機器として排水栓スイッチ47を操作することによって排水栓閉⇒開(または開⇒閉)を操作できる。
【0129】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0130】
上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
【0131】
前述の第1実施形態では、推進力受け部材37とワイヤ31とはノックカム38を介して機械的に接続されているが、ノックカム38を介することなく、推進力受け部材37が直接ワイヤ31を上下してもよい。
【0132】
前述の第1実施形態では、手動スイッチ33は、押下するスイッチに限るものではなく、回転レバーなど変位するスイッチであればよい。
【0133】
前述の第1実施形態では、開センサ62は、推進力受け部材37の位置を検出しているが、手動推進力伝達部材36の位置を検出してもよく、手動スイッチ33の位置を検出してもよい。