特開2015-28568(P2015-28568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-28568(P2015-28568A)
(43)【公開日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】画像表示処理装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20150116BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20150116BHJP
   G09G 5/391 20060101ALI20150116BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20150116BHJP
   G06F 3/153 20060101ALI20150116BHJP
【FI】
   G09G5/00 510V
   G09G5/00 555D
   G09G5/36 510M
   G09G5/00 520V
   G06F3/14 350A
   G06F3/153 333B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-158368(P2013-158368)
(22)【出願日】2013年7月30日
(71)【出願人】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100106426
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 賢二
(72)【発明者】
【氏名】岩戸 宏文
【テーマコード(参考)】
5B069
5C082
【Fターム(参考)】
5B069AA16
5B069BA04
5B069BB14
5B069BC02
5B069DD10
5B069KA02
5C082AA06
5C082AA34
5C082BA12
5C082BA34
5C082BA41
5C082BB01
5C082BB02
5C082BB22
5C082BB44
5C082BD09
5C082CA33
5C082CA54
5C082DA51
5C082MM02
(57)【要約】
【課題】 複数の画像を対応する複数の表示器に並列表示する際に、画像処理プロセッサの出力処理系の解像度に制約されることがない。
【解決手段】 画像処理プロセッサの送信処理部は、4個の表示器のそれぞれに並列的に表示されるべき、解像度w×hの画像を連結的に作成し、それらの画像の画像データを、水平解像度maxWを有する出力処理系を介して送信する際に、2w≦maxW<3wのとき、水平方向及び垂直方向に2×2で並べて送信する。特に、送信処理部の垂直解像度が1画素、すなわちラインバッファを備えている場合には、垂直方向にライン単位で分断して順に送信する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n個の表示器と、
そのn個の表示器のそれぞれに並列的に表示されるべき、解像度w×hのn個の画像を連結的に作成し、それらの画像の画像データを、水平解像度maxWを有する出力処理系を介して送信する画像処理プロセッサと、
その画像処理プロセッサから送信された画像データを受信し、前記n個の表示器に対応する各画像に分割して各表示器に送る画像分割処理部と、
を備える画像表示処理装置であって、
前記画像プロセッサは、前記出力処理系において、前記n個のうちの、以下の式を満たすi個ずつ水平方向に連結して送信することを特徴とする画像表示処理装置。
n=i×j+k(0≦k≦i−1)
w×i≦maxW<w×(i+1)
【請求項2】
前記出力処理系の垂直解像度maxHは、前記解像度hよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像表示処理装置。
【請求項3】
前記出力処理系の垂直解像度maxHが前記解像度hよりも小さい場合には、前記n個の画像を垂直方向について前記垂直解像度maxH単位で分断して順に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像表示処理装置。
【請求項4】
前記垂直解像度maxHは、1画素であることを特徴とする請求項3に記載の画像表示処理装置。
【請求項5】
w×i=maxWとなるように、前記n個の表示器の解像度wを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像表示処理装置。
【請求項6】
k=0であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示処理装置。
【請求項7】
n=4のとき、i=j=2であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示処理装置。
【請求項8】
前記画像は、動画像であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像表示処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示処理装置に関し、特に、複数の画像を対応する複数の表示器に並列表示するような画像表示処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のゲーム機やパチンコ機等の遊技機においては、複数の表示器(典型的には、液晶表示器)が備わり、それらの表示器に、とりわけ相互に連係する動画像を同時並列的に表示することがよく行われるようになってきている。かかる構成や機能を有する画像表示制御においては、無論、複数の表示器のそれぞれに対応した表示処理制御部(典型的には画像処理専用プロセッサ)及び表示指令制御部(典型的にはCPU)等を備え、最上段の表示指令制御部間で相互に同期・連係等をとりながら全並列的に処理することで並列画像表示を実現することも可能である。
【0003】
しかしながら、上述のような構成では、冗長であり、表示器の数に応じて回路規模が無駄に増してしまうという欠点がある。従って、最近では、かかる欠点を解消すべく、単一の表示指令制御部及び表示処理制御部等を介して、各表示器に表示すべき各画像を連結的に処理し、表示器の直前でそれらの複数の画像を分割してそれぞれの表示器に送るという構成が一般的となってきている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1においては、その図3及び図4(b)に示されているように、画像生成装置が、A画面用画像データ及びB画面用画像データをフレームメモリ上で水平方向に並べて配置して処理し、それらをライン単位で画像分割装置に送り、その画像分割装置が分割処理を行って、A画面用ディスプレイ及びB画面用ディスプレイのそれぞれに表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−003164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように処理では、表示器の数が増すにつれて、例えばその図15に示すように、フレームメモリ上で水平方向に配列させる画像データの数が増す。しかしながら、表示処理制御部の出力処理系の解像度、具体的には、送信バッファの容量、には上限があり、かかる方式で処理できる画像の数、言い換えればサポートできる表示器の数は、その水平解像度により制約されてしまう。図2及び図6は、かかる内容を説明するための図である。そこで、図2に示すように、例えば4つの液晶表示器3−1〜3−4に、それぞれ水平方向w画素、垂直方向h画素の画像[1]〜[4]を表示する場合を考える。一方、画像処理プロセッサの出力処理系が、水平解像度maxW及び垂直解像度maxHの解像度(水平方向maxW画素及び垂直方向maxH画素の送信バッファ)を有しているとすると、上述の方式のように単純に水平方向に連結した場合に、画像処理プロセッサの出力処理系の水平方向の容量を超えてしまう状態を図6が示している。逆に言えば、水平解像度maxWの出力処理系を有する画像処理プロセッサを用いて、例えば4つの同一の表示器に画像を表示する場合に、上記方式では、水平解像度maxW/4までの表示器しか採用できないという制約があることになる。
【0006】
一方、表示器にあっては、遊技機等の演出等の多様性に応じて、水平方向と垂直方向の大きさの比率が各種のものがあり、表示器の水平方向の解像度が高くなればなるほど、上述の数の制約は厳しくなってくる。
【0007】
本発明は上述のような事情から為されたものであり、本発明の目的は、複数の画像を対応する複数の表示器に並列表示する際に、画像処理プロセッサの出力処理系の解像度に制約されることのない画像表示処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の画像表示処理装置は、n個の表示器と、そのn個の表示器のそれぞれに並列的に表示されるべき、解像度w×hのn個の画像を連結的に作成し、それらの画像の画像データを、水平解像度maxWを有する出力処理系を介して送信する画像処理プロセッサと、その画像処理プロセッサから送信された画像データを受信し、前記n個の表示器に対応する各画像に分割して各表示器に送る画像分割処理部と、を備える画像表示処理装置であって、前記画像プロセッサは、前記出力処理系において、前記n個のうちの、以下の式を満たすi個ずつ水平方向に連結して送信することを特徴とする画像表示処理装置。
n=i×j+k(0≦k≦i−1)
w×i≦maxW<w×(i+1)
【0009】
ここで、前記出力処理系の垂直解像度maxHが、前記解像度hよりも大きければ好適である。
【0010】
一方、前記出力処理系の垂直解像度maxHが前記解像度hよりも小さい場合には、前記n個の画像を垂直方向について前記垂直解像度maxH単位で分断して順に送信する。典型的な場合としては、前記垂直解像度maxHは、1画素である。
【0011】
逆に、w×i=maxWとなるように、前記n個の表示器の解像度wを決定することができる。
【0012】
k=0であることが望ましい。例えば、n=4のとき、i=j=2である。
【0013】
前記画像は、動画像であることが一般的である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像処理プロセッサが、n個の液晶表示器のそれぞれに並列的に表示されるべき、解像度w×hのn個の画像を連結的に作成し、それらの画像の画像データを、水平解像度maxWを有する出力処理系を介して送信する際に、その画像処理プロセッサの出力処理系の解像度に制約されることなく送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の画像表示処理装置における一実施形態の構成を示す図である。
図2】各表示器にそれぞれ画像[1]〜画像[4]を表示する場合を示す図である。
図3】本発明の一例を説明するための図である。
図4】一般化した内容を説明するための図である。
図5】6つの表示器にそれぞれ画像[1]〜画像[6]を表示する場合を示す図である。
図6】従来の技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の画像表示処理装置における一実施形態の構成を示す図である。同図に示した装置は、画像処理プロセッサ1において連結構成した画像データPDを画像分割処理部2で分割して、それぞれを4つの同一の液晶表示器3−1〜3−4に表示するという構成を有している。ここで、画像処理プロセッサ1は、送信バッファ111を内蔵した送信処理部11を少なくとも有している。また、画像分割処理部2は、画像処理プロセッサ1から送られてきた画像データPDを制御信号CSのもとで受信する受信処理部21と、受信処理部21で受信された画像データPDを、選別して液晶表示器3−1〜3−4のそれぞれに対応した画像データに振り分ける処理をする画像データ振分け部22と、その画像データ振分け部22により振り分けられた画像データを格納するバッファ231−1〜231−4を有し、そのバッファ231−1〜231−4に格納された各画像データを処理して、各液晶表示器3−1〜3−4に表示可能な信号として生成する液晶信号生成部23−1〜23−4とを少なくとも有している。なお、図示しないが、画像データを圧縮して格納する画像ROMと上位CPUとが画像処理プロセッサ1には接続されており、画像処理プロセッサ1は、上位CPUからの指令に応じて、画像ROMから画像データを読み出してくるという構成が一般的である。従って、画像処理プロセッサ1は、データ伸長処理機能を有していることが一般的である。
【0017】
ここで、画像処理プロセッサ1から画像分割処理部2に送られる画像データPDの形式としては、例えばRGBやLVDS(Low Voltage Differential Signaling)がある。また、画像処理プロセッサ1と画像分割処理部2との間でやり取りされる制御信号CSの規格としては、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)がある。
【0018】
そこで、図2に示すように、液晶表示器3−1〜3−4に異なる画像[1]〜画像[4]をそれぞれ同時並列的に表示する場合を考える。なお、ここでは、典型的な例として、液晶表示器3−1〜3−4は、同一サイズの表示器であり、画像[1]〜画像[4]は同一のw×hのサイズを画像であるとする。しかしながら、本発明の主旨においては、各表示器は同一である必要はなく、また、各画像も同一サイズである必要はない。なお、画像としては静止画でもよいが、典型的には動画である。
【0019】
そこで、画像処理プロセッサ1が、図示しない上記CPUからの指令に応じて、図示しない画像ROMから画像[1]〜画像[4]のデータを読み出してきて、伸長等の処理を施して図示しないフレームメモリに展開した後、送信処理部11は、読み出してきて送信バッファ111に格納しつつ、送信バッファ111の容量単位で画像分割処理部2へ送信する。
【0020】
そこで、図3(a)を参照し、送信バッファ111が,水平解像度maxWを有するラインバッファである場合を説明する。ここで、2w<maxW<4wである。また、ラインバッファであるので基本的に垂直方向にはライン単位で分割する。従って、結局、画像[1]と画像[2]とを水平方向に対にしたライン画像データをまず送り、次に画像[3]と画像[4]とを水平方向に対にしたライン画像データ送り、そしてそれを繰り返すような送り方となる。この方式は、画像をライン単位で分割して送信しなければならないが、バッファ容量は最小限に抑えることができるという利点がある。
【0021】
次に、垂直方向にバッファ容量の制約がない場合を説明する。図3(b)を参照して、垂直解像度maxH>hであれば、画像[1]と画像[2]とを水平方向に対にして一括で送信できる。また、画像[3]と画像[4]も同様である。但し、受信側、すなわち液晶信号生成部23−1〜23−4内のバッファ231−1〜231−4の制約も受けることとなる。つまり、バッファ231−1〜231−4がラインバッファであれば、この場合でもライン単位で送信する必要がある。
【0022】
ところで、図1に示した例では、液晶表示器を4つとして説明したが、それに限られることはなく、本発明の主旨は、図4に示すように、n個の液晶表示器3−1〜3−nに拡張できる。例えば、図5は、6つの液晶表示器を備え、それぞれに画像[1]〜画像[6]を表示する例である。各画像をw’×h’の解像度とすると、2w’<maxWの場合である。このとき、画像[1]と画像[2]、画像[3]と画像[4]、画像[5]と画像[6]をそれぞれ対として、ライン単位で順次送信する。つまり、6つの画像を、水平方向に2つ並べ、垂直方向(時間方向)には3つをライン単位で分割して順次送信するやり方である。
【0023】
上述の6つの画像の場合、水平方向に3つ並べ、垂直方向(時間方向)には2つをライン単位で分割して順次送信するやり方となる場合もある。いずれにしても、水平方向の解像度を最大限に利用するという方針で送ればよい。なお、一般化すれば、n個の液晶表示器3−1〜3−nに同一解像度w×hの画像[1]〜画像[n]を表示するとして、水平方向にi個の組で送るとすると、以下の式を満たすような値iを選択すれば最適となる。
n=i×j+k(0≦k≦i−1)
w×i≦maxW<w×(i+1)
【0024】
なお、ここでは、各表示器は同一構成であり、従って表示すべき各画像の容量を同一としたが、備わる表示器が各種であり、それに応じて表示すべき各画像の容量が異なる場合でも、本発明を適用することは、当業者であれば容易に理解できるであろう。つまり、そのときでも水平方向解像度maxWを越えないような水平方向の画像の並べ方をすればよいのであるが、水平方向に並べる組となる画像の選択の仕方を工夫することで効果の差異がでてきることとなる。
【0025】
以上のように、上述の実施形態によれば、画像処理プロセッサ1が、n個の液晶表示器3−1〜3−nのそれぞれに並列的に表示されるべき、解像度w×hのn個の画像[1]〜画像[n]を連結的に作成し、それらの画像の画像データを、水平解像度maxWを有する出力処理系を介して送信する際に、その画像処理プロセッサの出力処理系の解像度に制約されることなく送信できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の画像表示処理装置は、複数の表示器を備えたゲーム機、パチンコ機等の遊技機に採用される。
【符号の説明】
【0027】
1 画像処理プロセッサ
11 送信処理部
111 送信バッファ
2 画像分割処理部
21 受信処理部
22 画像データ振分け部
23−1〜23−4 液晶信号生成部
231−1〜231−4 バッファ
3−1〜3−n 液晶表示器
図1
図2
図3
図4
図5
図6