特開2015-2962(P2015-2962A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015002962-靴等の履物用中敷 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-2962(P2015-2962A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】靴等の履物用中敷
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20141205BHJP
【FI】
   A43B17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-151043(P2013-151043)
(22)【出願日】2013年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】505113849
【氏名又は名称】株式会社 ライジングサン
(72)【発明者】
【氏名】小泉 里美
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050EA08
4F050HA40
4F050HA41
4F050HA45
4F050HA58
(57)【要約】
【課題】常に、体重が下腿骨に対して適切に掛かるので、歩行姿勢が良くなり、腰痛やO脚を防止・矯正することができ、健康の改善が図れる中敷。
【解決手段】中敷(1)の中央上部と外側(反土踏まず側)に最適な形状の第一隆起部(2)、第二隆起部(3)を配設し、歩行により、この2か所の隆起部で、当該反射区を適正に刺激したり、体重が適切に掛かるように構成した靴等の履物用中敷。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中敷(1)に足裏の反射区を刺激する第一隆起部(2)、第二隆起部(3)を設けた靴等の履物用中敷。
【請求項2】
前記第一隆起部(2)は、断面が略凸曲面の楕円形状又は円形状をしており、土踏まずの少し上方で、足の指を内側に曲げると形成される窪みの反射区を押圧する位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載の靴等の履物用中敷。
【請求項3】
前記第二隆起部(3)は、断面が略凸曲面の長楕円形状をしており、第4中足骨と第5中足骨間の延長線上で踵側から4cm〜13cmの所にある反射区を押圧する位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載の靴等の履物用中敷。
【請求項4】
前記第一隆起部(2)は直径2cm〜5cm、高さ3mm〜6mmの楕円形状又は、円形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の靴等の履物用中敷。
【請求項5】
前記第二隆起部(3)は幅1.5cm〜3cm、長さ4cm〜7cm、高さ3mm〜7mmの長楕円形状であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の靴等の履物用中敷。
【請求項6】
前記中敷(1)、第一隆起部(2)、第二隆起部(3)はEVA樹脂に粉末状の火山岩、水晶、ゲルマニウム、セラミックス等を配合した素材で形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の靴等の履物用中敷。
【請求項7】
前記第一隆起部(2)、第二隆起部(3)に粉末状の銅を配合したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の靴等の履物用中敷。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴、スリッパ、サンダル等の履物用の中敷であり、この中敷に設けた隆起部により、履物の装着時及び歩行時に足裏の反射区を押圧したり、O脚や姿勢の矯正に効果を発揮できる履物用中敷に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医学の進歩により人間の寿命は延び、いつまでも心臓や骨などは丈夫なままであるが、逆に足腰等の運動部位へのダメージは増大している。
健康寿命を達成するためには、正しい姿勢を保持することが必要であり、日本人の80%〜90%がO脚又はその予備軍であるという問題を解消することが必須の要件となる。従来から、履物中敷に土踏まずをサポートする突起を敷設した履物や足裏中央部分に突起を設けて反射区を押圧する中敷は公知である。しかし、中敷中央から外側(反土踏まず側)に突起を設けた中敷や履物は、知られていない。このような足裏の反射区をマッサージする履物として例えば特許文献1に開示されている靴の中敷では、足の裏のツボに相当する個所に形成された数個の穴に断面略凸状の突起を着脱自在に取付けかつその周辺に小突起を形成したもので、該突起は合成ゴムに各種のセラミックスあるいは銅粉末を混入した素材で形成しており、混入したセラミックスあるいは銅粉末の種類に応じて、各突起ごとに表面を色分けして、効果の配置が一目瞭然に分かるようにしている。また、特許文献2に開示されている靴の中敷では、ゴム材料等の弾性部材を足裏反射区に特定される内臓器官と関連した足裏の反射領域に接触するようにしており、弾性部材はツボを刺激するように複数の突起物を有しており、さらに、前記弾性部材には磁石を有し、足裏の血行を活性化させ、特定の内臓器官に刺激を与えて代謝機能を高めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実公平6−31926
【特許文献2】 特開2008−200252
【発明の概要】
【発明の解決しようとする課題】
【0004】
老化や運動不足で足の筋力が弱ってくると、膝下の力が分散し、外側への力がかかる事で歩行時、外方向へ流れるような歩き方になる。そうすると、ねじれストレスが膝下の脛の外側にかかり、O脚の最大の原因となる。膝下の下腿骨は、脛骨と腓骨の2本の骨で構成されており、ここにねじれストレスが加わると、脛の外側にある腓骨(細い骨)の外側にはみ出してしまい、膝蓋骨との間の関節軟骨の摩擦で膝痛を又、体の重心が前に偏ることで猫背になり、悪い姿勢から腰痛を引き起こしてしまうという課題がある。
【0005】
従来より、突起によって足裏にある反射区(ツボ)を刺激して、足裏をマッサージする履物や内アーチを弱らせないよう土踏まず部分をサポートする突起を敷設した履物はよく知られている。
しかし、特許文献1の考案では、突起により足裏の反射区を自重で刺激することで、健康上の効果が期待できるものであるが、前記突起は略砲弾形状をした複数個の突起で形成しており、その周辺に小突起を形成したものである。前記突起の単体の接触面積は小さく、自重で反射区を長時間刺激すると痛みを感じる恐れがあり、長時間の使用には適さない。そして、本考案は足裏の中央部と土踏まず部の反射区を刺激するように形成しており、第5中足骨側にある反射区を刺激したり、下腿骨に垂直に体重が掛かるようにするための突起は配設していない。
【0006】
また、特許文献2の発明では、中敷に足裏の内臓器官の反射区に接触する弾性部材を配設し、前記弾性部材を複数の突起物で形成したものであり、本発明も第5中足骨側にある反射区を刺激したり、下腿骨に垂直に体重が掛かるようにするための突起は配設していない。
【0007】
そこで本発明は、前述の課題を解決するために、中敷の中央上部と外側(反土踏まず側)に最適な形状の突起を配設し、当該反射区を適正に刺激したり、体重が適正に掛かるように構成した靴等の履物用中敷を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の第一の特徴(請求項1に記載の発明)は、履物用中敷において、中敷に足裏の反射区を刺激する第一隆起部、第二隆起部を設け、足裏にある二か所の反射区を同時に刺激するようにしたものである。
【0009】
また、本発明の第二の特徴(請求項2に記載の発明)は、前記第一隆起部は、断面が略凸曲面の楕円形状又は円形状をしており、土踏まずの少し上方で、足の指を内側に曲げると形成される窪みの反射区を押圧する位置に配設した靴等の履物用中敷である。
【0010】
本発明の第三の特徴(請求項3に記載の発明)は、前記第二隆起部は、断面が略凸曲面の長楕円形状をしており、第4中足骨と第5中足骨間の延長線上で踵側から4cm〜13cmの所にある反射区を押圧する位置に配設した靴等の履物用中敷である。
【0011】
本発明の第四の特徴(請求項4に記載の発明)は、前記第一隆起部は直径2cm〜5cm、高さ3mm〜6mmの楕円形状又は、円形状をした靴等の履物用中敷である。
【0012】
本発明の第五の特徴(請求項5に記載の発明)は、前記第二隆起部は幅1.5cm〜3cm、長さ4cm〜7cm、高さ3mm〜7mmの長楕円形状をした靴等の履物用中敷である。
【0013】
本発明の第六の特徴(請求項6に記載の発明)は、前記中敷、第一隆起部、第二隆起部はEVA樹脂に粉末状の火山岩、水晶、ゲルマニウム、セラミック等を配合した素材で形成した靴等の履物用中敷である。
【0014】
本発明の第七の特徴(請求項7に記載の発明)は、前記第一隆起部、第二隆起部に粉末状の銅を配合した靴等の履物用中敷である。
【0015】
本発明によれば、中敷の中央より外側に隆起部を設けて、足底の外側を少し高くすることで、脛骨の中心に膝蓋骨が乗り、体重が真っ直ぐ脛骨にかかるようにすることで膝蓋骨が安定し、膝に余計な負担をかけないことで膝痛を緩和する。又、さらに足底を安定させる為に中敷の中央より上の方向にある湧泉のツボを刺激する隆起を設け、前傾姿勢に成りがちな身体を真っすぐになるように姿勢を整える。姿勢がよくなると腰痛を緩和し、O脚になる事を防止・矯正するようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の中敷を靴・サンダル・スリッパ等に使用すれば、中敷に設けた2か所の隆起により、両膝が閉じやすくなり、O脚を補正、湧泉のツボ効果で足のむくみを取り、体力や気力を高め、外反母趾の進行を止めるとともに、歩行姿勢が良くなり正しい歩行が出来る。そして、中敷表面に光触媒加工を施すことで、抗菌・防汚・消臭効果、又、突起部分に粉末状にした銅・トルマリン等を混入することで身体に帯電した静電気を中敷の底から放出して、疲労回復を促進する。
さらに、本発明には多くの機能を有しており、この中敷を履くことで以下の機能障害を改善することができるという効果がある。
・全身の骨格のバランスを改善する基礎をつくる・冷え、むくみの改善・足首、膝、腰痛の改善・外(内)反母趾の改善・下肢静脈瘤の改善・シェイプアップ・運動機能の向上・猫背の改善・疲労回復・健康維持
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の中敷の平面図
図2】本発明の第一隆起部を側面から見た断面図
図3】本発明の第二隆起部を側面から見た断面図
図4】下腿骨の構成図
【発明を実施する為の形態】
【0018】
以下、この発明に係る靴等の履物用中敷について、図面に基づき説明する。
図1は本発明の中敷1の平面図であり、前記中敷1の素材として、EVA(エチレン酢酸ビニール共重合樹脂)樹脂で形成することで、体重をかけて押圧した時、硬過ぎず柔らか過ぎず長時間使用しても疲れにくい素材である。尚、素材は本樹脂と同等、弾力性等の性能を有するものであればEVA樹脂に限定するものではない。そして、前記EVA樹脂に遠赤外線効果の高い火山岩、水晶、ゲルマニウム、セラミックス等の粉末を練り込むことにより、血行を促進し足の裏に溜まった老廃物を早く排出し、足のむくみを取り去る。足の嫌なニオイや雑菌の繁殖を防ぐ為、中敷1の表面に光触媒加工を施し、光を当てることで清潔に分解する。
【0019】
図1の符号2は第一隆起部であり、土踏まずの少し上方で、足の指を内側に曲げると第2指と第3指の間に形成される窪みの反射区(湧泉のツボ)を押圧する位置に配設しており、該第一隆起部2により、足裏を安定させ、持ち上げる事で外反母趾の進行を止め前傾しがちな体勢を治し、姿勢を良くするようにしている。符号3は、第二隆起部であり、第4中足骨と第5中足骨間の延長線上で踵側から4cm〜13cmの所にある反射区(大腸から膝に繋がるツボ)を押圧する位置に配設しており、該第二隆起部3により、足底の外側を少し高くすることで、歩行時、自然に膝と膝が閉じ、O脚を防止し、O脚の改善と同時に猫背も矯正される。前記第一隆起部2、第二隆起部3の他に、内アーチ4(土踏まず)をカバーする突起を設けても良い。前記第二隆起部3の作用により、図4に示す下腿骨5の脛骨9の中心に膝蓋骨10が乗り、体重が真っ直ぐ脛骨9にかかるようにすることで膝蓋骨10が安定し、膝に余計な負担をかけないことで膝痛を緩和する。また、前記第一隆起部2及び第二隆起部3に粉末状の銅やトルマリン等を練り込むことで、身体に帯電した静電気を中敷1の底から放電させて、疲労回復を促進させることもできる。
【0020】
図2は第一隆起部2の側断面図であり、前記第一隆起部2は、断面が略凸曲面をした楕円形状又は円形状をしており、大きさは直径2cm〜5cm、高さ3mm〜7mmである。前記第一隆起部2により、歩く度にマッサージ効果を高め、万能のツボと言われる湧泉のツボを刺激することで、腎臓・肝臓・尿管・膀胱のツボへと隣接するため毒素をすばやく排泄し、疲労物質が無くなることで足のむくみが取れ、のぼせ改善、姿勢が良くなる事で腰痛を軽減、老化を抑えアンチエイジング効果が期待できる。
【0021】
図3は第二隆起部3の側断面図であり、前記第二隆起部3は、断面が略凸曲面をした長楕円形状をしており、幅1.5cm〜3cm、長さ4cm〜7cm、高さ3mm〜7mmであり、大腸から膝に繋がるツボを刺激するように隆起している。日本人の8割〜9割までがO脚であると言われており、日常生活習慣の中に本発明の履物用中敷を使用した靴やサンダル・スリッパを履くことで、猫背やO脚が徐々に改善していくものである。前記第二隆起部3の作用で自然に膝と膝が閉じ、O脚を防止し、O脚の改善と同時に猫背も矯正される。
【0022】
図4は後方から見た人の左足の下腿骨5の構成図であり、踵骨6の上に距骨7が乗り、その上に腓骨8が脛骨9に添うようにして真っすぐ乗る形である。
O脚の場合、地面を平行に踵から膝裏を繋ぐ線が上に向いて中心線からずれて曲がり外側に膨れ、腓骨8(細い骨)寄りに体重がかかる。その為、膝蓋骨10がズレて脛骨9との間のクッションである関節軟骨11が摩耗して、激しく痛みを生じる。進行すると膝関節症等の膝の病気を引き起こす。又、膝の痛みをかばうことで、腰痛を引き起こす要因となる。その為、外側へとかかる体重を脛骨9と腓骨9の2本の骨の上に移動させ、正常な位置にもどす必要がある。
膝蓋骨10の位置と重量方向が正常になれば、関節軟膏11の摩擦が緩和できる。
姿勢の悪い人は前傾姿勢になり、体重のかかる部位が偏り、膝に余計な負担をかけてしまう。それをかばう為に腰痛まで引き起こす。本発明の履物用中敷を使用することで、踵から踏み出し体重移動しながら、つま先で蹴るといった正しい歩行姿勢が身につき、日々歩くことで下股に筋肉がつき、つまずき、転倒といったケガを防ぐことができる。そして、「老化は足から」歩く事、歩ける事が元気な若々しい健康体をつくることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この発明に係る靴等の履物用中敷は、人体の足裏にある湧泉のツボを刺激すると同時に、外側に開き気味になりやすい膝を中央に寄せることが出来、膝痛や腰痛の軽減、正しい歩行姿勢の保持のための履物用中敷として利用できるものである。
【符号の説明】
【0024】
1 中敷
2 第一隆起部
3 第二隆起部
4 内アーチ
5 下腿骨
6 踵骨
7 距骨
8 腓骨
9 脛骨
10 膝蓋骨
11 関節軟骨
図1
図2
図3
図4