(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-3336(P2015-3336A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】スライド固定装置
(51)【国際特許分類】
B30B 15/28 20060101AFI20141205BHJP
【FI】
B30B15/28 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-131464(P2013-131464)
(22)【出願日】2013年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000102452
【氏名又は名称】エスアールエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊
(72)【発明者】
【氏名】垣渕 貴美
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 幸伸
【テーマコード(参考)】
4E089
【Fターム(参考)】
4E089JJ01
4E089JJ05
(57)【要約】
【課題】 スライド固定の解除のために駆動手段を駆動するまでの待ち時間を短縮する。
【解決手段】プレス機械に固定された本体12内に、雄ねじ部材10を配置し、本体12内の雌ねじ部材14に部材10を螺合させ、スライドをその下方より係止可能な係止部8を部材10の下端に設け、部材14に筒状部材16を外挿し、部材16が部材14を昇降可能に支持し、バネ34が本体12に対し部材16を上方へ弾性支持し、部材14の駆動手段44での回転で部材10を上昇させスライドを係止部8で係止させ、その係止後部材14と部材16が降下し、その降下時に本体12と部材16との間に油室48の圧力が上昇する環状流体シリンダを形成してある。本体12に油タンク54を設け、油タンク54と油室48との間の通路64にリリーフ弁64を設けてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置し、前記本体内に配置した雌ねじ部材に前記雄ねじ部材を螺合させ、前記プレス機械が有するスライドを、前記スライドの下方より係止可能な係止部を前記雄ねじ部材の下端に設け、前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿しかつ前記筒状部材が前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持し、複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持し、前記雌ねじ部材を駆動手段が回転させることによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下し、前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダを形成し、前記本体に流体タンクを設け、前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路を設けたスライド固定装置において、
前記流体シリンダの圧力が予め定めた設定圧力を超えたとき、開弁して前記流体タンクに前記流体シリンダの流体を流し、前記流体シリンダの圧力が設定圧力になると閉弁する弁を、前記通路に設けたスライド固定装置。
【請求項2】
請求項1記載のスライド固定装置において、前記設定圧力は、第1及び第2の設定圧力を有し、第2の設定圧力は、第1の設定圧力よりも高く設定され、前記弁は前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき開弁して、前記流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止まで前記流体シリンダの圧力を前記第2の設定圧力以上に維持し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下すると、閉弁するものであるスライド固定装置。
【請求項3】
請求項2記載のスライド固定装置において、前記弁は、
前記通路に接続された入力ポートと、
前記入力ポートに形成された弁室に配置され、前記通路を開閉する第1の弁体と、
前記入力ポートに連なると共に、前記流体タンクに接続された出力ポートを有し、前記入力ポートよりも横断面積が広い部屋と、
前記部屋内に配置され、前記弁体に接触して前記通路側に押圧する第1の弾性手段と、
前記部屋内の前記弁室に近い位置に配置され、前記第1の弁体の前記部屋側への移動によって前記部屋内に移動するように設けられた第2の弁体と、
前記部屋内に配置され、前記第2の弁体に接触して前記弁室側に押圧する第2の弾性手段とを、
具備し、第2の弾性手段の弾性力が、第1の弾性手段の弾性力よりも大きく設定された
スライド固定装置。
【請求項4】
請求項1記載のスライド固定装置において、前記弁は、第1及び第2の弁からなり、第1及び第2の弁は、前記通路に並列に設けられ、前記第1の弁は、予め定めた第1の設定圧力よりも前記通路の圧力が大きくなったとき開弁し、かつ前記通路の圧力が前記第1の設定圧力になったとき閉弁し、前記第2の弁は、前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力よりも前記通路の圧力が大きくなったとき開弁し、かつ前記通路の圧力が前記第2の設定圧力になったとき閉弁するスライド固定装置。
【請求項5】
請求項1記載のスライド固定装置において、前記弁は、第1及び第2の弁からなり、第1及び第2の弁は、前記通路に直列に設けられ、前記第1の弁は、予め定めた第1の設定圧力よりも前記通路の圧力が大きくなったとき開弁し、かつ前記通路の圧力が前記第1の設定圧力になったとき閉弁するもので、前記環状流体シリンダの流体室側に設けられ、前記第2の弁は、前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力よりも前記通路の圧力が大きくなったとき開弁し、かつ前記通路の圧力が前記第2の設定圧力になったとき閉弁するもので、前記流体タンク側に設けられているスライド固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプレス機械を修理したり、プレス機械の金型の交換や修理をしたりするとき、プレス機械の本体に対しプレス機械が備えるスライドの下降を阻止するように、スライドを固定するスライド固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のスライド固定装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1のスライド固定装置は、プレス機械のプレス本体に対しスライドを固定解除可能に固定してスライドの下降移動を規制するものである。このスライド固定装置では、プレス本体側に本体フレームを固定してある。この本体フレームにスクリューシャフトが鉛直に挿通され、スクリューシャフトの下端部に、スライドを下方から係止可能な係止部が設けられている。本体フレームに回転自在にナット部材が支持されている。このナット部材はスクリューシャフトに螺合させられ、回転駆動手段がナット部材を回転駆動する。ナット部材に外嵌された筒状部材がナット部材と共に昇降可能とされている。筒状部材を本体フレームに対して上方へ複数の付勢部材が弾性付勢する。筒状部材と本体フレームとに環状油圧シリンダが形成され、本体フレームに油タンクが形成されている。環状油圧シリンダの油室が、油タンクに絞り油路を介して接続されている。
【0003】
特許文献1の技術によれば、回転駆動手段がナット部材を回転駆動したとき、筒状部材とナット部材とは付勢部材により上方へ持ち上げられているので、本体フレームに対して筒状部材とナット部材とが所定距離だけ浮上した状態のまま、スクリューシャフトが上昇し、その下端の係止部がスライドの下面に当接する。このとき、スクリューシャフトは上昇せず、ナット部材が回転し、本体フレームに対して筒状部材とナット部材とが降下して、環状油圧シリンダの油室の油圧が上昇し、その上昇した油圧による油圧力によって筒状部材とナット部材とが支持される。このとき、油室の油圧の一部が絞り油路を介して油タンクへ流されるが、油室の油圧は高い圧力に維持された状態において固定動作が完了し、別途設ける検出スイッチからの検出信号に基づいて回転駆動手段が停止される。その後、スライドを固定したまま時間が経過すると、油室内の油が絞り通路を介して油タンクに漏出する。従って、スライドの固定を解除する際に、ナット部材を逆転させる回転駆動手段の脱出トルクを小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3922609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によれば、スライドの固定を解除する際の回転駆動手段の脱出トルクを小さくすることはできるが、絞りを使用しているので、脱出トルクを小さくすることができる圧力にまで、油室の圧力を低下させるのに時間がかかる。そのため、スライド固定装置を連続運転する必要がある場合、待ち時間が長くなるという問題点がある。
【0006】
本発明は、スライドの固定を解除するために駆動手段を駆動するまでの待ち時間を短縮することができるスライド固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のスライド固定装置では、プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置してある。前記本体内に雌ねじ部材が配置され、この雌ねじ部材に前記雄ねじ部材が螺合している。前記雄ねじ部材の下端に係止部が設けられている。係止部は、前記プレス本体に設けたスライドの下方よりスライドに係止可能である。前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿してある。前記筒状部材は前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持している。複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持している。前記雌ねじ部材を駆動手段が回転することによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後、前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下する。前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダが形成されている。前記本体に流体タンクが設けられている。前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路が設けられている。流体としては、例えば液体または気体を使用することができる。液体としては、例えば油または水を使用でき、気体としては、例えば空気を使用することができる。前記流体シリンダの圧力が予め定めた設定圧力を超えたとき、前記流体タンクに前記流体シリンダの流体を流し、前記流体シリンダの圧力が設定圧力になったとき閉弁する弁が、前記通路に設けられている。
【0008】
このように構成されたスライド固定装置では、駆動手段が雌ねじ部材を回転駆動すると、雄ねじ部材が上昇し、その下端の係止部がスライドの下面に接触する。それ以後、雄ねじ部材は上昇せずに、雌ねじ部材が回転するので、本体に対して筒状部材と雌ねじ部材とが弾性手段の弾性力に抗して降下し、環状流体シリンダの流体圧が上昇していくが、前記弁の設定圧力を流体圧が超えると、弁が開弁し、環状流体シリンダの流体が流体タンクに流れ、雌ねじ部材と筒状部材とは速やかに降下する。この降下が検知手段によって検知され、駆動手段が停止される。やがて、雌ねじ部材と筒状部材との降下が停止し、開弁している弁による流体の排出により環状流体シリンダの流体圧が低下する。やがて、環状流体シリンダの流体圧が弁の設定圧となると、弁が閉じられ、環状流体シリンダの圧力は、弁の設定圧力に維持される。環状流体シリンダの圧力は、弁の設定圧力に等しいので、スライドの固定力が低下しており、固定を解除するために雌ねじ部材を逆転させる脱出トルクを小さくすることができる。また、前記弁を使用しているので、油室の圧力を低下させるのに必要な時間が短く、スライド固定装置を連続運転する必要がある場合でも、待ち時間を短くできる。
【0009】
前記設定圧力は、第1及び第2の設定圧力を有し、第2の設定圧力は、第1の設定圧力よりも高く設定されたものとすることができる。この場合、前記弁は前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき開弁して、前記流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止まで前記流体シリンダの圧力を前記第2の設定圧力以上に維持し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下すると、閉弁するものである。
【0010】
この構成では、駆動手段が雌ねじ部材を回転駆動することに起因して、本体に対して筒状部材と雌ねじ部材とが弾性手段の弾性力に抗して降下する点までは、上記の態様と同様に動作する。筒状部材と雌ねじ部材の降下により、環状流体シリンダの流体圧が上昇していくが、設定圧力が低く設定されている第1の設定圧力を流体圧が超えると、弁が開弁し、環状流体シリンダの流体が流体タンクに流れ、雌ねじ部材と筒状部材とは降下する。この降下が検知手段によって検知され、駆動手段が停止される。雌ねじ部材と筒状部材との降下は惰性により継続するが、流体シリンダの圧力を第2の設定圧力以上に維持しているので、弁が開弁されていても環状流体シリンダの流体圧は上昇を継続する。やがて、雌ねじ部材と筒状部材との降下が停止する。流体シリンダの圧力を第2の設定圧力以上に維持しているので、雌ねじ部材及び筒状部材の停止までのストロークは、第2の設定圧力以上に流体シリンダの圧力を制限しなかった場合よりも短い。雌ねじ部材及び筒状部材の降下停止に伴い環状流体シリンダの流体圧の上昇が停止し、急速に環状流体シリンダの流体が流体タンクに前記弁を介して排出され、環状流体シリンダの流体圧が低下する。やがて、環状流体シリンダの流体圧が第1の設定圧力に低下すると、弁が閉じられ、環状流体シリンダの圧力は、第1の設定圧力に維持される。その結果、環状流体シリンダの圧力は低い第1の設定圧力に等しいので、スライドの固定力が低下しており、固定を解除するために雌ねじ部材を逆転させる脱出トルクを小さくすることができる。しかも、弁の設定圧力を途中で第2の設定圧力に増加させているので、雌ねじ部材及び筒状部材が停止するまでのストロークを短くできる。また、雌ねじ部材及び筒状部材が停止した後には、雌ねじ部材を逆転可能な状態とするまでに要する時間を短縮することができる。また、弁が閉じられた後には、低い第1の設定圧力に環状流体シリンダの圧力が保たれているので、この圧力が雌ねじ部材及び筒状部材に対して緩衝作用を行う。
【0011】
また、前記弁は、前記通路に接続された入力ポートを有するものとできる。この場合、前記入力ポートに形成された弁室に第1の弁体が配置され、この第1の弁体が前記通路を開閉する。入力ポートに連なると共に、前記流体タンクに接続された出力ポートを有している部屋が設けられている。この部屋は、前記入力ポートよりも横断面積が広い。前記部屋内に第1の弾性手段が配置され、前記弁体に接触して前記通路側に押圧する。前記部屋内の前記弁室に近い位置に第2の弁体が配置され、第2の弁体は、第1の弁体の前記部屋側への移動によって前記部屋内に移動する。前記部屋内に第2の弾性手段が配置され、前記第2の弁体に接触して前記弁室側に押圧する。第2の弾性手段の弾性力が、第1の弾性手段の弾性力よりも大きく設定されている。
【0012】
このように構成すると、第2の弁体は、第1の弁体によって移動させられるように構成してあるので、第2の弁体を移動させるための流体を導入するための入力ポートを別途設ける必要は無く、入力ポートは1つだけ設ければよい。また第1及び第2の弁体に対する第1及び第2の弾性手段を収容している部屋に流体を導入し、この部屋に出力ポートを設けるようにしてあるので、出力ポートも1つだけ設ければよい。従って、構成を簡略化することができる。この弁は、流体タンクの外殻に設けることが望ましい。これによってスライド固定装置の構成をコンパクトにすることができる。
【0013】
本発明の他の態様のスライド固定装置は、上述した態様のスライド固定装置において、前記の弁に代えて、前記通路に並列に第1及び第2の弁を設けたものである。第1の弁は、前記流体シリンダの圧力が予め定めた第1の設定圧力を超えたとき、開弁して前記流体タンクに前記流体シリンダの流体を流し、第2の弁は、前記流体シリンダの圧力が第1の設定圧力よりも高く設定した第2の設定圧力を超えると開弁し、前記流体シリンダの圧力が前記第2の設定圧力になると、閉弁する。第1の弁は、前記流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力になると、閉弁する。このスライド固定装置も、上述した態様のスライド固定装置と同様に動作する。
【0014】
本発明の別の態様のスライド固定装置も、上述した態様のスライド固定装置において、前記の弁に代えて、前記通路に並列に第1及び第2の弁を設けたものである。第1の弁は、前記流体シリンダの圧力が予め定めた第1の設定圧力を超えたとき、開弁するもので、前記環状流体シリンダの流体室側に設けられている。前記第2の弁は、前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力よりも前記通路の圧力が大きくなったとき開弁し、かつ前記通路の圧力が前記第2の設定圧力になったとき閉弁するもので、前記流体タンク側に設けられている。このスライド固定装置も、上述した態様のスライド固定装置と同様に動作する。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、スライドの固定を解除するために駆動手段を駆動するまでの待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態のスライド固定装置の油タンク付近の縦断側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態のスライド固定装置の部分破断正面図である。
【
図5】
図4のスライド固定装置の動作説明図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態のスライド固定装置の油圧回路図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態のスライド固定装置の油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1実施形態のスライド固定装置は、例えばプレス機械に使用されるものである。プレス機械はプレス本体を有し、プレス本体では、上部フレームと、その下方に間隔をあけて位置する下部フレームとが、上部フレームの下面と下部フレームの上面とが対向するように配置されている。上部フレームの下面の4隅と下部フレームの上面の4隅とが、脚フレームによって結合されている。これら脚フレームに昇降自在にスライドが案内され、スライドは上部フレーム内に設けた駆動手段、例えば油圧シリンダで昇降駆動される。スライドの下面に金型の上部金型が取り外し可能に固定され、下部フレームの上面に金型の下部金型が取り外し可能に固定されている。
【0018】
プレス機械を補修したり、金型の交換または補修をしたりする場合に、スライドが下降するのを阻止するために、
図4に示すスライド固定装置2が使用される。プレス本体に1対のスライド固定装置2が設けられている。スライドには
図4に示すように、固定用張り出し部4が設けられている。この張り出し部4の先端には、前方が開放したU字状の切欠6が形成されている。この切欠6の下面下方に、スライド固定装置2が備える係止部8が位置している。この係止部8が上昇して、切欠6の下面に接触してスライドを係止する。この係止部8は、昇降する雄ねじ部材10の下端に、雄ねじ部材10と共に逆T字状をなすように取り付けられている。張り出し部4を係止する場合には、係止部8が切欠6に対して交差するように雄ねじ部材10が回転させられ、プレス機械を通常に使用する場合、係止部8が切欠6を通過するように雄ねじ部材10が回転させられる。
【0019】
雄ねじ部材10は、鉛直に配置され、その上部が、スライド固定装置2の本体12の下部13を貫通して本体12内に収容されている。本体12内において、雄ねじ部材10の上部は、雌ねじ部材14に螺合している。雌ねじ部材14は、概略円筒状で、その内周面に雌ねじが形成され、その外周面が筒状部材16の内周面に嵌められている。筒状部材16は、外周面が本体12の胴部17の内周面に接しており、本体12の長さ方向、即ち上下方向に摺動可能に配置されている。雌ねじ部材14の上端部はラジアル軸受18を介して筒状部材16に支持されている。このラジアル軸受18を介して筒状部材16は雌ねじ部材14と共に、本体12の長さ方向に摺動可能である。筒状部材16の下端が下部13に接触することによって下方への移動が制限され、筒状部材16の上端が胴部17の上端に接触することによって上方への移動が規制されている。雌ねじ部材14の下端部はニードル軸受20を介して筒状部材16に支持されている。この支持によって、雌ねじ部材14は、筒状部材16に対して回転自在である。
【0020】
雌ねじ部材14の中途の外面側には、その外径を小さくすることによって環状の段部22が形成され、この段部22を受けるように、筒状部材16の内面中途にはその内径を小さくすることによって環状の段部支持部24が形成されている。筒状部材16の外面側には、本体12の長さ方向に沿って短い溝26が形成され、この溝26には胴部17を貫通したピン28が挿入されており、これら溝26とピン28とによって筒状部材16の回転が規制されている。
【0021】
本体12の下部13の中央には凹所32が形成され、この凹所32の内周面に沿って複数の弾性手段、例えば圧縮バネ34が配置されている。これら圧縮バネ34が、筒状部材16を凹所32の下面に対して浮上させている。この浮上によって、圧縮バネ34の収容用壁36の上面に対して筒状部材16の下面が隙間を形成している。
【0022】
雄ねじ部材10の外面には1条のカム溝38が、雄ねじ部材10の長さ方向に沿って形成されている。カム溝38は、雄ねじ部材10の頂部付近以外では直線上に形成され、頂部付近では、90度の範囲に亘りらせん溝に形成されている。このらせん溝の部分に遊転ローラ40が係合し、遊転ローラ40は、本体12の上壁41に設けた枢支ピン42に枢支されている。このカム溝38と遊転ローラ40とによって、雄ねじ部材10が上昇する際に、上述したように係止部8が切欠6を通過する状態から係止部8が切欠6に係合する状態に切り換えられる。
【0023】
雌ねじ部材14を回転駆動するために、駆動手段が設けられている。駆動手段は、例えば電動モータ44と、回転伝達機構46とからなる。回転伝達機構46は、雌ねじ部材14の上端に固定された従動ギヤ46aと、電動モータ44の軸に結合された出力ギヤ46bと、出力ギヤ46bの回転を従動ギヤ46aに伝達する中間ギヤ46cとを備えている。
【0024】
筒状部材16の下部外周面と、これに対応する本体12の胴部17の内周面との間には、
図1に示すように環状流体シリンダ、例えば環状油圧シリンダが構成されている。即ち、流体室、例えば油室48の大部分を形成するように、筒状部材16の下部の外径が縮小され、筒状部材16の縮小部分の上部がピストンとして機能する。油室48の体積は、筒状部材16がピストンとして降下することによって縮小される。このピストンのストッパとして機能するように、下部13の上面の油室48に対応する位置には、環状壁部50が形成されている。この油室48は、胴部17の外部に設けた流体タンク、例えば油タンク54に胴部17に設けた通路を介して接続されている。
【0025】
即ち、油室48は、
図1に示すように通路56と、油タンク54の壁部に設けたそれぞれチェック弁58を有する通路60とからなる戻り通路を介して油タンク54内に連通されている。これによって、油タンク54内の油が油室48内に供給されている。なお、通路56、60とは、筒状部材16及び雌ねじ部材14が降下した状態においても油室48を油タンク54に接続可能な位置に設置されている。
【0026】
また、油室48は、
図2に示すように胴部17に設けた通路62と、油タンク54の壁部にL字状に設けた通路64とからなる通路、例えばリリーフ用通路を介して、油タンク54の外殻55に設けた弁、例えばリリーフ弁66の入力ポートに接続されている。また、リリーフ弁66の出力ポートは、
図1に示すように、通路68を介して油タンク54に接続されている。なお、通路62、64は、筒状部材16及び雌ねじ部材14が降下した状態においても油室48を油タンク54に接続可能な位置に設置されている。
【0027】
リリーフ弁66は、直動型のもので、
図1及び
図2に示すように、細長い筒状のリリーフ弁本体70を有し、その一端部が通路64に接続されて、入力ポートとされている。
【0028】
この入力ポートに連なってリリーフ弁本体70内に弁室72が形成されている。この弁室72の通路64側に弁座73が形成され、この弁座73に接触した状態で第1の弁体、例えばボール弁74が配置されている。このボール弁74が、リリーフ弁本体70の長さ方向に進退することによって、弁座73に着座、離座して、通路64を開閉可能である。弁室72に連なって、これよりも大きい一様な横断面積を持つ部屋、例えばバネ室76がリリーフ弁本体70の他方の端付近まで形成されている。バネ室76の他方の端付近には、弾性体受け部、例えばバネ受け78が弁リリーフ弁本体70の長さ方向に沿って摺動可能に配置されている。このバネ受け78とボール弁74とに両端が接触した状態で、バネ室76の中央に第1の弾性手段、例えば低圧用バネ、具体的には低圧用コイルバネ80が配置されている。この低圧用コイルバネ80の弾性力、例えばバネ力は、低圧用コイルバネ80がボール弁74を弁座73に押圧しているが、通路64の油の圧力が後述するように上昇して、ボール弁74にかかる力がバネ力よりも大きくなったとき、ボール弁74が弁座73から離れるように設定されている。バネ室76の中途に出力ポートが設けられ、これが、通路68を介して油タンク54に接続されている。
【0029】
バネ受け78におけるバネ室76と反対側の面には、弾性体受け部押圧部材、例えばバネ受け押圧部材、具体的にはボルト82が、その先端をバネ受け78に接触させた状態で配置されている。このボルト82の基端は、リリーフ弁本体70の外部に突出している。このボルト82の中途にリリーフ弁本体70の外部で、固定部材、例えばナット84が螺合し、ボルト82を固定している。ボルト82の先端のバネ室76内での位置を調整して、ナット84によって固定することによって、バネ受け78のバネ室76における位置が調整される。これによって、低圧用コイルバネ80の圧縮状態が調整され、低圧用コイルバネ80がボール弁74を押圧する力が調整される。
【0030】
低圧用コイルバネ80のバネ力に抗して、ボール弁74がバネ室76側に移動したとき、通路64内の油がバネ室76に入り、通路68を介して油タンク54に排出される。
【0031】
バネ室76及び弁室72側の端には、第2の弁体、例えば環状のバネ受け86が配置されている。このバネ受け86は、バネ室76の端を覆うように配置され、孔を中央に有している。このバネ受け86は、バネ室76内をその長さ方向に沿って摺動可能であり、ボール弁74がバネ室76側に移動してバネ受け86の孔に接触したとき、ボール弁74と共にバネ受け86は、バネ室76の長さ方向に沿って移動可能である。このバネ受け86とバネ受け78とに両端が接触した状態で、第2の弾性手段、例えば高圧用バネ、具体的には高圧用コイルバネ88が1つ配置されている。この高圧用コイルバネ88は、バネ室76内において低圧用コイルバネ80の外側に、これを包囲するように位置している。高圧用コイルバネ88は、低圧用コイルバネ80よりもバネ力が大きいもので、低圧用コイルバネ80がボール弁74によって圧縮される圧力に油室48の圧力がなっていても、高圧用コイルバネ88は、まだ圧縮されないものである。高圧用コイルバネ88の圧縮状態も、バネ受け78の位置を調整することによって調整される。
【0032】
バネ受け86の孔内に低圧用コイルバネ80が挿入されて、ボール弁74に接触しているが、低圧用コイルバネ80は、バネ受け86に干渉されないように配置されている。また、ボール弁74が弁座73に着座している状態では、バネ受け86にボール弁74は接触しないが、ボール弁74が弁座73から離座してバネ室76側に移動すると、ボール弁74がバネ受け86の孔に接触するように孔及びボール弁74の大きさが選択されている。
【0033】
従って、通路64の油の圧力が、第1の設定圧力、例えば低圧用コイルバネ80のバネ力や圧縮状態によって決まる圧力よりも小さい場合、ボール弁74によって通路64が閉じられ、油は油タンク54には流れない。しかし、通路64の油の圧力が低圧用コイルバネ80によって決まる圧力を超えて、かつ第2の設定圧力、例えば高圧用コイルバネ88のバネ力や圧縮状態によって決まる圧力よりも小さい場合、ボール弁74がバネ室76側に低圧用コイルバネ80を圧縮しながら移動し、通路64の油をバネ受け86の孔からバネ室76、出力ポートを介して油タンク54に排出する。さらに、通路64の圧力が、高圧用コイルバネ88によって決まる圧力よりも大きい圧力に上昇すると、ボール弁74がバネ受け86をバネ室76側に移動させる。通路64の圧力が低下して、高圧用コイルバネ88によって決まる圧力よりも小さく、低圧用コイルバネ80によって決まる圧力よりも大きいとき、圧縮された高圧用コイルバネ88が元の状態に復帰する。これにより、ボール弁74及びバネ受け86が後退し、バネ受け86が元の位置に戻る。通路64の油の圧力が低圧用コイルバネ80によって決まる圧力になると、低圧用コイルバネ80が元の状態に復帰し、ボール弁74が弁座73に着座し、油室48の圧力は、低圧用コイルバネ80によって決まる圧力に維持される。
【0034】
なお、このスライド固定装置2によるスライドの固定を検出するために、
図4に示すように、筒状部材16から胴部17の外方に被検出子90が昇降可能に突出し、この被検出子90の降下を検出する検出スイッチ92が胴部17の外部に設けられている。
【0035】
このように構成されたスライド固定装置によってスライドを固定する場合について説明する。まず、係止部8が切欠6を通過可能であって、
図4に示すように雌ねじ部材14及び筒状部材16が下部13に対して浮いているとする。さらに、油室48には、戻り通路を介して油が油タンク54から供給されているとする。
【0036】
この状態において、電動モータ44を回転させると、その回転力が回転伝達機構46を介して雌ねじ部材14に伝達され、雌ねじ部材14が回転し、雄ねじ部材10が上昇を開始する。この上昇初期において、カム溝38と遊転ローラ40との作用により、係止部8が切欠6に係止可能な状態に回転し、そのまま雄ねじ部材10が上昇を継続する。これに伴い係止部8も上昇し、切欠6の下面に当接する。これによって、雄ねじ部材10は上昇を中止し、雌ねじ部材14が回転し、
図5(a)のストローク図に示すように筒状部材16と雌ねじ部材14とが圧縮バネ34の弾性力に抗しながら下方に移動し、
図5(b)に示すように油室48の油の圧力が上昇を開始する。この上昇した油圧によって筒状部材16と雌ねじ部材14とは下部13に接触せずに、接触する前に停止する。即ち、上昇した圧力は、筒状部材16及び雌ねじ部材14とが停止するための緩衝材となり、筒状部材16及び雌ねじ部材14を停止させるように働く。
【0037】
なお、筒状部材16と雌ねじ部材14との降下による圧力上昇により、油室48の油の圧力がリリーフ弁66の低圧用コイルバネ80による設定圧力を超えると、ボール弁74が弁座73を開いて、油室48の油が油タンク54に流れ始める。もし、リリーフ弁66を設けていなければ、油室48の圧力は一気に上昇し、雌ねじ部材14と筒状部材16とは、中々降下しない。リリーフ弁66を設けてあるので、油室48の極端な圧力上昇が抑えられ、雌ねじ部材14及び筒状部材16は
図5(a)に示すように降下を継続する。
【0038】
筒状部材16と雌ねじ部材14の降下の際に、被検出子90も降下しており、所定距離だけ降下すると、
図5(c)に示すように検出スイッチ92によって被検出子90が検出される。この検出によって、スライドの固定が検知され、電動モータ44が停止される。
【0039】
電動モータ44が停止しても、
図5(a)に示すように筒状部材16及び雌ねじ部材14の降下は惰性により継続する。もし、ボール弁74と低圧用コイルバネ80とだけ設けていたなら、ボール弁74は低圧用コイルバネ80を圧縮して上方に移動する。その結果、油室48の油の圧力は、急速に低下し、雌ねじ部材14と筒状部材16との降下に対して抵抗するものがなく、雌ねじ部材14と筒状部材16とは中々停止しない。しかし、このスライド固定装置では、ボール弁74が上昇して、バネ受け86の孔に接触すると、高圧用コイルバネ88の設定圧力よりも油室48の圧力が小さいので、ボール弁74はバネ受け86に接触したままで、上昇しない、その結果、油室48からの油の流出が低下し、油室48の油の圧力の上昇は
図5(b)に示すように継続する。この圧力が、リリーフ弁66の高圧用コイルバネ88による設定圧力を超えると、バネ受け86に接触しているボール弁74がバネ受け86を移動させる。但し、高圧用コイルバネ88の設定圧力が低圧用コイルバネ80の設定圧力よりも大きいので、ボール弁74の移動は、高圧用コイルバネ88が設けられていない場合よりも少ない。これによって油室48の油の圧力の急速な低下を阻止している。この実施形態では、固定が検知された時点の直後に、バネ受け86が移動するように、高圧用コイルバネ88のバネ力及び圧縮状態が設定されている。
【0040】
筒状部材16及び雌ねじ部材14の降下は継続しているので、雌ねじ部材14及び筒状部材16が完全に停止するまで圧力上昇は継続し、筒状部材16及び雌ねじ部材14が停止するまでに要する時間は、単に低圧用コイルバネ80とボール弁74とだけを設けた場合よりも短縮される。
【0041】
雌ねじ部材14及び筒状部材16が完全に停止すると、油室48の圧力は
図5(b)に示すように急速に低下する。やがて、油室48の圧力が高圧用コイルバネ88による設定圧力に低下すると、ボール弁74とバネ受け86とが降下する。但し、ボール弁74は開弁状態であるので、油室48の圧力は、急速に低下する。
【0042】
油室48の圧力が、低圧用コイルバネ80による設定圧力になると、ボール弁74が弁座73に着座して、油室48の圧力は、低圧用コイルバネ80による設定圧力に維持される。しかも、低圧用コイルバネ80による設定圧力に油室48の圧力が維持されているので、この油の圧力による雌ねじ部材14及び筒状部材16に対する緩衝効果は維持される。また、油室48の圧力が低下しているので、スライドを固定する固定締結力も低下しており、電動モータ44は大きな脱出トルクを発生させなくても、雌ねじ部材14を逆回転させることができ、円滑に固定を解除することができる。
【0043】
例えば1つのリリーフ弁のみを設けることも考えられる。例えば設定圧力が高いリリーフ弁のみを設けた場合、そのリリーフ弁66が開いた後でなければ、検出スイッチ92が被検出子90を検出することができるほどに、雌ねじ部材14及び筒状部材16は降下せず、スライドの固定の検出に時間がかかる。また、この設定圧力が高いリリーフ弁では比較的高い圧力で閉じられるので、油室48の圧力が高く、スライドを固定する固定締結力を低下させることができず、固定解除を確実にすることができない。また、低い設定圧力のリリーフ弁のみを設けた場合、油室48の圧力の急速な低下により、筒状部材16が停止するのに要する雌ねじ部材14及び筒状部材16のストロークが長くなる。従って、この実施形態のリリーフ弁66のように構成し、低い設定圧力で開弁した後、油室の圧力が急速に低下するのを防止して、雌ねじ部材14及び筒状部材16が停止するまでのストロークを短くした上で、低い設定圧力で閉弁するリリーフ弁とすることが望ましい。
【0044】
本発明の別の実施形態として、
図6に示すように、高圧用リリーフ弁66Hと低圧用リリーフ弁66Lとを並列に接続して通路64に設けることもできる。この場合、低圧用リリーフ弁66L、66Hは共に直動型で、低圧用リリーフ弁66Lは、それが備える低圧用設定バネによって設定される低圧設定圧力よりも通路64の圧力が大きくなったとき、開弁し、通路64の圧力が低圧設定圧力に低下すると、閉弁するものであり、その入力ポートが絞られている。また、高圧用リリーフ弁66Hは、それが備える高圧用設定バネによって設定される高圧設定圧力(この高圧設定圧力は定圧設定圧力よりも高く設定されている。)よりも通路64の圧力が大きくなったとき、開弁し、通路64の圧力が高圧設定圧力に低下すると、閉弁するものである。高圧用リリーフ弁66H及び低圧用リリーフ弁66Lは、油タンク54の外殻55に設けることがコンパクト化の観点から望ましい。他の構成は、上記の実施形態のスライド固定装置と同一であるので、説明を省略する。
【0045】
このように構成すると、筒状部材16と雌ねじ部材14とが圧縮バネ34の弾性力に抗しながら下方に移動し、油室48の油の圧力が上昇を開始する点までは、上記の実施形態と同様である。筒状部材16と雌ねじ部材14との降下による圧力上昇により、油室48の油の圧力が低圧用リリーフ弁66Lの低圧設定圧力より大きくなると、低圧用リリーフ弁66Lが開弁し、油室48の油が油タンク54に流れ始める。雌ねじ部材14及び筒状部材16は降下を継続する。筒状部材16と雌ねじ部材14の降下の際に、検出スイッチ92によって被検出子90が検出される。この検出によって、電動モータ44が停止される。電動モータ44が停止しても、筒状部材16及び雌ねじ部材14の降下は惰性により継続する。低圧用リリーフ弁66Lの入力ポートが絞られているので、高圧用リリーフ弁66Hへの圧力は上昇し、高圧設定圧力を超えると、高圧用リリーフ弁66Hも開弁し、油室48の圧力は高圧用リリーフ弁66Hの設定圧力以上の圧力となる。この圧力下で、筒状部材16及び雌ねじ部材14の降下は継続し、雌ねじ部材14及び筒状部材16が完全に停止するまでの両者のストロークは短い。雌ねじ部材14及び筒状部材16が完全に停止すると、油室48の圧力は急速に低下する。やがて、油室48の圧力が高圧用リリーフ弁66Hの高圧設定圧力に低下すると、高圧用リリーフ弁66Hが閉弁し、低圧用リリーフ弁66Lのみによる油の排出となる。油室48の圧力が、低圧用リリーフ弁66Lの低圧設定圧力に低下すると低圧用リリーフ弁66Lが閉弁し、油室48の圧力は、低圧用リリーフ弁66Lの低圧設定圧力に維持される。即ち、第1の実施形態のスライド固定装置のリリーフ弁66と同様に高圧用リリーフ弁66H及び低圧用リリーフ弁66Lとは機能する。
【0046】
第3の実施形態のスライド固定装置を
図7に示す。この実施形態のスライド固定装置では、低圧用リリーフ弁66Lと高圧用リリーフ弁66Hとを直列に流路64に設けたもので、低圧用リリーフ弁66Lが油室48側に位置し、高圧用リリーフ弁66Hが油タンク54側に位置している。他の構成は、第1の実施形態のスライド固定装置と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
このスライド固定装置も、第1の実施形態のスライド固定装置と同様に動作するので、その詳細な説明は省略する。
【0048】
上記の各実施形態では、流体として油を使用したが、これに代えて例えば水のような液体または空気のような気体を使用することもできる。第1の実施形態では、高圧用コイルバネ88は、1つだけ設けたが、低圧用コイルバネ80の周囲に複数個の高圧用コイルバネ88を配置することもできる。同様に第1の実施形態では、ボール弁74を使用したが、弁座73に着座し、油室48の圧力に応じてバネ室76側に移動可能な弁体であれば、他の形状のもの、例えばキノコ型の弁体を使用することもできる。第1の実施形態では、リリーフ弁66のリリーフ弁本体70を設けたが、これを設けずに、タンク54の外殻55自体にシート部のような加工を直接に施すことも可能である。第1の実施形態ではリリーフ弁66を設け、第2の実施形態では設定圧力の異なる2つのリリーフ弁66H、66Lを並列に設け、第3の実施形態では設定圧力の異なる2つのリリーフ弁を直列に設けたが、1つの設定圧力よりも流路の圧力が大きくなると開弁し、上記の設定圧力に流路の圧力が低下すると閉弁するリリーフ弁を、設定圧力を適切に設定すれば、1つだけ設けることも可能である。
【符号の説明】
【0049】
8 係止部
10 雄ねじ部材
12 本体
14 雌ねじ部材
16 筒状部材
34 圧縮バネ(弾性手段)
48 油室(流体室)
54 油タンク(流体タンク)
66 リリーフ弁(弁)
【手続補正書】
【提出日】2014年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置し、前記本体内に配置した雌ねじ部材に前記雄ねじ部材を螺合させ、前記プレス機械が有するスライドを、前記スライドの下方より係止可能な係止部を前記雄ねじ部材の下端に設け、前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿しかつ前記筒状部材が前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持し、複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持し、前記雌ねじ部材を駆動手段が回転させることによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下し、前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダを形成し、前記本体に流体タンクを設け、前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路を設けたスライド固定装置において、
前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記環状流体シリンダの圧力が予め定めた設定圧力を超えたとき、開弁して前記流体タンクに前記環状流体シリンダの流体を流し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記環状流体シリンダの圧力が設定圧力に低下すると閉弁するリリーフ弁を、前記通路に設けたスライド固定装置。
【請求項2】
プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置し、前記本体内に配置した雌ねじ部材に前記雄ねじ部材を螺合させ、前記プレス機械が有するスライドを、前記スライドの下方より係止可能な係止部を前記雄ねじ部材の下端に設け、前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿しかつ前記筒状部材が前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持し、複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持し、前記雌ねじ部材を駆動手段が回転させることによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下し、前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダを形成し、前記本体に流体タンクを設け、前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路を設けたスライド固定装置において、
前記環状流体シリンダの圧力が予め定めた設定圧力を超えたとき、開弁して前記流体タンクに前記環状流体シリンダの流体を流し、前記流体シリンダの圧力が設定圧力になると閉弁する弁を、前記通路に設け、
前記設定圧力は、第1及び第2の設定圧力を有し、第2の設定圧力は、第1の設定圧力よりも高く設定され、前記弁は前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき開弁して、前記流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止まで前記流体シリンダの圧力を前記第2の設定圧力以上に維持し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下すると、閉弁するものであるスライド固定装置。
【請求項3】
請求項2記載のスライド固定装置において、前記弁は、
前記通路に接続された入力ポートと、
前記入力ポートに形成された弁室に配置され、前記通路を開閉する第1の弁体と、
前記入力ポートに連なると共に、前記流体タンクに接続された出力ポートを有し、前記入力ポートよりも横断面積が広い部屋と、
前記部屋内に配置され、前記第1の弁体に接触して前記通路側に押圧する第1の弾性手段と、
前記部屋内の前記弁室に近い位置に配置され、前記第1の弁体の前記部屋側への移動によって前記部屋内に移動するように設けられた第2の弁体と、
前記部屋内に配置され、前記第2の弁体に接触して前記弁室側に押圧する第2の弾性手段とを、
具備し、第2の弾性手段の弾性力が、第1の弾性手段の弾性力よりも大きく設定された
スライド固定装置。
【請求項4】
プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置し、前記本体内に配置した雌ねじ部材に前記雄ねじ部材を螺合させ、前記プレス機械が有するスライドを、前記スライドの下方より係止可能な係止部を前記雄ねじ部材の下端に設け、前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿しかつ前記筒状部材が前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持し、複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持し、前記雌ねじ部材を駆動手段が回転させることによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下し、前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダを形成し、前記本体に流体タンクを設け、前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路を設けたスライド固定装置において、
前記通路に第1及び第2のリリーフ弁を並列に設け、
前記第1のリリーフ弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により、前記環状流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき、開弁して、前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、
第2のリリーフ弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下の継続によって前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力を、前記環状流体シリンダの圧力が超えたとき、開弁して、前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、かつ前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第2の設定圧力に低下したとき、閉弁し、
第1のリリーフ弁は、第2のリリーフ弁の閉弁後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下したとき閉弁するスライド固定装置。
【請求項5】
プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置し、前記本体内に配置した雌ねじ部材に前記雄ねじ部材を螺合させ、前記プレス機械が有するスライドを、前記スライドの下方より係止可能な係止部を前記雄ねじ部材の下端に設け、前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿しかつ前記筒状部材が前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持し、複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持し、前記雌ねじ部材を駆動手段が回転させることによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下し、前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダを形成し、前記本体に流体タンクを設け、前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路を設けたスライド固定装置において、
前記通路に弁を設け、前記弁は、
前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記環状流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき、開弁して第1の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、
前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力を前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下の継続によって前記環状流体シリンダの圧力が超えたとき、第1の流量よりも多い第2の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、
前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第2の設定圧力に低下したとき、前記第1の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、
その後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下したとき閉弁するものであるスライド固定装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様のスライド固定装置では、プレス機械のプレス本体に固定された本体内に、雄ねじ部材を鉛直に配置してある。前記本体内に雌ねじ部材が配置され、この雌ねじ部材に前記雄ねじ部材が螺合している。前記雄ねじ部材の下端に係止部が設けられている。係止部は、前記プレス本体に設けたスライドの下方よりスライドに係止可能である。前記本体内において前記雌ねじ部材に筒状部材を外挿してある。前記筒状部材は前記雌ねじ部材を所定距離昇降可能に支持している。複数の弾性手段が前記本体に対して前記筒状部材を上方へ弾性支持している。前記雌ねじ部材を駆動手段が回転することによって、前記雄ねじ部材を上昇させて前記スライドを前記係止部で係止させ、その係止後、前記雌ねじ部材と前記筒状部材が前記弾性手段の弾性力に抗して降下する。前記本体と前記筒状部材との間に、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下時に流体室の圧力が上昇する環状流体シリンダが形成されている。前記本体に流体タンクが設けられている。前記流体タンクと前記環状流体シリンダの流体室との間に流体の通路が設けられている。流体としては、例えば液体または気体を使用することができる。液体としては、例えば油または水を使用でき、気体としては、例えば空気を使用することができる。
前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記前記環状流体シリンダの圧力が予め定めた設定圧力を超えたとき、開弁して前記流体タンクに前記環状流体シリンダの流体を流し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記環状流体シリンダの圧力が設定圧力に低下すると閉弁するリリーフ弁が設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
このように構成されたスライド固定装置では、駆動手段が雌ねじ部材を回転駆動すると、雄ねじ部材が上昇し、その下端の係止部がスライドの下面に接触する。それ以後、雄ねじ部材は上昇せずに、雌ねじ部材が回転するので、本体に対して筒状部材と雌ねじ部材とが弾性手段の弾性力に抗して降下し、環状流体シリンダの流体圧が上昇していくが、前記
リリーフ弁の設定圧力を流体圧が超えると、
リリーフ弁が開弁し、環状流体シリンダの流体が流体タンクに流れ、雌ねじ部材と筒状部材とは速やかに降下する。この降下が検知手段によって検知され、駆動手段が停止される。やがて、雌ねじ部材と筒状部材との降下が停止し、開弁している
リリーフ弁による流体の排出により環状流体シリンダの流体圧が低下する。やがて、環状流体シリンダの流体圧が
リリーフ弁の設定圧となると、
リリーフ弁が閉じられ、環状流体シリンダの圧力は、
リリーフ弁の設定圧力に維持される。環状流体シリンダの圧力は、
リリーフ弁の設定圧力に等しいので、スライドの固定力が低下しており、固定を解除するために雌ねじ部材を逆転させる脱出トルクを小さくすることができる。また、前記
リリーフ弁を使用しているので、油室の圧力を低下させるのに必要な時間が短く、スライド固定装置を連続運転する必要がある場合でも、待ち時間を短くできる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の他の態様のスライド固定装置は、上述した態様と同様に、
本体、雄ねじ部材、雌ねじ部材、係止部、筒状部材、複数の弾性手段、環状流体シリンダ、流体タンク、通路を有するもので、環状流体シリンダの圧力が予め定めた設定圧力を超えたとき、開弁して前記流体タンクに前記環状流体シリンダの流体を流し、前記流体シリンダの圧力が設定圧力になると閉弁する弁を、前記通路に設けてある。前記設定圧力は、第1及び第2の設定圧力を有し、第2の設定圧力は、第1の設定圧力よりも高く設定され、前記弁は前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき開弁して、前記流体シリンダの流体を前記流体タンクに流し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止まで前記流体シリンダの圧力を前記第2の設定圧力以上に維持し、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下すると、閉弁するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明の
別の態様のスライド固定装置は、上述した他の態様のスライド固定装置において、前記の弁に代えて、
前記通路に第1及び第2のリリーフ弁を並列に設けている。前記第1のリリーフ弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記環状流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき開弁して、前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流す。第2のリリーフ弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下の継続によって前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力を、前記環状流体シリンダの圧力が超えたとき開弁して、前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流す。更に、第2の弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第2の設定圧力になったとき閉弁して、第1の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流す。第1のリリーフ弁は、第2のリリーフ弁の閉弁後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力になったとき閉弁し、環状流体シリンダの圧力を第1の設定圧力に維持する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明の更に別の態様のスライド固定装置は、上述した他のスライド固定装置において、前記弁が次の構成のものである。弁は、
前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下により前記環状流体シリンダの圧力が第1の設定圧力を超えたとき、開弁して第1の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流す。前記弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下の継続によって前記第1の設定圧力よりも大きく設定した第2の設定圧力を前記環状流体シリンダの圧力が超えたとき、第1の流量よりも多い第2の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流す。前記弁は、前記雌ねじ部材と前記筒状部材との降下停止後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第2の設定圧力に低下したとき、前記第1の流量で前記環状流体シリンダの流体を前記流体タンクに流す。前記弁は、その後に前記環状流体シリンダの圧力が前記第1の設定圧力に低下したとき閉弁する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態のスライド固定装置の油タンク付近の縦断側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態のスライド固定装置の部分破断正面図である。
【
図5】
図4のスライド固定装置の動作説明図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態のスライド固定装置の油圧回路図である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
リリーフ弁66は、直動型のもので、
図2及び図3に示すように、細長い筒状のリリーフ弁本体70を有し、その一端部が通路64に接続されて、入力ポートとされている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】削除
【補正の内容】