【課題】古紙パルプ液の抄紙により得られる帯状紙を断裁することで生じる端材の取り扱いを容易とし、また、帯状紙の断裁の際の紙詰まりを回避可能な古紙再生処理装置及びその断裁装置の提供を目的とする。
【解決手段】帯状紙65の搬送部42と、帯状紙65を断裁するカッター51と、帯状紙65がカッター51設置位置にまたはその所定長さ上流側に搬送されてきたことを検知する前端部検知手段59と、制御部47とを備え、制御部47は、前端部検知手段59により帯状紙65の前端部がカッター51設置位置またはその上流側に搬送されてきたことを検出し、カッター51による断裁を行う際に、帯状紙51の前端部から所定範囲内については再生紙7のサイズより細寸に繰り返し切断するよう制御する前端部切断制御手段97を備えてなるものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる断裁装置を備えた古紙再生処理装置再生処理装置の構成概略図である。
図1において、古紙再生処理装置100は、古紙パルプ液製造部1、脱墨パルプ部2、抄紙部3、仕上げ部4を一体的に備えるものである。
【0016】
古紙パルプ液製造部1は、古紙6を離解して古紙パルプ液を製造するものであり、脱墨パルプ部2は、古紙パルプ液製造部1において製造された古紙パルプを脱墨するものであり、抄紙部3は、脱墨パルプ部2において得られた脱墨パルプ液を抄紙し、抄紙により得られた湿紙の脱水及び乾燥を行うものであり、仕上げ部4は、抄紙部3において湿紙の乾燥を行って得られた帯状紙65を断裁等することにより仕上げを行って再生紙7を得るものである。
【0017】
(古紙パルプ液製造部)
図2は、古紙パルプ液製造部1の内部構造を示す概略図である。古紙パルプ液製造部1は、古紙6を投入する古紙投入部11が設けられ、また、パルパー18を設けてなる。該パルパー18は古紙6や古紙6の裁断紙片(図示省略)を水及び離解促進剤の液体中においてパルプ繊維つまり古紙パルプにまで離解させるものである。
【0018】
ここで、古紙パルプ液とは、パルパー18において古紙6や古紙の裁断紙片を離解することにより得られた古紙パルプ、水等を含む液体のことであり、古紙パルプ液製造部1のパルパー18に貯留する古紙パルプ液には、離解途中の古紙、離解により水中に取り出されたインク成分やトナー成分等の印刷成分や離解促進剤が溶解され又は混合されている。
【0019】
パルパー18には、古紙6等が投入される攪拌槽181と、攪拌槽181に給水するための給水部182と、離解促進剤供給部183とを設けている。離解促進剤供給部183から供給される古紙6の離解を促進する離解促進剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いることができ、更に、スルファミン酸、塩酸、硫酸、リン酸、硫酸アルミニウムなどの酸類、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などの酸化剤、界面活性剤、漂白剤、PH安定剤、キレート剤、分散剤などを補助的に用いることもできる。
【0020】
攪拌槽181の底部には、古紙6等を給水部182から給水された水とともに攪拌し離解するための攪拌羽根184が設けられ、前記攪拌羽根184を回転駆動するモータ等の駆動手段188を有している。また、得られた古紙パルプ液を取り出すための古紙パルプ液取出部187を設けている。
【0021】
(脱墨パルプ部)
図1に示すように、 脱墨パルプ部2は、脱墨前希釈部21及び脱墨部22を備えている。 脱墨前希釈部21は、パルパー18から送られた古紙パルプ液を脱墨に適した繊維濃度、ここでは0.1重量%〜5.0重量%程度、より好ましくは0.3重量%〜2.0重量%程度にまで希釈するものであり、希釈用水および脱墨剤としての界面活性剤等を投入する希釈液供給部(図示省略)を備えている。
【0022】
繊維濃度が0.1重量%〜5.0重量%であることにより、後の脱墨部22においてインク成分やトナー成分等の印刷成分と脱墨剤とを効率よく接触させ印刷成分等を容易に除去することができる。
【0023】
図3に、脱墨部22の斜視図を、
図4(a)に前脱墨部22の平面図を、同図(b)に
図4(a)のA−A線矢視断面図を示す。脱墨部22は、古紙パルプ液に溶解又は混合されてなるインク成分、トナー成分等の印刷成分を分離、除去して脱墨パルプを製造するためのものであり、古紙パルプ液流通槽221、ブレード222及び受泡槽223を備えている。
【0024】
古紙パルプ液流通槽221は、脱墨前希釈部21で希釈液の供給により所定濃度に調整されたインク成分、トナー成分等の印刷成分を含有する古紙パルプ液を流通させるものである。古紙パルプ液流通槽221内は、複数の仕切壁224により複数の脱墨室225に区画されており、
図4(a)の平面図において示すように、仕切り壁224の左方または右方が交互に開口することで全ての脱墨室225は連通している。各脱墨室225の底部には、古紙パルプ液流通槽221内を流通する古紙パルプ液中に、微細な気泡を供給するための気泡供給部226を設けている。
【0025】
また、古紙パルプ液流通槽221内のうち、古紙パルプ液の流速が低下し該古紙パルプ液が淀みやすい所定位置に淀んだ古紙パルプ液を攪拌し下流側へと流動させるための攪拌翼(図示省略)を配置している。攪拌翼としては種々のものがあるが、例えば複数の羽根を回転軸の周りに放射状に配置した構造の攪拌翼等が挙げられる。更に、古紙パルプ液を古紙パルプ液流通槽221内に流入させる流入部229aと、脱墨処理後生じた脱墨パルプを含有する古紙パルプ液(脱墨パルプ液)を古紙パルプ液流通槽221外に流出させる流出部229bとを設けている。
【0026】
また、各脱墨室225内の古紙パルプ液の温度の検出を行う温度センサ227と、ヒータ228とを仕切壁224の表裏面にそれぞれ設けているが、古紙パルプ液の温度管理を行わない場合には、温度センサ227及びヒータ228を設けない構成としても構わない。
【0027】
ブレード222は、古紙パルプ液流通槽221の上部を浮遊する気泡を、古紙パルプ液流通槽221の周壁を溢流させ受泡槽223側へ掃き出すためのものであり、古紙パルプ液流通槽221の上方に設けられ、モータ222aの駆動によりガイドレール222bに案内されつつ往復移動するよう構成されている。
【0028】
図4(a)に示すように、受泡槽223は、古紙パルプ液流通槽221の外周を取り囲むよう平面視ロ字状に設けられ、脱墨の際古紙パルプ液流通槽221内で生じ、ブレード222により掃き出された気泡を受け止め、一旦貯留するようになっている。
図3,4(b)に示すように、受泡槽223には、受泡槽223の内壁面に付着した気泡を洗い流すための水等の消泡液を噴出する消泡液噴出部223aを設けている。消泡液噴出部223aは、受泡槽223の内壁面の上段部及び中段部に全周に亘って複数配備されている。
【0029】
更に、受泡槽223は、貯留している気泡に温風又は熱風を吹き付けて気泡の水分を吹き飛ばすことで気泡を消滅させる風供給部(図示省略)等を備えており、受泡槽223の底部に該受泡槽223内に溜まった脱墨排液を取出し、脱墨排液の固液分離処理等を行う脱墨排液処理装置(図示省略)へと流出させる脱墨排液取出部75を有している。
【0030】
(抄紙部)
図5は、抄紙部3の構成概略図である。抄紙部3は、脱墨パルプ部2による脱墨の終了した脱墨パルプ液を抄紙し、脱水し、乾燥するものであり、ヘッドボックス31、ワイヤー部32、脱水部33、ドライヤー部34からなる。
【0031】
ヘッドボックス31は、上部が開口しており、下部に古紙パルプ液の供給口31aが形成されている。脱墨パルプ液の供給口31aの幅方向両端部には、脱墨パルプ液を抄紙する抄紙ワイヤー323の両幅縁部に沿って所定長さを有するガイド部材31bが片持ち支持されている。ガイド部材31bは、ヘッドボックス31から抄紙ワイヤー323上に供給された古紙パルプ液が抄紙ワイヤー323の側縁から外方に流れ落ちるのを防止するとともに、湿紙64の抄紙幅を所定長さとなるよう設定し、維持するようになっている。
【0032】
ワイヤー部32は、複数の回転ローラ321に掛け渡され、無端軌道を形成する抄紙ワイヤー323が設けられ、周回する抄紙ワイヤー323の内方には、抄紙ワイヤー323の網目から流下する水を受ける受水部325を設けている。受水部325は白水タンク(図示省略)に接続され、該白水タンクは配管及びポンプによりパルパー18及び脱墨前希釈部21等に接続されることで、白水タンク内の白水を循環利用可能に構成されている。
【0033】
脱水部33は、複数の回転ローラ331の間にそれぞれ掛け渡したフェルトからなる無端状の吸水ベルト332a,332bを上下一対有し、上側の吸水ベルト332aと下側の吸水ベルト332bとが一部当接している。この上側の吸水ベルト332aと下側の吸水ベルト332bとが一部当接した部分において、双方の吸水ベルト332a,332bを挟圧して脱水する一対の脱水ローラ334を複数備えている。
【0034】
ドライヤー部34は、フード(図示省略)内に複数の回転ローラ351及び乾燥ローラ343を配置し、この複数の回転ローラ351及び乾燥ローラ343の間に掛け渡した搬送ベルト342を上下一対備えている。搬送ベルト342の材質は特に限定されず、例えば、布、耐熱樹脂または金属等とし、上下の搬送ベルト342は一部が当接した状態で走行し、上下の搬送ベルト342の当接箇所に複数の乾燥ローラ343が配置されている。乾燥ローラ343は、内部にヒータ345を備えるとともに、外周面に搬送ベルト342を巻回しており、また、乾燥ローラ343の表面の温度を測定する温度センサ(図示省略)を有している。
【0035】
湿紙64の搬送方向下流側において、上下の搬送ベルト342の離間箇所より更に下流側には、下側の搬送ベルト342に担持された、湿紙64をドライヤー部34で乾燥することで得られた紙が帯状に連なった帯状紙65を押さえる押えローラ36が設けられ、押えローラ36の下流側近傍には搬送ベルト342から帯状紙65を剥離するスクレーパ37を設けている。
【0036】
(仕上げ部)
図6に示すように、仕上げ部4は、ドライヤー部34において得られた帯状紙65を所定サイズの再生紙7に断裁するための断裁部41と、紙受部84とを有している。断裁部41は、断裁手段43、搬送部42及び制御部47(
図7参照)を備えた断裁装置Cにより構成される。
【0037】
断裁手段43は、帯状紙65の幅方向に延在され、帯状紙65を搬送方向に交差する方向に断裁するカッター51と、カッター51より帯状紙65の搬送方向下流側に設けられた左右一対のスリッター52とを備えている。カッター51は、帯状紙65の搬送面より上方及び下方にそれぞれ配設されてなるカッター上刃51a及びカッター下刃51bを備えている。カッター上刃51aはカッター昇降手段53により昇降可能に構成され、カッター上刃51aがカッター昇降手段53によって昇降されることでカッター上刃51aの刃先がカッター下刃51bの刃先に摺接し、帯状紙65を断裁するようになっている。
【0038】
スリッター52は、帯状紙65及び帯状紙65がカッター51により断裁されることで生じた断裁紙片66の左右側縁部を、搬送方向に沿って断裁するものであり、ディスク状のスリッター上刃52aとスリッター下刃52bを備えている。そして、左右のスリッター52はそれぞれ帯状紙65の幅方向に延在されたスリッターガイドロッド71に垂下されており、ネジ送り機構等からなるスリッター送り装置88で帯状紙65の幅方向へ左右双方のスリッター52が同期して接近、離間し移動するようになっている。
【0039】
スリッター52の下方には、スリッター52により帯状紙65や断裁紙片66の左右側縁部を断裁することで生じた端材49を帯状紙65の搬送面より下方に案内するガイド68を設けている。また、図示は省略するが、ガイド68によって下方に案内された端材49を更に細かくするための切断刃と、切断刃を動作する制御を行う切断刃制御手段とを備えてもよい。ガイド68及び切断刃の下方にはガイド68により下方に案内された端材49を収容する端材収容箱(図示省略)を設けている。
【0040】
搬送部42は、帯状紙65を長手方向に沿って搬送するものであり、第1搬送部44及び第2搬送部45を備えてなる。第1搬送部44は、断裁手段43のカッター51より帯状紙65の搬送方向上流側に設けられ、ドライヤー部34においてスクレーパ37により搬送ベルト342から剥離された帯状紙65を受け取る受ローラ58が設けられ、受ローラ58の下流側には第1搬送ローラ61が配設されている。そして、第1搬送ローラ61及び受ローラ58を、ベルト(図示省略)を介して回転駆動する第1駆動部54を備えている。
【0041】
第1搬送ローラ61の上方には第1搬送ローラ61に対向配置され、該第1搬送ローラ61との間で帯状紙65を挟持する第1押えローラ76を備えており、第1押えローラ76はカムを用いた押えローラ昇降手段87により昇降可能に構成され、第1押えローラ76が上昇することで第1搬送ローラ61との間で挟持していた帯状紙65を開放することができるようになっている。
【0042】
受ローラ58と第1搬送ローラ61との間には、帯状紙65の前端部がカッター51設置位置の所定長さ上流側に搬送されてきたことを検知する前端部検知手段59を備えている。前端部検知手段59は、平面視帯状紙65の幅方向略中央部に1個設けられており、発光素子56と受光素子57とが帯状紙の搬送面を挟むように配置された透過型の光センサによって構成されている。
【0043】
第2搬送部45は、第1搬送部44及びカッター51の下流側に設けられている。第2搬送部45には、上流側から順に第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ63、第4搬送ローラ64の3個の搬送ローラを備えており、これら3個の搬送ローラの上方には、それぞれ第2押えローラ77、第3押えローラ78、第4押えローラ79が押えローラ昇降手段(図示省略)により昇降自在に配設される。更に、第2搬送部45には3個の搬送ローラ62,63,64をベルト(図示省略)を介して回転駆動する第2駆動部55を備えている。
【0044】
スリッター52は第2搬送ローラ62と第3搬送ローラ63との間に設けられている。また、第4搬送ローラ64の下流側には断裁手段43によって断裁され、得られた再生紙7を排出する際再生紙7の左右両側縁部を幅方向中央部より高く持ち上げて腰付ける腰付け部材69を設けている。
【0045】
また、第2搬送部45には断裁し得られた再生紙7の紙の厚さを検知する紙厚検知手段60を備えてなる。紙厚検知手60は、紙の厚さを検出可能であればその構成は特に限定されないが、例えば、
図6に示すように、紙の厚さ分だけ上昇可能に構成された紙厚検知ローラ60aの軸心の上昇量を測定するセンサ60bや図示は省略するが、再生紙の搬送面を挟むように配置された発光素子と受光素子とからなり、光の透過量を検知し、これより紙厚を算出することが可能な透過型センサなどが挙げられる。
【0046】
制御部47は、
図7示すように、前後端断裁制御手段91、斜行補正手段92、区分け制御手段93、第1搬送部高速搬送手段94、第2搬送部高速搬送手段95、寸法変更制御手段96、前端部切断制御手段97、紙厚制御手段98を備えている。この制御部47は、古紙再生処理装置100全体の運転を制御する制御部(図示省略)の一部として構成され、適宜他の構成部と連動して制御を行うようになっているが、断裁装置Cのみを専用に制御する構成であっても構わない。
【0047】
前後端断裁制御手段91は、帯状紙65の断裁箇所がカッター51の配設位置に搬送された際、第1駆動部54及び第2駆動部55を停止して第1搬送ローラ61の回転を停止し、帯状紙65の搬送を一時的に止め、第1搬送ローラ61及び第1押えローラ76、第2搬送ローラ62及び第2押えローラ77により帯状紙65を挟持した状態で、カッター昇降手段53を作動してカッター上刃51aを降下し帯状紙65を幅方向に沿って断裁するよう制御するものである。
【0048】
斜行補正手段92は押えローラ昇降手段87を作動し第1押えローラ76を上昇させることで、帯状紙65を挟持した状態から開放し、第1搬送部44における帯状紙65の斜行を補正するものである。
【0049】
区分け制御手段93は、最終的に得られる再生紙7を、予め設定した所定枚数毎に区分けできるよう、所定枚数目の再生紙7を若干大きいサイズに断裁するよう制御するものである。
【0050】
第1搬送部高速搬送手段94は、カッター51による断裁を行った後第1搬送部44の搬送を再開した直後に、第1搬送部44の搬送速度をドライヤー部34の搬送ベルト342の搬送速度よりも速い速度とし、断裁のため第1搬送部44の搬送を停止した結果弛んだ帯状紙65を素早く搬送するように制御する。
【0051】
第2搬送部高速搬送手段95は、カッター51により前後が断裁された断裁紙片66をスリッター52により左右側縁部を断裁し、得られた再生紙7を紙受部84へと排出する際、第2搬送部45における再生紙7の搬送速度を第1搬送部44の搬送速度よりも速くするように制御するものである。
【0052】
寸法変更制御手段96は、古紙再生処理装置100の運転中に、製造される再生紙7のサイズを変更する入力を使用者が再生紙サイズ入力手段81より行った場合に、古紙再生処理装置100全体の運転を停止することなく、ドライヤー部34の搬送ベルト342から断裁装置Cへの帯状紙65の連続的な供給を受けつつ断裁手段43の断裁箇所を変更することで再生紙7のサイズを変更するものである。寸法変更制御手段96は、搬送方向長さ断裁変更手段96a及び幅方向長さ断裁変更手段96bを備え、搬送方向長さ断裁変更手段96aは、カッター昇降手段53を作動してカッター51を降下し、帯状紙65の幅搬送方向に沿った、即ち搬送方向に交差する方向の断裁を行うタイミングを変更し、得られる再生紙7の搬送方向の長さを変更するものである。
【0053】
幅方向長さ断裁変更手段96bは、前後端断裁制御手段91によってカッター51を用いた断裁を行う際に第1搬送部44及び第2搬送部45を停止したのと同じタイミングで、スリッター送り装置88を駆動してスリッター52位置を、運転中に変更入力のあった再生紙7のサイズに応じた所定位置に変更することで、再生紙7の幅方向の長さを変更するものである。
【0054】
前端部切断制御手段97は、前端部検知手段59により帯状紙65の前端部がカッター51設置位置またはその所定長さ上流側に搬送されてきたことを検知した後、カッター51による断裁を行う際に、帯状紙65の前端部から予め設定した所定範囲内の帯状紙65については再生紙7のサイズより細寸に繰り返し切断するよう制御するものである。
【0055】
紙厚制御手段98は、紙厚検知手段60により検出した値に基づいて抄紙部3の抄紙ワイヤー323の搬送速度を調整するものであり、予め設定した所定範囲の紙厚より再生紙7の紙厚が薄い場合には、抄紙ワイヤー323の搬送速度を遅くして単位時間当たりの古紙パルプ液から抄紙ワイヤー323への供給量を増大するよう制御し、逆に厚い場合には抄紙ワイヤー323の搬送速度を速くして単位時間当たりの古紙パルプ液から抄紙ワイヤー323への供給量を減少させるよう制御するものである。
【0056】
更に、断裁装置Cは、操作パネルなどにより構成される入力手段80を備え、入力手段80には、再生紙サイズ入力手段81、区分け枚数入力手段82を設けている。再生紙サイズ入力手段81は、使用者が所望した最終的に得られる再生紙7のサイズを入力するものである。再生紙サイズ入力手段81より入力可能な再生紙7のサイズとしては、A4,B5といった定形サイズのみならず、使用者が自由に縦横の数値を入力できる構成としてもよい。
【0057】
また、この再生紙サイズ入力手段81は、使用者が所望する再生紙7のサイズの入力操作を行わない場合には、A4サイズ等のよく使用される用紙サイズを入力したこととするよう予め設定しておくことも可能である。また再生紙サイズ入力手段81は古紙再生処理装置100の運転開始前に入力する場合のみならず、運転途中においても入力可能に構成され、古紙再生処理装置100の運転中に得られる再生紙7のサイズを変更することが可能となっている。
【0058】
区分け枚数入力手段82は、得られた再生紙7を所定枚数毎に区分けできるよう使用者が予めまたは運転中に区分けしたい枚数を入力するものである。
【0059】
図6に示すように、紙受部84は、第2搬送部45の下流側に設けられ、第4搬送ローラ64によって排出された再生紙7を積層状態に載置し収容する紙収容箱70と、紙収容箱70が載置され、紙収容箱70を昇降手段(図示省略)により昇降する昇降台85とを備えている。紙収容箱70の材質は、合成樹脂、紙等用いることができ、特に限定されないが、軽量であるために持ち運びの容易なダンボール紙等の紙製が好ましい。
【0060】
紙収容箱70は、昇降台85上に1個のみ載置してもよいが、
図6に示すように、2個以上重ねて載置してもよい。
【0061】
(第1の実施形態の作用)
本実施形態にかかる古紙再生処理装置100の作用につき以下に説明する。
まず、
図2に示すように、事前に重量を計測しておいた所定量の古紙6を、古紙投入部11より投入し、攪拌槽181に至る。また、投入された古紙6の重量に応じた割合量の水及び離解促進剤を、それぞれ給水部182、離解促進剤供給部183よりそれぞれ攪拌槽181に投入する。
【0062】
そして、駆動手段188を作動して攪拌羽根184を回転し、攪拌槽181内で古紙6を水及び離解促進剤とともに攪拌して古紙パルプ液を製造する。製造された古紙パルプ液を古紙パルプ液取出部187より取り出し、
図1に示すように、脱墨パルプ部2へ送る。
【0063】
脱墨パルプ部2では、まず、古紙パルプ液を脱墨前希釈部21において脱墨に適した繊維濃度になるよう希釈液供給部から希釈用水および脱墨剤としての界面活性剤を投入して古紙パルプ液の希釈を行う。次に、所定の繊維濃度に調整された古紙パルプ液を脱墨部22に送る。
【0064】
脱墨部22では、
図3,4に示す古紙パルプ液流通槽221に流入部229aから流入した古紙パルプ液を、仕切壁224の左方または右方の開口から隣接する脱墨室225へ順次流通させる。各脱墨室225では脱墨剤の存在下、古紙パルプ液中に気泡供給部226から微細な気泡を吹き込み、脱墨剤の存在によって、消失することなく多量に発生した気泡の表面にトナー粒子等の疎水性の異物を付着させて各脱墨室225の上部に浮上させる。また、必要により攪拌翼を作動し、古紙パルプ流通槽221内の古紙パルプ液の円滑な流通を促すようにする。
【0065】
親水性の繊維は、水とともに脱墨室225を順次流通していく。このようにして古紙パルプ液からインク成分やトナー成分の印刷成分等を除去する脱墨を行う。その際、必要により温度センサ227で古紙パルプ液の温度の検出を行い、ヒータ228で古紙パルプ液を所定温度に維持するよう加熱する温度制御を行ってもよいが、この脱墨部22での温度管理は必ずしも行わなくてもよい。
【0066】
脱墨部22に古紙パルプ液を導入した後、所定時間経過し、脱墨処理が進行して各脱墨室225の上部に気泡が浮遊した際に、モータ222aを駆動し、ガイドレール222bに案内させつつブレード222を
図4(a)において上下方向に往復移動し、古紙パルプ液流通槽221の上部に浮遊する気泡を受泡槽223に掃き出す。受泡槽223に掃き出された気泡を、消泡液噴出部223aから噴出した消泡液によって洗い流し、受泡槽223内の下部に溜める。
【0067】
この受泡槽223に溜まった水、消泡液噴出部223aから噴射された消泡液、脱墨剤、インク成分やトナー成分等の印刷成分等を含有する脱墨排液は、脱墨排液取出部75から取り出し、脱墨排液処理装置に送り、排液処理を行った上で外部に排出する。
【0068】
一方、古紙パルプ液流通槽221内の全ての脱墨室225を流通した古紙パルプ液は脱墨されることで印刷成分等の除去された脱墨パルプとなり、得られた脱墨パルプを含む脱墨パルプ液は流出部229bから流出され、抄紙部3へ送られる。
【0069】
抄紙部3では、ヘッドボックス31から走行する抄紙ワイヤー323上に、脱墨後の脱墨パルプを含む脱墨パルプ液をガイド部材31bに案内させつつ均一に供給し、水切りして水分を比較的多く含んだ繊維の層である湿紙64を形成する。抄紙ワイヤー323の下方に流下した水は受水部325に受水され、該受水部325から白水タンクに送られる。
【0070】
抄紙ワイヤー323上の湿紙64が往路軌道の終端部に至ると、脱水部33の上側の吸水ベルト332aに転移される。その後下側の吸水ベルト332bとの間に挟まれ、湿紙64に含まれる水分を吸水ベルト332a,332b側に吸収させることで脱水し、更に、脱水ローラ334a,334bで挟圧して脱水する。
【0071】
脱水部33で脱水された湿紙64は、ドライヤー部34に送られ、走行する上下一対の搬送ベルト342の間に挟持される。そして、ヒータ345により加熱され所定温度に維持された複数の乾燥ローラ343に、搬送ベルト342を介して当接させつつ搬送することで湿紙64の乾燥を行い、乾燥された湿紙64は紙が帯状に連なった帯状紙65となる。
【0072】
ドライヤー部34の下流側において、帯状紙65は、押えローラ36に押えられつつ搬送ベルト342から該スクレーパ37によって剥離され、仕上げ部4へと送られる。
【0073】
図6に示すように、仕上げ部4では帯状紙65がまず受ローラ58に受け止められ、案内されつつ下流側の第1搬送ローラ61へと搬送される。前端部検知手段59が、受ローラ58と第1搬送ローラ61との間に帯状紙65の前端部が搬送されたことを検知すると、断裁手段43は帯状紙65を予め設定された所定の再生紙7のサイズに断裁する。
【0074】
その際、前後端断裁制御手段91は、第1駆動部54及び第2駆動部55をともに駆動し、帯状紙65を搬送し、再生紙サイズ入力手段81に入力された所定の再生紙サイズに応じた帯状紙65の断裁箇所がカッター51設置位置まで搬送されたところで第1駆動部54及び第2駆動部55を停止して第1搬送部44及び第2搬送部45による搬送を一時的に止める。そして、第1搬送ローラ61及び第1押えローラ76と、第2搬送ローラ62及び第2押えローラ77とによって断裁箇所の前後の帯状紙65を挟持した状態で、カッター昇降手段53によりカッター上刃51aを降下しカッター下刃51bに摺接して帯状紙65を幅方向に沿って断裁する。この動作を帯状紙65の断裁箇所がカッター51設置位置まで搬送される度に繰り返し行う。
【0075】
このカッター51による断裁によって帯状紙65は幅方向に沿って断裁された断裁紙片66となる。そして、前後端断裁制御手段91は、このカッター51による断裁後、第1駆動部54及び第2駆動部55を駆動し第1搬送部44及び第2搬送部45の搬送を再開する。
【0076】
スリッター52は、搬送方向に沿って形成された断裁箇所に応じた所定位置にスリッター送り装置88によって予め移動しておき、スリッター52により断裁紙片66の左右両側縁部に形成された断裁箇所を断裁して所定サイズの再生紙7とし、得られた再生紙7を第3搬送ローラ63及び第4搬送ローラ64により搬送し、腰付け部材69により再生紙7の左右両側縁部を持ち上げた状態で紙受部84へと排出する。これにより、再生紙7を腰のある状態のまま紙受部84へ送り出すことができ、再生紙7を整った状態で紙収容箱70に積層載置可能である。
【0077】
また、このようにスリッター52を、カッター51よりも帯状紙65の搬送方向下流側に設けたので、帯状紙65を断裁することで生じる端材49の大きさを、カッター51の断裁による搬送方向長さ以下のものに抑えることができる。よって、カッターとスリッターとの配置が逆であった場合のように、断裁により生じる端材が非常に細長くなり嵩張り、取り扱い辛くなるといったことがない。
【0078】
カッター51による断裁のため第1搬送部44及び第2搬送部45による搬送を停止している間にも、ドライヤー部34の搬送ベルト342は停止することなく連続的に帯状紙65を仕上げ部4へと供給し続けている。この結果、
図8に示すように、帯状紙65は、搬送ベルト342及び押えローラ36によって帯状紙65を挟持した箇所と、第1搬送ローラ61及び第1押えローラ76によって帯状紙65を挟持した箇所との間で弛み、皺が発生する原因となる。
【0079】
そこで、第1搬送部高速搬送手段94は、カッター51による断裁を行った後第1搬送部44の搬送を再開した直後に第1搬送部44の搬送速度をドライヤー部34の搬送ベルト342の搬送速度よりも速い速度で帯状紙65を搬送し、弛んだ帯状紙65を素早く搬送するように制御する。この第1搬送部高速搬送手段94による制御を行った場合には、帯状紙65の弛みを容易に解消することができる。
【0080】
また、第2搬送部高速搬送手段95は、第1搬送部高速搬送手段94による第1搬送部44の高速走行の開始と同じタイミングで第2搬送部45の搬送速度を高速とする。その際、第1搬送部の高速搬送の速度より更に速い速度で帯状紙65、断裁紙片66、及び再生紙7を搬送することとする。これにより、第1搬送部高速搬送手段94によって第1搬送部44の搬送が搬送ベルト342よりも速い速度とした場合にも、帯状紙65の円滑な搬送を妨げることがなく、断裁紙片66の紙詰まり等を生じることなく円滑な搬送が可能となる。この高速搬送とした状態で第2搬送ローラ62と第3搬送ローラ63との間でスリッター52により断裁紙片66の左右両側縁部を断裁し、紙受部84へと排出する。
【0081】
斜行補正手段92は、帯状紙65が平面視搬送方向から左右いずれかに傾斜した状態で断裁手段43の設置箇所に搬送された場合に、押えローラ昇降手段87を作動し第1押えローラ76を上昇させることで、帯状紙65を挟持した状態から開放し、ドライヤー部34の搬送ベルト342及び押えローラ36により挟持されている元の搬送方向に戻す。
【0082】
この斜行補正手段92による斜行の補正は、カッター51による断裁の直後、第1搬送部44の搬送再開前に瞬間的に行うようにすることが望ましい。このようにすることで、第1搬送ローラ61と第1押えローラ76とによって帯状紙65を挟持せずに他の処理を行った場合の不具合、即ち、第1搬送部44における帯状紙65の円滑な搬送の妨げやカッター51の断裁不良、断裁箇所のずれ等を生じることなしに、帯状紙65の斜行を修正可能である。また、第1搬送部高速搬送手段94による第1搬送部44の加速を行う場合にはその加速度を低下させてしまうといったこともない。
【0083】
この斜行の補正は、カッター51による断裁のため第1搬送部44の搬送を停止する度に必ずするようにしてもよく、カッター51による断裁のための停止を所定回数行った後に行うというように間欠的に行うようにしてもよい。更には、図示は省略するが、帯状紙65の左右両側縁部の外方にそれぞれ設置した光センサなどの帯状紙65の斜行を検知する検知手段等を設けて斜行検知手段が帯状紙の斜行を検知した際斜行補正を行うようにしてもよい。
【0084】
前端部切断制御手段97は、カッター51によって、再生紙サイズ入力手段81により予め入力された再生紙7のサイズに断裁する前に、帯状紙65の前端部から予め設定しておいた所定範囲内の帯状紙65に亘って、この再生紙7のサイズより細寸に繰り返し切断するようカッター昇降手段53を作動しカッター51を昇降し、帯状紙65を切断する制御を行う。
【0085】
これにより、通常抄紙部3による抄紙が安定し辛く、比較的紙質のよくない前端部から所定範囲内の帯状紙65を、再生紙7として紙受部84に排出しないようにすることができ、再生紙7として製造される紙の品質を高く維持することができる。また、帯状紙65の前端部から所定範囲の紙を細寸に切断することで、切り落とした端材49を再度古紙原料としてパルパー18に戻し利用することが容易にでき、その再度パルパー18で行う離解を短時間で処理可能とすることができる。
【0086】
区分け制御手段93は、再生紙サイズ入力手段81により予め入力された所定のサイズに断裁する際に、得られた再生紙7を所定枚数毎に容易に区分けできるよう、区分け枚数入力手段82に入力された予め入力された所定枚数目の再生紙7を、他の再生紙7のサイズより若干大きいサイズに断裁するよう制御する。これにより、得られた再生紙7を所定枚数ごとに容易に区分けすることができ、再生紙7を企業内の各部署に配る際等に所定枚数毎に容易に区分けすることができ担当者の負担を軽減することが可能である。
【0087】
寸法変更制御手段96は、再生紙サイズ入力手段81により入力された再生紙7のサイズを古紙再生処理装置100の運転途中に変更する入力が使用者によりなされた場合に、古紙再生処理装置100の運転を停止することなく、ドライヤー部34の搬送ベルト342から断裁装置Cに帯状紙65を連続的に供給し続けたままで、得られる再生紙7のサイズを変更するよう制御する。
【0088】
即ち、例えば、仮に、再生紙7のサイズをA4サイズからA3サイズに変更する入力が再生紙サイズ入力手段81にあった場合を考える。両スリッター52間の距離がA4サイズの長寸側の長さ(297mm)に設定され、帯状紙65の搬送方向長さ、即ちカッター51による断裁があった後次のカッター51による断裁があるまでに帯状紙65が搬送される長さがA4サイズの短寸側の長さ(210mm)であったとする。
【0089】
この場合、寸法変更制御手段96は搬送方向長さを210mmから2倍の420mmとして断裁するようカッター昇降手段53によってカッター51を降下するタイミングを変更する制御を行う。これにより、得られる再生紙7をA4サイズからA3サイズに変更することができる。
【0090】
また、仮に、再生紙7のサイズをA4サイズからB4サイズに変更する入力が再生紙サイズ入力手段81にあった場合を考える。上記と同様に両スリッター52間の距離がA4サイズの長寸側の長さに設定され、帯状紙65の搬送方向長さがA4サイズの短寸側の長さであったとする。寸法変更制御手段96は、カッター51による帯状紙65の幅方向に沿った断裁の直後に、第2搬送部の搬送速度を第1搬送部44の搬送速度よりも速くするよう制御し、第2搬送ローラ62から第3搬送ローラ63へと搬送する断裁紙片66の左右両側縁部を早急にスリッター52によって断裁する。
【0091】
その後、スリッター送り装置88を作動して双方のスリッター52をスリッターガイドロッド71に沿って接近するように帯状紙65の幅方向中央よりに移動させ、両スリッター52間の距離をA4サイズの長寸側の長さ(297mm)からB4サイズの短寸側の長さ(257mm)に変更する。そして、搬送方向長さをA4サイズの短寸側の長さ(210mm)からB4サイズの長寸側の長さ(364mm)として断裁するようカッター51を降下するタイミングを変更する制御を行う。これにより、得られる再生紙7をA4サイズからB4サイズに変更することができる。他のサイズの変更も同様に制御可能である。
【0092】
これにより、古紙再生処理装置100の運転を停止することなく得られる再生紙7の大きさを変更可能である。よって、離解、脱墨、抄紙のいずれかの工程の途中段階で、再生紙サイズ入力手段81より、得られる再生紙7のサイズを変更する入力がなされたために、古紙再生処理装置100を停止した結果生ずる不具合を回避可能である。仮に、古紙再生処理装置100を運転途中で停止した場合、運転を再開しても古紙パルプや脱墨パルプの乾燥等種々の原因で、良質な再生紙を得られない危険性があるだけでなく、配管やポンプの詰まりといった問題が生じることもある。また、最終製品である再生紙7を製造することができないこともあり、各工程で途中段階の古紙パルプ液、脱墨パルプ液、湿紙等を廃棄せざるを得なくなることも考えられる。しかし、寸法変更制御手段96によってかかる不具合を回避可能である。
【0093】
スリッター52で断裁され、更に切断刃を設置している場合には、切断刃によってより細かく切断された端材49は、ガイド68により下方に案内され、端材収容箱に収容される。端材収容箱内の端材49は、必要により、
図1に示すように古紙パルプ液製造部1に戻され、再度原料として利用される。
【0094】
このように、スリッター52により断裁して生じた端材49を帯状紙65の搬送面より下方に導くガイド68を設けたので、端材49を断裁装置Cの内部に散乱させることなく容易に下方の端材収容箱へと案内することができる。
【0095】
また、切断刃と、切断刃制御手段とを備えた場合には、スリッター52の断裁により生じた端材49を更に細かく切断することができるので、端材収容箱内の端材49の嵩張りを更に小さくすることができ、また、この端材収容箱内の端材49を古紙原料としてパルパー18に戻し利用する場合の離解処理を容易にすることができ、短時間で離解を完了させることができる。
【0096】
紙受部84へ排出された再生紙7は紙収容箱70に収容される。
図6に示すように、紙収容箱70を2個以上載置した場合には、各紙収容箱70に所定枚数毎の再生紙7を収容する区分けを行うことが可能となる。即ち、ある紙収容箱70に所定枚数の再生紙7が収容された時点で、他の紙収容箱70に後続の再生紙7を収容できるよう昇降手段により昇降台85を昇降する。これにより、各紙収容箱70に所定枚数の再生紙7を収容する区分けを行うことが可能となる。
【0097】
また、異なる大きさの紙収容箱70を重ねて載置した場合には、再生紙7のサイズに応じて紙収容箱70を変更することも可能となる。その際、第4搬送ローラ64の近傍等に再生紙7のサイズを検知する検知手段を設け、該検知手段が検知したサイズに適合する大きさの紙収容箱70を再生紙7の排出箇所に位置するよう昇降手段により昇降台84を昇降する。
【0098】
尚、上記各実施形態では、左右のスリッター52は互いに同期して接近、離間するよう移動する構成としたがこれに限定されず、各スリッター52を個別に所定位置へと移動するよう構成してもよい。また、スリッター52は、カッター51に近接して設けたことにより帯状紙65がカッター51により断裁されることで生じた断裁紙片66のみならず、断裁紙片66に断裁される前の帯状紙65をスリッター52により断裁する場合もあり得ることとなったが、スリッターをカッターから相当距離離間させた下流側に設けることにより、帯状紙は断裁せず、断裁紙片のみを断裁する構成としてもよい。
【0099】
また、前端部検知手段59を、構成する光センサを帯状紙65の幅方向略中央部に1組配置されたが、幅方向両端部にそれぞれ1組ずつ2組を設けてもよい。更に、前端部検知手段59を断裁装置Cの第1搬送部44の受ローラ58と第1搬送ローラ61との間に設けたが、帯状紙65の前端部がカッター設置位置の所定長さ上流側に搬送されてきたことを検知可能であれば、断裁装置C以外の他の箇所、例えば、抄紙部のワイヤー部やドライヤー部等に設けてもよい。
【0100】
また、前端部切断制御手段97を設け、帯状紙65の前端部について再生紙7のサイズより細寸に切断する構成としたが、これと同様に、帯状紙65の後端部から所定の範囲内についても、再生紙7として排出することなく再生紙のサイズより細寸に切断するよう制御することも可能である。即ち、帯状紙の後端部から所定の範囲内は、ヘッドボックスから抄紙ワイヤーへの古紙パルプ液の供給量が次第に不足してくるので、抄紙部による抄紙が安定し辛く比較的紙質がよくない。そこで、前端部切断制御手段と同様帯状紙の後端部から所定の範囲内を細寸に切断する制御を行うこととしてもよい。
【0101】
そして、帯状紙の前端部または後端部以外においても、抄紙の状態の安定しない箇所を紙質検知センサにより検知した場合に、再生紙のサイズより細寸に切断するよう制御することも可能である。この場合、紙質検知センサは、例えば
図6に示す前端部検知手段59の設置位置またはその近傍等のカッター設置位置の直前に設けることとなる。そして、帯状紙の左右両側縁部等に欠けた箇所や紙厚の薄いところ、地合の安定しないところ等の再生紙として仕上げることが相応しくないことを検知することとなる。