(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-34426(P2015-34426A)
(43)【公開日】2015年2月19日
(54)【発明の名称】注入材の分配供給装置
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20150123BHJP
E02D 35/00 20060101ALI20150123BHJP
【FI】
E02D3/12 101
E02D35/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-166023(P2013-166023)
(22)【出願日】2013年8月9日
(11)【特許番号】特許第5574308号(P5574308)
(45)【特許公報発行日】2014年8月20日
(71)【出願人】
【識別番号】592072920
【氏名又は名称】平成テクノス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有馬 重治
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AA01
2D040AB01
2D040CA01
2D040CA02
2D040CB03
2D040CD08
2D040DA02
2D040FA08
2D040FA13
(57)【要約】
【課題】複数箇所で改良材を注入し地盤改良を行う薬液注入ロッドに対する注入材の供給手段を合理化し、使用設備を簡易化して経済性及び作業性を向上させる。
【解決手段】改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良工法で使用される注入材の分配供給装置2であって、注入材供給装置5から供給する注入材の供給配管が、改良対象域に配分設置される複数の注入ポイントPでの薬液注入ロッド1に対応して設けられた分配手段10を、前記注入材供給装置5の送液ポンプ6,7から直列に接続して、前記分配手段10を制御手段によって設定したインターバルで選択的に切換えて、選択された分配手段10に繋がる注入管のみに所要時間注入材が供給されるようにし、他の薬液注入ロッド1への供給が待機状態となるように構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良あるいは不同沈下復元工法で使用される注入材の分配供給装置であって、
注入材供給装置から供給する注入材の供給配管は、改良対象域の地盤に配分設置される複数の注入ポイントにおける注入管に対応してそれぞれ設けられた分配手段を、前記注入材供給装置の送液ポンプから直列に配管接続して、前記分配手段を制御手段にて設定したインターバルで順次選択操作して、選択された分配手段に繋がる注入管のみに所要時間注入材が供給されるようにし、その際他の注入管への供給が待機状態となるように構成されていることを特徴とする注入材の分配供給装置。
【請求項2】
前記注入材の供給配管は、A液とB液の二系統の配管にてなり、前記各送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段間をそれぞれ直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記二系統の配管で連結されている請求項1に記載の注入材の分配供給装置。
【請求項3】
前記注入材の供給配管としては、A液およびB液に加えて水の配管が加えられ、前記送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段間をそれぞれ注入材の配管で直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記A液およびB液の配管で連結され、前記水配管が制御手段による給水弁の開閉で選択された注入管にのみ繋がる構成である請求項1に記載の注入材の分配供給装置。
【請求項4】
前記分配手段は、取扱流体ごとに連接される配管を注入管への供給配管側に流路を変える弁を備え、前記制御手段による制御信号で選択された場合、当該流路を変える弁のみが流路を注入管側に連通されるようになっており、少なくとも前記A,B両液の流路を変える弁が同時に作動するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の注入材の分配供給装置。
【請求項5】
前記各分配手段には注入管への取扱流体供給流路に通じる水配管と給水弁が併設され、この給水弁は前記制御手段により開閉操作される構成である請求項3に記載の注入材の分配供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として軟弱地盤などの地盤中に複数の原料液からなる地盤改良材を注入条件に応じて調整して、複数個所に設置した注入管に対し合理的に分配供給して注入操作が行える注入材の分配供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、構築物の支持基盤の土壌を強化する手段としては、土壌中に薬液注入材を注入して土壌の圧密度を高め軟弱地盤を強化するほか、土壌の液状化による地盤の不等沈下を予防するのに薬液注入工法などが採用されている。この薬液注入工法は、公知の薬液材を薬液注入ロッドでもって土壌中に注入して薬液注入材と土壌中の砂粒との結合によって固結体を形成し広い範囲で土壌の圧密度を高め、地盤を改良するものである。
【0003】
このような薬液注入による地盤の改良にあっては、例えば地盤内にケーシングパイプを貫入し、このケーシングパイプに設けられた噴射口から薬液注入材(改良材)を噴射し、ケーシングパイプを所定深度から回転させつつ引き上げて薬液注入材を周囲の地中に注入して固結させ、改良域を造成する回転噴射注入による地盤改良方式が知られている。
【0004】
あるいは、地盤中にケーシングパイプを挿入して削孔を行い、その削孔内部に注入用外管を挿入してケーシングパイプを引き上げ、挿入した外管と削孔壁面との間にシールグラウトを注入充填し、前記外管内にパッカーを付設した注入内管を挿入してシールグラウトを通じて地盤中に改良材を噴出注入し、所定の改良域を構築する、いわゆる二重管ダブルパッカー注入方式も知られている。
【0005】
しかし、前記回転噴射注入方式による地盤改良では、改良材の噴射注入を行うために高圧のポンプが必要になり、かつ一か所ごとに掘削・注入管の設置を行うための注入装置を移動設置して作業が実施されるので、作業効率が低く、設備が大掛かりになって工費が嵩む。また、前記従来形態の二重管ダブルパッカーを用いた注入方式によれば、一般的に多量の薬液注入材を高圧で噴射口から噴出するので土圧が高まり、その薬液注入材の噴出周辺の地盤改良域では割裂が生じ、地盤の性状によっては隆起し、あるいは改良地層に偏奇を来すという問題点があった。
【0006】
このような従来技術の問題点を解決する手段として、先端を吐出口とした複数本の細管を、その吐出口が互いに軸方向に間隔をおいて(段階的に)位置するように結束形状にしてなる注入管群を用い、その注入管群を複数箇所で地盤に削孔した穴に挿入設置し、各注入管群のそれぞれの細管ごとにポンプによって薬液注入材をほぼ一斉に供給して注入し地盤の改良を行う多点注入工法が、例えば特許文献1〜3によって提案されている。
【0007】
しかしながら、前記特許文献1〜3によって知られる多点注入工法では、広範囲な地盤内部に立体的注入が行える利点を有するが、薬液注入材の供給を行うのに、所定の場所に設置した薬液材供給装置から多数個所に設置した注入管群に対して薬液注入材を分配供給されるように設定するに際して、薬液注入材供給装置に設置した多連装重連ポンプから前記各注入管群の各注入管(細管)にそれぞれ直接に配管接続して注入操作するようにされている。そのために、前記多連装重連ポンプから注入管群の各注入管(細管)まで独立して配管されることから、その配管(一般にホース)が広範に配置される各注入管群までの距離に分散されて必定長くなることが避けられない。したがって、全般的に非常なコストアップとなることが避けられない。
【0008】
また、使用頻度が高くなると、配管の損耗が激しくなることや運転中における配管の詰まり発生などに対応するには、長尺のホースであることからメンテナンスが困難で、多くの労力を必要とする。また、新たなホースと交換する必要が生じる場合が多くなり、コストアップになって経済性が損なわれるなど多くの問題点がある。
【0009】
一方、従来の二重管ダブルパッカーを用いる注入方式などの薬液注入工法においても、薬液注入材供給装置の送液ポンプから切換弁を介して薬液注入ロッドに直接的に配管されている。したがって、この方式においても長尺の配管(ホース)が用いられており、前記多点注入方式の場合と同様にコストアップになって経済性が損なわれるなどの問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第2852721号公報
【特許文献2】特許第3291714号公報
【特許文献3】特許第3762353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明では、前述のような問題点を解決して、複数箇所に配置して地中に改良材(注入材)を注入し地盤の改良を行う注入管に対する注入材供給装置から、各注入管への注入材の供給手段を合理化し、使用設備の構成を簡易化して経済性を高めるとともに、作業性を向上させ、ランニングコストを低減できる注入材の分配供給装置を提供することにある。
【0012】
そのために、本発明では、注入材供給装置における送液ポンプから複数箇所に設置された各注入管に対し、直接的に配管することなく送液ポンプから各注入管に分配のための中継部(分配手段)を直列に配して個々の配管長さが短くなるようにし、制御手段で前記中継部に設けた弁を操作することにより、各注入管に対して一か所ごとに順次注入材が供給されるようにする分配供給装置を構成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の注入材の分配供給装置は、
改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良あるいは不同沈下復元工法で使用される注入材の分配供給装置であって、
注入材供給装置から供給する注入材の供給配管は、改良対象域の地盤に配分設置される複数の注入ポイントにおける注入管に対応してそれぞれ設けられた分配手段を、前記注入材供給装置の送液ポンプから直列に配管接続して、前記分配手段を制御手段にて設定したインターバルで順次選択操作して、選択された分配手段に繋がる注入管のみに所要時間注入材が供給されるようにし、その際他の注入管への供給が待機状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
前記注入材の供給配管は、A液とB液の二系統の配管にてなり、前記各送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段間をそれぞれ直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記二系統の配管で連結されるようにするのがよい。
【0015】
前記注入材の供給配管としては、A液およびB液に加えて水の配管が加えられ、前記送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段間をそれぞれ注入材の配管で直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記A液およびB液の配管で連結され、前記水配管が制御手段による給水弁の開閉で選択された注入管にのみ繋がる構成であるのがよい。
【0016】
前記発明において、前記分配手段は、取扱流体ごとに連接される配管を注入管への供給配管側に流路を変える弁を備え、前記制御手段による制御信号で選択された場合、当該流路を変える弁のみが流路を注入管側に連通されるようになっており、少なくとも前記A,B両液の流路を変える弁が同時に作動するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
前記発明において、前記各分配手段には注入管への取扱流体供給流路に通じる水配管と給水弁が併設され、この給水弁は前記制御手段により開閉操作される構成であるのがよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の注入材の分配供給装置によれば、注入材供給装置から各注入ポイントへの注入材の供給が、各注入ポイントに対応して配分した分配手段を直列に配管接続し、前記分配手段と対応する注入管とをそれぞれ配管接続して制御手段による制御指令に基づいて各分配手段を所要のインターバルで選択し、順次選択された一か所の注入管にのみ所要時間注入材が供給されるようにすることで、各注入ポイントへの注入材の供給が送液ポンプによる高圧状態に保たれて注入することができ、各注入ポイントにバラツキなく選択注入が的確に行えるのである。また、各注入管への配管が実質的に最短にすることができるから注入材の注入圧力を強力に維持できる。しかも供給配管の接続長さを短く設定でき、配管作業の容易化と配管コストの削減などの経済的効果を高め得るという利点がある。
【0019】
また、本発明の注入材の分配供給装置によれば、選択した分配手段を切換ることで所要の注入管にのみ送液できる構成であるから、注入材の供給配管に並行して水配管を付設することで、注入ポイントへの配管の洗浄操作が容易になり、また送液注入する注入管への配管で流路の閉塞などのトラブルが発生した場合でも、その選択した配管系に限って水洗浄することができるという効果がある。もちろん、個々の注入ポイントへの送液配管について、あるいは個々の分配手段における送液に対する障害が発生しても、その障害部分のみを新たな部品(部材)と交換することが可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は本発明の注入材の分配供給装置の一実施形態の概要図である。
【
図2】
図2は本発明における注入材の分配手段の一実施形態を模式的に表す図である。
【
図3】
図3は本発明における注入材の分配手段の他の実施形態を模式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の注入材の分配供給装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
本発明の注入材の分配供給装置は、基本的に地盤中に改良材(薬液注入材、以下単に「注入材」という)を注入して固結体を造成し、地盤を改良して強化するため複数箇所に配設した注入管に改良材を合理的かつ経済的に分配供給できる装置である。
【0023】
この実施形態では、
図1に例示するように、改良しようとする地盤に所要の配分で複数箇所に区分した分担区画を決め、各区画のほぼ中央位置に薬液注入材の注入位置(注入ポイントP)を設定して所要長さの薬液注入ロッド1(本発明の「注入管」に対応する)を設置し、これら区画に対して選択された順序で一区画ごとに切換えて注入材を注入する操作を断続して繰り返し行うようにする。
【0024】
そのために、地上部における適所に注入材供給装置5を設置し、この注入材供給装置5に付属して設けられる薬液注入制御手段(制御盤40)において予め設定のプログラムにより、選択設定された手順で前記各注入ポイントPの薬液注入ロッド1に供給した注入材を地中に注入するようにされる。
【0025】
前記注入材供給装置5は、調製されたA液(シリカ系薬液材)の送液ポンプ6と、B液(セメント系薬液材)の送液ポンプ7と、液調製並びに洗浄用として使用される水の送液ポンプと、取扱う薬液材および水用の貯槽(図示せず)とこれら各機器を連結する配管ならびに全体を支持するフレーム(図示せず)とで構成されている。なお、前記各送液ポンプ6,7としては、高圧ポンプが採用される。
【0026】
また、前記注入材供給装置5には、制御盤40(制御手段)が併設されており、この制御盤40によって注入材供給装置5並びに後述する注入材の分配手段10(各「分配手段」を総称して符号10で表す)を制御する。
【0027】
前記各注入ポイントPに設置される薬液注入ロッド1には、前記注入材供給装置5から供給される注入材の供給配管21,22が、
図1で例示するように分配手段10を介して分岐接続されている。
【0028】
前記各注入ポイントPの薬液注入ロッド1に対しては、それぞれ分配手段10が割り当てられている。そして、前記注入材供給装置5におけるA液の送液ポンプ6およびB液の送液ポンプ7から各供給配管21,22が、まず第1の分配手段10aにそれぞれ接続され、次いでこの第1分配手段10aから第2分配手段10bに、さらに第2分配手段10bから第3分配手段10cに、以後順次各分配手段・・・・第n分配手段10n(最終位置の分配手段)へと、直列に二系統の供給配管21,22が接続される。なお、第n分配手段では各供給配管21,22の終端をプラグで閉鎖する。
【0029】
前記各分配手段10は、いずれも同一構造で一対の方向切換弁11,12(本発明の「流路を変える弁」に相当する。)とこれら方向切換弁11,12を支持する支持フレーム(図示省略)とのユニット構造になっており、前記方向切換弁11,12がそれぞれ配管21,22にて直列に接続できるようにされ、かつ薬液注入ロッド1への供給配管23,24が接続されるように形成されている。(
図2参照)
【0030】
また、前記方向切換弁11,12は、例えば電動式三方弁(電動モータにより弁子を正逆回転させて流路を切換える三方ボール弁。あるいはエア作動式の三方ボールバルブであってもよい。)で、前記制御手段からの指令信号によって弁子を所要角度に回動させて切換操作される。この方向切換弁11,12は、通常時には接続されている各分配手段10における方向切換弁11が隣接する分配手段における方向切換弁11(12,12)同士で流路が連通する状態となっており、薬液注入ロッド1への供給流路が閉止状態にされ、供給を選択された時点で該当する方向切換弁11,12のみが薬液注入ロッド1への供給配管23,24に通じるようにされている。なお、前記方向切換弁11,12は、同一構造の弁が採用される。また、図中符号11a,12aは弁の駆動部である。前記エア作動式の弁を採用する場合は、エア配管を併設する。
【0031】
次に、本実施形態の注入材の分配供給装置2を用いて注入操作を行うには、まず、改良対象域に配分された複数箇所の注入ポイントPに対し、それぞれ対応するようにして注入材の分配手段10を配置する。この分配手段10はユニット構造にされているので作業状況に応じて所要の位置に配置することができる。それら分配手段10には、適所に設置した注入材供給装置5からA液とB液との供給配管21,22を前述のように直列に配管接続する。また、各分配手段10では方向切換弁11,12と対応する注入ポイントPの薬液注入ロッド1とを供給配管23,24でそれぞれ接続する。
【0032】
また、前記注入材供給装置5に併設の制御盤40は、各分配手段10に対して制御信号線の接続をそれぞれに接続し、制御盤40による各注入ポイントPでの注入操作を制御できるようにする。
【0033】
前記制御手段(制御盤40)では、対象地盤の状況に対応して、配合する薬液材の割合、一注入箇所での注入量・注入時間、注入箇所の選択および注入の順番などをプログラムによって選択設定し、所要のインターバルで多点注入することができるようにする。
【0034】
注入材供給装置5の各送液ポンプ6,7を駆動して注入材の供給を実施すれば、注入ポイントPへの注入材供給前の状態で第1の分配手段10aから最終の分配手段10nまでは、各分配手段10が直列に接続されているので、順次注入材が送られて充填状態になる。そこで、制御手段では、設定したプログラムにより選択された注入ポイントPに対応する分配手段10に注入の指令信号が送られると、当該分配手段における方向切換弁11,12の電磁駆動部が定常位置から切換位置に弁子を回動操作して流路が切換えられ、連通流路21,22から供給配管23,24側に連通して薬液注入ロッド1に注入材が供給され、この薬液注入ロッド1の先端部でA液とB液が合流して混合されて地中に注入される。
【0035】
この選択された分配手段10が対応する注入ポイントPへ注入材の供給を開始する際、他の分配手段10ではすべての方向切換弁11(12)の注入ポイント側への流路が閉じているので、供給流路21(22)が供給配管23(24)に切換られている分配手段10を除いて供給流路21(22)が相互に連通している。したがって、注入材供給装置5の送液ポンプ6,7によって送出される注入材(A,B両液)は、選択されて注入管側に開放されている分配手段10の方向切換弁11,12を通じてのみ薬液注入ロッド1に供給されるので、その高圧状態を保って薬液注入ロッド1に送られて地盤中への注入材の注入がより効果的に行われる。
【0036】
また、前記注入材の切換供給は、直列される各分配手段のうち所要位置の一つの分配手段10が選択されることになるので、いずれの位置の注入ポイントPであってもほぼ等条件で供給注入することができるのである。
【0037】
こうして選択された分配手段10(10
1〜10
nのうちいずれか1つの分配手段)に対する注入材の供給が設定条件に従って行われ、供給時間が経過すると次に選択された分配手段10に供給操作が切換えられ、先に選択されていた分配手段10の方向切換弁11,12が元の状態に復帰する。したがって、各分配手段(各注入ポイント)への注入材の供給については、配管21,22ともに輻輳して注入方向が切り換わることがなく、必ず一か所の分配手段のみが選択された注入ポイントPに注入材の供給が行われる。
【0038】
この注入材の注入には、制御手段(制御盤40)により設定した注入時間・注入量・注入順序により、各分配手段10を自動的に、ごく短い時間で所要の注入位置に順次切換えて、注入する操作を繰り返すインターバル方式で行う。こうして、地盤中には注入する薬液材と土壌との結合による固結体50が造成される。
【0039】
この地盤中に造成される固結体50は、前記薬液注入の制御手段で設定されたインターバルで断続して注入材を注入することにより、取り扱う注入材が瞬結性の注入薬液材であれば注入の初期において注入抵抗が少ないので、ゲル化するまでの範囲で注入位置から周囲に拡大して土壌中の砂粒と結合凝結し、円盤状の硬化層を形成する。この態様が設定に従い順次他の注入箇所で行われる。この硬化層を形成する砂粒と薬液材との結合強度が発現する過程において、再び薬液材の注入が行われると、その薬液材が先の硬化層の一部に浸入し、同時に硬化層の表層側に薬液材が流動して積層構造となって硬化進行中の硬化層と一体化する。こうして、地盤中に造成される固結体50によって地盤が圧密され、強化することができる。
【0040】
次に、本発明による注入材の分配供給装置の他の実施形態について説明する。この実施形態は注入管と接続される配管への水配管を備え、分配手段の流路を変える弁から薬液注入ロッドと給液配管の洗浄できるようにするものであり、前記実施形態と基本的に同様であるが、分配手段の構成において一部異なるものである。したがって、前記実施形態と同様のものについては前記のものと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
この実施形態では、
図3に例示するように、分配手段10Aに注入管への注入材供給流路切換用の電動式三方ボール弁がA液用とB液用との一対設けられ、併せて前記両三方ボール弁11,12と給水弁15,15がそれぞれ設けてある。そして、各分配手段10Aに対して注入材供給装置5に付帯させて設けた水供給ポンプ(図示せず)からメインの水配管17を配して、このメインの水配管17から分岐してそれぞれの給水弁15を介して薬液注入ロッド1への配管23,24にそれぞれ繋がるようにされている。なお、図中符号16は流量調整弁である。
【0042】
前記給水弁15については、電磁開閉弁にして前記制御手段(制御盤40)からの制御信号によって開閉できるようにする。あるいは、必要時に手動操作により所要位置の給水弁15を開閉操作するようにしてもよい。
【0043】
このような構成の分配手段10Aを備える注入材分配供給装置2では、前述の実施形態と同様にして注入材の供給を行うに際し、制御手段(制御盤40)によって所要位置の注入ポイントPに注入材を供給する選択が行われると、当該位置の分配手段10Aにおいて、方向切換弁11、12による流路の切換操作が行われる際、指令信号による弁の開閉動作が両方向切換弁の駆動部11a,12aによって前述の実施形態と同様に操作されて、瞬時に両弁の流路が切換えられ、選択された注入ポイントPの薬液注入ロッド1に注入材が供給される。
【0044】
そして、薬液注入ロッド1への供給配管23,24に対する給水弁15は、常時閉の状態で、前記供給配管24、23に対して水を供給する場合にのみ開くようにされている。この実施形態では、例えば注入材を地盤に注入する作業において、注入作業が終了したのちに、注入材の供給を停止した状態で前記給水弁15,15を開くと、メインの水配管17から薬液注入ロッド1への注入材の供給配管23,24に水が送り込まれるので、その注入材供給配管23,24並びに薬液注入ロッド1の内部を速やかに水洗することができる。
【0045】
したがって、薬液材の注入作業が終了したのちの配管中に存在する注入材を水で洗い流すようにすることで、注入配管(供給配管23,24)および薬液注入ロッド1の後処理が容易になる。また、注入材の注入操作が短時間で終了して断続的に注入作業を実施するような場合、注入材の配管残留を削減でき、終了後に時間をおいて再注入する場合でも注入材の残留による配管詰まりを防止して作業性の向上を図ることができる。
【0046】
本発明において、分配手段に設けられる流路を変える弁としては、前述のような方向切換弁のほかに、スプール型の流路切換弁やニードル弁、流通路中に分岐流路を設けてその分岐流路を開閉できるように構成する機構を組み込むようにしたものが採用することができる。このような弁構造では、複数の分配手段を直列に配して、各分配手段で分岐されて注入ポイントの注入管にそれぞれ給液できる構成において、そのうちの一か所の分配手段のみで分岐された供給配管に通じるようにするため、選択された位置の流路を変える弁として連通する流路の一部を開閉できるようにすることで目的を達成できる構成であればよい。したがって、このような弁構造については、本発明の技術的範囲に属するものであることは言うまでもない。
【0047】
また、本発明の注入材の分配供給装置は、前述のように地盤改良工法における複数箇所での注入ポイントへの注入材の供給手段として有効であるが、このほかに、不同沈下による構築物の傾斜を復元するのに複数の注入ポイントを配置して基礎地盤へ注入材を断続して分配注入し、その注入による反力で構築物を基礎もろともに持ち上げる工法に採用して復元精度を高めることができる。
【0048】
また、本発明における注入管としては、前記薬液注入ロッドのみに限定されるものではなく、他の注入管方式であっても対応でき、これらは本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
1 薬液注入ロッド
2 分配供給装置
5 注入材供給装置
6 A液の送液ポンプ
7 B液の送液ポンプ
10,10A 分配手段
11,12 方向切換弁
15 給水弁
17 水配管
21,23 A液の供給配管
22,24 B液の供給配管
40 制御盤(制御手段)
50 固結体
P 注入ポイント
【手続補正書】
【提出日】2014年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良あるいは不同沈下復元工法で使用される注入材の分配供給装置であって、
注入材供給装置から供給する注入材の供給配管は、改良対象域の地盤に配分設置される複数箇所の注入ポイントにおける注入管に対して配管接続される分配手段がそれぞれ設けられ、前記分配手段を、前記注入材供給装置の送液ポンプから設定された第1の分配手段を経て最終位置の分配手段まで順次各分配手段を経由するようにして直列に配管接続され、前記各分配手段を制御手段にて設定したインターバルで順次選択操作して、選択された一つの位置の分配手段でのみ対応する注入管への流路を開通して設定時間注入材が前記注入管に供給されるようにし、その際他の分配手段では注入材が通過して他の注入管への供給が待機状態となるように構成されていることを特徴とする注入材の分配供給装置。
【請求項2】
前記注入材の供給配管は、A液とB液の二系統の配管にてなり、前記各送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の複数の各分配手段を順次経由して直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記二系統の配管で連結されている請求項1に記載の注入材の分配供給装置。
【請求項3】
前記注入材の供給配管としては、A液およびB液に加えて水の配管が加えられ、前記送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段を順次経由してそれぞれ注入材の配管で直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記A液およびB液の配管で連結され、前記水配管が制御手段による給水弁の開閉で選択された注入管にのみ水配管が繋がる構成である請求項1に記載の注入材の分配供給装置。
【請求項4】
前記分配手段は、取扱流体ごとに連接される配管を注入管への供給配管側に流路を変える弁を備え、前記制御手段による制御信号で選択された場合、当該流路を変える弁のみが流路を注入管側に連通されるようになっており、少なくとも前記A,B両液の流路を変える弁が同時に作動するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の注入材の分配供給装置。
【請求項5】
前記各分配手段には注入管への取扱流体供給流路に通じる水配管と給水弁が併設され、この給水弁は前記制御手段により開閉操作される構成である請求項3に記載の注入材の分配供給装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
そのために、本発明では、注入材供給装置における送液ポンプから複数箇所に設置された各注入管に対し、直接的に配管することなく送液ポンプから各注入管に分配のための中継部(分配手段)を
順次経由するようにして直列に配して個々の配管長さが短くなるようにし、制御手段で前記中継部に設けた弁を操作することにより、各注入管に対して一か所ごとに順次注入材が供給されるようにする分配供給装置を構成するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の注入材の分配供給装置は、
改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良あるいは不同沈下復元工法で使用される注入材の分配供給装置であって、
注入材供給装置から供給する注入材の供給配管は、改良対象域の地盤に配分設置される複数
箇所の注入ポイントにおける注入管に
対して配管接続される分配手段がそれぞれ設けられ、前記分配手段を、前記注入材供給装置の送液ポンプから
設定された第1の分配手段を経て最終位置の分配手段まで順次各分配手段を経由するようにして直列に配管接続され、前記各分配手段を制御手段にて設定したインターバルで順次選択操作して、選択された
一つの位置の分配手段
でのみ対応する注入管への流路を開通して設定時間注入材が
前記注入管に供給されるようにし、その際他の分配手段
では注入材が通過して他の注入管への供給が待機状態となるように構成されていることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
前記注入材の供給配管は、A液とB液の二系統の配管にてなり、前記各送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の
複数の各分配手段
を順次経由して直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記二系統の配管で連結されるようにするのがよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前記注入材の供給配管としては、A液およびB液に加えて水の配管が加えられ、前記送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段
を順次経由してそれぞれ注入材の配管で直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記A液およびB液の配管で連結され、前記水配管が制御手段による給水弁の開閉で選択された注入管にのみ
水配管が繋がる構成であるのがよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の注入材の分配供給装置によれば、注入材供給装置から
複数箇所に設けた各注入ポイントへの注入材の供給が、
送液ポンプから各注入ポイントに対応して配分した
第1の分配手段を経て最終位置の分配手段に
順次経由するようにして直列に配管接続し、前記分配手段と対応する注入管とをそれぞれ配管接続して制御手段による制御指令に基づいて各分配手段を所要のインターバルで選択し、順次選択された一か所の
分配手段を操作して当該個所の注入管にのみ所要時間注入材が供給されるようにすることで、各注入ポイントへの注入材の供給が送液ポンプによる高圧状態に保たれて
円滑に注入することができ、各注入ポイントにバラツキなく選択注入が的確に行えるのである。また、各注入管への配管が実質的に最短にすることができるから注入材の注入圧力を強力に維持できる。しかも供給配管の長さを短く設定でき、配管作業の容易化と配管コストの削減などの経済的効果を高め得るという利点がある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
前記各注入ポイントPに設置される薬液注入ロッド1には、前記注入材供給装置5から供給される注入材の供給配管21,22が、
図1で例示するように
、複数の分配手段10(10a,10b,10c・・・・10n)を順次経由して一連に接続される分配手段10ごとに分岐接続されている。
【手続補正書】
【提出日】2014年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良あるいは不同沈下復元工法で使用される注入材の分配供給装置であって、
注入材供給装置から供給する注入材の供給配管は、改良対象域の地盤に配分設置される複数箇所の注入ポイントにおける注入管に対して配管接続される分配手段がそれぞれ設けられ、前記分配手段を、前記注入材供給装置の送液ポンプから設定された第1の分配手段を経て最終位置の分配手段まで順次各分配手段を経由するとともに、前記最終位置の分配手段以後の終端を閉止して直列に配管接続され、前記各分配手段を制御手段にて設定したインターバルで順次選択操作して、選択された一つの位置の分配手段でのみ対応する注入管への流路を開通して設定時間注入材が前記注入管に供給されるようにし、選択されない分配手段では注入管への注入材供給が待機状態となるように構成されていることを特徴とする注入材の分配供給装置。
【請求項2】
前記注入材の供給配管は、A液とB液の二系統の配管にてなり、前記各送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の複数の各分配手段を順次経由して最終端をプラグで閉止するようにして直列に接続され、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記二系統の配管で連結されている請求項1に記載の注入材の分配供給装置。
【請求項3】
前記注入材の供給配管としては、A液およびB液に加えて水の配管が加えられ、前記送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段を順次経由して最終端をプラグで閉止するようにしてそれぞれ注入材の配管で直列に接続され、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記A液およびB液の配管で連結され、前記水配管が制御手段による給水弁の開閉で選択された注入管にのみ水配管が繋がる構成である請求項1に記載の注入材の分配供給装置。
【請求項4】
前記分配手段は、取扱流体ごとに連接される配管を注入管への供給配管側に流路を変える弁を備え、前記制御手段による制御信号で選択された場合、当該流路を変える弁のみが流路を注入管側に連通されるようになっており、少なくとも前記A,B両液の流路を変える弁が同時に作動するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の注入材の分配供給装置。
【請求項5】
前記各分配手段には注入管への取扱流体供給流路に通じる水配管と給水弁が併設され、この給水弁は前記制御手段により開閉操作される構成である請求項3に記載の注入材の分配供給装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
そのために、本発明では、注入材供給装置における送液ポンプから複数箇所に設置された各注入管に対し、直接的に配管することなく送液ポンプから各注入管に分配のための中継部(分配手段)を
順次経由するようにし、かつ終端を閉止した状態で直列に配して個々の配管長さが短くなるようにし、制御手段で前記中継部に設けた弁を操作することにより、各注入管に対して一か所ごとに順次注入材が供給されるようにする分配供給装置を構成するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の注入材の分配供給装置は、
改良対象域の地盤中に複数箇所で注入材を注入して土壌の圧密度を高め地盤を強化する地盤改良あるいは不同沈下復元工法で使用される注入材の分配供給装置であって、
注入材供給装置から供給する注入材の供給配管は、改良対象域の地盤に配分設置される複数箇所の注入ポイントにおける注入管に対して配管接続される分配手段がそれぞれ設けられ、前記分配手段を、前記注入材供給装置の送液ポンプから設定された第1の分配手段を経て最終位置の分配手段まで順次各分配手段を経由する
とともに、前記最終位置の分配手段以後の終端を閉止して直列に配管接続され、前記各分配手段を制御手段にて設定したインターバルで順次選択操作して、選択された一つの位置の分配手段でのみ対応する注入管への流路を開通して設定時間注入材が前記注入管に供給されるようにし、
選択されない分配手段で
は注入管への
注入材供給が待機状態となるように構成されていることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
前記注入材の供給配管は、A液とB液の二系統の配管にてなり、前記各送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段、以後の複数の各分配手段
を順次経由して最終端をプラグで閉止するようにして直列に
接続され、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記二系統の配管で連結されるようにするのがよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前記注入材の供給配管としては、A液およびB液に加えて水の配管が加えられ、前記送液ポンプから第1の分配手段、この第1の分配手段から次の分配手段から次の分配手段、以後の各分配手段
を順次経由して最終端をプラグで閉止するようにしてそれぞれ注入材の配管で直列に、また前記各分配手段と対応する注入管とをそれぞれ前記A液およびB液の配管で連結され、前記水配管が制御手段による給水弁の開閉で選択された注入管にのみ水配管が繋がる構成であるのがよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の注入材の分配供給装置によれば、注入材供給装置から複数箇所に設けた各注入ポイントへの注入材の供給が、送液ポンプから各注入ポイントに対応して配分した第1の分配手段を経て最終位置の分配手段に順次経由する
とともに、最終位置の分配手段以後の終端を閉止して直列に配管接続し、前記分配手段と対応する注入管とをそれぞれ配管接続して制御手段による制御指令に基づいて各分配手段を所要のインターバルで選択し、順次
選択操作された一か所の分配手段に
繋がる注入管にのみ所要時間注入材が供給されるように
した。こうすることで、
供給配管内が送液ポンプによる高圧状態に保たれて各分配手段に対応する注入ポイントへの注入材の供給
を高圧状態で円滑に注入することができ、各注入ポイントにバラツキなく選択注入が的確に行えるのである。また、各注入管への配管が実質的に最短にすることができるから注入材の注入圧力を強力に維持できる。しかも供給配管の長さを短く設定でき、配管作業の容易化と配管コストの削減などの経済的効果を高め得るという利点がある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
前記各注入ポイントPに設置される薬液注入ロッド1には、前記注入材供給装置5から供給される注入材の供給配管21,22が、
図1で例示するように
、複数の分配手段10(10a,10b,10c・・・・10n)を順次経由して一連に接続される分配手段10ごとに分岐接続されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
前記各注入ポイントPの薬液注入ロッド1に対しては、それぞれ分配手段10が割り当てられている。そして、前記注入材供給装置5におけるA液の送液ポンプ6およびB液の送液ポンプ7から各供給配管21,22が、まず第1の分配手段10aにそれぞれ接続され、次いでこの第1分配手段10aから第2分配手段10bに、さらに第2分配手段10bから第3分配手段10cに、以後順次各分配手段・・・・第n分配手段10n(最終位置の分配手段)へと、直列に二系統の供給配管21,22が接続される。なお、前記第n分配手段
10nでは各供給配管21,22の終端をプラグ
(符号は省略しているが、図1を参照)で閉鎖する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
注入材供給装置5の各送液ポンプ6,7を駆動して注入材の供給を実施すれば、注入ポイントPへの注入材供給前の状態で第1の分配手段10aから最終の分配手段10nまでは、
供給配管21,22がともに終端をプラグで閉止された状態で各分配手段10が直列に接続されているので、順次注入材が送られて
前記供給配管21,22内が充填状態になる。そこで、制御手段では、設定したプログラムにより選択された注入ポイントPに対応する分配手段10に注入の指令信号が送られると、当該分配手段における方向切換弁11,12の電磁駆動部が定常位置から切換位置に弁子を回動操作して流路が切換えられ、連通流路
(前記送液ポンプからの供給配管21,22)から供給配管23,24側に連通して薬液注入ロッド1に注入材が供給され、この薬液注入ロッド1の先端部でA液とB液とが合流して混合されて地中に注入される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
この選択された分配手段10が対応する注入ポイントPへ注入材の供給を開始する際、他の分配手段10ではすべての方向切換弁11(12)の注入ポイント側への流路が閉じて
おり、また供給配管21(22)の終端がプラグで閉止されているので、
選択されて供給
配管21(22)が供給配管23(24)に切換え
開通している位置の分配手段10を除いて前記供給
配管21(22)が相互に連通している。したがって、注入材供給装置5の送液ポンプ6,7によって送出される注入材(A,B両液)は、選択されて注入管側に
開通されている分配手段10の方向切換弁11,12を通じてのみ薬液注入ロッド1に供給さ
れ、送液ポンプによって供給される高圧状態を保って薬液注入ロッド1に送られて地盤中へ
の注入がより効果的に行われる。
そして、この注入態様は選択切換えられる各注入ポイントにおいてすべて同様になされる。