【解決手段】誘電体層11を介して積層された第1、第2内部電極21、22と、上記第1、第2内部電極21、22と同一平面上に、一定距離離隔されて形成される第1、第2ダミー電極23、24と、上記セラミック本体10の第1、第2端面から第1、第2主面、第1、第2側面に延長形成された第1、第2外部電極31、32と、を含み、上記第1、第2内部電極21、22に形成された第1、第2リード21a〜22bから上記セラミック本体の第1及び第2側面に形成された上記第1、第2外部電極31、32の端までの長さをG、上記セラミック本体の端面までの長さをBW、上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2リード21a〜22bまでの長さをMとすると、30μm≦G<BW−Mを満たす基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の端面から前記第1及び第2リードに対応する位置までの長さMは50μm≦M<BW−Gを満たす、請求項1に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記第1及び第2リードは前記セラミック本体の両端面から一定距離離隔されて形成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1及び第2側面に形成された前記第1及び第2外部電極の平均厚さは5μm以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1及び第2側面に形成された前記第1及び第2外部電極の平均厚さは5μm以上である、請求項8から10のいずれか1項に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【背景技術】
【0002】
電子回路が高密度化及び高集積化するにつれ、印刷回路基板に実装される受動素子の実装空間が足りなくなる問題を解決すべく、基板中に内蔵される部品、即ち、埋め込み素子(embedded device)を具現するための努力が続けられている。特に、容量性部品として用いられる積層セラミック電子部品を基板の内部に内蔵する様々な方案が提示されている。
【0003】
基板内に積層セラミック電子部品を内蔵する方法としては、基板材料そのものを積層セラミック電子部品用誘電体材料として使用し、銅配線などを積層セラミック電子部品用電極として使用する方法がある。また、基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現するための他の方案としては、高誘電率の高分子シートや薄膜の誘電体を基板の内部に形成して基板内蔵用積層セラミック電子部品を形成する方法、及び積層セラミック電子部品を基板内に内蔵する方法などがある。
【0004】
通常、積層セラミック電子部品は、セラミック材質からなる複数個の誘電体層と、該複数個の誘電体層の間に挿入された内部電極と、を備える。このような積層セラミック電子部品を基板の内部に配置させることで、高い静電容量を有する基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現することができる。
【0005】
基板内蔵用積層セラミック電子部品を備える印刷回路基板を製造するためには、積層セラミック電子部品をコア基板の内部に挿入した後、基板配線と積層セラミック電子部品の外部電極を連結するためにレーザーを利用して上部積層板及び下部積層板にビアホール(via hole)を穿孔しなければならない。このようなレーザー加工は、印刷回路基板の製造費用をかなり増加させる要因となる。
【0006】
一方、基板内蔵用積層セラミック電子部品は、基板内のコア部分に内蔵しなければならないため、基板の表面に実装する通常の積層セラミック電子部品とは違って外部電極上にニッケル/すず(Ni/Sn)めっき層を必要としない。
【0007】
即ち、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極は、基板内の回路と銅(Cu)材質のビア(via)を通じて電気的に連結されるため、ニッケル/すず(Ni/Sn)層の代わりに銅(Cu)層が上記外部電極上に必要である。
【0008】
通常、上記外部電極も銅(Cu)を主成分とするが、ガラス(glass)が含まれており、基板内のビア(via)の形成に用いられるレーザー加工時に、上記ガラスに含まれる成分が上記レーザーを吸収するため、ビアの加工深さが調節できなくなるという問題がある。
【0009】
該理由で、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上には銅(Cu)めっき層を別に形成している。
【0010】
また、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極と基板内の回路を連結するためのビア加工時、上記外部電極の形状が平坦でないため、ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良が頻繁に発生し、信頼性が低下するという問題がある。
【0011】
一方、基板内蔵用積層セラミック電子部品は、メモリーカード、PCメインボード及び各種RFモジュールに用いられる印刷回路基板に内蔵されることで、実装型積層セラミック電子部品に比べて、製品のサイズを画期的に減少させることができる。
【0012】
また、MPUのような能動素子の入力端子と非常に近接距離に配置されることができるため、導線長さによる相互連結インダクタンス(interconnect inductance)を低減させることができる。
【0013】
このような基板内蔵用積層セラミック電子部品におけるインダクタンス低減効果は、内蔵方式という固有の配置関係により得られる相互連結インダクタンスの低減による効果に過ぎず、未だに基板内蔵用積層セラミック電子部品自体のESL特性の改善には至っていない。
【0014】
一般的に、基板内蔵用積層セラミック電子部品において、ESLを低くするためには、積層セラミック電子部品内部の電流経路を短くする必要がある。
【0015】
しかし、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上に銅(Cu)めっき層を別に形成することにより、外部電極の内部にめっき液が浸透する問題があり、内部の電流経路を短縮することが容易でない。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0036】
図1は本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、
図2は
図1のX−X'線の断面図であり、
図3は
図1のY−Y'線の断面図である。
【0037】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、対向する第1及び第2主面、対向する第1側面及び第2側面及び対向する第1及び第2端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出した第1及び第2リード21a、21b、22a、22bを有する第1内部電極21及び第2内部電極22と、上記第1内部電極21と同一平面上で一定距離離隔されて形成される第1ダミー電極23、及び上記第2内部電極22と同一平面上で一定距離離隔されて形成される第2ダミー電極24と、上記セラミック本体10の第1及び第2端面から、第1及び第2主面と、第1及び第2側面とにまで延長形成された第1及び第2外部電極31、32と、を含んでもよい。
【0038】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を、特に積層セラミックキャパシタで説明するが、これに制限されない。
【0039】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタでは、
図1を参照して、「長さ方向」は「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで、「厚さ方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念で使用してもよい。
【0040】
本発明の一実施形態において、セラミック本体10の形状は、特に制限されないが、図示されたように六面体であってもよい。
【0041】
本発明の一実施形態におけるセラミック本体10は、対向する第1及び第2主面、対向する第1側面及び第2側面、及び対向する第1及び第2端面を有することができ、上記第1及び第2主面は、上記セラミック本体10の上面及び下面と表現されてもよい。
【0042】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層11を形成する原料は、十分な静電容量が得られるものであれば、特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末であってもよい。
【0043】
上記誘電体層11を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末に、本発明の目的に合わせて多様なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などを添加してもよい。
【0044】
上記誘電体層11の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は、特に制限されず、本発明の目的を達成するために調節されてもよいが、例えば、400nm以下に調節されることができる。
【0045】
上記第1及び第2内部電極21、22を形成する材料は、特に制限されず、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム−銀(Pd−Ag)合金などの貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを使用して形成してもよい。
【0046】
上記第1内部電極21と第2内部電極22は上記誘電体層11を介して積層され、上記第1内部電極21は、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出した第1及び第2リード21a、21bを有する。
【0047】
また、上記第2内部電極22は、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出した第1及び第2リード22a、22bを有する。
【0048】
上記第2内部電極22が有する上記第1及び第2リード22a、22bは、上記第1内部電極21の第1及び第2リード21a、21bと一定距離離隔されて第1及び第2側面に露出してもよい。
【0049】
また、上記第1内部電極21と第2内部電極22は上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出した第1及び第2リード21a、21b、22a、22bを通じて後述する第1及び第2外部電極と電気的に連結されてもよい。
【0050】
即ち、上記第1内部電極21の第1及び第2リード21a、21bは第1外部電極と連結され、上記第2内部電極22の第1及び第2リード22a、22bは第2外部電極と連結されることができる。
【0051】
これにより、内部電極がセラミック本体の両端面を通じて外部電極と連結される一般的な形態に比べて、内部電極をセラミック本体の側面に延長して露出させることで、電流経路(Current Path)を短縮し等価直列インダクタンス(ESL)を減少させることができる。
【0052】
上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bは、上記セラミック本体10の両端面から一定距離離隔されて形成されてもよい。
【0053】
上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bは、上記セラミック本体10の両端面から一定距離離隔されて形成され、上記セラミック本体10の角面に延長されないため、めっき液浸透による信頼性低下を防ぐことができる。
【0054】
また、上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bを通じて電流が流れるため、電流経路が短縮され等価直列インダクタンス(ESL)を減少させることができる。
【0055】
上記第1内部電極21の第1及び第2リード21a、21bと上記第2内部電極22の第1及び第2リード22a、22bが上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出するように形成されることで、上記積層セラミックキャパシタの外部電極の幅方向の平坦度を向上させることができる。
【0056】
一般的に、セラミック本体の幅方向には内部電極が形成されない幅方向マージン部があり、上記幅方向マージン部により段差が発生する。これにより完成したチップの外部電極が曲って平坦度が低下するという問題があった。
【0057】
上記のように、積層セラミックキャパシタの幅方向の平坦度が低下する場合、基板との電気的連結のためのビア加工時に、ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良が発生する恐れがある。
【0058】
しかし、本発明の一実施形態によると、上記第1内部電極21の第1及び第2リード21a、21bと上記第2内部電極22の第1及び第2リード22a、22bが上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出するように形成されることで、セラミック本体10の幅方向の段差が減少するため、完成したチップの外部電極の平坦度が向上し、結果的に上記ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良を減少させることができる。
【0059】
一方、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミックキャパシタは、上記第1内部電極21と同一平面上で一定距離離隔されて形成される第1ダミー電極23と、上記第2内部電極22と同一平面上で一定距離離隔されて形成される第2ダミー電極24と、を含んでもよい。
【0060】
上記第1内部電極21と同一平面上に、一定距離離隔されて形成される第1ダミー電極23と、上記第2内部電極22と同一平面上に、一定距離離隔されて形成される第2ダミー電極24とを含むことで、上記積層セラミックキャパシタの外部電極の長さ方向の平坦度を向上させることができる。
【0061】
一般的に、セラミック本体の長さ方向には内部電極が形成されない長さ方向マージン部があり、上記長さ方向マージン部により段差が発生する。これにより完成したチップの外部電極が曲って平坦度が低下するという問題があった。
【0062】
上記のように、積層セラミックキャパシタの長さ方向の平坦度が低下する場合、基板との電気的連結のためのビア加工時、ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良が発生する恐れがある。
【0063】
しかし、本発明の一実施形態によると、上記第1内部電極21と同一平面上に、一定距離離隔されて形成される第1ダミー電極23と、上記第2内部電極22と同一平面上に、一定距離離隔されて形成される第2ダミー電極24とをセラミック本体10内に形成することで、セラミック本体10の長さ方向の段差が減少するため、完成したチップの外部電極の平坦度が向上し、結果的に上記ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良を減少させることができる。
【0064】
上記第1及び第2ダミー電極23、24は、上記セラミック本体10の長さ方向の長さが30μm以下であってもよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0065】
上記第1及び第2ダミー電極23、24の上記セラミック本体10の長さ方向の長さが30μm以下になるように形成することで、積層セラミックキャパシタの外部電極の長さ方向の平坦度を向上させ、基板との電気的連結のためのビア加工時、ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良を減少させることができる。
【0066】
上記第1及び第2ダミー電極23、24の上記セラミック本体10の長さ方向の長さが30μmを超えると、第1及び第2内部電極21、22との距離が近くなり、印刷滲みによるショート不良が発生する恐れがある。
【0067】
一方、上記第1及び第2ダミー電極23、24の上記セラミック本体10の長さ方向の長さの下限値は特に制限されず、例えば、1μm以上であってもよい。
【0068】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体10の第1及び第2端面から、第1及び第2主面と第1及び第2側面とにまで延長して第1及び第2外部電極31、32を形成してもよい。
【0069】
上記第1及び第2外部電極31、32は、導電性金属及びガラスを含んで形成されてもよい。
【0070】
静電容量の形成のために、第1及び第2外部電極31、32が上記セラミック本体10の第1及び第2端面から第1及び第2主面、第1及び第2側面に延長して形成され、第1及び第2内部電極21、22と上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出した第1及び第2リード21a、21b、22a、22bを通じて電気的に連結されてもよい。
【0071】
上記第1及び第2外部電極31、32は、上記第1及び第2内部電極21、22と同じ材質の導電性物質で形成されてもよいが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群より選択された少なくとも一つの導電性金属で形成されてもよい。
【0072】
上記第1及び第2外部電極31、32は、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して用意した導電性ペーストを塗布してから焼成することで、形成されてもよい。
【0073】
本発明の一実施形態によると、上記第1外部電極31及び第2外部電極32上に銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されてもよい。
【0074】
一般的に、積層セラミックキャパシタは印刷回路基板上に実装されるため、通常、外部電極上にニッケル/すずめっき層を形成する。
【0075】
しかし、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、印刷回路基板内蔵用であって、基板上に実装せず、上記積層セラミックキャパシタの上記第1外部電極31及び第2外部電極32と基板の回路とが銅(Cu)材質であるビア(via)を通じて電気的に連結される。
【0076】
従って、本発明の一実施形態によると、上記第1外部電極31及び第2外部電極32上に、上記基板内のビアの材質である銅(Cu)と電気的連結性のよい銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されてもよい。
【0077】
一方、上記第1外部電極31及び第2外部電極32も銅(Cu)を主成分としているが、ガラス(glass)が含まれており、基板内のビア(via)の形成に用いられるレーザー加工時、上記ガラスに含まれる成分が上記レーザーを吸収するため、ビアの加工深さが調節できないという問題がある。
【0078】
従って、本発明の一実施形態によると、上記第1外部電極31及び第2外部電極32上に銅(Cu)からなる金属層を形成することで、上記問題を解決することができる。
【0079】
上記銅(Cu)からなる金属層を形成する方法は特に制限されず、例えば、めっきにより形成してもよい。
【0080】
他の方法として、銅(Cu)を含むが、ガラスフリットを含まない導電性ペーストを上記第1外部電極31及び第2外部電極32上に塗布して形成してもよく、特に制限されない。
【0081】
上記塗布法による場合、焼成後の上記金属層は銅(Cu)のみからなることができる。
【0082】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さをG、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さをBW、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リードに対応する位置までの長さをMとすると、30μm≦G<BW−Mを満たすことができる。
【0083】
上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さGが30μm≦G<BW−Mを満たすように調節することで、めっき液の浸透による信頼性低下を防ぐことができる。
【0084】
上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さGが30μm未満では、めっき液浸透により信頼性が低下する恐れがある。
【0085】
上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さGが、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さBWから上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リードに対応する位置までの長さMを引いた値と同一である場合には、リードを形成することができないため、セラミック本体10の両側面で内部電極と外部電極を連結することができない。
【0086】
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記本発明の一実施形態による特徴に加えて、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さMが50μm≦M<BW−Gを満たすことができる。
【0087】
上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さMが50μm≦M<BW−Gを満たすように調節することで、剥離(Delamination)不良を防ぐことができ、信頼性に優れた積層セラミックキャパシタを具現することができる。
【0088】
上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さMが50μm未満では、剥離不良が発生する恐れがあり、信頼性が低下するという問題がある。
【0089】
上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さMがBW−Gと一致する場合には、上記リードを形成することができないため、セラミック本体10の側面で内部電極と外部電極を連結することができない。
【0090】
一方、本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の平均厚さteは、5μm以上であってもよい。
【0091】
上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の平均厚さteを5μm以上に調節することで、めっき液浸透による信頼性の低下を防ぐことができる。
【0092】
上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の平均厚さteが5μm未満では、めっき液浸透により信頼性が低下する恐れがある。
【0093】
上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の平均厚さte、上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さG、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さBW及び上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さMは、
図3のようにセラミック本体10の長さ−幅方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。
【0094】
例えば、
図3のように、セラミック本体10の厚さT方向の中央部で切断した長さ及び幅方向(L−W)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから上記第1及び第2外部電極31、32の各部分の長さ及び厚さを測定して得ることができる。
【0095】
図4は本発明の他の実施形態による
図1のY−Y'線の断面図であり、
図5は本発明のさらに他の実施形態による
図1のY−Y'線の断面図である。
【0096】
図4及び
図5を参照すると、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミックキャパシタの上記第1及び第2ダミー電極23、24は、多様な形態に形成され得ることが分かる。
【0097】
図4を参照すると、上記第1及び第2ダミー電極23、24は、上記第1及び第2内部電極21、22とは異なって上記セラミック本体10の端面の他に第1及び第2側面に露出した形態であってもよい。
【0098】
また、
図5のように、上記第1及び第2ダミー電極23、24は、上記セラミック本体10の端面の他にも第1及び第2側面に露出した形態であるとともに、第1及び第2側面に露出した部分の長さが中央部の長さより長い「コ」の字の形態であってもよい。
【0099】
但し、上記第1及び第2ダミー電極23、24の第1及び第2側面に露出した部分は、ショート不良を防止するために上記第1及び第2外部電極31、32が形成された部分の内側までに形成されることができる。
【0100】
図4及び
図5に示した上記第1及び第2ダミー電極23、24による場合、基板内蔵用積層セラミックキャパシタの外部電極の長さ及び幅方向の平坦度をさらに向上させることができ、基板との電気的連結のためのビア加工時、ビアが一方に偏るディンプル(Dimple)不良の減少効果にさらに優れることができる。
【0101】
本発明の他の実施形態は、誘電体層11を含み、対向する第1及び第2主面、対向する第1側面及び第2側面、及び対向する第1及び第2端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に露出した第1及び第2リード21a、21b、22a、22bを有する第1内部電極21及び第2内部電極22と、上記第1内部電極21と同一平面上で一定距離離隔されて形成される第1ダミー電極23及び上記第2内部電極22と同一平面上で一定距離離隔されて形成される第2ダミー電極24と、上記セラミック本体10の第1及び第2端面から第1及び第2主面と第1及び第2側面とにまで延長形成された第1及び第2外部電極31、32と、を含み、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さをG、上記セラミック本体10の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さをBW、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さをMとすると、50μm≦M<BW−Gを満たす基板内蔵用積層セラミック電子部品を提供する。
【0102】
上記第1及び第2ダミー電極23、24は、上記セラミック本体10の長さ方向の長さが30μm以下であってもよい。
【0103】
上記第1及び第2リード21a、21b、22a、22bは、上記セラミック本体10の両端面から一定距離離隔されて形成されてもよい。
【0104】
上記セラミック本体の第1及び第2側面に形成された上記第1及び第2外部電極の平均厚さは、5μm以上であってもよい。
【0105】
上記第1及び第2外部電極上には、銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されてもよい。
【0106】
その他上記した他の実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴は、上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴と同一であるため、ここではその説明を省略する。
【0107】
本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法は、先ず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末を含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックグリーンシートを用意し、これにより誘電体層を形成することができる。
【0108】
上記セラミックグリーンシートはセラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法により数μm厚さを有するシート(sheet)状に製作することができる。
【0109】
次に、ニッケル粒子の平均サイズが0.1〜0.2μmで、40〜50重量部のニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを用意することができる。
【0110】
上記セラミックグリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法により塗布して内部電極を形成した後、200〜300層積層してセラミック本体を製作した。
【0111】
次に、上記セラミック本体の上下面及び端部に導電性金属及びガラスを含む第1外部電極及び第2外部電極を形成することができる。
【0112】
上記導電性金属は特に制限されないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群より選択された一つ以上であってもよい。
【0113】
上記ガラスは特に制限されず、一般的な積層セラミックキャパシタの外部電極の製作に用いられるガラスと同じ組成の物質を用いてもよい。
【0114】
上記第1及び第2外部電極は上記セラミック本体の上下面及び端部に形成されることで、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0115】
次に、上記第1外部電極及び第2外部電極上に銅(Cu)からなる金属層を形成することができる。
【0116】
その他上述した本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の特徴と同じ部分に対しては、ここではその説明を省略する。
【0117】
図6は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板100を示す断面図である。
【0118】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板100は、絶縁基板110と、上記本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミックキャパシタと、を含んでもよい。
【0119】
上記絶縁基板110は絶縁層120が含まれた構造からなり、必要に応じて
図6に示されたように多様な形態の層間回路を構成する導電性パターン130及び導電性ビアホール140を含んでもよい。このような絶縁基板110は、内部に積層セラミックキャパシタを含む印刷回路基板100であってもよい。
【0120】
上記積層セラミック電子部品は、印刷回路基板100に挿入された後印刷回路基板100の熱処理などのような後工程において、様々な過酷な環境を同様に経験する。
【0121】
特に、熱処理工程における印刷回路基板100の収縮及び膨脹は、印刷回路基板100の内部に挿入された積層セラミックキャパシタに直接伝達され積層セラミックキャパシタと印刷回路基板100の接着面にストレスを加える。
【0122】
積層セラミックキャパシタと印刷回路基板100の接着面に印加されたストレスが接着強度より高いと、接着面が剥がれる剥離不良が発生する。
【0123】
積層セラミックキャパシタと印刷回路基板100間の接着強度は、積層セラミックキャパシタと印刷回路基板100の電気化学的結合力と接着面の有効表面積に比例し、積層セラミックキャパシタと印刷回路基板100との接着面の有効表面積を向上させるために、積層セラミックキャパシタの表面粗度を制御して積層セラミックキャパシタと印刷回路基板100間の剥離現象を改善することができる。
【0124】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに制限されない。
【0125】
実施例
実施例は基板内蔵用積層セラミックキャパシタのセラミック本体の第1及び第2側面に形成された第1及び第2外部電極の平均厚さte、上記第1及び第2外部電極の端から第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さG、及び上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さMの数値が本発明の数値範囲を満たすように製作した。
【0126】
比較例
比較例は、基板内蔵用積層セラミックキャパシタにおいて、セラミック本体の第1及び第2側面に形成された第1及び第2外部電極の平均厚さte、上記第1及び第2外部電極の端から第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さG、及び上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さMの数値が本発明の範囲から外れることを除き、上記実施例と同様の条件で製作した。
【0127】
下表1は、本発明の実施形態による基板内蔵用積層セラミックキャパシタのセラミック本体の第1及び第2側面に形成された第1及び第2外部電極の平均厚さte、上記第1及び第2外部電極の端から第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さGの値による信頼性を比較したものである。
【0128】
上記信頼性の評価は、めっき液浸透による加速寿命の低下有無で判断し、具体的には、湿度条件8585(85℃、85%湿度)で、1時間、定格電圧を印加して行い、不良率が0.01%未満のものを◎、不良率が0.01%〜1.00%のものを○、不良率が1.00%〜50%のものを△、不良率が50%以上のものを×と表示した。
【0130】
上記表1を参照すると、比較例であるサンプル1〜12は、セラミック本体の第1及び第2側面に形成された第1及び第2外部電極の平均厚さteが本発明の数値範囲から外れるもので、めっき液浸透による加速寿命の低下によって信頼性に問題があることが分かる。
【0131】
また、比較例であるサンプル16及び17は、第1及び第2外部電極の端から第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さGが本発明の数値範囲から外れるもので、信頼性に問題があることが分かる。
【0132】
一方、実施例であるサンプル13〜15及び18〜20は、本発明の数値範囲を満たすもので、信頼性に優れることが分かる。
【0133】
下表2は、本発明の実施形態による基板内蔵用積層セラミックキャパシタのセラミック本体の端面から上記第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さMの値による信頼性を比較したものである。
【0134】
上記信頼性の評価は剥離(Delamination)有無で判断した。具体的には、セラミック本体の切断面のモールド(Mold)検査により剥離(Delamination)有無を判断し、不良率が0.01%未満のものを◎、不良率が0.01%〜1.00%のものを○、不良率が1.00%〜50%のものを△、不良率が50%以上のものを×と表示した。
【0136】
上記表2を参照すると、比較例であるサンプル21〜26はセラミック本体の端面から上記第1及び第2リードに対応する第1及び第2外部電極までの長さMが本発明の数値範囲から外れるもので、剥離(Delamination)不良により信頼性に問題があることが分かる。
【0137】
一方、実施例であるサンプル27〜32は本発明の数値範囲を満たすもので、信頼性に優れること分かる。
【0138】
下表3は、本発明の実施形態による基板内蔵用積層セラミックキャパシタの第1内部電極と第2内部電極がセラミック本体の側面に露出する第1及び第2リードを有するか否か、及びセラミック本体の長さ方向にダミー電極を有するか否かによるディンプル(Dimple)不良率を比較したものである。
【0139】
上記ディンプル(Dimple)不良率の評価は、不良率が0.01%未満のものを◎、不良率が0.01%〜1.00%のものを○、不良率が1.00%〜50%のものを△、不良率が50%以上のものを×と表示した。
【0141】
上記表3を参照すると、第1内部電極と第2内部電極がセラミック本体の側面に露出する第1及び第2リードを有する場合、またはセラミック本体の長さ方向にダミー電極を有する場合、または第1及び第2リードとダミー電極をともに有する場合には、ディンプル(Dimple)不良率が低くて信頼性に優れること分かる。
【0142】
一方、第1及び第2リードとダミー電極を有さない場合、ディンプル(Dimple)不良率が高くて信頼性に問題があることが分かる。
【0143】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。