特開2015-36058(P2015-36058A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-36058野球、ソフトボール用トスバッティング練習用自動トス集球装置。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-36058(P2015-36058A)
(43)【公開日】2015年2月23日
(54)【発明の名称】野球、ソフトボール用トスバッティング練習用自動トス集球装置。
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20150127BHJP
   A63B 69/38 20060101ALI20150127BHJP
   A63B 69/40 20060101ALI20150127BHJP
【FI】
   A63B69/00 505F
   A63B69/38 E
   A63B69/40 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-168189(P2013-168189)
(22)【出願日】2013年8月13日
(71)【出願人】
【識別番号】507079574
【氏名又は名称】株式会社フィールドフォース
(72)【発明者】
【氏名】吉村 尚記
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フルスイングでトスバッティング練習を行う事が可能な自動トス集球装置の提供。
【解決手段】縦横比が5:4位が一般的である受球ネットの形状を、縦横比6.5〜7:4程度まで、上方に伸張できるような機能を持たせ、ワンタッチで楽に伸張できることにより、打球の捕獲能力を格段に向上させ、様々な技量のバッターが、周囲への気兼ねをせずにフルスイングでのティーバッティング練習を可能にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量安全ボール用トスマシーンによって打ち出された軽量安全ボールをバットやラケットで打ち返し、その打ち返されたボールを受球ネットで球威を殺しながら受け止め、受球ネットを伝うようにして落下したボールを、底部の集球ネットスロープを介して、集球ネットスロープ中央のボール回収口フレームより再び前記のトスマシーンに供給するようにした自動トス集球装置において、受球ネットは打ち込まれたボールの威力を減じるのに十分な程度にたるみが出るよう設計されたサイズのネットからなり、また、集球ネットスロープは、方形にカットされたネット等の部材で、その中央部に集球ネット自体を傾斜させその傾斜を一定に保つためにネットに対して適度な張力をかけるのに必要な重量を持つ錘としての役割を兼ね備えた回収口フレームを有し、集球ネットスロープを転がり来たボールを集め、回収口フレームの下に非接触で位置したトスマシーンのボール補給部を介してトスマシーンにボールを再供給することを特徴とするトスバッティングやテニス打ち込み等練習用自動トス集球装置。
【請求項2】
自動トス集球装置の受球ネット部分は、その両サイドのポールを伸縮させることにより、容易にその受球面の高さを調整することができ、様々な技量の使用者に合わせた受球面を用意することにより、ボールが安易に後方に飛散することによる多くの問題点を解消することのできることを特徴とした請求項1記載のトスバッティング、テニス打ち込み練習用自動トス集球装置。
【請求項3】
自動トス集球装置の受球ネット部分は、高さを低くした時、受球ネットの長さが余ってしまい、打ち込んだボールに絡みついてボールがスロープを転がり落ちるのを妨げてしまうが、その受球ネット下部を本体ポールから伸張させた伸縮性のある紐等により適度な張力で引っ張ることによりネットがボールに絡みつかないようにした請求項1、または2記載のトスバッティング、テニス打ち込み等練習用自動トス集球装置。
【請求項4】
集球ネットスロープのボール回収口フレームは、その下に位置した軽量安全ボール用トスマシーンのボール補給部とは一定の距離を置いて非接触で対峙しており、集球ネットスロープ4隅のネットの升目を、4隅のポールに取り付けたフック部に掛けて集球ネットのサイズを調整することにより、集球ネットのボール回収口フレームとマシーンのボール補給部との間隔を自在に調整し、長期間の使用による集球ネットのネット材自身の伸張に対応することが可能となった請求項1、2または3記載のトスバッティング、テニス打ち込み等練習用自動トス集球装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は,野球・ソフトボール用のトスバッティング練習及びテニスの打ち込み等練習用自動トス集球装置の構造に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
野球には、トスバッティング練習という練習方法がある。元々は、コーチや同僚等からトスされたボールを打つことにより、バットスイングのタイミングやミートのポイント等を知覚練習するものであったが、近年はトスする人間の代わりにトスマシーンなどの器具を代用するようにもなって来ており、一人でもトスバッティング練習ができるようになった。
【0003】
従来の野球・ソフトボール用のトスバッティング練習用集球ネットは、ネット内に打ち込んだボールが、ネット内の底部または設定された収球部に溜まり、ある一定の数のボールを打ち終わると、トスをした人、もしくはトスバッティング練習をした人が、その練習を打ち切り、ボールを回収する作業をしなければ、また次の練習を始めることができなかった。限られた時間内に多く練習量をこなさなければならない、野球・ソフトボールの練習環境において、このボール拾いに費やされる時間と労力は、膨大な無駄であり、寸分の時間を惜しんで練習に励みたい多くの球児にとって悩みの種となっていた。
【0004】
もうひとつの課題は、従来のトスバッティング練習用受球ネットでは、ある一定数量のボールを連続して打ち込む練習をするためには、一定数量のボールが必要であり(通常30球から100球程度)、決して安くはないこのボールの経費負担が、多くの球児にとって悩みの種となっていた。
【0005】
さらにもう一つの大きな課題は、トスされたボールをネットに打ち込むためにはある程度の技量が必要であり、かなりの技量を備えた人でも、数10球に1球はネットを捕らえることができず、後方高くに打ち返してしまう危険性を伴っていることである。広いグラウンドでの練習なら問題は無いが、住宅地の庭先など周辺環境を考慮しなければならない場所では、これは大きな問題であり、一人でもできるトスバッティング練習というテーマに大きな制限を加えている現状がある。
練習者は万一のことを考え、ネットの大型化を求めたり、隣家との境に防御ネットを張り巡らせねばならず、大きな経費負担となっている。
【0006】
そして何よりも問題なことは、捕球ネットを外さないようにと無意識にスイングが縮こまってしまい、トスバッティング練習において、無意識にフルスイングができなくなっている点である。
【0007】
そこで考案されたのが、実用新案第3122137号に開示されているような、ネットに打ち込んだボールをトスマシーンと併用させて自動的に再トスをする方法であるが、この考案は、正規の野球ボールを使用することに固執し、捕球性能を追及するあまりネットの大型化を進めた結果、巨大化、複雑化してしまい、高価で組み立てや分解に大変な労力と時間がかかり、使用する場所も限定されてしまい、扱いづらい練習用具となってしまっている。
また、いかにネットを巨大化しても、それでもネットを外して打球が飛んでいってしまう危険性から完全に逃れることはできず、どうしてもスイングが縮こまってしまうという最大の欠点を克服できていない。
【特許文献1】実用新案第3122137号
【0008】
それらの課題を解決するために考案されたのが、下記の実用新案であった。
【特許文献2】実用新案第 3143165号
【0009】
そもそもトスバッティング練習というのはバットスイングのタイミングやミートのポイント等を知覚練習するものであり、多くの犠牲を払ってまで、正規の野球、ソフトボールを使用する必要性は感じられない。代用の軽量ボールでも、十分に練習効果があげられるわけである。
【0010】
この考案は、上記のような問題点の解決を図るために,野球・ソフトボール用のトスバッティング練習用自動トス集球装置に関して、軽量で飛距離の出ない、当たっても安全なボールを使用することにより、トスマシーンや集球ネットの規格を大幅にシンプルでコンパクトなものにすることにより、小型化、低価格化、設置と収納の簡素化、使用場所の選択枝を増やすとともに、なによりも、周囲への気兼ねを無くして、小型の集球ネットに対してでもフルスイングでのトスバッティング練習を可能にしようというものである。
軽量安全ボールを使用することにより、トスマシーンや集球ネットは劇的に小型軽量化するが、トスバッティング練習の主要課題であるミート練習にはなんら支障は無く、逆により思い切ったスイングが可能となるわけである。
【0011】
この考案の練習方法を簡単に描写すると下記のようになる。
トスマシーンによってトスされた軽量安全ボールを、トスバッティング練習をする人がトスバッティング練習用集球用ネット内に打ち込む。打ち込まれたボールは、受球ネットの特殊形状とサイズ的余裕によって作り出された空間とネットの自重でその打撃方向の威力を急減され、ネットを伝わって真下に落下することとなる。ボールが落下した底部には、受球ネット部同様のネットによって作られた集球ネットスロープが設置されており、落下の威力を上手く弾力性素材によって吸収されて軟着地したボールは、中心の回収口フレームの重量によって作られた集球ネットスロープの傾斜を転がってネットスロープの中心部に集まり、中心の回収口フレームから下部のトスマシーンの補給部へとボールは供給される。
【0012】
この一連の動きは、打球がネットを外れない限り、半永久的に連続することが可能であるため、従来しなければならなかったボール拾いに煩わされることがなくなり、思い切り、好きなだけトスバッティング練習に打ち込むことができる。また、従来準備しなければならなかった多数のボールも、ほんの3〜5個ですみ、その経費を他の用途に割り当てることができる。時間と経費の両方を節約できるわけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように万全を期して考案された自動トス集球装置であったが、この装置の主要対象者である学童の子供たちには、まだ解決されていない大きな問題点が残っていた。
ガレージの中などの締め切られた空間であれば問題はないが、試合前のトスバッティング練習やバッティング練習の一環としてグランドで使用する場合は、ネットを越えて飛翔するボールは、はるか彼方に飛んでいってしまい、それを回収するのに大変な労力を要し、最悪発見することができずに紛失するボールが多発してしまった。
【0014】
また、いかに軽量安全ボールを使っていても、受球ネットにボールを打ち込むことは、大変技量がいることであり、外して遠くへ飛散してしまうボールをイメージするだけで、ネットにボールを打ち込むことを意識し過ぎてしまい、縮こまったスイングになりがちな事に変わりはないことがわかって来た。
【課題を解決するための手段】
【0015】
受球ネットを外れてしまうボールの軌道を調べてみたところ、圧倒的に上へ外れてしまうボールが多いことがわかった。さらにその軌道を詳しく分析すると、身長150cmの学童の場合、自動トス集球装置の固定されたスイング位置では、ネットの上辺が260cmまで上がると、ほとんどのポップフライが捕獲できることもわかった。
ということは、ほとんどの打球を捕獲するためには、ネットを無意味に巨大にする必要はなく、ただ上方に260cmまで伸張させれば良いことがわかったのである。(図1参照)
【0016】
最も簡単に、ネジ等の工具が必要なパーツを使用することなく、受球ネット上部を上へスライドさせる方法は、図2の状態では、A-フレーム1にB-フレーム2が挿入されており、A-フレーム1に装填したC-突起パーツでB-フレーム2の下部口が支持されており、両サイドのB-フレーム2を同時に上方へ持ち上げることにより、A-フレーム1に沿ってB-フレーム2は上昇してゆき、図3の最高位置の状態でA-フレーム1に装填されているD-V字フック型突起パーツがB-フレーム2のサイド部に成型された穴に挿入されることにより、最上限のネット位置として固定される。
【0017】
そして、打者の技術が向上して、打球のコントロールができてくるに応じて、最上限ネットの位置を下げることにより、より狭いスペースへボールを打ち込む技術を身につけるトレーニングも可能になる。
この場合、本体フレームが短くなるとそれに従ってネットも弛んで、ボールに絡みつきやすくなり、ボールのスムースな集球ネットスロープへの移行を妨げます。その場合は、図4のように弛んだ受球ネット下部Eを本体ポールから伸張させた伸縮性のある紐等Fにより適度な張力で引っ張ることにより解決することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の効果は、今までと全く同じ設置スペースにもかかわらず、格段に打球の捕獲能力が向上したこと。打者は、ネット後方に打球が飛散してしまうことを心配することなく、思い切って、のびのびとスイングすることができるようになる。また、飛散したボールを回収に行く回数は極端に少なくなり、効率的な練習環境を作り出すことが可能になる。ましてや発見できずに回収不能となるボールの数も大きく減少し、財政面にも大きなメリットをもたらすことができる。
【0019】
また、チーム内には、バッティング技術の違う様々なプレーヤーがいますが、それぞれのプレーヤーの技術に合わせて、ワンタッチでネットの高低を調節できるメリットは、効率的かつ効果的な練習をするためには、大変有用な発明である。
このことは、年齢の違う家庭の兄弟間でも同じことが言える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1はトスバッティング練習用自動トス集球装置の受球ネット最伸張時の捕球状態を説明する全体図。
図2はトスバッティング練習用自動トス集球装置の受球ネットのオリジナル位置の構成状態を説明する正面図。
図3はトスバッティング練習用自動トス集球装置の受球ネット最伸張時の構成状態を説明する正面図。
図4はトスバッティング練習用自動トス集球装置のオリジナル位置において、受球ネットの弛みを防止する方策を説明する拡大図。
図5はトスバッティング練習用自動トス集球装置のオリジナル位置から伸張して最高位置まで到達させた場合の比較図。
【符号の説明】
【0021】
A=上方に伸張するフレーム2を支える、フレーム1.
B=上方に伸張するフレーム2.
C=上方に伸張するフレーム2をオリジナル位置で支持する突起パーツ。
D=最高位置の状態でフレーム2を支える、フレーム1に装填されているD-V字フック型突起パーツ。
E=オリジナルポジションで弛んだネット下部。
F=本体ポールから伸張させた伸縮性のある紐等。
図1
図2
図3
図4
図5