(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-36306(P2015-36306A)
(43)【公開日】2015年2月23日
(54)【発明の名称】ベルト取付構造および間仕切りパネル
(51)【国際特許分類】
B65D 90/02 20060101AFI20150127BHJP
B60H 1/32 20060101ALI20150127BHJP
【FI】
B65D90/02 J
B60H1/32 611Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-168504(P2013-168504)
(22)【出願日】2013年8月14日
(71)【出願人】
【識別番号】594016768
【氏名又は名称】アンクラジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰三
【テーマコード(参考)】
3E070
3L211
【Fターム(参考)】
3E070AA25
3E070AB21
3E070DA07
3E070RA01
3E070RA30
3E070TA01
3E070WJ20
3L211AA07
3L211BA33
3L211DA99
(57)【要約】
【課題】ベルトのパネルへの取り付け強度を確保しつつ荷物に傷を付けることを防ぐ。
【解決手段】コンテナ内部を仕切るパネル本体2にベルト3を取り付けるベルト取付構造1であって、パネル本体2の表面に形成され、該表面よりも凹んだ凹部4と、該凹部4の底面に固定されたワッシャ部材6と、ベルト3を凹部4内においてワッシャ部材6に固定するポップリベット7とを備え、該ポップリベット7の凹部4内に位置する頭部が、パネル本体2の表面と同一またはそれよりも内側に引っ込んだ位置に収納されているベルト取付構造1を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内部を仕切るパネル本体にベルトを取り付けるベルト取付構造であって、
前記パネル本体の表面に形成され、該表面よりも凹んだ凹部と、
該凹部の底面に固定されたワッシャ部材と、
前記ベルトを前記凹部内において前記ワッシャ部材に固定するポップリベットとを備え、
該ポップリベットの前記凹部内に位置する頭部が、前記パネル本体の表面と同一またはそれよりも内側に引っ込んだ位置に収納されているベルト取付構造。
【請求項2】
前記ワッシャ部材が、厚さ方向に貫通する多数の孔を有するプレート状の部材からなる請求項1に記載のベルト取付構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のベルト取付構造を備える間仕切りパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト取付構造およびこれを備える間仕切りパネルに関し、より詳しくは、コンテナ内部を、異なる温度に管理される2室以上に仕切る断熱性パネルにベルトを取り付けるためのベルト取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍保存物と冷蔵保存物とを1台のトラックで輸送するために、トラックのコンテナ内部を、異なる温度に管理される2室に仕切る断熱性の間仕切りパネルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。間仕切りパネルの表面には、作業者が当該パネルを移動させるための取手ベルトや、コンテナの内壁に当該パネルを固定するためのラッシングベルトが取り付けられている。荷重が作用するこれらベルトは、間仕切りパネルに対して堅固に取り付ける必要がある。そこで、ベルトの間仕切りパネルへの取り付けには、間仕切りパネルを貫通するボルトと、該ボルトに締結されるナットとを用い、ボルトの頭部とナットとによってベルトおよび間仕切りパネルを両側から挟み込む方式が一般に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−120266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のボルトおよびナットを用いた取付方式においては、間仕切りパネルの表面よりも突出しているボルトの頭部およびナットが、コンテナ内に積まれた荷物に接触し、荷物の外装用段ボール箱やその中身に傷を付けてしまうことがあるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ベルトのパネルへの取り付け強度を確保しつつ荷物に傷を付けることを防ぐことができるベルト取付構造および間仕切りパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、コンテナ内部を仕切るパネル本体にベルトを取り付けるベルト取付構造であって、前記パネル本体の表面に形成され、該表面よりも凹んだ凹部と、該凹部の底面に固定されたワッシャ部材と、前記ベルトを前記凹部内において前記ワッシャ部材に固定するポップリベットとを備え、該ポップリベットの前記凹部内に位置する頭部が、前記パネル本体の表面と同一またはそれよりも内側に引っ込んだ位置に収納されているベルト取付構造を提供する。
【0006】
本発明によれば、ベルトが、凹部の底面に固定されたワッシャ部材にポップリベットによって固定されており、ポップリベットの両端部がパネル本体の表面から突出しない。すなわち、ポップリベットの頭部は、凹部内に収納され、ポップリベットのかしめられた先端部分は、パネル本体の内部に位置している。これにより、ベルトのパネルへの取り付け強度を確保しつつ荷物に傷を付けることを防ぐことができる。
【0007】
上記発明においては、前記ワッシャ部材が、厚さ方向に貫通する多数の孔を有するプレート状の部材からなっていてもよい。
このようにすることで、凹部の底面にワッシャ部材を接着剤によって固定する工程において、接着剤が孔の内部にも入り込み、接着剤とワッシャ部材との接着面積がより大きくなる。これにより、大きな荷重が作用するワッシャ部材の、パネル本体に対する固定力を高めることができる。
また、本発明は、上記いずれかに記載のベルト取付構造を備える間仕切りパネルを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ベルトのパネルへの取り付け強度を確保しつつ荷物に傷を付けることを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るベルト取付構造を説明する図であり、間仕切りパネルの部分的な構成を示す(a)正面図、(b)側面図および(c)A−A断面図である。
【
図3】
図1のベルト取付構造を分解した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係るベルト取付構造1およびこれを備える間仕切りパネルについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る間仕切りパネルの一部分を示している。間仕切りパネルは、
図1に示されるように、断熱性を有する平板状のパネル本体2と、該パネル本体2に取り付けられたベルト3とを備え、該ベルト3は、ベルト取付構造1を用いてパネル本体2に取り付けられている。本例においては、パネル本体2の前面に取り付けられた、作業者がパネル本体2を移動させるための取手ベルト3について説明するが、本実施形態のベルト取付構造1は、パネル本体2の外面に取り付けられる任意のベルト(例えば、ラッシングベルト)の取り付けに適用することができる。
【0011】
パネル本体2は、断熱性を有する板状の断熱材2aと、該断熱材2aの外面を被覆する保護シート2bとを備えている。断熱材2aは、例えば、発泡スチロールや発泡ウレタン等の発泡体である。保護シート2bは、例えば、ABS樹脂からなる。
取手ベルト3は、端部を折り返してなる環状のループ部3aが両端に形成されている。
【0012】
本実施形態に係るベルト取付構造1は、
図1および
図2に示されるように、パネル本体2の前面に形成された凹部4と、取手ベルト3の端部に連結された取付金具5と、凹部4の底面に固定されたバックプレート(ワッシャ部材)6と、該バックプレート6に取付金具5を固定するポップリベット7とを備えている。
パネル本体2の前面は、全体として略平坦である。凹部4は、略平坦な周囲の平坦部分よりもパネル本体2の内側に凹んでおり、平坦な底面を有している。また、凹部4は、取手ベルト3の両端部に対応して2個1組で設けられている。
【0013】
取付金具5は、取手ベルト3のループ部3a内に挿入され、両端部が取手ベルト3の幅方向の両側に突出している。これら両端部は、略同一平面上に位置する平板状であり、ポップリベット7が挿入されるリベット穴5aが厚さ方向に貫通形成されている。
【0014】
バックプレート6は、金属等の剛体からなる平板状の部材であって、凹部4の底面に設けられている。具体的には、バックプレート6は、断熱材2aと保護シート2bとの間に位置し、バックプレート6の両面が接着剤によって断熱材2aおよび保護シート2bに固定されている。また、バックプレート6は、厚さ方向に貫通する多数の孔6aを有しており、これによって、後述するように、バックプレート6と断熱材2aおよび保護シート2bとの間のより強い接着強度が得られるようになっている。
【0015】
ポップリベット7は、両端が開口した筒状の胴部7aと、該胴部7aの一端に設けられたフランジ状の頭部7bとを有し、胴部7aの先端部分を、図示しないリベッターを用いてかしめて半径方向に拡大変形させるものである。リベッターは、胴部7a内に貫通して挿入される軸部と、該軸部の先端に設けられた頭部とを有し、ポップリベット7の頭部7bとリベッターの頭部とが、胴部7aを間に挟んで互いに反対側に配置される。そして、リベッターの軸部を、該リベッターの頭部とは反対側に引き抜くことによって、リベッターの頭部によって胴部7aの先端部分をかしめることができる。ポップリベット7は、頭部7bと、かしめられた胴部7aの先端部分(以下、この部分をかしめ部とも言う。)7cとで取付金具5およびバックプレート6を両側から挟み込み、取付金具5をバックプレート6に固定する。
【0016】
ここで、
図2に示されるように、凹部4の深さ寸法Dは、ポップリベット7の頭部7bの高さ寸法Hと、取付金具5の端部の厚さ寸法Tとの和と、同一またはそれよりも大きく設計されている。これにより、ポップリベット7の頭部7bの頂面が、パネル本体2の前面の平坦部分と同一またはそれよりも内側に引っ込んだ位置に配され、ポップリベット7の頭部7b全体が、凹部4内に収納されるようになっている。
【0017】
次に、本実施形態に係るベルト取付構造1の形成方法について説明する。
図3は、ベルト取付構造1の分解図である。
図3に示されるように、まず、断熱材2aおよび保護シート2bの前面に、凹部4となる窪み2c,2dをそれぞれ形成する。次に、保護シート2bの窪み2dの背面にバックプレート6の前面を両面テープ等を用いて固定する。一方、断熱材2aの窪み2cに接着剤を塗布する。そして、バックプレート6を断熱材2aの窪み2cに位置合わせし、バックプレート6の背面を窪み2cの底面に接着する。
【0018】
このときに、窪み2cの底面に塗布された接着剤が、孔6a内を介してバックプレート6の背面から前面まで移動することによって、孔6aが形成されていない(つまり、背面が真っ平らな)バックプレート6に比べて、バックプレート6と断熱材2aとのより大きな接着面積が得られる。これにより、バックプレート6と断熱材2aとの間の強い接着強度が得られ、作業者が取手ベルト3を引っ張ったときに、バックプレート6が断熱材2aから剥がれることを防ぐことができる。また、バックプレート6の前面に回り込んだ接着剤によって、保護シート2bもバックプレート6および断熱材2aに対してより強く接着する。これにより、バックプレート6周辺を頑丈な構造とすることができる。
【0019】
次に、接着剤が硬化した後に、ポップリベット7用の穴を保護シート2bおよびバックプレート6に貫通形成し、この穴に取付金具5のリベット穴5aを位置合わせし、ポップリベット7をリベット穴5aを介してパネル本体2内へ挿入し、ポップリベット7を所定の手順でバックプレート6に固定する。これにより、
図2に示されるように、取手ベルト3を、取付金具5およびバックプレート6を介してパネル本体2に取り付けることができる。
【0020】
このように、本実施形態に係るベルト取付構造1によれば、パネル本体2に固定されたバックプレート6に対して、取手ベルト3をポップリベット7を用いて取り付けている。これにより、パネル本体2に対して取手ベルト3を十分堅固に取り付けることができる。
【0021】
さらに、パネル本体2の前面においては、凹部4内に収納されたポップリベット7の頭部7bが平坦部分よりも突出することがなく、さらに、ポップリベット7のかしめ部7cはパネル本体2の内部に位置するので、パネル本体2の背面は硬い金具が存在しない平坦な形状となる。このように、パネル本体2の表面からの金具の突出が無い構造とすることによって、間仕切りパネルに荷物が接触したときに、荷物が傷ついてしまうことを防ぐことができる。
【0022】
さらに、ベルト3を固定するための金具として、パネル本体2を貫通するボルトを使用した場合には、高い熱伝導性を有するボルトが、パネル本体2の一側から他側へ熱を伝えてしまい、間仕切りパネルの断熱性能の低下の要因となる。これに対し、パネル本体2を貫通しないポップリベット7を採用することによって、パネル本体2の一側と他側とを接続する熱伝導性の高い部材が存在しないので、間仕切りパネルの断熱性能を向上することができるという利点がある。
【0023】
なお、本実施形態においては、取付金具5を介して取手ベルト3を凹部4の底面に固定することとしたが、取手ベルト3の強度を確保できる場合には、取付金具5を省略し、取手ベルト3の端部を直接凹部4の底面に固定してもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 ベルト取付構造
2 パネル本体
2a 断熱材
2b 保護シート
2c,2d 窪み
3 取手ベルト(ベルト)
3a ループ部
4 凹部
5 取付金具
5a リベット穴
6 バックプレート(ワッシャ部材)
6a 孔
7 ポップリベット
7a 胴部
7b 頭部
7c かしめ部