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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-36310(P2015-36310A)
(43)【公開日】2015年2月23日
(54)【発明の名称】ケースコンベヤの排出口開閉装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 19/28 20060101AFI20150127BHJP
   B65G 19/06 20060101ALI20150127BHJP
   B65G 47/78 20060101ALI20150127BHJP
【FI】
   B65G19/28
   B65G19/06
   B65G47/78 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-167278(P2013-167278)
(22)【出願日】2013年8月12日
(71)【出願人】
【識別番号】504005781
【氏名又は名称】株式会社日立プラントメカニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】江崎 眞悟
【テーマコード(参考)】
3F013
3F070
【Fターム(参考)】
3F013BA01
3F013BA02
3F013BB02
3F013BB12
3F013BC11
3F013BC14
3F013BD01
3F070AA01
3F070BF01
3F070EA24
3F070EB07
(57)【要約】
【課題】比較的簡易な構成で、ゲート板開時における搬送チェーンの落ち込みを防止することができるとともに、ゲート板閉時におけるゲート板上の被搬送物の残留を防止することができるケースコンベヤの排出口開閉装置を提供すること。
【解決手段】排出口7Aを開閉するためのゲート板25を備え、該ゲート板25は、搬送チェーン8を下側から支持する搬送チェーン支持板部29等を有する第1区画板部25aと、排出口7Aを塞ぐ第2区画板部25bとを有するものとし、該ゲート板25を、その上面が底板2dの上面と同一平面をなした状態でスライド方向Yに沿ってスライド可能に配設して、該ゲート板25のスライド動作により、第1区画板部25aを排出口7Aに位置させるゲート板開位置と、第2区画板部25bを排出口7Aに位置させるゲート板閉位置とを切り替えるようにする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物の搬送方向に沿って延びる底板を有するコンベヤケースと、被搬送物を排出するためにコンベヤケースの底板に設けた排出口と、コンベヤケースの内部に被搬送物の搬送方向に沿って配設される搬送チェーンとを備え、搬送チェーンの周回運動により、コンベヤケース内の底板上の被搬送物を排出口へと搬送するように構成されるケースコンベヤの排出口開閉装置であって、コンベヤケースの排出口を開閉するためのゲート板を備え、該ゲート板は、被搬送物を下方へと通過させる開口部及び搬送チェーンを下側から支持する搬送チェーン支持板部をそれぞれ有する第1区画板部と、コンベヤケースの排出口を塞ぐ第2区画板部とを有するものとし、該ゲート板を、その上面がコンベヤケースの底板の上面と同一平面をなした状態で被搬送物の搬送方向と直交する方向にスライド可能に配設して、該ゲート板のスライド動作により、第1区画板部をコンベヤケースの排出口に位置させるゲート板開位置と、第2区画板部をコンベヤケースの排出口に位置させるゲート板閉位置とを切り替えるようにしたことを特徴とするケースコンベヤの排出口開閉装置。
【請求項2】
第1区画板部における開口部及び/又は搬送チェーン支持板部の上縁部に面取りを施すことを特徴とする請求項1記載のケースコンベヤの排出口開閉装置。
【請求項3】
ゲート板がゲート板開位置及びゲート板閉位置のいずれの状態位置にあるかを検知するゲート板状態位置検知手段を設けることを特徴とする請求項1又は2記載のケースコンベヤの排出口開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、セメントや化学製品、肥料、穀物等の粉粒状の被搬送物を搬送するケースコンベヤの排出口開閉装置に関し、特に、被搬送物の搬送方向と直交する方向にゲート板をスライドさせて該排出口を開閉するクロスゲート式の排出口開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒状の被搬送物をコンベヤケースの底板に設けられた排出口に向けて搬送チェーンで搬送するようにしたケースコンベヤに装備される排出口開閉装置としては、例えば、被搬送物の搬送方向と直交する方向にゲート板をスライドさせて該排出口を開閉するクロスゲート式のものや、被搬送物の搬送方向に沿ってゲート板をスライドさせて該排出口を開閉するレングスゲート式のものなどがある。
【0003】
この種の排出口開閉装置において、コンベヤケースの排出口に架け渡されるように平面視Yの字形状の搬送チェーン支持板部を底板に設けて搬送チェーンを下側から支持するようにして、搬送チェーンが排出口を通過する際の落ち込みを防止するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、コンベヤケースの底板とゲート板との段差に起因してゲート板上に被搬送物が残留するのを防止するために、ゲート板をスライドさせる駆動アームに設けられたピンをゲート板に設けられたS字傾斜孔に挿通することにより、ゲート板の閉動作時にコンベヤケースの排出口に対してゲート板がせり上がるような昇降機構を構成し、ゲートが閉じたときに、ゲート板がコンベヤケースの底板と同一高さとなるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−159616号公報(第3頁、第9図)
【特許文献2】特開2006−327767号公報
【0005】
しかしながら、上記に列挙した排出口開閉装置のうち、前者の搬送チェーン支持板部を設けたものでは、コンベヤケースの底板に該搬送チェーン支持板部を設ける都合上、コンベヤケースの底板の下側にゲート板が配されることになるため、コンベヤケースの底板とゲート板との段差に起因して、ゲート板閉時にゲート板上に被搬送物が残留するという問題点がある。
一方、後者の昇降機構を設けたものでは、機構が複雑となるため、該機構部分での被搬送物の残留や噛み込みなどの不具合が生じる恐れがあるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来のケースコンベヤの排出口開閉装置の有する問題点に鑑み、比較的簡易な構成で、ゲート板開時における搬送チェーンの落ち込みを防止することができるとともに、ゲート板閉時におけるゲート板上の被搬送物の残留を防止することができるケースコンベヤの排出口開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のケースコンベヤの排出口開閉装置は、被搬送物の搬送方向に沿って延びる底板を有するコンベヤケースと、被搬送物を排出するためにコンベヤケースの底板に設けた排出口と、コンベヤケースの内部に被搬送物の搬送方向に沿って配設される搬送チェーンとを備え、搬送チェーンの周回運動により、コンベヤケース内の底板上の被搬送物を排出口へと搬送するように構成されるケースコンベヤの排出口開閉装置であって、コンベヤケースの排出口を開閉するためのゲート板を備え、該ゲート板は、被搬送物を下方へと通過させる開口部及び搬送チェーンを下側から支持する搬送チェーン支持板部をそれぞれ有する第1区画板部と、コンベヤケースの排出口を塞ぐ第2区画板部とを有するものとし、該ゲート板を、その上面がコンベヤケースの底板の上面と同一平面をなした状態で被搬送物の搬送方向と直交する方向にスライド可能に配設して、該ゲート板のスライド動作により、第1区画板部をコンベヤケースの排出口に位置させるゲート板開位置と、第2区画板部をコンベヤケースの排出口に位置させるゲート板閉位置とを切り替えるようにしたことを特徴とする。
【0008】
この場合において、第1区画板部における開口部及び/又は搬送チェーン支持板部の上縁部に面取りを施すことができる。
【0009】
また、ゲート板がゲート板開位置及びゲート板閉位置のいずれの状態位置にあるかを検知するゲート板状態位置検知手段を設けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のケースコンベヤの排出口開閉装置によれば、ゲート板のスライド動作によってゲート板がゲート板開位置とされたとき、コンベヤケースの排出口に対応する位置にゲート板の第1区画板部が配されるので、この第1区画板部に設けられた搬送チェーン支持板部によって搬送チェーンが下側から支持されることになり、搬送チェーンがコンベヤケースの排出口を通過する際の落ち込みを防止することができる。
また、ゲート板のスライド動作によってゲート板がゲート板閉位置とされたとき、コンベヤケースの排出口に対応する位置にゲート板の第2区画板部が配されるので、コンベヤケースの底板の上面とゲート板の上面とが同一平面をなした状態でコンベヤケースの排出口がゲート板の第2区画板部によって塞がれることになり、コンベヤケースの底板とゲート板との段差に起因してゲート板上に被搬送物が残留するのを防止することができる。
これらの作用効果は、ゲート板を、搬送チェーン支持板部等を有する第1区画板部と、コンベヤケースの排出口を塞ぐ第2区画板部とに区画するとともに、該ゲート板をその上面がコンベヤケースの底板の上面と同一平面をなした状態で被搬送物の搬送方向と直交する方向にスライドさせるようにするといった比較的簡易な構成で達成することができるので、機構が複雑になることはなく、機構部分での被搬送物の残留や噛み込みなどの不具合を未然に防ぐことができる。
【0011】
また、第1区画板部における開口部及び/又は搬送チェーン支持板部の上縁部に面取りを施すことにより、ゲート板のスライド動作時におけるゲート板と搬送チェーンとの干渉を確実に防ぐことができる。
【0012】
また、ゲート板がゲート板開位置及びゲート板閉位置のいずれの状態位置にあるかを検知するゲート板状態位置検知手段を設けることにより、ゲート板開位置とゲート板閉位置との切り替えをより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る排出口開閉装置を具備するケースコンベヤを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3図1のB−B線断面図で、ゲート板開位置状態図である。
図4図3のC−C線断面図である。
図5図1のB−B線断面図で、ゲート板閉位置状態図である。
図6図5のD−D線断面図である。
図7図5のE−E線断面図である。
図8】ゲート板を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図9】スライド駆動装置の他の態様例の説明図(図1のB−B線断面に対応する図で、ゲート板閉位置状態図)である。
図10】搬送チェーンの他の態様例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明のケースコンベヤの排出口開閉装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
<ケースコンベヤの概略説明>
図1(a)(b)に示されるケースコンベヤ1は、例えば、セメントや化学製品、肥料、穀物等の粉粒状の被搬送物の水平輸送又は緩やかな傾斜輸送(本例では水平輸送)を行うものであり、図中記号X矢印で示される被搬送物の搬送方向(以下、「搬送方向X」という。)に沿って延びる底板2を有する断面略四角形状のコンベヤケース3を備えている。
【0016】
<コンベヤケースの説明>
コンベヤケース3は、搬送方向Xに所定の距離を隔てて配されるヘッドケーシング3a及びテールケーシング3bを備え、これらケーシング3a、3bの間に複数の中間ケーシング3c、3d、3eを一列に配設し、互いに隣接するケーシング同士を連結して構成されている。
【0017】
ヘッドケーシング3aの内部には、駆動スプロケット4が回転自在に配設される一方、テールケーシング3bの内部には、従動スプロケット5が回転自在に配設されている。
複数の中間ケーシング3c、3d、3eのうち、テールケーシング3b連結される中間ケーシング3eには、被搬送物を投入するための投入口6が設けられている。
複数の中間ケーシング3c、3d、3eのうち、真中の中間ケーシング3dの底板2dには、被搬送物を下方へと排出するための排出口7Aが設けられ、同様の排出口7Bがヘッドケーシング3aの底板2aにも設けられている。
【0018】
<搬送チェーンの説明>
コンベヤケース3の内部には、搬送方向Xに沿って搬送チェーン8が配設されている。
搬送チェーン8は、複数のリンクの端部同士をピンで連結して駆動スプロケット4と従動スプロケット5とに無端状に巻き掛けられるチェーン8aを備え、このチェーン8aの各リンクに外側に張り出すように短冊板状の搬送羽根8bを取り付けて構成されている。
そして、図示されない電動モータからの回転動力が駆動スプロケット4に伝達されると、搬送チェーン8の周回運動が行われ、この搬送チェーン8の周回運動により、コンベヤケース3内の底板2上の被搬送物が搬送羽根8bで掻かれるようにして排出口7A、7Bへと搬送されるようになっている。
【0019】
<排出口開閉装置の説明>
中間ケーシング3dには、排出口7Aを開閉するための排出口開閉装置10Aが取り付けられ、同様の排出口開閉装置10Bがヘッドケーシング3aにも取り付けられている。
これら排出口開閉装置10A、10Bは、基本的に同じ構造のものであるので、以下においては主として中間ケーシング3dに取り付けられた排出口開閉装置10Aについて説明することとし、この説明をもって、ヘッドケーシング3aに取り付けられた排出口開閉装置10Bについての説明を行ったものとする。
【0020】
<ゲートフレームの説明>
図3に示されるように、排出口開閉装置10Aは、その骨組みを構成するゲートフレーム11を備えている。
ゲートフレーム11は、搬送方向Xに沿って延びる所要の縦枠部材12a、12bと、搬送方向Xと直交する水平方向(以下、「スライド方向Y」と称する。)に沿って延びる所要の横枠部材13とを四角枠状に組んで接合してなり、中央位置に配される中央枠部11aと、搬送方向Xに向かって左側(図3において右側)に配される左枠部11bと、搬送方向Xに向かって右側(図3において左側)に配される右枠部11cとを有している。
【0021】
中央枠部11aは、中間ケーシング3dの底板2dに設けられた排出口7Aに対応する開口部14を有している。
左枠部11bには、その上面側及び下面側にそれぞれ上カバー部材15及び下カバー部材16が着脱可能に取り付けられ、これらカバー部材15、16及び左枠部11bによって箱形構造の左ケーシング17が構成されている。
右枠部11cにも左枠部11bと同様に、上カバー部材18及び下カバー部材19がそれぞれ取り付けられ、これらカバー部材18、19及び右枠部11cによって箱形構造の右ケーシング20が構成されている。
【0022】
中央枠部11a上には、搬送方向Xに沿って延びる一対の取付ビーム部材21が中間ケーシング3dの両側板に食い込むようにして固着され、これら取付ビーム部材21に対応する取付フランジ22が中間ケーシング3dの両側板に設けられている。
排出口開閉装置10Aにおいては、ゲートフレーム11における中央枠部11aの上面側が中間ケーシング3dの底板2dに締結具等によって固定されるとともに、中央枠部11a上の取付ビーム部材21が中間ケーシング3dの取付フランジ22に締結具等によって固定されることによって、中間ケーシング3dに固定される。
【0023】
<ゲート板の説明>
ゲートフレーム11には、排出口7Aを開閉するためのゲート板25が配設されている。
図4に示されるように、ゲートフレーム11の各横枠部材13には、ゲート板25をスライド方向Yに沿って案内するガイドレール26が取り付けられている。
図7に示されるように、ガイドレール26は、ゲート板25の上面が中間ケーシング3dの底板2dの上面と同一平面をなす高さ位置に配されるように各横枠部材13に対する取付高さ位置が定められている。
こうして、ゲート板25は、その上面が底板2dの上面と同一平面をなした状態でスライド方向Yに沿ってスライド可能とされている。
【0024】
図8に示されるように、ゲート板25は、スライド方向Yの幅寸法が中間ケーシング3dの幅寸法の2倍以上の長方形板状部材からなり、当該ゲート板25をスライド方向Yに二分するように第1区画板部25aと第2区画板部25bとを有している。
第1区画板部25aは、被搬送物を下方へと通過させる第1開口部27A、第2開口部27B及び第3開口部28をそれぞれ有するとともに、搬送チェーン8を下側から支持する搬送チェーン支持板部29を有している。
また、第2区画板部25bは、排出口7Aを塞ぐのに十分な広さの板面を有している。
【0025】
第1区画板部25aにおいて、搬送チェーン支持板部29は、当該第1区画板部25aに対して第1開口部27A、第2開口部27B及び第3開口部28をそれぞれ形成するための切断加工等を施すに伴い形成されるものであり、搬送方向Xに沿って真っ直ぐに延びる直線板部29aと、この直線板部29aから搬送方向Xに向かって左右に分岐して斜めに延びる左右の斜め板部29bとよりなる平面視Yの字形状を呈するものとされている。
また、第1開口部27A、第2開口部27B、第3開口部28及び搬送チェーン支持板部29のそれぞれにおいては、上縁部の必要箇所、すなわち、ゲート板25のスライド動作時に搬送チェーン8と干渉する恐れがある箇所(図8(a)中、網掛けを施した部分)に面取り25cを施して、ゲート板25のスライド動作時におけるゲート板25と搬送チェーン8との干渉を確実に防ぐようにされている。
【0026】
ところで、搬送チェーン8の搬送羽根8bの横幅方向の寸法Lと、ゲート板25の第1開口部27A及び第2開口部27Bの横幅方向の寸法Laと、ゲート板25の第3開口部28の横幅方向の寸法Lbとは、La>L>Lbの関係を満たすように形成されている。
これにより、搬送チェーン8の搬送羽根8bを、直線板部29aと斜め板部29bとよりなる搬送チェーン支持板部29から、ゲート板25の第3開口部28の側縁部にかけて連続的に支持しながら、搬送羽根8bによって搬送されてきた被搬送物を、搬送チェーン支持板部29の位置の被搬送物を除いて、ゲート板25の第1開口部27A及び第2開口部27Bを通過して下方へ落下させ、次いで、搬送チェーン支持板部29の位置の被搬送物は、ゲート板25の第3開口部28を通過して下方へ落下させるようにすることができる。
【0027】
<ゲート板のスライド駆動装置の説明>
図3及び図4に示されるように、ゲート板25をスライド方向Yに沿って往復駆動するスライド駆動装置30は、ゲート板25の下面に固定される一対のラック31を備えている。
一対のラック31は、スライド方向Yに沿って延び、搬送方向Xに所定間隔を有して配設され、これら一対のラック31に対応して噛み合う一対のピニオンギヤ32が、ゲートフレーム11の左枠部11bに回転自在に支持される回転軸33に固定されている。
【0028】
図2に示されるように、左ケーシング17上には、ゲート板25の駆動用の電動モータ34が設置されている。
電動モータ34の出力軸には、駆動スプロケット35が固定され、この駆動スプロケット35に対応する従動スプロケット36が回転軸33の一端部に固定され、これら駆動スプロケット35と従動スプロケット36には、伝動チェーン37が巻き掛け装着されている。
電動モータ34の回転動力は、駆動スプロケット35から伝動チェーン37、従動スプロケット36及び回転軸33を介して図3に示されるピニオンギヤ32に伝達され、ピニオンギヤ32とラック31とによってスライド方向Yに沿う直線動力に変換される。
【0029】
こうして、電動モータ34の作動により、ゲート板25がスライド方向Yに沿って往復駆動され、図3に示されるように、ゲート板25をスライド方向Yの一側(図3において右側)に向かってスライドさせることにより、ゲート板25の第1区画板部25aを排出口7Aに位置させることができるとともに、図5に示されるように、ゲート板25をスライド方向Yの他側(図5において左側)に向かってスライドさせることにより、ゲート板25の第2区画板部25bを排出口7Aに位置させることができる。
以下、図3に示されるように、第1区画板部25aが排出口7Aに位置するゲート板25の状態位置のことを「ゲート板開位置」と称し、図5に示されるように、第2区画板部25bが排出口7Aに位置するゲート板25の状態位置のことを「ゲート板閉位置」と称することとする。
【0030】
なお、ゲート板25をスライド方向Yに沿って往復駆動するスライド駆動装置30には、本実施例に示すラック31、ピニオンギヤ32等からなる機構のほか、図9に示すように、固定側(例えば、縦枠部材12b)とゲート板25とを、エアーシリンダ、パワーシリンダ、油圧シリンダ等のシリンダ機構31Aによって連結し、シリンダ機構31Aを伸縮操作することによって、ゲート板25を直接的にスライドさせるようにすることもできる。
【0031】
<ゲート板状態位置検知手段の説明>
スライド駆動装置30には、ゲート板25がゲート板開位置及びゲート板閉位置のいずれの状態位置にあるかを検知するゲート板状態位置検知手段が付設されている。
すなわち、図4に示されるように、ゲート板25がゲート板開位置に位置されたときに、ゲート板25に設けられたストライカー38と、このストライカー38に対応するように左枠部11b内に配設されたリミットスイッチ39とが係合して、リミットスイッチ39からの信号により、ゲート板25がゲート板開位置の状態にあることを確実に検知することができるようになっている。
また、図6に示されるように、ゲート板25がゲート板閉位置に位置されたときに、ゲート板25に設けられたストライカー40と、このストライカー40に対応するように左枠部11b内に配設されたリミットスイッチ41とが係合して、リミットスイッチ41からの信号により、ゲート板25がゲート板閉位置の状態にあることを確実に検知することができるようになっている。
こうして、ゲート板開位置とゲート板閉位置との切り替えをより正確に行うことができる。
【0032】
<シール構造の説明>
図3に示されるように、ゲートフレーム11における中央枠部11aと左枠部11bとの境界位置には、中央枠部11a側からの左枠部11bへの被搬送物の侵入を防ぐために、ゲート板25の上面及び下面にそれぞれ接触するように、例えば、ゴム等よりなるシール部材42a、42bが配設されている。
また、中央枠部11aと右枠部11cとの境界位置にも同様のシール部材42a、42bが配設されている。
また、図示による詳細な説明は省略するが、ゲート板25と横枠部材13との間にもシール部材が配設されている。
こうして、ゲート板25のスライド機構部分での被搬送物の残留や噛み込みなどの不具合の発生をより確実に防ぐことができる。
なお、装置の外部側に配されるシール部材42aを保護するために、シール部材42aを覆うようにカバー部材43が配設されている。
【0033】
<作用効果の説明>
以上に述べたように構成されるケースコンベヤ1の排出口開閉装置10Aにおいては、電動モータ34(図2参照)の作動により、図3及び図4に示されるように、ゲート板25をスライド方向Yの一側(図3及び図4において右側)に向かってスライドさせて、リミットスイッチ39からの信号によってゲート板25がゲート板開位置に位置されたことが検知されると、電動モータ34の作動が停止されて、ゲート板25がゲート板開位置の状態とされる。
これにより、図3に示されるように、排出口7Aに対応する位置にゲート板25の第1区画板部25aが配されることになり、搬送チェーン8によって搬送される被搬送物が第1区画板部25aに設けられた各開口部27A、27B、28(図4参照)を通して下方へと落下され、中央枠部11aの開口部14から排出シュート44を介して排出される。
この際、搬送チェーン8は、第1区画板部25aに設けられた搬送チェーン支持板部29によって下側から支持されているので、搬送チェーン8が排出口7Aを通過する際の落ち込みを防止することができる。
【0034】
また、電動モータ34(図2参照)の作動により、図5及び図6に示されるように、ゲート板25をスライド方向Yの他側(図5及び図6において左側)に向かってスライドさせて、リミットスイッチ41からの信号によってゲート板25がゲート板閉位置に位置されたことが検知されると、電動モータ34の作動が停止されて、ゲート板25がゲート板閉位置の状態とされる。
これにより、図5に示されるように、排出口7Aに対応する位置にゲート板25の第2区画板部25bが配され、図7に示されるように、中間ケーシング3dの底板2dの上面とゲート板25の上面とが同一平面をなした状態で排出口7Aが第2区画板部25bによって完全に塞がれることになる。
このような状態で搬送チェーン8による被搬送物の搬送が行われると、底板2dと第2区画板部25bとの段差がないため、第2区画板部25b上の被搬送物も底板2d上の被搬送物と同様に搬送チェーン8の搬送羽根8bで掻かれるようにして搬送されることになり、ゲート板25上に被搬送物が残留するのを防止することができる。
【0035】
上記の作用効果は、ゲート板25を、搬送チェーン支持板部29等を有する第1区画板部25aと、排出口7Aを塞ぐ第2区画板部25bとに区画するとともに、該ゲート板25をその上面が底板2dの上面と同一平面をなした状態でスライド方向Yに沿ってスライドさせるようにするといった比較的簡易な構成で達成することができるので、機構が複雑になることはなく、機構部分での被搬送物の残留や噛み込みなどの不具合を未然に防ぐことができる。
【0036】
以上、本発明のケースコンベヤの排出口開閉装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0037】
<搬送チェーンの別態様>
搬送チェーンとして、例えば、上記の実施形態の搬送チェーン8に代えて、図10に示されるような搬送チェーン45を用いる態様もある。該搬送チェーン45は、内リンクと外リンクとを連結するピンにブシュを介してローラを装着してなるローラチェーン45aを備え、このローラチェーン45aの各リンクに外側に張り出すように搬送羽根45bを取り付けてなるものである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のケースコンベヤの排出口開閉装置は、比較的簡易な構成で、ゲート板開時における搬送チェーンの落ち込みを防止することができるとともに、ゲート板閉時におけるゲート板上の被搬送物の残留を防止することができるという特性を有していることから、異なる種類の粉粒状輸送物を取り扱うケースコンベヤにおいて残留物に起因する品質低下の防止の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ケースコンベヤ
2 底板
2d 底板
3 コンベヤケース
3d 中間ケーシング
7A 排出口
7B 排出口
8 搬送チェーン
10A 排出口開閉装置
10B 排出口開閉装置
25 ゲート板
25a 第1区画板部
25b 第2区画板部
25c 面取り
27A 第1開口部
27B 第2開口部
28 第3開口部
29 搬送チェーン支持板部
30 スライド駆動装置
38 ストライカー(ゲート板状態位置検知手段)
39 リミットスイッチ(ゲート板状態位置検知手段)
40 ストライカー(ゲート板状態位置検知手段)
41 リミットスイッチ(ゲート板状態位置検知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10