特開2015-37084(P2015-37084A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-37084電子部品供給装置、電子部品実装装置及び電子部品実装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-37084(P2015-37084A)
(43)【公開日】2015年2月23日
(54)【発明の名称】電子部品供給装置、電子部品実装装置及び電子部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20150127BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20150127BHJP
【FI】
   H05K13/04 C
   H05K13/08 P
   H05K13/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-167230(P2013-167230)
(22)【出願日】2013年8月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅志
【テーマコード(参考)】
5E313
【Fターム(参考)】
5E313AA08
5E313AA11
5E313AA17
5E313CC02
5E313CC04
5E313CC09
5E313CE02
5E313CE06
5E313CE11
5E313DD01
5E313DD03
5E313DD12
5E313DD33
5E313DD50
5E313EE01
5E313EE02
5E313EE03
5E313EE38
5E313FF08
5E313FF24
5E313FF25
5E313FF26
5E313FF28
5E313FF32
5E313FF34
(57)【要約】
【課題】電子部品供給装置の部品供給を良好にする。
【解決手段】電子部品実装装置100への電子部品受け渡し位置まで部品連結体Kを案内する搬送路211を有するフレーム210と、搬送路に沿って部品連結体を送る送り機構260と、電子部品受け渡し位置で部品連結体の先頭の電子部品Cの各々のリードL、Lの先端部を切断し、残端部を折曲成形するリード処理機構230とを備え、リード処理機構が、部品連結体を挟んで対向し、電子部品の個々のリードを受け入れるスリット状のリード導入部234a,235aが形成された一対の側壁部231と、各側壁部の外側の面に沿って切断動作を行う一対の動メス232と、各側壁部の内側の面に沿って上昇してリードL,Lを折曲する一対の成形型233と、動メス及び成形型に動作を付与する動作機構250と有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品本体の両端部から外側に向かってリードが延出された複数の電子部品を、前記リードを介して一対のテープにより連結された部品連結体として搬送する電子部品供給装置において、
一端側の電子部品受け渡し位置まで前記部品連結体を案内する搬送路を有するフレームと、
前記搬送路に沿って前記部品連結体を送る送り機構と、
前記電子部品受け渡し位置で前記部品連結体の先頭の電子部品の各々のリードの先端部を切断し、残された残端部を折曲成形するリード処理機構とを備え、
前記リード処理機構が、
前記搬送路を送られる部品連結体を挟んで対向した状態で立設されると共に、搬送される前記電子部品の個々のリードを受け入れるスリット状のリード導入部が形成された一対の側壁部と、
それぞれの前記側壁部の外側の面に沿って切断動作を行う一対の動メスと、
前記動メスに切断動作を付与するメス動作機構と、
それぞれの前記側壁部の内側の面に沿って上昇し、それぞれの前記リードを折曲する一対の成形型と、
前記成形型に上昇動作を付与する型動作機構とを有することを特徴とする電子部品供給装置。
【請求項2】
前記メス動作機構と前記型動作機構が駆動源を共通とし、前記駆動源により駆動される駆動シャフトに前記動メスと前記成形型が連結されることを特徴とする請求項1記載の電子部品供給装置。
【請求項3】
前記一対の側壁部は、一対の板状の固定メスとその内側に位置する一対の板状の固定成形型とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の電子部品供給装置。
【請求項4】
前記動メスの先端部と、前記側壁部のリード導入部の外側の縁部とに、断面の傾斜角度が鋭角となる刃先を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項5】
前記成形型の先端部と、前記側壁部のリード導入部の内側の縁部とを断面円弧状に形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項6】
前記側壁部のリード導入部から上方に向かって、折曲されたリードを受け入れるために、前記固定成形型にガイド溝を形成したことを特徴とする請求項3に記載の電子部品供給装置。
【請求項7】
折曲されるリードとの衝突を避けるために、前記固定成形型のリード導入部から下方に切り欠いた逃げ部を形成したことを特徴とする請求項6記載の電子部品供給装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品供給装置が搭載される電子部品実装装置であって、
前記電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、
前記電子部品を保持する部品保持部材を昇降可能として搭載するヘッドと、
前記基板保持部と前記電子部品供給装置との間で前記ヘッドの移送を行う移動機構とを備え、
前記ヘッドの部品保持部材が、前記電子部品供給装置の前記一対の成形型により押し上げられた前記電子部品を上方から保持することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項9】
前記部品保持部材に保持された前記電子部品の一対のリードの間隔を検出するリード検出部と、
前記リード検出部により検出された前記電子部品の一対のリードの間隔が規定の範囲内の場合に前記電子部品の実装を行う制御部とを備えることを特徴とする請求項8記載の電子部品実装装置。
【請求項10】
前記部品保持部材は下方に延出される一対のアーム部を備え、
当該一対のアーム部の互いに対向するそれぞれの内側壁面に、前記電子部品のリードを受け入れる上下に沿ったガイド溝を形成したことを特徴とする請求項8又は9記載の電子部品実装装置。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品供給装置が搭載される電子部品実装装置の電子部品実装方法であって、
前記電子部品実装装置が、前記電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、前記電子部品を保持する部品保持部材を昇降可能として搭載するヘッドと、前記基板保持部と前記電子部品供給装置との間で前記ヘッドの移送を行う移動機構とを備え、
前記ヘッドの部品保持部材が、前記電子部品供給装置の前記一対の成形型により押し上げられた前記電子部品を上方から保持することで電子部品の受け取りを行うことを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項12】
前記電子部品実装装置が備えるリード検出部により前記部品保持部材に保持された前記電子部品の一対のリードの間隔を検出し、
前記リード検出部により検出された前記電子部品の一対のリードの間隔が規定の範囲内の場合に前記電子部品の実装を行うことを特徴とする請求項11記載の電子部品実装方法。
【請求項13】
前記部品保持部材は下方に延出される一対のアーム部を備え、
当該一対のアーム部の互いに対向するそれぞれの内側壁面に形成された、前記電子部品のリードを受け入れる上下に沿ったガイド溝に前記電子部品のそれぞれのリードを嵌合させた状態で前記電子部品の実装を行うことを特徴とする請求項11又は12記載の電子部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキシャル部品を取り扱う電子部品供給装置、電子部品実装装置及び電子部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品本体の両端部から外側に向かって同一軸上でリードが延出された電子部品(以下、「アキシャル部品」という)はそれぞれのリードが一対のリボン状のテープにより保持された状態で、テープの長手方向に沿って複数が並んで連接されていた。
そして、従来の電子部品実装装置は、部品供給手段がテープの先頭側からアキシャル部品を順次繰り出し、テープをカッターによってカットされた単体のアキシャル部品をチャックで保持して部品挿入手段に搬送していた。
部品挿入手段は、アキシャル部品の各リードをその上縁部に載置する一対の板状の受け型と、一対の受け型の上方に位置して下降動作を行う押し込み型とを備えている。そして、押し込み型が下降して部品本端部を下方に押し込むことにより各リードのテープが付着した両端部を切断し、残る両端部を屈曲させるようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3296948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の部品挿入手段は、以下の理由により、部品保持を行うヘッドによって水平の作業領域内で任意に部品搬送を行う電子部品実装装置に適用することが困難であった、
つまり、上記部品挿入手段は、アキシャル部品をリードの屈曲形成を下方に押し込む押し込み型によって行うことから、各リードの先端部を切断し屈曲させたアキシャル部品の上側には押し込み型が存在する。このため、部品保持を行うヘッドは電子部品を上方からピックアップすることが困難であった。
【0005】
また、上記従来の電子部品実装装置では、リードの屈曲形成後のアキシャル部品は下側の受け型が邪魔にならない位置に退避させ、その後、基板のスルーホールに各リードの先端部を挿入して実装が行われる。しかしながら、屈曲後の各リードがその弾性により広がりを生じる場合やリードの向きが変わってしまう場合があり、その状態で基板側に押し込まれると、各リードの先端位置が基板のスルーホールに挿入することができなくなり、アキシャル部品や基板に傷や損傷が発生する場合があった。
【0006】
本発明は、アキシャル部品の供給を良好に行う電子部品供給装置、電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電子部品供給装置にかかる本発明は、
部品本体の両端部から外側に向かってリードが延出された複数の電子部品を、前記リードを介して一対のテープにより連結された部品連結体Kとして搬送する電子部品供給装置において、
一端側の電子部品受け渡し位置まで前記部品連結体を案内する搬送路を有するフレームと、
前記搬送路に沿って前記部品連結体を送る送り機構と、
前記電子部品受け渡し位置で前記部品連結体の先頭の電子部品の各々のリードの先端部を切断し、残された残端部を折曲成形するリード処理機構とを備え、
前記リード処理機構が、
前記搬送路を送られる部品連結体を挟んで対向した状態で立設されると共に、搬送される前記電子部品の個々のリードを受け入れるスリット状のリード導入部が形成された一対の側壁部と、
それぞれの前記側壁部の外側の面に沿って切断動作を行う一対の動メスと、
前記動メスに切断動作を付与するメス動作機構と、
それぞれの前記側壁部の内側の面に沿って上昇し、それぞれの前記リードを折曲する一対の成形型と、
前記成形型に上昇動作を付与する型動作機構とを有することを特徴とする。
【0008】
上記電子部品供給装置において、前記メス動作機構と前記型動作機構が駆動源を共通とし、前記駆動源により駆動される駆動シャフトに前記動メスと前記成形型が連結される構成としても良い。
【0009】
また、上記電子部品供給装置において、前記一対の側壁部は、一対の板状の固定メスとその内側に位置する一対の板状の固定成形型とからなる構成としても良い。
【0010】
また、上記電子部品供給装置において、前記動メスの先端部と、前記側壁部のリード導入部の外側の縁部とに、断面の傾斜角度が鋭角となる刃先を形成しても良い。
【0011】
また、上記電子部品供給装置において、前記成形型の先端部と、前記側壁部のリード導入部の内側の縁部とを断面円弧状に形成しても良い。
【0012】
また、上記電子部品供給装置において、前記側壁部のリード導入部から上方に向かって、折曲されたリードを受け入れるために、前記固定成形型にガイド溝を形成しても良い。
また、上記電子部品供給装置において、折曲されるリードとの衝突を避けるために、前記固定成形型に下方に延びる逃げ部を形成しても良い。
【0013】
電子部品実装装置にかかる本発明は、
上述の電子部品供給装置が搭載され、
前記電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、
前記電子部品を保持する部品保持部材を昇降可能として搭載するヘッドと、
前記基板保持部と前記電子部品供給装置との間で前記ヘッドの移送を行う移動機構とを備え、
前記ヘッドの部品保持部材が、前記電子部品供給装置の前記一対の成形型により押し上げられた前記電子部品を上方から保持することを特徴とする。
【0014】
上記電子部品実装装置において、前記部品保持部材に保持された前記電子部品の一対のリードの間隔を検出するリード検出部と、前記リード検出部により検出された前記電子部品の一対のリードの間隔が規定の範囲内の場合に前記電子部品の実装を行う制御部とを備える構成としても良い。
【0015】
また、上記電子部品実装装置において、前記部品保持部材は下方に延出される一対のアーム部を備え、当該一対のアーム部の互いに対向するそれぞれの内側壁面に、前記電子部品のリードを受け入れる上下に沿ったガイド溝を形成しても良い。
【0016】
電子部品実装装置の電子部品実装方法にかかる本発明は、
上記の電子部品供給装置が電子部品実装装置に搭載され、
前記電子部品実装装置が、前記電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、前記電子部品を保持する部品保持部材を昇降可能として搭載するヘッドと、前記基板保持部と前記電子部品供給装置との間で前記ヘッドの移送を行う移動機構とを備え、
前記ヘッドの部品保持部材が、前記電子部品供給装置の前記一対の成形型により押し上げられた前記電子部品を上方から保持することで電子部品の受け取りを行うことを特徴とする。
【0017】
上記電子部品実装方法において、前記電子部品実装装置が備えるリード検出部により前記部品保持部材に保持された前記電子部品の一対のリードの間隔を検出し、前記リード検出部により検出された前記電子部品の一対のリードの間隔が規定の範囲内の場合に前記電子部品の実装を行う方法を採っても良い。
【0018】
また、上記電子部品実装方法において、前記部品保持部材は下方に延出される一対のアーム部を備え、当該一対のアーム部の互いに対向するそれぞれの内側壁面に形成された、前記電子部品のリードを受け入れる上下に沿ったガイド溝に前記電子部品のそれぞれのリードを嵌合させた状態で前記電子部品の実装を行う方法を採っても良い。
【発明の効果】
【0019】
電子部品供給装置としての本発明では、リード処理機構の一対の側壁部に形成されたスリット状のリード導入部に搬送される先頭の電子部品のそれぞれのリードが進入する。このとき、電子部品は、両側壁部の内側に部品本体が位置し、各リードが両側壁部の外側に延出された状態となる。
上記の状態で一対の動メスが各側壁部の外側面に沿って切断動作を行うと、電子部品の各リードの側壁部の外側に突出した先端側の部分が切断される。
そして、一対の成形型が各側壁部の内側面に沿って上昇すると、その上端部に当接した電子部品の各リードは上方に押し上げられて、リードの残端部がリード導入部から引き出される過程で各側壁部の内側面と成形型との間で下方に向かって折曲される。
これにより、電子部品が上方に押し上げられ、各リードは下方を向いた状態で折曲されるので、供給される電子部品の状態が容易に確認できる。
また、上方から電子部品の受け取りを行うヘッドを備えた電子部品実装装置に対して、リードが妨げとならず、良好な電子部品の受け渡しを行うことが可能となる。
【0020】
また、電子部品実装装置または電子部品実装方法としての本発明では、電子部品供給装置が各リードを下方に向けた状態で電子部品を上方に押し上げるので、ヘッドの部品保持部材は上方から良好な電子部品の受け取りを行うことが可能となる。従って、ヘッド搬送型の電子部品実装装置では従来できなかったいわゆるアキシャル部品の実装を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】発明の実施形態である電子部品実装装置の斜視図である。
図2】部品連結体の平面図である。
図3】電子部品フィーダーの側面図である。
図4】電子部品フィーダーのリード処理機構及び送り機構の斜視図である。
図5】電子部品フィーダーの送り機構の側面図である。
図6】電子部品フィーダーのリード処理機構の側面図である。
図7】電子部品フィーダーのリード処理機構の要部の斜視図である。
図8】電子部品フィーダーのリード処理機構の要部の平面図である。
図9】電子部品フィーダーのリード処理機構の要部の正面図である。
図10】リード処理機構の各メス及び各成形型の分解斜視図である。
図11】リード処理機構の各メスのリード導入部の深部における部品連結体の送り方向に垂直な断面を示した断面図である。
図12】リード処理機構の固定成形型のリード導入部の深部周辺を示す拡大図である。
図13図12のW−W線に沿った断面図であって、図13(A)は成形型の上昇前の状態を示し、図13(B)は成形型の上昇中の状態を示す。
図14】リード処理後に各側壁部の上端で待機するアキシャル部品を示す正面図である。
図15】部品保持部材の正面図である。
図16】部品保持部材の底面図である。
図17】部品保持部材の断面図である。
図18】リード処理後のアキシャル部品を上方から部品保持部材が保持する状態を示す正面図である。
図19図19(A)はリード検出部の側面図を示し、図19(B)は平面図を示す。
図20】電子部品実装装置の制御系を示すブロック図である。
図21】電子部品実装装置の動作制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[発明の実施形態の概要]
発明の実施形態について、図1乃至図21に基づいて説明する。図1は、本実施形態たる電子部品実装装置100の斜視図である。
電子部品実装装置100は、アキシャル部品(電子部品)Cを供給する電子部品供給装置としての電子部品フィーダー200を搭載し、基板Sにアキシャル部品Cの実装を行うものである。
アキシャル部品Cとは、図2に示すように、部品本体Mの両端部から外側に向かって同一軸上でリードL,Lが延出された電子部品である。アキシャル部品Cは両側のリードL,Lの先端部が個別にテープT,Tに接着保持されており、当該テープT,Tの長手方向に沿って複数のアキシャル部品Cが並んで保持された部品連結体Kを構成している。
【0023】
[電子部品フィーダー:概略構成]
図3は電子部品フィーダー200の側面図を示している。電子部品フィーダー200はこの図3に示すように、その長手方向が水平を向いた状態で、その一端部側を電子部品実装装置100側に突き当てて当該電子部品実装装置100のフィーダーバンク102に取り付けられるようになっている。以下の電子部品フィーダー200の説明において、電子部品実装装置100に突き当てる一端部を先端部又は前側といい、その逆側の端部を後端部又は後側と言うものとする。また、電子部品フィーダー200の上側又は下側とは電子部品実装装置100に取り付けられた姿勢において上側又は下側となる方向を示すものとする。
【0024】
電子部品フィーダー200は、全体を支持するフレーム210と、フレーム210の後端部においてアキシャル部品Cの部品連結体Kが巻かれたリールRを保持するリール保持部220と、フレーム210の先端部の上部において部品連結体Kの先頭のアキシャル部品Cの両端部の各々のリードL,Lの先端部を切断し、残端部を折曲成形するリード処理機構230と、リール保持部220のリールRから繰り出された部品連結体Kをリード処理機構230に案内する搬送路211と、リード処理機構230でリードの先端部と共にアキシャル部品Cから切り離されたテープTをフレーム210の後端下部に案内し排出する排出経路212と、搬送路211において部品連結体Kをリード処理機構230側に送る送り機構260とを主に備えている。
【0025】
[電子部品フィーダー:フレーム等]
上記フレーム210は、両側に側壁板を備え、当該側壁板の間に上記各構成を配置している。そして、フレーム210は、両側の側壁板により概ね板状をなしており、フィーダーバンク102において、他の電子部品フィーダーと共に複数並べて配置することを可能としている。
フレーム210は、その先端部に設けられた二つの位置決め突起213,213によりフィーダーバンク102に対して位置決めを行い、その下部に設けられたラッチ214によりフィーダーバンク102に対して固定が行われる。
フレーム210の先端部の上部は、電子部品フィーダー200を電子部品実装装置100に取り付けた時に部品搬送を行うヘッド106が当該電子部品フィーダー200からアキシャル部品Cを受け取る電子部品受け渡し位置となっている。そして、後述するリード処理機構230がこの電子部品受け渡し位置に設けられており、当該リード処理機構230からヘッド106にアキシャル部品Cの受け渡しが行われるようになっている。
【0026】
搬送路211はフレーム210の上部においてフレーム210のほぼ全長に渡って形成された凹溝であり、その内側上面に部品連結体Kを載置して先端部側に案内する。
排出経路212は、フレーム210の先端部側のリード処理機構230から下降して後方に折り返し、フレーム210の後端部より手前の下部からテープTの排出を行うように形成されている。
【0027】
リール保持部220は、フレーム210の後端部に設けられ、リールRを支持する支軸221を備えている。リール保持部220は、リールRがフレーム210と同一平面に並ぶように当該リールRの保持を行う。リール保持部220においてリールRは回転可能に支持されており、その上側から搬送路211の後端部に向かって円滑に部品連結体Kを繰り出すことが可能となっている。
【0028】
[電子部品フィーダー:送り機構]
図4はリード処理機構230及び送り機構260の斜視図、図5は送り機構の送り方向及び鉛直上下方向に沿った断面を示す断面図である。図5において左方が後端側、右方が先端側を示している。
送り機構260は、送りの駆動源となるエアシリンダー261と、エアシリンダー261を保持する土台262と、土台262に対してスライドガイド263により送り方向に沿って往復移動が可能な送り台264と、送り台264の両側壁にそれぞれ設けられた送りアーム265と、送り台264の両側壁にそれぞれ設けられた部品連結体KのテープTを案内するテープローラ266,266及びテープガイド267と、両側一対の送りアーム265に対して送り方向下流側に設けられた一対のラチェットアーム268と、送り機構260の一回の送りストロークを規定するストッパ269と、送りアーム265の噛み混み等による送り不良の発生時に部品連結体Kを強制的に送りアーム265から解放させる一対のリリースレバー270とを備えている。
【0029】
上記エアシリンダー261は、そのシリンダ本体が土台262に固定支持されており、そのプランジャ部が送り台264に連結されている。送り台264は、その底板から下方に延びる当接板264aを備えており、エアシリンダー261により先端側に移動動作が付与されたときに、その前方に位置するストッパ269に当接して最前進位置が規定されるようになっている。つまり、送り台264がエアシリンダー261による最後退位置からストッパ269に規定される最前進位置までの移動距離が送り機構260の送りにおける1ストロークとなっている。
ストッパ269は前後方向に沿った長穴を介して土台262にネジ止めされており、ネジを緩めて前後に位置調節が可能である。これにより送りのストロークも調節可能となっている。通常は、送りの1ストロークは搬送する部品連結体Kにおける各アキシャル部品Cのピッチに一致させる。
【0030】
送り台264は、搬送される部品連結体Kを挟んでその両側に側壁が形成されており、各側壁に設けられたテープローラ266,266とテープガイド267とにより、部品連結体Kの両側から上下にぶれないように安定的に先端部側に、部品連結体Kを案内している。
【0031】
送り台264の両側壁には一対の送りアーム265の基端部が水平且つ送り方向に直交する方向に沿った回動軸271によって軸支されている。これにより、送り方向下流側を向いた各送りアーム265の先端部が上下方向に揺動可能となっている。
また、送り機構260の送り方向下流側にはリード処理機構230が位置する。このリード処理機構230の枠体239を介してフレーム210により、一対のラチェットアーム268の基端部が、水平且つ送り方向に直交する方向に沿った回動軸272によって軸支されている。これにより、送り方向上流側を向いた各ラチェットアーム268の先端部が上下方向に揺動可能となっている。
送りアーム265とラチェットアーム268の先端部の下部には、送り方向に沿って鋸歯状の送り歯265a,268aが下向きに形成されている。
【0032】
これらの送り歯265a,268aは、形状、サイズ及び向きが一致するように形成されている。
そして、これらの送り歯265a,268aは、個々の歯の形状が、その送り方向上流側(図5の左側方向)は緩やかに傾斜しているのに対して、その送り方向下流側(図5の右側方向)は、ほぼ鉛直上下方向に沿っている。これにより、送り台264を介して送りアーム265が前進する場合には、部品連結体Kの複数のアキシャル部品CのリードLが送り歯265aに噛み合って個々の歯の傾斜していない送り方向下流側部分によって押圧され、部品連結体Kを前方に送ることができる。
そして、送りアーム265により部品連結体Kが前方に送られる際には、ラチェットアーム268は、各アキシャル部品CのリードLが送り歯268aの個々の歯の傾斜している送り方向上流側部分に当接する。このため、ラチェットアーム268の先端部が上方に押し上げられ、当該ラチェットアーム268は、部品連結体Kとは噛み合わず、その前進移動を妨げない。
【0033】
一方、送り台264を介して送りアーム265が後退する場合には、送り歯265aの個々の歯の傾斜している送り方向上流側部分が部品連結体Kの複数のアキシャル部品CのリードLに当接するので、送りアーム265の先端部が上方に押し上げられる。このため、当該送りアーム265は、部品連結体Kとは噛み合わない。
これに対して、ラチェットアーム268は、各アキシャル部品CのリードLが送り歯268aの個々の歯の傾斜していない送り方向下流側部分に当接し、送り歯268aが部品連結体Kの複数のリードLと噛み合いを生じて、部品連結体Kの後退移動を阻止する。
これらにより、エアシリンダー261が規定の1ストロークで前進と後退とを一回ずつ行うことにより、部品連結体Kを記載の1ストローク分前方に送ることができるようになっている。
【0034】
一対のリリースレバー270は、相互に連結されており、いずれも、送りアーム265の回動軸271と平行な回動軸273により送り台264に支持されている。そして、リリースレバー270には、送りアーム265に形成された長穴265bに挿入されるピン270aを備えている。そして、リリースレバー270の先端部を図5の状態から反時計方向に回動させることにより、ピン270aを介して送りアーム265の先端部を上方に引き上げることが可能となっている。つまり、このリリースレバー270の回動操作により、送りアーム265の送り歯265aが上方に退避して、部品連結体Kとの噛み合い状態を解除することができるようになっている。
【0035】
[電子部品フィーダー:リード処理機構]
図6はリード処理機構230の全体構成図である。また、図7はその要部の斜視図、図8は平面図、図9は正面図である。
リード処理機構230は、図6図9に示すように、搬送される部品連結体Kを挟んで対向した状態で上下方向に沿って立設された一対の側壁部231,231と、各側壁部231,231の外側に個別に設けられた動メス232,232と、各側壁部231,231の内側に個別に設けられた成形型233,233と、各動メス232,232と各成形型233,233とに上下動動作を付与する動作機構250とを備えている。
【0036】
上記各側壁部231,231は、それぞれが外側に位置する板状の固定メス234と内側に位置する板状の固定成形型235とから構成されている。
図10は、部品連結体Kの送り方向前方に視線を向けた状態で部品連結体Kの左手側に位置する側壁部231の動メス232、成形型233、固定メス234、固定成形型235の並び順を示した分解斜視図である。この図10の手前側が内側(部品連結体側)となり、奥側が外側となる。
図示のように、動メス232が最も外側に配置され、これより内側に向かって固定メス234、固定成形型235、成形型233が順番に配置されている。
また、右側の側壁部231も同様に、動メス232が最も外側に配置され、これより内側に向かって固定メス234、固定成形型235、成形型233が順番に配置されている。
【0037】
固定メス234には、動メス232を上下動可能に支持するガイド溝236aが形成されたメス保持枠236が装備され、動メス232はその刃先を上方に向けた状態で固定メス234に支持されている。
また、固定成形型235には、成形型233を上下動可能に支持するガイド溝237aが形成された型保持枠237が装備され、成形型233はリードLを折曲する先端部を上方に向けた状態で固定成形型235に支持されている。
さらに、上記メス保持枠236及び型保持枠237は、二本のロッド238,238を抱き締め固定しており、これにより、動メス232、固定メス234、固定成形型235及び成形型233が前述した並び順で一体化した状態が保持されている。
なお、二本のロッド238,238は、左右の端部に、動メス232、固定メス234、固定成形型235及び成形型233の構成を二組支持している。そして、これら二本のロッド238,238を介して、上記左右のメス232,234,成形型233,235が、フレーム210に固定装備された平面視コ字状の枠体239に保持されている。
【0038】
側壁部231としての固定メス234と固定成形型235とは、重ね合わされた状態で枠体239に保持されており、当該保持状態において同一となる位置に、搬送される部品連結体Kのアキシャル部品CのリードLを受け入れるスリット状のリード導入部234a,235aが形成されている。このリード導入部234a,235aは、部品連結体Kの送り方向に沿って形成されており、部品連結体Kの送り方向の上流側は拡開した状態で開口している。送り機構260により送られる部品連結体Kの先頭のアキシャル部品Cは、リード導入部234a,235aの最深部近傍まで搬送されるようになっている。
【0039】
動メス232は、上昇時にその上端部が固定メス234のリード導入部234aの最深部周辺を通過するように配置されている。
そして、図11に示すように、動メス232の上端部における固定メス234側の縁部に刃先232aが形成されており、当該刃先232aの断面形状は鋭角となっている。
また、固定メス234のリード導入部234aの最深部周辺の上縁部も同様に下方を向いた刃先234bが形成されており、当該刃先234bの断面形状も鋭角となっている。
これにより、動メス232が上昇動作を行うと、アキシャル部品CのリードLの固定メス234の外側の面よりも外側に突出した部分はテープTに付着したままの状態で切断される。
【0040】
固定成形型235は、図12に示すように、リード導入部235aの深部においてリード導入部235aと交差して下方に延びるスリット状の逃げ部235bが形成されている。また、固定成形型235の内側面のリード導入部235aの深部の上側には、折曲されたリードLを受け入れるガイド溝235cが形成されている。上記逃げ部235bとガイド溝235cとは、同一線上に配置されている。但し、逃げ部235bは、内側から外側に向けて貫通形成されているが、ガイド溝235cはリードLをある程度受け入れることが可能な深さであれば良いので、外側には貫通していない。
【0041】
また、ガイド溝235cはリードLを受け入れやすくするために、その下端部が下方に向かって拡開している。
さらに、図13(A)に示すように、リード導入部235aの深部における上縁部235dは、その断面が円弧状に形成されている。同様に、成形型233の上端部の外側縁部233aもその断面が円弧状に形成されている。これらにより、リードLの折曲時に、傷や損傷の発生を低減することが可能となっている。
【0042】
上記成形型233及び固定成形型235の構成において、図13(A)に示すように、リード導入部235aの深部にアキシャル部品CのリードLが挿入された状態で成形型233を上昇させると、図13(B)に示すように、リード導入部235aの深部における上縁部235dと成形型233の上端部の外側縁部233aとの当接によりリードLの先端部側が下方に回動しながら折曲される。このとき、リードLの先端部は、逃げ部235bの存在により、先端部の下方への回動が妨げられず、良好な折曲動作が行われる。
また、折曲したリードLはガイド溝235cに受け入れられることにより、成形型233と固定成形型235との間に挟まれて破損などが回避されると共に、折曲したリードLの先端部を正確に下方に向けることが可能となる。
【0043】
動作機構250は、駆動源となるエアシリンダー251と、フレーム210に固定されると共にエアシリンダー251を保持するベース体252と、基端部がベース体252に回動可能に支持されると共に回動端部がエアシリンダー251のプランジャに連結された駆動レバー253と、左右の型保持枠237により個別に回動可能に支持されたベルクランク254,254と、駆動レバー253と各ベルクランク254,254を連結して回動動作を付与する継ぎリンク255と、左右の動メス232,232及び左右の成形型233,233の下端部に形成された貫通孔232b,233b(図10参照)に挿入されると共にその両端部が二つのベルクランク254,254に保持された駆動シャフト256と、ベース体252に設けられ、エアシリンダー251のプランジャの最前進位置を規制するストッパ257とを備えている。なお、固定メス234、固定成形型235、メス保持枠236及び型保持枠237には、駆動シャフト256が上下方向に移動できるように長孔が形成されている。
【0044】
上記構成により、エアシリンダー251のプランジャが突出動作を行うと、駆動レバー253を介して継ぎリンク255が前進し、各ベルクランク254を図6における反時計回りに回動させる。これにより、駆動シャフト256は上方に移動し、当該駆動シャフト256に連結された各動メス232,232及び成形型233,233が全て上昇し、リードL,Lの切断と折曲動作が行われる。
【0045】
なお、図14に示すように、駆動シャフト256に連結された各動メス232,232はその上端部が各成形型233,233の上端部よりも高くなるように設計されている。これにより、エアシリンダー251の駆動時に、アキシャル部品Cの各リードL、Lに対して各動メス232,232の上端部が先に到達し、各成形型233,233が折曲を開始する前に切断を完了させることができ、より正確且つ確実なリード切断を行うことが可能となっている。
【0046】
また、ベース体252に設けられたストッパ257は、前後に位置調節が可能であり、これによってエアシリンダー251のプランジャの最前進位置を調節し、各動メス232,232及び各成形型233,233の上昇時の最大高さを調節することができる。
なお、図14に示すように、各動メス232,232の最大高さは、刃先外周囲に露出しないように各固定メス234,234の上端部よりも低くなることが望ましい。
また、成形型233,233の最大高さは、リード処理後のアキシャル部品Cを電子部品実装装置100のヘッドへの受け渡しを円滑に行う為に、固定成形型235,235の上端部よりも高くなることが望ましい。
従って、上記各条件を満たすように、ストッパ257による調節が行われる。
【0047】
なお、図6では、円弧の軌跡を描く駆動レバー253の上端部が水平に動作するエアシリンダー251のプランジャ部と連結されているが、当該プランジャ部と駆動レバー253とを連結する軸に遊びがあり、これを許容している。
同様に、円弧軌跡を描く駆動シャフト256と垂直上下動を行う各動メス232,232及び成形型233,233とが連結されているが、各動メス232,232及び成形型233,233に形成された貫通孔と駆動シャフト256との間に遊びがあり、これを許容している。
【0048】
[電子部品実装装置:概略構成]
以下、図1に示すように、水平面において互いに直交する二方向をそれぞれX軸方向とY軸方向とし、これらに直交する鉛直方向をZ軸方向というものとする。
電子部品実装装置100は、部品供給装置としての電子部品フィーダー200を保持する設置部としてのフィーダーバンク102からなる部品供給部と、X軸方向に基板を搬送する基板搬送手段103と、当該基板搬送手段103による基板搬送経路の途中に設けられた基板Sに対する電子部品搭載作業を行うための基板保持部としての基板クランプ機構104と、部品保持部材30を昇降可能に保持してアキシャル部品Cの保持を行うヘッド106と、当該ヘッド106に搭載されると共に部品保持部材30に保持されたアキシャル部品Cのリード間隔を検出するリード検出部10と、ヘッド106を部品供給部と基板クランプ機構104とを含んだ作業エリア内の任意の位置に駆動搬送する移動機構としてのX−Yガントリ107と、上記各構成を搭載支持するベースフレーム114と、上記各構成の動作制御を行う制御部としての制御装置120(図20参照)とを備えている。
【0049】
かかる電子部品実装装置100は、制御装置120が、アキシャル部品Cの実装に関する各種の設定内容が記録された実装データを保有している。実装データには、アキシャル部品Cの電子部品フィーダー200の設置位置に基づく部品受け渡し位置の位置データ(例えば、X−Yガントリ107のX−Y座標系における位置座標)と、アキシャル部品Cの基板S上の実装位置を示す位置データ(例えば、X−Yガントリ107のX−Y座標系における位置座標)とが含まれており、制御装置120はこれらを読み出すと共に、X−Yガントリ107を制御してヘッド106をアキシャル部品Cの部品受け渡し位置と実装位置とに移送し、各位置においてヘッド106を制御して部品保持部材30の昇降動作及び後述する解放動作を行い、アキシャル部品Cの実装の動作制御を実行する。
【0050】
[基板搬送手段及び基板保持部]
基板搬送手段103は、図示しない搬送ベルトを備えており、その搬送ベルトにより基板をX軸方向に沿って搬送する。
また、前述したように、基板搬送手段103による基板搬送経路の途中には、アキシャル部品Cを基板Sへ搭載する際の作業位置で基板Sを固定保持するための基板クランプ機構104が設けられている。かかる基板クランプ機構104は、基板搬送方向に直交する方向における両端部で基板Sをクランプするようになっている。また、基板クランプ機構104の下方には、クランプ時に基板Sの下面側に当接して電子部品搭載時に基板Sが下方に撓まぬように支承する複数の支持棒が設けられている。基板Sはこれらにより保持された状態で安定したアキシャル部品Cの搭載作業が行われる。
【0051】
[X−Yガントリ]
X−Yガントリ107は、X軸方向にヘッド106の移動を案内するX軸ガイドレール107aと、このX軸ガイドレール107aと共にヘッド106をY軸方向に案内する二本のY軸ガイドレール107bと、X軸方向に沿ってヘッド106を移動させる駆動源であるX軸モーター109と、X軸ガイドレール107aを介してヘッド106をY軸方向に移動させる駆動源であるY軸モーター110とを備えている。そして、各モーター109、110の駆動により、ヘッド106を二本のY軸ガイドレール107bの間となる領域のほぼ全体に搬送することを可能としている。
なお、各モーター109、110は、それぞれの回転量が制御装置120に認識され、所望の回転量となるように制御されることにより、ヘッド106を介して部品保持部材30の位置決めを行っている。
また、電子部品実装作業の必要上、前記したフィーダーバンク102,基板クランプ機構104はいずれもX−Yガントリ107によるヘッド106の搬送可能領域内に配置されている。
【0052】
[ヘッド]
ヘッド106は、その先端部でアキシャル部品Cを保持する部品保持部材30と、部品保持部材30をZ軸方向に沿って昇降させる昇降機構としてのZ軸モーター146(図20参照)と、部品保持部材30を回転させて保持されたアキシャル部品CをZ軸方向回りに角度調節するためのθ軸モーター144(図20参照)とが設けられている。
また、上記部品保持部材30は、Z軸方向に沿った状態で昇降可能且つ回転可能にヘッド106に支持されており、昇降によるアキシャル部品Cの受け取り又は実装及び回転によるアキシャル部品Cの角度調節が可能となっている。
【0053】
図15図17に部品保持部材30の正面図、底面図、断面図を示す。部品保持部材30は、図示のように、上方から正圧のエアーを共有可能な筒状の本体部31と、本体部31の下端部に装備され下方に延出される一対のアーム部32,32と、上端部側が本体部31に挿入されると共に下端部が一対のアーム部32,32の間から進出可能に装備されたプランジャ部材33と、本体部31の内側でプランジャ部材33を上方に押圧する復帰バネ34とを備えている。
【0054】
一対のアーム部32,32は、その下端部が互いに対向する側壁部36,36となっており、これらの側壁部36,36の内側壁面にアキシャル部品CのリードLを受け入れる上下に沿ったガイド溝37,37が形成されている。
一方のアーム部32のガイド溝37の内底部から他方のアーム部32のガイド溝37の内底部までの距離wは、アキシャル部品Cのリード折曲後の幅よりも僅かに狭く設定されている。そして、リードL,Lの先端部が切断され、残端部が下方に折曲された状態で電子部品フィーダー200の部品受け渡し位置に待機している状態のアキシャル部品C(図14の状態)に対して、その真上から部品保持部材30を下降させることにより、電子部品フィーダー200からアキシャル部品Cを受け取ることが可能となっている。
【0055】
即ち、図18に示すように、各アーム部32,32がX軸方向に沿って並んだ状態で電子部品フィーダー200の部品受け渡し位置において下降すると、そのガイド溝37,37にアキシャル部品Cの各リードL,Lの下方に折曲された部分が入り込む。このとき、前述したように、ガイド溝37,37の内底部同士の距離wがアキシャル部品Cより僅かに狭いので、各リードL,Lはその弾性により各アーム部32,32に対して押圧力を生じ、各リードL,Lとガイド溝37,37の内底部との間に摩擦力を生じ、各アーム部32,32によってアキシャル部品Cが保持されるようになっている。
【0056】
また、各アーム部32,32は、アキシャル部品Cを保持したときにその部品本体Mの上部が当接する当接面32a,32aを備えており、アキシャル部品Cを当接面32a,32aに当接させた状態で各アーム部32,32が保持したときに、その側壁部36,36の下端部がアキシャル部品CのリードL,Lの下端部よりも上側となるように、当該各側壁部36,36の突出長さが設定されている。
これにより、各アーム部32,32は、アキシャル部品Cを保持したときには、必ず、各リードL,Lの下端部が各側壁部36,36の下端部から下方に突出した状態となるようになっている。
【0057】
さらに、部品保持部材30の本体部31は、その上端部がヘッド106に装備されている図示しない正圧エアーの供給ノズルに対して着脱可能となっている。
上記本体部31は、上下方向における中間部分が一部拡径されており、当該拡径部分には、プランジャ部材33の上端部に設けられたピストンヘッド35が格納されている。このピストンヘッド35の外径は本体部31の拡径部の内径と略一致しており、相互間には一定の気密性が確保されている。従って、本体部31の上端部から正圧エアーが供給されると、内部圧力によりピストンヘッド35が下方に押圧され、前述した一対のアーム部32,32の間からプランジャ部材33の下端部が突出して、当該アーム部32,32に保持された部品本体Mを押圧してアキシャル部品Cを解放することが可能となっている。
【0058】
また、復帰バネ34は、本体部31の内部において、ピストンヘッド35の下端部を上方に押圧しており、正圧が供給されていない状態では、プランジャ部材33の下端部がアーム部32の側壁部36の上端部よりも突出しない高さまで押し上げている。そして本体部31に正圧エアーが供給されると、復帰バネ34のバネ圧に抗してプランジャ部材33を下方に突出させることを可能としている。
【0059】
[フィーダーバンク]
フィーダーバンク102は、ベースフレーム114のY軸方向一端部(図1手前側)にX軸方向に沿った状態で設けられている。フィーダーバンク102は、X−Y平面に沿った長尺の平坦部を備え、当該平坦部の上面に電子部品フィーダー200がその長手方向にY軸方向に向けた状態で載置装備される(図1では電子部品フィーダー200を一つのみ図示しているが複数の電子部品フィーダーをX軸方向に並べて載置することが可能である)。
また、フィーダーバンク102は、電子部品フィーダー200のラッチ214により把持される固定用のシャフトが手前に設けられており、必要に応じて、電子部品フィーダー200をフィーダーバンク102に対して装着又は分離することを可能としている。
【0060】
電子部品フィーダー200がフィーダーバンク102に取り付けられた状態におけるアキシャル部品Cの受け渡し部の位置を示すX、Y座標値は前述した実装データに記録されている。
また、電子部品フィーダー200の備える二つのエアシリンダー251,261は、当該電子部品フィーダー200がフィーダーバンク102に装備されるときに、電子部品実装装置100の制御装置120により制御可能な電磁弁251a,261aを介してエアー供給源に接続される。従って、電子部品フィーダー200の送り機構260による部品連結体Kの送り動作とリード処理機構230によるリード処理動作は電子部品実装装置100の制御装置120により制御される。
【0061】
[リード検出部]
リード検出部10は、図19に示すように、ヘッド106の下部に支持され、上方退避位置にある部品保持部材30の下端部から下方に突出するアキシャル部品Cの各リードL,Lの周囲を囲う枠部11と、枠部11の前側壁部11aに設けられ、上方退避位置にある部品保持部材30の下端部から下方に突出するアキシャル部品Cの各リードL,Lの下端部に対して個別にY軸方向に沿った照射光を照射する光源12と、枠部11の後側壁部11bに設けられ、光源12からの照射光を受光する受光素子13とを備えている。
光源12はX軸方向に並んだ複数の発光素子により搭載対象となるアキシャル部品Cの各リードL,Lの間隔よりも広い範囲で光照射を行い、各受光素子13はX軸方向に並んだ複数の画素により照射光を全幅の範囲で受光可能となっている。
【0062】
そして、部品保持部材30がアキシャル部品Cを保持している時に光源12が照射を行うと、図19(B)に示すように、受光素子13においてアキシャル部品Cの各リードL,Lの正射影となる部分が遮蔽されて受光量が低減して検出される。この受光量が低減する二カ所の位置から相互間距離を求めることでアキシャル部品Cの各リードL,Lの間隔を検出することを可能としている。
例えば、部品保持部材30をZ軸回りに回転させつつこの受光量が低減する一または二カ所の位置から相互間距離を検出し、その最大値からリードL,Lの間隔を求めることができる。
また、実装データ中には、アキシャル部品Cについての外形的特徴のパラメータ、即ち、正規のリードL,Lの間隔の範囲が記憶されており、制御装置120は、検出したリードL,Lの間隔が正規の数値範囲内にないときに部品エラー(例えば、アキシャル部品Cのリードが正しく処理されていない等)と判定することが可能となっている。また、受光量が低減する一または二カ所がいずれも検出できないときにも、各リードLが下方を向いていない状態であるものとして部品エラーと判定する。
また、制御装置120は、検出したリードL,Lの間隔が正規の数値範囲内と判定したときには、当該アキシャル部品Cを保持しているヘッド106が基板Sの実装位置に移動して実装動作を行うことを許可する。
【0063】
[電子部品実装装置の制御系]
図20は電子部品実装装置100の制御系を示すブロック図である。図示のように、X−Yガントリ107のX軸モーター109、Y軸モーター110、ヘッド106において部品保持部材30の昇降を行うZ軸モーター146、部品保持部材30の回転を行うθ軸モーター144、電子部品フィーダー200の送り機構260の駆動源となるエアシリンダー261を作動させる電磁弁261a、電子部品フィーダー200のリード処理機構230の駆動源となるエアシリンダー251を作動させる電磁弁251a、部品保持部材30に正圧エアーを供給するための電磁弁38は、それぞれ図示しない駆動回路を介して制御装置120に接続されている。
また、制御装置120には、リード検出部10の光源12及び受光素子13が接続されている。
【0064】
そして、制御装置120は、後述する制御プログラムを実行するCPU121と、制御プログラムが格納されたシステムROM122と、各種のデータを格納することで各種の処理の作業領域となるRAM123と、CPU121と各種の機器との接続を図るI/F(インターフェース)124と、実装データ、その他の設定情報等が格納される不揮発性メモリである記憶部としての記憶装置127と、各種の設定や操作に要するデータの入力手段である操作パネル125と、各種設定の内容や必要情報の表示手段及びエラー報知手段である表示モニタ128とを有している。
【0065】
記憶装置127には、実装データが記憶され、当該実装データには、前述したように、基板Sに実装するアキシャル部品Cの部品受け渡し位置を示す所在位置データ、基板Sにおける実装位置を示す実装位置データが記憶されている。またさらに、この実装データ中には、アキシャル部品Cの適正なリード間隔の範囲を示すリード幅データが含まれている。
【0066】
[制御装置による動作制御]
制御プログラムによってCPU121が行う電子部品実装の動作制御を図21のフローチャートを参照しつつ説明する。
CPU121は、実装データを読み込み(ステップS1)、X軸モーター109及びY軸モーター110を制御してアキシャル部品Cの部品受け渡し位置に向かってヘッド106の移動を開始する(ステップS3)。
【0067】
一方、CPU121は、電磁弁261aを制御して電子部品フィーダー200の送り機構260のエアシリンダー261を作動させ、部品連結体Kを1ピッチ分送り、先頭のアキシャル部品Cをリード処理機構230に送り込む(ステップS5)。
これにより、先頭のアキシャル部品Cは、左右両側のリードL,Lが左右の固定メス234及び固定成形型235のリード導入部234a,235aの深部まで侵入した状態となる。
【0068】
さらに、CPU121は、電磁弁251aを制御して電子部品フィーダー200のリード処理機構230のエアシリンダー251を作動させ、左右の動メス232及び成形型233を上昇させる(ステップS7)。
これにより、まず、左右の動メス232が左右の固定メス234の外側に突出したリードL,Lの先端部分を切断する(図11参照)。次いで、左右の成形型233が左右の固定成形型235の内側で各リードL,L及び部品本体Mを上方に押し上げる。そして、各リードL,Lは、リード導入部235aの上縁部235dと成形型233の外側縁部233aとの当接により下方に回動しながら折曲される。さらに、折曲したリードLはガイド溝235cに受け入れられることにより、その先端部が下方に向けられ(図13参照)。
そして、アキシャル部品Cの部品本体Mが、左右の成形型233により固定成形型235の上端部よりも上方まで持ち上げられた状態で待機する。
【0069】
ヘッド106が電子部品フィーダー200の部品受け渡し位置に到着すると、CPU121は、Z軸モーター146により部品保持部材30を下降させる(ステップS9)。なお、部品保持部材30の一対のアーム部32,32の並び方向はX軸方向に沿った状態となるように予めθ軸モーター144により調整されている。
そして、部品保持部材30の下降により、一対のアーム部32,32の側壁部36,36のガイド溝37,37にアキシャル部品Cの各リードL,Lが嵌合して保持される(図18参照)。
【0070】
そして、CPU121は、Z軸モーター146により部品保持部材30を上方退避位置まで上昇させ、X軸モーター109及びY軸モーター110を制御して基板Sに対するアキシャル部品Cの実装位置に向かってヘッド106の移動を開始する(ステップS11)。
さらに、CPU121は、θ軸モーター144によりアキシャル部品Cを回転させながらリード検出部10の光源12により光照射を行い、その時の受光素子13の検出出力に基づいて、リード間隔を検出する(図19参照)。
そして、CPU121は、検出されたアキシャル部品Cのリード間隔が実装データに定められた適正範囲内か否かを判定する(ステップS13)。
【0071】
このとき、アキシャル部品Cのリード間隔が適正範囲外であった場合には、CPU121は、表示モニタ128においてエラー報知を行い(ステップS19)、当該アキシャル部品Cを実装することなく実装動作を終了する。なお、この場合、アキシャル部品Cを所定の廃棄部にて部品保持部材30のプランジャ部材33により廃棄し、ステップS3に戻って部品受け取りからリトライするように制御しても良い。
【0072】
また、アキシャル部品Cのリード間隔が適正範囲内であった場合には、CPU121は、ヘッド106が基板Sに対する実装位置に到達するのを待ってから、θ軸モーター144によりアキシャル部品Cの向きを整えつつZ軸モーター146を制御して、部品保持部材30を下降させる。これにより、基板Sにおけるアキシャル部品Cの実装するためのスルーホールに各リードL、Lが挿入される(ステップS15)。
さらに、CPU121は、電磁弁38を制御して部品保持部材30に正圧エアーを供給する。これにより、部品保持部材30に保持されていたアキシャル部品Cが下方に押圧され、保持状態から解放される(ステップS17)。そして、アキシャル部品Cの実装動作が完了する。
【0073】
[実施形態の効果]
上記発明の実施形態の電子部品フィーダー200は、部品本体Mの両端部から外側に向かってリードL,Lが延出された複数のアキシャル部品(電子部品)Cを、リードLを介して一対のテープT,Tにより連結された部品連結体Kとして搬送する電子部品フィーダー(電子部品供給装置)200において、一端側の電子部品受け渡し位置まで部品連結体Kを案内する搬送路211を有するフレーム210と、搬送路211に沿って部品連結体Kを送る送り機構260と、電子部品受け渡し位置で部品連結体Kの先頭のアキシャル部品Cの両端部の各々のリードL,Lの先端部を切断し、残された残端部を折曲成形するリード処理機構230とを備え、リード処理機構230が、搬送路211を送られる部品連結体Kを挟んで対向した状態で立設されると共に、搬送されるアキシャル部品Cの個々のリードL,Lを受け入れるスリット状のリード導入部234a,235aが形成された一対の側壁部231と、それぞれの側壁部231の外側の面に沿って切断動作を行う一対の動メス232と、動メス232に切断動作を付与するメス動作機構としての動作機構250と、それぞれの側壁部231の内側の面に沿って上昇し、それぞれのリードL,Lを折曲する一対の成形型233と、成形型233に上昇動作を付与する型動作機構としての動作機構250とを有している。
【0074】
電子部品フィーダー200は上記構成により、アキシャル部品Cを一対の成形型233が押し上げて両側のリードLを折曲させるので、リード処理後のアキシャル部品Cの上側には当該部品の受け取りの妨げとなるものが存在しない状態となる。さらに、各リードL,Lは下方を向いた状態で電子部品フィーダー200の部品受け渡し位置に待機させることができるので、供給される電子部品の状態が容易に確認できる。
また、電子部品実装装置100のヘッド106は、アキシャル部品Cの保持の妨げとなるものが何もない状態で良好な電子部品の受け取りを行うことが可能となる。
【0075】
さらに、電子部品フィーダー200は、メス動作機構と型動作機構が動作機構250として一体化されており、その駆動源も共通化されるので、駆動源や機構を構成する部品点数を大幅に低減することが可能となり、製造コストの低減、装置の小型軽量化を図ることが可能となる。
【0076】
さらに、電子部品フィーダー200は、一対の側壁部231が、いずれも外側に位置する板状の固定メス234と内側に位置する板状の固定成形型235とから構成されているので、例えば、固定メス234と固定成形型235のいずれか一方のみに破損や損耗が生じた場合に、当該一方のみの交換を行うことができ、装置の維持コストの低減を図ることが可能となる。
【0077】
さらに、電子部品フィーダー200は、動メス232の先端部と、側壁部231の固定メス234のリード導入部234aの外側の縁部とに、断面の傾斜角度が鋭角となる刃先232a、234bを形成しているので、良好なリードの切断を行うことが可能となっている。
【0078】
さらに、電子部品フィーダー200は、成形型233の上端部の外側縁部233aと、側壁部231の固定成形型235のリード導入部235aの深部における上縁部235dとを断面円弧状に形成したので、各リードL、Lに傷などが生じることなく円滑な折曲成形を行うことが可能となる。
【0079】
さらに、電子部品フィーダー200は、側壁部231の固定成形型235のリード導入部235aから上方に向かって折曲されたリードLを受け入れるために、固定成形型235にガイド溝235cを形成したので、側壁部231の固定成形型235と成形型233との間に挟まれてリードLに変形が生じることを回避することができる。
また、折曲されるリードとの衝突を避けるために、前記固定成形型に下方に延びる逃げ部235bを形成したのでリードLを容易に折り曲げられる。
また、折曲されたリードLをガイド溝235cに沿って下向きに案内するので、電子部品実装装置100のヘッド106に受け渡した時に、リードLの向きを下向きに維持することができ、基板Sに対して良好な実装作業を行うことが可能となる。
【0080】
また、上記発明の実施形態の電子部品実装装置100は、アキシャル部品Cの実装が行われる基板Sを保持する基板保持部としての基板クランプ機構104と、アキシャル部品Cを保持する部品保持部材30を昇降可能として搭載するヘッド106と、基板クランプ機構104と電子部品フィーダー200との間でヘッド106の移送を行う移動機構としてのX−Yガントリ107とを備え、ヘッド106の部品保持部材30が、電子部品フィーダー200の一対の成形型233により押し上げられたアキシャル部品Cを上方から保持することによりアキシャル部品Cの受け取りを行っている。
このように、上記電子部品実装装置100が上記電子部品実装方法を実行することにより、ヘッド搬送型の電子部品実装装置100において、従来困難であったアキシャル部品Cの搬送と実装の自動化が可能となる。
【0081】
また、電子部品実装装置100は、部品保持部材30に保持されたアキシャル部品Cの一対のリードL,Lの間隔を検出するリード検出部10と、リード検出部10により検出されたアキシャル部品Cの一対のリードL,Lの間隔が規定の範囲内の場合にアキシャル部品Cの実装を行う制御部としての制御装置120とを備えている。
【0082】
上記電子部品実装装置100が上記電子部品実装方法を実行することにより、ヘッド106の部品保持部材30に保持されたアキシャル部品Cの各リード間隔を検出するので、基板Sに形成されたリードL,Lの挿入を行うスルーホールに対するズレが生じた状態での実装動作を回避することができ、基板Sの傷、アキシャル部品Cの破損などの発生を効果的に低減することが可能となる。
【0083】
また、電子部品実装装置100の部品保持部材30は下方に延出される一対のアーム部32,32を備え、当該一対のアーム部32,32の互いに対向するそれぞれの内側壁面に、アキシャル部品CのリードL,Lを受け入れる上下に沿ったガイド溝37,37を形成している。
【0084】
上記電子部品実装装置100が上記電子部品実装方法を実行することにより、上下に沿ったガイド溝37,37が形成された部品保持部材30により電子部品を保持するので、各リードL,Lがガイド溝37,37に嵌合してリードL,Lの向きを安定的に保持すると共に、折曲成形後のリードL,Lの戻りの発生を低減し、リード間隔を規定の幅に維持することが可能となる。
従って、基板Sに形成されたリードL,Lの挿入を行うスルーホールに対するズレが生じた状態での実装動作を回避低減することができ、基板Sの傷、アキシャル部品Cの破損などの発生を効果的に低減することが可能となる。
【0085】
[その他]
なお、部品保持部材30は、ヘッド106に対して一列に並べて複数配置しても良い。その場合には、Z軸モーター146、θ軸モーター144、リード検出部10、電磁弁38等を部品保持部材30ごとに設ける必要がある。
また、電子部品フィーダー200も、フィーダーバンク102に複数並べて、より多くのまたはより多種のアキシャル部品Cの実装を行っても良い。
【0086】
なお、その場合でも、メス保持枠236や型保持枠237はロッド238に対してネジによる抱き締め固定を行っているので、ロッド238に沿って位置調節を容易に行うことができ、サイズの異なるアキシャル部品Cのリード処理に容易に対応することが可能である。
また、部品保持部材30についても、ヘッド106から取り外して交換が可能であるため、相互間の幅が異なる他の一対のアーム部32,32を備える部品保持部材30に交換してサイズの異なるアキシャル部品Cの保持に容易に対応することが可能である。
また、メス動作機構と型動作機構を駆動源(エアシリンダー251)を共通とする動作機構250とし、駆動源により駆動される駆動シャフト256に動メス232、232と成形型233、233が連結される構成とした。これに代えて、メス動作機構と型動作機構とを個別に設け、それぞれが駆動源を個別に有する構成としても良い。また、駆動源を共通とする場合と個別に設ける場合とに拘わらず、駆動源として電磁シリンダや駆動モータ等を利用しても良い。
【符号の説明】
【0087】
30 部品保持部材
100 電子部品実装装置
104 基板クランプ機構(基板保持部)
106 ヘッド
107 X−Yガントリ(移動機構)
200 電子部品フィーダー(電子部品供給装置)
210 フレーム
211 搬送路
230 リード処理機構
231 側壁部
232 動メス
232a 刃先
233 成形型
233a 外側縁部
234 固定メス
234b 刃先
234a,235a リード導入部
235 固定成形型
235c ガイド溝
235d 上縁部
250 動作機構(メス動作機構,型動作機構)
260 送り機構
C アキシャル部品(電子部品)
K 部品連結体
M 部品本体
L リード
図1
図2
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