【解決手段】本発明は、第1の外部電極は第1の内部電極と電気的に連結される第1のベース電極、第1のベース電極上に形成されたニッケル(Ni)からなる第1の中間層、及び第1の中間層上に形成された第1の端子電極を含み、第2の外部電極は第2の内部電極と電気的に連結される第2のベース電極、第2のベース電極上に形成されたニッケル(Ni)からなる第2の中間層、及び第2の中間層上に形成された第2の端子電極を含み、第1及び第2のベース電極は第1の導電性金属及びガラスを含み、第1及び第2の端子電極は第2の導電性金属からなる基板内蔵用積層セラミック電子部品を、提供する。
前記第1の導電性金属は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上である、請求項1または2に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記第1の導電性金属は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上である、請求項8または9に記載の積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板。
【背景技術】
【0002】
電子回路の高密度化及び高集積化につれ、印刷回路基板に実装される受動素子の実装空間が足りなくなり、これを解決するために、基板内に内蔵される部品、即ち、エンベデッド素子(embedded device)を具現しようとする研究が行われている。特に、容量性部品として用いられる積層セラミック電子部品を基板の内部に内蔵する多様な方案が提示されている。
【0003】
基板内に積層セラミック電子部品を内蔵する方法として、基板材料自体を積層セラミック電子部品用誘電体材料として用い、銅配線等を積層セラミック電子部品用電極として用いる方法がある。また、基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現するための他の方法として、高誘電率の高分子シートや薄膜の誘電体を基板の内部に形成して基板内蔵用積層セラミック電子部品を形成する方法、及び積層セラミック電子部品を基板内に内蔵する方法等がある。
【0004】
通常、積層セラミック電子部品は、セラミック材質からなる複数の誘電体層とこの複数の誘電体層の間に挿入された内部電極とを備える。このような積層セラミック電子部品を基板の内部に配置させることにより、高い静電容量を有する基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現することができる。
【0005】
一方、基板内蔵用積層セラミック電子部品は、基板内のコア部分に内蔵されなければならないため、基板の表面に実装される一般の積層セラミック電子部品とは異なり、外部電極上にニッケル/スズ(Ni/Sn)メッキ層を設ける必要がない。
【0006】
即ち、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極は銅(Cu)材質のビア(via)を介して基板内の回路と電気的に連結されるため、ニッケル/スズ(Ni/Sn)層の代わりに銅(Cu)層を上記外部電極上に設ける必要がある。
【0007】
通常の外部電極の場合、銅(Cu)を主成分としているが、ガラス(glass)も含まれているため、基板内のビア(via)の形成に用いられるレーザー加工の際に上記ガラスに含まれている成分が上記レーザーを吸収することによりビアの加工深さを調節することができなくなるという問題がある。
【0008】
このような理由で、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上に銅(Cu)メッキ層を別途に形成している。
【0009】
しかしながら、別途の銅(Cu)メッキ層を形成することは、メッキ液の浸透による信頼性低下の問題をもたらすため、これを解決する方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、基板内蔵用積層セラミック電子部品及び積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、誘電体層を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して上記セラミック本体の両端面から交互に露出するように形成された第1及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の両端面に形成された第1及び第2の外部電極と、を含み、上記第1の外部電極は上記第1の内部電極と電気的に連結される第1のベース電極、上記第1のベース電極上に形成されたニッケル(Ni)からなる第1の中間層、及び上記第1の中間層上に形成された第1の端子電極を含み、上記第2の外部電極は上記第2の内部電極と電気的に連結される第2のベース電極、上記第2のベース電極上に形成されたニッケル(Ni)からなる第2の中間層、及び上記第2の中間層上に形成された第2の端子電極を含み、上記第1及び第2のベース電極は第1の導電性金属及びガラスを含み、上記第1及び第2の端子電極は第2の導電性金属からなる基板内蔵用積層セラミック電子部品が提供される。
【0013】
上記第1及び第2の中間層は厚さが0.5μm〜10μmであることができる。
【0014】
上記第1の導電性金属は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上であることができる。
【0015】
上記第2の導電性金属は銅(Cu)であることができる。
【0016】
上記第1及び第2の中間層はメッキで形成され、上記第1及び第2の端子電極はメッキで形成されることができる。
【0017】
上記セラミック本体の厚さは250μm以下を満たすことができる。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、絶縁基板と;誘電体層を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して上記セラミック本体の両端面から交互に露出するように形成された第1及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の両端面に形成された第1及び第2の外部電極と、を含み、上記第1の外部電極は上記第1の内部電極と電気的に連結される第1のベース電極、上記第1のベース電極上に形成されたニッケル(Ni)からなる第1の中間層、及び上記第1の中間層上に形成された第1の端子電極を含み、上記第2の外部電極は上記第2の内部電極と電気的に連結される第2のベース電極、上記第2のベース電極上に形成されたニッケル(Ni)からなる第2の中間層、及び上記第2の中間層上に形成された第2の端子電極を含み、上記第1及び第2のベース電極は第1の導電性金属及びガラスを含み、上記第1及び第2の端子電極は第2の導電性金属からなる基板内蔵用積層セラミック電子部品と;を含み、上記基板内蔵用積層セラミック電子部品は上記絶縁基板の内部に内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板が提供される。
【0019】
上記第1及び第2の中間層は厚さが0.5μm〜10μmであることができる。
【0020】
上記第1の導電性金属は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上であることができる。
【0021】
上記第2の導電性金属は銅(Cu)であることができる。
【0022】
上記第1及び第2の中間層はメッキで形成され、上記第1及び第2の端子電極はメッキで形成されることができる。
【0023】
上記セラミック本体の厚さは250μm以下を満たすことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上に銅(Cu)メッキ層を形成する前に、ニッケル(Ni)からなる中間層をメッキ法により形成することにより、銅(Cu)メッキ液の浸透によるクラック発生及び特性劣化等の信頼性低下を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0027】
基板内蔵用積層セラミック電子部品
図1は本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、
図2は
図1のB‐B'線に沿う断面図であり、
図3は本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の断面のSEM(Scanned Electronic Microscope)写真である。
【0028】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体10と、上記セラミック本体10の両端面から交互に露出するように上記誘電体層11を介して形成された第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の両端面に形成された第1及び第2の外部電極31、32と、を含み、上記第1の外部電極31は、上記第1の内部電極21と電気的に連結される第1のベース電極31a、上記第1のベース電極31a上に形成されたニッケル(Ni)からなる第1の中間層31b、及び上記第1の中間層31b上に形成された第1の端子電極31cを含み、上記第2の外部電極32は上記第2の内部電極22と電気的に連結される第2のベース電極32a、上記第2のベース電極32a上に形成されたニッケル(Ni)からなる第2の中間層32b、及び上記第2の中間層32b上に形成された第2の端子電極32cを含み、上記第1及び第2のベース電極31a、32aは第1の導電性金属及びガラスを含み、上記第1及び第2の端子電極31c、32cは第2の導電性金属からなることができる。
【0029】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明する上で、特に、積層セラミックキャパシタを例に挙げて説明するが、これに制限されるものではない。
【0030】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、「長さ方向」は
図1の「L方向」、「幅方向」は「W方向」、「厚さ方向」は「T方向」と定義する。ここで、「厚さ方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念で用いられる。
【0031】
本発明の一実施形態において、セラミック本体10は、形状に特別な制限はなく、図示のように六面体形であることができる。
【0032】
本発明の一実施形態において、セラミック本体10は、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有し、上記第1及び第2の主面は、上記セラミック本体10の上面及び下面とも表現される。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層11を形成する原料は、十分な静電容量が得られるものであれば特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末であることができる。
【0034】
上記誘電体層11を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等のパウダーに、本発明の目的に応じて多様なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤等が添加されたものであることができる。
【0035】
上記誘電体層11の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は、例えば、400nm以下であることができるが、特に制限されず、本発明の目的達成のために多様に調節されることができる。
【0036】
上記第1の内部電極21と第2の内部電極22は、上記誘電体層11を介して上記セラミック本体10の両端面から交互に露出するように形成されることができる。
【0037】
上記第1及び第2の内部電極21、22は、その材料に特別な制限はなく、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム‐銀(Pd‐Ag)合金等の貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、上記セラミック本体10の両端面には、第1及び第2の外部電極31、32が形成されることができる。
【0039】
上記第1の外部電極31は、上記第1の内部電極21と電気的に連結される第1のベース電極31aと、上記第1のベース電極31a上に形成されたニッケル(Ni)からなる第1の中間層31bと、上記第1の中間層31b上に形成された第1の端子電極31cと、を含むことができる。
【0040】
また、上記第2の外部電極32は、上記第2の内部電極22と電気的に連結される第2のベース電極32aと、上記第2のベース電極32a上に形成されたニッケル(Ni)からなる第2の中間層32bと、上記第2の中間層32b上に形成された第2の端子電極32cと、を含むことができる。
【0041】
以下では、上記第1及び第2の外部電極31、32の構造についてより詳細に説明する。
【0042】
上記第1及び第2のベース電極31a、32aは、第1の導電性金属及びガラスを含むことができる。
【0043】
静電容量の形成のために、上記第1及び第2の外部電極31、32が上記セラミック本体10の両端面に形成され、上記第1及び第2の外部電極31、32に含まれる上記第1及び第2のベース電極31a、32aが上記第1及び第2の内部電極21、22と電気的に連結されることができる。
【0044】
上記第1及び第2のベース電極31a、32aは、上記第1及び第2の内部電極21、22と同じ材質の導電性物質で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上の第1の導電性金属で形成されることができる。
【0045】
上記第1及び第2のベース電極31a、32aは、上記第1の導電性金属粉末にガラスフリットを添加して製造された導電性ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されることができる。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の外部電極31、32は、上記第1及び第2のベース電極31a、32a上に形成されニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bを含むことができる。
【0047】
一方、基板内蔵用積層セラミック電子部品は、基板内のコア部分に内蔵されなければならないため、基板の表面に実装される一般の積層セラミック電子部品とは異なり、外部電極上にニッケル/スズ(Ni/Sn)メッキ層を設ける必要がない。
【0048】
即ち、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極は銅(Cu)材質のビア(via)を介して基板内の回路と電気的に連結されるため、ニッケル/スズ(Ni/Sn)層の代わりに銅(Cu)層を上記外部電極上に設ける必要がある。
【0049】
通常の外部電極の場合、銅(Cu)を主成分としているが、ガラス(glass)も含まれているため、基板内のビア(via)の形成に用いられるレーザー加工の際に上記ガラスに含まれている成分が上記レーザーを吸収することによりビアの加工深さを調節することができなくなるという問題がある。
【0050】
このような理由で、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上に銅(Cu)メッキ層を別途に形成している。
【0051】
しかしながら、別途の銅(Cu)メッキ層を形成することは、メッキ液の浸透による信頼性低下の問題をもたらす可能性がある。
【0052】
即ち、銅(Cu)メッキ層を形成する段階で、銅(Cu)メッキ液が内部に浸透してガラスの侵食をもたらしたり、チップの内部に浸透して特性劣化を起こしたりする可能性がある。
【0053】
しかしながら、本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の外部電極31、32は、上記第1及び第2のベース電極31a、32a上に形成されニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bを含むため、銅(Cu)メッキ液が内部に浸透してガラスの侵食をもたらしたり、チップの内部に浸透して特性劣化を起こしたりすることを防止することができる。
【0054】
これにより、信頼性に優れた基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現することができる。
【0055】
上記ニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bの厚さは、特に制限されず、例えば、0.5μm〜10μmであることができる。
【0056】
上記ニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bの厚さが0.5μm〜10μmを満たすように調節することにより、銅(Cu)メッキ液が内部に浸透してガラスの侵食をもたらしたりチップの内部に浸透して特性劣化を起こしたりすることを防止すると共にメッキ応力によるチップのクラック発生を防止してキャパシタの信頼性を向上させることができる。
【0057】
上記ニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bの厚さが0.5μm未満の場合は、その厚さが薄すぎて銅(Cu)メッキ液が内部に浸透する可能性がある。
【0058】
上記ニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bの厚さが10μmを超える場合は、メッキ応力によってチップにクラックが発生して信頼性が低下する可能性がある。
【0059】
上記第1及び第2の中間層31b、32bは、メッキで形成されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の外部電極31、32は、上記第1及び第2の中間層31b、32b上に形成される第1及び第2の端子電極31c、32cを含むことができる。
【0061】
上記第1及び第2の端子電極31c、32cは、第2の導電性金属からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0062】
上記第2の導電性金属は、特に制限されず、例えば、銅(Cu)であることができる。
【0063】
通常の積層セラミックキャパシタは印刷回路基板上に実装されるため、外部電極上にニッケル/スズメッキ層を形成することが一般的であった。
【0064】
しかしながら、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、印刷回路基板内蔵用であるため基板上に実装されず、当該積層セラミックキャパシタの上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32が銅(Cu)材質のビア(via)を介して基板の回路と電気的に連結される。
【0065】
したがって、本発明の一実施形態によれば、上記第1及び第2の端子電極31c、32cは、上記基板内のビアの材質である銅(Cu)と電気的連結性の良い銅(Cu)からなる。
【0066】
上記第1及び第2の端子電極31c、32cは、メッキで形成されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0067】
以下では、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法について説明するが、これに制限されるものではない。
【0068】
本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法は下記の通りである。まず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等のパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して複数のセラミックグリーンシートを製造し、これにより、誘電体層を形成する。
【0069】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状にして製作される。
【0070】
次に、平均サイズが0.1〜0.2μmのニッケル粒子を有する40〜50重量部のニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを製造する。
【0071】
次に、上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、400〜500層積層してセラミック本体を製作する。
【0072】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、上記第1及び第2の内部電極21、22は、上記セラミック本体10の両端面にそれぞれ露出するように形成される。
【0073】
次に、上記セラミック本体10の端部に、第1の導電性金属及びガラスを含む第1のベース電極及び第2のベース電極を形成する。
【0074】
上記第1の導電性金属は、特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上である。
【0075】
上記ガラスは、特に制限されず、一般の積層セラミックキャパシタの外部電極の製作に用いられるガラスと同じ組成の物質であっても良い。
【0076】
上記第1及び第2のベース電極は、上記セラミック本体の端部に形成されることにより、上記第1及び第2の内部電極とそれぞれ電気的に連結される。
【0077】
次に、上記第1のベース電極及び第2のベース電極上に形成されニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層を形成する。
【0078】
上記第1及び第2の中間層は、特に制限されず、例えば、メッキ法により形成される。
【0079】
次に、上記第1及び第2の中間層上に形成され第2の導電性金属からなる第1及び第2の端子電極を形成する。
【0080】
上記第2の導電性金属は、特に制限されず、例えば、銅(Cu)である。
【0081】
また、上記第1及び第2の端子電極は、特に制限されず、例えば、メッキ法により形成される。
【0082】
その他、上述した本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の特徴と同じものに関する説明は省略する。
【0083】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0084】
本発明の実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品のニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層31b、32bの厚さによる耐湿信頼性、加速寿命信頼性及びクラック発生の有無を評価するために、携帯電話のマザーボード用チップ部品の通常の条件である85℃、相対湿度85%に積層セラミック電子部品の内蔵された基板を30分間放置した後、それぞれの実験を行った。
【0085】
クラック発生の有無と関連しては、チップ部品400個に対し、クラック発生率が10%未満の場合は良好(○)、10%以上の場合は不良(×)と判断した。
【0086】
下記表1は、ニッケル(Ni)からなる第1から第3の中間層の厚さによる耐湿信頼性、加速寿命信頼性及びクラック発生の有無を示したものである。
【0087】
【表1】
×:不良率が10%以上
○:不良率が10%未満
【0088】
上記表1を参照すると、上記ニッケル(Ni)からなる第1から第3の中間層の厚さが0.5μm以上10.0μm以下の場合は、耐湿信頼性及び加速寿命信頼性に優れ、メッキによるクラックも発生しないため、信頼性に優れた積層セラミックキャパシタを具現することができることが分かる。
【0089】
これに対し、上記ニッケル(Ni)からなる第1から第3の中間層の厚さが0.5μm未満の場合は、メッキ液の浸透によって耐湿信頼性及び加速寿命信頼性に問題があることが分かる。
【0090】
また、上記ニッケル(Ni)からなる第1から第3の中間層の厚さが10.0μmを超える場合は、メッキによるクラックが発生するため、信頼性に問題があることが分かる。
【0091】
積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板
図4は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品が内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板を示す断面図である。
【0092】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品が内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板100は、絶縁基板110と;誘電体層11を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して上記セラミック本体10の両端面から交互に露出するように形成された第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の両端面に形成された第1及び第2の外部電極31、32と、を含み、上記第1の外部電極31は上記第1の内部電極21と電気的に連結される第1のベース電極31a、上記第1のベース電極31a上に形成されたニッケル(Ni)からなる第1の中間層31b、及び上記第1の中間層31b上に形成された第1の端子電極31cを含み、上記第2の外部電極32は上記第2の内部電極22と電気的に連結される第2のベース電極32a、上記第2のベース電極32a上に形成されたニッケル(Ni)からなる第2の中間層32b、及び上記第2の中間層32b上に形成された第2の端子電極32cを含み、上記第1及び第2のベース電極31a、32aは第1の導電性金属及びガラスを含み、上記第1及び第2の端子電極31c、32cは第2の導電性金属からなる基板内蔵用積層セラミック電子部品と;を含むことができる。
【0093】
上記絶縁基板110は、絶縁層120が含まれた構造を有し、必要に応じて、
図4に示されているように多様な形態の層間回路を構成する導電性パターン130及び導電性ビアホール140を含むことができる。このような絶縁基板110は、内部に積層セラミック電子部品を含む印刷回路基板100でもある。
【0094】
上記積層セラミック電子部品は、印刷回路基板100に挿入された後、印刷回路基板100の熱処理等のような後工程進行中の様々な過酷環境を同様に経験してしまう。
【0095】
特に、熱処理工程中の印刷回路基板100の収縮及び膨張は、印刷回路基板100の内部に挿入された積層セラミック電子部品に直接伝達され、積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着面にストレスを加える。
【0096】
積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着面に加えられたストレスが接着強度より高い場合は、接着面が剥がれる剥離不良が発生する。
【0097】
積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着強度は積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との電気化学的結合力と接着面の有効表面積に比例し、積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着面の有効表面積を向上させるために積層セラミック電子部品の表面粗度を制御することにより積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との間の剥離現象を改善することができる。
【0098】
また、印刷回路基板100に内蔵される積層セラミック電子部品の表面粗度による印刷回路基板100との接着面における剥離発生頻度が確認できる。
【0099】
その他の特徴は、上述した本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品が内蔵される積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板の特徴と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0100】
本発明の実施形態によれば、基板内蔵用積層セラミック電子部品の第1及び第2のベース電極と第1及び第2の端子電極との間にニッケル(Ni)からなる第1及び第2の中間層を形成することにより、メッキ液の浸透による信頼性低下を防止することができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。