特開2015-3798(P2015-3798A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015003798-乗客コンベア 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-3798(P2015-3798A)
(43)【公開日】2015年1月8日
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 29/04 20060101AFI20141205BHJP
【FI】
   B66B29/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-130124(P2013-130124)
(22)【出願日】2013年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000232944
【氏名又は名称】日立水戸エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】仲條 勇人
(72)【発明者】
【氏名】福島 絹代
(72)【発明者】
【氏名】猪瀬 鉄平
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321GA10
(57)【要約】
【課題】ハンドレールの出入口に設けた安全装置の側方に配置された保護装置と内デッキとの間に衣服等が挟まれるのを防止した乗客コンベアを提供する。
【解決手段】無端状に連結されて循環移動する移動体と、前記移動体の移動方向に沿って立設された欄干と、前記欄干の周縁部を前記移動体と同期して移動するハンドレールと、前記欄干の長手方向端部に設けられ前記ハンドレールが出入りするハンドレールの出入口と、前記ハンドレールの出入口に設けられて前記ハンドレールによる巻き込みを検出する安全装置とを備えた乗客コンベアにおいて、前記欄干は、欄干パネルと、前記欄干パネルの前記移動体側の下部を覆い前記移動体側に突出した内デッキと、前記安全装置の側方に配置され前記安全装置の側方を覆う保護装置とを有し、前記保護装置の上面が前記内デッキの下面に当接している構成とした。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結されて循環移動する移動体と、前記移動体の移動方向に沿って立設された欄干と、前記欄干の周縁部を前記移動体と同期して移動するハンドレールと、前記欄干の長手方向端部に設けられ前記ハンドレールが出入りするハンドレールの出入口と、前記ハンドレールの出入口に設けられて前記ハンドレールによる巻き込みを検出する安全装置とを備えた乗客コンベアにおいて、
前記欄干は、欄干パネルと、前記欄干パネルの前記移動体側の下部を覆い前記移動体側に突出した内デッキと、前記安全装置の側方に配置され前記安全装置の側方を覆う保護装置とを有し、
前記保護装置の上面が前記内デッキの下面に当接していることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記保護装置は、前記安全装置の前記移動体側の側方を覆う内側保護面を有し、前記内側保護面の上面が前記内デッキの下面に当接していることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記保護装置は、前記安全装置の前記移動体とは反対側の側方を覆う外側保護面を有することを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記保護装置は、前記安全装置の下方を覆う下側保護面を有することを特徴とする請求項2または3に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記保護装置の先端部は、前記安全装置の先端部よりも突出していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータや移動歩道等の乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乗客コンベアでは、ハンドレールの出入口に、乗客の手足や衣服が巻き込まれないように保護するための安全装置が設けられている。
【0003】
また、特許文献1には、この安全装置に乗客の手荷物等が衝突することによる不要な急停止を防止するために安全装置の内側側方を覆うように保護装置を配置した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−106848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の乗客コンベアでは、保護装置の保護片の上部が、内デッキ(内デッキカバーとも呼ばれる)との干渉を避けるため、乗客コンベアの外側方向に折り曲げられ、内デッキの内部に収容されるようになっている。このため、保護片の上部の折り曲げられた部分と内デッキの下部との間に隙間が発生し、この隙間に衣服等が挟まれる可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、ハンドレールの出入口に設けた安全装置の側方に配置された保護装置と内デッキとの間に衣服等が挟まれるのを防止した乗客コンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、無端状に連結されて循環移動する移動体と、前記移動体の移動方向に沿って立設された欄干と、前記欄干の周縁部を前記移動体と同期して移動するハンドレールと、前記欄干の長手方向端部に設けられ前記ハンドレールが出入りするハンドレールの出入口と、前記ハンドレールの出入口に設けられて前記ハンドレールによる巻き込みを検出する安全装置とを備えた乗客コンベアにおいて、前記欄干は、欄干パネルと、前記欄干パネルの前記移動体側の下部を覆い前記移動体側に突出した内デッキと、前記安全装置の側方に配置され前記安全装置の側方を覆う保護装置とを有し、前記保護装置の上面が前記内デッキの下面に当接している構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハンドレールの出入口に設けた安全装置の側方に配置された保護装置と内デッキとの間に衣服等が挟まれるのを防止した乗客コンベアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態による乗客コンベアの要部斜視図である。
図2図1に示した乗客コンベアの正面図である。
図3図2に示した保護装置の斜視図である。
図4】本発明の一実施の形態による乗客コンベアの乗降口付近の全体斜視図である。
図5図1に示した乗客コンベアの内側側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、各図および各実施例において、同一又は類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態による乗客コンベアの要部斜視図である。図2は、図1に示した乗客コンベアの正面図である。図3は、図2に示した保護装置の斜視図である。図4は、本発明の一実施の形態による乗客コンベアの乗降口付近の全体斜視図である。図5は、図1に示した乗客コンベアの内側側面図である。
【0012】
詳細な図示を省略しているが、乗客コンベアは、建築構造物に載置されるフレームと、フレームの長手方向両端に設けられた乗降床とを有している。
【0013】
そして、図4に示すように、乗客コンベアは、無端状に連結されて循環移動する移動体17(例えば踏段等)と、移動体17の移動方向に沿って立設された欄干18と、欄干18の周縁部を移動体17と同期して移動するハンドレール3と、欄干18の長手方向端部に設けられハンドレール3が出入りするハンドレール3の出入口と、ハンドレール3の出入口に設けられてハンドレール3による巻き込みを検出する安全装置4とを備える。
【0014】
また、欄干18は、欄干パネル19と、欄干パネル19の移動体17側(内側)の下部を覆い移動体17側に突出した内デッキ15と、安全装置4の側方に配置され安全装置4の側方を覆う保護装置5とを有している。
【0015】
また、欄干18は、移動体17の側方に移動体17の移動方向に沿って配置された側部スカートガード2を有している。そして、内デッキ15は、欄干パネル19の下部とスカートガード2の上部との間を覆うように傾斜した形状となっている。
【0016】
安全装置4は、乗降口近傍(乗降床近傍)におけるハンドレール3の出入口に、ハンドレール3によって乗客の手足や衣服等が巻き込まれないように保護するための装置である。
【0017】
安全装置4は、一般に知られるように欄干18の長手方向端部に設けられた端部スカートガード1から所定寸法だけ突出してハンドレール3の外周部に配置された変位部を有しており、ハンドレール3が乗客の手足や衣服等を巻き込んだときの変位部の変位を検知し、巻き込みを検出したことを示す検出信号を図示しない制御装置に送信する。制御装置はこの検出信号を受けて、乗客コンベアを急停止させたり、警報を出したりする。
【0018】
さらに、欄干18には、安全装置4の側方に、安全装置4の側方を覆う保護装置5が配置されている。この保護装置5は、安全装置4に乗客の手荷物等が衝突することによる不要な急停止を防止するために設けられている。
【0019】
図1から図4に示すように、保護装置5は、安全装置4の移動体17側(内側)の側方を覆う内側保護面6と、内側保護面6と対向して安全装置4の移動体17とは反対側(外側)の側方を覆う外側保護面7と、安全装置4の下方を覆う下側保護面8とを有する。内側保護面6と外側保護面7は、ほぼ鉛直な平面となっており、下側保護面8は、ほぼ水平な平面となっており、内側保護面6と外側保護面7とを結合する。また、保護装置5は、外側保護面7の外側に一体的に形成されて端部スカートガード1側に取り付けられるようにほぼ直角に折り曲げて形成した取り付け部9を有している。また、内側保護面6および取り付け部9には、ねじによる取り付け時に使用する孔部10,11,20,21が形成されている。
【0020】
このような保護装置5によれば、内側保護面6によって、乗客の手荷物等の安全装置4の内側からの望まない衝突を阻止することができ、外側保護面7によって、乗客の手荷物等の安全装置4の外側からの望まない衝突を阻止することができ、下側保護面8によって、乗客の手荷物等の下側からの望まない衝突を阻止することができる。
【0021】
尚、乗客の手荷物等は、安全装置4の内側から衝突することが多いので、外側保護面7と下側保護面8は一方または両方を省略しても良い。また、保護装置5は、図3に示すように全て一体で形成した方が部品の取扱いや取り付け時の作業性を向上することができるので望ましいが、例えば外側保護面7を残して下側保護面8を省略するなどして別体で構成しても良い。
【0022】
また、保護装置5の取り付けは、その他の種々の形状や構造によって行うことができるが、安全装置4よりも外側に配置された取り付け部9によって端部スカートガード1側に取り付けた場合には、この取り付け部9や取り付け用のねじによって乗客に悪影響を与えることがなく、安全性にも優れている。しかも、狭隘作業とはならず、取り付け時の作業性を向上することができる。
【0023】
また、図5に示すように、内側保護面6、外側保護面7および下部保護面8は、安全装置4の先端部(前面側)よりも突出した先端部12,13,14を有することが望ましい。これにより、安全装置4の前面側からの望まない衝突を阻止するように形成している。但し、誤作動の起こらない範囲で保護装置5の先端部12,13,14よりも安全装置4の先端部の方が突出した構成としても良い。
【0024】
さらに、図4図5に示すように、保護装置5の上面16(内側保護面6の上面16)が、内デッキ15の下面に当接している構成となっている。このように、内側保護面6の上面16と内デッキ15の下面とを当接させる、すなわち、突き合わせて接触させることにより、両者の間の隙間が無くなり、乗客の手荷物や衣服等が保護装置5に衝突した場合であっても衣服等が保護装置5と内デッキ15との間に挟まれるのを防止することができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、これらの構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 端部スカートガード
2 側部スカートガード
3 ハンドレール
4 安全装置
5 保護装置
6 内側保護面
7 外側保護面
8 下側保護面
9 取り付け部
10〜11,20〜21 孔部
12〜14 先端部
15 内デッキ
16 内側保護面の上面
17 移動体
18 欄干
19 欄干パネル
図1
図2
図3
図4
図5