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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-38914(P2015-38914A)
(43)【公開日】2015年2月26日
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/232 20060101AFI20150130BHJP
   H01G 4/224 20060101ALI20150130BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20150130BHJP
【FI】
   H01G4/12 352
   H01G4/12 445
   H01G4/30 301C
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-279672(P2012-279672)
(22)【出願日】2012年12月21日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0139625
(32)【優先日】2012年12月4日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、サン ヒュク
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ビュン クォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ヒュク
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC02
5E001AG01
5E082AB03
5E082BC36
5E082EE04
5E082EE16
5E082HH25
5E082PP09
(57)【要約】
【課題】本発明は、積層セラミック電子部品に関する。
【解決手段】誘電体層を含むセラミック本体と、セラミック本体の内部に容量形成のための容量部を形成する重なり領域を有し、重なり領域が第1及び第2側面に露出されるように形成され、容量部から第2側面に露出されるように延長形成された第1リード部を有する第1内部電極と、誘電体層を挟んで第1内部電極と交互に積層され且つ第1及び第2側面に露出されるように形成されており、第1内部電極と絶縁され容量部から第1側面に露出されるように延長形成された第2リード部を有する第2内部電極と、第1リード部、第2リード部とそれぞれ連結されて形成される第1及び第2外部電極と、セラミック本体の第1及び第2側面に形成される絶縁層と、を含み、第1及び第2リード部は、第1及び第2内部電極が互いに重ならない領域である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層を含み、互いに対向する第1及び第2主面、互いに対向する第1及び第2側面、及び互いに対向する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、
前記セラミック本体の内部に容量形成のための容量部を形成する重なり領域を有し、前記重なり領域が前記第1及び第2側面に露出されるように形成され、前記容量部から第2側面に露出されるように延長形成された第1リード部を有する第1内部電極と、
前記誘電体層を挟んで前記第1内部電極と交互に積層され且つ前記第1及び第2側面に露出されるように形成されており、前記第1内部電極と絶縁され前記容量部から第1側面に露出されるように延長形成された第2リード部を有する第2内部電極と、
前記第1リード部、第2リード部とそれぞれ連結されて形成される第1及び第2外部電極と、
前記セラミック本体の第1及び第2側面に形成される絶縁層と、を含み、
前記第1及び第2リード部は、前記第1及び第2内部電極が互いに重ならない領域である、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記セラミック本体の長さ方向の長さをL、前記セラミック本体の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さをLmと定義すると、0.03≦Lm/L≦0.2を満たす、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記セラミック本体の長さ方向の長さをL、前記重ならない領域の前記セラミック本体の長さ方向の長さをLcと定義すると、0.05≦Lc/L≦0.4を満たす、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記セラミック本体の幅方向の長さをW、前記重ならない領域の前記セラミック本体の幅方向の長さをWcと定義すると、0.05≦Wc/W≦0.5を満たす、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第1外部電極は、前記セラミック本体の第1主面、第2主面及び第1側面のうち一つ以上に延長形成される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記第2外部電極は、前記セラミック本体の第1主面、第2主面及び第2側面のうち一つ以上に延長形成される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記絶縁層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックからなる群から選択される一つ以上を含む、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記絶縁層は、第1及び第2内部電極の露出部を全て覆うように形成される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記絶縁層は、前記セラミック本体の第1側面から測定される第2外部電極及び第2側面から測定される第1外部電極の高さより低く形成される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
誘電体層を含み、互いに対向する第1及び第2主面、互いに対向する第1及び第2側面、及び互いに対向する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、
前記セラミック本体の内部に容量形成のための容量部を形成する重なり領域を有し、前記重なり領域が第1及び第2側面に露出され且つ前記第1及び第2端面とは一定間隔離隔されるように形成され、前記容量部から第2側面に露出されるように延長形成された第1リード部を有する第1内部電極と、
前記誘電体層を挟んで前記第1内部電極と交互に積層され、前記第1及び第2側面に露出され且つ前記第1及び第2端面とは一定間隔離隔されるように形成されており、前記第1内部電極と絶縁され前記容量部から第1側面に露出されるように延長形成された第2リード部を有する第2内部電極と、
前記第1リード部と連結されて形成され、前記第1主面及び第2側面に形成される第1外部電極と、前記第2リード部と連結されて形成され、前記第1主面及び第1側面に形成される第2外部電極と、
前記セラミック本体の第1及び第2側面に形成される絶縁層と、を含み、
前記第1及び第2リード部は、前記第1及び第2内部電極が互いに重ならない領域である、積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記セラミック本体の長さ方向の長さをL、前記セラミック本体の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さをLmと定義すると、0.03≦Lm/L≦0.2を満たす、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記セラミック本体の長さ方向の長さをL、前記重ならない領域の前記セラミック本体の長さ方向の長さをLcと定義すると、0.05≦Lc/L≦0.4を満たす、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項13】
前記セラミック本体の幅方向の長さをW、前記重ならない領域の前記セラミック本体の幅方向の長さをWcと定義すると、0.05≦Wc/W≦0.5を満たす、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記絶縁層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックからなる群から選択される一つ以上を含む、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記絶縁層は、第1及び第2内部電極の露出部を全て覆うように形成される、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項16】
前記絶縁層は、前記セラミック本体の第1側面から測定される第2外部電極及び第2側面から測定される第1外部電極の高さより低く形成される、請求項10に記載の積層セラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部電極間のショート不良を改善するとともに、電圧印加時に積層セラミック電子部品によって発生するアコースティックノイズを低減することができる積層セラミック電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を用いる電子部品には、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタまたはサーミスタなどがある。
【0003】
このようなセラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという長所を有する。
【0004】
このような積層セラミックキャパシタは、コンピュータ、個人携帯用端末(PDA:Personal Digital Assistants)または携帯電話などの様々な電子製品の回路基板に取り付けられ、電気を充電または放電させる重要な役割をするチップ形態のコンデンサであり、用いられる用途及び容量によって、様々なサイズ及び積層形態を有する。
【0005】
特に、近年、電子製品の小型化により、このような電子製品に用いられる積層セラミックキャパシタにおいても超小型化及び超高容量化が求められている。
【0006】
これにより、製品の超小型化のために誘電体層及び内部電極の厚さを薄くし、超高容量化のために多数の誘電体層を積層した積層セラミックキャパシタが製造されている。
【0007】
一方、全ての外部電極が下面に位置する積層セラミックキャパシタがあるが、このような構造の積層セラミックキャパシタは、実装密度及び容量に優れ、ESLが低いという長所を有するが、セラミック本体の切断時における切断ストレスにより、互いに対向する内部電極の位置ずれ現象による内部電極間のショート不良が発生しやすいという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本特許公開公報第2006‐086359号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、内部電極間のショート不良を改善するとともに、電圧印加時に積層セラミック電子部品により発生するアコースティックノイズを低減することができる積層セラミック電子部品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によると、誘電体層を含み、互いに対向する第1及び第2主面、互いに対向する第1及び第2側面、及び互いに対向する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、上記セラミック本体の内部に容量形成のための容量部を形成する重なり領域を有し、上記重なり領域が上記第1及び第2側面に露出されるように形成され、上記容量部から第2側面に露出されるように延長形成された第1リード部を有する第1内部電極と、上記誘電体層を挟んで上記第1内部電極と交互に積層され且つ上記第1及び第2側面に露出されるように形成されており、上記第1内部電極と絶縁され上記容量部から第1側面に露出されるように延長形成された第2リード部を有する第2内部電極と、上記第1リード部、第2リード部とそれぞれ連結されて形成される第1及び第2外部電極と、上記セラミック本体の第1及び第2側面に形成される絶縁層と、を含み、上記第1及び第2リード部は、上記第1及び第2内部電極が互いに重ならない領域である、積層セラミック電子部品が提供される。
【0011】
上記セラミック本体の長さ方向の長さをL、上記セラミック本体の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さをLmと定義すると、0.03≦Lm/L≦0.2を満たすことができる。
【0012】
上記セラミック本体の長さ方向の長さをL、上記重ならない領域の上記セラミック本体の長さ方向の長さをLcと定義すると、0.05≦Lc/L≦0.4を満たすことができる。
【0013】
上記セラミック本体の幅方向の長さをW、上記重ならない領域の上記セラミック本体の幅方向の長さをWcと定義すると、0.05≦Wc/W≦0.5を満たすことができる。
【0014】
上記第1外部電極は、上記セラミック本体の第1主面、第2主面及び第1側面のうち一つ以上に延長形成されることができる。
【0015】
上記第2外部電極は、上記セラミック本体の第1主面、第2主面及び第2側面のうち一つ以上に延長形成されることができる。
【0016】
上記絶縁層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックからなる群から選択される一つ以上を含むことができる。
【0017】
上記絶縁層は、互いに重なる第1及び第2内部電極の露出部を全て覆うように形成されることができる。
【0018】
上記絶縁層は、上記セラミック本体の第1側面から測定される第1及び第2外部電極の高さより低く形成されることができる。
【0019】
本発明の他の実施形態によると、誘電体層を含み、互いに対向する第1及び第2主面、互いに対向する第1及び第2側面、及び互いに対向する第1及び第2端面を有するセラミック本体と、上記セラミック本体の内部に容量形成のための容量部を形成する重なり領域を有し、上記重なり領域が上記第1及び第2側面に露出され且つ上記第1及び第2端面とは一定間隔離隔されるように形成され、上記容量部から第2側面に露出されるように延長形成された第1リード部を有する第1内部電極と、上記誘電体層を挟んで上記第1内部電極と交互に積層され、上記第1及び第2側面に露出され且つ上記第1及び第2端面とは一定間隔離隔されるように形成されており、上記第1内部電極と絶縁され上記容量部から第1側面に露出されるように延長形成された第2リード部を有する第2内部電極と、上記第1リード部と連結されて形成され、上記第1主面及び第2側面に形成される第1外部電極と、上記第2リード部と連結されて形成され、上記第1主面及び第1側面に形成される第2外部電極と、上記セラミック本体の第1及び第2側面に形成される絶縁層と、を含み、上記第1及び第2リード部は、上記第1及び第2内部電極が互いに重ならない領域である、積層セラミック電子部品が提供される。
【0020】
上記セラミック本体の長さ方向の長さをL、上記セラミック本体の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さをLmと定義すると、0.03≦Lm/L≦0.2を満たすことができる。
【0021】
上記セラミック本体の長さ方向の長さをL、上記重ならない領域の上記セラミック本体の長さ方向の長さをLcと定義すると、0.05≦Lc/L≦0.4を満たすことができる。
【0022】
上記セラミック本体の幅方向の長さをW、上記重ならない領域の上記セラミック本体の幅方向の長さをWcと定義すると、0.05≦Wc/W≦0.5を満たすことができる。
【0023】
上記絶縁層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックからなる群から選択される一つ以上を含むことができる。
【0024】
上記絶縁層は、互いに重なる第1及び第2内部電極の露出部を全て覆うように形成されることができる。
【0025】
上記絶縁層は、上記セラミック本体の第1側面から測定される第1及び第2外部電極の高さより低く形成されることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極がセラミック本体の第1及び第2側面にそれぞれ露出されるようにすることで、段差が形成される区間を両方向から一方向に減少させて、内部電極間のショート不良を改善することができる。
【0027】
本発明の一実施形態によると、容量部を形成する第1及び第2内部電極の重なり領域が増大して、積層セラミックキャパシタの容量が増加されることができる。
【0028】
また、外部から異なる極性の電圧が印加される第1及び第2内部電極の間の距離が近くなってカレントループ(current loop)が短くなり、これによって、等価直列インダクタンス(ESL;Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0029】
また、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタによると、プリント回路基板上の実装面積を最小化することができ、アコースティックノイズを著しく低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの概略的な構造を示した斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3図1の第1内部電極と第1外部電極の結合構造を示した断面図である。
図4図1の第2内部電極と第2外部電極の結合構造を示した断面図である。
図5図1の第1及び第2内部電極と第1及び第2外部電極の結合構造を示した断面図である。
図6図1の第1側面から見た積層セラミックキャパシタの内部構造を概略的に示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがあり、図面上において同一の符号で表される要素は同一の要素である。
【0032】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの概略的な構造を示した斜視図である。
【0033】
図2図1の分解斜視図である。
【0034】
図3図1の第1内部電極と第1外部電極の結合構造を示した断面図である。
【0035】
図4図1の第2内部電極と第2外部電極の結合構造を示した断面図である。
【0036】
図5図1の第1及び第2内部電極と第1及び第2外部電極の結合構造を示した断面図である。
【0037】
図6図1の第1側面から見た積層セラミックキャパシタの内部構造を概略的に示した概略図である。
【0038】
図1から図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110と、上記セラミック本体の内部に形成される内部電極121、122と、上記セラミック本体の一面に形成される絶縁層140と、外部電極131、132と、を含むことができる。
【0039】
本実施形態において、セラミック本体110は、互いに対向する第1主面5及び第2主面6と、上記第1主面及び第2主面を連結する第1側面1、第2側面2、第1端面3及び第2端面4と、を有することができる。上記セラミック本体110の形状は、特に制限されないが、図示されたように六面体形状であることができる。本発明の一実施形態によると、セラミック本体の第1主面5は、回路基板の実装領域に配置される実装面になることができる。
【0040】
本発明の一実施形態によると、x‐方向はセラミック本体の長さ方向であって、第1及び第2外部電極が所定の間隔を置いて形成される方向であり、y‐方向はセラミック本体の厚さ方向であって、内部電極が誘電体層を挟んで積層される方向であり、z‐方向はセラミック本体の幅方向である。
【0041】
本発明の一実施形態によると、上記y‐方向が、内部電極が回路基板に実装される方向である。
【0042】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111が積層されて形成されることができる。上記セラミック本体110を構成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であって、隣接する誘電体層同士の境界が確認できないほど一体化されていることができる。
【0043】
上記誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックグリーンシートの焼成により形成されることができる。上記セラミック粉末は、高い誘電率を有する物質であって、これに制限されるものではないが、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料などを用いることができる。
【0044】
本発明の一実施形態によると、セラミック本体110の内部には内部電極が形成されることができる。
【0045】
図3から図5を参照すると、第1極性の第1内部電極121と第2極性の第2内部電極122が一対を成し、一つの誘電体層111を挟んで互いに対向するようにy‐方向に配置されることができる。
【0046】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122は、積層セラミックキャパシタの実装面、即ち、第1主面5に水平に配置されることができる。
【0047】
本発明において、「第1及び第2」は、互いに異なる極性を意味することができる。
【0048】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122は、導電性金属を含む導電性ペーストにより形成されることができる。
【0049】
上記導電性金属は、これに制限されるものではないが、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、またはこれらの合金であることができる。
【0050】
誘電体層を形成するセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などの印刷法により、導電性ペーストで内部電極層を印刷することができる。
【0051】
内部電極層が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層して焼成することにより、セラミック本体を形成することができる。
【0052】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上記セラミック本体110の内部に容量形成のための容量部120を形成する重なり領域を有し、上記重なり領域が上記第1及び第2側面1、2に露出されるように形成され、上記容量部120から第2側面2に露出されるように延長形成された第1リード部121aを有する第1内部電極121と、上記誘電体層111を挟んで上記第1内部電極121と交互に積層され且つ上記第1及び第2側面1、2に露出されるように形成されており、上記第1内部電極121と絶縁され上記容量部120から第1側面1に露出されるように延長形成された第2リード部122aを有する第2内部電極122と、を含むことができる。
【0053】
第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性の外部電極に連結されるためにそれぞれ第1及び第2リード部121a、122aを有しており、上記第1リード部121aは上記セラミック本体110の第2側面2に露出され、上記第2リード部122aは上記セラミック本体110の第1側面1に露出されることができる。
【0054】
本発明の一実施形態によると、上記内部電極のリード部は、内部電極を形成する導体パターンにおいて、幅Wが増加してセラミック本体の一面に露出された領域を意味することができる。
【0055】
上記第1及び第2内部電極121、122は、重なり領域によって静電容量を形成し、互いに異なる極性の外部電極と連結される第1及び第2リード部121a、122aは重なり領域を有しない。
【0056】
上記のように第1及び第2リード部121a、122aは重ならず絶縁されているため、セラミック本体の切断時における切断ストレスによって発生する、互いに対向する内部電極の位置ずれ現象による内部電極間のショート不良を改善することができる。
【0057】
本発明の一実施形態によると、上記第1リード部121aは上記セラミック本体110の第2側面2に露出され、上記第2リード部122aは上記セラミック本体110の第1側面1に露出されることができる。
【0058】
上記第1リード部121aと第2リード部122aは、互いに重ならず、上記セラミック本体の第1及び第2側面にそれぞれ露出されるため、段差形成区間が両方向から一方向に減少され、内部電極間のショート不良を改善することができる。
【0059】
即ち、セラミック本体の切断時における切断ストレスによって発生する、互いに対向する内部電極の位置ずれ現象を減少させることにより、内部電極間のショート不良を改善することができる。
【0060】
また、上記第1リード部121aと第2リード部122aを、互いに重ならず、上記セラミック本体の第1及び第2側面にそれぞれ露出させるため、上記第1及び第2内部電極121、122の容量部120である重なり領域を増大させることができる。これによって積層セラミックキャパシタの容量が増加する効果が得られる。
【0061】
図5を参照すると、上記セラミック本体110の長さ方向の長さをL、上記セラミック本体110の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さをLmと定義すると、0.03≦Lm/L≦0.2を満たすことができる。
【0062】
上記のように、上記セラミック本体110の長さ方向の長さL及び上記セラミック本体110の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さLmが0.03≦Lm/L≦0.2を満たすように調節することで、容量増加及び信頼性向上の効果が得られる。
【0063】
上記Lm/Lが0.03未満である場合には、段差ストレスが狭い面積に集中して層間接合力が弱くなり、これによるクラック不良によって、信頼性が低下するという問題が発生する恐れがある。
【0064】
上記Lm/Lが0.2を超過する場合には、目標とする静電容量の95%未満に減少して問題が生じる恐れがある。
【0065】
また、上記セラミック本体110の長さ方向の長さをL、上記重ならない領域の上記セラミック本体110の長さ方向の長さをLcと定義すると、0.05≦Lc/L≦0.4を満たすことができる。
【0066】
上記のように、上記セラミック本体110の長さ方向の長さL及び上記重ならない領域の上記セラミック本体110の長さ方向の長さLcが0.05≦Lc/L≦0.4を満たすように調節することで、外部電極との接触強度の向上及び耐湿不良によって発生するショートを防止することができる。
【0067】
上記Lc/Lが0.05未満である場合には、外部電極との接触面積が減少して外部電極の接触強度が低下するという問題が発生する恐れがある。
【0068】
上記Lc/Lが0.4を超過する場合には、耐湿不良によってショートが発生するという問題が生じる恐れがある。
【0069】
また、上記セラミック本体110の幅方向の長さをW、上記重ならない領域の上記セラミック本体110の幅方向の長さをWcと定義すると、0.05≦Wc/W≦0.5を満たすことができる。
【0070】
上記のように、上記セラミック本体110の幅方向の長さW及び上記重ならない領域の上記セラミック本体110の幅方向の長さWcが0.05≦Wc/W≦0.5を満たすように調節することで、容量増加及び信頼性向上の効果が得られる。
【0071】
上記Wc/Wが0.05未満である場合には、段差によるクラック不良によって信頼性が低下するという問題が発生する恐れがある。
【0072】
上記Wc/Wが0.5を超過する場合には、目標とする静電容量の95%未満に減少するという問題が発生する恐れがある。
【0073】
図3から図5を参照すると、セラミック本体110の第2側面2に引き出された第1内部電極121の第1リード部121aと連結されるように第1外部電極131が形成され、セラミック本体110の第1側面1に引き出された第2内部電極122の第2リード部122aと連結されるように第2外部電極132が形成されることができる。
【0074】
上記第1外部電極131は、第1リード部121aと連結されるように上記セラミック本体の第2側面2に形成され、上記セラミック本体の第1主面5に延長形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0075】
また、上記第2外部電極132は、第2リード部122aと連結されるように上記セラミック本体の第1側面1に形成され、上記セラミック本体の第1主面5に延長形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0076】
即ち、上記第1外部電極131は、上記セラミック本体110の第1主面5、第2主面6及び第1側面1のうち一つ以上に延長形成されることができる。
【0077】
また、上記第2外部電極132は、上記セラミック本体110の第1主面5、第2主面6及び第2側面2のうち一つ以上に延長形成されることができる。
【0078】
従って、本発明の一実施形態によると、上記第1外部電極131は、上記セラミック本体110の第2側面2に引き出された第1内部電極121の第1リード部121aと連結されるとともに、上記セラミック本体110の長さ方向の一側端部を囲んで形成されることができる。
【0079】
また、上記第2外部電極132は、上記セラミック本体110の第1側面1に引き出された第2内部電極122の第2リード部122aと連結されるとともに、上記セラミック本体110の長さ方向の他側端部を囲んで形成されることができる。
【0080】
上記第1及び第2外部電極131、132は、導電性金属を含む導電性ペーストにより形成されることができる。
【0081】
上記導電性金属は、これに制限されるものではないが、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、またはこれらの合金であることができる。
【0082】
上記導電性ペーストは絶縁性物質をさらに含むことができ、これに制限されるものではないが、例えば、上記絶縁性物質はガラスであることができる。
【0083】
上記第1及び第2外部電極131、132の形成方法は、特に制限されず、上記セラミック本体をディッピング(dipping)して形成してもよく、メッキなどの他の方法を用いて形成してもよい。
【0084】
一方、本発明の一実施形態によると、図5に図示されたように、セラミック本体110の第1及び第2側面1、2には絶縁層140が形成されることができる。
【0085】
上記絶縁層140は、第1及び第2内部電極121、122の重なり領域を全て覆うように形成されることができる。
【0086】
本発明の一実施形態によると、絶縁層140の高さは、第1外部電極131または第2外部電極132の高さより低く形成されることができる。上記絶縁層及び外部電極の高さは、実装面、即ち、第1主面を基準として測定されることができる。
【0087】
本実施形態によると、上記絶縁層の高さが第1及び第2外部電極の高さより低いため、積層セラミックキャパシタ100が回路基板上により安定して実装されることができる。
【0088】
また、第1及び第2外部電極131、132は、セラミック本体の第1及び第2側面の一部に形成されることができる。
【0089】
上記絶縁層140は、特に制限されるものではないが、例えば、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックからなる群から選択される一つ以上を含むことができる。
【0090】
本発明の一実施形態によると、上記絶縁層140はセラミックスラリーで形成されることができる。
【0091】
上記セラミックスラリーの量及び形状を調節することにより、絶縁層140の形成位置及び高さを調節することができる。
【0092】
上記絶縁層140は、焼成工程によってセラミック本体を形成した後、上記セラミック本体にセラミックスラリーを塗布し、焼成することにより形成することができる。
【0093】
他の方法としては、セラミック本体を形成するセラミックグリーンシート上に絶縁層を構成するセラミックスラリーを塗布した後、セラミックグリーンシートとともに焼成することにより形成することができる。
【0094】
上記セラミックスラリーの形成方法は、特に制限されず、例えば、スプレー方式で噴射したり、ローラーを用いて塗布することができる。
【0095】
上記絶縁層140は、セラミック本体の一面に露出された第1及び第2リード部121a、122aを覆って内部電極間のショートを防止するとともに、耐湿特性の低下などの内部欠陥を防止することができる。
【0096】
本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品は、誘電体層111を含み、互いに対向する第1及び第2主面5、6、互いに対向する第1及び第2側面1、2、及び互いに対向する第1及び第2端面3、4を有するセラミック本体110と、上記セラミック本体110の内部に容量形成のための容量部120を形成する重なり領域を有し、上記重なり領域が上記第1及び第2側面1、2に露出され且つ上記第1及び第2端面3、4とは一定間隔離隔されるように形成され、上記容量部120から第2側面2に露出されるように延長形成された第1リード部121aを有する第1内部電極121と、上記誘電体層111を挟んで上記第1内部電極121と交互に積層され、上記第1及び第2側面1、2に露出され且つ上記第1及び第2端面3、4とは一定間隔離隔されるように形成されており、上記第1内部電極121と絶縁され上記容量部120から第1側面1に露出されるように延長形成された第2リード部122aを有する第2内部電極122と、上記第1リード部121aと連結されて形成され、上記第1主面5及び第2側面2に形成される第1外部電極131と、上記第2リード部122aと連結されて形成され、上記第1主面5及び第1側面1に形成される第2外部電極132と、上記セラミック本体110の第1及び第2側面1、2に形成される絶縁層140と、を含み、上記第1及び第2リード部121a、122aは、上記第1及び第2内部電極121、122が互いに重ならない領域であることができる。
【0097】
上記セラミック本体の長さ方向の長さをL、上記セラミック本体の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さをLmと定義すると、0.03≦Lm/L≦0.2を満たすことができる。
【0098】
上記セラミック本体の長さ方向の長さをL、上記重ならない領域の上記セラミック本体の長さ方向の長さをLcと定義すると、0.05≦Lc/L≦0.4を満たすことができる。
【0099】
上記セラミック本体の幅方向の長さをW、上記重ならない領域の上記セラミック本体の幅方向の長さをWcと定義すると、0.05≦Wc/W≦0.5を満たすことができる。
【0100】
上記絶縁層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックからなる群から選択される一つ以上を含むことができる。
【0101】
上記絶縁層は、互いに重なる第1及び第2内部電極の露出部を全て覆うように形成されることができる。
【0102】
上記絶縁層は、上記セラミック本体の第1及び第2側面から測定される第1及び第2外部電極の高さより低く形成されることができる。
【0103】
以下では、上述の本発明の一実施形態と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0104】
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上記セラミック本体110の内部に容量形成のための容量部120を形成する重なり領域を有し、上記重なり領域が上記第1及び第2側面1、2に露出され且つ上記第1及び第2端面3、4とは一定間隔離隔されるように形成され、上記容量部120から第2側面2に露出されるように延長形成された第1リード部121aを有する第1内部電極121と、上記誘電体層111を挟んで上記第1内部電極121と交互に積層され、上記第1及び第2側面1、2に露出され且つ上記第1及び第2端面3、4とは一定間隔離隔されるように形成されており、上記第1内部電極121と絶縁され上記容量部120から第1側面1に露出されるように延長形成された第2リード部122aを有する第2内部電極122と、を含むことができる。
【0105】
また、上記積層セラミックキャパシタ100は、上記第1リード部121aと連結されて形成され、上記第1主面5及び第2側面2に形成される第1外部電極131と、上記第2リード部122aと連結されて形成され、上記第1主面5及び第1側面1に形成される第2外部電極132と、を含むことができる。
【0106】
本発明の他の実施形態によると、内部電極のリード部は、内部電極を形成する導体パターンにおいて、幅Wが増加してセラミック本体の一面に露出された領域を意味することができる。
【0107】
通常、第1及び第2内部電極は重なり領域によって静電容量を形成し、互いに異なる極性の外部電極と連結されるリード部は重なり領域を有しない。
【0108】
本発明の一実施形態によると、容量部120を形成する重なり領域が第1及び第2側面1、2に露出されるように形成されることができ、上記第1内部電極121が上記容量部120から第2側面2に露出されるように延長形成された第1リード部121aを有し、上記第2内部電極122が上記容量部120から第1側面1に露出されるように延長形成された第2リード部122aを有することができる。
【0109】
上記第1リード部121aと第2リード部122aが互いに重ならないため、上記第1内部電極121と上記第2内部電極122は絶縁されることができる。
【0110】
上記のように本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体110の内部に容量部120を形成する重なり領域が第1及び第2側面1、2に露出されるように形成されることにより、積層セラミックキャパシタ100の容量が増加することができる。
【0111】
また、外部から他の極性の電圧が印加される第1及び第2内部電極の間の距離が近くなってカレントループ(current loop)が短くなり、これによって、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)が低くなることができる。
【0112】
下記表1は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、上記セラミック本体110の長さ方向の長さL、上記セラミック本体110の長さ方向において内部電極が塗布されていない領域であるマージン部の長さLm、上記重ならない領域の上記セラミック本体110の長さ方向の長さLc、上記セラミック本体110の幅方向の長さW、及び上記重ならない領域の上記セラミック本体110の幅方向の長さWcによるクラック発生、ショート発生の有無及び目標に対する静電容量の確保有無を比較した表である。
【0113】
ここで、クラック発生の有無は、サンプル200個に対してクラックが発生した個数が6個未満である場合を○、6個以上である場合を×で表示した。
【0114】
また、ショート発生の有無は、サンプル200個に対してショートが発生した比率が20%以下である場合を○、20%を超過する場合を×で表示した。
【0115】
また、目標に対する静電容量の確保有無は、目標静電容量の95%以上である場合を○で表示した。
【0116】
【表1】
*:比較例
【0117】
上記表1を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、本発明の数値範囲から外れているサンプル1、3、8〜10、14及び16の場合、クラック及びショートによる不良が発生したり、静電容量が目標より減少するという問題が生じることが分かる。
【0118】
一方、本発明の数値範囲を満たすサンプル2、4〜7、11〜13及び15の場合、クラック及びショートの発生が減少して、優れた信頼性を示すとともに静電容量も増加することが分かる。
【0119】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の特許請求の範囲により限定される。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が出来るということは当技術分野の通常の知識を有する者には明白であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0120】
100 積層セラミックキャパシタ
110 セラミック本体
111 誘電体層
120 容量部
121、122 第1及び第2内部電極
121a、122a 第1及び第2リード部
131、132 第1及び第2外部電極
140 絶縁層
図1
図2
図3
図4
図5
図6