【実施例】
【0021】
以下、実施例の連絡先情報提供システムについて、図面を用いて説明する。
【0022】
(実施例1)
実施例1の連絡先情報提供システムについて、
図1〜
図3を用いて説明する。
図1〜
図3に示すように、本例の連絡先情報提供システム1は、SIPサーバ2と、SIPサーバ2に接続された音声ガイダンス作成装置3とを有している。
【0023】
SIPサーバ2には、公衆電話網4を介して複数の電話端末5が接続されている。また、SIPサーバ2には、IP電話用アダプタ521を介して電話端末5が接続されている。本例では、51は、固定電話(アナログ電話)、52は、固定電話(IP電話)、53および54は、携帯電話である。なお、本例では、固定電話51を、発信者側の電話端末5とし、固定電話52を、連絡先情報提供システム1を利用するサービスに加入する着信者が有する着信者側の電話端末5として以下説明する。
【0024】
SIPサーバ2は、発信者側の電話端末51からの呼出しが着信者側の電話端末52に着信不能である着信不能状態にある場合に、着信不能である旨が音声化された通常音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流すことが可能に構成されている。なお、SIPサーバ2は、着信者側の電話端末52が接続されているIP電話用アダプタ521に確認信号を送り、一定時間以上、IP電話用アダプタ521から確認信号に対する返信が無い場合に着信不能状態にあると判断するように構成されている。本例では、通常音声ガイダンスは、例えば、「通信機器の電源が入っていないか、もしくは、故障しています。」などとすることができる。
【0025】
音声ガイダンス作成装置3は、上記着信不能状態にあり、かつ上記着信者側の電話端末52の電話番号に対応づけられた着信者の別の連絡先である予備電話番号の登録がある場合に、着信不能である旨と予備電話番号を含む連絡先情報とが音声化された新規音声ガイダンスを作成し、この新規音声ガイダンスをSIPサーバ2に出力するよう構成されている。
【0026】
本例では、音声ガイダンス作成装置3は、例えば、「この電話は故障などの不具合により現在通話できません。至急のご用件の方は、000−1111−2222まで、ご連絡をお願い致します。」という新規音声ガイダンスを作成するように構成されている。つまり、本例における新規音声ガイダンスは、「この電話は故障などの不具合により現在通話できません。」という着信不能である旨が音声化された着信不能音声ガイダンス部と、「至急のご用件の方は、000−1111−2222(左記の番号は、予備電話番号の一例を意味する)まで、ご連絡をお願い致します。」という予備電話番号を含む連絡先情報が音声化された連絡先音声ガイダンス部とから構成されている。
【0027】
ここで、連絡先情報提供システム1では、SIPサーバ2は、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がない場合には、通常音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流し、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がある場合には、通常音声ガイダンスに代えて新規音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流すよう構成されている。
【0028】
本例において、音声ガイダンス作成装置3は、具体的には、予備電話番号を含むデータベースDBを有しており、このデータベースDBから取得した予備電話番号を用いて新規音声ガイダンスを作成するよう構成されている。
【0029】
より具体的には、本例では、音声ガイダンス作成装置3は、
図3に示すように、CPU(中央演算処理装置)31と、メモリ32と、ハードディスク33と、SIPサーバ入出力インターフェース部34と、外部入出力インターフェース部IFとを有している。ハードディスク33には、音声ガイダンスの作成を行う音声ガイダンス作成プログラムGPと、着信者側の電話端末52の電話番号に1:1で対応づけられた予備電話番号を含むデータベースDBと、データベースDBからの予備電話番号の抽出や予備電話番号の管理等を行うデータベース制御プログラムDBPとが保存されている。各プログラムGP、DBPは、メモリ32上に展開されて実行される。音声ガイダンス作成装置3は、SIPサーバ入出力インターフェース部34を介してSIPサーバ2からの命令の入力や、作成した音声ガイダンスデータの出力等を行うことができる。外部入出力インターフェース部IFには、LAN回線61を介して電気通信事業者の内部端末63が接続されている。また、LAN回線61は、インターネット62に接続されている。インターネット62には、着信者が有する外部端末64や携帯端末65が接続されている。
【0030】
次に、本例の連絡先情報提供システムの動作の一例について説明する。
【0031】
図3に示すように、発信者側の電話端末51からの呼出しに応じ、SIPサーバ2が、着信者側の電話端末52との回線接続を開始する(S1)。発信者側の電話端末51からの呼出しが着信者側の電話端末52に着信不能であった場合に(S2)、SIPサーバ2は、音声ガイダンス作成装置3に対して、着信者側の電話端末52の電話番号に対応づけされた予備電話番号の登録があるか否かを照会するための問い合わせ命令をする。当該問い合わせ命令は、SIPサーバ入出力インターフェース部34を介して音声ガイダンス作成装置3のCPU31に届く。CPU31は、予めメモリ32上に展開させておいたデータベース制御プログラムDBPを介して予備電話番号の登録の有無の確認を行い(S3)、予備電話番号の登録がないことが確認された場合(S3:No)には、通常音声ガイダンスを流す指示をSIPサーバ2に返す。この場合、SIPサーバ2は、通常音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流し(S4)、その後電話回線を切断する(S5)。一方、予備電話番号の登録があることが確認された場合(S3:Yes)には、CPU31は、データベース制御プログラムDBPを介して、データベースDBから当該予備電話番号のデータをメモリ32上に読み出すとともに予めメモリ32上に展開させておいた音声ガイダンス作成プログラムGPに当該予備電話番号のデータを渡す。CPU31は、音声ガイダンス作成プログラムGPを実行し、着信不能である旨と予備電話番号を含む連絡先情報とが音声化された新規音声ガイダンスを作成し、作成された新規音声ガイダンスのデータをSIPサーバ入出力インターフェース部34を介してSIPサーバ2に出力する(S6A)。この場合、SIPサーバ2は、通常音声ガイダンスに代えて新規音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流し(S7A)、その後電話回線を切断する(S8)。
【0032】
なお、本例では、SIPサーバ2を有する電気通信事業者は、着信者の求めに応じ、内部端末63を操作してデータベースDBに登録されている予備電話番号の変更手続きを実施することができる。具体的には、内部端末63から外部入出力インターフェース部IFを経由し、データベースDBに登録されている予備電話番号の変更手続き命令をCPU31に届ける。CPU31は、メモリ32上で動作しているデータベース制御プログラムDBPに指示し、データベースDBに登録されている予備電話番号を新たな予備電話番号に変更する手続きを行う。また、本例では、着信者は、着信者が有する外部端末64や携帯端末65を操作し、インターネット62を介してデータベースDBに登録されている予備電話番号の変更手続きを実施することもできる。外部端末64や携帯端末65から外部入出力インターフェース部IFを経由し、データベースDBに登録されている予備電話番号の変更手続き命令をCPU31に届ける点以外は、上記と同様である。
【0033】
次に、本例の連絡先情報提供システムの作用効果について説明する。
【0034】
本例の連絡先情報提供システム1は、上記構成を有している。そのため、本例の連絡先情報提供システム1によれば、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がない場合には、発信者側の電話端末51に、着信不能である旨が音声化された通常音声ガイダンスが流れる。それ故、発信者は、通常音声ガイダンスを従来通り聞くことができる。また、本例の連絡先情報提供システム1によれば、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がある場合には、発信者側の電話端末51に、上記通常音声ガイダンスに代えて、着信不能である旨と予備電話番号を含む連絡先情報とが音声化された新規音声ガイダンスが流れる。それ故、発信者は、着信者の予備電話番号を音声で聞くことができ、着信不能の電話回線とは異なる、予備電話番号が割り当てられた別の電話回線を使って着信者と連絡を取ることが可能となる。
【0035】
また、本例の連絡先情報提供システム1によれば、発信者が着信者に至急連絡を取りたい場合に上記着信不能状態であっても、発信者は、新たに開示された着信者側の予備電話番号の連絡先に迅速に連絡することが可能となる。そのため、着信不能時における電話利用者の機会損失や信用損失の低減を図ることが可能となり、電話利用者の利便性が向上し、電気通信事業者の電話利用者からの信頼性向上に寄与することができる。
【0036】
また、本例の連絡先情報提供システム1において、着信者側の電話端末52は固定電話機である。固定電話機は、携帯電話機に比べ、緊急時に利用されることが多い。そのため、本例の連絡先情報提供システム1によれば、緊急時における着信不能時に、開示された予備電話番号を使用し、発信者は、連絡を取るべき着信者と確実に連絡を取ることができる。
【0037】
また、本例の連絡先情報提供システム1は、音声ガイダンス作成装置3が、予備電話番号を含むデータベースDBを有しており、このデータベースDBから取得した予備電話番号を用いて新規音声ガイダンスを作成するよう構成されている。そのため、本例の連絡先情報提供システム1によれば、別途データベース装置を用意することなく、音声ガイダンス作成装置3をSIPサーバ2に付加するだけで済むので、システムを簡略化しやすくなる。
【0038】
(実施例2)
実施例2の連絡先情報提供システムについて、
図4〜
図6を用いて説明する。
図4〜
図6に示すように、本例の連絡先情報提供システム1は、次の点で、実施例1の連絡先情報提供システム1と相違しており、その他の構成は、実施例1と同様である。
【0039】
すなわち、本例の連絡先情報提供システム1は、音声ガイダンス作成装置3が、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がある場合に、予備電話番号を含む連絡先情報が音声化された連絡先音声ガイダンスを作成し、この連絡先音声ガイダンスをSIPサーバ2に出力するよう構成されている。
【0040】
本例では、音声ガイダンス作成装置3は、例えば、「至急のご用件の方は、000−1111−2222まで、ご連絡をお願い致します。」という連絡先音声ガイダンスを作成するように構成されている。つまり、本例における連絡先音声ガイダンスは、着信不能である旨が音声化された着信不能音声ガイダンスを含んでいない。
【0041】
また、本例の連絡先情報提供システム1では、SIPサーバ2は、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がない場合には、通常音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流し、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がある場合には、通常音声ガイダンスに連絡先音声ガイダンスを追加して発信者側の電話端末51に流すよう構成されている。
【0042】
本例において、音声ガイダンス作成装置3は、具体的には、予備電話番号を含むデータベースDBを有するデータベース装置7に接続されており、このデータベース装置7から取得した予備電話番号を用いて連絡先音声ガイダンスを作成するよう構成されている
【0043】
より具体的には、本例では、音声ガイダンス作成装置3は、CPU31と、メモリ32と、ハードディスク33と、SIPサーバ入出力インターフェース部34と、データベース装置入出力インターフェース部35とを有している。ハードディスク33には、音声ガイダンスの作成を行う音声ガイダンス作成プログラムGPが保存されている。上記プログラムGPは、メモリ32上に展開されて実行される。音声ガイダンス作成装置3は、SIPサーバ入出力インターフェース部34を介して、作成した音声ガイダンスデータ等のSIPサーバ2への出力等を行うことができる。一方、データベース装置7は、CPU71と、メモリ72と、ハードディスク73と、SIPサーバ/音声ガイダンス作成装置入出力インターフェース部74と、外部入出力インターフェース部IFとを有している。ハードディスク73には、着信者側の電話端末52の電話番号に1:1で対応づけられた予備電話番号を含むデータベースDBと、データベースDBからの予備電話番号の抽出や予備電話番号の管理等を行うデータベース制御プログラムDBPとが保存されている。上記プログラムDBPは、メモリ72上に展開されて実行される。データベース装置7は、SIPサーバ/音声ガイダンス作成装置入出力インターフェース部74を介して、SIPサーバ2からの命令の入力、音声ガイダンスの作成命令や音声ガイダンスの作成に用いる予備電番号データ等の音声ガイダンス作成装置3への出力等を行うことができる。外部入出力インターフェース部IFには、LAN回線61を介して電気通信事業者の内部端末63が接続されている。また、LAN回線61は、インターネット62に接続されている。インターネット62には、着信者が有する外部端末64や携帯端末65が接続されている。
【0044】
次に、本例の連絡先情報提供システムの動作の一例について説明する。
【0045】
図6に示すように、発信者側の電話端末51からの呼出しに応じ、SIPサーバ2が、着信者側の電話端末52との回線接続を開始する(S1)。発信者側の電話端末51からの呼出しが着信者側の電話端末52に着信不能であった場合に(S2)、SIPサーバ2は、データベース装置7に対して、着信者側の電話端末52の電話番号に対応づけされた予備電話番号の登録があるか否かを照会するための問い合わせ命令をする。当該問い合わせ命令は、SIPサーバ/音声ガイダンス作成装置入出力インターフェース部74を介してデータベース装置7のCPU71に届く。CPU71は、予めメモリ72上に展開させておいたデータベース制御プログラムDBPを介して予備電話番号の登録の有無の確認を行い(S3)、予備電話番号の登録がないことが確認された場合(S3:No)には、通常音声ガイダンスを流す指示をSIPサーバ2に返す。この場合、SIPサーバ2は、通常音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流し(S4)、その後電話回線を切断する(S5)。一方、予備電話番号の登録があることが確認された場合(S3:Yes)には、CPU71は、データベース制御プログラムDBPを介して、データベースDBから当該予備電話番号のデータをメモリ72上に読み出す。そして、CPU71は、SIPサーバ/音声ガイダンス作成装置入出力インターフェース部74を介して、連絡先音声ガイダンスの作成命令と予備電話番号のデータとを音声ガイダンス作成装置3に出力する。これを受けて音声ガイダンス作成装置3のCPU31は、予めメモリ32上に展開させておいた音声ガイダンス作成プログラムGPに連絡先音声ガイダンスの作成命令と予備電話番号のデータを渡す。CPU31は、音声ガイダンス作成プログラムGPを実行し、予備電話番号を含む連絡先情報が音声化された連絡先音声ガイダンスを作成し、作成された連絡先音声ガイダンスのデータをSIPサーバ入出力インターフェース34を介してSIPサーバ2に出力する(S6B)。この場合、SIPサーバ2は、通常音声ガイダンスに連絡先音声ガイダンスを追加した状態で、発信者側の電話端末51に流し(S7B)、その後電話回線を切断する(S8)。
【0046】
本例の連絡先情報提供システム1によれば、上記着信不能状態にあり、かつ上記予備電話番号の登録がある場合には、発信者側の電話端末51に、連絡先音声ガイダンスが追加された通常音声ガイダンスが流れる。それ故、発信者は、着信者の予備電話番号を音声で聞くことができ、着信不能の電話回線とは異なる、予備電話番号が割り当てられた別の電話回線を使って着信者と連絡を取ることが可能となる。
【0047】
また、本例の連絡先情報提供システム1は、音声ガイダンス作成装置3が、予備電話番号を含むデータベースDBを有するデータベース装置7に接続されており、このデータベース装置7から取得した予備電話番号を用いて新規音声ガイダンスまたは連絡先音声ガイダンスを作成するよう構成されている。そのため、本例の連絡先情報提供システム1によれば、音声ガイダンス作成装置3とデータベース装置7とが別々とされているので、音声ガイダンス作成装置3の構成を簡略化することができる。また、データベース装置7に各種のデータベース制御機能を付与し、これを十分に活用しやすくなる。その他の作用効果は、実施例1と同様である。
【0048】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
【0049】
例えば、実施例1の連絡先情報提供システム1において、実施例2の連絡先情報提供システム1で説明したように、音声ガイダンス作成装置3にデータベース装置7を接続する構成を採用することができる。また、音声ガイダンス作成装置3が、連絡先音声ガイダンスを作成し、これをSIPサーバ2に出力するよう構成するとともに、SIPサーバ2が通常音声ガイダンスに連絡先音声ガイダンスを追加して発信者側の電話端末51に流すよう構成することができる。
【0050】
また例えば、実施例2の連絡先情報提供システム1において、実施例1の連絡先情報提供システム1で説明したように、音声ガイダンス作成装置3がデータベースDBを有する構成を採用することができる。また、音声ガイダンス作成装置3が、新規音声ガイダンスを作成し、これをSIPサーバ2に出力するよう構成するとともに、SIPサーバ2が通常音声ガイダンスに代えて新規音声ガイダンスを発信者側の電話端末51に流すよう構成することができる。