特開2015-41103(P2015-41103A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-41103電圧校正回路及び液晶ディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-41103(P2015-41103A)
(43)【公開日】2015年3月2日
(54)【発明の名称】電圧校正回路及び液晶ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20150203BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20150203BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20150203BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 612E
   G09G3/20 621B
   G09G3/20 611E
   G09G3/20 624D
   G09G3/20 624C
   G09G3/20 611J
   G02F1/133 550
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-110847(P2014-110847)
(22)【出願日】2014年5月29日
(31)【優先権主張番号】61/869,070
(32)【優先日】2013年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】103105928
(32)【優先日】2014年2月21日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506249381
【氏名又は名称】▲し▼創電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲春▼生
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲敏▼男
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZF21
2H193ZF31
2H193ZH21
2H193ZH53
5C006AC26
5C006AF13
5C006AF52
5C006AF64
5C006AF81
5C006AF82
5C006BB16
5C006BF01
5C006BF28
5C006BF42
5C006FA20
5C006FA23
5C006FA37
5C006FA51
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD06
5C080DD28
5C080FF03
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
(57)【要約】
【課題】余計な書き込み工程なしで液晶ディスプレイ装置の点滅を回避し、製造時間は削減でき、処理総量を増加させることができる電圧校正回路を提供する。
【解決手段】
初期位相においてカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成する、カップリング電圧検出回路(260)と、
前記補償電圧に応じて共通電圧を調整して、ディスプレイ位相において、調整された共通電圧をディスプレイモジュールへ出力する共通電圧回路(280)と、を有する、
電圧校正回路(250)。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期位相においてカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成するカップリング電圧検出回路と、
前記補償電圧に応じて共通電圧を調整して、ディスプレイ位相において、調整された共通電圧をディスプレイモジュールへ出力する共通電圧回路と、を有する、
電圧校正回路。
【請求項2】
前記共通電圧回路と前記カップリング電圧検出回路とに接続され、前記ディスプレイモジュールを前記共通電圧回路又は前記カップリング電圧検出回路のどちらかに接続させる、スイッチをさらに有する、
請求項1の電圧校正回路。
【請求項3】
前記スイッチは、前記初期位相において、前記ディスプレイモジュールを前記カップリング電圧検出回路に接続させる、
請求項2の電圧校正回路。
【請求項4】
前記スイッチは、前記ディスプレイ位相において、前記ディスプレイモジュールを前記共通電圧回路に接続させる、
請求項2の電圧校正回路。
【請求項5】
ソース駆動回路と前記カップリング電圧検出回路とに接続され、前記ディスプレイモジュールを前記ソース駆動回路又は前記カップリング電圧検出回路のどちらかに接続させる、スイッチをさらに有する、
請求項1の電圧校正回路。
【請求項6】
ソース駆動回路と前記カップリング電圧検出回路とに接続され、前記ディスプレイモジュールを前記ソース駆動回路又は前記カップリング電圧検出回路のどちらかに接続させる、第1のスイッチと、
前記共通電圧回路と前記カップリング電圧検出回路とに接続され、前記ディスプレイモジュールを前記共通電圧回路又は前記カップリング電圧検出回路のどちらかに接続させる、第2のスイッチと、をさらに有する、
請求項1の電圧校正回路。
【請求項7】
前記カップリング電圧検出回路と前記共通電圧回路とに接続され、前記共通電圧のための所定のシフト値を設定する電圧設定ユニットをさらに有する、
請求項1の電圧校正回路。
【請求項8】
複数の寄生容量を有するディスプレイモジュールと、
複数のゲート信号を生成するゲート駆動回路と、
前記ディスプレイモジュールに接続され、ディスプレイ電圧を前記ディスプレイモジュールへ出力するソース駆動回路と、
初期位相のカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成するカップリング電圧検出回路;及び
前記補償電圧に応じて共通電圧を調整して、ディスプレイ位相において、調整された共通電圧をディスプレイモジュールへ出力する共通電圧回路;を備える電圧校正回路と、を有する、
液晶ディスプレイ装置。
【請求項9】
初期位相においてカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成するカップリング電圧検出回路と、
前記補償電圧に応じてディスプレイ電圧を調整して、ディスプレイ位相において、調整されたディスプレイ電圧をディスプレイモジュールへ出力するソース駆動回路と、を有する、
電圧校正回路。
【請求項10】
前記カップリング電圧検出回路に接続され、前記ディスプレイモジュールを接地端子又は前記カップリング電圧検出回路のいずれかに接続するスイッチをさらに有する、
請求項9の電圧校正回路。
【請求項11】
前記スイッチは、前記初期位相において、前記ディスプレイモジュールを前記カップリング電圧検出回路に接続させる、
請求項10の電圧校正回路。
【請求項12】
前記スイッチは、前記ディスプレイ位相において、前記ディスプレイモジュールを前記接地端子に接続させる、
請求項10の電圧校正回路。
【請求項13】
前記ソース駆動回路及び前記カップリング電圧検出回路に接続され、前記ディスプレイモジュールを前記ソース駆動回路又は前記カップリング電圧検出回路のいずれかに接続する、スイッチをさらに有する、
請求項9の電圧校正回路。
【請求項14】
前記ソース駆動回路及び前記カップリング電圧検出回路に接続され、前記ディスプレイモジュールを前記ソース駆動回路又は前記カップリング電圧検出回路のいずれかに接続する、第1のスイッチと、
前記カップリング電圧検出回路に接続され、前記ディスプレイモジュールを接地端子又は前記カップリング電圧検出回路のいずれかに接続する、第2のスイッチと、をさらに有する、
請求項9記載の電圧校正回路。
【請求項15】
前記カップリング電圧検出回路と前記ソース駆動回路とに接続され、前記ディスプレイ電圧のための所定のシフト値を設定する電圧設定ユニットをさらに有する、
請求項9の電圧校正回路。
【請求項16】
複数の寄生容量を有するディスプレイモジュールと、
複数のゲート信号を生成するゲート駆動回路と、
初期位相においてカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成するカップリング電圧検出回路;及び、
前記補償電圧に応じてディスプレイ電圧を調整して、ディスプレイ位相において、調整されたディスプレイ電圧を前記ディスプレイモジュールへ出力するソース駆動回路;を備える電圧校正回路と、を有する
液晶ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧校正回路、関連する液晶ディスプレイ装置、及び能動的にカップリング電圧検出可能な液晶ディスプレイ装置に関する。
(関連出願)
本出願は、2013年8月23日に出願された米国出願第61/869,070号に対する優先権を主張し、この出願の開示は、本明細書において、その基礎出願全体を参照により援用する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)は、軽量で、低消費電力、放射汚染が少ないという利点がある。従って、LCDモニターは、例えば、ノート型パソコン、PDA等の様々な携帯情報製品に広く採用されてきている。LCDモニターは、液晶間の電圧差を変化させることで、液晶分子の配列に対応する光透過を制御するように知らせ、バックライトモジュールによって与えられた光で画像を作り出す。
【0003】
薄いフィルムトランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)LCDモニターは、今のところ最も一般的なディスプレイ装置となっている。ディスプレイモジュール及びその駆動チップの機能と構造が十分充実している。従来例のTFTLCDモニター10の概要図を示す図1Aを参照する。LCDモニター10は、ディスプレイモジュール120、ソースドライバ180及びゲートドライバ180を有する。
【0004】
ディスプレイモジュール120は、複数の平行なデータラインD〜D、複数の平行なゲートラインG〜G及び複数のディスプレイユニットP11〜Pmnを有する。
データラインD〜DはゲートラインG〜Gと交差し、各ディスプレイユニットP11〜Pmnは、対応するデータラインとゲートラインG〜Gとが交差する接合点に夫々配置されている。
ソースドライバ160とゲートドライバ180は対応する複数のゲート信号と複数の駆動信号とを夫々生成する。ディスプレイモジュール120の各ディスプレイユニットP11〜PmnはTFTスイッチ100と等価コンデンサ140を有する。夫々の等価コンデンサ140は対応するTFTスイッチ100を介して対応するデータラインD〜Dに接続された一方の端子と、共通電圧VCOM(CS共通)に接続される他方の端子とを持っている。ディスプレイユニットP11〜PmnのTFTスイッチ100がゲートドライバ180によって生成されたゲート信号によってオンされるとき、ディスプレイユニットP11〜Pmnの等価コンデンサ140は対応するデータ線に電気的に接続され、従ってソースドライバ160からの駆動電圧を受け取ることができる。よって、ディスプレイユニットP11〜Pmnは、等価コンデンサ140に格納された電荷に基づく液晶分子の回転の変化によって様々なグレースケール(濃淡諧調)の画像を表示することができる。
【0005】
各ディスプレイユニットP11〜Pmn内には寄生容量111が存在する。ゲートラインG〜Gがオン又はオフにかわる時、電圧の分散はディスプレイユニットP11〜Pmnに衝撃を与える。ゲートラインG〜Gがオンの時、ディスプレイユニットP11〜Pmnは正確な電圧にチャージする。ゲートラインG〜Gmnがオフのとき、負のカップリング電圧がディスプレイユニットP11〜Pmn上で作成される。ソース駆動回路180がチャージングを停止すると、ディスプレイユニットP11〜Pmnの正の電圧及び負の電圧が、固定の共通電圧VCOMの負の電圧と対称になる。それ故、同じ回転値を持つので、ディスプレイデータの正の及び負の液晶分子は同じ諧調(Gray Level)になる。
しかしながら、LCDパネルの製造工程の変動により、寄生容量が異なるので、ディスプレイユニットP11〜Pmnの負のカップリング電圧はもはや共通電圧VCOMと対称ではいられない。さらに、諧調の不均一により点滅(Flickering)を引き起こす。
【0006】
図1Aのディスプレイユニットの例の波形を示す図1Bを参照する。図1Bにおいて、ゲートライン(例えばG)が負のレベルVGL(例えば−12V)から正のレベルVGH(例えば15V)まで上昇すると、GNDは接地端子であることを意味する場合、ゲートラインがオンになることを示す
ソース駆動回路160は、等価コンデンサ150をディスプレイ電圧になるまでチャージする。ゲートラインがオフになる時、ゲートラインは正のレベル(例えば15V)から負のレベル(例えば−12V)まで降下する。この時、等価容量140は、寄生容量111により(大抵1V程度)電圧が降下する。容量結合の後、データラインD〜Dmnの電圧は共通電圧VCOMと対称になる。それぞれのLCDの寄生容量の違いが大きいと、ディスプレイユニットP11〜Pmnは、容量結合の後、共通電圧VCOMと対称ではなくなるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
点滅を解消するために、従来例では、点滅に応じて共通電圧VCOMを調整する不揮発性メモリ(Nonvolatile Memory:NVM)が開発されている。しかし、製造において、余分な書き込み工程が追加されてしまう。
【0008】
そこで、本発明では、書き込み工程なしで点滅を回避し、製造時間は削減でき、処理総量を増加させることができる電圧校正回路の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような電圧校正回路を提供する。
【0010】
本出願は電圧校正回路を提供する。電圧校正回路は、初期位相においてカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成する、カップリング電圧検出回路と、前記補償電圧に応じて共通電圧を調整して、ディスプレイ位相においてディスプレイモジュールに共通電圧を出力する、共通電圧回路と、を有する。
【0011】
本出願は液晶ディスプレイ装置を提供する。液晶ディスプレイ装置は、複数の寄生容量を有するディスプレイモジュールと、複数のゲート信号を生成するゲート駆動回路と、 前記ディスプレイモジュールに接続され、ディスプレイ電圧を前記ディスプレイモジュールへ出力するソース駆動回路と、初期位相のカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成するカップリング電圧検出回路;及び前記補償電圧に応じて共通電圧を調整して、ディスプレイ位相においてディスプレイモジュールに共通電圧を出力する共通電圧回路;を備える電圧校正回路と、を有する。
【0012】
本出願は、さらに電圧校正回路を提供する。電圧校正回路は、初期位相においてカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成する、カップリング電圧検出回路と、前記補償電圧に応じてディスプレイ電圧を調整して、ディスプレイ位相において調整されたディスプレイ電圧を前記ディスプレイモジュールへ出力するソース駆動回路と、を有する。
【0013】
本出願は、さらに液晶ディスプレイ装置を提供する。液晶ディスプレイ装置は、複数の寄生容量を有するディスプレイモジュールと、複数のゲート信号を生成するゲート駆動回路と、前記ディスプレイモジュールに接続され、ディスプレイ電圧を前記ディスプレイモジュールへ出力するソース駆動回路と、初期位相のカップリング電圧を検出し、該カップリング電圧に応じて補償電圧を生成するカップリング電圧検出回路;及び前記補償電圧に応じて共通電圧を調整して、ディスプレイ位相においてディスプレイモジュールに共通電圧を出力する共通電圧回路;を備える電圧校正回路と、を有する。
【0014】
本発明のこれらの及び他の目的は以下の詳細の説明に様々な図面に示されている好ましい実施形態を読むと、当業者にとって実施可能な程度に明らかとなる。
【発明の効果】
【0015】
一態様によれば、書き込み工程なしで液晶ディスプレイ装置の点滅を回避し、製造時間は削減でき、処理総量を増加させることができる電圧校正回路の提供を目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】従来のTFT LCD モニターの概略図を示す。
図1B図1Aのディスプレイユニットでの波形を示す。
図2A】本発明の1実施形態の液晶ディスプレイ装置(LCD)の例示的な概略図を示す。
図2B図2Aのディスプレイユニットでの波形を示す。
図2C図2Aのカップリング電圧検出回路の例示的な概略図を示す。
図3】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
図4】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
図5】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
図6A】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
図6B図6Aのディスプレイユニットでの波形を示す。
図7】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
図8】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
図9】さらに他の実施形態のLCDの例示的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
液晶ディスプレイ装置(LCD)20の例示的な概要図である図2Aを参照する。
LCD20は、ディスプレイモジュール200、ソース駆動回路220、ゲート駆動回路240、及び電圧校正回路250を備える。電圧校正回路250は、カップリング電圧検出回路260と、共通電圧回路280と、スイッチ290とを有する。LCD20の構成は図1で示したTFT LCD10と同様なので、同じ動作の説明は省略する。ゲート駆動回路240は、複数のゲートラインを順番にオンオフするための複数のゲート信号を生成するために用いられる。ソース駆動回路220は、ゲートラインがオンしたとき(例えば、ゲート信号が負の電圧から正の電圧へ変化したとき)に、複数のディスプレイ電圧を前記ディスプレイモジュール200へ入力するために用いられる。
ディスプレイモジュール200の寄生容量は、ゲート信号の立下がりエッジでカップリング電圧VFDを生成し、共通電圧端子TVCOMの共通電圧VCOMを降下させる。カップリング電圧検出回路260は、スイッチ290を介してディスプレイモジュール200に接続され、カップリング電圧VFDの検出及び、初期位相において該カップリング電圧VFDに応じて補償電圧VSHFTの生成に用いられる。
LCD20の初期位相とは、LCD20がオンした後であって画像が表示される前の期間である。共通電圧回路280は、スイッチ290を介してディスプレイモジュール200の共通電圧端子TVCOMに接続され、ディスプレイ位相に応じて、補償電圧VSHFTに応じて共通電圧VCOMを調整してディスプレイモジュール200に共通電圧VCOMを出力する。
LCD20のディスプレイ位相とは、LCD20が画像を表示できる期間である。スイッチ290は、ディスプレイモジュール200と、カップリング電圧検出回路260と共通電圧回路280とに接続され、ディスプレイモジュール200をカップリング電圧検出回路260又は共通電圧回路280のどちらかに接続させるのに用いられる。
従って、初期位相では、LCD20は寄生容量によって生成されたカップリング電圧VFDを検出でき、書き込み工程なしで点滅を避けるために共通電圧VCOMを積極的に調整する。
さらに、製造時間は削減でき、処理総量を増加させる。
【0018】
例示的なディスプレイユニットの波形を示す図2Bを参照する。正確には、共通電圧VCOMは、初期位相で所定の値(例えば0V)に設定される。
ゲート駆動回路240がゲートラインをオフするとき(例えば、ゲート信号を正のレベルVGHから負のレベルGNLに降下させるとき)、スイッチ290はディスプレイモジュール200の共通電圧端子TVCOMをカップリング電圧検出回路260に接続する。カップリング電圧検出回路260はカップリング電圧VFDを検出し、補償電圧VSHFTを生成する。好ましくは、カップリング電圧VFDはカップリング電圧検出回路260のレジスタ(図2に不図示)に格納されてもよい。
ディスプレイ位相では、スイッチ290は、ディスプレイモジュール200の共通電圧端子TVCOMを共通電圧回路280に接続させる。共通電圧回路280は、補償電圧VSHFTに応じて共通電圧VCOMを調整して、ディスプレイモジュール200に調整した共通電圧VCOM−ADを出力する。
例えば、最初は、共通電圧VCOMを0Vとする。ゲートラインがオフする時、カップリング電圧検出回路260はカップリング電圧VFDが−0.6Vであることを検出し、−1.2Vである補償電圧VSHFTを生成する。
ディスプレイ位相では、共通電圧回路280は共通電圧VCOMを0Vから−1.2Vへ降下させ、調整した−1.2Vの共通電圧VCOM−ADをディスプレイモジュール200へ出力する。
【0019】
カップリング電圧検出回路260の一例の概略図である図2Cを参照する。カップリング電圧検出回路260はこの構成に限られない。カップリング電圧検出回路260は、アナログデジタルコンバータ(ADC)262、ルックアップテーブル264、及びデジタルアナログコンバータ(DAC)266を有する。
ADC262は、アナログカップリング電圧VFDを受信し、それをデジタル値DFDへ変換する。ルックアップテーブル264は、補償電圧VSHFTに対応するデジタル値DSHFTを出力する。DAC266は、デジタル値DSHFTをアナログ補償値VSHFTに変換するのに用いられる。
【0020】
ある実施形態では、電圧校正回路はさらに電圧設定ユニットを有する。LCD30の概略図である図3を参照する。図3において、LCD30はディスプレイモジュール300、ソース駆動回路320、ゲート駆動回路340、及び電圧校正回路350を有する。電圧校正回路350は、カップリング電圧検出回路360と、共通電圧回路380と、スイッチ290と、電圧設定ユニット310とを有する。
図2Aの構成例との違いは、電圧校正回路350が、カップリング電圧検出回路360と共通電圧回路380とに接続される電圧設定ユニット310を備えることである。電圧設定ユニット310は、共通電圧VCOMのための所定のシフト値を設定するのに用いられる。
初期位相において、ゲート駆動回路340がゲートラインをオフするとき、スイッチ390が、ディスプレイモジュール300の共通電圧端子TVCOMをカップリング電圧検出回路360に接続する。カップリング電圧検出回路360は、カップリング電圧VFDを検出して、カップリング電圧VFD又はルックアップテーブル264に関連する式を用いて補償電圧VSHFTを生成する。
ディスプレイ位相において、スイッチ390は、ディスプレイモジュール300の共通電圧端子TVCOMを共通電圧回路380に接続する。共通電圧回路380は、補償電圧VSHFTと共通電圧VCOMの所定のシフト値との重ね合わせに応じて共通電圧VCOMを調整し、ディスプレイモジュール300へ調整した共通電圧VCOMを出力する。
例えば、最初に、共通電圧VCOMが0Vに設定される。初期位相において、ゲートラインがオフすると、カップリング電圧検出回路360はカップリング電圧VFDが−0.6Vであることを検出する。電圧設定ユニット310は共通電圧VCOMの所定のシフト値を−1Vに設定する。
そして、カップリング電圧検出回路360は、カップリング電圧VFDに応じて、−0.2Vの補償電圧VSHFTを生成する。
ディスプレイ位相では、共通電圧回路380は、補償電圧VSHFTと共通電圧VCOMの所定のシフト値との重ね合わせに応じて共通電圧VCOMを0Vから−1.2V{例えば、(−0.2V)+(−1V)}に調整し、調整した共通電圧VCOM−ADをディスプレイモジュール300へ出力する。
【0021】
ある実施形態では、カップリング電圧検出回路は、ディスプレイモジュールの共通電圧端子TVCOMだけではなく、カップリング電圧VFDを検出するために、ソース駆動回路、又はソース駆動回路と共通電圧端子TVCOMの両方に接続できる。例示的なLCD40を示した概略図である図4を参照する。図4において、LCD40はディスプレイモジュール400、ソース駆動回路420、ゲート駆動回路440、及び電圧校正回路450を有する。電圧校正回路450は、カップリング電圧検出回路460と、共通電圧回路480と、スイッチ490とを有する。
LCD40とLCD20との相違点は、スイッチ490の接続先である。スイッチ490はディスプレイモジュール400、ソース駆動回路420、及びカップリング電圧検出回路460に接続されている。そして、スイッチ490は、ディスプレイモジュール400をソース駆動回路420又はカップリング電圧検出回路460のどちらかに接続させるのに用いられる。
初期位相において、ゲート駆動回路440がゲートラインをオフするとき、スイッチ490は共通電圧端子TVCOMをカップリング電圧検出回路460に接続させる。カップリング電圧検出回路460は、ソースラインのカップリング電圧VFD_SOURCEを検出し、該カップリング電圧VFD_SOURCEに応じて補償電圧VSHFTを生成する。ソースライン上のカップリング電圧VFD_SOURCEは、共通電圧端子TVCOMのカップリング電圧VFDと略等しいと好ましい。
ディスプレイ位相において、スイッチ490は、ディスプレイモジュール400をソース駆動回路420に接続させる。共通電圧回路480は、補償電圧VSHFTに応じて共通電圧VCOMを調整し、ディスプレイモジュール400に調整された共通電圧VCOM−ADを出力する。
【0022】
例示的なLCD50の概略図である図5を参照する。図5において、LCD50はディスプレイモジュール500、ソース駆動回路520、ゲート駆動回路540、及び電圧校正回路550を有する。電圧校正回路550は、カップリング電圧検出回路560と、共通電圧回路580と、電圧設定回路510と、第1のスイッチ590と、第2のスイッチ591とを有する。電圧校正回路550は電圧校正回路350と電圧校正回路450との組み合わせであるので、電圧校正回路550は同様の構成を有する。
両者の相違点は、電圧校正回路550はさらに第2のスイッチ591を有することである。第1のスイッチ590は、ディスプレイモジュール500と、ソース駆動回路520と、カップリング電圧検出回路560とに接続されており、ディスプレイモジュール500をソース駆動回路520又はカップリング電圧検出回路560のどちらかに接続させるのに用いられる。第2のスイッチ591は、ディスプレイモジュール500と、共通電圧回路580とカップリング電圧検出回路560とに接続され、ディスプレイモジュール500を共通電圧端子TVCOM又はカップリング電圧検出回路560のどちらかに接続させるのに用いられる。
即ち、カップリング電圧検出回路560は、共通電圧端子TVCOMのカップリング電圧VFD同様に、初期位相において、スキャンライン上のカップリング電圧VFD_SOURCEを検出し、該カップリング電圧VFDと該カップリング電圧VFD_SOURCEに応じて補償電圧VSHFTを生成する。
ディスプレイ位相において、第1のスイッチ590は、ディスプレイモジュール500をソース駆動回路520に接続する。一方、第2のスイッチ591はディスプレイモジュール500の共通電圧端子TVCOMを共通電圧回路580に接続している。
共通電圧回路580は、共通電圧VCOMのシフト値と補償電圧VSHFTとの重ね合わせに応じて共通電圧VCOMを調整し、ディスプレイモジュール500に調整された共通電圧VCOM−ADを出力する。
【0023】
LCD60の例示的な概要図である図6Aを参照する。LCD60は、ディスプレイモジュール600、ゲート駆動回路640、及び電圧校正回路650を備える。電圧校正回路650は、ソース駆動回路620、カップリング電圧検出回路660と、スイッチ690とを有する。LCD60の構成は図1で示したTFT LCD10と同様なので、同じ動作の説明は省略する。
ゲート駆動回路640は、複数のゲートラインを順番にオンオフするための複数のゲート信号を生成するために用いられる。ディスプレイモジュール600の寄生容量は、ゲート信号の立下がりエッジ(例えば、ゲートラインが)でカップリング電圧VFDを生成する。
スイッチ690はカップリング電圧検出回路660に接続され、ディスプレイモジュール600(の共通電圧端子TVCOM)を接地端子680又はカップリング電圧検出回路660のいずれかに接続するのに用いられる。共通電圧端子TVCOMが接地端子680に接続された時、共通電圧VCOMは固定である0Vである。カップリング電圧検出回路660は、カップリング電圧VFDの検出に用いられ、初期位相において該カップリング電圧VFDに応じて補償電圧VSHFTを生成する。
LCD60の初期位相とは、LCD60がオンした後であって画像が表示される前の期間である。ソース駆動回路620は、初期位相において、調整されていないディスプレイ電圧VCS’をディスプレイモジュール600に出力し、ディスプレイ位相において、補償電圧VSHFTに応じて調整されたディスプレイ電圧VCSをディスプレイモジュール600に出力する。
従って、初期位相では、本実施形態のLCD60は、寄生容量によって生成されたカップリング電圧VFDを検出でき、書き込み工程なしで点滅を避けるために共通電圧VCOMを積極的に調整する。さらに、製造時間は削減でき、処理総量を増加させることができる。
【0024】
例示的なディスプレイユニットの波形を示す図6Bを参照する。
初期位相において、共通電圧VCOMは、初期位相で所定の値(例えば0V)に前もって設定される。ソース駆動回路620が調整されていないディスプレイ電圧VCS’をディスプレイモジュール600の等価容量に出力する。ゲート駆動回路640が、ゲートラインをオフするとき(例えば、ゲート信号を正のレベルVGHから負のレベルGNLに降下させるとき)、スイッチ690はディスプレイモジュール600の共通電圧端子TVCOMをカップリング電圧検出回路660に接続する。カップリング電圧検出回路660はカップリング電圧VFDを検出し、補償電圧VSHFTを生成する。好ましくは、カップリング電圧VFDはカップリング電圧検出回路660のレジスタ(図6Aに不図示)に格納されてもよい。
ディスプレイ位相では、スイッチ690は、ディスプレイモジュール600の共通電圧端子TVCOMを接地端子680に接続させるので、共通電圧VCOMは0Vに設定される。
カップリング電圧検出回路660は補償電圧VSHFTをソース駆動回路620へ出力する。
ソース駆動回路620は、補償電圧VSHFTに応じて、ディスプレイ電圧VCSをディスプレイモジュール600へ出力する。
【0025】
ある実施形態では、電圧校正回路はさらに電圧設定ユニットを有する。LCD70の概略図である図7を参照する。図7において、LCD70はディスプレイモジュール700、ゲート駆動回路740、及び電圧校正回路750を有する。電圧校正回路750は、ソース駆動回路720、カップリング電圧検出回路760と、スイッチ790と、電圧設定ユニット710とを有する。
LCD70の基本的な構成はLCD60と同様である。両者の違いは、電圧校正回路750が、カップリング電圧検出回路760とソース駆動回路720とに接続される電圧設定ユニット710を備えることである。電圧設定ユニット710は、ディスプレイ電圧のための所定のシフト値を設定するのに用いられる。
初期位相において、ゲート駆動回路740がゲートラインをオフするとき、スイッチ790が、ディスプレイモジュール700の共通電圧端子TVCOMをカップリング電圧検出回路760に接続する。カップリング電圧検出回路760は、カップリング電圧VFDを検出して、カップリング電圧VFDに応じて補償電圧VSHFTを生成する。
ディスプレイ位相において、スイッチ790は、ディスプレイモジュール700の共通電圧端子TVCOMを接地端子780に接続する。ソース駆動回路720は、補償電圧VSHFTとディスプレイ電圧の所定のシフト値との重ね合わせに応じてディスプレイ電圧VCS’を調整し、ディスプレイ位相で、ディスプレイモジュール700へ調整したディスプレイ電圧VCSを出力する。
【0026】
ある実施形態では、カップリング電圧検出回路は、ディスプレイモジュール(例えば600又は700)の共通電圧端子TVCOMだけではなく、カップリング電圧VFDを検出するために、ソース駆動回路、又はソース駆動回路と共通電圧端子TVCOMの両方に接続できる。例示的なLCD80を示した概略図である図8を参照する。図8において、LCD80はディスプレイモジュール800、ゲート駆動回路840、及び電圧校正回路850を有する。電圧校正回路850は、ソース駆動回路820、カップリング電圧検出回路860と、スイッチ890とを有する。
LCD80とLCD60との相違点は、スイッチ890はスイッチ690の接続先とはこのなり、ディスプレイモジュール800が接地端子880に直接接続していることである。スイッチ890はディスプレイモジュール800、ソース駆動回路820、及びカップリング電圧検出回路860に接続されている。そして、スイッチ890は、ディスプレイモジュール800をソース駆動回路820又はカップリング電圧検出回路860のどちらかに接続させるのに用いられる。
初期位相において、ゲート駆動回路840がゲートラインをオフするとき、スイッチ890はディスプレイモジュール800(の共通電圧端子TVCOM)をカップリング電圧検出回路860に接続させる。そして、カップリング電圧検出回路860は、スキャンラインのカップリング電圧VFD_SOURCEを検出し、スキャンライン上の該カップリング電圧VFD_SOURCEに応じて補償電圧VSHFTを生成する。スキャンライン上のカップリング電圧VFD_SOURCEは、共通電圧端子TVCOMのカップリング電圧VFDと略等しいと好ましい。
ディスプレイ位相において、スイッチ890は、ディスプレイモジュール800をソース駆動回路820に接続させる。ソース駆動回路820は、補償電圧VSHFTに応じてディスプレイ電圧VCS’を調整し、ディスプレイモジュール800にその調整されたディスプレイ電圧VCSを出力する。
【0027】
例示的なLCD90の概略図である図9を参照する。図9において、LCD90はディスプレイモジュール900、ゲート駆動回路940、及び電圧校正回路950を有する。
電圧校正回路950は、ソース駆動回路920、カップリング電圧検出回路960と、接地端子980と、電圧設定回路910と、第1のスイッチ990と、第2のスイッチ991とを有する。LCD90はLCD70とLCD80との組み合わせであるので、LCD90は同様の構成を有する。
両者の相違点は、電圧校正回路950はさらに第2のスイッチ991を有することだけである。第1のスイッチ990は、ディスプレイモジュール900と、ソース駆動回路920と、カップリング電圧検出回路960とに接続されており、ディスプレイモジュール900をソース駆動回路920又はカップリング電圧検出回路960のどちらかに接続させるのに用いられる。第2のスイッチ991は、ディスプレイモジュール900と、接地端子980とカップリング電圧検出回路960とに接続されており、ディスプレイモジュール900の共通電圧端子TVCOMを、接地端子980又はカップリング電圧検出回路960のどちらかに接続させるのに用いられる。
即ち、カップリング電圧検出回路960は、共通電圧端子TVCOMのカップリング電圧VFD同様に、初期位相において、スキャンライン上のカップリング電圧VFD_SOURCEを検出し、該カップリング電圧VFDと該カップリング電圧VFD_SOURCEに応じて補償電圧VSHFTを生成する。
ディスプレイ位相において、第1のスイッチ990はディスプレイモジュール900をソース駆動回路920に接続する一方、第2のスイッチ991は共通電圧VCOMが0Vに設定されるように、ディスプレイモジュール500の共通電圧端子TVCOMを接地端子980に接続している。ソース駆動回路920は、ディスプレイ電圧のシフト値と補償電圧VSHFTの重ね合わせに応じてディスプレイ電圧VCS’を調整し、ディスプレイモジュール900に調整されたディスプレイ電圧VCSを出力する。
【0028】
以上をまとめると、電圧差に起因する点滅を防ぐため、本発明のカップリング電圧検出回路は、初期位相で、寄生容量(例えば、スキャンライン又は共通電圧端子のカップリング電圧)で生成されたカップリング電圧を、積極的に検出し、カップリング電圧に基づいて共通電圧を調整することが可能である。従来例と比較して、本発明の実施形態では、書き込み工程を必要としないため、製造時間を削減し、処理総量を増加させることができる。
【0029】
本発明の教示を保持しながら、装置の数々の変形例や代替案がとりうることは当業者にとって明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で、当該技術分野の通常の知識を有している者には様々な形態の置換、変形及び変更が可能で、これらもまた本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0030】
20,30,40,50,60,70,80,90 液晶ディスプレイ装置(LCD)
200,300,400,500,600,700,800,900 ディスプレイモジュール
220,320,420,520,620,720,820,920 ソース駆動回路
250,350,450,550,650,750,850,950 電圧校正回路
260,360,460,560,660,760,860,960 カップリング電圧検出回路
280,380,480,580 共通電圧回路
290,390,690,790 スイッチ
310,510,710,910 電圧設定ユニット
490,890 スイッチ
590,990 第1のスイッチ
591,991 第2のスイッチ
680,780,880,980 接地端子
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9