特開 2015-41212 警報器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】特開2015-41212(P2015-41212A)

(43)【公開日】2015年3月2日

(54)【発明の名称】警報器

(51)【国際特許分類】

   G08B 17/00 20060101AFI20150203BHJP

   G08B 17/107 20060101ALI20150203BHJP

【ＦＩ】

   G08B17/00 D

   G08B17/107 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

【全頁数】9

(21)【出願番号】特願2013-171502(P2013-171502)

(22)【出願日】2013年8月21日

(71)【出願人】

【識別番号】000190301

【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100107308

【弁理士】

【氏名又は名称】北村 修一郎

(74)【代理人】

【識別番号】100126930

【弁理士】

【氏名又は名称】太田 隆司

(72)【発明者】

【氏名】西田 察

【テーマコード（参考）】

5C085

5G405

【Ｆターム（参考）】

5C085AA03

5C085AC18

5C085BA33

5C085CA11

5C085CA12

5C085CA16

5C085DA08

5G405AB02

5G405AD06

5G405AD09

5G405CA13

5G405CA23

(57)【要約】

【課題】目的に応じた点検作業を実施することができ、且つ防水性能にも優れた警報器を提供すること。
【解決手段】光を受光すると電圧を生じる受光素子と、動作を制御する制御部４と、操作手段１１と、を備え、制御部４は、操作手段１１を操作することによって、警報動作を伴う第１点検動作を行い、受光素子が受光することによって、第１点検動作とは異なる第２点検動作を行う。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

光を受光すると電圧を生じる受光素子と、
動作を制御する制御部と、
操作手段と、を備え、
前記制御部は、前記操作手段を操作することによって、警報動作を伴う第１点検動作を行い、前記受光素子が受光することによって、前記第１点検動作とは異なる第２点検動作を行うことを特徴とする警報器。

【請求項2】

前記第１点検動作が、前記操作手段の操作だけでなく、前記受光素子が受光することによっても実施可能に構成されることを特徴とする請求項１に記載の警報器。

【請求項3】

前記受光素子が受光することによって行われる前記第１点検動作が、他の警報器と連動させて警報動作を実施させることを特徴とする請求項２に記載の警報器。

【請求項4】

前記第２点検動作が複数設定されており、前記複数の第２点検動作のそれぞれに対応する条件を、光の照射時間、照度、及び光の種類のうちの少なくともいずれか一つを変更することによって予め設定しておき、いずれかの条件の光を選択して前記受光素子に照射することによって、前記複数の第２点検動作のいずれかを選択することができるよう構成されている請求項１〜３のいずれか１項に記載の警報器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、点検動作可能な警報器に関する。

【背景技術】

【0002】

従来の警報器としては、例えば、特許文献１に示すものが知られている。この文献に記載される警報器は、正常に警報動作が実施されるか否かを点検・確認するために、通常の監視動作中に、警報器に設けてある点検スイッチを操作することによって、スピーカや警報表示部に警報動作を実施させるように構成されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第４５８４７７８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

警報器の中には、ガス漏れや火災等を検出した時に、スピーカや警報表示部による警報動作と連動して住宅戸外のガスマイコンメータ等に対して有電圧出力を行うことによってガス等の元栓を自動遮断するものがある。

【0005】

そのような警報器の点検作業を実施すると、ガス漏れや火災等を検出したときと同様に、その警報器のスピーカ等による警報動作が行われることに加えて、ガスマイコンメータ等に有電圧出力を行われることによってガス等の元栓も遮断されてしまう。ガス等の元栓の遮断後の復旧作業は専門知識を有する特定の業者しか行うことができないため、このような業者がその場におらず、一般ユーザーが単独で点検作業を実施してしまうと、復旧に多くの時間を要し、ガス等を長時間使用できなくなるという問題があった。

【0006】

一方、一般ユーザーの側では、単に、目前の警報器や、目前の警報器と連動する他の警報器の点検さえ実施できれば良く、ガス等の元栓遮断という有電圧出力を伴う機能点検までは意図していない場合がほとんどであり、業者立ち合いのもとにしか点検作業を実施できないという不便さがあった。

【0007】

上記問題を解決するため、点検スイッチを２つ設けて、一方の点検スイッチを操作すると警報器のみの点検がなされ、他方のスイッチを操作すると有電圧出力を伴う機能点検がなされるような構成にすることも考えられるが、さらなる点検スイッチを設けることで、防水性能が低下するという問題が生じる。

【0008】

本発明の目的は、目的に応じた点検作業を実施することができ、且つ防水性能にも優れた警報器を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明の警報器に係る第１特徴構成は、光を受光すると電圧を生じる受光素子と、動作を制御する制御部と、操作手段と、を備え、前記制御部は、前記操作手段を操作することによって、警報動作を伴う第１点検動作を行い、前記受光素子が受光することによって、前記第１点検動作とは異なる第２点検動作を行う点にある。

【0010】

〔作用及び効果〕
本構成によれば、操作手段の操作、及び受光素子への光照射という簡単な２つの操作を使い分けることによって、目的に応じて、警報動作を伴う第１点検動作による点検作業か、あるいは第１点検動作とは異なる第２点検動作による点検作業を実施することができる。また、第２点検動作による点検作業を実施するためのさらなる操作手段を設ける必要がないため、防水性能を高めることができる。

【0011】

第２特徴構成は、前記第１点検動作が、前記操作手段の操作だけでなく、前記受光素子が受光することによっても実施可能に構成される点にある。

【0012】

〔作用及び効果〕
本構成によれば、作業者は、受光素子への光照射という１回の操作で、第１点検動作による点検作業と第２点検動作による点検作業とを同時に実施することができるため効率的である。

【0013】

第３特徴構成は、前記受光素子が受光することによって行われる前記第１点検動作が、他の警報器と連動させて警報動作を実施させる点にある。

【0014】

〔作用及び効果〕
本構成によれば、第１点検動作が、他の警報器と連動させて警報動作を実施させる所謂「連動点検」を行うものであり、複数の警報器を一度に点検することができるため、より効率的である。

【0015】

第４特徴構成は、前記第２点検動作が複数設定されており、前記複数の第２点検動作のそれぞれに対応する条件を、光の照射時間、照度、及び光の種類のうちの少なくともいずれか一つを変更することによって予め設定しておき、いずれかの条件の光を選択して前記受光素子に照射することによって、前記複数の第２点検動作のいずれかを選択することができるよう構成されている点にある。

【0016】

〔作用及び効果〕
光の照射時間、照度、種類によって、点検動作を切り替えることができるので、部品点数を増加させることなく、複数の点検動作を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明の警報器の実施形態における回路構成を示したブロック図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

以下、本発明の警報器の一つの実施形態として、本発明の特徴構成を備える火災警報器を図面に基づいて説明する。

【0019】

〔実施形態〕
図１に示すように、本実施形態の火災警報器１は、火災を検出するセンサー部２と、電源の通電状態を表示する電源表示部３と、種々の制御回路を有する制御部４と、火災発生の音声メッセージや警報音を出力するスピーカ９と、火災発生を光の点滅動作等によって表示する警報表示部１０と、点検スイッチ１１と、電源供給する図示しない電池とを備えて構成されている。

【0020】

センサー部２には、従来公知の煙検出機構、例えば、投光した光が煙によって散乱されることで生ずる散乱光を検出することで煙を感知する散乱光式煙検出機構等が備えられている。

【0021】

電源表示部３には、発光部材（例えば、発光ダイオードやフォトダイオード等）が備えられている。電源表示部３が点灯しているときは、火災警報器１が後述する監視警報モード７となっていることを示し、電源表示部３が点灯していないときは、火災警報器１が、後述する低消費電力モード８となっていることを示す。

【0022】

制御部４には、第１監視制御部５ａ、第２監視制御部５ｂ、及びモード設定部６が備えられている。

【0023】

第１監視制御部５ａは、センサー部２からの信号を受けてその信号が所定の条件に合致するか否かを監視する監視動作を行いながら、信号が所定の条件を満たした時、即ち火災が発生したことを検知したときにスピーカ９と警報表示部１０のそれぞれに火災発生の警報動作を実施させる第１監視警報機能を有する。さらに、第１監視制御部５ａは、通常の監視動作中に、所定の点検動作の信号を受けた際、スピーカ９と警報表示部１０のそれぞれに警報動作を実施させる第１点検機能を有する。

【0024】

第２監視制御部５ｂは、センサー部２からの信号を受けてその信号が所定の条件に合致するか否かを監視する監視動作を行いながら、信号が所定の条件を満たした時、即ち火災が発生したことを検知したときに、図示しないマイコンメータに対して、所定の電圧（例えば、１２Ｖ）の有電圧出力を行い、ガス等の元栓を遮断する制御を行う第２監視警報機能を有する。さらに、第２監視制御部５ｂは、通常の監視動作中に、所定の点検動作の信号を受けた際、図示しないマイコンメータに対して、所定の電圧（例えば、１２Ｖ）の有電圧出力を行い、ガス等の元栓を遮断する第２点検機能を有する。

【0025】

モード設定部６は、第１監視制御部５ａの第１監視警報機能と第２監視制御部５ｂの第２監視警報機能とをいずれも実施させる監視警報モード７、並びに第１監視制御部５ａの第１監視警報機能と第２監視制御部５ｂの第２監視警報機能とをいずれも停止させて、監視警報モード７時よりも消費電力の少ない待機動作を行う低消費電力モード８とを切り替えるモード切り替え機能を有する。

【0026】

警報表示部１０には、発光部材（例えば、発光ダイオードやフォトダイオード等）が備えられており、通常時は非点灯状態であるが、火災発生時には、監視制御部５によって発光部材の点滅等の警報動作が実施される。

【0027】

尚、本実施形態の火災警報器１では、図示しない電池から、図示しない電源回路を通じて、センサー部２、電源表示部３、制御部４、スピーカ９、警報表示部１０等のそれぞれに適合した既定の電源電圧が出力されるように構成されている。

【0028】

本実施形態の火災警報器１の設置及び運用形態としては、単独で用いる場合と、他の火災警報器１と連動させて用いる場合とがある。即ち、特定の火災警報器１で火災が検出された場合に当該火災警報器１のみで警報を行う場合と、特定の火災警報器１で火災が検出された場合に当該火災警報器１及び他の火災警報器１で警報を行う場合である。従って、本実施形態の火災警報器１の点検には、所定の点検動作の信号を受けた火災警報器１のみで行う点検（以下、「単独点検」と称する）と、所定の点検動作の信号を受けた火災警報器１及び他の火災警報器１で行う点検（以下、「連動点検」と称する）とがある。尚、連動する複数の火災警報器１は、リード線等を介して互いに連絡されており、各火災警報器１において連動信号の送受信をすることができるように構成される。

【0029】

（低消費電力モードと監視警報モードとの切り替え）
本実施形態の火災警報器１は、電源表示部３に光（例えば、太陽光、懐中電灯、及び蛍光灯など）が照射されることによって、低消費電力モード８と監視警報モード７とを切り替えられるように構成されている。

【0030】

電源表示部３の発光部材は、監視警報モード７において発光素子として機能して電源表示部３を点灯させる一方で、受光素子としても機能し、一定の光を受光することによって、一定の電圧（例えば、発光ダイオードの場合は約１．５Ｖ）を発生させることができる。

【0031】

例えば、本実施形態の火災警報器１を、工場出荷時において、電池を予め内部に組み付け固定し、その電池からの電源供給を受けた状態で低消費電力モード８に設定する場合がある。

【0032】

電源表示部３に光が照射されると、発光部材において電圧が発生する。火災警報器１のモード設定部６は、この電圧を検出することによって、それまで設定されていた低消費電力モード８を解除して、監視警報モード７へ切り替えるように構成されている。

【0033】

従って例えば、梱包されている火災警報器１を、明るい室内等でその梱包を解いてさえしまえば、電源表示部３に光があたって低消費電力モード８から監視警報モード７に自動的に切り替わるため、ユーザーは、取扱い説明書等を読む必要がなく、火災警報器１を低消費電力モード８から監視警報モード７に容易に切り替えることができる。

【0034】

また、電源表示部３に対して、取り外し可能な遮光部材（例えば、遮光テープ等）を施すようにしても良い。これによれば、ユーザーが梱包を解いても直ぐには使用しない場合に都合が良く、ユーザーは遮光部材を取り外すことによって任意のタイミングで警報器を低消費電力モードから監視警報モードに容易に切り替えることができる。尚、この遮光部材の上に、使用する際に取り外す旨の記載があれば確実だが、たとえそのような記載がなくとも、ユーザーは、そのような遮光部材は明らかに火災警報器１に後付けされたものであることを認識し得るため、使用する際にその遮光部材を取り外さなければならないことを感覚的に理解し得る。

【0035】

（点検動作）
本実施形態の火災警報器１は、通常の監視動作中に、点検動作の信号として作業者が点検スイッチ１１（操作手段の一例）を操作することによって、スピーカ９及び警報表示部１０のそれぞれの警報動作を伴う第１点検動作が実施され、これにより正常に警報動作が実施されるか否かを確認することができるように構成されている。

【0036】

即ち、本実施形態の火災警報器１における第１監視制御部５ａは、点検スイッチ１１の操作による信号を受けることによって第１点検機能が発動し、スピーカ９と警報表示部１０のそれぞれに警報動作を実施させるように設定されている。

【0037】

尚、上記第１点検動作には、点検スイッチ１１の操作を受けた火災警報器１のみで行われる単独点検と、点検スイッチ１１の操作を受けた火災警報器１及び他の火災警報器１で行われる連動点検の２つの場合がある。

【0038】

また本実施形態の火災警報器１は、通常の監視動作中に、点検動作の信号として、作業者が警報表示部１０に光を照射することによって、所定の電圧（例えば、１２Ｖ）の有電圧出力を伴う第２点検動作が実施され、これにより正常にガス等の元栓遮断が実施されるか否かを確認することができるように構成されている。

【0039】

警報表示部１０の発光部材は、発光素子としてだけでなく、受光素子としても機能するため、作業者が、警報表示部１０に光を照射することにより電圧を発生させることができる。

【0040】

本実施形態の火災警報器１における第２監視制御部５ｂは、警報表示部１０の発光部材から生じた電圧を検出することによって第２点検機能が発動し、図示しないマイコンメータ（外部機器の一例）に所定の電圧（例えば、１２Ｖ）の有電圧出力を行い、ガス等の元栓を遮断するように設定されている。

【0041】

上記構成によれば、例えば、一般ユーザーが目前の火災警報器１や目前の火災警報器１と連動する他の火災警報器１の警報動作の点検を行う場合には、通常通り点検スイッチ１１を操作することによって第１点検動作を実施させれば良く、一方、専門知識を有する特定の業者がガス等の元栓遮断という有電圧出力を伴う機能点検を行う場合には、警報表示部１０に光を照射することによって第２点検動作を実施させれば良い。

【0042】

即ち本構成によれば、点検スイッチ１１の操作、及び警報表示部１０への光照射という簡単な２つの操作を使い分けることによって、目的に応じて、警報動作を伴う第１点検動作による点検作業、又は有電圧出力を伴う第２点検動作による点検作業を実施することができる。また、第２点検動作による点検作業を実施するためのさらなる点検スイッチ１１を設ける必要がないため、防水性能を高めることができる。

【0043】

（発光部材について）
上述の電源表示部３及び警報表示部１０において使用される発光部材として、発光ダイオード又はフォトダイオードを使用することが望ましい。

【0044】

発光ダイオードは、一般的な部屋の明かり（例えば、数百ルクス）程度では、監視制御部５やモード設定部６が検出可能な電圧を生じさせることが難しく、太陽光や懐中電灯のようにより強い光（例えば、千ルクス以上の照度）が必要となる。そこで、発光ダイオードを使用する場合は、発電効率を高めるために、発光波長に近い波長の光を照射することが望ましい。例えば、赤色に近い光を発する発光ダイオードであれば、赤外光に近い波長の光を照射することが望ましい。

【0045】

一方、フォトダイオードは、弱い光（例えば、数ルクス程度）でも監視制御部５やモード設定部６が検出可能な電圧を生じさせることができる。ただし、フォトダイオードを使用する場合は、逆に光に対する反応性が良過ぎて使用勝手が悪くなる場合もあるため、必要に応じて火災警報器１に減衰フィルムを設けるようにしても良い。このとき、減衰フィルムを取り外し可能に構成することが望ましい。これにより、設置される部屋の明るさや、照射される光の照度に応じて、減衰率の異なる減衰フィルムを適宜交換して使用することが可能となる。尚、勿論、上述の発光ダイオードに対しても必要に応じて減衰フィルムを適用して良い。

【0046】

〔その他の実施形態〕
１．上述の実施形態において、監視動作中に警報表示部１０に光を照射することによって、第２点検動作だけでなく、さらに第１点検動作を行うように構成しても良い。このように構成することによって、業者は、警報表示部１０への光照射という１回の操作で、火災警報器１の警報動作の点検と有電圧出力を伴う機能点検とを同時に実施することができるため効率的である。特に、このときの第１点検動作が連動点検である場合、複数の火災警報器１を一度に点検することができるため、より効率的である。

【0047】

２．上述の実施形態において、モード設定部６によるモード切り替えの際の閾値、及び第２監視制御部５ｂによる第２点検機能を発動させるための閾値については、照射する光の照度や、照射時間を調整するなどして適宜設定して良い。
例えば、モード設定部６が、電源表示部３の発光部材に照射される光の照度に応じて生じる所定電圧（例えば、約１．５Ｖ）を所定時間（例えば、５秒以上）検出することによって、それまで設定していた低消費電力モード８を解除して、監視警報モード７へ切り替えるように構成しても良く、また第２監視制御部５ｂについても同様に、警報表示部１０の発光部材に照射される光の照度に応じて生じる所定電圧を所定時間検出することによって、第２点検機能を発動させる構成としても良い。このときのモード切り替えや、第２点検機能発動については、照射時間が所定時間を経過したときに実施されるように設定するか、あるいは所定時間以上照射されて、且つ照射を止めたときに実施されるよう設定しても良い。
このように構成すれば、例えば、作業者に使用や点検の意思がなくて電源表示部３や警報表示部１０に光が偶発的に当たってしまったような場合でも、作業者の意思とは無関係に、低消費電力モード８から監視警報モード７へのモード切り替えや、第２点検動作が行われるようなことが防止される。
尚、上述の実施形態においては、モード設定部６によるモード切り替えの際の閾値と、第２監視制御部５ｂによる第２点検機能を発動させるための閾値とはそれぞれ別の値に設定されている。例えば、高照度の光を照射したときに、モード設定部６によるモード切り替えが行われ、低照度の光を照射したときに、第２監視制御部５ｂによる第２点検機能を発動するようにしたり、あるいは光を長時間照射したときに、モード設定部６によるモード切り替えが行われ、光を短時間照射したときに、第２監視制御部５ｂによる第２点検機能を発動するようにしたり、またあるいは、電源表示部３及び警報表示部１０のそれぞれの発光部材を互いに別の種類とするなど、である。これにより、例えば、火災警報器１に光を照射して低消費電力モード８から監視警報モード７に切り替えるときに、誤って第２点検動作も一緒に実施されてしまうような状態を回避することができる。

【0048】

３．上述の実施形態においては、光照射によってモード設定部６が、低消費電力モード８から監視警報モード７へ切り替える構成のみを記載したが、これに限定されるものではなく、逆に、別条件の光照射によってモード設定部６が、監視警報モード７から低消費電力モード８へ切り替えるように構成しても良い。つまり、照射される光の照度や照射時間によって、異なるモードを選択するようにしても良い。例えば、長時間照射したときに低消費電力モード８から監視警報モード７へ切り替わり、短時間照射したときに監視警報モード７から低消費電力モード８へ切り替わるなど、である。勿論、第２監視制御部５ｂについても同様であり、照射される光の照度や照射時間によって、第２点検動作の実施と停止とを選択するようにしても良い。例えば、長時間照射したときに第２点検動作が実施されて、短時間照射したときに第２点検動作が停止するなど、である。

【0049】

４．上述の実施形態においては、電源表示部３の発光部材は、発光素子として電源表示部３を点灯させる機能と、受光素子として電圧を発生させる機能とを兼ねているが、この構成に限定されるものではなく、専用の受光素子を別途設ける構成としても良い。また警報表示部１０の発光部材は、火災発生時に発光素子として警報表示部１０を点滅させる機能と、受光素子として電圧を発生させる機能とを兼ねているが、この構成に限定されるものではなく、専用の受光素子を別途設ける構成としても良い。尚、発光部材が、発光素子の機能と受光素子の機能とを兼ねる場合には、発光部材として発光ダイオードを使用することが望ましく、専用の受光素子を別途設ける場合には、当該受光素子としてフォトダイオードを使用することが望ましい。

【0050】

５．上述の実施形態の火災警報器１では、モード設定部６によるモード切り替えを行うために１つの受光素子を設ける構成を記載しているが、この構成に限定されるものはなく、さらにより多くのモードを設定し、且つそれぞれのモードに対応する複数の受光素子を設けてモードの選択や切り替えを行うような構成としても良い。

【0051】

６．上述の実施形態の火災警報器１では、第２点検動作として、有電圧出力を伴う機能点検を実施させるように構成されているが、この構成に限定されるものではなく、有電圧出力を伴う機能点検以外で、且つ第１点検動作による機能点検とは異なる別の機能点検を実施するように構成しても良い。また、複数の第２点検動作を設定し、それら複数の第２点検動作のそれぞれに対応する条件を、光の照射時間、照度、及び光の種類のうちの少なくともいずれか一つを変更することによって予め設定しておき、いずれかの条件の光を選択して警報表示部１０に照射することによって、前記複数の第２点検動作のいずれかを選択することができるように構成しても良い。また、１つの受光素子を設ける構成だけでなく、種々の第２点検動作を設定し、且つそれぞれの第２点検動作に対応する複数の受光素子を設けて第２点検動作の選択や切り替えを行うような構成としても良い。

【0052】

７．上述の実施形態では、電源表示部３に光が照射されると、モードが切り替わり、警報表示部１０に光が照射されると、点検動作が行われるが、警報表示部１０に光が照射されると、モードが切り替わり、電源表示部３に光が照射されると、点検動作が行われる態様でもよい。
また、電源表示部３または警報表示部１０の一方に、光が照射されると、モードの切り替えおよび点検動作が行われるようにしてもよい。この場合には、照度や時間によって、モードの切り替えなのか点検動作なのかを判断するようにすればよい。
また、警報表示部１０に対して、電源表示部３と同様に取り外し可能な遮光部材（例えば、遮光テープ等）を施すようにしても良い。

【0053】

８．本発明の警報器に係る構成は、火災警報器やガス漏れ警報器等の各種警報器だけでなく、ガス検知器などの各種検知器にも適用して良い。

【産業上の利用可能性】

【0054】

本発明の警報器は、火災警報器だけでなく、ガス漏れ警報器等に適用することができる。

【符号の説明】

【0055】

１ 火災警報器
２ センサー部
３ 電源表示部
４ 制御部
５ａ 第１監視制御部
５ｂ 第２監視制御部
６ モード設定部
７ 監視警報モード
８ 低消費電力モード
９ スピーカ
１０ 警報表示部
１１ 点検スイッチ（操作手段の一例）

【図1】