特開2015-42968(P2015-42968A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-42968(P2015-42968A)
(43)【公開日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】衝撃試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/08 20060101AFI20150206BHJP
【FI】
   G01M7/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-203193(P2013-203193)
(22)【出願日】2013年9月30日
(31)【優先権主張番号】102130436
(32)【優先日】2013年8月26日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511226513
【氏名又は名称】李 昆達
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】李 昆達
(57)【要約】      (修正有)
【課題】衝撃試験中の作用力、反作用力による影響を除去し、プラットホームの変位量を最小にし、衝撃試験結果を精確にすることができる衝撃試験プラットホームを提供する。
【解決手段】衝撃試験装置100は、第1のプラットホーム110と、第2のプラットホーム120と、複数の第1の懸吊装置130と、少なくとも1つの衝撃アセンブリと、複数の第2の懸吊装置150とを備える。少なくとも1つの衝撃アセンブリは、第2のプラットホーム120に設けられ、第1のプラットホーム110に向けられており、少なくとも1つの衝撃力を生じて第1のプラットホーム110に衝撃を与え、更に第1のプラットホームにある被試験物に対して衝撃試験を行う。第2の懸吊装置150は衝撃力による反作用力を吸収する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験物を載置した後、前記被試験物に対して衝撃試験を行うことができる衝撃試験装置であって、
前記被試験物を載置するための第1のプラットホームと、
前記第1のプラットホームと平行であり、前記第1のプラットホームの下方に設けられた第2のプラットホームと、
前記第1のプラットホームと前記第2のプラットホームの間に挟まれるように設けられており、前記第1のプラットホームを載置するための複数の第1の懸吊装置と、
前記第2のプラットホームに配置され、前記第1のプラットホームに向けており、少なくとも1つの衝撃力を生じて前記第1のプラットホームに衝撃を与える少なくとも1つの衝撃アセンブリと、
前記第1の懸吊装置に対して、前記第2のプラットホームの下方に設けられた複数の第2の懸吊装置と、
を備え、
前記第2の懸吊装置は、前記第1のプラットホーム、前記第2のプラットホーム、前記第1の懸吊装置及び前記少なくとも1つの衝撃アセンブリを載置して、前記衝撃試験を行っている時に、前記少なくとも1つの衝撃力による少なくとも1つの反作用力を吸収することができる
衝撃試験装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの衝撃アセンブリは、少なくとも1つの第1の衝撃ハンマーを含む衝撃アセンブリを備える、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の衝撃ハンマーは、2つずつ対向して設けられた4つの第1の衝撃ハンマーである、請求項2に記載の衝撃試験装置。
【請求項4】
前記衝撃アセンブリは、前記4つの第1の衝撃ハンマーの間に設けられた第2の衝撃ハンマーを更に備える、請求項3に記載の衝撃試験装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの衝撃アセンブリは、複数の衝撃アセンブリを備え、前記衝撃アセンブリは4つの衝撃アセンブリであり、且つ各前記衝撃アセンブリが少なくとも1つの第1の衝撃ハンマーを備える、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の衝撃ハンマーは、2つずつ対向して設けられた4つの第1の衝撃ハンマーである、請求項5に記載の衝撃試験装置。
【請求項7】
各前記衝撃アセンブリは、前記4つの第1の衝撃ハンマーの間に設けられた第2の衝撃ハンマーを更に備える、請求項6に記載の衝撃試験装置。
【請求項8】
前記4つの第1の衝撃ハンマーは、前記第2のプラットホームに設けられ、前記第2のプラットホームに対して特定の角度で傾斜している、請求項3又は6に記載の衝撃試験装置。
【請求項9】
前記第2の衝撃ハンマーは、前記第2のプラットホームに垂直に設けられている、請求項4又は7に記載の衝撃試験装置。
【請求項10】
前記第1のプラットホームは、複数の固定孔と、前記第1のプラットホームの下方に設けられており、前記少なくとも1つの衝撃アセンブリによって衝撃され得る少なくとも1つの被衝撃ブロックとを備える、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの被衝撃ブロックは、半球体、多面体又は立方体である、請求項10に記載の衝撃試験装置。
【請求項12】
前記第1の懸吊装置は、前記第2のプラットホームの周縁に設けられている、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項13】
前記第1のプラットホームは、矩形又は円形であり、また、前記第1のプラットホームを駆動して前記第2のプラットホームに対して水平に回転させる回転機構を備える、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項14】
前記第2のプラットホームは、矩形又は円形である、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項15】
前記第1の懸吊装置は、頂部と、前記頂部に対する底部と、前記頂部と前記底部の間に突き当てた複数のコイルとを備え、前記頂部と前記底部がそれぞれ前記第1のプラットホームと前記第2のプラットホームに固定されてよく、且つ前記コイルが前記第1のプラットホームを載置することに用いられてよい、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項16】
前記第1の懸吊装置の前記コイルは、鋼管又は鋼索で構成される、請求項15に記載の衝撃試験装置。
【請求項17】
前記第2の懸吊装置は、シリカゲルベースである、請求項1に記載の衝撃試験装置。
【請求項18】
前記第2の懸吊装置は、シリカゲル、ゴム、プラスチック又はフォーム等の材質で構成される、請求項17に記載の衝撃試験装置。
【請求項19】
前記第1のプラットホーム、前記第2のプラットホーム、前記第1の懸吊装置、前記少なくとも1つの衝撃アセンブリ及び前記第2の懸吊装置を収容するための筐体を更に備える、請求項1に記載の衝撃試験装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置に関し、特に衝撃試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衝撃試験装置は製品の信頼性を測定するためのものであり、その原理は、衝撃試験装置によって規則的又は不規則的な衝撃力を生じさせて、被試験物(即ち、製品)に衝撃を与え、長時間の累積的衝撃疲労によって、被試験物に存在し得る又は現れ得る瑕疵を測定し、被試験物の内部部材、構造又は外部包装の保護性等を評価することであり、それにより使用信頼性及び製品品質を向上させることができる。
【0003】
従来の衝撃試験装置においては、被試験物を衝撃試験装置のプラットホームに置いた後、プラットホームの下方に設けられた少なくとも1つの衝撃アセンブリによって、プラットホーム及び被試験物に対して衝撃試験を行って、衝撃された後に被試験物に存在し得る又は現れ得る瑕疵を測定するようになっている。
【0004】
このような少なくとも1つの衝撃アセンブリによって下から上へ被試験物に衝撃を与える方式では、関連する衝撃試験データを得ることができるが、衝撃の過程で、少なくとも1つの衝撃アセンブリによる衝撃力が同時にプラットホームと被試験物に作用するので、一部の衝撃力(さらには大部分の衝撃力)がプラットホームに吸収されて、衝撃試験に全く関連していない動作に消耗されてしまう。
【0005】
一方、「ニュートンの運動の第三法則」によれば、2つの物体が相互に作用する時、一方が受ける力と他方が受ける力は大きさが等しくて向きが反対であるので、「ニュートンの運動の第三法則」を「作用力・反作用力の法則」とも言う。この法則によって、少なくとも1つの衝撃アセンブリが下から上へ衝撃試験を行う時に、プラットホームに対して生じた衝撃力は反作用力をも生じて少なくとも1つの衝撃アセンブリに及ぼす。このように、プラットホームと少なくとも1つの衝撃アセンブリとがいずれも衝撃試験装置に属し、且つ互いに関連する空間設置関係があるので、少なくとも1つの衝撃アセンブリがプラットホームと被試験物に対して衝撃力を生じると同時に、「ニュートンの運動の第三法則」による、少なくとも1つの衝撃アセンブリに作用する反作用力も間接的にプラットホームと被試験物に他の衝撃を与えるようになるため、最終試験結果に影響を与える。
【0006】
前記の場合は、特に少なくとも1つの衝撃アセンブリが単一の衝撃アセンブリであり、且つ複数の衝撃ハンマーを備える態様において顕著である。
【0007】
例を挙げると、前記単一の衝撃アセンブリの複数の衝撃ハンマーが2つの衝撃ハンマー(即ち、第1の衝撃ハンマーと第2の衝撃ハンマー)である場合に、2つの衝撃ハンマーが45°の角度で傾斜するようにプラットホームに衝撃を与え、且つ2つの衝撃ハンマーが互いに対向するように設けられた時に、2つの衝撃ハンマーを順次にプラットホームに衝撃させれば、第1の衝撃ハンマーが衝撃を完成した後且つ第2の衝撃ハンマーが衝撃を与える前に、前記「ニュートンの運動の第三法則」による反作用衝撃力が第2の衝撃ハンマーに作用し、第2の衝撃ハンマーのプラットホームに対する衝撃力に影響を与えて、測定上の誤差を引き起こす。
【0008】
この第1の衝撃ハンマーが衝撃を完成した後、この第2の衝撃ハンマーが衝撃を与える時、その間に存在する時間差でプラットホームを初期静止位置に回復できなければ、この時に存在する微小な変位であっても測定結果に影響を与えることが、誤差を発生し得る別の場合である。
【0009】
以上から明らかなように、周知の衝撃試験装置は、被試験物が衝撃を受けた後存在し得る又は現れ得る瑕疵を測定することに利用可能であるが、試験過程で、比較的に多い可変要素又は不安定な因子が存在しているため、精確に制御して精確な結果を得ることが困難である。
【0010】
なお、前記衝撃ハンマーが衝撃している瞬間に生じた応力によって、被試験物の自然応答が誘発されるが、被試験物が複数の素子で構成された装置又はシステムである時に、前記衝撃ハンマーが衝撃している瞬間に生じた応力は更に各この素子の自然応答を誘発してしまう。発明者らは研究の結果、各この素子間の自然応答の干渉現象は実質的に各装置又はシステムの損壊を引き起こす最大の根源となっていることを見出した。
【0011】
言い換えると、周知の衝撃試験装置では精確に制御できず試験物に衝撃を与えているので、被試験物の衝撃応答スペクトル(SRS;Shock Response Spectrum)を作成するために前記各この素子間の自然応答の干渉現象を測定することが困難であると同時に、精確に被試験物の信頼性と寿命を知ることも困難である。
【0012】
以上のことに鑑みて、衝撃試験を行っている過程で前記作用力、反作用力による影響を効果的に除去し、プラットホームの変位量を最小にして、衝撃試験結果を精確にすることができる衝撃試験プラットホームをどのように提供するかは、この業界が差し迫って解决しようとする課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、備える少なくとも1つの衝撃アセンブリが複数の第1の衝撃ハンマー及び/又は第2の衝撃ハンマーを有し、複数の第1の衝撃ハンマーが特定の角度で傾斜して第2のプラットホームに設けられてよく、第2の衝撃ハンマーが第2のプラットホームに垂直であってよく、多軸方向の衝撃力を提供して、各種の衝撃試験要求に応じる衝撃試験装置を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、備える複数の第1の懸吊装置が被試験物を設けた第1のプラットホームを載置することに用いられ、第1のプラットホームが衝撃試験を行っている過程で、微量の変位変化のみを発生するようにして、得られた衝撃試験データを精確にし、また、この衝撃試験データを用いてこの被試験物の衝撃応答スペクトルを作成することができる衝撃試験装置を提供することを別の目的とする。
【0015】
本発明は、備える複数の第2の懸吊装置が衝撃試験を行っている過程で、少なくとも1つの衝撃アセンブリが衝撃を与える時に生じた反作用力を効果的に吸収することによって、少なくとも1つの衝撃アセンブリが干渉される場合を低減すると共に、発生した衝撃が外界環境に伝達されることを回避できる衝撃試験装置を提供することを更に別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明は、第1のプラットホームと、第2のプラットホームと、複数の第1の懸吊装置と、少なくとも1つの衝撃アセンブリと、複数の第2の懸吊装置とを備える衝撃試験装置を提供する。第1のプラットホームは、被試験物を載置するためのものであり、第2のプラットホームは、第1のプラットホームと平行であり、第1のプラットホームの下方に設けられている。複数の第1の懸吊装置は、第1のプラットホームと第2のプラットホームの間に挟まれるように設けられており、第1のプラットホームを載置するためのものであり、少なくとも1つの衝撃アセンブリは、第2のプラットホームに配置され、第1のプラットホームに向けており、少なくとも1つの衝撃力を生じて第1のプラットホームに衝撃を与える。複数の第2の懸吊装置は、複数の第1の懸吊装置に対して、第2のプラットホームの下方に設けられている。ここで、複数の第2の懸吊装置は、第1のプラットホーム、第2のプラットホーム、複数の第1の懸吊装置及び少なくとも1つの衝撃アセンブリを載置して、衝撃試験を行うっているところに、少なくとも1つの衝撃力による少なくとも1つの反作用力を吸収することができる。
【0017】
上述した目的、技術的特徴及びメリットをより分かりやすくするために、以下、添付の図面を参照しながら好ましい実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の衝撃試験装置の模式図である。
図2】本発明の衝撃試験装置の、第1のプラットホームが設けられていない模式図である。
図3】本発明の衝撃試験装置の、少なくとも1つの衝撃アセンブリの第1の実施例の模式図である。
図4】本発明の衝撃試験装置の、少なくとも1つの衝撃アセンブリの第1の実施例の模式図である。
図5】本発明の衝撃試験装置の、少なくとも1つの衝撃アセンブリの第2の実施例の模式図である。
図6】本発明の衝撃試験装置の、少なくとも1つの衝撃アセンブリと、少なくとも1つの被衝撃ブロックの設置模式図である。
図7】本発明の衝撃試験装置の、少なくとも1つの衝撃アセンブリと、少なくとも1つの被衝撃ブロックの設置模式図である。
図8】本発明の衝撃試験装置の被衝撃ブロックの模式図である。
図9】本発明の衝撃試験装置の第1の懸吊装置の模式図である。
図10】本発明の衝撃試験装置の第2の懸吊装置の模式図である。
図11】本発明の衝撃試験装置を筐体に設けた模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本発明の衝撃試験装置100は、被試験物(未図示)を載置して、被試験物に対して衝撃試験を行うことができる。ここで、衝撃試験装置100は、第1のプラットホーム110と、第2のプラットホーム120と、複数の第1の懸吊装置130と、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140と、複数の第2の懸吊装置150とを備える。
【0020】
以下、第1のプラットホーム110、第2のプラットホーム120、複数の第1の懸吊装置130、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140及び複数の第2の懸吊装置150等の素子間の設置関係だけを説明する。
【0021】
図1図2に示すように、第1のプラットホーム110は、被試験物を載置するためのものであり、また、複数の固定孔112によって、被試験物を安定的に第1のプラットホーム110に固定することができる。第2のプラットホーム120は、第1のプラットホーム110と平行であり、第1のプラットホーム110の下方に設けられている。複数の第1の懸吊装置130は、第1のプラットホーム110と第2のプラットホーム120の間に挟まれるように設けられており、下方から第1のプラットホーム110を支持する。少なくとも1つの衝撃アセンブリ140は、第1のプラットホーム110に向かうように第2のプラットホーム120に配置されて、信号を受信した後、少なくとも1つの衝撃力を生じて第1のプラットホーム110に衝撃を与えるものである。複数の第2の懸吊装置150は、複数の第1の懸吊装置130に対して、第2のプラットホーム120の下方に設けられている。
【0022】
前記の複数の第1の懸吊装置130は、好ましくは、第1のプラットホーム110の下方から第1のプラットホーム110を安定的に指示するために、それぞれが第2のプラットホーム120の周縁122に設けられた4つの第1の懸吊装置130を備える。
【0023】
一方、図2に示すように、本発明の衝撃試験装置100において、第2のプラットホーム120の両側(即ち、第1のプラットホーム110に対向する上側120aと上側120aに対する下側120b)のそれぞれは、複数の第1の懸吊装置130と複数の第2の懸吊装置150を設けるためのものである。従って、第2のプラットホーム120の下側120bに設けられた複数の第2の懸吊装置150は、第1のプラットホーム110、第2のプラットホーム120、複数の第1の懸吊装置130及び少なくとも1つの衝撃アセンブリ140等の素子を載置して、衝撃試験を行う時に、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の発生した少なくとも1つの衝撃力によって生じた少なくとも1つの反作用力を効果的に吸収して、この少なくとも1つの反作用力が外界環境に伝達されることを回避することに用いられる。
【0024】
図1図2に示す実施例において、少なくとも1つの衝撃アセンブリは、4つの衝撃アセンブリ140を有する複数の衝撃アセンブリである。なお、各衝撃アセンブリ140は、少なくとも1つの第1の衝撃ハンマー142と、第2の衝撃ハンマー144とを備える。好ましくは、図3に示す実施例において、少なくとも1つの第1の衝撃ハンマー142は、2つずつ対向して特定の角度で傾斜して第2のプラットホーム120に設けられている態様を有する4つの第1の衝撃ハンマー142であり、また、第2の衝撃ハンマー144は、この4つの第1の衝撃ハンマー142の間に設けられている。
【0025】
さらに詳しく説明すると、図3図4に示す少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の第1の実施例において、4つの第1の衝撃ハンマー142は、いずれも第2のプラットホーム120に対して特定の角度で傾斜するように第2のプラットホーム120に設けられており、2つずつ対向している態様を有する。この特定の角度で傾斜するように設けることは、第1の衝撃ハンマー142を角度アダプター146に固定することによって達成でき、本実施例において、この特定の角度は45°である。図3図4はいずれも少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の第1の実施例を示すためのものであり、その差異は、各第1の衝撃ハンマー142の間の空間設置関係をより明らかにするために、図4に角度アダプター146を省略したことのみにある。
【0026】
従って、4つの第1の衝撃ハンマー142が45°の角度で傾斜するように第2のプラットホーム120に設けられた時に、第2のプラットホーム120が第1のプラットホーム110と平行であるので、4つの第1の衝撃ハンマー142は同様に第1のプラットホーム110に対して45°で傾斜する衝撃角度を有する。4つの第1の衝撃ハンマー142は、信号を受信した後、この信号の内容に基づき、順に動作する又は同時に動作する指令によって、衝撃力を生じて45°の角度で傾斜するように直接に第1のプラットホーム110に衝撃を与えることができる。
【0027】
もちろん、前記の45°の傾斜角度以外に、4つの第1の衝撃ハンマー142は異なる試験要求に応じて、第2のプラットホーム120に対して他の角度で傾斜してもよい。すなわち、この傾斜角度についてはここで示したものに限定されない。
【0028】
図5に示す少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の第2の実施例において、衝撃アセンブリ140は、更に第2の衝撃ハンマー144を備えてよく、第2の衝撃ハンマー144は、第2のプラットホーム120に垂直であるように第2のプラットホーム120の上且つ4つの第1の衝撃ハンマー142の間に設けられ、4つの第1の衝撃ハンマー142に囲まれている。
【0029】
第2の衝撃ハンマー144を設けた場合に、第1のプラットホーム110に設けられた被試験物に垂直な衝撃力を加えようとする時、第2の衝撃ハンマー144に信号を供給して動作させるだけで衝撃力を生じ、直接に第1のプラットホーム110に垂直な衝撃を与えることができ、図3図4に示す少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の第1の実施例のように、信号を加えて4つの第1の衝撃ハンマー142を同時に動作させて、その合成力が垂直な方向になるように、第1のプラットホーム110に衝撃を与える必要がない。言い換えると、常に垂直衝撃試験を行う必要がある場合に、第2の衝撃ハンマー144が設置されると、電力を節約する目的を達成するために有利である。
【0030】
前記少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の第1の実施例及び第2の実施例以外に、当業者は、必要に応じて第1の衝撃ハンマー142及び/又は第2の衝撃ハンマー144の数量及び設置方向を変更して、任意の方向と力を有する衝撃合成力に組合せ、被試験物に多軸方向の衝撃力を提供して、各種の異なる衝撃試験要求を満足させるようにしてもよい。
【0031】
一方、前記図3図4図5に示す少なくとも1つの衝撃アセンブリ140の第1の実施例及び第2の実施例のいずれにおいても、第1の衝撃ハンマー142及び/又は第2の衝撃ハンマー144が直接に第1のプラットホーム110に衝撃を与える動作をするので、このような第1の衝撃ハンマー142が特定の角度で傾斜するように第1のプラットホーム110に衝撃を与えている過程では、第1の衝撃ハンマー142の生じた衝撃力の方向が第1のプラットホーム110と直交しないため、衝撃力が分散されて減衰する場合が多かれ少なかれ現れ、衝撃試験の結果に良くない影響を与えてしまう。
【0032】
前記衝撃力が分散されて減衰する場合を回避するために、図6図7に示すように、第1のプラットホーム110は、更に少なくとも1つの被衝撃ブロック114を備えることができる。少なくとも1つの被衝撃ブロック114は、第1のプラットホーム110の下方に設けられ、それぞれが各第1の衝撃ハンマー142及び/又は第2の衝撃ハンマー144と直交する表面114aを有し、各第1の衝撃ハンマー142及び/又は第2の衝撃ハンマー144が動作すると、生じた衝撃力の方向が被衝撃ブロック114と直交して第1のプラットホーム110に伝達され、損失がないように第1のプラットホーム110に衝撃を与えることができる。
【0033】
本発明の実施例において、被衝撃ブロック114の数量は衝撃アセンブリ140の数量に対応し、且つ図8に示すように、被衝撃ブロック114の形状は複数の被衝撃表面114aを有する多面体、例えば、斜角ブロックであることが好ましい。もちろん、これに限定されることなく、被衝撃ブロック114の形状は半球体又は立方体等であってもよく、被衝撃ブロック114はそれぞれが各第1の衝撃ハンマー142及び/又は第2の衝撃ハンマー144と直交する表面114aを有するという条件を満足できればよい。
【0034】
前記図1図2に示す実施例において、少なくとも1つの衝撃アセンブリが4つの衝撃アセンブリ140である態様以外に、経済性から考えれば、少なくとも1つの衝撃アセンブリは単一の衝撃アセンブリ140であり、同様に特定の角度で傾斜して設けられた4つの第1の衝撃ハンマー142と垂直に設けられた第2の衝撃ハンマー144とを備えるようにしてもよい。
【0035】
単一の衝撃アセンブリ140と第1のプラットホーム110及び第2のプラットホーム120との間の設置関係は複数の衝撃アセンブリ140の実施例の設置関係に類似するので、素子同士間の設置関係をここで詳しく述べない。同様に、前記第1の衝撃ハンマー142及び第2の衝撃ハンマー144の数量及び傾斜角度については、異なる試験要求に応じて調整してもよい。
【0036】
本発明では精確な衝撃試験データを得るという要求を満足させるために、前記第1の衝撃ハンマー142及び第2の衝撃ハンマー144としては周知のエアハンマーを使用することはできず、精確に衝撃の強度及び頻度を制御するために、電気信号によって動作する電磁ハンマーを使用する必要がある。
【0037】
また、第1のプラットホーム110において複数の固定孔112によって被試験物を固定する以外に、複数の固定孔112の代わりに複数の真空吸着孔を用いて被試験物を吸着させて、同様の固定効果を達成させるようにしてもよい。第1のプラットホーム110には、第1のプラットホーム110の下方に配置され、第1のプラットホーム110を第2のプラットホーム120に対して水平に回転駆動させ、試験人員が衝撃試験時に観察しやすくするために用いられる、回転機構116を更に備えてもよい。
【0038】
一方、図9に示すように、複数の第1の懸吊装置130は、頂部132と、頂部132に対する底部134と、頂部132と底部134の間の複数のコイル136とを備える。ここで、図1を共に参照し、頂部132と底部134はそれぞれ第1のプラットホーム110と第2のプラットホーム120に固定されてよく、複数のコイル136は第1のプラットホーム110と第1のプラットホーム110上に設けられた被試験物を支持することに用いられてよい。
【0039】
従って、図9に示すように、前記第1の懸吊装置130の複数のコイル136は鋼管又は鋼索で構成され、極めて大きな耐振動性を有するので、頂部132、底部134及び複数のコイル136からなる第1の懸吊装置130は特別な球状構造を形成しており、第1の懸吊装置130が被試験物を設けた第1のプラットホーム110を載置することに用いられる時に、衝撃試験を行っている過程で、第1のプラットホーム110が微量の変位変化のみを発生して、得られる衝撃試験データの精確性を増し、また、この衝撃試験データを用いて被試験物の衝撃応答スペクトルが作成される。
【0040】
図10に示すように、複数の第2の懸吊装置150は、衝撃試験を行っている過程で、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140が衝撃を与える時に生じた反作用力を効果的に吸収することによって、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140が動作する時に干渉される場合を低減して、得られる衝撃試験データの精確性を増す。そのために、第1のプラットホーム110、第2のプラットホーム120、複数の第1の懸吊装置130及び少なくとも1つの衝撃アセンブリ140を支持することに用いられる必要があるので、好ましくは、シリカゲル、ゴム、プラスチック、フォーム又は他の振動吸収効果を有する材質で構成されるシリカゲルベースであって、発生した衝撃が外部環境に伝達されることを回避する。
【0041】
図11に示すように、本発明の衝撃試験装置100は、外部環境との隔離効果を強化すると共に、携帯時の機動性を増加するために、第1のプラットホーム110、第2のプラットホーム120、複数の第1の懸吊装置130、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140及び複数の第2の懸吊装置150を収容するための筐体160を更に備えてよい。
【0042】
図1図2に示す実施例において、第1のプラットホーム110は円形プラットホームであり、第2のプラットホーム120は略矩形のプラットホームである。しかし、第1のプラットホーム110と第2のプラットホーム120の有する形状はこれに限定されるものではなく、当業者は容易に第1のプラットホーム110と第2のプラットホーム120の形状を変更してもよい。
【0043】
以上述べたように、本発明の衝撃試験装置100の備える少なくとも1つの衝撃アセンブリ140は、少なくとも第1の衝撃ハンマー142及び/又は第2の衝撃ハンマー144を備え、少なくとも第1の衝撃ハンマー142が第2のプラットホーム120に対して特定の角度で傾斜してよく、且つ第2の衝撃ハンマー144が第2のプラットホーム120に垂直であるので、少なくとも1つの第1の衝撃ハンマー142と第2の衝撃ハンマー144を組み合わせることによって、被試験物に多軸方向の衝撃力を提供して、各種の衝撃試験要求に応じることができる。
【0044】
一方、複数の第1の懸吊装置130を設けることもでき、これら複数の第1の懸吊装置130は被試験物が設けられた第1のプラットホーム110を支持することに用いられ、第1のプラットホーム110が衝撃試験を行っている過程で、微量の変位変化のみを発生するように制御して、得られた衝撃試験データの精確性を増し、またこの衝撃試験データを用いて被試験物の衝撃応答スペクトルが作成される。
【0045】
なお、複数の第2の懸吊装置150を設けることもでき、これら複数の第2の懸吊装置150は、衝撃試験を行っている過程で、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140が衝撃を与える時に生じた反作用力を効果的に吸収することによって、少なくとも1つの衝撃アセンブリ140がこの反作用力に干渉される場合を低減すると共に、発生した衝撃が外部環境に伝達されることを回避することができる。
【0046】
このように、本発明の衝撃試験装置100の有する複数の超小型高効率衝撃アセンブリ140によって、時間差がなく精確な動作力を同時に生じて、第1のプラットホーム110にある被試験物に正確に衝撃を与え被試験物の衝撃応答スペクトルを測定する。さらに被試験物が衝撃を受けた時の損壊の根源がどこにあるかを了解して、その衝撃応答スペクトルの結果に応じて、被試験物の信頼性を改善してその使用寿命を延長することができる。
【0047】
上述した実施例は、本発明の実施態様を例示し、本発明の技術的特徴を説明するだけのもので、本発明の技術的範囲を限定するためのものではない。当業者が容易に完成できる変更又は均等的な配置はすべて本発明の技術的範囲に含まれる。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に基づくべきである。
【符号の説明】
【0048】
100 衝撃試験装置
110 第1のプラットホーム
112 固定孔
114 被衝撃ブロック
114a 表面
116 回転機構
120 第2のプラットホーム
120a 上側
120b 下側
122 周縁
130 第1の懸吊装置
132 頂部
134 底部
136 コイル
140 衝撃アセンブリ
142 第1の衝撃ハンマー
144 第2の衝撃ハンマー
146 角度アダプター
150 第2の懸吊装置
160 筐体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11