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特開2015-43114決済端末、決済システム、決済方法、決済端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-43114(P2015-43114A)
(43)【公開日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】決済端末、決済システム、決済方法、決済端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20150206BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20150206BHJP
   G06Q 20/14 20120101ALI20150206BHJP
【FI】
   G06Q20/40 100
   G06Q20/32
   G06Q20/14
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-174046(P2013-174046)
(22)【出願日】2013年8月25日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
(57)【要約】
【課題】着信した電話番号によって端末を認証し、代理で決済を行い、または行わせる。
【解決手段】決済端末150は、通話機能を備えた通信端末10から通話を着信し、その発信者番号によって決済情報データベース160から決済情報を抽出することで、当該発信者番号と関連付けて記憶されている決済情報を用いて、決済端末150が通信端末10の代わりに決済を行い、又は通信端末10が決済端末150の代わりに決済を行うことが可能となる
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末であって、
前記通信端末から着信した通話を開始する通話機能と、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する決済情報抽出手段と、
を備えることを特徴とする決済端末。
【請求項2】
前記通信端末から、決済に係る請求情報を受信する請求情報受信手段と、
前記抽出した決済情報を用いて前記受信した請求情報に係る請求を決済する決済実行手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の決済端末。
【請求項3】
前記通信端末に対して、前記抽出した決済情報を送信することで、当該通信端末に当該決済情報を用いて決済を実行させることを可能にする決済情報使用許可手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の決済端末。
【請求項4】
通話機能を備えた通信端末と、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備える決済端末とが通信可能に接続された決済システムであって、
前記通信端末は、
前記決済端末に通話を発信する発信手段と、
前記発信中、又は前記通話中の少なくともいずれかにおいて、前記通信端末の発信者番号を前記決済端末に送信する発信者番号送信手段と、
前記決済端末に請求情報を送信する請求情報送信手段と、
を備え、
前記決済端末は、
前記通信端末から着信した通話を開始する通話機能と、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する決済情報抽出手段と、
前記通信端末から、決済に係る請求情報を受信する請求情報受信手段と、
前記抽出した決済情報を用いて前記受信した請求情報に係る請求を決済する決済実行手段と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項5】
通話機能を備えた通信端末と、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備える決済端末とが通信可能に接続された決済システムであって、
前記通信端末は、
前記決済端末に通話を発信する発信手段と、
前記発信中、又は前記通話中の少なくともいずれかにおいて、前記通信端末の発信者番号を前記決済端末に送信する発信者番号送信手段と、
前記決済端末から決済情報を受信する決済情報受信手段と、
前記受信した決済情報を用いて、決済を行う決済手段と、
を備え、
前記決済端末は、
前記通信端末から着信した通話を開始する通話機能と、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する決済情報抽出手段と、
前記通信端末に対して、前記抽出した決済情報を送信することで、当該通信端末に当該決済情報を用いて決済を実行させることを可能にする決済情報使用許可手段と、
を備えることを特徴とする決済システム。
【請求項6】
発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末が実行する決済方法であって、
前記通信端末から着信した通話を開始するステップと、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得するステップと、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出するステップと、
を備えることを特徴とする決済方法。
【請求項7】
発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末に、
前記通信端末から着信した通話を開始するステップ、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得するステップ、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出するステップ、
を実行させることを特徴とする決済端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信した通話の発信者番号によって認証を行う決済端末、決済システム、決済方法、及び決済端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、情報端末の普及とセキュリティ技術の発達により、公衆回線網を介した遠距離での商取引、いわゆるEコマースにおいて、オンライン決済が広く利用されている。オンライン決済は主としてクレジットカード情報や、電子マネーの口座情報を用いることで、公衆回線網を通じて商品やサービス等の代金の支払いを行うものである。
【0004】
しかしながら、オンライン決済において利用可能な決済手段が端末に対応していない場合や、接続が不安定であるといった理由によって、消費者の情報端末から、直接オンライン決済を行うことが不可能である場合がある。
【0005】
このような課題に対して、様々な形態の決済処理をユーザに代わって代行処理することができるオンライン決済システム及び決済代理サーバが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−283130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、サービス提供者毎に異なる各種決済手段を保有し、ユーザの購入先である当該サービス提供者に応じた決済手段によって、ユーザに代わって前記代金の決済処理を代行する決済代理サーバを用いて、前記ユーザは前記決済代理サーバが代行して決済処理する代金を、予め該ユーザと決済代理サーバとの間で設定した決済手段によって、該ユーザと決済代理サーバ間で決済処理を行う方法が開示されている。
【0008】
しかしながらこの方法では、通信の不調や規制等で、ユーザ端末自体が決済代理サーバとの間でいずれの決済手段を発揮出来ないときには、結果的に目的の決済も行うことができないという問題がある。
【0009】
そこで本発明の発明者は、通話機能を備えた通信端末から決済端末に通話を発信し、その発信者番号を用いて決済端末において認証を行うことで、当該発信者番号と関連付けて記憶されている決済情報を用いて、決済端末が通信端末の代わりに決済を行ったり、通信端末が決済端末の代わりに決済を行ったりすることが可能であることに着目した。
【0010】
本発明は、これらの課題に鑑み、通話機能を備えた通信端末から通話を着信し、その発信者番号によって決済情報データベースから決済情報を抽出することで、当該発信者番号と関連付けて記憶されている決済情報を用いて、決済端末が通信端末の代わりに決済を行い、又は通信端末が決済端末の代わりに決済を行うことを可能とする決済システム、決済端末、決済方法、及び決済端末用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末であって、
前記通信端末から着信した通話を開始する通話機能と、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する決済情報抽出手段と、
を備えることを特徴とする決済端末を提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末は、前記通信端末から着信した通話を開始し、前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得し、前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する。
【0014】
第1の特徴に係る発明は、決済端末のカテゴリであるが、決済方法、及び決済端末用プログラムであっても、カテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0015】
第2の特徴に係る発明は、前記通信端末から、決済に係る請求情報を受信する請求情報受信手段と、
前記抽出した決済情報を用いて前記受信した請求情報に係る請求を決済する決済実行手段と、
を備えることを特徴とする第1の特徴に係る発明である決済端末を提供する。
【0016】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である決済端末は、前記通信端末から、決済に係る請求情報を受信し、前記抽出した決済情報を用いて前記受信した請求情報に係る請求を決済する。
【0017】
第3の特徴に係る発明は、前記通信端末に対して、前記抽出した決済情報を送信することで、当該通信端末に当該決済情報を用いて決済を実行させることを可能にする決済情報使用許可手段と、
を備えることを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明である決済端末を提供する。
【0018】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明である決済端末は、前記通信端末に対して、前記抽出した決済情報を送信することで、当該通信端末に当該決済情報を用いて決済を実行させることを可能にする。
【0019】
第4の特徴に係る発明は、通話機能を備えた通信端末と、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備える決済端末とが通信可能に接続された決済システムであって、
前記通信端末は、
前記決済端末に通話を発信する発信手段と、
前記発信中、又は前記通話中の少なくともいずれかにおいて、前記通信端末の発信者番号を前記決済端末に送信する発信者番号送信手段と、
前記決済端末に請求情報を送信する請求情報送信手段と、
を備え、
前記決済端末は、
前記通信端末から着信した通話を開始する通話機能と、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する決済情報抽出手段と、
前記通信端末から、決済に係る請求情報を受信する請求情報受信手段と、
前記抽出した決済情報を用いて前記受信した請求情報に係る請求を決済する決済実行手段と、
を備えることを特徴とする決済システムを提供する。
【0020】
第4の特徴に係る発明によれば、通話機能を備えた通信端末と、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備える決済端末とが通信可能に接続された決済システムにおいて、前記通信端末は、前記決済端末に通話を発信し、前記発信中、又は前記通話中の少なくともいずれかにおいて、前記通信端末の発信者番号を前記決済端末に送信し、前記決済端末に請求情報を送信する。また、前記決済端末は、前記通信端末から着信した通話を開始し、前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得し、前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出し、前記通信端末から、決済に係る請求情報を受信し、前記抽出した決済情報を用いて前記受信した請求情報に係る請求を決済する。
【0021】
第5の特徴に係る発明は、通話機能を備えた通信端末と、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備える決済端末とが通信可能に接続された決済システムであって、
前記通信端末は、
前記決済端末に通話を発信する発信手段と、
前記発信中、又は前記通話中の少なくともいずれかにおいて、前記通信端末の発信者番号を前記決済端末に送信する発信者番号送信手段と、
前記決済端末から決済情報を受信する決済情報受信手段と、
前記受信した決済情報を用いて、決済を行う決済手段と、
を備え、
前記決済端末は、
前記通信端末から着信した通話を開始する通話機能と、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する決済情報抽出手段と、
前記通信端末に対して、前記抽出した決済情報を送信することで、当該通信端末に当該決済情報を用いて決済を実行させることを可能にする決済情報使用許可手段と、
を備えることを特徴とする決済システムを提供する。
【0022】
第5の特徴に係る発明によれば、通話機能を備えた通信端末と、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備える決済端末とが通信可能に接続された決済システムにおいて、前記通信端末は、前記決済端末に通話を発信し、前記発信中、又は前記通話中の少なくともいずれかにおいて、前記通信端末の発信者番号を前記決済端末に送信し、前記決済端末から決済情報を受信し、前記受信した決済情報を用いて、決済を行う。また、前記決済端末は、前記通信端末から着信した通話を開始し、前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得し、前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出し、前記通信端末に対して、前記抽出した決済情報を送信することで、当該通信端末に当該決済情報を用いて決済を実行させることを可能にする。
【0023】
第6の特徴に係る発明は、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末が実行する決済方法であって、
前記通信端末から着信した通話を開始するステップと、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得するステップと、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出するステップと、
を備えることを特徴とする決済方法を提供する。
【0024】
第7の特徴に係る発明は、発信者番号と決済情報とを関連付けて記憶させた決済情報データベースを記憶部に備え、一以上の通話機能を備えた通信端末と通信可能に接続された決済端末に、
前記通信端末から着信した通話を開始するステップ、
前記着信した通話に係る前記通信端末の発信者番号を取得するステップ、
前記決済情報データベースから、前記取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出するステップ、
を実行させることを特徴とする決済端末用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通話機能を備えた通信端末から通話を着信し、その発信者番号によって決済情報データベースから決済情報を抽出することで、当該発信者番号と関連付けて記憶されている決済情報を用いて、決済端末が通信端末の代わりに決済を行い、又は通信端末が決済端末の代わりに決済を行うことを可能とする決済システム、決済端末、決済方法、及び決済端末用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の好適な実施形態である決済システム1の概要図である。
図2図2は、本発明の好適な実施形態である決済システム2の概要図である。
図3図3は、決済システム1及び2の全体構成図である。
図4図4は、通信端末10、決済端末150、及び決済サーバ200の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図5図5は、通信端末10、決済端末150、及び決済サーバ200が実行する決済代行処理のフローチャート図である。
図6図6は、通信端末10、決済端末150、及び決済サーバ200が実行する決済情報の使用許可処理のフローチャート図である。
図7図7は、決済代行処理を実行中の決済端末150の画面の一例である。
図8図8は、決済情報の使用許可処理を実行中の決済端末150の画面の一例である。
図9図9は、決済情報データベース160内の決済情報テーブルの一例である。
図10図10は、決済情報データベース160内の決済情報使用許可テーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0028】
[決済システムの概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である決済システム1の概要を説明するための図である。また、図2は、本発明の好適な実施形態である決済システム2の概要を説明するための図である。この図1及び図2に基づいて、決済システム1及び決済システム2の概要を説明する。
【0029】
決済システム1は、通信端末10と、決済端末150と、決済サーバ200によって構成される。決済システム1において、通信端末10は、公衆回線網5との接続が不調であったり、通信端末10がファイアーウォール等によりアクセス規制されていたりといった原因により、決済サーバ200と通信可能に接続されていないものとする。
【0030】
初めに、決済サーバ200から、通信端末10に対して請求情報が送信される(ステップS01)。なお、請求情報は公衆回線網5を介して送信されていなくてもよい。一例として、通信端末10によってオンライン決済も可能であるバーコード付きの請求書が、郵送によって送られてよい。
【0031】
次に通信端末10は、決済端末150を利用するため、電話通信網3を利用して、決済端末150に対して通話を発信する(ステップS02)。ここにおいて、通話は電話通信網3のみならず、公衆回線網5やローカルネットワークを介して発信されてもよい。
【0032】
通話を着信した決済端末150は、通話を開始するとともに、通信端末10から発信者番号を取得する。電話通信網3を利用する場合には、発信者番号は通信端末10のいわゆる電話番号であるが、公衆回線網5を利用する場合には、特定のアプリケーションやウェブサービスにおけるアカウント名等のユーザを特定する識別子であってよく、数字のみで構成されていなくてもよい。
【0033】
発信者番号を取得した決済端末150は、決済情報データベース160から、取得した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する。本実施例の場合、当該決済情報は事前に決済端末150に登録した通信端末10の持ち主自身の決済情報である場合が多い。
【0034】
最後に、決済端末150は、抽出した決済情報を用いて、決済サーバ200に対して決済の手続きを行う(ステップS03)。このとき決済端末150は、必要であれば通信端末10から請求情報を受信する。受信の方法としては、公衆回線網5を用いるほか、請求番号等を番号キーによって打ち込み、又は通話音声によって送信してもよい。
【0035】
なお、図1において決済端末150はコールセンターであるかのように描かれているが、必ずしもその必要はなく、通信端末10の持ち主自身か又は異なる人物である個人が所有していてよい。以上が決済システム1の概要である。
【0036】
同様に、図2に基づいて決済システム2について説明する。決済システム2は、決済システム1と同様に通信端末10と、決済端末150と、決済サーバ200によって構成される。決済システム2において、通信端末10は、決済サーバ200と通信可能に接続されているものの、決済に必要な決済情報が利用できないものとする。
【0037】
初めに、決済システム1と同様、請求情報が決済サーバ200から通信端末10に送信される(ステップS11)。続いて、通信端末10が決済端末150に電話通信網3を介して通話を発信する(ステップS12)。更に決済端末150が発信者番号を取得し、決済情報を抽出するところまで、決済システム1と同様の処理を行う。
【0038】
その後、決済端末150は、抽出した決済情報を通信端末10に送信する(ステップS13)ことによって、決済情報を通信端末10において利用可能な状態にする。
【0039】
最後に、決済情報を受信した通信端末10は、受信した決済情報を用いて、決済サーバ200に対して決済の手続きを行う(ステップS14)。運用上、通信端末10の持ち主と決済情報の名義人は異なる場合がある。この時、記憶されている決済情報は、その利用を許可する相手の番号と、関連付けて記憶されている。
【0040】
以上が決済システム2の概要である。なお、上記の決済情報はクレジットカード番号のみならず、電子マネーの口座や、オンラインバンクの振込実行権限のパスワード等、決済を行うために必要な情報であってよい。
【0041】
[決済システムのシステム構成]
図3は、決済システム1、及び決済システム2の全体構成図である。決済システム1、及び決済システム2において、通信端末10と、決済端末150は、電話通信網3によって通話が可能に接続されている。また、決済サーバ200と、通信端末10、及び決済端末150は、公衆回線網5を介してそれぞれ通信可能に接続されている。ただし、決済システムの構成によっては、いずれか一方が決済サーバ200と通信可能でない状態にある場合もある。
【0042】
決済端末150は、通信部と記憶部を備えた一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器である。決済端末150は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤといった携帯型端末であってもよいし、パーソナルコンピュータといった据え置き型の端末であってもよい。
【0043】
通信端末10は、通話機能を備えた一般的な端末であってよい。一例として携帯電話やスマートフォンが挙げられるが、家庭用電話機のように、必ずしも情報家電である必要はなく、通話機能を備えていればよい。
【0044】
決済サーバ200は、オンライン決済サービスを提供する一般的なサーバである。
【0045】
[各機能の説明]
図4は、通信端末10、決済端末150、決済サーバ200の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0046】
通信端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。
【0047】
通信端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、発信モジュール14、発信者番号送信モジュール15、請求情報送信モジュール16、決済情報受信モジュール17、決済実行モジュール18を実現する。
【0048】
決済端末150は、同様に、制御部151として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部152として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。また、決済端末150は記憶部153として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。記憶部153には、決済情報データベース160が記憶されている。
【0049】
決済端末150において、制御部151が所定のプログラムを読み込むことで、通信部152と協働して、通話モジュール154、発信者番号取得モジュール155、請求情報受信モジュール156、決済実行モジュール157、決済情報使用許可モジュール158を実現する。また、決済端末150において、制御部151が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部153と協働して、決済情報抽出モジュール159を実現する。
【0050】
決済サーバ200は、同様に、制御部151として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部152として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。
【0051】
決済サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、請求情報送信モジュール203、決済手続モジュール204を実現する。
【0052】
[決済代行処理]
図5は、通信端末10、決済端末150、決済サーバ200が実行する決済代行処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0053】
初めに、通信端末10の発信モジュール14は、決済端末150に対して通話を発信する(ステップS21)。決済端末150の通話モジュール154はこれを着信し、通話を開始する(ステップS22)。通常、この通話は電話通信網3を利用するものと考えられるが、IP電話を利用する場合等、公衆回線網5を介して発信されてもよい。
【0054】
次に、通信端末10の発信者番号送信モジュール15は、決済端末150に対して発信者番号を送信する(ステップS23)。決済端末150の発信者番号取得モジュール155は、これを受信する(ステップS24)。なお、電話通信網3を利用する場合には、発信者番号は通信端末10の電話番号である。また、特定のアプリケーションやウェブサービスによって通話を発信している場合には、発信者番号はその通話サービスのアカウント名等のユーザを特定する識別子であってよく、数字のみで構成されていなくてよい。
【0055】
次に、決済端末150の決済情報抽出モジュール159は、決済情報データベース160内の決済情報テーブルから、受信した発信者番号と関連付けて記憶された決済情報を抽出する(ステップS25)。
【0056】
図9は、決済情報データベース160内の決済情報テーブルの一例である。決済情報テーブルにおいて、発信者番号と、発信者ユーザ名と、決済情報種別と、決済情報とが関連付けて記憶されている。発信者の通信端末が発信者番号によって決済端末150に認証されることで、当該発信者は決済端末150を介して決済を行うことが可能になる。なお、一つの発信者番号が複数の決済情報に関連付けられている際には、通信端末10又は決済端末150によって、一の決済情報を選択してもよい。
【0057】
次に、通信端末10の請求情報送信モジュール16は、決済端末150に対して請求情報を送信する(ステップS26)。そして、決済端末150の請求情報受信モジュール156は請求情報を受信する(ステップS27)。ここで、請求情報は、決済サーバ200の請求情報送信モジュール203によって通信端末10に送信されたものであってもよいし、郵送を初めとする別の手段によって送信されたものであってもよい。
【0058】
このとき、決済端末150が通信端末10から受信する請求情報は、請求番号といった単なる参照番号であって、具体的な請求内容は決済サーバ200に問い合わせてよい。また、請求情報の送受信の方法としては、公衆回線網5を用いてよいし、通信端末10から請求番号を番号キーによって打ち込み、又は通話音声によって送信してもよい。
【0059】
図7は、決済代行処理を実行中の決済端末150の画面の一例である。通信端末10との通話における相手方の名称71と、発信者番号72が画面上に表示されている。また、受信した請求情報73が示され。発信者番号72を用いて抽出された決済情報を用いて決済する旨74が表示される。この例では、決済情報の名義人は通信端末10の持ち主である。決済ボタン75を押すことで、決済サーバ200に対する決済の実行が開始される。
【0060】
決済端末150の決済実行モジュール157は、抽出した決済情報を用いて、決済サーバ200に対して決済処理を実行する(ステップS28)。決済サーバ200の決済手続モジュール204はこれを受け、決済の手続を実行する(ステップS29)。これらの処理は、通常のオンライン決済と同様である。
【0061】
以上が、決済代行処理の手順である。
【0062】
[決済情報の使用許可処理]
図6は、通信端末10、決済端末150、決済サーバ200が実行する決済情報の使用許可処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0063】
ここで、決済情報の使用許可処理の一部は、決済代行処理と共通している。そのため、共通部分の処理については、詳細な説明を割愛して記載する。
【0064】
はじめに、通信端末10の発信モジュール14は、決済端末150に対して通話を発信し(ステップS31)、決済端末150の通話モジュール154がその通話を着信し、開始する(ステップS32)。続けて、通信端末10の発信者番号送信モジュール15が通信端末10の発信者番号を送信し(ステップS33)、決済端末150の発信者番号取得モジュール155がそれを受信する(ステップS34)。
【0065】
次に、決済端末150の決済情報抽出モジュール159が、決済情報データベース160内の決済情報使用許可テーブルから、取得した発信者番号と関連付けられて記憶されている決済情報を抽出する(ステップS35)。
【0066】
図10は、決済情報データベース160内の決済情報使用許可テーブルの一例である。決済情報使用許可テーブルには、発信者番号と、発信者ユーザ名と、決済情報の名義人、決済情報種別、及び決済情報が関連付けて記憶されている。なお、決済情報テーブルにおいて、名義人の列を加え、発信者ユーザ名を記載することで決済情報使用許可テーブルとテーブル構造が一致するので、二つのテーブルを分割せずに扱うことも可能である。
【0067】
本実施例において、決済情報使用許可テーブルでは、名義人と発信者ユーザ名は異なっている。すなわち、発信者の通信端末が発信者番号によって決済端末150に認証されると、当該発信者とは異なる名義人の決済情報を利用可能になる。なお、実装の形態によって、通信端末10は決済端末150の通信を仲介するに過ぎず、決済処理の主体は発信者でなく決済情報の名義人とすることも可能であることに注意する。
【0068】
決済端末150の決済情報使用許可モジュール158は、抽出した決済情報を通信端末10に送信する(ステップS36)。通信端末10の決済情報受信モジュール17は、これを受信する(ステップS37)。このとき、決済情報使用許可モジュール158は決済に必要な情報を不足なく通信端末10に送信することで、通信端末10が当該決済情報を用いて決済を行えるようにする。
【0069】
図8は、決済情報の使用許可処理を実行中の決済端末150の画面の一例である。通信端末10との通話における相手方の名称81と、発信者番号82が表示され、発信者番号と関連付けて記憶された決済情報の名義83が表示されている。この例では、通信端末10の持ち主とは別人である「Mary」の決済情報を、電話番号で認証した通信端末10、すなわち「John」の端末において使用する許可を出すかが問われている。許可ボタン84を押すと、決済情報が通信端末10に送信されることで、決済情報の使用の許可がなされる。
【0070】
最後に、通信端末10の決済実行モジュール18は、受信した決済情報を用いて、決済を実行する(ステップS38)。決済サーバ200はこれを受け、決済の手続を実行する(ステップS39)。
【0071】
以上が、決済情報の使用許可処理の手順である。
【0072】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0074】
1 決済システム、2 決済システム、3 電話通信網、5 ネットワーク、10 通信端末、150 決済端末、160 決済情報データベース、200 決済サーバ
図1
図2
図3
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図6
図7
図8
図9
図10