特開2015-43120(P2015-43120A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-43120画面共有端末、画面共有方法、画面共有端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-43120(P2015-43120A)
(43)【公開日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】画面共有端末、画面共有方法、画面共有端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150206BHJP
   G06F 3/153 20060101ALI20150206BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20150206BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
   G06F3/153 330A
   H04N21/431
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-174111(P2013-174111)
(22)【出願日】2013年8月26日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5B069
5B084
5C164
【Fターム(参考)】
5B069KA02
5B069LA03
5B069LA07
5B084AA02
5B084AA12
5B084BB11
5B084CB09
5C164TA06S
5C164UA04S
5C164UA32S
5C164UA42S
5C164UB41S
5C164UB83P
5C164UD63S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】画面共有において、共有が不要なタイミングや領域を判断して、データ転送を効率化する。
【解決手段】画面共有端末50は、通信端末10と画面共有を行うに際して、画面の単位時間、単位面積あたりの変化量を算出し、共有が不要なタイミングや画面領域を特定する。画面共有端末50は、そのタイミングやその領域においては画面データや画面の差分データの送信を中止することで、画面共有を効率化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末であって、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得する画面データ取得手段と、
前記取得した画面データを前記通信端末に送信する画面共有手段と、
前記画面データを取得した際、取得した当該画面データを、直近の取得に係る画面データ、又は直近に送信した画面データと比較して変化があった領域を検出する画面変化検出手段と、
前記変化を検出した領域が、所定の範囲より大きい場合には、前記送信を中止する画面共有効率化手段と、
を備えることを特徴とした画面共有端末。
【請求項2】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末であって、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得する画面データ取得手段と、
前記取得した画面データを前記通信端末に送信する画面共有手段と、
前記画面データを取得した際、取得した当該画面データと、直近の取得に係る画面データ、又は直近に送信した画面データとの差分データを作成する差分データ作成手段と、
前記作成した差分データを前記通信端末に送信する画面差分共有手段と、
前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出する画面変化量算出手段と、
前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止する画面差分共有効率化手段と、
を備えることを特徴とした画面共有端末。
【請求項3】
前記単位時間あたりの差分データ容量を、所定の領域ごとに計算する領域変化量算出手段と、
前記算出した画面変化量が所定の値を越えている領域については、前記差分データの送信を中止する画面差分共有領域効率化手段と、
を備えることを特徴とした請求項2に記載の画面共有端末。
【請求項4】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末が実行する画面共有方法であって、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得するステップと、
前記取得した二以上の画面データの差分データを作成するステップと、
前記作成した差分データを前記通信端末に送信するステップと、
前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出するステップと、
前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止するステップと、
を備えることを特徴とした画面共有方法。
【請求項5】
一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末に、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得するステップ、
前記取得した二以上の画面データの差分データを作成するステップ、
前記作成した差分データを前記通信端末に送信するステップ、
前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出するステップ、
前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止するステップ、
を実行させることを特徴とした画面共有端末用プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率的に画面共有を行う画面共有端末、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用や業務用の電化製品においては、機能の高度化、複雑化が進み、ユーザが搭載されている全ての機能を熟知するには、時間がかかることが多い。例えば、ユーザが所望する機能が電化製品に搭載されていても、機能を呼び出す方法が分からなかったり、適切でない設定を行ってしまったりすることで、ユーザがその機能を活用することができないといった問題が生じている。
【0003】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザを指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【特許文献2】特開2011−034315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、リモートサポートを行う端末から、サポートを受けるユーザ端末にリモートログイン等をして、リアルタイムで画面共有をすることで、リモート操作を行うことが知られている。すなわち、オペレータ端末に、ユーザ端末に表示されている画面を、逐次、転送して表示するとともに、オペレータ端末を操作すると、あたかも、ユーザ端末を操作しているかのように、入力操作(リモート操作)を行うことが可能となる。さらに、特許文献2では、携帯電話機を利用して、リモートサポートを行う方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、このような画面の転送や共有は通信に要するデータ量が多く、携帯端末が利用する回線では十分な速度が出ず、遅延が発生してしまうという問題があった。
【0007】
そこで本発明の発明者は、画面を静止画像データの連続とみなし、その変化量に注目する事で、共有の要不要を判断し、不要なデータ転送を抑制することによる画面共有の効率化を図った。また、そのような効率化を行う手法が領域ごとに適用できる点に着目した。
【0008】
本発明は、これらの課題に鑑み、画面共有を行うに際して、画面の単位時間、単位面積あたりの変化量を算出し、共有が不要な画面領域を特定することで、画面共有を効率化する画面共有端末、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末であって、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得する画面データ取得手段と、
前記取得した画面データを前記通信端末に送信する画面共有手段と、
前記画面データを取得した際、取得した当該画面データを、直近の取得に係る画面データ、又は直近に送信した画面データと比較して変化があった領域を検出する画面変化検出手段と、
前記変化を検出した領域が、所定の範囲より大きい場合には、前記送信を中止する画面共有効率化手段と、
を備えることを特徴とした画面共有端末を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末は、前記表示部に表示された内容を画面データとして取得し、前記取得した画面データを前記通信端末に送信し、前記画面データを取得した際、取得した当該画面データを、直近の取得に係る画面データ、又は直近に送信した画面データと比較して変化があった領域を検出し、前記変化を検出した領域が、所定の範囲より大きい場合には、前記送信を中止する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、画面共有端末のカテゴリであるが、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムであっても、カテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末であって、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得する画面データ取得手段と、
前記取得した画面データを前記通信端末に送信する画面共有手段と、
前記画面データを取得した際、取得した当該画面データと、直近の取得に係る画面データ、又は直近に送信した画面データとの差分データを作成する差分データ作成手段と、
前記作成した差分データを前記通信端末に送信する画面差分共有手段と、
前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出する画面変化量算出手段と、
前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止する画面差分共有効率化手段と、
を備えることを特徴とした画面共有端末を提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末は、前記表示部に表示された内容を画面データとして取得し前記取得した画面データを前記通信端末に送信し、前記画面データを取得した際、取得した当該画面データと、直近の取得に係る画面データ、又は直近に送信した画面データとの差分データを作成し、前記作成した差分データを前記通信端末に送信し、前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出し、前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止する。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、前記単位時間あたりの差分データ容量を、所定の領域ごとに計算する領域変化量算出手段と、
前記算出した画面変化量が所定の値を越えている領域については、前記差分データの送信を中止する画面差分共有領域効率化手段と、
を備えることを特徴とした第2の特徴に係る発明である画面共有端末を提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第2の特徴に係る発明である画面共有端末は、前記単位時間あたりの差分データ容量を、所定の領域ごとに計算し、前記算出した画面変化量が所定の値を越えている領域については、前記差分データの送信を中止する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末が実行する画面共有方法であって、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得するステップと、
前記取得した二以上の画面データの差分データを作成するステップと、
前記作成した差分データを前記通信端末に送信するステップと、
前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出するステップと、
前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止するステップと、
を備えることを特徴とした画面共有方法を提供する。
【0018】
第5の特徴に係る発明は、一以上の通信端末と通信可能に接続され、表示部を備えた画面共有端末に、
前記表示部に表示された内容を画面データとして取得するステップ、
前記取得した二以上の画面データの差分データを作成するステップ、
前記作成した差分データを前記通信端末に送信するステップ、
前記作成した差分データの容量を、当該差分データに係る前記二件の画面データを取得した時刻の差で除した、単位時間あたりの差分データ容量を算出するステップ、
前記算出した単位時間あたりの差分データ容量が所定の値を越えている場合には、前記差分データの送信を中止するステップ、
を実行させることを特徴とした画面共有端末用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画面共有を行うに際して、画面の単位時間、単位面積あたりの変化量を算出し、共有が不要な画面領域を特定することで、画面共有を効率化する画面共有端末、画面共有方法、及び画面共有端末用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の好適な実施形態である画面共有システム1の概要図である。
図2図2は、画面共有システム1の全体構成図である。
図3図3は、通信端末10、画面共有端末50、及び画面共有サーバ200の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図4図4は、通信端末10、画面共有端末50が実行する画面共有効率化処理のフローチャート図である。
図5図5は、通信端末10、画面共有端末50が実行する画面共有領域効率化処理のフローチャート図である。
図6図6は、画面共有端末50が画面共有中にカメラ機能を発揮している際の表示部の一例である。
図7図7は、画面共有中の通信端末10の表示部の一例である。
図8図8は、領域ごとの差分データの変化量をグラフ上に図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0022】
[画面共有システム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である画面共有システム1の概要を説明するための図である。この図1に基づいて、画面共有システム1の概要を説明する。
【0023】
画面共有システム1は、通信端末10と、画面共有端末50によって構成される。通信端末10と、画面共有端末50は、リモートサポートを行う等の理由で画面が共有されている状態にある。
【0024】
すなわち、画面共有端末50の表示部に表示される画面は、画面データとして取得され、通信端末10に送信され、通信端末10の表示部に表示されている。(ステップS01)。なお、この画面データは、画像品質を下げても転送速度を向上させるため、可逆性を持たずに圧縮されてよい。
【0025】
その後、画面共有端末50の表示部に表示される画面は変化する(ステップS02)。特に、動画を再生したり、カメラ機能を起動したりした場合には、短時間で表示内容が大幅に変化すると考えられる。画面共有端末50は、単位時間あたりに変化した画面上の領域を検出し、それが所定の領域より広範に渡る場合には、共有が不要だと判断して、画面共有を一時的に中止する(ステップS03)。
【0026】
その後、再び画面共有端末50の表示部に表示される画面は変化する(ステップS04)。そして、画面共有端末50は取得した画面データを、直近に取得した画面データ、又は直近に送信した画面データと比較する。図1に示す例では、最新の画面データは、直近に送信した画面データから変化した領域が少ない事が分かる。
【0027】
そこで、画面共有端末50は、最新の画面データを通信端末10に送信する(ステップS05)。なお、画面データは画面全体のデータではなく、直近に送信した画面データとの差分データを作成して、その差分データを送信してもよい。図1においては、画面データ全体を送らずとも、「吹き出し」が「雲形模様」に変化したことを示すデータを送信すれば足りる。
【0028】
画面データを画像で表す場合、ピクセルの持つ色情報を並べて表すことが多い。一般に画面に連続性がある場合、差分データは画面の一部のみになる場合が多く、画面全体のデータよりデータ量が小さくなる場合が多い。例えば、MPEG4フォーマットでは、差分データを利用することで動画の容量を圧縮している。
【0029】
一方、裏を返せば、この差分データのデータ量や画面に占める範囲が大きいときは、画面の連続性が低いといえる。本発明は、このように画面の連続性が低い間や、低い領域の画面共有を省略する事で、転送データ量を抑えることを特徴とする。以上が、画面共有システム1の概要である。
【0030】
[画面共有システムのシステム構成]
図2は、画面共有システム1の全体構成図である。画面共有システム1において、通信端末10と、画面共有端末50は、公衆回線網5を介して通信可能に接続されている。
【0031】
画面共有端末50は、通信部と表示部を備えた一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器である。画面共有端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤといった携帯型端末であってもよいし、パーソナルコンピュータといった据え置き型の端末であってもよい。
【0032】
通信端末10は、同様に通信部と表示部を備えた一般的な端末であってよい。
【0033】
[各機能の説明]
図3は、通信端末10、画面共有端末50の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0034】
通信端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。
【0035】
さらに、通信端末10は、表示部13として、制御部で制御したデータや画像、音声を出力表示する出力部を備える。
【0036】
通信端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、画面データ受信モジュール14、差分データ受信モジュール15を実現する。また、通信端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、表示部13と協働して、画面更新モジュール16を実現する。
【0037】
画面共有端末50は、同様に、制御部51として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部52として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。また、画面共有端末50は表示部53として、制御部で制御したデータや画像、音声を出力表示する出力部を備える。
【0038】
画面共有端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52と協働して、画面共有モジュール54、画面変化検出モジュール55、画面共有効率化モジュール56、画面差分共有モジュール57、画面変化量算出モジュール58、画面差分共有効率化モジュール59、領域変化量算出モジュール60、画面差分共有領域効率化モジュール61を実現する。また、画面共有端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、表示部53と協働して、画面データ取得モジュール62、差分データ作成モジュール63を実現する。
【0039】
[画面共有効率化処理]
図5は、通信端末10、画面共有端末50が実行する画面共有効率化処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0040】
初めに、画面共有端末50の画面データ取得モジュール62は、画面共有端末50の表示部に表示されている画面をデータとして取得する(ステップS11)。そして、画面変化検出モジュール55が、それより以前の直近に取得した画面データ、または通信端末10に送信した画面データと、取得した画面データを比較し、変化を検出する(ステップS12)。
【0041】
ここで、画面変化の検出として、単純に両画面データにおける対応した各ピクセルの色情報の変化の検出を考える。例えば、画面共有端末50において矢印型のカーソルが動いた場合、今までカーソルがあった場所と、新たにカーソルが移動された場所の色情報が変化することとなる。画面変化検出モジュール55は、色情報の変化があったピクセル座標の集合や、それを囲む矩形の領域を返す。
【0042】
次に、画面共有端末50の画面共有効率化モジュール56は、変化が検出された領域が所定の範囲よりも大きいか否かによって処理を分岐させる(ステップS13)。変化した領域が所定の範囲よりも大きい場合(ステップS13:「YES」の場合)、そのまま画面共有効率化処理を終了する。一方、変化した領域が所定の範囲よりも大きくない場合(ステップS13:「NO」の場合)には、続けて以下の処理を実行する。
【0043】
画面共有端末50の画面共有モジュール54は、取得した画面データを通信端末10に送信し、画面共有を行う(ステップS14)。すなわち、画面の変化が少なく、画面の連続性が高いときのみ、通信端末10に画面データが送信されることとなる。
【0044】
図6は、画面共有端末50が画面共有中にカメラ機能を発揮している際の表示部の一例である。機能の発揮中は、カメラ機能が起動中である旨がメッセージ71として表示される。また、機能の発揮中は、保存される画像として、被写体が表示部に表示されることとなる。この画像はカメラが内蔵された画面共有端末50の移動に応じてめまぐるしく変化するため、メッセージ71、ファインダー72、ボタン73等の固定表示を除き画面表示は著しく変化することとなる。その結果、画面の変化領域も広くなり、画面共有は一旦中止され、メッセージ74として画面共有機能が停止している旨が表示される。このように、画面が著しく切り替わり、画面共有を行う必要性が低いと判断される際は、画面共有が中止され、転送量が削減される。なお、もちろん画面共有端末50はカメラ機能を備えていなくてもよい。
【0045】
最後に、通信端末10の画面データ受信モジュール14は、画面共有端末50から画面データを受信する(ステップS15)。そして、画面更新モジュール16は、受信した画面データを通信端末10の表示部に表示する(ステップS16)事で、画面共有を実現する。
【0046】
ここで、ステップS13の基準となる所定の範囲とは、端末の画面サイズに応じて、共有が必要だと考えられる範囲が設定されてよい。また、当該範囲は実際に共有を行うユーザによって与えられても良い。以上が、画面共有効率化処理の手順である。
【0047】
[画面共有領域効率化処理]
図6は、通信端末10、画面共有端末50が実行する画面共有領域効率化処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0048】
はじめに、画面共有端末50の画面データ取得モジュール62は、画面共有端末50の表示部に表示された画面をデータとして取得する(ステップS21)。そして、差分データ作成モジュール63が、新たに取得した画面データと、それより以前の直近に取得した画面データ、または通信端末10に送信した画面データとの差分データを作成する。
【0049】
画面データを画像で表す場合、ピクセルの持つ色情報を並べて表すことが多い。一般に画面に連続性がある場合、差分データは画面の一部のみになる場合が多く、画面全体のデータよりデータ量が小さくなる場合が多い。例えば、画面共有端末50において矢印型のカーソルが動いた場合、今までカーソルがあった場所と、新たにカーソルが移動された場所の色情報が変化することとなる。
【0050】
差分データによる画面共有であれば、この変化した部分の色情報のみを伝えればよく、画面の他の部分については情報を送信する必要はない。差分データは、絶対値であっても相対値であってもよい。
【0051】
一方で、画像としての情報よりも、画像に行われた操作を取得した方が、データ転送量が大幅に抑えられる場合がある。例えば、拡大、縮小、回転といった操作は、広範囲の色情報を書き換えるものであるが、単に倍率や角度と操作の種類さえ転送すれば、現在共有中の画面データに同様の操作を加えるだけで同様の出力が得られる。このような捉え方は、画面データを色情報の集合でなく、SIFTやSURFといった拡大、縮小、回転に対して強い特徴量によって表す事で可能となる。この場合の差分データは、特徴点や特徴量の差によって表す事となる。
【0052】
以上の差分データは、送信することで画面の共有を可能にするものであるが、データである以上、その容量が存在する。そこで、画面共有端末50の画面変化量算出モジュール58は、画面変化量として、単位時間あたりの差分データ容量を算出する(ステップS23)。これは、差分データを作成した二つの画面データについて、それぞれが取得された時刻の差によって差分データ容量を割ることで算出できる。
【0053】
更に、この画面変化量は、領域変化量算出モジュール60によって、画面を分割した領域毎に算出されてよい。例えば、画面を一定の大きさの領域に等分してもよいし、前回の処理実行時に検出された変化量が大きかった領域として、画面の一部に矩形領域が作成されてもよい。また、領域を区別する必要がない場合には、画面全体を一の領域として表してよい。
【0054】
次に、画面共有端末50の画面差分共有効率化モジュール59によって、画面変化量が所定の値以下の場合は、画面差分共有モジュール57が、作成した差分データを通信端末10に送信する(ステップS24)。加えて、画面が複数の領域に分割されている場合には、画面差分共有領域効率化モジュール61によって、変化量が所定の値以下である領域についてのみ、画面差分共有モジュール57が、領域の差分データを通信端末10に送信する。
【0055】
図7は、画面共有中の通信端末10の表示部の一例である。図7において、通信端末10は、接続設定のリモートサポートを画面共有端末10に対して行っている。メッセージ81に示される通り、画面内の一部分のみで動画82が再生している場合、差分データの大部分はその動画部分となり、動画部分の共有の必要がない場合は非常に効率が悪い。そこで、動画82の部分の領域のみ、差分データの送信を中止することで、通信端末10には動画が表示されないものの、転送データ量を大幅に削減しつつ、設定83のリモートサポートを効率的に行う事ができる。
【0056】
また、図8は、領域ごとの差分データの変化量をグラフ上に図示したものである。縦軸91は単位時間あたりの変化量を、横軸92は時刻を表す。また、グラフ93は領域A、グラフ94は領域B、グラフ95は領域Cの変化量をそれぞれ表している。ここにおいて、領域Aは常に著しい変化をしており、動画やカメラ撮影部分といった、共有の必要性が低い部分である。また、領域Cは変化がなく、操作がされていない部分である。一方で、領域Bは小刻みな変化をしており、ウィンドウを開いた時等に大きな変化があるものの、少量の変化が断続的に現れている。通常、この領域がユーザの操作が反映されている部分であると考えられ、同期の必要性が高いと考えられる。
【0057】
図8において、送信を中止する変化量の閾値を25KB/msとしておけば、データ量を大幅に削減しつつ、ユーザ操作部分の反映の効率化を見込める。領域Bにおけるスパイク部分は、一時的に同期が中止されるものの、その後変化量が閾値を下回るため、直後に再開される。ただし、あくまで以上の議論は期待値であるので、ユーザの設定により閾値を調節できることが好ましい。
【0058】
最後に、通信端末10の差分データ受信モジュール15が差分データを受信し(ステップS25)、画面更新モジュール16が受信した差分データを画面に適用することで、画面表示を更新し、画面共有を実現する(ステップS16)。
【0059】
以上が、画面共有領域効率化処理の手順である。
【0060】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
1 画面共有システム、5 公衆回線網、10 通信端末、50 画面共有端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8