【解決手段】リレー回路の一例は、負荷回路30及び40の両端を接続するコンデンサCと、直流電源50と負荷回路30及び40との間の各電源ラインに設けられた第1及び第2のメインリレー81及び82と、第1のメインリレー81に対して並列に設けられた、第1の抵抗R1とプリチャージリレー83との直列回路と、負荷回路30及び40の両端を接続する第2の抵抗R2と、を備える。そして、第1のメインリレー81及びプリチャージリレー83を共にONに制御し、且つ、第2のメインリレー82をOFFに制御して、前記負荷回路に無効電流を流すディスチャージ処理を実施する。当該ディスチャージ処理において、電圧センサ70によって検出されたコンデンサCの両端電圧と、ディスチャージ処理を等価的に表した抵抗値とに基づいて、第1の抵抗R1の異常を検出する。
前記コンデンサに蓄積された電荷又は前記直流電源からの電荷が前記負荷回路を経由してディスチャージされる期間をシーケンス毎に制御するディスチャージ期間制御部を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリレー回路の診断装置。
前記前記コンデンサに蓄積された電荷又は前記直流電源からの電荷が前記負荷回路を経由してディスチャージされる量をシーケンス毎に制御するディスチャージ電流量制御部を備え、
前記判定部は、
前記ディスチャージ電流量制御部によって異なるディスチャージ電流量に制御されたシーケンス間の前記両端電圧の変化に基づいて、前記放電抵抗の異常とディスチャージの異常とを切り分けて判定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリレー回路の診断装置。
直流電源から直流電圧の供給を受ける負荷回路と、前記負荷回路の両端を接続するコンデンサと、前記直流電源の正側の端子と前記負荷回路の一端との間の電源ラインに設けられた第1のメインリレーと、前記直流電源の負側の端子と前記負荷回路の他端との間の電源ラインに設けられた第2のメインリレーと、前記第2のメインリレーに対して並列に設けられた、第1の抵抗とプリチャージリレーとの直列回路と、前記負荷回路の両端を接続する第2の抵抗と、を備えたリレー回路の診断方法であって、
前記第1のメインリレー及び前記プリチャージリレーを共にONに制御し、且つ、前記第2のメインリレーをOFFに制御して、メモリに格納された値の無効電流量で前記負荷回路に無効電流を流すディスチャージ処理を実施し、
前記ディスチャージ処理において、電圧センサによって検出された前記コンデンサの両端電圧と、前記ディスチャージ処理を等価的に表した抵抗値とに基づいて、前記第1の抵抗の異常を検出する、リレー回路の診断方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る車両(乗り物)のモータ駆動システムに着目した構成例を示すブロック図である。
図1に示すモータ駆動システム1は、例示的に、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)等の次世代自動車に用いられる。モータ駆動システム1は、例示的に、車両制御ユニット(Vehicle Control Unit:VCU)10、モータ制御ユニット(Motor Control Unit:MCU)20、インバータ30、三相モータ40、及び、リチウムイオンバッテリ(LiB)50を備える。
【0017】
VCU10は、図示を省略したアクセルセンサ及びブレーキセンサにより得られたアクセルセンサ信号及びブレーキセンサ信号に基づいてMCU20にトルク指令値等の走行制御信号を与えることにより車両の走行を制御する。例えば、VCU10は、アクセルセンサ信号に基づく走行トルクの算出や回生指示、ブレーキセンサ信号に基づく回生エネルギー量の算出、指示、ドライバビリティの制御等を行なう。
【0018】
MCU20は、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)等によりVCU10と通信可能に接続されている。MCU20は、VCU10からSPI通信により与えられた走行制御信号に基づいてインバータ30を制御することで、三相モータ40に与えられる駆動電力を制御する。
【0019】
例えば、MCU20は、三相モータ40のトルクがVCU10からのトルク指令値に合致するように、トルク指令値と、三相モータ40に備えられた角度センサ(レゾルバ)及び電流センサ60のセンサ信号とに基づいて三相モータ40をフィードバック制御する。
【0020】
インバータ30は、LiB50から電源電圧(バッテリ電圧:V1)を受け、MCU20からの駆動電力制御に応じた、三相モータ40の駆動電圧を生成し、三相交流にて駆動電力を三相モータ40に供給する。例示的に、インバータ30は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等のスイッチング素子とフリーホイールダイオードとを逆並列接続したIGBTモジュールを用いて構成される。
【0021】
図1では、例示的に、U相,V相,W相の上アームを成す3つのIGBT素子UH,VH,WHと、U相,V相,W相の下アームを成す3つのIGBT素子UL,VL,WLと、が備えられている。6つのIGBT素子UH,VH,WH,UL,VL,WLのゲート電圧がMCU20から個々に制御されることにより、三相モータ40に与えられる三相交流の駆動電力が制御される。
【0022】
なお、インバータ30は、LiB50から受けているバッテリ電圧(VDC)を絶縁アンプにより検出し、検出したVDCをインバータ電圧としてMCU20に供給する。MCU20は、インバータ電圧をVCU10に例えばSPI通信により通知することができ、これにより、VCU10は、例えばインバータ電圧異常を検出(監視)することができる。
【0023】
また、インバータ30の正負両端には、キャパシタ(コンデンサ)C及び抵抗R2が並列に接続されている。キャパシタCは、平滑用のキャパシタであり、LiB50からインバータ30への入力電圧の変動を抑制する。抵抗R2は、第1のメインリレー及びプリチャージリレーがともにON、かつ、第2のメインリレーがOFFのときに、抵抗(プリチャージ抵抗)R1とともに、LiB50からのバッテリ電圧(V1)の分圧比を決定する。詳細については後述する。
【0024】
三相モータ40は、車両の駆動源の一例であり、既述のレゾルバや電流センサ60が設けられる。なお、インバータ30及び三相モータ40は、負荷回路の一例である。
【0025】
LiB50は、直流電源の一例であり、例示的に、200V以上(例えば300V等)の直流電圧をインバータ30に印加する。LiB50の正側の端子とインバータ30の一方の端子との間の電源ラインには、第1のメインリレー(LIB P)81が設けられている。また、LiB50の負側の端子とインバータ30の他方の端子との間の電源ラインには、第2のメインリレー(LIB N)82が設けられている。これらのメインリレー81及び82がともにONに制御されると、LiB50からインバータ30へ電力が供給される。各メインリレー81及び82がともにOFFに制御されると、LiB50がインバータ30及び三相モータ40から電気的に切り離される。
【0026】
また、第2のメインリレー82に対して、抵抗(プリチャージ抵抗)R1とプリチャージリレー(LIB PRE)83との直列回路が並列に接続されている。なお、プリチャージ抵抗R1が第1の抵抗の一例であり、既述の抵抗R2が第2の抵抗の一例である。プリチャージリレー83は、各メインリレー81及び82をともにONに制御する際、正側のメインリレー81がON制御された後、負側のメインリレー82がON制御される前に、ON制御される。これにより、キャパシタCへの充電電流が抵抗R1を通じて流れることになり、キャパシタCが徐々に充電される。したがって、負側のメインリレー82をON制御しても、キャパシタCへの大きな突入電流は発生せず、メインリレー81及び/又は82が溶着することを防止することができる。
【0027】
上記のLiB50、抵抗R1及びR2、キャパシタC、及び、各リレー81〜83は、リレー回路の一例を成す。
【0028】
各リレー81〜83のON/OFFは、それぞれ、例示的に、VCU10から与えられる制御信号(リレー制御信号)に応じて制御される。本実施形態では、後述するように、所定のスイッチングシーケンスに従い各リレー81〜83のON/OFFを制御し、当該スイッチングシーケンスにおいてキャパシタCの両端電圧(V)の変化を監視することで、いずれのリレーが溶着しているかを検出する。また、当該両端電圧Vの変化を監視することで、プリチャージ抵抗R1の異常を検出する。
【0029】
そのため、キャパシタC(抵抗R2)の両端には電圧をセンシング(検出)する電圧センサ70が接続されている。電圧センサ70による電圧検出結果は、例示的に、VCU10に与えられる。VCU10は、上述したスイッチングシーケンスにおいて当該電圧検出結果、すなわちキャパシタC(抵抗R2)の両端電圧の変化に基づいてリレー溶着の有無、プリチャージ抵抗R1の異常を検出する。
【0030】
そのため、VCU10は、例示的に、リレー制御部101、判定部102、メモリ103、及び、ディスチャージ制御部104を有する。これらの各部101〜104は、電圧センサ70と共にリレー回路の診断装置の一例を成す。
【0031】
リレー制御部101は、次表1に例示するスイッチングシーケンスに従って、各リレー81〜83のON/OFFを制御する。
【0032】
ディスチャージの際、メモリ103(もしくはMCU20にメモリが備えられている場合は当該メモリ)に、シーケンスにおいて流すべき無効電流の量が記憶されている。リレー制御部101は、メモリ103から読み出した値に示される量の無効電流を流すように制御を行なう。
【0033】
メモリ103に予め記憶される無効電流量は、例示的に、R1(プリチャージ抵抗)、キャパシタC、LiB電圧、判定時間、及び、R
disの値に基づいて決定され、製品として出荷した際にメモリ103に格納される。
【0034】
後述する実施形態4及び5においては、シーケンスの中で#1〜#4と#5〜#6における無効電流量を変更しており、この場合はシーケンス中のディスチャージ開始前にメモリ103に記憶された無効電流量を読み出すものとする。
【0035】
なお、
図2〜
図4及び
図6〜
図8は、それぞれ、シーケンス#1〜#6に対応した各リレー81〜83の接続状態と電流経路とを例示している。これらの
図2〜
図4及び
図6〜
図8において電圧センサ70の図示は省略している。
【0037】
すなわち、シーケンス開始前(突入前)及びシーケンス#1において、リレー制御部101は、
図2に例示するように、各メインリレー81及び82はONに、プリチャージリレー83はOFFにそれぞれ制御する。この場合、キャパシタC(抵抗R2)の両端にLiB50からのバッテリ電圧が印加され(すなわち、電圧センサ70で検出される電圧V=V1)、点線矢印501で例示する経路で自然放電が生じる。すなわち、LiB50から正側のメインリレー81、抵抗R2、負側のメインリレー82を経由してLiB50へ戻る経路501で電流が流れる。
【0038】
次いで、シーケンス#2において、リレー制御部101は、
図3に例示するように、負側のメインリレー82をOFFに制御する。また、ディスチャージ制御部104は、MCU20に対してディスチャージ開始指示を与える。これにより、MCU20は、インバータ30を通じて三相モータ40のd軸に無効電流が流れるように、IGBT素子の制御を行なう。
【0039】
そうすると、
図3中に実線矢印502に示す経路で電流が流れる(ディスチャージ)。すなわち、キャパシタCに蓄積された電荷が、キャパシタCの正側からインバータ30の上アームを成すIGBT素子を経由して三相モータ40のd軸に流れ(無効電流)、インバータ30の下アームを成すIGBT素子を経由してキャパシタCの負側に流れる。なお、キャパシタCに蓄積された電荷の一部は、点線矢印503で示す経路で抵抗R2にも流れる(自然放電)。このときのキャパシタ(抵抗R2)の両端電圧(すなわち電圧センサ70で検出される電圧)Vは、V=0に向かって低下してゆく。
【0040】
次いで、シーケンス#3において、リレー制御部101は、
図4に例示するように、プリチャージリレー83をONに制御する。そうすると、
図4中に点線矢印504に例示する経路で電流が流れる。すなわち、LiB50の正側からメインリレー81、インバータ30、三相モータ40(d軸)、プリチャージ抵抗R1、及び、プリチャージリレー83を経由してLiB50の負側へ電流(ディスチャージ電流)が流れる。また、LiB50の正側からメインリレー81、抵抗R2、プリチャージ抵抗R1、及び、プリチャージリレー83を経由してLiB50の負側へ電流が流れる。このとき、キャパシタCに電荷が蓄積(充電)される。要するに、インバータ30を通じて三相モータ40のd軸に電流が流れるとともに、キャパシタCが充電される。このときのキャパシタC(抵抗R2)の両端電圧(すなわち電圧センサで検出される電圧)Vは、以下の式(1)で表される。
【0041】
V=V1×{(R
dis・R2)/(R
dis+R2)}/{R1+(R
dis・R2)/(R
dis+R2)} …(1)
【0042】
ここで、R1及びR2は、それぞれ、抵抗R1及びR2の抵抗値を表し、例示的に、R1=300Ω、R2=180kΩである。R
disは、ディスチャージを抵抗で模擬した場合の抵抗値を表す。例えば、R
disは、
図5に例示するように、ディスチャージ電流I
disが5〜15A(アンペア)の範囲で変化するときに約1kΩ〜8kΩの範囲で変化する可変抵抗値として表すことができる。ディスチャージでキャパシタCの両端電圧が減る(すなわち、キャパシタCに溜まったエネルギーが減る)のは、通電により三相モータ40のコイルの巻き線抵抗での発熱や、IGBTやダイオードの導通、スイッチングによる発熱で、熱としてエネルギーが消費されるためである。この熱としてエネルギーが消費される効果を等価的に抵抗R
disによる放電で模擬している。さらに、熱として消費する量はディスチャージ電流量に比例して増加するので、R
disはディスチャージ電流増加に対して単調に減少する可変抵抗値として扱うことができる(抵抗値が小さいほど発熱が大きい)。
【0043】
したがって、シーケンス#3において、キャパシタC(抵抗R2)の両端電圧Vは、上記の式(1)で表される、プリチャージ抵抗値R1とディスチャージ抵抗値R
disとでバッテリ電圧V1を分圧した値に向かって上昇してゆく。
【0044】
次いで、シーケンス#4において、リレー制御部101は、
図6に例示するように、正側のメインリレー81をOFFに制御する。そうすると、
図6中に実線矢印505に示す経路で電流が流れる(ディスチャージ)。すなわち、キャパシタCに蓄積された電荷が、キャパシタCの正側からインバータ30の上アームを成すIGBT素子を経由して三相モータ40のd軸に流れ(無効電流)、インバータ30の下アームを成すIGBT素子を経由してキャパシタCの負側に流れる。なお、キャパシタCに蓄積された電荷の一部は、点線矢印506で示す経路で抵抗R2にも流れる(自然放電)。このときのキャパシタ(抵抗R2)の両端電圧(すなわち電圧センサ70で検出される電圧)Vは、V=0に向かって低下してゆく。
【0045】
次いで、シーケンス#5において、リレー制御部101は、
図7に例示するように、正側のメインリレー81をONに制御する。そうすると、シーケンス#3の場合と同様に、
図7中に点線矢印508に例示する経路で電流が流れる。すなわち、インバータ30を通じて三相モータ40のd軸に電流が流れるとともに、キャパシタCが充電される。このときのキャパシタC(抵抗R2)の両端電圧(すなわち電圧センサで検出される電圧)Vは、既述の式(1)で表される。
【0046】
したがって、シーケンス#5において、キャパシタC(抵抗R2)の両端電圧Vは、既述の式(1)で表される、プリチャージ抵抗値R1とディスチャージ抵抗値R
disとでバッテリ電圧V1を分圧した値に向かって上昇してゆく。
【0047】
次いで、シーケンス#6において、リレー制御部101は、
図8に例示するように、プリチャージリレー83をOFFに制御する。そうすると、シーケンス#2と同様に、
図8中に実線矢印509に示す経路で電流が流れる(ディスチャージ)。すなわち、キャパシタCに蓄積された電荷が、キャパシタCの正側からインバータ30の上アームを成すIGBT素子を経由して三相モータ40のd軸に流れ(無効電流)、インバータ30の下アームを成すIGBT素子を経由してキャパシタCの負側に流れる。なお、キャパシタCに蓄積された電荷の一部は、点線矢印510で示す経路で抵抗R2にも流れる(自然放電)。このときのキャパシタ(抵抗R2)の両端電圧(すなわち電圧センサ70で検出される電圧)Vは、V=0に向かって低下してゆく。
【0048】
図9に、以上のシーケンス#1〜#6における、キャパシタCの両端電圧(C電圧)の時間変化、各リレー81〜83のON/OFF状態の変化、及び、ディスチャージ電流量の変化を例示する。
【0049】
図9において、#1〜#6がそれぞれシーケンス#1〜#6に対応する期間を表している。また、実線601がC電圧の変化を示し、点線602が負側のメインリレー82のON/OFF状態の変化、一点鎖線603が正側のメインリレー81のON/OFF状態の変化をそれぞれ表している。さらに、二点鎖線604がプリチャージリレー83のON/OFF状態の変化、符号605がディスチャージ期間(シーケンス#2〜#6に対応する期間)におけるディスチャージ電流量の変化をそれぞれ表している。
【0050】
VCU10は、判定部102により、各シーケンス#1〜#6に対応する期間においてC電圧を所定の電圧閾値と比較することで、バッテリ電圧異常や、いずれのリレー81〜83が溶着しているかを検出(診断)できる。また、VCU10は、
図10に例示するように、各シーケンス#3及び#5に対応する期間において、判定部102により、所定の電圧閾値と比較することで、プリチャージ抵抗R1に異常が無いかを診断することができる。
【0051】
なお、シーケンス#1〜#6を開始する以前に既にプリチャージリレー83が溶着してしまっている場合も考えられる。その場合、
図11に例示するように、VCU10は、判定部102により、シーケンス#6に対応する期間において、C電圧を所定の電圧閾値と比較することで、プリチャージリレー83が溶着しているか否かを診断できる。具体的には、C電圧が所定の電圧閾値を下回らない場合に、プリチャージリレー83が溶着していると判断できる。
【0052】
ただし、プリチャージリレー83が溶着していると、シーケンス#2に対応する期間における電圧降下が緩慢になるので、C電圧の一定時間経過後の電圧降下値と閾値との比較により、シーケンス#2に対応する期間で溶着診断を実施可能である。当該態様については第3実施形態にて後述する。
【0053】
上記の各閾値は、例示的に、メモリ103に記憶されており、判定部102により適宜に読み出される。
【0054】
以下、上記診断の具体例について、
図12及び
図13に例示するフローチャートを用いて説明する。なお、
図12及び
図13において、#1〜#6は、それぞれ、シーケンス#1〜#6に対応する期間であることを表している。
【0055】
まず、
図12に例示するように、VCU10は、シーケンス#1に対応する期間において、判定部102により、電圧センサ70で検出されたC電圧Vを電圧閾値Vth1と比較し、V>Vth1であるか否かを判定する(処理P10)。なお、Vth1は、例えば、LiB50のバッテリ電圧V1=300Vであるとすると、Vth1=290Vに設定できる。
【0056】
その結果、V>Vth1でなければ(処理P10でNOの場合)、判定部102は、LiB50のバッテリ電圧異常であると判定する(処理P70)。この場合、VCU10(リレー制御部101)は、以降のシーケンス#2〜#6を実施せず(ディスチャージ停止:処理P80)、処理を終了する。
【0057】
一方、V>Vth1であれば(処理P10でYESの場合)、VCU10は、リレー制御部101によって負側のメインリレー82をOFFに制御し(処理P20)、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを開始する(処理P30)。
【0058】
その後、所定時間(例えば800ms)が経過すると(処理P40)、VCU10は、判定部102により、電圧センサ70で検出されたC電圧Vを所定の電圧閾値Vth2(<Vth1)と比較し、V<Vth2であるか否かを判定する(処理P50)。Vth2は、例えば、バッテリ電圧V1=300Vの場合、Vth2=250Vに設定できる。なお、所定時間は、キャパシタCの容量、ディスチャージ抵抗値R
dis、定常状態となる電圧値、IGBTのスイッチング制御、判定時間等を総合的に判断して決定する(以下、同様)。
【0059】
その結果、V<Vth2でなければ(C電圧Vが電圧閾値Vth2を下回らない場合:処理P50でNOの場合)、判定部102は、負側のメインリレー82が溶着していると判定する(処理P60)。この場合、VCU10(リレー制御部101)は、以降のシーケンス#3〜#6を実施せず、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを停止させて(処理P80)、処理を終了する。
【0060】
一方、V<Vth2であれば(処理P50でYESの場合)、VCU10は、リレー制御部101によってプリチャージリレー83をONに制御する(処理P90)。その後、所定時間(例えば800ms)が経過すると(処理P100)、VCU10は、判定部102により、C電圧Vと所定の電圧閾値Vth4及びVth5とを比較し、Vth4<V<Vth5であるか否かを判定する(処理P110)。なお、例示的に、Vth4は、Vth2<Vth4<Vth1を満足する電圧閾値であり、Vth5は、Vth4<Vth5<Vth1を満足する電圧閾値である。例えば、バッテリ電圧V1=300Vの場合、Vth4=265V、Vth5=285Vにそれぞれ設定できる。
【0061】
その結果、Vth4<V<Vth5でなければ(処理P110でNOの場合)、判定部102は、プリチャージ抵抗R1に異常があると判定する(処理P180)。この場合、VCU10(リレー制御部101)は、以降のシーケンス#4〜#6を実施せず、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを停止させて(処理P190)、処理を終了する。
【0062】
一方、Vth4<V<Vth5であれば(処理P110でYESの場合)、VCU10は、リレー制御部101によって正側のメインリレー81をOFFに制御する(処理P120)。その後、所定時間(例えば800ms)が経過すると(処理P130)、VCU10は、判定部102により、C電圧Vと所定の電圧閾値Vth6とを比較し、V<Vth6であるか否かを判定する(処理P140)。なお、Vth6は、例示的に、Vth6<Vth2を満足する電圧閾値である。例えば、バッテリ電圧V1=300Vの場合、Vth6=230Vに設定できる。
【0063】
その結果、V<Vth6でなければ(処理P140でNOの場合)、判定部102は、正側のメインリレー81が溶着していると判定する(処理P170)。この場合、VCU10(リレー制御部101)は、以降のシーケンス#5及び#6を実施せず、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを停止させて(処理P190)、処理を終了する。
【0064】
一方、V<Vth6であれば(処理P140でYESの場合)、VCU10は、リレー制御部101によって正側のメインリレー81をONに制御する(処理P150)。その後、所定時間(例えば800ms)が経過すると(処理P160)、
図13に例示するように、再度、判定部102によってC電圧Vと電圧閾値Vth4及びVth5とを比較し、Vth4<V<Vth5であるか否かを判定する(処理P200)。
【0065】
その結果、Vth4<V<Vth5でなければ(処理P200でNOの場合)、判定部102は、プリチャージ抵抗R1の異常であると判定する(処理P260)。この場合、VCU10(リレー制御部101)は、以降のシーケンス#6を実施せず、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを停止させて(処理P270)、処理を終了する。
【0066】
一方、Vth4<V<Vth5であれば(処理P200でYESの場合)、VCU10は、リレー制御部101によってプリチャージリレー83をOFFに制御する(処理P210)。その後、所定時間(例えば800ms)が経過すると(処理P220)、VCU10は、判定部102によってC電圧Vと所定の電圧閾値Vth7とを比較し、V<Vth7であるか否かを判定する(処理P230)。なお、Vth7は、例示的に、Vth7<Vth2を満足する電圧閾値である。例えば、バッテリ電圧V1=300の場合、Vth7=230Vに設定できる。すなわち、Vth7は、Vth6(=230V)と同じ値に設定してもよい。
【0067】
その結果、V<Vth7でなければ(処理P230でNOの場合)、判定部102は、プリチャージリレー83が溶着していると判定する(処理P250)。この場合、VCU10は、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを停止させて(処理P270)、処理を終了する。
【0068】
一方、V<Vth7であれば(処理P230でYESの場合)、正常終了処理を実施し(処理P240)、ディスチャージ制御部104によってディスチャージを停止させて(処理P270)、処理を終了する。
【0069】
以上のように、上述した実施形態によれば、メモリ103に格納された値の無効電流量で負荷回路に無効電流を流すディスチャージ処理を制御するので、迅速な放電が可能になり、迅速な診断が可能になる。また、当該ディスチャージ処理を実施するシーケンスにおいて、電圧センサ70で検出されたキャパシタCの両端電圧と、ディスチャージ処理を等価的に表した抵抗値R
disとに基づいて、プリチャージ抵抗R1の異常を検出することができる。したがって、プリチャージ抵抗R1の抵抗値等に依存せずに、等価的な抵抗値であるR
disを自由に設定することができる。
【0070】
なお、上述した第1実施形態では、シーケンス#1〜#6の順にリレー81〜83のスイッチング制御を実施する例について説明したが、シーケンスの順序は変更してもよい。例えば、シーケンス#3及び#4の組、及び、シーケンス#5及び#6の組は、実施順序を入れ替えてもよい。また、シーケンス開始前の段階でプリチャージリレー83をON制御しておく場合であれば、シーケンス#1及び#2の組とシーケンス#3及び#4の組(あるいはシーケンス#5及び#6の組)とを入れ替えてもよい。
【0071】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、正常終了する場合、例えば
図10に示したようにシーケンス#2〜#6に対応する期間において継続的にディスチャージが実施されるが、例えば
図16中に符号605で示すように、ディスチャージ制御部104によって間欠的にディスチャージが実施されるようインバータ制御を行なってもよい。
【0072】
この場合、ディスチャージ制御部104は、キャパシタCに蓄積された電荷又はLiB50からの電荷がインバータ30及び三相モータ40を経由してディスチャージされる期間をシーケンス毎に制御するディスチャージ期間、制御部の一例として機能する。
【0073】
その場合の動作例を
図14及び
図15に示す。
図14及び
図15と
図12及び
図13との比較により理解されるように、第2実施形態では、第1実施形態に比して、各シーケンス#2〜#6において、ディスチャージの開始から所定時間(例えば500ms)が経過するとディスチャージが停止される点が相違する。
【0074】
すなわち、
図14に例示するように、シーケンス#2では、負側のメインリレー82がOFFに制御(処理P20)された後、ディスチャージが開始され(処理P30)、所定時間が経過すると(処理P31)、ディスチャージが停止される(処理P32)。
【0075】
また、シーケンス#3では、プリチャージリレー83がONに制御(処理P90)された後、ディスチャージが開始され(処理P91)、所定時間が経過すると(処理P92)、ディスチャージが停止される(処理P93)。
【0076】
さらに、シーケンス#4では、正側のメインリレー81がOFFに制御(処理P120)された後、ディスチャージが開始され(処理P121)、所定時間が経過すると(処理P122)、ディスチャージが停止される(処理P123)。
【0077】
また、シーケンス#5では、正側のメインリレー81がONに制御(処理P150)された後、ディスチャージが開始され(処理P151)、所定時間が経過すると(処理P152)、ディスチャージが停止される(処理P153)。
【0078】
さらに、
図15に例示するように、プリチャージリレー83がOFFに制御(処理P210)された後、ディスチャージが開始され(処理P211)、所定時間が経過すると(処理P212)、ディスチャージが停止される(処理P213)。
【0079】
その他の
図14及び
図15において第1実施形態(
図12及び
図13)で既述の符号と同一の符号を付した処理(判定処理など)は、第1実施形態と同様である。
図16には、以上のような間欠的なディスチャージを実施した場合のC電圧の変化(符号601参照)が例示されている。なお、
図17は、シーケンス#4において、C電圧が所定の電圧閾値Vth6を下回らないために、正側のメインリレー81が溶着していると判定される場合を示している。
【0080】
このように、シーケンス#2〜#6に対応する期間においてディスチャージを間欠的に実施することで、ディスチャージ期間を第1実施形態よりも短縮することができる。したがって、ディスチャージによる消費電流量を抑えることができる。
【0081】
なお、上述した第2実施形態では、シーケンス#2〜#6に対応する期間のそれぞれにおいてディスチャージの開始と停止とを実施しているが、一部の期間についてだけディスチャージの開始と停止とを実施するようにしてもよい。
【0082】
(第3実施形態)
図18に、第3実施形態に係るリレー溶着診断フローの一例を示す。
図18に例示するフローチャートは、第1実施形態において
図12及び
図13に例示したフローチャートに比して、処理P51及びP52が加わっている点が異なる。また、
図18では、
図12及び
図13に例示した処理P160、P190、P200、P210、P220、P230、及び、P250が不要になっている。
【0083】
これは、処理P51及びP52において、判定部102によりC電圧Vが所定の電圧閾値Vth3を下回らない場合(処理P51でNOの場合)に、プリチャージリレー83が溶着していると判定(処理P52)できるためである。プリチャージリレー83が溶着していると判定された場合、ディスチャージ制御部104によってディスチャージは停止される(処理P80)。
【0084】
なお、C電圧V<Vth3である場合(処理P51でYESの場合)は、
図18において処理P90以降の処理が実施され、プリチャージ抵抗R1の異常判定(処理P110及びP180)及び正側のメインリレー81の溶着判定(処理P140及びP170)が実施される。なお、Vth3は、Vth3<Vth2<Vth1の関係を満たす電圧閾値である。
【0085】
上述した第3実施形態によれば、プリチャージリレー83の溶着を上述した各実施形態の場合よりも早期に検出することができる。
【0086】
(第4実施形態)
図19及び
図20に、第4実施形態に係るリレー溶着診断フローの一例を示す。
図19及び
図20に例示するフローチャートは、第1実施形態において
図12及び
図13に例示したフローチャートに比して、シーケンス#2及び#5においてディスチャージ電流を異なる電流値に制御する点が相違する。なお、当該ディスチャージ電流制御は、ディスチャージ制御部104によって実施される。
【0087】
すなわち、本実施形態のディスチャージ制御部104は、キャパシタCに蓄積された電荷又はLiB50からの電荷がインバータ30及び三相モータ40を経由してディスチャージされる量をシーケンス毎に制御するディスチャージ電流量制御部の一例である。
【0088】
例示的に、シーケンス#2では、負側のメインリレー82をOFFに制御(処理P20)した後、10アンペア(A)でのディスチャージを開始する(処理P30a)。これに対し、シーケンス#5では、C電圧Vが電圧閾値Vth6を下回っていると判定(処理P140でYESと判定)された後、10Aでのディスチャージをいったん停止し(処理P141)、15Aでディスチャージを再開する(処理P142)。これにより、
図21中に例示するように、シーケンス#2〜#4に対応する期間よりもディスチャージ電流が増加する。
【0089】
このようにディスチャージ電流を異ならせる(変化させる)ことで、
図21中に例示するように、シーケンス#3及び#5に対応する期間のそれぞれにおけるC電圧に差が生じる。判定部102は、当該電圧差に基づいて、プリチャージ抵抗R1の異常とディスチャージ異常とを切り分けて判定することができる。
【0090】
そのため、第4実施形態の判定部102は、
図19の処理P110(シーケンス#3)においてC電圧VがVth4<V<Vth5を満たさない(NO)と判定した場合、この段階では抵抗R2の異常と判定せずに、「フラグ1」をONに設定する(処理P180a)。なお、「フラグ1」は、例示的に、既述のメモリ103に記憶される。
【0091】
そして、
図20に例示するように、判定部102は、後のシーケンス#5においてC電圧VがVth8<V<Vth9を満たすか否かを判定(処理P200a)した後、「フラグ1」がONに設定されているか否かをチェックする(処理P201及びP261)。なお、Vth8及びVth9は、例示的に、Vth8<Vth9<Vth4<Vth5を満足する電圧値である。非限定的な一例として、バッテリ電圧V1=300Vの場合、Vth8=252V、Vth9=267Vにそれぞれ設定することができる。
【0092】
C電圧VがVth8<V<Vth9を満たさず、且つ、「フラグ1」がONに設定されていれば(処理P200aでNO、且つ、処理P261でYESの場合)、判定部102は、プリチャージ抵抗R1に異常があると判定する(処理P263)。
【0093】
一方、C電圧VがVth8<V<Vth9を満たさず、且つ、「フラグ1」がOFFに設定されていれば(処理P200aでNO、且つ、処理P261でNOの場合)、判定部102は、ディスチャージ異常であると判定する(処理P262)。また、C電圧VはVth4<V<Vth5を満たすが、「フラグ1」がONに設定されている場合(処理P200aでYES、且つ、処理P201でYESの場合)も、判定部102は、ディスチャージ異常と判定する(処理P262)。
【0094】
以上のように、第4実施形態によれば、ディスチャージ期間におけるディスチャージ電流量を変化させる(異ならせる)。そして、判定部102は、異なるディスチャージ電流量に制御されたシーケンス#3及び#5間のC電圧の変化に基づいて、プリチャージ抵抗R1の異常とディスチャージ異常とを切り分けて検出することができる。
【0095】
(第5実施形態)
図22及び
図23に、第5実施形態に係るリレー溶着診断フローの一例を示す。
図22に例示するフローチャートは、第4実施形態において
図19に例示したフローチャートに比して、処理P53及びP54が加わっている点が異なる。また、
図23に例示するフローチャートは、第4実施形態において
図20に例示したフローチャートに比して、処理P264及びP265が加わっている点が異なる。
【0096】
図22に例示するように、処理P53では、C電圧Vが電圧閾値Vth2を下回っていると判定された場合(処理P50でYESの場合)、判定部102が、さらにC電圧Vがディスチャージを抵抗で模擬したときの抵抗値R
disとキャパシタCの容量値とに応じた電圧に降下するか否かを判定する。例えば、判定部102は、C電圧VがVth10<V<Vth11を満足するか否かを判定する。なお、Vth10及びVth11は、例えば以下の式(2)を基に、キャパシタCの容量、抵抗値R
dis、C電圧Vのバラツキを考慮して決定する。非限定的な一例として、バッテリ電圧V1=300Vの場合、Vth10=230V、Vth11=250Vにそれぞれ設定することができる。
V=V1*[exp{−0.8/(C・R
dis)}]…(2)
なお、式(2)において、V1はLiB50のバッテリ電圧、CはキャパシタCの容量をそれぞれ表す。
【0097】
上記判定の結果、Vth10<V<Vth11が満たされない(ディスチャージ中にC電圧Vが所定の電圧値範囲に降下しない)と判定されると(処理P53でNOの場合)、判定部102は、「フラグ2」をONに設定する(処理P54)。「フラグ2」は、例示的に、メモリ103に記憶される。
【0098】
なお、上記判定の結果、Vth10<V<Vth11が満たされる場合(処理P53でYESの場合)、VCU10は、第4実施形態と同様に、処理P90以降の処理を実施する。
【0099】
次に、
図23に例示するように、処理P264では、「フラグ2」がONに設定されているか否かが判定部102によって判定される。当該判定は、処理P201で「フラグ1」がOFFに設定されている場合(NOの場合)に実施される。
【0100】
処理P264での判定の結果、「フラグ2」がONに設定されていれば(YESの場合)、判定部102は、キャパシタCの異常であると判定する(処理P265)。一方、「フラグ2」がOFFに設定されていれば(処理P264でNOの場合)、既述の処理P210、P22、P230、P240、P250、及び、P270の処理が実施される。
【0101】
以上のように、第5実施形態によれば、第4実施形態と同様の作用効果が得られるほか、ディスチャージ中にC電圧がVth10<V<Vth11を満たすか否かを判定することで、ディスチャージ異常とキャパシタCの異常とを切り分けて検出することができる。したがって、プリチャージ抵抗R1の異常、キャパシタCの異常、及び、ディスチャージ異常をそれぞれ切り分けて検出することができる。
【0102】
(その他)
なお、上述した各実施形態で用いた電圧閾値は、LiB50のバッテリ電圧V1や、抵抗、キャパシタ等の部品バラツキ、判定時間、IGBTのスイッチング制御等を総合的に考慮して決定される。電圧閾値の決め方は、各実施形態で述べたように絶対値で決めるほか、例えば、バッテリ電圧V1×R
dis÷(R
dis+R1)±5%(バラツキ公差)のように、判定前の電圧値を利用して判定する方法も考えられる。
【0103】
また、上述した各実施形態では、リレー制御部101、判定部102、メモリ103、及び、ディスチャージ制御部104がいずれもVCU10に備えられた態様について説明した。しかし、これらの各部101〜104の一部又は全部は、例示的に、MCU20に備えられても構わない。例えば、リレー制御部101及びディスチャージ制御部104をMCU20に備えれば、ディスチャージ期間やディスチャージ電流量を制御する際の、VCU10−MCU20間のSPI通信による通信量を抑えることができる。
【0104】
また、上述した各実施形態では、モータ駆動システム1(リレー回路の診断装置及び診断方法)をEVやHEV等の自動車(車両)に適用した例を説明したが、鉄道や船舶等その他の「乗り物」一般に適用してもよい。