【解決手段】誘電体層11を介して積層され、セラミック本体10の主面に露出したリード21a〜22bを有する第1及び第2の内部電極21、22と、セラミック本体10の端面から主面と側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極31、32と、を含み、上記主面上の上記外部電極31、32の端から上記リード21a〜22bに対応する上記外部電極31、32までの長さをGとし、上記外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体10の端面から上記リード21a〜22bに対応する上記外部電極31、32までの長さをMとしたとき、30μm≦G<BW−Mを満たす基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の端面から前記第1及び第2の外部電極の前記第1及び第2のリードに対応する位置までの長さMは50μm≦M<BW−Gを満たす、請求項1に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された前記第1及び第2の外部電極の平均厚さは5μm以上である、請求項1または2に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された前記第1及び第2の外部電極の平均厚さは5μm以上である、請求項5に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記第1及び第2の外部電極は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含む、請求項5または6に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された前記第1及び第2の外部電極の端から前記第1及び第2の外部電極の前記第1及び第2のリードに対応する位置までの長さをGとし、前記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された前記第1及び第2の外部電極の端から前記セラミック本体の端面までの長さをBWとし、前記セラミック本体の端面から前記第1及び第2の外部電極の前記第1及び第2のリードに対応する位置までの長さをMとしたとき、30μm≦G<BW−M及び50μm≦M<BW−Gを満たす、請求項9に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
前記第1及び第2の外部電極は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含む、請求項9または10に記載の基板内蔵用積層セラミック電子部品。
【背景技術】
【0002】
電子回路の高密度化及び高集積化につれ、印刷回路基板に実装される受動素子の実装空間が足りなくなり、これを解決するために、基板内に内蔵される部品、即ち、エンベデッド素子(embedded device)を具現しようとする研究が行われている。特に、容量性部品として用いられる積層セラミック電子部品を基板の内部に内蔵する多様な方案が提示されている。
【0003】
基板内に積層セラミック電子部品を内蔵する方法として、基板材料自体を積層セラミック電子部品用誘電体材料として用い、銅配線等を積層セラミック電子部品用電極として用いる方法がある。また、基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現するための他の方法として、高誘電率の高分子シートや薄膜の誘電体を基板の内部に形成して基板内蔵用積層セラミック電子部品を形成する方法、及び積層セラミック電子部品を基板内に内蔵する方法等がある。
【0004】
通常、積層セラミック電子部品は、セラミック材質からなる複数の誘電体層とこの複数の誘電体層の間に挿入された内部電極とを備える。このような積層セラミック電子部品を基板の内部に配置させることにより、高い静電容量を有する基板内蔵用積層セラミック電子部品を具現することができる。
【0005】
基板内蔵用積層セラミック電子部品を備える印刷回路基板を製造するためには、積層セラミック電子部品をコア基板の内部に挿入した後、基板の配線と積層セラミック電子部品の外部電極を連結するためにレーザーを用いて上部積層板及び下部積層板にビアホール(via hole)を開けなければならない。しかしながら、上記レーザー加工は、印刷回路基板の製造費用を相当増加させる要因となる。
【0006】
一方、基板内蔵用積層セラミック電子部品は、基板内のコア部分に内蔵されなければならないため、基板の表面に実装される一般の積層セラミック電子部品とは異なり、外部電極上にニッケル/スズ(Ni/Sn)メッキ層を設ける必要がない。
【0007】
即ち、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極は銅(Cu)材質のビア(via)を介して基板内の回路と電気的に連結されるため、ニッケル/スズ(Ni/Sn)層の代わりに銅(Cu)層を上記外部電極上に設ける必要がある。
【0008】
通常の外部電極の場合、銅(Cu)を主成分としているが、ガラス(glass)も含まれているため、基板内のビア(via)の形成に用いられるレーザー加工の際に上記ガラスに含まれている成分が上記レーザーを吸収することによりビアの加工深さを調節することができなくなるという問題がある。
【0009】
このような理由で、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上に銅(Cu)メッキ層を別途に形成している。
【0010】
しかしながら、別途の銅(Cu)メッキ層を形成することは、費用増加及びメッキ液の浸透による信頼性低下の問題をもたらすため、これを解決する方法が求められている。
【0011】
一方、基板内蔵用積層セラミック電子部品は、メモリーカード、PCメインボード及び各種のRFモジュールに用いられる印刷回路基板に内蔵されるため、実装型積層セラミック電子部品と比べて製品のサイズを画期的に減少させることができる。
【0012】
また、MPU等の能動素子の入力端子に非常に近接した距離に配置されることができるため、導線の長さによる相互接続インダクタンス(interconnect inductance)を低減させることができる。
【0013】
この基板内蔵用積層セラミック電子部品におけるインダクタンス低減効果は、内蔵方式という固有の配置関係から得られる相互接続インダクタンス低減効果に過ぎず、基板内蔵用積層セラミック電子部品自体のESL特性の改善効果は今まで達成していない。
【0014】
通常、基板内蔵用積層セラミック電子部品においてESLを低くするためには、積層セラミック電子部品の内部の電流経路を短くする必要がある。
【0015】
しかしながら、基板内蔵用積層セラミック電子部品の外部電極上に銅(Cu)メッキ層を別途に形成することにより外部電極の内部にメッキ液が浸透する問題が生じるため、内部の電流経路を短縮するのが容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、基板内蔵用積層セラミック電子部品及び積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施形態によれば、誘電体層を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して積層され、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリードを有する第1及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極と、を含み、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをGとし、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記セラミック本体の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをMとしたとき、30μm≦G<BW−Mを満たす基板内蔵用積層セラミック電子部品が提供される。
【0019】
上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さMは50μm≦M<BW−Gを満たすことができる。
【0020】
上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の平均厚さは5μm以上であることができる。
【0021】
上記第1及び第2の外部電極上には銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0022】
本発明の他の実施形態によれば、誘電体層を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して積層され、上記セラミック本体の第1及び第2の主面のうちいずれか一つ以上に露出したリードを有する第1及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極と、を含み、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをGとし、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記セラミック本体の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをMとしたとき、50μm≦M<BW−Gを満たす基板内蔵用積層セラミック電子部品が提供される。
【0023】
上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の平均厚さは5μm以上であることができる。
【0024】
上記第1及び第2の外部電極は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0025】
上記第1及び第2の外部電極上には銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0026】
本発明のさらに他の実施形態によれば、誘電体層を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体と、上記誘電体層を介して積層され、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリードを有する第1及び第2の内部電極と、上記セラミック本体の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極と、を含み、上記第1及び第2の外部電極は上記セラミック本体の第1及び第2の主面で上記第1及び第2の内部電極と電気的に連結され、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の平均厚さは5μm以上である基板内蔵用積層セラミック電子部品が提供される。
【0027】
上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをGとし、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記セラミック本体の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをMとしたとき、30μm≦G<BW−M及び50μm≦M<BW−Gを満たすことができる。
【0028】
上記第1及び第2の外部電極は銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0029】
上記第1及び第2の外部電極上には銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0030】
本発明のさらに他の実施形態によれば、絶縁基板と、上記絶縁基板内に内蔵された上記基板内蔵用積層セラミック電子部品と、を含む積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板が提供される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、基板内蔵用積層セラミック電子部品の内部電極をセラミック本体の主面のみに伸びて露出させることにより、電流経路(Current Path)を短縮して等価直列インダクタンス(ESL)を減少させることができる。
【0032】
また、内部電極をセラミック本体の主面のみに伸びて露出させることにより、メッキ液の浸透による信頼性の低下を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0035】
図1は本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、
図2は
図1のX‐X'線に沿う断面図である。
【0036】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bを有する第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極31、32と、を含むことができる。
【0037】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明する上で、特に、積層セラミックキャパシタを例に挙げて説明するが、これに制限されるものではない。
【0038】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、2端子垂直積層型キャパシタであることができる。「垂直積層型(vertically laminated or vertical multilayer)」とは、キャパシタ内に積層された内部電極が回路基板の実装領域面に垂直に配置されることを意味し、「2端子(2‐terminal)」とは、キャパシタの端子として2つの端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0039】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタにおいて、「長さ方向」は
図1の「L方向」、「幅方向」は「W方向」、「厚さ方向」は「T方向」と定義する。
【0040】
ここで、「幅方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念で用いられる。
【0041】
本発明の一実施形態において、セラミック本体10は、形状に特別な制限はなく、図示のように六面体形であることができる。
【0042】
本発明の一実施形態において、セラミック本体10は、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有し、上記第1及び第2の主面は、上記セラミック本体10の上面及び下面ともいわれる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層11を形成する原料は、十分な静電容量が得られるものであれば特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末であることができる。
【0044】
上記誘電体層11を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等のパウダーに、本発明の目的に応じて多様なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤等が添加されたものであることができる。
【0045】
上記誘電体層11の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は、例えば、400nm以下であることができるが、特に制限されず、本発明の目的達成のために多様に調節されることができる。
【0046】
上記第1及び第2の内部電極21、22は、その材料に特別な制限はなく、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム‐銀(Pd‐Ag)合金等の貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0047】
上記第1の内部電極21は、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリード21a、21bを有する。
【0048】
また、上記第2の内部電極22は、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリード22a、22bを有する。
【0049】
また、上記第1の内部電極21と第2の内部電極22は、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bを介して下記第1及び第2の外部電極と電気的に連結されることができる。
【0050】
このように内部電極をセラミック本体の上下面に伸びて露出させることにより、内部電極がセラミック本体の両端面を介して外部電極と連結される一般の形態に比べ、電流経路(Current Path)を短縮して等価直列インダクタンス(ESL)を減少させることができる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2の外部電極31、32は、上記セラミック本体10の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成されることができる。
【0052】
上記第1及び第2の外部電極31、32は、導電性金属及びガラスを含んで形成されることができる。
【0053】
上記第1及び第2の外部電極31、32は、静電容量の形成のために上記セラミック本体10の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に露出した第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bを介して第1及び第2の内部電極21、22と電気的に連結されることができる。
【0054】
上記第1及び第2の外部電極31、32は、上記第1及び第2の内部電極21、22と同じ材質の導電性物質で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上の導電性金属で形成されることができる。
【0055】
上記第1及び第2の外部電極31、32は、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して製造された導電性ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されることができる。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32上に銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0057】
通常の積層セラミックキャパシタは印刷回路基板上に実装されるため、外部電極上にニッケル/スズメッキ層を形成することが一般的であった。
【0058】
しかしながら、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、印刷回路基板内蔵用であるため基板上に実装されず、当該積層セラミックキャパシタの上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32が銅(Cu)材質のビア(via)を介して基板の回路と電気的に連結される。
【0059】
したがって、本発明の一実施形態によれば、上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32上には、上記基板内のビアの材質である銅(Cu)と電気的連結性の良い銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0060】
一方、上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32の場合も、銅(Cu)を主成分としているが、ガラス(glass)も含まれているため、基板内のビア(via)の形成に用いられるレーザー加工の際に上記ガラスに含まれている成分が上記レーザーを吸収することによりビアの加工深さを調節することができなくなるという問題がある。
【0061】
しかしながら、本発明の一実施形態によれば、上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32上に銅(Cu)からなる金属層を形成することにより、上記の問題を解決することができる。
【0062】
上記銅(Cu)からなる金属層は、その形成方法に特別な制限はなく、例えば、メッキ法により形成されることができる。
【0063】
別の方法として、銅(Cu)を含み且つガラスフリットを含まない導電性ペーストを上記第1の外部電極31及び第2の外部電極32上に塗布して形成する塗布法を用いることもできる。
【0064】
上記塗布法の場合、焼成後の上記金属層は、銅(Cu)のみからなることができる。
【0065】
図3は、
図1のX‐X'線に沿う断面図であって、第1及び第2の内部電極の形状を示す断面図である。
【0066】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さをGとし、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さをMとしたとき、30μm≦G<BW−Mを満たすことができる。
【0067】
上記第1及び第2の外部電極31、32の端から第1及び第2の外部電極31、32の上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さGが30μm≦G<BW−Mを満たすように調節することにより、メッキ液の浸透による信頼性の低下を防止することができる。
【0068】
上記第1及び第2の外部電極31、32の端から第1及び第2の外部電極31、32の上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さGが30μm未満の場合は、メッキ液の浸透によって信頼性が低下する可能性がある。
【0069】
上記第1及び第2の外部電極31、32の端から第1及び第2の外部電極31、32の上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する位置までの長さGが、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さBWから、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さMを引いた値と同じ場合は、リードが形成されることができないため、セラミック本体10の上下面で内部電極と外部電極を連結することができない。
【0070】
本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品は、上記本発明の一実施形態による特徴に加えて、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さMが50μm≦M<BW−Gを満たすことができる。
【0071】
上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さMが50μm≦M<BW−Gを満たすように調節することにより、剥離(Delamination)不良を防止することができるため、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を具現することができる。
【0072】
上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さMが50μm未満の場合は、剥離不良が発生する可能性があるため、信頼性が低下するという問題がある。
【0073】
上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さMがBW−Gと一致する場合は、上記リードが形成されることができないため、セラミック本体10の上下面で内部電極と外部電極を連結することができない。
【0074】
一方、本発明の一実施形態によれば、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の平均厚さteは5μm以上であることができる。
【0075】
上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の平均厚さteを5μm以上に調節することにより、メッキ液の浸透による信頼性の低下を防止することができる。
【0076】
上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の平均厚さteが5μm未満の場合は、メッキ液の浸透によって信頼性が低下する可能性がある。
【0077】
上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の平均厚さte、上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さG、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さBW、及び上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さMは、
図3のようにセラミック本体10の長さ‐厚さ方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Eletron Microscope)でイメージスキャンすることにより測定されることができる。
【0078】
例えば、
図3及び
図4のようにセラミック本体10の幅(W)方向の中央部に沿う長さ‐厚さ(L‐T)方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから上記第1及び第2の外部電極31、32の各部分の長さ及び厚さを測定して得ることができる。
【0079】
本発明の他の実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面のうちいずれか一つ以上に露出したリード21a、21b、22a、22bを有する第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極31、32と、を含み、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さをGとし、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の端から上記セラミック本体10の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体10の端面から上記第1及び第2のリード21a、21b、22a、22bに対応する第1及び第2の外部電極31、32までの長さをMとしたとき、50μm≦M<BW−Gを満たすことができる。
【0080】
上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の平均厚さは5μm以上であることができる。
【0081】
上記第1及び第2の外部電極は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0082】
上記第1及び第2の外部電極上には、銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0083】
その他の本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴は、上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0084】
本発明のさらに他の実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品は、誘電体層11を含み、対向する第1及び第2の主面、対向する第1及び第2の側面、及び対向する第1及び第2の端面を有するセラミック本体10と、上記誘電体層11を介して積層され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面のうちいずれか一つ以上に露出したリード21a、21b、22a、22bを有する第1及び第2の内部電極21、22と、上記セラミック本体10の第1及び第2の端面から第1及び第2の主面と第1及び第2の側面に伸びて形成された第1及び第2の外部電極31、32と、を含み、上記第1及び第2の外部電極31、32は上記セラミック本体10の第1及び第2の主面で上記第1及び第2の内部電極21、22と電気的に連結され、上記セラミック本体10の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極31、32の平均厚さは5μm以上であることができる。
【0085】
上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをGとし、上記セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された上記第1及び第2の外部電極の端から上記セラミック本体の端面までの長さをBWとし、上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さをMとしたとき、30μm≦G<BW及び50μm≦M<BW−Gを満たすことができる。
【0086】
上記第1及び第2の外部電極は、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0087】
上記第1及び第2の外部電極上には、銅(Cu)からなる金属層がさらに形成されることができる。
【0088】
その他の本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴は、上述した本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの特徴と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0089】
本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の製造方法は下記の通りである。まず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等のパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して複数のセラミックグリーンシートを製造し、これにより、誘電体層を形成することができる。
【0090】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状にして製作されることができる。
【0091】
次に、平均サイズが0.1〜0.2μmのニッケル粒子を有する40〜50重量部のニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを製造することができる。
【0092】
上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、200〜300層積層してセラミック本体を製造することができる。
【0093】
次に、上記セラミック本体の上下面及び端部に導電性金属及びガラスを含む第1の外部電極及び第2の外部電極を形成することができる。
【0094】
上記導電性金属は、特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上であることができる。
【0095】
上記ガラスは、特に制限されず、一般の積層セラミックキャパシタの外部電極の製作に用いられるガラスと同じ組成の物質であることができる。
【0096】
上記第1及び第2の外部電極は、上記セラミック本体の上下面及び端部に形成されることにより、上記第1及び第2の内部電極とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0097】
次に、上記第1の外部電極及び第2の外部電極上に銅(Cu)からなる金属層を形成することができる。
【0098】
その他、上述した本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品の特徴と同じものに関する説明は省略する。
【0099】
図4は、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板100を示す断面図である。
【0100】
図4を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミック電子部品内蔵型印刷回路基板100は、絶縁基板110と、上記本発明の一実施形態による基板内蔵用積層セラミック電子部品と、を含むことができる。
【0101】
上記絶縁基板110は、絶縁層120が含まれた構造を有し、必要に応じて、
図4に例示されたように多様な形態の層間回路を構成する導電性パターン130及び導電性ビアホール140を含むことができる。上記絶縁基板110は、内部に積層セラミック電子部品を含む印刷回路基板100であることができる。
【0102】
上記積層セラミック電子部品は、印刷回路基板100に挿入された後、印刷回路基板100の熱処理等のような後工程進行中の様々な過酷環境を同様に経験してしまう。
【0103】
特に、熱処理工程中の印刷回路基板100の収縮及び膨張は、印刷回路基板100の内部に挿入された積層セラミック電子部品に直接伝達され、積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着面にストレスを加える。
【0104】
積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着面に加えられたストレスが接着強度より高い場合は、接着面が剥がれる剥離不良が発生する。
【0105】
積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着強度は積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との電気化学的結合力と接着面の有効表面積に比例し、積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との接着面の有効表面積を向上させるために積層セラミック電子部品の表面粗度を制御することにより積層セラミック電子部品と印刷回路基板100との間の剥離現象を改善することができる。
【実施例】
【0106】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0107】
実施例
実施例は、基板内蔵用積層セラミック電子部品のセラミック本体の第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の外部電極の平均厚さteと上記第1及び第2の外部電極の端から第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さG、及び上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さMの数値が本発明の数値範囲を満たすように製作したものである。
【0108】
比較例
比較例は、基板内蔵用積層セラミック電子部品のセラミック本体の第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の外部電極の平均厚さteと上記第1及び第2の外部電極の端から第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さG、及び上記セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さMの数値が本発明の範囲を外れる以外は、上記実施例と同じ条件で製作したものである。
【0109】
下記表1は、本発明の実施形態により基板内蔵用積層セラミック電子部品のセラミック本体の第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の外部電極の平均厚さteと上記第1及び第2の外部電極の端から第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さGの値による信頼性を比較して評価したものである。
【0110】
上記信頼性評価は、メッキ液の浸透による加速寿命の低下の有無を評価したものである。より具体的には、湿度条件8585(85℃、85%の湿度)で定格電圧を1時間印加して行った後、不良率が0.01%未満の場合を◎、0.01%〜1.00%の場合を○、1.00%〜50%の場合を△、50%以上の場合を×で表示した。
【0111】
【表1】
*:比較例
【0112】
上記表1を参照すると、比較例であるサンプル1〜12は、セラミック本体の第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の外部電極の平均厚さteが本発明の数値範囲を外れるものであり、メッキ液の浸透による加速寿命の低下が発生して信頼性に問題があることが分かる。
【0113】
また、比較例であるサンプル16及び17は、第1及び第2の外部電極の端から第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さGが本発明の数値範囲を外れるものであり、信頼性に問題があることが分かる。
【0114】
これに対し、実施例であるサンプル13〜15及び18〜20は、本発明の数値範囲を満たすものであり、信頼性に優れることが分かる。
【0115】
下記表2は、本発明の実施形態により基板内蔵用積層セラミック電子部品のセラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さMの値による信頼性を比較して評価したものである。
【0116】
上記信頼性評価は、剥離(Delamination)の有無を評価したものである。より具体的には、セラミック本体の切断面モールド(Mold)検査を行って剥離(Delamination)の有無を評価した後、不良率が0.01%未満の場合を◎、0.01%〜1.00%の場合を○、1.00%〜50%の場合を△、50%以上の場合を×で表示した。
【0117】
【表2】
*:比較例
【0118】
上記表2を参照すると、比較例であるサンプル21〜26は、セラミック本体の端面から上記第1及び第2のリードに対応する第1及び第2の外部電極までの長さMが本発明の数値範囲を外れるものであり、剥離(Delamination)不良によって信頼性に問題があることが分かる。
【0119】
これに対し、実施例であるサンプル27〜32は、本発明の数値範囲を満たすものであり、信頼性に優れることが分かる。
【0120】
図5は、本発明の実施例及び比較例による等価直列インダクタンス(ESL)を示すグラフである。
【0121】
図5を参照すると、本発明の実施例による等価直列インダクタンス(ESL)が比較例による等価直列インダクタンス(ESL)より低いことが分かる。
【0122】
以上のことから、本発明の一実施形態によれば、基板内蔵用積層セラミック電子部品の内部電極をセラミック本体の上下面に伸びて露出させた垂直積層型に製作することにより、電流経路(Current Path)を短縮して等価直列インダクタンス(ESL)を減少させることができることが分かる。
【0123】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。