(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-43572(P2015-43572A)
(43)【公開日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】アンテナ及びアンテナを備えた無線通信装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/44 20060101AFI20150206BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20150206BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20150206BHJP
【FI】
H01Q1/44
H01Q13/08
H01Q1/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-171272(P2014-171272)
(22)【出願日】2014年8月26日
(31)【優先権主張番号】201310374089.3
(32)【優先日】2013年8月26日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】513235681
【氏名又は名称】群▲マイ▼通訊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】陳 依▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】許 ▲タク▼綱
【テーマコード(参考)】
5J045
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J045AA02
5J045DA08
5J045LA01
5J046AA07
5J046AA12
5J047AA07
5J047AA12
5J047FD01
(57)【要約】
【課題】本発明は、金属ケースの無線通信装置に適用するアンテナ及び当該アンテナを備える無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るアンテナは、第一ケースを含む無線通信装置に用いられ、且つフィードイン端子を備える。前記第一ケースは、アンテナの放射体として機能し、フィードイン端子の一端は、第一ケースに電気的に接続され、フィードイン端子の他端は、可変コンデンサを介してアンテナに信号をフィードインする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ケースを含む無線通信装置に用いられ、且つフィードイン端子を備えるアンテナであって、
前記第一ケースは、前記アンテナの放射体として機能し、前記フィードイン端子の一端は、前記第一ケースに電気的に接続され、前記フィードイン端子の他端は、可変コンデンサを介して前記アンテナに信号をフィードインすることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記放射体は、第一放射面、第二放射面、第三放射面、第四放射面及び第五放射面を備え、前記第一放射面は、前記フィードイン端子及び接地端子に電気的に接続され且つ前記第二放射面に対して垂直に連接され、前記第三放射面は、前記第一放射面に対して平行に配置され、前記第四放射面及び前記第五放射面は、互いに対して平行に且つ対向して配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
第一ケース、アンテナ及び回路基板を備える無線通信装置であって、
前記アンテナは、フィードイン端子及び接地端子を含み、前記接地端子は、前記第一ケース及び前記回路基板に電気的に接続され、前記第一ケースは、前記アンテナの放射体として機能し、前記フィードイン端子の一端は、前記第一ケースに電気的に接続され、前記フィードイン端子の他端は、可変コンデンサを介して前記回路基板に電気的に接続されて前記アンテナに信号をフィードインすることを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信装置は、第二ケースをさらに備え、前記第一ケース及び前記第二ケースは、それぞれ金属材料からなり且つ隙間を介して間隔をあけて設けられ、
前記隙間内に樹脂が充填されることによって、前記第一ケース及び前記第二ケースは、互いに絶縁して連接されることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ及びアンテナを備えた無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日常生活においてよく利用されている携帯電話機、PDA及びタブレットPC等の携帯式通信端末機にとって、無線電波を送受信することによりデータを伝送又は交換するためのアンテナは、主要部品の一つである。
【0003】
近年、異なる周波数帯域を使用する各種の通信システムが絶えず出現することに伴って、アンテナも多くの周波数帯域を含むブロードバンドを目指して設計されている。すなわち、携帯式通信端末機が異なる周波数帯域を使用した多種の無線通信システムにおいて、正常に信号の伝送が行なえるよう、現在のアンテナは、多種の異なる周波数の信号を送受信しなければならない。
【0004】
しかし、最近、無線通信装置の外観は金属化又は小型化になりつつあり、無線通信装置の金属外観を維持する前提下で、アンテナにブロードバンド特性を持たせることは、アンテナメーカーにとって難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、金属ケースの無線通信装置に適用するアンテナ及び当該アンテナを備える無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の問題を解決するために、本発明に係るアンテナは、第一ケースを含む無線通信装置に用いられ、且つフィードイン端子を備える。第一ケースは、アンテナの放射体として機能し、フィードイン端子の一端は、第一ケースに電気的に接続され、フィードイン端子の他端は、可変コンデンサを介してアンテナに信号をフィードインする。
【0007】
また、上述の問題を解決するために、本発明に係る無線通信装置は、第一ケース、アンテナ及び回路基板を備える。アンテナは、フィードイン端子及び接地端子を含み、接地端子は、第一ケース及び回路基板に電気的に接続され、第一ケースは、アンテナの放射体として機能し、フィードイン端子の一端は、第一ケースに電気的に接続され、フィードイン端子の他端は、可変コンデンサを介して回路基板に電気的に接続されてアンテナに信号をフィードインする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアンテナは、無線通信装置の第一ケースを放射体とし、可変コンデンサを介して、アンテナを複数の周波数バンド上で動作させるので、無線通信装置の金属外観を損なうことはない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る無線通信装置の一部を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る無線通信装置の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るアンテナを示す図である。
【
図4】
図3に示したアンテナのリターンロスを示す図である。
【
図5】
図3に示したアンテナの放射効率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態に係るアンテナ100は、無線通信装置200に適用する。無線通信装置200の例としては、携帯電話機、タブレットPC、ノートパソコン等が挙げられる。
【0011】
無線通信装置200は、第二ケース220、第一ケース240、回路基板260及びタッチパネル280を備える。第二ケース220及び第一ケース240は、相互に絶縁して連接されて、共同で無線通信装置200のハウジングを形成する。タッチパネル280は、第二ケース220及び第一ケース240に装着される。回路基板260及び無線通信装置200の各種の機能を実現するための電子素子は、前記ハウジングと前記タッチパネル280との間に収容される。
【0012】
第二ケース220及び第一ケース240は、それぞれ金属材料からなる。第二ケース220と第一ケース240との間には、隙間201が形成されている。本実施形態において、隙間201内に溶融樹脂を充填することによって、第二ケース220と第一ケース240とを絶縁して連接する。
【0013】
第二ケース220は、ほぼ矩形のボックスであり、その一つの表面は第一ケース240に連接される。回路基板260には、信号フィードイン点262、システム接地点264及びUSB接続ポート266が設けられている。信号フィードイン点262は、アンテナ100に電気信号をフィードインするために用いられ、システム接地点264は、アンテナ100を接地させる。無線通信装置200は、USB接続ポート266によって外部装置に接続されて、外部装置と電気信号又はデータの伝送を行なう。
【0014】
図3に示すように、第一ケース240は、アンテナ100の放射体として機能する。アンテナ100は、フィードイン端子10及び接地端子30をさらに備える。第一ケース240は、一端が開口した中空の直方体であり、且つ第一放射面241、第二放射面242、第三放射面243、第四放射面244及び第五放射面245を含む。第一放射面241及び第二放射面242は、互いに対して垂直に連接されている。また、第一放射面241は、フィードイン端子10及び接地端子30に電気的に接続される。本実施形態において、第二放射面242には、USB接続ポート266を露出させるための貫通孔2421が設けられている。第三放射面243は、第一放射面241に対して平行に配置され、且つその全体は略「凹」字状を呈する。第四放射面244及び第五放射面245は、互いに対して平行に配置され、且つ第一放射面241、第二放射面242及び第三放射面243とそれぞれ垂直に連接される。第一ケース240の第二放射面242に対向する側は、開口端として、第二ケース220と絶縁して間隔をあけて設けられる。
【0015】
フィードイン端子10の一端は、第一放射面241のほぼ中央部に電気的に接続されている。フィードイン端子10の他端には、可変コンデンサCが接続されている。フィードイン端子10は、可変コンデンサCを介して回路基板260の信号フィードイン点262に接続されて、アンテナ100に信号をフィードインする。
【0016】
接地端子30は、フィードイン端子10に対して平行に且つ間隔をあけて設けられている。接地端子30は、第一放射面241及び回路基板260のシステム接地点264に接続されて、アンテナ100を接地させる。
【0017】
アンテナ100が動作する際、信号は回路基板260の信号フィードイン点262からフィードインされて、アンテナ100の可変コンデンサC、フィードイン端子10、第一ケース240及び接地端子30を順次に経過して、回路基板260のシステム接地点264にフィードインされる。可変コンデンサCのコンデンサ値を調節することによって、アンテナ100は複数の周波数バンドにおいて動作できるようになる。本実施形態において、可変コンデンサCのコンデンサ値が2.2pFである場合、アンテナ100の動作周波数バンドはGSM(登録商標)850をカバーする。可変コンデンサCのコンデンサ値が1.1pFである場合、アンテナ100の動作周波数バンドはGSM(登録商標)950/DCS1800/PCS1900/UMTS Band I/UMTS Band II/UMTS Band V/UMTS Band VIII及びLTE II/LTE IV/LTE Vをカバーする。また、可変コンデンサCのコンデンサ値が0.6pFである場合、アンテナ100の動作周波数バンドはLTE VII/XVII/XLをカバーする。これによって、アンテナ100の動作周波数の範囲は、704MHz〜960MHz及び1710MHz〜2690MHzである。
【0018】
図4は、本発明の実施形態に係るアンテナ100のリターンロスを示している。
図4から分かるように、アンテナ100は、704MHz〜960MHz及び1710MHz〜2690MHzという動作周波数バンドの無線信号を送受信する際、優れた効果を得ることができる。
【0019】
図5は、本発明の実施形態に係るアンテナ100の放射効率の測定結果を示している。
図5から分かるように、アンテナ100は、低周波数(704MHz〜960MHz)及び高周波数(1710MHz〜2690MHz)において、それぞれ設計要求を満たすことができる。
【符号の説明】
【0020】
100 アンテナ
10 フィードイン端子
30 接地端子
200 無線通信装置
201 隙間
220 第二ケース
240 第一ケース
241 第一放射面
242 第二放射面
2421 貫通孔
243 第三放射面
244 第四放射面
245 第五放射面
260 回路基板
262 信号フィードイン点
264 システム接地点
266 USB接続ポート
280 タッチパネル