特開2015-44382(P2015-44382A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブイ・テクノロジーの特許一覧

特開2015-44382印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法
<>
  • 特開2015044382-印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法 図000003
  • 特開2015044382-印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法 図000004
  • 特開2015044382-印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法 図000005
  • 特開2015044382-印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法 図000006
  • 特開2015044382-印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-44382(P2015-44382A)
(43)【公開日】2015年3月12日
(54)【発明の名称】印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41N 1/24 20060101AFI20150213BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20150213BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20150213BHJP
【FI】
   B41N1/24
   B41M1/12
   H05K3/12 610P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-177917(P2013-177917)
(22)【出願日】2013年8月29日
(71)【出願人】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(72)【発明者】
【氏名】水村 通伸
【テーマコード(参考)】
2H113
2H114
5E343
【Fターム(参考)】
2H113AA01
2H113BA10
2H113BB22
2H113CA17
2H114AB08
2H114AB15
5E343BB22
5E343BB72
5E343DD03
5E343FF02
5E343FF12
5E343GG20
(57)【要約】
【課題】パターンの位置ずれや変形を抑制できる印刷用マスク及びこのマスクを用いた印刷方法を提供する。
【解決手段】印刷用マスクは、印刷面側に形成され、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン4a、及び該印刷溝パターンの底面に貫通し、その底面幅より小さい内径の貫通孔4bを有するマスク基材4と、このマスク基材に積層され、マスク基材の貫通孔を介して印刷溝パターン内に連通して転写材料を充填する開口パターン3aを有する保持部材3と、を備える。そして、印刷溝パターンが、貫通孔以外の周辺領域4cで繋がっていることによって、マスク基材のパターンの位置ずれや変形を抑制できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷面側に形成され、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン、及び該印刷溝パターンの底面に貫通し、その底面幅より小さい内径の貫通孔を有するマスク基材と、
前記マスク基材に積層され、前記マスク基材の貫通孔を介して前記印刷溝パターン内に連通して転写材料を充填する開口パターンを有する保持部材と、を具備し、
前記印刷溝パターンが、前記貫通孔以外の周辺領域で繋がっていることを特徴とする印刷用マスク。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記印刷溝パターンの底面に複数個設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷用マスク。
【請求項3】
前記マスク基材は樹脂フィルムから成り、前記保持部材はシート状で、前記開口パターンが長手方向及び短手方向の少なくとも一方に所定ピッチで形成された磁性金属材料から成る、ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用マスク。
【請求項4】
前記マスク基材と前記保持部材の周囲を囲み該両部材が張設される製版枠を更に備える、ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1つの項に記載の印刷用マスク。
【請求項5】
印刷面側に形成され、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン、及び該印刷溝パターンの底面に貫通し、その底面幅より小さい内径の貫通孔を有するマスク基材と、前記マスク基材に積層され、前記マスク基材の貫通孔を介して前記印刷溝パターン内に連通して転写材料を充填する開口パターンを有する保持部材と、を具備し、前記印刷溝パターンが、前記貫通孔以外の周辺領域で繋がっている印刷用マスクを用いた印刷方法であって、
被印刷物の印刷面上に前記印刷用マスクの印刷面を配置して固定する工程と、
前記保持部材に転写材料を塗布し、前記保持部材の開口パターンから前記マスク基材の貫通孔を介して、前記印刷溝パターン内に転写材料を充填する工程と、
前記マスク基材の印刷溝パターン内の転写材料を、前記被印刷物に被着させてパターンを転写する工程と、
前記印刷用マスクを前記被印刷物から剥離する工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
前記保持部材は、シート状の磁性金属材料から成り、前記印刷用マスクの印刷面を配置して固定する工程は、前記被印刷物の印刷面と反対側から磁力で吸引して固定するものである、ことを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
【請求項7】
前記転写材料は、フォトレジストを含み、前記被印刷物にフォトレジストのパターンを印刷して形成する、ことを特徴とする請求項5または6に記載の印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷物にパターンを印刷するマスク、及びこのマスクを用いた印刷方法に関し、詳しくは、マスク基材と保持部材との積層構造とすることで、パターンの位置ずれや変形を抑制しようとする印刷用マスク、及びこのマスクを用いた印刷方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷用スクリーンマスクは、例えばスクリーン版枠に紗張りしたスクリーンメッシュ上に、レジストパターンを形成した構成になっている。スクリーンメッシュの材料には、シルクやナイロン、ポリエステル等の樹脂繊維、ステンレスメッシュ等が用いられる。レジストパターンは、スクリーンメッシュに感光乳剤を塗布し、乾燥させて感光膜を形成した後、この感光膜にフォトマスクを密着させて露光・現像を行って形成する。
【0003】
そして、印刷する際には、スクリーン版枠に張られたスクリーンマスクを印刷面上に僅かな距離を離してセットし、このスクリーンマスク上にインク(あるいはペースト)を供給し、スキージの圧力によりスクリーンマスクを印刷面に押し付けながら、スクリーンマスクの開口部からインクを印刷面上に押し出すことで、パターンを印刷面上に転写するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−216330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の印刷用マスク及び印刷方法においては、スキージでインクを延展する際にかかる圧力により、レジストパターンがずれたり変形したりしてパターン精度が出ない、という問題があった。特に、細く長い直線状の配線が狭ピッチで配置されたパターン等では、配線の延設方向と直交する横方向にレジストパターンがずれたり変形したりし易く、パターン精度の低下が顕著になる。
【0006】
そこで、このような問題点に対処し、本発明が解決しようとする課題は、マスク基材と保持部材との積層構造とすることで、パターンの位置ずれや変形を抑制しようとする印刷用マスク、及びこのマスクを用いた印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明による印刷用マスクは、印刷面側に形成され、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン、及び該印刷溝パターンの底面に貫通し、その底面幅より小さい内径の貫通孔を有するマスク基材と、前記マスク基材に積層され、前記マスク基材の貫通孔を介して前記印刷溝パターン内に連通して転写材料を充填する開口パターンを有する保持部材と、を具備し、前記印刷溝パターンが、前記貫通孔以外の周辺領域で繋がっていることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記貫通孔は、前記印刷溝パターンの底面に複数個設けられてもよい。
【0009】
さらに、前記マスク基材は樹脂フィルムから成り、前記保持部材はシート状で、前記開口パターンが長手方向及び短手方向の少なくとも一方に所定ピッチで形成された磁性金属材料から成ってもよい。
【0010】
さらにまた、前記マスク基材と前記保持部材の周囲を囲み該両部材が張設される製版枠を更に備えてもよい。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明による印刷方法は、印刷面側に形成され、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン、及び該印刷溝パターンの底面に貫通し、その底面幅より小さい内径の貫通孔を有するマスク基材と、前記マスク基材に積層され、前記マスク基材の貫通孔を介して前記印刷溝パターン内に連通して転写材料を充填する開口パターンを有する保持部材と、を具備し、前記印刷溝パターンが、前記貫通孔以外の周辺領域で繋がっている印刷用マスクを用いた印刷方法であって、被印刷物の印刷面上に前記印刷用マスクの印刷面を配置して固定する工程と、前記保持部材に転写材料を塗布し、前記保持部材の開口パターンから前記マスク基材の貫通孔を介して、前記印刷溝パターン内に転写材料を充填する工程と、前記マスク基材の印刷溝パターン内の転写材料を、前記被印刷物に被着させてパターンを転写する工程と、前記印刷用マスクを前記被印刷物から剥離する工程と、を含むものである。
【0012】
また、前記保持部材は、シート状の磁性金属材料から成り、前記印刷用マスクの印刷面を配置して固定する工程は、前記被印刷物の印刷面と反対側から磁力で吸引して固定してもよい。
【0013】
さらに、前記転写材料は、フォトレジストを含み、前記被印刷物にフォトレジストのパターンを印刷して形成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明による印刷用マスクによれば、印刷溝パターン及び貫通孔を有するマスク基材と開口パターンを有する保持部材との積層構造とし、前記印刷溝パターンが、貫通孔以外の周辺領域で繋がっていることで、マスク基材に形成されている印刷溝パターンの位置ずれや変形を抑制することができる。
【0015】
また、本発明による印刷方法によれば、転写材料を塗布し、充填する工程において、印刷溝パターンが、貫通孔以外の周辺領域で繋がっていることで、スキージで転写材料を延展する際にかかる圧力により、マスク基材に形成されている印刷溝パターンの位置ずれや変形が抑制できる。したがって、微細で近接したパターンであっても、印刷されたパターンの位置ずれや変形が少なく、パターン精度の高い印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による印刷用マスクの実施形態を示す概略構成の斜視図である。
図2図1に示した印刷用マスクの一部の領域を拡大して示すもので、(a)は一部領域の平面図、(b)は(a)のX1−X1’線に沿った断面図、(c)は(a)のX2−X2’線に沿った断面図である。
図3】本発明による印刷用マスクを用いた印刷方法を示すもので、(a)はインクの塗布工程を示す斜視図、(b)は(a)のY−Y’線に沿った拡大断面図である。
図4】本発明による印刷用マスクを用いた印刷方法を示すもので、(a)は印刷用マスクを被印刷物から剥離する工程を示す斜視図、(b)は(a)のZ1−Z1’線に沿った印刷用マスクの拡大断面図、(c)は(a)のZ2−Z2’線に沿った被印刷物の拡大断面図である。
図5】保持部材における開口パターンの他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による印刷用マスクの実施形態を示す図である。この印刷用マスクは、印刷面に転写材料としてのインク(あるいはペースト、フォトレジスト等)のパターンを転写して印刷するもので、複合マスク1と、メタルフレーム(製版枠)2とを備えて成る。複合マスク1は、方形状のメタルフレーム2の内側に張設され、テンションを掛けた状態で保持されている。
【0018】
前記複合マスク1は、図2図1の一点鎖線で囲んだ領域100を拡大して示すように、マスク基材としての樹脂フィルム4と、保持部材3とを積層した複合構造になっている。樹脂フィルム4の印刷面(下面)側には、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン4aが形成されている。また、印刷溝パターン4aの底面に貫通孔4bが形成されている。この樹脂フィルム4の厚さは、例えば12μm〜24μm程度である。また、本例においては、複数の直線状の印刷溝パターン4aが隣接して配置されている。
【0019】
前記樹脂フィルム4における印刷面の上面側には、短手方向に一定ピッチで配置したスリット状の開口パターン3aを有し、シート状で磁性金属材料から成る保持部材3が設けられている。この保持部材3は、印刷の際に複合マスク1を磁力で保持して固定するためのもので、磁力で保持可能な厚さ、例えば30μm程度である。保持部材3の開口パターン3aは、貫通孔4bを介して印刷溝パターン4aに連通している。この貫通孔4bの内径は、印刷溝パターン4aの底面幅及び開口パターン3aの内径より小さく、開口パターン3aと印刷溝パターン4aとの間は、1つまたは複数の貫通孔4bを介して連通している。
【0020】
ここで、本発明においては、前記複合マスク1は、図2(b)と異なる領域において、同図(c)に示すように、印刷溝パターン4aの底面における貫通孔4b以外の周辺領域(隣接する貫通孔4b間の領域)4cで繋がっている。
【0021】
すなわち、マスク基材4における貫通孔4bは、開口パターン3aと印刷溝パターン4aとを連通させ、保持部材3に塗布されたインクを、開口パターン3aから貫通孔4bを介して印刷溝パターン4a内に充填するように機能する。また、貫通孔4b以外の周辺領域4cが繋がっていることで、隣接する印刷溝パターン4aのずれや変形を抑制するために機能している。
【0022】
上記のような構成の印刷用マスクによれば、印刷溝パターン4aの底面における貫通孔4b以外の周辺領域4cで隣接する印刷溝パターン4aが繋がっているので、印刷溝パターン4aの位置ずれや変形を抑制できる。例えば、直線状の長い配線等が狭ピッチで連続的に配置されたようなパターン、あるいは微細で近接したパターンであっても、直線状パターンの延設方向と直交する横方向に対するずれや変形を周辺領域4cで抑制できる。
【0023】
上述した印刷用マスクは、例えば、次のような製造方法で形成できる。
まず、例えばスリット状の開口パターン3aを形成した保持部材3に、液状の樹脂を塗布して硬化させ、樹脂フィルム4を積層形成する。あるいは樹脂フィルム4に磁性金属をメッキして保持部材3を積層形成し、該保持部材3をエッチングしてスリット状の開口パターン3aを形成する。
【0024】
次に、保持部材3の開口パターン3aを介して、例えばレーザ光線等を照射して貫通孔4bを形成する。この貫通孔4bは、開口パターン3a内に所定のピッチでマトリックス状に形成するか、あるいはランダムに形成することもできる。印刷溝パターン4aのサイズやインクの粘性を考慮し、大きなパターンに対しては底部に複数個配置し、小さなパターンに対しては少なくとも1個配置されるように、貫通孔4bの内径、数、及びピッチ等を考慮するとよい。
【0025】
続いて、保持部材3と樹脂フィルム4との積層構造体をメタルフレーム2の内側に張設する。そして、保持部材3と樹脂フィルム4にテンションを掛けた状態で、樹脂フィルム4の印刷面側からレーザ光線等を照射し、印刷すべきパターンに対応する印刷溝パターン4aを形成する。この際、印刷溝パターン3aの深さが、樹脂フィルム4の厚さよりも浅くなるように、レーザ光線のパワーと照射時間を設定する。
【0026】
なお、樹脂フィルム4に磁性金属をメッキする場合には、予め所定のピッチあるいはランダムに貫通孔4bが形成された樹脂フィルム4を用いることもできる。この場合には、開口パターン3aの以外の領域の貫通孔4bが保持部材3で覆われるため、インクは印刷面側には浸透しない。貫通孔4bが形成された樹脂フィルム4を用いる場合にも、貫通孔4bが印刷溝パターン4aの底面に1個または複数個配置されるように、貫通孔4bの内径、ピッチ及び配置を設定するとよい。
【0027】
次に、前記印刷用マスクを用いた印刷方法について、図3及び図4により説明する。
まず、メタルフレーム2を印刷装置に装着して被印刷物5上に複合マスク1を配置し、この被印刷物5の下面(印刷面と反対)側に磁石6(図3(b)参照)を配置して、保持部材3を磁力で吸引して複合マスク1を固定する。この状態で、図3(a)に示すように、複合マスク1の表面(保持部材3の表面)上にインク7を供給し、スキージ8の圧力により複合マスク1を印刷面に押し付けながら、スキージ8を矢印方向に移動させてインク7を塗布する。同図(b)に示すように、保持部材3の表面に塗布されたインク7は、開口パターン3aから樹脂フィルム4の貫通孔4bを介して、印刷溝パターン4a内に充填される。続いて、前記インク7は、被印刷物5の印刷面上に押し出されて被着されて転写される。
【0028】
次に、図4(a)に示すように、被印刷物5から複合マスク1を剥離する。すると、同図(b)に示すように、複合マスク1は変形せずに被印刷物5から剥離され、同図(c)に示すように、印刷溝パターン4a内のインク7が被印刷物5上に転写され、印刷パターン7aが形成される。
【0029】
上記のような印刷方法によれば、インク7を塗布する工程において、保持部材3を磁力で吸引して樹脂フィルム4を固定するとともに、印刷溝パターン4aの底部における貫通孔4b以外の周辺領域4cで印刷溝パターンが繋がっていることで、スキージ8でインク7を延展する際にかかる圧力により樹脂フィルム4のパターンのずれや変形が抑制できる。特に、従来のスクリーンマスクでは形成が難しかった、直線状の長い配線が狭ピッチで配置されたようなパターン、あるいは微細で近接したパターン、例えばタッチパネルの額縁領域に形成された取出配線パターンを形成するのに好適であり、印刷された配線パターンの位置ずれや変形を抑制して、パターン精度の高い印刷を行うことができる。
【0030】
しかも、フォトレジストを用いたエッチングプロセスでは、パターンを形成するためにフォトレジストの塗布工程、露光工程、現像工程、及びエッチング工程が必要であったが、転写材料にフォトレジストを用いることで、レジストパターンを被エッチング体上に印刷で直接形成し、このレジストパターンを用いてエッチングを行うことで、露光工程と現像工程が不要になり、エッチングプロセスを大幅に簡略化できる。
【0031】
なお、保持部材3の開口パターンは、スリット状に限られず、図5に示すように長方形状の開口パターン3bが縦横にマトリックス状に配列された配置としてもよい。このような開口パターン3bでは、隣接する開口パターン3b間の保持部材3の枠状部3c,3dが縦横に連結された状態で補強できるので、図1(a)に示すスリット状の開口パターン3aに比べて、スキージ8によるインク7の塗布時に開口パターン3bのずれを少なくできる。
また、上述した実施形態では、貫通孔が円形の例を示したが、インクを印刷溝パターン内に充填でき、且つ周辺領域で隣接する印刷溝パターンを繋げることができれば、円形に限られるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1…複合マスク
2…メタルフレーム(製版枠)
3…保持部材
3a,3b…開口パターン
4…樹脂フィルム(マスク基材)
4a…印刷溝パターン
4b…貫通孔
4c…周辺領域
5…被印刷物
6…磁石
7…インク(転写材料)
図1
図2
図3
図4
図5