(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-48241(P2015-48241A)
(43)【公開日】2015年3月16日
(54)【発明の名称】コンクリート柱の運搬方法
(51)【国際特許分類】
B65G 69/16 20060101AFI20150217BHJP
B60P 7/16 20060101ALI20150217BHJP
B65G 57/00 20060101ALI20150217BHJP
B65D 59/06 20060101ALI20150217BHJP
B65D 59/00 20060101ALI20150217BHJP
B60P 3/40 20060101ALN20150217BHJP
【FI】
B65G69/16
B60P7/16
B65G57/00 A
B65D59/06
B65D59/00 Z
B60P3/40 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-183035(P2013-183035)
(22)【出願日】2013年9月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000228660
【氏名又は名称】日本コンクリート工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000243939
【氏名又は名称】名伸電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】濱中 弘次
(72)【発明者】
【氏名】溝口 大喜
(72)【発明者】
【氏名】日比 一夫
【テーマコード(参考)】
3E066
3F078
【Fターム(参考)】
3E066AA10
3E066AA16
3E066AA64
3E066BA01
3E066CA01
3E066DA05
3E066HA01
3E066KA01
3E066KA04
3E066KA05
3E066KA20
3E066LA17
3E066MA09
3E066NA60
3F078AA04
3F078EA02
(57)【要約】
【課題】運搬中の振動によってコンクリート柱自体、又はコンクリート柱に装着した保護部材が隣接物に衝突することを防止するコンクリート柱の運搬方法を提供する。
【解決手段】電柱7の外周に取り付けられる防傷バー10は、電柱7の外径に対応する曲率でループ状に屈曲させた状態に変形可能な芯材11と、芯材11の屈曲に追従可能な柔軟性材料で形成され芯材11を被覆する被覆材12とを含む。被覆材12の線径W1は、
所定の最小間隔L以上に設定されている。防傷バー10が電柱7と隣接する電柱7’との間に介在することにより、電柱7の保護キャップ8と、隣接する電柱7’の保護キャップ8’との間に間隔δが確保される。これにより、運搬中の振動により、隣接する電柱7、7’同士、又は保護キャップ8、8’同士が衝突し傷付くことを防止することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送機器(9)でコンクリート柱(7)を運搬するとき、運搬中の振動によって前記コンクリート柱自体、又は、前記コンクリート柱に装着した保護部材(8)が隣接物に衝突することを防止する運搬方法であって、
前記コンクリート柱の外周に防傷部材(10、201、202、301、302)を取り付け、前記コンクリート柱と隣接物との間隔を所定の最小間隔以上に保つことを特徴とするコンクリート柱の運搬方法。
【請求項2】
前記防傷部材(10)は、
延伸状態と、前記コンクリート柱の外径に対応する曲率でループ状に屈曲させた状態とを可逆的に変形可能な芯材(11)と、
前記芯材の屈曲に追従可能な柔軟性材料で形成され、前記所定の最小間隔以上の線径を有し、前記芯材を被覆する被覆材(12)と、
を含む棒状部材であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート柱の運搬方法。
【請求項3】
前記被覆材は、前記芯材を収容する芯穴(13)の周囲に衝撃吸収穴(14)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート柱の運搬方法。
【請求項4】
前記防傷部材(201、202、301、302)は、
前記所定の最小間隔以上の径方向幅を有する軟質のリング状部材であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート柱の運搬方法。
【請求項5】
前記防傷部材(301、302)は、
周方向の少なくとも1箇所で分断及び連結可能に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート柱の運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱等のコンクリート柱を運搬する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、列車、船舶等の輸送機器で電柱等のコンクリート柱を運搬することがある。例えば特許文献1には、電柱運搬用のトラックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−216772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電柱メーカーから新規の電柱がトラック等で出荷される場合には、運搬中の振動による傷付きを防止するため、出荷用の緩衝ロープが、例えば電柱の上下2箇所に巻き付けられる。このような出荷用緩衝ロープは、通常、建柱後に廃棄される。
それに対し、電柱の建て替え工事において暫定的に電線を架線するための仮柱のように使用済電柱を再使用する目的で運搬する場合、施工業者や運搬業者が適当な緩衝ロープを保有していないため、一般用の積荷ロープ等を用いて電柱を簡易的に縛るだけで運搬することがある。
【0005】
一般用のロープは、概して線径が細く、何重にも巻かない限り、隣接する電柱同士の間隔を十分に確保できない。また、強度が十分でないため、電柱の重量や振動時の衝撃荷重によって擦り切れたり潰れたりして、緩衝の機能を果たすことができない。そのため、運搬中の振動によって電柱同士、或いは電柱頭部に被せた保護キャップ同士、或いは電柱とトラックの積載部とが衝突し、電柱や保護キャップが傷付くおそれがある。さらに、強度が不十分なロープ自体の再利用も困難である。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、運搬中の振動によってコンクリート柱自体、又はコンクリート柱に装着した保護部材が隣接物に衝突することを防止するコンクリート柱の運搬方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、輸送機器でコンクリート柱を運搬するとき、運搬中の振動によってコンクリート柱自体、又は、コンクリート柱に装着した保護部材が隣接物に衝突し、その結果傷付くことを防止する運搬方法に係る発明である。この運搬方法は、コンクリート柱の外周に防傷部材を取り付け、コンクリート柱と隣接物との間隔を所定の最小間隔以上に保つことを特徴とする。
【0008】
本発明における「輸送機器」及び「コンクリート柱」は、代表的にはトラック及び電柱である。「コンクリート柱に装着した保護部材」は、例えば「電柱頭部に被せた保護キャップ」である。また、「隣接物に衝突する」には、隣接するコンクリート柱同士が衝突する場合、隣接するコンクリート柱に装着した保護部材同士が衝突する場合、コンクリート柱と輸送機器の積載部とが衝突する場合等を含む。
そして、「所定の最小間隔」とは、これら衝突の可能性のある物同士が互いに当接しないための最小間隔を意味する。本発明では、コンクリート柱の外周に防傷部材を取り付けることによって、線径が細く、強度も不十分な一般用の積荷ロープを簡易的に用いる場合に比べ、衝突によるコンクリート柱等の傷付きを防止することができる。
【0009】
防傷部材の一つの態様は、芯材と被覆材とを含む棒状部材である。芯材は、延伸状態と、コンクリート柱の外径に対応する曲率でループ状に屈曲させた状態とを可逆的に変形可能である。被覆材は、芯材の屈曲に追従可能な柔軟性材料で形成され、所定の最小間隔以上の線径を有し、芯材を被覆する。被覆材は、芯材を収容する芯穴の周囲に衝撃吸収穴が形成されていることが好ましい。
【0010】
この防傷部材は、コンクリート柱の周囲に巻き付けるのみでループ状の形態を維持でき、ロープのように縛る必要がない。また、コンクリート柱の任意の高さ位置に径外方向から取り付けることができるので作業性が良好である。さらに、一種類のサイズで、異なる外径のコンクリート柱に対して汎用的に使用可能である。加えて、延伸状態で保管できるので保管スペースを低減することができる。
さらに、防傷部材を耐摩耗性に優れた樹脂材料等で形成することにより、複数回の運搬において繰り返し使用することができる。
【0011】
防傷部材の別の態様は、所定の最小間隔以上の径方向幅を有する軟質のリング状部材である。この防傷部材は、対象となるコンクリート柱の外径に応じてサイズが選択される。
また、リング状の防傷部材を、周方向の少なくとも1箇所で分断及び連結可能に形成することにより、コンクリート柱の径外方向からの着脱が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の電柱の運搬方法に用いられる第1実施形態の防傷部材の(a)延伸状態の図、(b)ループ状に曲げた状態の図、(c)断面図である。
【
図2】電柱の運搬時に、本発明の第1実施形態による防傷部材を電柱に取り付けた状態を示す模式図である。
【
図3】トラックによる電柱の運搬状態を示す模式図である。
【
図4】本発明の電柱の運搬方法に用いられる第2実施形態の防傷部材の(a)平面図、(b)電柱に取り付けた状態を示す模式図である。
【
図5】本発明の電柱の運搬方法に用いられる(a)第2実施形態、(b)第2実施形態の変形例の防傷部材を電柱に取り付けた状態を示す拡大断面模式図である。
【
図6】本発明の電柱の運搬方法に用いられる(a)第3実施形態の防傷部材の平面図、(b)要部拡大図、(c)第3実施形態の変形例の要部拡大図である。
【
図7】比較例の電柱の運搬方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明によるコンクリート柱の運搬方法の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、トラックによって電柱を運搬する方法である。
図3に示すように、トラック9の荷台91に複数の電柱7を載せる場合、車幅方向に並べた電柱7を前フレーム92と後フレーム93とに渡して載せ、固定ロープ94で固定する。一般に電柱7は、元口72側(下側)の外径が末口71側(上側)の外径よりも大きいテーパ状に形成されており、元口72の方が重い。そのため、末口71側を前フレーム92側に、元口72側を後フレーム93側にして積載する。電柱7の頭部である末口71には、保護キャップ8が被せられる場合がある。
電柱7、保護キャップ8、トラック9は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「コンクリート柱」、「保護部材」、「輸送機器」に相当する。
【0014】
ここで、運搬される電柱7は、電柱メーカーから出荷される新規の電柱より、むしろ、電柱の建て替え工事において暫定的に電線を架線するための仮柱等を想定する。電柱メーカーから新規の電柱が出荷される場合には、基本的に出荷用の緩衝ロープによって運搬中の振動による電柱の傷付きが防止されるため、比較的問題とならない。
【0015】
それに対し、仮柱のように使用済電柱を再使用する目的で運搬する場合には、施工業者や運搬業者が適当な緩衝ロープを保有しておらず、一般用の積荷ロープ等を用いて電柱を簡易的に縛るだけで運搬することがある。このとき、線径や強度が不十分なロープを使用すると緩衝機能を果たすことができない。したがって、運搬中の振動によって、隣接する電柱7や保護キャップ8同士が衝突し、電柱7や保護キャップ8が傷付く可能性がある。
本発明は、このような運搬時における電柱7等の傷付きを防止すべく、防傷部材(
図3では防傷バー10)を使用した電柱の運搬方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の電柱の運搬方法において使用される第1実施形態の防傷部材について、
図1、
図2を参照して説明する。「防傷部材」としての防傷バー10は、芯材11、被覆材12及びエンドキャップ18を含む棒状部材である。この防傷バー10は、電柱の建て替え工事を行う施工業者や電柱を運搬する運搬業者に常備される。
【0017】
芯材11は、なまし鉄線等で構成され、
図1(a)に示す延伸状態と、
図1(b)に示すループ状に屈曲させた状態とを可逆的に変形可能である。具体的には、作業者が被覆材12の両端を持って力を加えることで、ループ状に曲げたり、延伸状態に戻したりすることが可能であり、また、力を加えない限り、その形態が維持される。
図1(b)のループの曲率は、防傷バー10が適用される電柱の外径に対応している。
【0018】
被覆材12は、芯材11の屈曲に追従可能な樹脂等の柔軟性材料で形成されており、芯材11を被覆する。さらに、本実施形態の被覆材12は、耐摩耗性に優れた樹脂材料等で形成されている。
図1(c)に示すように、被覆材12は、断面の略中心に、芯材11を収容する芯穴13を有しており、芯穴13の周囲に複数の衝撃吸収穴14が形成されている。衝撃吸収穴14は、被覆材12を軸方向に貫通している。被覆材12の径外方向から衝撃が加わったとき、衝撃吸収穴14が変形することで衝撃を吸収する。
【0019】
エンドキャップ18は、被覆材12の両端部を覆い、芯材11が突出したり、衝撃吸収穴14に異物が侵入したりすることを防ぐ。また、エンドキャップ18は、作業者が防傷バー10を扱うときの感触を良好とする。さらに、エンドキャップ18の色を被覆材12と異なる色とすることで、作業者が防傷バー10の端部を視認しやすくなり、作業性が向上する。
【0020】
図2に示すように、防傷バー10は、電柱7の外周を1周余り巻くように取り付けられる。電柱7の末口71には、樹脂製の保護キャップ8が被せられている。また、隣接する電柱7’の末口71にも、同様に保護キャップ8’が被せられている。保護キャップ8、8’の外径は、板厚及び径方向リブの高さ分、電柱7、7’の外径よりも大きくなる。
ここで、電柱7の保護キャップ8が隣接する電柱7’の保護キャップ8’と当接しないように確保されるべき所定の最小間隔をLとすると、被覆材12の線径W1は、所定の最小間隔L以上となるように設定されている。
【0021】
運搬中の振動によって、隣接する電柱7’が電柱7に近づくように倒れたとしても、線径W1を有する防傷バー10が間に介在するため、電柱7の保護キャップ8と、隣接する電柱7’の保護キャップ8’との間には間隔δが確保される。よって、保護キャップ8、8’同士が衝突して傷付くことを防止することができる。
また、保護キャップ8、8’が被せられない場合には、電柱7、7’同士が衝突して傷付くことを防止することができる。
【0022】
以上の構成による第1実施形態の防傷バー10を用いた電柱の運搬方法の効果を、比較例の運搬方法と対比して説明する。
(1)防傷部材を使用しない比較例の電柱の運搬方法を
図7に示す。この比較例では、施工業者や運搬業者が他に適当な緩衝ロープを保有しておらず、トラックに載せた複数の電柱7を一般用の積荷ロープ6で縛った状態で運搬する状況を想定する。電柱7の末口71には、樹脂製の保護キャップ8が被せられている。
ここで、隣接する電柱7の保護キャップ8同士が当接しないように確保されるべき所定の最小間隔をLとすると、積荷ロープ6の線径sは、所定の最小間隔Lより小さい。そのため、運搬中の振動によって、図のX部で保護キャップ8同士が衝突し、保護キャップ8や電柱7が傷付くおそれがある。
【0023】
それに対し、本実施形態の防傷バー10を使用する電柱の運搬方法では、トラックに積載される電柱7の外周に、
図2に示すように防傷バー10が取り付けられる。こうして、線径W1(>L)を有する防傷バー10を取り付け、隣接する電柱7同士の間隔を所定の最小間隔L以上に保つ。したがって、運搬中の振動によって電柱7や保護キャップ8同士が衝突すること、及び、その結果傷付くことを防止することができる。
【0024】
(2)防傷バー10の被覆材12は、耐摩耗性に優れた樹脂材料等で形成されているので、電柱の重量や振動時の衝撃荷重に耐え、複数回の運搬において繰り返し使用することができる。
(3)防傷部材10は、電柱7の周囲に巻き付けるのみでループ状の形態を維持でき、ロープのように縛る必要がない。また、電柱7の任意の高さ位置に径外方向から取り付けることができるので作業性が良好である。さらに、一種類のサイズで、異なる外径のコンクリート柱に対して汎用的に使用可能である。加えて、延伸状態で保管できるので保管スペースを低減することができる。
【0025】
(4)被覆材12に形成された衝撃吸収穴14は、防傷バー10のループの外側に加わった衝撃が、ループの内側7の電柱7に直接的に伝達されることを防止する。また、防傷バー10の屈曲を容易にする。さらに、所定の最小間隔L以上の線径W1を確保しつつ被覆材12の単位長さ当たりの体積を低減するため、重量を軽くし、材料費を低減することができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の防傷部材について、
図4、
図5を参照して説明する。以下の実施形態の説明において、前述の実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図4、
図5(a)に示すように、「防傷部材」としての防傷リング201は、断面が円状のリング状部材である。防傷リング201は、軟質塩化ビニル等で形成され、径方向幅である線径W2が所定の最小間隔L以上に設定されている。
【0027】
また、防傷リング201の内径は、電柱7の末口71側(上側)の外径D1に対応するように形成されている。一方、電柱7の元口72側(下側)には、外径D2に対応するように形成された別の防傷リング202が使用される。防傷リング202、201は、元口72側に使用される内径の大きいものから順に、末口71から嵌装される。
【0028】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、より簡易な構成の防傷部材によって、隣接する電柱7や保護キャップ8同士が運搬時の振動によって衝突し傷付くことを防止することができる。また、第1実施形態と同様に、防傷リング201、202を耐摩耗性に優れた材料で形成することにより、複数回の運搬において繰り返し使用することができる。
【0029】
図5(b)に示す変形例の防傷リング203は、断面において内径側に電柱7のテーパ面に倣うように平坦面23が形成されている。この構成により、電柱7への装着姿勢が安定し、傾きや捩れが防止される。この例でも、径方向幅W2’は所定の最小間隔L以上に設定されている。
【0030】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の防傷部材について、
図6を参照して説明する。
図6(a)、(b)に示す防傷リング301は、周方向の1箇所で分断及び連結可能に形成されている。この例では、分断された一方の端部にN極の磁石31が埋め込まれ、他方の端部にS極の磁石32が埋め込まれており、両端部を近づけると磁力によって連結する。磁石の強さは、作業者の力で引っ張れば離脱可能であり、且つ、運搬時の振動では外れない程度に設定されている。
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、隣接する電柱7同士が運搬時の振動によって衝突し傷付くことを防止することができる。また、第2実施形態に比べ、電柱7の径外方向から防傷リング301を着脱することができるため作業性が向上する。
【0031】
また、
図6(c)に示す変形例の防傷リング302のように、分断された一方の端部に形成したオス部33を、他方の端部に形成したメス部34にスナップフィットさせることにより両端部を連結するようにしてもよい。その他、周知の種々の技術を応用して、リングの両端部を連結する構成とすることができる。
【0032】
(その他の実施形態)
(ア)本発明の運搬方法が適用される「輸送機器」は、上記実施形態のトラックの他、列車や船舶等であってもよい。また、「コンクリート柱」は、電線を架線する電柱に限らず、工事用の支柱等を含む。さらに、上記実施形態の説明では主に、複数の電柱を並べて運搬するとき、隣接する電柱同士の衝突によって生じる傷付き防止について言及したが、本発明の運搬方法は、その他、電柱又は保護キャップとトラックの積載部との衝突によって生じる傷付き防止に対しても有効である。
(イ)本発明の電柱の運搬方法を新規電柱の出荷時に使用してもよい。
【0033】
(ウ)電柱1本あたりに使用する防傷部材の数はいくつでもよい。
(エ)第1実施形態における被覆材12の衝撃吸収穴14の数は、
図1(c)に例示した4箇所に限られない。また、衝撃吸収穴14を形成しなくてもよい。
(オ)第1実施形態におけるエンドキャップ18は無くてもよい。
(カ)第3実施形態に対し、周方向の2箇所以上でリングを分断及び連結可能に形成してもよい。
【0034】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0035】
10・・・防傷バー(防傷部材)、
201、202、301、302・・・防傷リング(防傷部材)、
7 ・・・電柱(コンクリート柱)、 8 ・・・保護キャップ(保護部材)、
9 ・・・ トラック(輸送機器)。