特開2015-48571(P2015-48571A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-48571炭素繊維及び天然繊維を備えた成形品、その製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-48571(P2015-48571A)
(43)【公開日】2015年3月16日
(54)【発明の名称】炭素繊維及び天然繊維を備えた成形品、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/54 20120101AFI20150217BHJP
   D04H 1/4291 20120101ALI20150217BHJP
   D04H 1/4242 20120101ALI20150217BHJP
   D04H 1/425 20120101ALI20150217BHJP
   D04H 1/4382 20120101ALI20150217BHJP
【FI】
   D04H1/54
   D04H1/4291
   D04H1/4242
   D04H1/425
   D04H1/4382
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-173650(P2014-173650)
(22)【出願日】2014年8月28日
(31)【優先権主張番号】61/871,825
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】508080115
【氏名又は名称】インターナショナル オートモーティヴ コンポーネンツ グループ ノース アメリカ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エー・ヘイズ
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA02
4L047AA08
4L047AA11
4L047AA14
4L047AA21
4L047AA28
4L047AB02
4L047BA09
4L047CA02
4L047CA04
4L047CA07
4L047CA19
4L047CB01
(57)【要約】
【課題】繊維マット並びに成形品を提供する。
【解決手段】繊維マットは第一の繊維層を備え、その第一の繊維層は、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維を組み合わせることによって形成されている。また、成形品は、繊維マットから成形された成形基体を備え、その繊維マットは、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維を組み合わせることによって形成された第一の繊維層を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の繊維層を備えた繊維マットであって、
前記第一の繊維層が、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維とを組み合わせることによって形成されている、繊維マット。
【請求項2】
前記第一の繊維層が、500〜1000g/mの範囲内の面積質量を有する、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項3】
前記炭素繊維が、未使用の炭素繊維及び再生炭素繊維のうち少なくとも一方を備える、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項4】
前記炭素繊維が、8〜40ミリメートルの範囲内の長さを有する、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項5】
前記天然繊維が、ケナフ麻、黄麻、亜麻、及びセルロース繊維のうち少なくとも一つを備える、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項6】
前記天然繊維が、8〜40ミリメートルの範囲内の長さを有する、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項7】
前記合成ポリマー繊維が、熱可塑性繊維を備える、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項8】
前記合成ポリマー繊維が、ポリプロピレン繊維を備える、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項9】
前記ポリプロピレン繊維が、ポリプロピレン‐無水マレイン酸コポリマーを備える、請求項8に記載の繊維マット。
【請求項10】
前記合成ポリマー繊維が、8〜40ミリメートルの範囲内の長さを有する、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項11】
前記第一の繊維層の前面に第二の繊維層を更に備え、前記第二の繊維層が、30〜100g/mの範囲内の面積質量を有するスクリム層を備える、請求項1に記載の繊維マット。
【請求項12】
前記第二の繊維層の繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維を備える、請求項11に記載の繊維マット。
【請求項13】
前記第一の繊維層の裏面に第三の繊維層を更に備え、前記第三の繊維層が、30〜100g/mの範囲内の面積質量を有するスクリム層を備える、請求項11に記載の繊維マット。
【請求項14】
前記第三の繊維層の繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維を備える、請求項13に記載の繊維マット。
【請求項15】
第一の繊維層と第二の繊維層との間に挟まれたコア層を備えた繊維マットであって、
前記第一の繊維層が、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維とを組み合わせることによって形成されていて、
前記第二の繊維層が、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維とを組み合わせることによって形成されている、繊維マット。
【請求項16】
前記第一の繊維層が、100〜600g/mの範囲内の面積質量を有し、且つ、
前記第二の繊維層が、100〜600g/mの範囲内の面積質量を有する、請求項15に記載の繊維マット。
【請求項17】
前記コア層が、300〜1000g/mの範囲内の面積質量を有する、請求項15に記載の繊維マット。
【請求項18】
前記コア層が、ポリマー発泡体、ハニカム、ボール紙、金属メッシュのうち少なくとも一つで形成されている、請求項15に記載の繊維マット。
【請求項19】
繊維マットから成形された成形基体を備えた成形品であって、
前記繊維マットが、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維とを組み合わせることによって形成された第一の繊維層を備える、成形品。
【請求項20】
前記第一の繊維層が、500〜1000g/mの範囲内の面積質量を有する、請求項19に記載の成形品。
【請求項21】
前記繊維マットが、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維とを組み合わせることによって形成された第二の繊維層を備える、請求項19に記載の成形品。
【請求項22】
前記第一の繊維層が、100〜600g/mの範囲内の面積質量を有し、且つ、
前記第二の繊維層が、100〜600g/mの範囲内の面積質量を有する、請求項21に記載の成形品。
【請求項23】
前記第一の繊維層と前記第二の繊維層との間に挟まれたコア層を更に備える請求項21に記載の成形品。
【請求項24】
前記コア層が、300〜1000g/mの範囲内の面積質量を有する、請求項23に記載の成形品。
【請求項25】
前記コア層が、ポリマー発泡体、ハニカム、ボール紙、金属メッシュのうち少なくとも一つで形成されている、請求項23に記載の成形品。
【請求項26】
前記成形基体に重なった装飾カバーを更に備えた請求項19に記載の成形品。
【請求項27】
前記装飾カバーがシートから形成されている、請求項26に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭素繊維及び天然繊維を備えた軽量成形品の製造、それに関連する処理及び製造の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境を意識した製造業者は、再利用/再生材料、並びに再生可能資源からの材料を使用することによって、製品の二酸化炭素排出量を減らそうとしている。
【0003】
運送業においては、多くの製品が、繊維が硬化樹脂に埋め込まれている繊維強化複合材で形成されている。特に、航空業界では、こうした材料の高い強度対重量比に起因して、多くの構造部品に対して炭素繊維強化複合品が使用されている。
【0004】
炭素繊維強化複合品の製造プロセスでは、必然的にプロセススクラップが生じる。炭素繊維強化複合品の製造による製造プロセススクラップは、未使用の炭素繊維、並びに、多様な表面処理(例えば、結合剤)及び樹脂含浸された炭素繊維を含み得る。こうしたスクラップは、一般的に、トリム廃棄物や拒絶された(欠陥のある)成形品の形状であり得る。
【0005】
更に、炭素繊維強化複合品自体が、同様に、その寿命の終わりにはスクラップになる。寿命末期(EOL,end‐of‐life)スクラップは、製造ストラップとは対照的に、環境に晒された強化樹脂に埋め込まれた炭素繊維を含み得る。EOLスクラップは、製造後に炭素繊維強化複合品に加えられた追加の構成要素(例えば、コーティングや、締結具)、並びに汚染物質も含み得る。
【0006】
製造の多様な段階及び製品の寿命の終わりにおいて繊維強化複合品から炭素繊維を再生するプロセスが開発されている。しかしながら、再生炭素繊維の特性が、未使用の炭素繊維よりも劣る可能性を考慮して、航空業界では、このような再生炭素繊維を航空機の部品に戻して組み込むことに抵抗がある。
【0007】
一方、自動車業界においては、自動車製造業者は、未使用の炭素繊維を広く使用することはない。未使用の炭素繊維は、炭素繊維強化複合品の強度対重量比を必要とする限られた応用を除いて、経済的な使用には一般的に高価過ぎると考えられる。むしろ、自動車製造業者は、長年にわたってガラス繊維を使用しており、最近では、特に軽量化のために特定の天然繊維を使用するようになってきている。しかしながら、天然繊維は、ガラス繊維のような物理特性及び寸法安定性を提供しないことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0261014号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
自動車の特定の応用において必要とされているのは、顕著に悪い影響をコストに与えずに、重量を更に減らし、物理特性及び寸法を上昇させる改良型の繊維強化材である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態では、第一の繊維層を備えた繊維マットが提供され、その第一の繊維層は、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維を組み合わせることによって形成される。
【0011】
本開示の他の実施形態では、第一の繊維層と第二の繊維層との間に挟まれたコア層を備えた繊維マットが提供され、その第一の繊維層は、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維を組み合わせることによって形成され、また、その第二の繊維層は、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維を組み合わせることによって形成される。
【0012】
本開示の他の実施形態では、繊維マットから成形された成形基体を備えた成形品が提供され、その繊維マットは、45〜55質量%の合成ポリマー繊維と、35〜45質量%の天然繊維と、5〜15質量%の炭素繊維を組み合わせることによって形成された第一の繊維層を備える。
【0013】
本開示の上述の及び他の特徴、並びにそのような特徴を得るための手法は、添付図面と共に説明される以下の実施形態の説明を参照することによって、より明らかになり、より良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示に係る第一の繊維マットの断面図である。
図2】本開示に係る第二の繊維マットの断面図である。
図3図1又は図2の繊維マットから成形品を製造するための製造プロセスの流れ図である。
図4図1又は図2の繊維マットから成形品を製造するための代替製造プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、以下の説明に与えられていたり、図面に示されていたりする構成要素の構成及び配置の詳細にその応用を限定するものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態においても多様な方法で実現可能なものである。また、当業者には理解されるように、本願で用いられている用語は、説明を目的とするものであり、限定を目的とするものではない。
【0016】
図面を参照すると、図1は、本開示に係る平坦な繊維マット10の第一の例示的な実施形態を示す。図示されているように、繊維マット10は第一の繊維層12を備える。特に、繊維層12は、以下のように、異なる材料組成の繊維を備え得る:
・ 繊維層12の45〜55質量%は、ポリマー繊維、特に合成ポリマー繊維から形成され得る。例示的な合成ポリマー繊維として、ポリプロピレン繊維が挙げられ、更に、そのポリプロピレン繊維は、ポリプロピレンホモポリマー及び/又はポリプロピレンコポリマー(例えば、ポリプロピレン‐無水マレイン酸コポリマー)の繊維を含み得る。ポリマー繊維は、8mmから40mm、特に12mmから25mmの長さを有し得る。特に、ポリマー繊維は、2.16kgの負荷における230℃でのASTM D1238‐13に従って決定された0.1〜10g/10分、特に2.16kgの負荷における230℃でのASTM D1238‐13に従って決定された0.6〜6g/10分のメルトフローインデックスを有し得る;
・ 繊維層12の35〜45質量%は、天然繊維から形成され得る。例示的な天然繊維は、ケナフ麻、亜麻、黄麻、サイザル麻、及びセルロースのうち一つ以上を含み得る。天然繊維は、8mmから40mm、特に12mmから25mmの長さを有し得る;そして、
・ 繊維層12の5〜15質量%は、炭素繊維から形成され得る。更に、炭素繊維は、未使用及び/又は再生された炭素繊維を含み得る。炭素繊維は、8mmから40mm、特に12mmから25mmの長さを有し得る。
【0017】
特に、繊維層12は、参照としてその全体が本願に組み込まれるUtilization of Recycled CarbonFiberとの名称の特許文献1に開示されているプロセスによって、平坦なシートとして形成され得る。また、繊維層12は、エアレイ(airlay)プロセス等の乾式レイド方式の不織布製造プロセス等によっても、平坦なシートに形成され得る。特に、繊維層12は、500〜1000g/m(gsm,grams/square meter)の面積質量を有し得る。
【0018】
特許文献1に開示されているプロセスを用いて製造される例示的な一実施形態では、
840gsmの質量を有する繊維層12が、以下のものから形成され得る:
・ 50%のポリプロピレン‐無水マレイン酸コポリマー繊維であって、95〜99質量%のポリプロピレンと、ポリプロピレンに対するコモノマーとして1〜5質量%の無水マレイン酸とを備えるもの;
・ 40%の天然繊維であって、そのうちの38%がケナフ麻、黄麻、及び亜麻の組み合わせであって、2%がセルロース繊維であるもの;及び、
・ 10%の再生炭素繊維。
【0019】
繊維層12に加えて、繊維マット10は、第二の繊維層14及び第三の繊維層16を更に備え得て、特に、それらの層14及び16は、30〜100gsm、特に50〜75gsmの面積質量を有する不織スクリムで構成され、それぞれ第一の繊維層12の対向する前面及び裏面に配置される。不織スクリムは、ポリエチレンテレフタレートで特に形成され得て、これは、以下で詳細に説明するように、装飾カバーに対する繊維マット10の結合を促進し、また、後に形成されるリブ及び締結部に対する結合も促進する。
【0020】
炭素繊維を含有する繊維層12を使用しない繊維マットと比較して、本開示に係る繊維マット10は、以下のような、引張強度及び熱変形温度の物理特性の向上を示し得る。
【0021】
【表1】
【0022】
図2に示されるような繊維マット10’の第二の実施形態では、繊維マット10’は、対向する二つの繊維層12a、12bの間に挟まれたコア18を備え得る。コア18は、300〜1000gsmの面積質量と、0.5から1.5mmの厚さとを有し得る。コア18は、再生羊毛、ボール紙、ハニカム、ポリウレタン発泡体で形成され得る。第一の実施形態と比較して、繊維層12a、12bの各々は、100〜600gsmの面積質量を有し得る。
【0023】
図3に示されるように、繊維マット10は、成形品70を製造するのに用いられ得る。製品70は、まず、45〜60秒間の期間で375〜425℃の温度に、又は、繊維マット10が400℃の温度に達するまで、対向する二枚の加熱プレート20、22の間で繊維マット10を加熱することによって、形成され得る。繊維マット10が十分に加熱されると、繊維マット10を、第一の加熱圧縮モールド30の対向する二つの半分の部分32、34の間に配置し得る。圧縮モールドは、60〜120℃の温度に加熱され得る。モールド30を閉じて、合成ポリマー樹脂が基体40を形成するような圧縮下において流れて、繊維マット10が基体40に成形され得る。次に、基体40を冷却して、圧縮モールド30から取り外し得る。基体40は、0.5〜2mmの厚さを有し得て、特に1〜1.5mmの厚さを有し得る。
【0024】
次に、基体40を、装飾カバー層60(シート状であり得る)と共に、第二の圧縮モールド50の対向する二つの半分の部分52、54の間に配置し得る。次に、第二の圧縮モールド50を閉じて、圧縮成形を行い、装飾カバー層60を基体40に積層して、装飾カバー層60が基体40の外側スクリム層14に結合した成形品70を形成し得る。
【0025】
装飾カバー層60は、ポリ塩化ビニル(PVC,polyvinyl chloride)、熱可塑性ウレタン(TPU,thermoplastic urethane)、熱可塑性オレフィン(TPO,thermoplastic olefin)で形成され得る。装飾カバー層は、0.5〜2.5mmの範囲内の厚さを有し得て、また、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリオレフィン発泡体のクッション層に重なる塩化ポリビニル(PVC)、熱硬化性ウレタン(TPU)、熱硬化性オレフィン(TPO)の外側スキンで形成され得る。
【0026】
代替実施形態では、装飾カバー層60は、繊維マット10と共に、第一の圧縮モールド30に導入されて、1ステップで成形品70が形成され得て、この場合、単一のモールド30が用いられる。
【0027】
更なる代替実施形態では、装飾層60が必ずしも要求されず、成形品70が基体40のみを備え得る。繊維マット10’が図3のプロセスに示される繊維マット10’となり得ることは理解されたい。
【0028】
図4に示されるような図3のプロセスの代替実施形態では、圧縮モールド30が、射出圧縮モールド30’として構成され得て、射出圧縮成形で使用される射出圧縮成形機のスクリュー可塑化ユニット等のポリマー送達ユニット36から樹脂を受け取るように構成される。この場合、繊維マット10の圧縮成形の後で、ポリマー送達ユニット38から、モールドの半分の部分の中の適切なランナ38を介して、ポリマー材料が、圧縮成形された基体の裏面に送達されて、基体40’の裏面に対して、基体40’の長さ方向に延伸する複数の細長の強化(補強)リブ42と、締結部(例えば、ネジ山、ドッグハウス等)が成形され得る。
【0029】
成形品70は、サイドトリムパネル(例えば、ドアトリムパネル)等の内装又は外装トリムパネル等の自動車用トリム部品、パッケージトレイ、天井、インストルメントパネル、上部又は下部インストルメントパネルクローズアウトパネル、コンソール、トランクのライナ、ドアボルスタ、ニーボルスタ、シートバックであり得る。
【0030】
本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、多様な変更、調整、及び修正を本発明の精神及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。従って、本発明の範囲は、上記の説明で定められるものではなく、添付の特許請求の範囲をその等価物の完全な範囲と共に参照することによって定められるものである。更に、添付の特許請求の範囲は、出願人が特許請求する権利を有する最大の範囲、本発明を特許請求することができる唯一のものを必ずしも備えるものではなく、記載された全ての特徴が必要という訳でもないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0031】
10 繊維マット
12、14、16 繊維層
18 コア
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】
2015048571000001.pdf