【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1に係る試験装置の全体構成を示すブロック図である。
図1のように、実施例1の試験装置は、複数の被試験部10、複数の測定部30、及びスイッチ部50を備える。測定部30は測定可能な測定項目毎に複数の測定部群40〜44に分けられ、各測定部群には複数の測定部30が含まれる。例えば、測定部群40に含まれる4つの測定部30は、波長測定が可能である。測定部群42に含まれる2つの測定部30は、光パワー測定が可能である。測定部群44に含まれる2つの測定部30は、光波形測定が可能である。
【0013】
スイッチ部50は、マトリクススイッチ52、コントローラ54、及び記憶手段56を含む。コントローラ54は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、及びRAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成され、マトリクススイッチ52を制御する。マトリクススイッチ52は、コントローラ54の指示に従って、複数の被試験部10と複数の測定部30との間の接続の切替を行い、接続組合せを変更する。記憶手段56は、例えばハードディスクドライブ等である。記憶手段56には、測定項目の測定に要する占有時間を所定の時間範囲で分けた複数のグループと接続先の測定部30との関係が記憶されている。言い換えると、記憶手段56には、複数の測定部30を1回の試験に許容される占有時間の範囲でグループ分けした情報が記憶されている。例えば、記憶手段56には、複数のグループそれぞれに対して接続先の測定部30が規定された時間割当テーブルが記憶されている。時間割当テーブルには、複数のグループそれぞれにおける前記測定項目の測定回数及び合計測定時間が書き込まれるようになっていてもよい。例えば、複数の測定部群40〜44それぞれに対して1つの時間割当テーブルが記憶されている。時間割当テーブルの詳細については後述する。
【0014】
図2(a)は、被試験部10の詳細を示すブロック図、
図2(b)は、測定部30の詳細を示すブロック図である。
図2(a)のように、被試験部10は、被試験物12、ドライバ14、及びコントローラ16を備える。被試験物12は、例えば半導体レーザである。コントローラ16は、CPU、ROM、及びRAM等から構成され、ドライバ14の動作等を制御する。ドライバ14は、コントローラ16の指示に従って、被試験物12を駆動する。
【0015】
図2(b)のように、測定部30は、測定器32とコントローラ34とを備える。コントローラ34は、CPU、ROM、及びRAM等から構成され、測定器32の動作を制御する。測定器32は、マトリクススイッチ52を介して接続された被試験部10に備わる被試験物12の特性を、コントローラ34の指示に従って測定する。
図1で説明したように、測定部30は複数の測定部群40〜44に分けられ、測定部群40に含まれる4つの測定部30は波長測定が可能であることから、これらに備わる測定器32は波長測定器である。同様に、測定部群42に含まれる2つ測定部30は光パワー測定が可能であることから、これらに備わる測定器32は光パワー測定器である。測定部群44に含まれる2つの測定部30は光波形測定が可能であることから、これらに備わる測定器32は光波形測定器である。
【0016】
図1から
図2(b)のように、被試験部10に備わるコントローラ16と、測定部30に備わるコントローラ34と、スイッチ部50に備わるコントローラ54とは、ネットワークを介して互いに接続している。
【0017】
次に、実施例1の試験装置の制御方法について説明する。
図3は、実施例1に係る試験装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図3のように、被試験部10のコントローラ16は、スイッチ部50のコントローラ54に対して、測定部群の特定を含む測定項目(例えば、測定部群40を特定した波長測定)と測定に要する予想占有時間とを通知する(ステップS10)。スイッチ部50のコントローラ54は、記憶手段56に記憶された測定部群40についての時間割当テーブルを参照し、通知された予想占有時間に対応する測定部30に被試験部10を接続させる(ステップS12)。
【0018】
ここで、時間割当テーブルについて説明する。
図4は、時間割当テーブルの一例を示す図である。
図4のように、時間割当テーブル70は、占有時間、接続先の測定部、測定回数、及び合計測定時間の項目を有する。占有時間は、測定項目(例えば波長測定)の測定に要する占有時間のことである。占有時間の項目は、所定の占有時間の時間範囲で複数のグループに分けられている。例えば、占有時間Tが1秒未満(T<1)のグループ1、占有時間Tが1秒以上且つ5秒未満(1≦T<5)のグループ2、占有時間Tが5秒以上(5≦T)のグループ3に分けられている。接続先の測定部の項目には、複数のグループ1〜3それぞれに割当てられた測定部30が記載されており、占有時間に応じて接続先の測定部30が規定されている。
図4では、グループ1に測定部30a、30bが割当てられ、グループ2に測定部30cが割当てられ、グループ3に測定部30dが割当てられた場合を例に示している。測定回数の項目は、複数のグループ1〜3それぞれにおける測定の回数が記載される。合計測定時間は、複数のグループ1〜3それぞれにおける測定の総和時間が記載される。このように、記憶手段56は、占有時間を所定の時間範囲で複数のグループに分け、複数のグループそれぞれに対して接続先の測定部、測定回数、及び合計測定時間の情報を時間割当テーブル70に記憶する。
【0019】
したがって、
図3のステップS12においては、スイッチ部50のコントローラ54は、時間割当テーブル70を参照して、被試験部10のコントローラ16から通知された予想占有時間が複数のグループ1〜3のどのグループに属するかを判断し、属するグループに対して規定された接続先の測定部30に被試験部10を接続させる。例えば、被試験部10のコントローラ16から通知された予想占有時間が2秒である場合、スイッチ部50のコントローラ54は、時間割当テーブル70を参照して、測定部30cに被試験部10を接続させる。このように、スイッチ部50は、複数の被試験部10と複数の測定部30との間の接続の切替を、時間割当テーブル70の複数のグループ1〜3と接続先の測定部30との関係に従って行う。
【0020】
スイッチ部50のコントローラ54は、被試験部10のコントローラ16に、接続先の測定部30を示す測定部情報と接続が完了したことを通知する(ステップS14)。測定部情報とは、例えば測定部30のユニット番号等、測定部30を特定することが可能な情報である。被試験部10のコントローラ16は、ドライブ14に指示を与えて、被試験物12を所定の条件で駆動させると共に、接続先の測定部30のコントローラ34に対して、測定条件と測定開始を通知する(ステップS16)。測定部30のコントローラ34は、被試験部10のコントローラ16から通知された測定条件に従って測定器32を制御して測定を行う。測定部30のコントローラ34は、測定が終了した後、被試験部10のコントローラ16に対して、測定結果と測定の完了を通知する(ステップS18)。被試験部10のコントローラ16は、測定結果と測定完了の通知を受けて、スイッチ部50のコントローラ54に対して、測定の完了を通知する。スイッチ部50のコントローラ54は、測定完了の通知を受けて、マトリクススイッチ52を制御して、被試験部10と測定部30との接続状態を解除する(ステップS20)。
【0021】
スイッチ部50のコントローラ54は、ステップS10〜ステップS20で行われた測定の実績を時間割当テーブル70に反映させる(ステップS22)。これにより、測定の実績が測定回数及び合計測定時間に反映されることになる。なお、この測定回数及び合計測定時間は、測定部30の稼動履歴として、占有時間のグループ分けを実行するための情報となる。例えば、実際にかかった測定時間(例えばステップS14の接続完了の通知からステップS20の接続状態の解除までの時間)が2秒であった場合、スイッチ部50のコントローラ54は、時間割当テーブル70に対して、グループ2の測定回数に1を加え、合計測定時間に2秒を加える。
【0022】
スイッチ部50のコントローラ54は、予め定められた所定の測定回数の測定が終了したかを判断する(ステップS24)。例えば、所定の測定回数が1000回であった場合、スイッチ部50のコントローラ54は、複数のグループ1〜3それぞれの測定回数の合計が1000回となったかを判断する。所定の測定回数の測定が終了していない場合(Noの場合)、ステップS10に戻る。所定の測定回数の測定が終了した場合(Yesの場合)、スイッチ部50のコントローラ54は、時間割当テーブル70の複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更する(ステップS26)。接続先の測定部30の台数を変更した後、ステップS10に戻り、接続先の測定部30の台数を変更した後の時間割当テーブルを用いて、被試験部10と測定部30との接続及び測定を行う。
【0023】
ここで、複数のグループ1〜3の接続先の測定部の台数を変更することについて説明する。
図5(a)及び
図5(b)は、接続先の測定部の台数の変更について説明するための時間割当テーブルを示す図である。例えば、
図3のステップS24において、所定の測定回数の測定が終了した際の時間割当テーブル70が、
図5(a)のようであった場合を想定する。この場合、グループ1における合計測定時間は500秒で、グループ2における合計測定時間は1000秒で、グループ3における合計測定時間は500秒であったとする。ここで、グループ1の接続先の測定部は、測定部30a、30bと2台あるため、1台当りの合計測定時間は250秒である。一方、グループ2、3の接続先の測定部はそれぞれ測定部30c、測定部30dと1台であるため、1台当りの合計測定時間は1000秒と500秒である。このように、複数のグループ1〜3において、接続先の測定部の1台当りの合計測定時間が大きく異なることは、測定効率の点で好ましくない。そこで、
図3のステップS26において、
図5(b)のように、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3の接続先の測定部の台数を変更する。例えば、グループ1の接続先の測定部を1台とし、グループ2の接続先の測定部を2台とし、グループ3の接続先の測定部を1台とする。これにより、複数のグループ1〜3において、1台当りの測定部の合計測定時間を同程度にすることができ、測定効率を向上させることができる。
【0024】
実施例1によれば、複数の測定部30を1回の試験に許容される占有時間の範囲でグループ分けした情報(時間割当テーブル70)を記憶する記憶手段56を有する。そして、スイッチ部50は、記憶手段56に記憶されたグループ分けした情報(時間割当テーブル70)に基づき、被試験部10において実施される試験にかかる時間に対応してグループの測定部30を選択し、該当する被試験部10と接続させる。このような仕組みを用いることで、測定時間に長短のばらつきが大きい場合でも、測定効率を向上させることができる。
【0025】
なお、複数の被試験部10それぞれで実施される試験にかかる時間が、時間割当テーブル70の複数のグループ1〜3のうちのいずれかに偏る場合等がある。このような場合、複数の被試験部10それぞれで実施される試験にかかる時間に該当しないグループに所属する測定部30は、他のグループに所属する測定部30が測定を実施している期間も測定が停止されることになる。このため、
図5(a)のように、複数のグループ1〜3それぞれの合計測定時間に差が生じるようになる。つまり、複数のグループ1〜3それぞれに所属する測定部30の1台当りの合計測定時間のグループ間の差が、測定部30の測定が停止されていた期間に相当する。例えば
図5(a)において、グループ1に所属する測定部30a、30bの1台当りの合計測定時間は250秒で、グループ2に所属する測定部30cの合計測定時間は1000秒であるため、測定部30a、30bは、測定部30cに対して、測定が750秒間停止していたことになる。
【0026】
そこで、
図5(a)及び
図5(b)で説明したように、複数のグループ1〜3それぞれにおける合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当たりに対して平準化するように、複数のグループ1〜3それぞれに所属する測定部30の台数を変更することが好ましい。つまり、複数のグループ1〜3に所属する測定部30の稼動履歴(合計測定時間)を参照し、測定部30の測定が停止される期間が稼動履歴から求まる停止期間よりも短くなるように、複数のグループ1〜3それぞれに所属する測定部30の台数を変更することが好ましい。これにより、測定効率をより向上させることができる。
【0027】
実施例1では、測定項目の測定と測定の実績を時間割当テーブル70に反映させることを所定回数行う。そして、所定回数の測定実績が反映された後の合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当たりに対して平準化するように、複数のグループ1〜3それぞれに対する接続先の測定部30の個数を変更している。測定項目の測定と測定の実績を時間割当テーブル70に反映されることとを行う所定回数は、複数のグループ1〜3における合計測定時間の傾向が分かる程度の複数回数であることが好ましい。また、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間を平準化させるとは、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が同程度になるようにすることである。
【0028】
なお、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間を同程度にしたとしても、あるタイミングでは、複数の測定部30のうち、測定している測定部と測定していない(測定を停止している)測定部とが存在してしまう。これは、例えば、あるタイミングにおいては、グループ1〜3にグループ分けした情報と異なる占有時間であった場合には、測定していない(測定を停止している)測定部が存在するためである。また、グループ1〜3の平準化はされているが、グループ全体における測定が少なければ、測定していない(測定が停止されている)測定部が存在してしまう。
【0029】
実施例1では、時間割当テーブル70の複数のグループ1〜3に対して接続先の測定部30が予め割当てられている場合を例に示したがこれに限られない。例えば、測定開始当初は割当てられてなく、複数のグループ1〜3それぞれに対して最初に行った測定に用いた測定部30を時間割当テーブル70に書き込んで割当ててもよい。
【0030】
次に、実施例1の変形例1に係る試験装置について説明する。実施例1の変形例1に係る試験装置の全体構成、被試験部、及び測定部については、実施例1の
図1から
図2(b)と同じであるため説明を省略する。
図6は、実施例1の変形例1に係る試験装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図6のように、測定項目(例えば波長測定)の測定が行われる前に、スイッチ部50のコントローラ54に、これから行われる測定項目(例えば波長測定)の複数回の測定の測定情報が外部から入力される。測定情報とは、例えば複数回の測定それぞれの予想占有時間や複数回の測定を複数のグループ1〜3の占有範囲の時間範囲で分けた場合での各グループにおける合計測定時間であり、何秒の測定を何回行うかという情報が含まれていればよい。例えば、検査するロット毎にユニークなスペックマスタに測定時間が予め登録されており、そのロット内の検査は同一の測定時間で行われることになるため、このスペックマスタによって測定情報を得ることができる。スイッチ部50のコントローラ54は、外部から入力された測定情報を、記憶手段56に記憶された時間割当テーブル70に取り込む(ステップS30)。これにより、測定情報が合計測定時間に反映されることになる。スイッチ部50のコントローラ54は、測定情報が取り込まれた後の時間割当テーブル70に対して、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更する(ステップS32)。
【0031】
ここで、
図5(a)及び
図5(b)を再度参照して、複数のグループ1〜3の接続先の測定部の台数の変更について説明する。例えば、
図6のステップS30において、外部から入力された測定情報を取り込んだ後の時間割当テーブル70が、
図5(a)のようであった場合を想定する。この場合、上述したように、測定効率の点で、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が同程度になることが好ましい。そこで、
図6のステップS32において、
図5(b)のように、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更する。これにより、複数のグループ1〜3において、1台当りの測定部30の合計測定時間を同程度にすることができ、測定効率を向上させることができる。
【0032】
図6に戻り、被試験部10のコントローラ16は、スイッチ部50のコントローラ54に対して、測定項目と測定に要する予想占有時間とを通知する(ステップS34)。スイッチ部50のコントローラ54は、複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更した後の時間割当テーブル70を参照し、通知された予想占有時間に対応する測定部30に被試験部10を接続させる(ステップS36)。
【0033】
スイッチ部50のコントローラ54は、被試験部10のコントローラ16に、接続先の測定部30を示す測定部情報と接続が完了したことを通知する(ステップS38)。被試験部10のコントローラ16は、ドライブ14に指示を与えて、被試験物12を所定の条件で駆動させると共に、接続先の測定部30のコントローラ34に対して、測定条件と測定開始を通知する(ステップS40)。測定部30のコントローラ34は、被試験部10のコントローラ16から通知された測定条件に従って測定器32を制御して測定を行う。測定部30のコントローラ34は、測定が終了した後、被試験部10のコントローラ16に対して、測定結果と測定の完了を通知する(ステップS42)。被試験部10のコントローラ16は、測定結果と測定完了の通知を受けて、スイッチ部50のコントローラ54に対して、測定の完了を通知する。スイッチ部50のコントローラ54は、測定完了の通知を受けて、マトリクススイッチ52を制御して、被試験部10と測定部30との接続状態を解除する(ステップS44)。その後、ステップS34に戻る。
【0034】
実施例1の変形例1では、測定項目の測定前に外部から入力された複数回の測定の測定情報を時間割当テーブル70に取り込み、合計測定時間に反映させる。そして、測定情報が反映された後の合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当たりに対して平準化するように、複数のグループ1〜3それぞれに対する接続先の測定部30の台数を変更している。
【0035】
実施例1のように、測定の実績から複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更することで、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間を平準化させることをタイムリーに行うことができる。実施例1の変形例1のように、これから行う測定の測定情報から複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更することで、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間を平準化させた時間割当テーブル70を測定当初から用いることができる。また、測定の実績とこれから行う測定の測定情報との両方を用いて、複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更してもよい。実施例1の変形例1のように、これから行う測定の測定情報だけを用いる場合、この測定情報と実際に行われた測定との間で差が生じてしまうことがある。これから行う測定の測定情報と測定の実績との両方を用いることで、このような差を補正することが可能となる。これから行う測定の測定情報と測定の実績とを併用する場合、測定情報を時間割当テーブル70に取り込んで接続先の測定部30の台数を変更した後、測定回数及び合計測定時間を消去し、測定の実績を時間割当テーブル70に反映させる運用を用いることができる。
【実施例2】
【0036】
実施例2に係る試験装置の全体構成、被試験部、及び測定部については、実施例1の
図1から
図2(b)と同じであるため説明を省略する。
図7は、実施例2に係る試験装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図7のように、被試験部10のコントローラ16は、スイッチ部50のコントローラ54に対して、測定項目と測定に要する予想占有時間とを通知する(ステップS50)。スイッチ部50のコントローラ54は、記憶手段56に記憶された時間割当テーブル70を参照し、通知された予想占有時間に対応する測定部30に被試験部10を接続させる(ステップS52)。
【0037】
スイッチ部50のコントローラ54は、被試験部10のコントローラ16に、接続先の測定部30を示す測定部情報と接続が完了したことを通知する(ステップS54)。被試験部10のコントローラ16は、ドライブ14に指示を与えて、被試験物12を所定の条件で駆動させると共に、接続先の測定部30のコントローラ34に対して、測定条件と測定開始を通知する(ステップS56)。測定部30のコントローラ34は、被試験部10のコントローラ16から通知された測定条件に従って測定器32を制御して測定を行う。測定部30のコントローラ34は、測定が終了した後、被試験部10のコントローラ16に対して、測定結果と測定の完了を通知する(ステップS58)。被試験部10のコントローラ16は、測定完了の通知を受けて、スイッチ部50のコントローラ54に対して、測定の完了を通知する。スイッチ部50のコントローラ54は、測定完了の通知を受けて、マトリクススイッチ52を制御して、被試験部10と測定部30との接続状態を解除する(ステップS60)。
【0038】
スイッチ部50のコントローラ54は、ステップS50〜ステップS60で行われた測定の実績を時間割当テーブル70に反映させる(ステップS62)。これにより、測定の実績が測定回数及び合計測定時間に反映されることになる。スイッチ部50のコントローラ54は、予め定められた所定の測定回数の測定が終了したかを判断する(ステップS64)。所定の測定回数の測定が終了していない場合(Noの場合)、ステップS50に戻る。所定の測定回数の測定が終了した場合(Yesの場合)、スイッチ部50のコントローラ54は、時間割当テーブル70の複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更する(ステップS66)。占有時間の範囲を変更した後、ステップS50に戻る。
【0039】
ここで、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更することについて説明する。
図8(a)及び
図8(b)は、複数のグループを定める占有時間の範囲の変更について説明するための時間割当テーブルを示す図である。例えば、
図7のステップS64において、所定の測定回数の測定が終了した際の時間割当テーブル70が、
図8(a)のようであった場合を想定する。この場合、グループ1における合計測定時間は500秒で、グループ2における合計測定時間は1000秒で、グループ3における合計測定時間は500秒であったとする。ここで、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の個数は1台である。このため、グループ1の接続先の測定部30aの1台当りの合計測定時間は500秒である。グループ2の接続先の測定部30bの1台当りの合計測定時間は1000秒である。グループ3の接続先の測定部30cの1台当りの合計測定時間は500秒である。このように、複数のグループ1〜3では、接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が大きく異なるため、測定効率の点で好ましくない。そこで、
図7のステップS66において、
図8(b)のように、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更する。例えば、グループ1の時間範囲を2秒未満(T<2)とし、グループ2の時間範囲を2秒以上且つ4秒未満(2≦T<4)とし、グループ3の時間範囲を4秒以上(4≦T)とする。これにより、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間を同程度にすることができ、測定効率を向上させることができる。
【0040】
実施例2では、
図8(a)及び
図8(b)で説明したように、複数のグループ1〜3それぞれにおける合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当たりに対して平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更している。つまり、複数のグループ1〜3に所属する測定部30の稼動履歴(合計測定時間)を参照し、測定部30の測定が停止される期間が稼動履歴から求まる停止期間よりも短くなるように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更している。これによっても、測定効率を向上させることができる。
【0041】
実施例2では、測定項目の測定と測定の実績を時間割当テーブル70に反映させることを所定回数行う。そして、所定回数の測定実績が反映された後の合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当たりに対して平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更している。実施例2においても、実施例1の変形例1のように、測定項目の測定前に外部から入力された複数回の測定の測定情報を時間割当テーブル70に取り込み、測定情報を合計測定時間に反映させる。そして、測定情報が反映された後の合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当たりに対して平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更してもよい。また、測定の実績と測定前に入力された測定情報とを併用して、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更してもよい。
【0042】
実施例2では、
図8(a)及び
図8(b)のように、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30が1台である場合を例に示したが、実施例1の
図5(a)及び
図5(b)のように、複数台である場合でもよい。複数台ある場合、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りの合計測定時間が平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲を変更することに加え、複数のグループ1〜3の接続先の測定部30の台数を変更してもよい。
【0043】
実施例1及び実施例2では、被試験部10に備わる被試験物12が、半導体レーザである場合を例に示した。しかしながら、この場合に限らず、被試験物12は、例えば受光素子等、半導体レーザ以外の場合であってもよい。測定部30に備わる測定器32は、波長測定器、光パワー測定器、及び光波形測定器の場合に限らず、その他の測定器の場合であってもよい。また、実施例1及び実施例2の説明から分かるように、スイッチ部50のコントローラ54は、複数のグループ1〜3における合計測定時間が、複数のグループ1〜3それぞれの接続先の測定部30の1台当りに対して平準化するように、複数のグループ1〜3を定める占有時間の範囲及び複数のグループ1〜3それぞれに対する接続先の測定部30の台数の少なくとも一方を変更する変更手段として機能する。
【0044】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。