【解決手段】本発明によるコイル部品は、内部に収容部21が形成され、収容部21内に導体パターンが形成されたベース基板20と、収容部21内に挿入される環状のコア70と、ベース基板20の上部に積層され、一面に導体パターンが形成された積層基板30と、を含み、積層基板30の導体パターンはベース基板20の導体パターンと連結されてコイル状を完成させる。
前記ベース基板は、前記収容部の内部に前記コアの挿入位置を指定する少なくとも一つのコアガイドを含み、前記挿入突起は、前記コアガイドから突出して前記コアの間隙に挿入される、請求項9に記載のコイル部品。
前記基板組立体は、少なくともいずれか一面に形成されて前記導体パターンと電気的に連結され、外部と電気的・物理的に連結される少なくとも一つの外部端子を含む、請求項16に記載のコイル部品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、製造が容易なコイル部品及びこれを用いる電子モジュールを提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、サイズを最小化することができるコイル部品及びこれを用いる電子モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるコイル部品は、内部に収容部が形成され、上記収容部内に導体パターンが形成されたベース基板と、上記収容部内に挿入されるコアと、上記ベース基板の上部に積層され、一面に導体パターンが形成された積層基板と、を含み、上記積層基板の導体パターンは上記ベース基板の導体パターンと連結されてコイル状を完成することができる。
【0011】
本実施例において、上記ベース基板は、上記収容部の内部に形成されて上記コアの挿入位置を指定する少なくとも一つのコアガイドを含むことができる。
【0012】
本実施例において、上記コアガイドは、上記収容部の側壁と上記収容部の底面の間のコーナーに沿って配置されることができる。
【0013】
本実施例において、上記コアガイドは、多数個が等間隔で離隔して配置されることができる。
【0014】
本実施例において、上記コアガイドは、上記収容部の側壁又は上記収容部の底面から突出して形成することができる。
【0015】
本実施例において、上記コアガイドは、「L」字型に形成することができる。
【0016】
本実施例において、上記コアガイドは、上端に向かうほど突出した幅が狭くなるように形成することができる。
【0017】
本実施例において、上記コアガイドは、上記収容部に放射状に形成された上記導体パターンの間から突出して形成することができる。
【0018】
本実施例において、上記コアは、一部が切開されて形成される間隙を有することができる。
【0019】
本実施例において、上記ベース基板は、上記収容部の内部に形成されて上記コアの間隙の位置を固定する挿入突起を含むことができる。
【0020】
本実施例において、上記ベース基板は、上記収容部の内部に形成されて上記コアの挿入位置を指定する少なくとも一つのコアガイドを含み、上記挿入突起は、上記コアガイドから突出して上記コアの間隙に挿入されることができる。
【0021】
本実施例において、上記コイル部品は、上記コアの間隙に挿入され上記収容部内に結合されて、上記コアの間隙の位置を固定する隔膜をさらに含むことができる。
【0022】
本実施例において、上記ベース基板は、上記収容部内に溝状に形成され上記隔膜が結合される嵌合溝を含むことができる。
【0023】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成され、上記収容部の内部面に導体パターンが形成された基板組立体と、上記収容部に内蔵されるコアと、を含み、上記収容部内には上記コアと上記収容部の上記導体パターンとの離隔距離を確保するコアガイドが形成されることができる。
【0024】
本実施例において、上記基板組立体は、内部に収容部が形成されたベース基板と、上記ベース基板の上部に積層されて上記コアを埋め込む積層基板と、を含むことができる。
【0025】
本実施例において、上記基板組立体は、上記コアを巻くコイル状に形成される少なくとも一つの導体パターンを備えることができる。
【0026】
本実施例において、上記基板組立体は、少なくともいずれか一面に形成されて上記導体パターンと電気的に連結され、外部と電気的・物理的に連結される少なくとも一つの外部端子を含むことができる。
【0027】
本実施例において、上記収容部内には絶縁物質が充填されることができる。
【0028】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成され、上記収容部の周りに沿って多数の貫通ビアが配置されるベース基板と、上記収容部の内部面と上記ベース基板の下部面にそれぞれ形成される導体パターンと、上記収容部内に挿入されるコアと、上記ベース基板の上部に積層され、一面に形成された導体パターンが、上記ベース基板の導体パターンと連結されて第1のコイルを完成する第1の基板と、上記第1の基板の上部に積層され一面に形成された導体パターンが上記ベース基板の上記貫通ビアと上記ベース基板の下部面の導体パターンと電気的に連結されて第2のコイルを完成する第2の基板と、を含むことができる。
【0029】
本実施例において、上記収容部は、環状の溝状に形成され、上記収容部の内部には、上記コアの挿入位置を指定する少なくとも一つのコアガイドが形成されることができる。
【0030】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成され、上記収容部の周りに多数の貫通ビアが配置されるベース基板と、上記収容部の内部面と上記ベース基板の下部面にそれぞれ形成される導体パターンと、上記収容部内に挿入されるコアと、上記ベース基板の上部に積層され、一面に形成された導体パターンが上記ベース基板の導体パターンと連結される第1の基板と、を含むことができる。
【0031】
本実施例において、上記ベース基板は、上記収容部の中心に柱状の支持部が形成することができる。
【0032】
本実施例において、上記収容部の内部に形成される上記導体パターンは、上記収容部の内部面のうち対向する第1及び第2の側壁と底面に沿って形成される直線状の第1の導体パターンと、上記収容部の第1の側壁にのみ形成される第2の導体パターンと、を含むことができる。
【0033】
本実施例において、上記第1の導体パターンと上記第2の導体パターンは、上記支持部を中心に放射状に配置され、且つ交互に配置することができる。
【0034】
本実施例において、上記ベース基板は、上記第2の導体パターンと上記ベース基板の下部面に形成される導体パターンを連結する連結ビアをさらに含むことができる。
【0035】
本実施例において、上記コイル部品は、上記第1の基板の導体パターン、上記ベース基板の上記第1及び第2の導体パターン、上記貫通ビア、上記ベース基板の下部面に形成された上記導体パターン、及び上記連結ビアが電気的に連結されて形成される第1のコイルを含むことができる。
【0036】
本実施例において、上記第1のコイルは、上記第1の基板の導体パターンと上記ベース基板の上記第1の導体パターンとによって形成される第1のコイルターン(turn)と、上記第1の基板の導体パターン、上記ベース基板の第2の導体パターン、上記連結ビア、上記ベース基板の下部面に形成された導体パターン、及び上記ベース基板の貫通ビアに沿って形成される第2のコイルターンとが交互に配置されて連結することができる。
【0037】
本実施例において、上記ベース基板の上記貫通ビアは、上記支持部の内部に形成することができる。
【0038】
本実施例において、上記第1のコイルは、多数のコイルを含むことができる。
【0039】
本実施例において、上記第1の基板の上記導体パターンは、上記第2の導体パターンと上記収容部の第2の側壁に形成された上記第1の導体パターンを電気的に連結する第1の連結パターンと、上記収容部の第1の側壁の上記第1の導体パターンと上記貫通ビアを電気的に連結する第2の連結パターンと、を含むことができる。
【0040】
本実施例において、上記第1の連結パターンと上記第2の連結パターンは、上記第1の基板の中心から放射状に配置され、且つ交互に配置されることができる。
【0041】
本実施例において、上記ベース基板の上記貫通ビアは、上記支持部に配置される第1及び第2の貫通ビアと、上記収容部の外側縁に沿って配置される第3の貫通ビアと、を含むことができる。
【0042】
本実施例において、上記コイル部品は、上記第1の基板の上部に積層され一面に形成された導体パターンが上記ベース基板の上記第2及び第3の貫通ビアと電気的に連結される第2の基板と、上記ベース基板の下部に積層され、一面に形成された導体パターンが上記ベース基板の上記第2及び第3の貫通ビアと電気的に連結される第3の基板と、を含むことができる。
【0043】
本実施例において、上記コイル部品は、上記ベース基板の上記第2及び第3の貫通ビア、上記第2の基板の導体パターン、及び上記第3の基板の導体パターンが電気的に連結されて形成される第2のコイルを含むことができる。
【0044】
本実施例において、上記コイル部品は、上記第1の基板の連結パターン、上記ベース基板の導体パターン、及び上記ベース基板の第1の貫通ビアが電気的に連結されて形成される第1のコイルを含むことができる。
【0045】
本実施例において、上記第1のコイルは、1次側電圧が印加される1次コイルと、上記1次コイルによって誘導される電力を待機電力として供給する補助コイルと、を含むことができる。
【0046】
本実施例において、上記第2及び第3の基板に形成された導体パターンのうち少なくとも一つは、上記ベース基板又は上記第1の基板に形成された連結パターンより広い幅で形成されることができる。
【0047】
本実施例において、上記第2及び第3の基板に形成された導体パターンのうち少なくとも一つは、外側に向かうほど幅が広くなる扇状に形成されることができる。
【0048】
本実施例において、上記第1の貫通ビアは、上記ベース基板の上記支持部の側壁に形成された各導体パターンの間に配置されることができる。
【0049】
本実施例において、上記第2の貫通ビアは、上記第1の貫通ビアよりも上記支持部の中心側に配置されることができる。
【0050】
本実施例において、上記ベース基板は、上記収容部の内部に形成されて上記コアの挿入位置を指定する少なくとも一つのコアガイドを含むことができる。
【0051】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成されるベース基板と、上記収容部内に挿入されるコアと、上記ベース基板の上部に積層される積層基板と、を含み、上記収容部内には上記コアと上記収容部の内部面との離隔距離を確保するコアガイドが形成されることができる。
【0052】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成されるベース基板と、上記収容部内に挿入され、一部が切開されて形成される間隙を有するコアと、上記ベース基板の上部に積層される積層基板と、を含み、上記収容部内には上記コアの間隙位置を固定する挿入突起が形成されることができる。
【0053】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成されるベース基板と、上記収容部内に挿入され、一部が切開されて形成される間隙を有するコアと、上記ベース基板の上部に積層される積層基板と、上記コアの間隙に挿入され上記ベース基板に固定されて上記コアの位置を固定する隔膜と、を含むことができる。また、本発明の実施例による電子モジュールは、内部に収容部が形成された基板組立体、及び上記収容部に内蔵されるコアを含むコイル部品と、上記コイル部品の一面に実装される少なくとも一つの電子素子と、を含むことができる。
【0054】
本実施例において、上記コイル部品は、上記収容部内に上記コアと上記収容部の内部面との離隔距離を確保するコアガイドを形成することができる。
【0055】
本実施例において、上記電子モジュールは、上記コイル部品の一面に積層される中継基板を含み、上記電子素子が上記中継基板上に実装されることができる。
【0056】
本実施例において、上記電子モジュールは、上記コイル部品のいずれか一面に締結されて、上記コイル部品と電気的に連結される連結コネクターをさらに含むことができる。
【0057】
本実施例において、上記コイル部品は、少なくとも一面に溝が形成され、上記連結コネクターは、上記溝に挿入されて上記コイル部品に締結されることができる。
【0058】
また、本発明の実施例による電子モジュールは、基板組立体上に実装される多数の電子素子を含み交流電源を直流電源に変換する交流/直流変換部と、トランスを含み上記交流/直流変換部で変換された直流電源を出力電圧に変換する直流/直流変換部と、を含み、上記トランスは上記基板組立体内に埋め込むことができる。
【0059】
本実施例において、上記電子モジュールは、上記基板組立体に一体に締結され、上記直流/直流変換部で変換された直流電源を外部に供給する連結コネクターをさらに含むことができる。
【0060】
また、本発明の実施例による電子モジュールは、基板組立体と、上記基板組立体上に実装されるか又は内部に埋め込まれて交流電源を直流電源に変換する整流器と、上記基板組立体内に埋め込まれ、上記整流器から上記直流電源が伝送されて出力電圧に変換するトランスと、を含むことができる。
【0061】
また、本発明の実施例による電子モジュールは、基板と、上記基板に実装される多数の電子素子を含み交流電源を直流電源に変換する交流/直流変換部と、上記基板に実装され上記交流/直流変換部で変換された上記直流電源を出力電圧に変換するトランスと、を含み、上記トランスは、コアが基板組立体内に埋め込まれて形成されることができる。
【0062】
本実施例において、上記電子素子は上記基板の一面に実装され、上記トランスは上記基板の他面に実装することができる。
【0063】
また、本発明の実施例によるコイル部品は、内部に収容部が形成され、上記収容部の周りに沿って多数の貫通ビアが配置されるベース基板と、上記収容部の内部面と上記ベース基板の下部面にそれぞれ形成される導体パターンと、上記収容部内に挿入されるコアと、上記ベース基板の上部に積層され、両面に導体パターンが形成された第1の基板と、上記第1の基板の一面に形成された上記導体パターンが上記ベース基板の収容部の内部の導体パターンと連結されて形成される第1のコイルと、上記第1の基板の他面に形成された上記導体パターンが上記ベース基板の上記貫通ビアと上記ベース基板の下部面の導体パターンと電気的に連結されて形成される第2のコイルと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0064】
本発明によるコイル部品は、コアが基板組立体の内部に内蔵される。また、コイルは、ベース基板と積層基板に形成された導体パターンによって具現される。
【0065】
したがって、ベース基板と積層基板、コアを用意した後にこれを結合する工程だけでコイル部品を製造することができるため、製造が非常に容易であるという長所を有する。
【0066】
また、本発明によるコイル部品は、コアが基板の内部に埋め込まれるため、従来のようにボビンを用いない。したがって、全体的な体積を減らすことができるため、超小型の電子機器にも容易に搭載されることができる。
【0067】
また、本発明による電子モジュールは、トランスのような体積の大きいコイル部品が基板組立体内に埋め込まれて超小型に形成される。また、コイル部品上に電子素子と連結コネクターを直接実装することができるため、コイル部品と電子素子が水平に配置されずに垂直に配置されることができる。したがって、モジュールの全体的な体積を最小化することができる。
【0068】
また、コイル部品を製造する工程と、コイル部品に電子素子、連結コネクターを実装する工程だけで電子モジュールの製造が可能であるため、基板にコイル部品と電子素子、連結コネクターをそれぞれ実装していた従来に比べて製造が非常に容易である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0071】
図1は本発明の実施例によるコイル部品を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1のコイル部品の分解斜視図であり、
図3aは
図1のA‐A線に沿う断面図であり、
図3bは
図1のB‐B線に沿う断面図である。ここで、
図3bは
図3aのS線に沿う切断面を示している。
【0072】
図1〜
図3bを参照すると、本発明の実施例によるコイル部品100は、基板組立体10と、これに内蔵されるコア70と、を含んで構成することができる。
【0073】
また、本実施例による基板組立体10は、ベース基板20と、積層基板30と、を含むことができる。
【0074】
ベース基板20は、
図2に示されているように、平らな板状に形成され、内部に溝状の収容部21を備えることができる。
【0075】
収容部21は環状に形成され、後述するコア70を挿入することができる。したがって、ベース基板20は、収容部21の中心に柱状の支持部22を形成することができる。
【0076】
本実施例による収容部21は、ベース基板20に溝状に形成され、後述する積層基板30がベース基板20に積層されることにより、密閉された収容空間の形態に形成することができる。
【0077】
収容部21の壁面、即ち、両側面と底面には、導体パターン23を形成することができる。導体パターン23は、収容部21の内側面、底面及び外側面に沿って長く伸びる多数の線状パターンで構成されることができる。
【0078】
導体パターン23は、導電性薄膜や導電性ビア等の形に形成され、その多数個を、支持部22の中心から収容部21の側面と底面に沿って放射状に配置することができる。本実施例による導体パターン23は、収容部21の壁面と底面から外部に露出する形態で形成することができる。しかしながら、本発明は、これに限定されず、必要に応じて、導体パターン23の一部又は全体がベース基板20内に埋め込まれる形で形成することもできる。また、導体パターン23の保護のために、露出する導体パターン23の外部面に絶縁層を形成する等、多様な変形が可能である。
【0079】
導体パターン23は、収容部21の内部に銅のような導電性部材を蒸着して形成することができ、必要に応じて、無電解メッキ等の方法で導体パターン23の表面にメッキ層を形成することもできる。また、導電性ビアを形成した後、これを部分的に切断する方法により形成することもできる。
【0080】
それぞれの導体パターン23は、端がベース基板20の上部面に露出することができる。即ち、導体パターン23の両端は、収容部21の外側の上面と支持部22の上面にそれぞれ露出することができる。
【0081】
このような導体パターン23は、本実施例によるコイル部品100のコイルとして機能するために備えられる。したがって、多数の導体パターン23は、一定のピッチで離隔して配置される。
【0082】
また、本実施例によるベース基板20は、収容部21の内部に少なくとも一つのコアガイド26を備える。
【0083】
コアガイド26は、コア70がベース基板20の収容部21の内部に収容されるときのコア70の挿入位置を指定し、収容部21内でのコア70の動きを制限するために備えられる。また、コアガイド26は、収容部21内に配置されるコア70を収容部21の内部面から一定距離離隔させ、これを維持させる。
【0084】
コア70は、収容部21内で正確な位置に固定されずにいずれか一側に偏った状態で収容部21内に収容される場合は、特定の導体パターン23に非常に隣接して配置され、反対側の導体パターン23からは相対的に遠く離隔する。この場合、コア70と導体パターン23(即ち、コイル)との間隔を同一に維持することができないため、コア70と導体パターン23との絶縁を確保することができない。また、コイル部品100の効率も低下する可能性がある。
【0085】
したがって、本実施例によるコイル部品100は、収容部21の底面のコーナー部分にコアガイド26を備える。
【0086】
コアガイド26は、上述したコーナー全体に沿って形成され、突起状に多数個を離隔して形成することができる。
【0087】
コアガイド26は、
図2のX、Y、Z方向へのコア70の動きを抑制・固定するために備えられる。本実施例によるコイル部品100は、三つのコアガイド26を備える。
【0088】
コアガイド26は、「L」字型に形成され、収容部21の底面と外側の側壁が接するコーナー部分に沿って配置することができる。
【0089】
このようなコアガイド26は、コア70の外部面全体が収容部21の側壁から同じ距離を維持するように、多数個を等間隔で、離隔して配置することができる。本実施例では、収容部21内に三つのコアガイド26が互いに120°の間隔をおいて配置する場合を例に挙げている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、コア70が安定的に固定することができれば、多様な形で配置することができる。
【0090】
コア70は、コアガイド26によって、X、Y方向への動きが完全に遮断され、また、Z方向の下部への動きが完全に遮断される。したがって、収容部21内でのコア70の位置を明確に限定することができるため、収容部21内に形成された導体パターン23から、完全に離隔することができる。また、持続的に離隔距離を維持することができるため、コア70とコイル(導体パターン)との絶縁を確保することができる。
【0091】
このように構成されるベース基板20は、絶縁樹脂からなることが好ましく、高耐熱性と高耐電圧性を有する材質からなることができる。例えば、ベース基板20を形成する材質としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エポキシレジンが含浸されたガラス繊維を積層したFR‐4等を用いることができる。
【0092】
また、ベース基板20の製造には、多数の基板を積層する方法、金型を用いてベース基板20の形状を射出成形する方法等、必要に応じて、多様な方法を用いることができる。
【0093】
積層基板30は、ベース基板20の上部面に積層されることができる。即ち、積層基板30は、ベース基板20の収容部21の入り口を塞ぎ且つ収容部21を密閉させるカバーの機能を行う。したがって、コア70は、積層基板30によって、基板組立体10内に完全に埋め込まれることができる。
【0094】
積層基板30としては、当該技術分野によく知られている多様な種類の基板(例えば、セラミック基板、印刷回路基板、柔軟性基板等)を用いることができる。積層基板30は、単層又は多層基板で形成することができる。
【0095】
積層基板30の一面には、ベース基板20の導体パターン23に対応する導体パターン33が配置される。積層基板30の導体パターン33はベース基板20の上部面に露出する導体パターン23と電気的に連結されてコイルの形状を完成する。ここで、コイルは、ソレノイド状に形成されてコア70を巻く形で構成することができる。
【0096】
したがって、積層基板30の導体パターン33は、ベース基板20の導体パターン23と同様に、多数個が積層基板30の中心から放射状に形成され、且つ一定のピッチで離隔して配置される。
【0097】
一方、本実施例による積層基板30は、上部面に導体パターン33が形成され、導体パターン23の両端に形成された貫通ビア35を介して、ベース基板20の導体パターン23と電気的に連結される。しかしながら、本発明の構成は、これに限定されず、積層基板30の下部面に導体パターンを形成して、導体パターンの両端がベース基板20の導体パターン23と直接接合されるように構成する等、多様な応用・変形が可能である。
【0098】
また、導体パターン23、33は、最終的にはコア70を囲むコイルの形状を具現することができる。このために、本実施例による積層基板30の導体パターン33は、内側から外側へ1ピッチずつ移動する斜線状に形成することができる。これにより、積層基板30の導体パターン33とベース基板20の導体パターン23とが電気的に連結されて、コイル状の形態を完成させることができる。
【0099】
しかしながら、本発明の構成は、これに限定されず、積層基板30ではなくベース基板20の導体パターン23を斜線状に形成してコイルを完成させる等、必要に応じて、多様な応用・変形が可能である。
【0100】
また、本実施例による積層基板30の一面、即ち、外部面には、多数の外部端子(図示せず)を形成することができる。
【0101】
外部端子は、導体パターン23、33と電気的に連結され、コイル部品100をメイン基板(図示せず)に実装するときに、ハンダ等によってメイン基板と電気的・物理的に連結することができる。
【0102】
コア70は、
図2に示されているように、リング(ring)状の磁気コア(core)又は環状のトロイダル(toroidal)コアで形成され、前述したように基板組立体10の収容部21に収容される。
【0103】
コア70は、他の材質に比べて高透磁率、低損失、高飽和磁束密度、安定性及び低生産コストを有するMn‐Zn系フェライト(ferrite)で形成することができるが、その材質に特別な制限はなく、非結晶質磁気プレートやホイル、非結晶質磁気ワイヤー、及びパーマロイプレートのような高透磁率材料であればいずれのものでも良い。
【0104】
また、図示されていないが、コア70の外部面には、コア70と導体パターン23、33との絶縁のために、必要に応じて、絶縁材質でコーティング層を形成することができる。
【0105】
モールド部50は、絶縁物質からなり、収容部21の内部に充填される。即ち、モールド部50は、収容部21内でコア70とベース基板20との間の空間を埋めて、コア70を収容部21内に固定する。
【0106】
モールド部50は、エポキシ等のような樹脂材を含む絶縁性の材料で形成することができる。また、本実施例によるモールド部50は、液状の絶縁物質を収容部21内に注入した後に、これを硬化させることにより形成することができる。
【0107】
モールド部50が形成されることにより、コア70は、Z方向の上部への動きも制限される。したがって、本実施例によるコア70は、コアガイド26とモールド部50によってX、Y、Z方向への動きが完全に遮断される。
【0108】
一方、本実施例では、モールド部50を用いてコア70のZ方向への動きを遮断する場合を例に挙げたが、他にも多様な変形が可能である。
【0109】
例えば、モールド部50を省略し、コア70と積層基板30との間にリング状のパッキングを挿入することもできる。この場合、パッキングは、コア70と積層基板30との間の空間の厚さに対応する厚さで形成され、ゴムのように弾性を有する材質であれば良い。また、パッキングは、コア70の上部面と積層基板30の下部面に面接触するように配置され、コア70の上部面に対応する形で形成することができる。
【0110】
他の例として、モールド部50を省略し、積層基板30の下部面に、上述したパッキングの代わりに突出部を形成することもできる。この場合、突出部は、上述したパッキングの形状を有しても良く、多数の突起が突出する形状を有しても良い。
【0111】
以上のように構成される本実施例によるコイル部品100は、コア70が基板組立体10の内部に内蔵される。また、コイルは、ベース基板20と積層基板30に形成された導体パターン23によって具現される。
【0112】
したがって、ベース基板20と積層基板30、コア70を用意した後に、これを結合する工程だけでコイル部品100を製造することができるため、製造が非常に容易であるという長所がある。
【0113】
また、本実施例によるコイル部品100は、コア70が基板組立体10の内部に埋め込まれるため、従来のようにボビンを用いない。したがって、全体的な体積を減らすことができるため、超小型の電子機器にも容易に搭載することができる。
【0114】
一方、本発明によるコイル部品は、前述した実施例に限定されず、多様な変形が可能である。
【0115】
図4a及び
図4bは、本発明の他の実施例によるコイル部品を概略的に示す断面図であり、それぞれ
図3a及び
図3bに対応する断面を示している。また、
図4bは、
図4aのS線に沿う切断面を示している。
【0116】
図4a及び
図4bを参照すると、本実施例によるコイル部品150は、コアガイド26が収容部21の底面と内側の側壁、即ち、支持部22の側壁が接するコーナーに沿って形成される。
【0117】
また、本実施例によるコアガイド26は、四つ備えられる。したがって、コアガイド26は、収容部21内にそれぞれ90°の等間隔で配置されることができる。
【0118】
また、本実施例によるコアガイド26は、上端に向かうほど支持部22の側壁から突出した幅が狭くなる形で形成されることができる。即ち、コア70の内周面と対向する部分が傾斜面Pで形成されることができる。
【0119】
この場合、コア70を収容部21に挿入するときにコア70がコアガイド26の傾斜面Pに沿って収容部21の内部に案内されるため、コア70の挿入がより容易であるという長所がある。
【0120】
一方、本実施例では、四つのコアガイド26が全て収容部21の底面と支持部22の側壁が接するコーナーに沿って形成される場合を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されない。
【0121】
図5は、本発明のさらに他の実施例によるコイル部品を概略的に示す断面図であり、
図3aに対応する断面を示している。
【0122】
図5を参照すると、本実施例によるコアガイド26は、収容部21の底面と外側の側壁が接するコーナーと内側の側壁が接するコーナーに全て形成される。
【0123】
本実施例では、内側コーナーと外側コーナーに形成されるコアガイド26が対向して配置される場合を例に挙げている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ずれて配置されたり非対称的に配置される等、必要に応じて、多様な応用が可能である。
【0124】
一方、本実施例によるコイル部品200のコア70は、四角形に形成されているが、ベース基板30内に収容されることができればその形状に制限はなく、EE、EI、UU、UI状等の多様な形状であっても良い。
【0125】
また、前述した実施例と本実施例によるコア70は、全て垂直断面が四角形に形成されている。しかしながら、本発明の構成はこれに限定されず、円形、楕円形、台形、ひし形等、必要に応じて、多様な断面を有するように形成しても良い。
【0126】
図6a及び
図6bは、それぞれ本発明のさらに他の実施例によるコアガイドを概略的に示す断面図であり、
図3bに対応する断面を示している。
【0127】
これを参照すると、本実施例によるコアガイド26は、収容部21の底面と側壁にそれぞれ個別にコアガイド26a、26bとして形成されている。
【0128】
図示されているように底面に形成されるコアガイド26aと側壁に形成されるコアガイド26bは、収容部21の底面や側壁からコア70を離隔させることができれば多様な形状で多数個が突出して形成されても良い。
【0129】
一方、本実施例では、底面に形成されるコアガイド26aと側壁に形成されるコアガイド26bが全て一つの垂直平面内に配置される場合を例に挙げている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、これらが相違する垂直平面に配置したり、非対称的に配置する等、必要に応じて、多様な応用が可能である。
【0130】
図7及び
図8は、本発明のさらに他の実施例によるコイル部品を概略的に示す断面図であり、上記と同様にそれぞれ
図3a及び
図3bに対応する断面を示している。また、
図8は、
図7のS線に沿う切断面を示している。
【0131】
図7及び
図8を参照すると、本実施例によるコイル部品300は、前述した実施例によるコイル部品と類似するが、コア70の形状に差異がある。より具体的には、本実施例によるコア70は、環状の一部が切開されて形成される間隙71を備える。
【0132】
このようなコア70の間隙71は、コイル部品300のインダクタンスを制御するために備えられることができる。
【0133】
しかしながら、このように間隙71を有するコア70を用いると、コア70が収容部21内で揺れたりR方向に沿って回転することにより、コア70の間隙71が特定位置ではなく他の位置に配置され、コイル部品300の効率が低下する可能性がある。したがって、本実施例によるコイル部品300は、コア70の間隙71を特定位置に固定させて、R方向への回転を制限する必要がある。
【0134】
このために、本実施例によるコイル部品300は、少なくとも一つの挿入突起27を含めば良い。
【0135】
挿入突起27は、収容部21の底面や側面から突出する突起状に形成されることができる。また、挿入突起27は、コアガイド26とは別の位置に形成することができ、本実施例のように多数のコアガイド26のいずれか一つから突出する形で構成することもできる。
【0136】
本実施例による挿入突起27は、一つのコアガイド26からコア70へ突出してコア70の間隙71内に挿入される。したがって、挿入突起27は、コア70の間隙71より薄い厚さで形成されれば良い。
【0137】
また、挿入突起27は、突出長さに制限はなく、コア70の回転を制限することができれば多様なサイズと形状に突出されても良い。
【0138】
このような挿入突起27によって、収容部21内におけるコア70の動き(回転)が完全に遮断されるため、コア70の間隙71が収容部21内で常に同じ位置(即ち、上述した特定位置)に固定されることができる。
【0139】
図9及び
図10は、本発明のさらに他の実施例によるコイル部品を概略的に示す断面図であり、上記と同様にそれぞれ
図3a及び
図3bに対応する断面を示している。また、
図10は、
図9のS線に沿う切断面を示している。
【0140】
図9及び
図10を参照すると、本実施例によるコイル部品400は、前述した
図7の実施例とほぼ同じように構成されるが、隔膜40を含む点で差異を有する。
【0141】
本実施例によるコイル部品400は、コア70の間隙71に隔膜40が挿入される。
【0142】
隔膜40は、前述した実施例の挿入突起27と同様に、収容部21内でのコア70の回転を防止するために備えられる。隔膜40は、コア70の間隙71内に挿入されると共に間隙71の外部へ一部が突出してベース基板20に結合される。
【0143】
このために、本実施例によるベース基板20の収容部21内には、少なくとも一つの嵌合溝28を形成することができる。
【0144】
嵌合溝28は、前述した隔膜40が挿入される溝であり、本実施例のように収容部21の外側の側壁と内側の側壁に対向する形で二つを形成することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、内側の側壁や外側の側壁のいずれか一つにのみを形成したり、収容部21の側壁ではなく底面に形成される等、多様な応用が可能である。
【0145】
本実施例による隔膜40としては、絶縁性材質で形成される薄い板材を用いることができるが、本発明の構成はこれに限定されない。
【0146】
即ち、隔膜40をメッシュ型に形成したり、ピン(pin)状やフレーム状の構造物を、コア70の間隙71に挿入するように構成する等、多様な応用が可能である。
【0147】
図11は、本発明のさらに他の実施例によるコイル部品を概略的に示す断面図であり、
図12は、
図11のC‐C線に沿う断面図である。ここで、
図11は、
図12のS線に沿う切断面を示している。
【0148】
図11及び
図12を参照すると、本実施例によるコイル部品500は、基板組立体10と、コア70と、を含むことができる。また、基板組立体10は、ベース基板20と、第1の基板30aと、第2の基板30bと、を含むことができる。
【0149】
ベース基板20は、前述した
図1の実施例とほぼ同じように構成されるが、収容部21の周りに沿って多数の貫通ビア25が形成される点で差異を有する。
【0150】
ここで、貫通ビア25は、収容部21の外側と支持部22の内側に対称的に形成することができる。
【0151】
また、ベース基板20の下部面には導体パターン24が形成され、導体パターン24の両端には貫通ビア25を電気的に連結することができる。
【0152】
第1の基板30aは、前述した
図2の積層基板30とほぼ同じように構成されるが、第2のコイルを形成するための貫通ビア35aをさらに含む点で差異を有する。
【0153】
即ち、第1の基板30aに形成される貫通ビア35、35aは、ベース基板20に形成された貫通ビア25と電気的に連結される第2のコイル用ビア35aと、ベース基板20に形成された導体パターン23と連結される第1のコイル用ビア35とに分けられる。
【0154】
第2の基板30bは、第1の基板30aの上部面に積層される。第2の基板30bの上部面には導体パターン33bが形成され、導体パターン33bの両端には貫通ビア35bが形成されることができる。第2の基板30bの導体パターン33bは、貫通ビア35bを介して第1の基板30aの貫通ビア35aと電気的に連結されることができる。
【0155】
このように構成される本実施例によるコイル部品500は、ベース基板20の収容部21内に形成される導体パターン23と第1の基板30aに形成される導体パターン33が第1のコイル用ビア35によって電気的に連結されて第1のコイルが形成される。また、ベース基板20と第1及び第2の基板30a、30bに形成された貫通ビア25、35a、35b、及びベース基板20と第2の基板30bに形成された導体パターン33b、24によって第2のコイルが形成される。
【0156】
したがって、本実施例によるコイル部品500は、独立している第1のコイルと第2のコイルを備えることにより、トランス等に容易に適用されることができる。
【0157】
一方、図示されてはいないが、前述した実施例と同様に、本実施例によるコイル部品500にも間隙を有するコアが埋め込まれ、コアガイドと挿入突起も収容部内に備えることができる。
【0158】
また、本実施例では、第2の基板を用いて第2のコイルを完成する場合を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されない。例えば、第1の基板の下部面に第1のコイルの導体パターンを形成し、上部面に第2のコイルの導体パターンを形成しても良い。このとき、第2の基板は省略されても良い。
【0159】
また、本実施例では、ベース基板に別途の貫通ビアを形成して第2のコイルを構成する場合を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されない。例えば、収容部の導体パターンで第1のコイルと第2のコイルを一緒に構成しても良い。即ち、収容部の導体パターンの一部を第1のコイル、残りを第2のコイルとして用いても良い。また、必要に応じて、同じ方式で第3及び第4のコイルを構成しても良い。
【0160】
図13は本発明のさらに他の実施例によるコイル部品を概略的に示す斜視図であり、
図14は
図13のコイル部品の分解斜視図であり、
図15は
図14のベース基板の平面図である。
【0161】
また、
図16は
図14の第1の基板の平面図であり、
図17は
図13から基板を除いてコイルとコアのみを示す透視斜視図であり、
図18a、18bは
図13のコイル部品の断面図である。
【0163】
図13〜
図18bを参照すると、本実施例によるコイル部品600は、基板組立体10と、コア70と、を含むことができる。
【0164】
コア70は、前述した実施例と同様に、間隙を備えることができる。
【0165】
基板組立体10は、前述した実施例と同様に、コアガイド26を備え、ベース基板20と、第1の基板30aと、第2の基板30bと、第3の基板30cと、を含むことができる。
【0166】
ベース基板20は、前述した
図1の実施例とほぼ同じように構成されるが、導体パターン23の形状、及び収容部21の周りに沿って、多数の貫通ビアが形成される点で差異を有する。
【0167】
本実施例によるベース基板20は、収容部21の第1の側壁、即ち、外側壁に形成される導体パターン23の数が、収容部21の第2の側壁である内側壁に形成される導体パターン23の数の二倍であれば良い。したがって、収容部21の外側壁に形成される導体パターン23は、半分のみが、底面を介して収容部21の内側壁に形成される導体パターン23と連結され、残りの半分が後述する連結ビア(
図18の254)と連結される。
【0168】
また、
図14及び
図18等に示されているように、本実施例による収容部21の外側壁に配置される導体パターン23は、底面に沿って収容部21の内側壁に伸びる導体パターン231(以下、「第1の導体パターン」という。)と、連結ビア254と連結される導体パターン232(以下、「第2の導体パターン」という。)とが、支持部22を中心に放射状に配置され、且つ交互に配置されることができる。
【0169】
貫通ビア25は、
図15に示されているように、支持部22の内側に形成される第1の貫通ビア251と、第1の貫通ビア251よりも支持部22の中心側に配置される第2の貫通ビア252と、収容部21の外側縁に沿って配置される第3の貫通ビア253と、連結ビア(
図18の254)と、を含むことができる。
【0170】
ここで、第1の貫通ビア251は、支持部22の側壁に形成された第1の導体パターン231の間に配置することができる。また、第1の貫通ビア251は、支持部22に形成された第1の導体パターン231と同じ個数で形成することができる。
【0171】
これにより、第1の貫通ビア251と支持部22に形成された第1の導体パターン231は、支持部22の外周面に沿ってジグザグ状に配置されることができる。
【0172】
第2の貫通ビア252と第3の貫通ビア253は、第2のコイルを形成するために備えられるため、前述した
図11の貫通ビア25と同じ構造で構成されることができる。
【0173】
連結ビア254は、
図18bに示されているように、収容部21の外側壁の第2の導体パターン232を伸ばす形で第2の導体パターン232の下端からベース基板20を貫通して形成される。したがって、連結ビア254は、収容部21の底面、即ち、ベース基板20を貫通する形で形成されることができる。
【0174】
また、ベース基板20の下部面には、下部導体パターン24を形成することができる。下部導体パターン24は、一端が第1の貫通ビア251と電気的に連結され、他端が連結ビア254を介して、収容部21内の第2の導体パターン232と電気的に連結される。
【0175】
即ち、下部導体パターン24は、収容部21内の第2の導体パターン232と第1の貫通ビア251を相互連結する。
【0176】
第1の基板30aは、前述した
図11の第1の基板30aとほぼ同じように構成される。即ち、第1の基板30aは、第1のコイル用ビア35と、第2のコイル用ビア35aと、を含むことができる。
【0177】
ここで、第1のコイル用ビア35は、
図18bに示されているように、ベース基板20の収容部21の側壁に形成された導体パターン23を延伸させた位置と、ベース基板20の第1の貫通ビア251を延伸させた位置に、それぞれ形成することができる。
【0178】
また、第2のコイル用ビア35aは、ベース基板20の第2の貫通ビア252と第3の貫通ビア253を延伸させた位置にそれぞれ形成される。
【0179】
また、第1の基板30aの導体パターン33は、第1の連結パターン331と、第2の連結パターン332と、を含むことができる。
【0180】
第1の連結パターン331は、
図15〜
図17に示されるように、ベース基板20の第2の導体パターン232と、収容部21の内側壁に形成された第1の導体パターン231とを電気的に連結する。即ち、第1の連結パターン331は、隣接している第2の導体パターン232と第1の導体パターン231とを電気的に連結して一つのコイルターン(turn)を形成する。
【0181】
第2の連結パターン332は、ベース基板20の収容部21の外側壁に形成された第1の導体パターン231と第1の貫通ビア251とを電気的に連結する。即ち、第2の連結パターン332は、第2の導体パターン232とその内部に配置された第1の貫通ビア251とを電気的に連結して一つのコイルターン(turn)を形成する。
【0182】
このような第1の連結パターン331と第2の連結パターン332は、
図16に示されているように、第1の基板30aの中心から放射状に配置され、且つ交互に配置されることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0183】
ここで、第1の連結パターン331と第2の連結パターン332は、全て第1のコイル用貫通ビア35によって、第1の導体パターン231、第2の導体パターン232、第1の貫通ビア251とそれぞれ電気的に連結される。しかしながら、説明の便宜のためにその詳細な説明は省略する。
【0184】
一方、第1の貫通ビア251と連結される第2の連結パターン332は、内側に折曲点を有する。即ち、第1の連結パターン331よりも内側に伸びた後に一定の角度で折れ曲がって伸びることにより、第1の貫通ビア251と電気的に連結されることができる。
【0185】
以上のような構成によって、本実施例による第1のコイルは、コアを囲む形態で形成される。以下では、第1のコイルの具体的な経路について説明する。
【0186】
図16と
図18aを参照すると、まず、第1のコイルの経路は、
図16のSから始まる。第1のコイルターン(turn、1回巻線)は、第1の基板30aの第2の連結パターン332、ベース基板20の収容部21に形成された第1の導体パターン231、及び第1の基板30aの第1の連結パターン331によって完成される。したがって、第1のコイルターンは、
図16のSからIまでの経路を形成する。
【0187】
次に、
図16と
図18bを参照すると、連続する次の第2のコイルターンは、
図16のI、即ち、第1のコイルターンの最後である第1の基板30aの第1の連結パターン331から収容部21の第2の導体パターン232、連結ビア254、ベース基板20の下部面の下部導体パターン24、ベース基板20の第1の貫通ビア251、及び第1の基板30aの第2の連結パターン332へ経路が形成される。したがって、第2のコイルターンは、
図16のIからFまでの経路を形成する。
【0188】
したがって、本実施例による第1のコイルは、上述した第1のコイルターンと第2のコイルターンが交互に配置されて一つのコイルストランドとして連結されることにより完成される。
【0189】
第2の基板30bは、前述した
図11の第2の基板30bとほぼ同じように構成される。即ち、上部面には導体パターン33bが形成され、導体パターン33bの両端には貫通ビア35bを形成することができる。第2の基板30bの導体パターン33bは、貫通ビア35bを介して第1の基板30aの第2及び第3の貫通ビア252、253と電気的に連結することができる。
【0190】
第3の基板30cは、ベース基板20の下部面に積層される。第3の基板30cの下部面には導体パターン33cが形成され、この導体パターン33cの両端には貫通ビア35cを形成することができる。第3の基板30cの導体パターン33cは、貫通ビア35cを介してベース基板20の第2及び第3の貫通ビア252、253と電気的に連結されることができる。
【0191】
これにより、本実施例による第2のコイルは、ベース基板20の第2及び第3の貫通ビア252、253、第1及び第2の基板30a、30bに形成された貫通ビア35a、35b、及び第2の基板30bと第3の基板30cに形成された導体パターン33b、33cによって構成される。
【0192】
ここで、第2の基板30bの導体パターン33bと第3の基板30cの導体パターン33cのうち少なくとも一つは、ベース基板20や第1の基板30aの導体パターン23、33より相対的に広い面積で形成されることができる。
【0193】
また、一つの導体パターン33b、33cは、多数(例えば、三つ)の貫通ビア35a、35b、252、253と連結することができる。即ち、多数の貫通ビア35a、35b、252、253が並列構造で、第2の基板30bの導体パターン33bと第3の基板30cの導体パターン33cとを連結することができる。
【0194】
これにより、本実施例による第2のコイルは、第1のコイルとコア70を囲む形態で形成され、且つそれぞれのコイルターンは第1のコイルのコイルターンより広い面積で形成される。また、面積の拡張が困難な貫通ビアの場合、一つの導体パターン33b、33cに多数の貫通ビア252、253を連結して最大限の面積を確保する。
【0195】
これは、コイル部品600で発生するリーク(Leakage)を減らすために導出された構成である。即ち、本実施例によるコイル部品600は、面積が拡張された第2のコイルが第1のコイルを覆う形でコイルの構造を構成してリークを最小化する。
【0196】
このために、本実施例では、第2及び第3の基板30b、30cに形成された導体パターン33b、33cが外側に向かうほど幅が広くなる扇状に形成される場合を例に挙げている。しかしながら、本発明の構成はこれに限定されず、第2のコイルの面積を拡張することができれば、多様な形で変形させることができる。
【0197】
また、本実施例では、第2のコイルが全部で、3ターンで構成される場合を例に挙げている。しかしながら、本発明の構成はこれに限定されず、必要に応じて、多様な変形が可能である。
【0198】
また、本実施例によるコイル部品600は、第1のコイルが独立している多数のコイルを含むことができる。
図16及び
図17を参照すると、本実施例によるコイル部品600は、第1のコイルが独立している二つのコイルを含んでいる。より具体的には、第1のコイルは、40余ターンを有するコイルC1と、全部で6ターンを有するコイルC2と、を含む。本実施例によるコイル部品600をトランスとして用いる場合、40余ターンを有するコイルC1は1次コイル、6ターンを有するコイルC2は補助コイルとして用いられ、2次コイルとしては前述した第2のコイルが用いられることができる。
【0199】
ここで、6ターンを有する補助コイルC2は、1次コイルから供給される電力から誘導起電力が得られる。補助コイルC2は、1次コイルC1から得られた電力を本実施例によるコイル部品600が搭載される電子機器に待機電力(standby power)として供給することができる。ここで、電子機器は、TV等のようなディスプレー装置であっても良いが、特に限定されない。
【0200】
また、コイル部品600をパワーアダプターのトランス(
図21の600)として用いる場合、補助コイルC2は、1次コイルC1から出力される電圧の状態をセンシングするためのセンシング電流を制御部(
図21の630)に供給することができる。
【0201】
一方、2次コイルを第2のコイルで形成せずに、第1のコイルで形成(即ち、ベース基板10と第1の基板30aに形成)する場合は、ベース基板10への導体パターン23の数を増加させる必要があるため、ベース基板10のサイズを拡張させなければならない。
【0202】
これにより、コイル部品600の全体的なサイズも大きくなるため、1次と2次との間の距離も遠くなる。よって、コイル部品600のリーク(leakage)が増加するという短所がある。
【0203】
しかしながら、本実施例のように、補助コイルC2と1次コイルC1を第1のコイルで構成し、2次コイルを第2及び第3の基板30b、30cに形成される第2のコイルで形成すると、2次コイルは1次コイルを囲む形で配置される。
【0204】
したがって、ベース基板10とコイル部品600のサイズを最小化し、1次と2次との間の距離も最小化することができる。また、コイル部品600のリークも減らすことができる。
【0205】
このように構成される本実施例によるコイル部品は、第1のコイルがベース基板の収容部の内側壁に形成される導体パターンと、支持部に形成される第1の貫通ビアとを一緒に用いて構成される。これは、コイル部品のサイズが小さくなるにつれて支持部の外周面の面積も小さくなることにより導出された構成である。
【0206】
即ち、本実施例によるコイル部品は、支持部の外周面に半分のコイルターンのみを形成し、残りの半分のコイルターンを支持部の第1の貫通ビアを介して形成する。したがって、コイル部品のサイズが小さくて支持部の外周面に導体パターンを形成するための空間がなくても、コイルを容易に形成することができる。
【0207】
また、本実施例によるコイル部品は、1次コイルの外側に2次コイルが巻線される形で配置される。また、2次コイルは、1次コイルより広い面積でパターンが形成される。
【0208】
したがって、1次と2次との間の距離を最小化することができるため、コイル部品のサイズを減らすと共にリークを最小化することができる。
【0209】
また、本実施例によるコイル部品は、1次コイルの外側に2次コイルが巻線される形で配置される。また、2次コイルは、1次コイルより広い面積でパターンが形成される。
【0210】
したがって、1次と2次との間の距離を最小化することができるため、コイル部品のサイズを減らすと共にリークを最小化することができる。
【0211】
前述した本発明によるコイル部品は、前述した実施例に限定されず、多様な応用が可能である。例えば、前述した実施例では、一つのベース基板に一つの収容部が形成される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。即ち、一つのベース基板に多数の収容部が備えられ、これに多数のコアが内蔵されるように構成する等、必要に応じて、多様な応用が可能である。
【0212】
また、本実施例では、コイルストランドとして一つの導体パターンが用いられる場合を例に挙げたが、多数の導体パターンを並列に連結して一つのコイルストランドとして用いる等、多様な応用が可能である。
【0213】
また、本実施例では、コイル部品が、独立している一つの部品として形成される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、他の電子部品が実装された回路基板に埋め込まれる形で形成されても良い。この場合、ベース基板と積層基板は全て回路基板の一部として構成されることができる。また、コイル部品は、回路基板の外部に露出せずに回路基板に埋め込まれて回路基板と一体に形成されることができるため、実装空間を最小化し、別途の実装工程を省略することができるという長所がある。
【0214】
図19は、本発明の他の実施例による電子モジュールを概略的に示す斜視図である。
【0215】
本実施例による電子モジュール700は、AC電圧をDC電圧に変換して供給する充電機器に搭載されるモジュールであり、コイル部品600と、電子素子701と、連結コネクター720と、を含むことができる。
【0216】
コイル部品600としては、前述した
図13のコイル部品600を用いることができる。
【0217】
電子素子701は、コイル部品600の外部面に実装されることができる。ここで、電子素子701は、能動素子と受動素子を全て含むことができる。また、電子素子は、コイル部品600の動作を制御するスイッチング素子や、変圧や整流のためのダイオード、キャパシタ、抵抗等の素子を含むことができる。
【0218】
一方、本実施例では、コイル部品600上に中継基板710が積層され、中継基板710上に電子素子が実装される場合を例に挙げている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、
図20のように、中継基板710を省略し、コイル部品600の一面、即ち、コイル部品600の第2の基板(
図13の30b)上に電子素子701を直接実装することもできる。
【0219】
連結コネクター720は、コイル部品600のいずれか一面に締結され、コイル部品600と電気的に連結される。ここで、連結コネクター720は、USB接続端子であっても良いが、本発明の構成はこれに限定されない。
【0220】
図20は、本発明の他の実施例による電子モジュールを概略的に示す斜視図である。
【0221】
図20を参照すると、本実施例による電子モジュール800は、前述した実施例とほぼ同じように構成されるが、連結コネクター820の結合構造に差異がある。
【0222】
本実施例による電子モジュール800は、コイル部品600の両端に溝が形成され、上記溝に連結コネクター820と連結端子830が挿入されて一体に形成される。
【0223】
前述したように、連結コネクター820はUSB接続端子であっても良く、連結端子830はAC電源を供給するケーブルが連結される端子であっても良い。
【0224】
また、本実施例による電子モジュール800は、コイル部品600の外部面、即ち、基板組立体の外部面に電子素子801が直接実装される。したがって、コイル部品600の外部面には、電子素子801を実装するための電極パッドと配線パターンが加えられることができる。
【0225】
また、本実施例による電子モジュール800を充電機器やパワーアダプターに搭載されるモジュールとして用いる場合、コイル部品600はトランスであっても良い。
【0226】
図21は、本発明の実施例による電子モジュールを概略的に示す回路のブロック図である。
【0227】
図21を参照すると、本実施例による電子モジュール900は、交流電圧を直流電圧に変換して供給するパワーアダプターであり、連結端子830と、交流/直流変換部610と、直流/直流変換部620と、連結コネクター820と、を含むことができる。
【0228】
連結端子830は、前述したように、AC電源を供給するケーブルが連結されるコネクター形式の端子やケーブルが一体に固定締結された端子であれば良い。
【0229】
交流/直流変換部610は、連結端子830から入力される商用交流電源をスイッチングして直流電源に変換する。
【0230】
このために、交流/直流変換部610は、商用交流電源の電磁気干渉(Electro‐Magnetic Interference;EMI)を除去するフィルター611と、フィルター611を通過した交流電源を整流及び平滑させる整流器612と、を含むことができる。
【0231】
直流/直流変換部620は、上記直流電源をスイッチングして上記直流電源のリンク電圧を変換して出力電圧を出力する。
【0232】
このために、直流/直流変換部620は、直流電源を出力電源に変換するために、1次側と2次側からなるトランス600とスイッチング素子、及び多様な受動素子を含むことができる。
【0233】
連結コネクター820は、直流/直流変換部620から出力される直流電源を外部に供給する。したがって、連結コネクター820は、ノートパソコン等に連結される外部ケーブルが一体に固定締結され、USB装置が挿入されるUSB接続端子であれば良い。
【0234】
一方、本実施例による電子モジュール900は、制御部630をさらに含むことができる。
【0235】
制御部630は、トランス600の1次コイルC1の電流をセンシングし、これにより、出力電源の負荷電流を推定し、推定された負荷電流の変化によって直流電源のリンク電圧を制御することができる。よって、出力電源の負荷電流が高くなる場合に上記出力電源の出力電圧が上昇する負荷特性を満たすことができる。このために、制御部は、PWM(pulse width modulation)等を含むことができる。
【0236】
ここで、制御部630は、1次側C1の電流をセンシングするために、前述した補助コイルC2(
図17のC2)を用いることができる。即ち、制御部630は、補助コイルC2から誘導される電流に基づいて1次コイルC1の電流をセンシングすることができる。
【0237】
以上のように構成される本実施例による電子モジュール900には、前述した実施例のコイル部品が備えられることができる。即ち、直流/直流変換部620のトランス600としては前述した
図13のコイル部品600を用い、フィルター611等には
図1〜
図12に示されているコイル部品を用いることができる。
【0238】
また、本実施例による電子モジュール900は、メイン基板(図示せず)上に本発明の実施例によるコイル部品と各種の電子素子を実装して具現することができる。
【0239】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、
図19に示されているように基板710の一面に各種の電子素子701を実装し、基板710の他面に本実施例によるコイル部品600(例えば、トランス)を実装して構成することもできる。
【0240】
特に、本実施例による電子モジュール900は、
図20に示されているように、交流/直流変換部や直流/直流変換部、制御部等を構成する全ての電子素子801(例えば、各種の受動素子と、スイッチング素子やダイオード等の能動素子)をトランス600の基板組立体内に内蔵するか又は基板組立体の外部面に実装して構成することもできる。
【0241】
この場合、電子素子を実装するための別途の回路基板が不要であるため、電子モジュールの体積を減らすことができる。
【0242】
また、トランスのような体積の大きいコイル部品が基板上に配置されずに基板内に埋め込まれるため、電子モジュールを超小型にすることができる。
【0243】
また、コイル部品上に電子素子と連結コネクターを直接実装するため、コイル部品と電子素子が水平に配置されずに垂直に配置される。したがって、モジュールの全体的な体積を最小化することができる。
【0244】
また、コイル部品を製造する工程と、コイル部品に電子素子、連結コネクターを実装する工程だけで、電子モジュールの製造が可能であるため、基板にコイル部品と電子素子、連結コネクターをそれぞれ実装していた従来に比べて製造が非常に容易である。
【0245】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。