特開2015-51243(P2015-51243A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2015-51243認知症ケア用鍼シリーズ手指間装着式接触鍼
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-51243(P2015-51243A)
(43)【公開日】2015年3月19日
(54)【発明の名称】認知症ケア用鍼シリーズ手指間装着式接触鍼
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20150220BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20150220BHJP
【FI】
   A61H39/04 S
   A61H7/00 300A
   A61H39/04 X
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-198955(P2013-198955)
(22)【出願日】2013年9月5日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】513148613
【氏名又は名称】上田 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 昌樹
【テーマコード(参考)】
4C100
4C101
【Fターム(参考)】
4C100BB01
4C100EA10
4C101BA01
4C101BC01
4C101BD02
4C101BE02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】認知症のケアの場合、患者に対してやさしく体全身を包み込むような、しかもゆっくりと時間をかけた弱刺激を持続させないといけません。またそれに伴う経穴(ツボ)への刺激も併用して行わなければなりません。一般の治療とは異なり、認知症患者への負担を軽減するための鍼とマッサージでの効率のよい施術法が要求されます。すなわち、鍼とマッサージの両刺激が即座に入れ替われるような施術用具を提供する。
【解決手段】手の一部分に接触鍼を装着することで鍼とマッサージの両刺激が即座に入れ替えることができるとともに、それぞれの施術に対しての不具合も解消されたことでスムーズ、且つリズミカルな施術が提供でき、施術を受ける側に不快感を感じさせない施術が可能となる施術用具です。また、これにより認知症の症状のみならず、患者の意思に関係なく経絡の反応により体調の変化が読み取れ、体全体のケアが容易に提供できることになります。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触鍼をマッサージを提供する手の指と指の間に装着する方法
【請求項2】
両側の指を閉じた状態で手掌側(施術面)には接触鍼とそれを挟み込む2つの指との間にゴム製素材でつなぐ形を取り、手背側には接触鍼の後面から後方へ両側の指に向かって非収縮性の素材を延ばし、マジックテープの使用により両指構面からしっかりと装着して固定する方法
【請求項3】
両側の指を閉じた状態が接触鍼での施術のスタイルとなり、両側の指を閉じることにより接触鍼を後面から支える形を取るため、接鍼による強刺激も可能となる方法
【請求項4】
接触鍼の施術スタイルからマッサージの施術スタイルに入れ替える場合は両側の指を離し、広げることで接触鍼を手掌側で両側の指とを結ぶゴム製素材の働きと、接触鍼の後面から後方の手背側の両側の指に固定されている非伸縮性素材によって接触鍼を後方に引く形となり、手掌面からの接触鍼頭の突出を最小限に抑える方法
【請求項5】
マッサージの施術スタイルから接触鍼の施術スタイルに入れ替える場合は両側の指を閉じることで前面(手掌側)のゴム製素材の働きにより接触鍼を前面に引き戻す方法
【請求項6】
接触鍼の装着部位も多種多様で示指と中指との間、中指と薬指との間、薬指と小指との間、および指の関節を挟んだ指先の指腹部分、中央部分、指の付け根部分と、施術の用途に応じた9通りの部位に装着が可能となる方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
東洋医学的治療に付帯する医療器具
【背景技術】
【0002】
スエーデン生まれの元来は未熟児の成長を促すためのケアであったものが現在認知症の非薬物療法のひとつとされる精紳状態を整える効果をもつといわれる弱刺激のマッサージ法であるタクティールケアとして注目されています
全身をそれぞれ異なる働きを持つ12種の経路が巡り、その経路上に並ぶ経穴(ツボ)の反応を利用した経絡療法による体調調節
【先行技術文献】
【0003】
体表に刺鍼しない小児鍼を含む接触鍼
元来未熟児の成長を促進させるためにスエーデンの看護師により考案され、現在は認知症ケアとして用いられているタクティールケア
【発明の概要】
【0004】
認知症患者のケアに要する症状の進行を抑制するとともに精紳状態を整える効果をもつ弱刺激によるマッサージ施術スタイルと経絡的反応により体全体の状態をも整える接触鍼での施術スタイルの入れ替えが容易にできることで、施術を受ける側に違和感を感じさせないリズミカルな施術が提供できる施術器具の発明です
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
認知症のケアの場合、患者に対してやさしく体全身を包み込むような、しかもゆっくりと時間をかけた弱刺激を持続させないといけません。またそれに伴う経穴(ツボ)への刺激も併用して行わなければなりません。一般の治療とは異なり、認知症患者への負担を軽減するための鍼とマッサージでの効率のよい施術法が要求されます。すなわち、鍼とマッサージの両刺激が即座に入れ替われるような施術用具の必要性に迫られます
【問題を解決するための手段】
【0006】
従来の施術器具は鍼や灸、マッサージにおいて、それぞれ独自の施術用具が構築され、鍼施術の場合は鍼の施術用具を用い、灸施術には灸の施術用具が使われるのが一般的です
鍼や灸、マッサージを応用した施術に対してもそれぞれの施術器具の入れ替え作業はかなりの施術熟練者でないと容易ではなく、施術に戸惑う場合が多々あります
特に認知症患者に対しての施術の場合はゆっくりとしたやさしい刺激の裏側でマッサージと鍼とのスピーディー且つリズミカルなな入れ替えにより違和感を感じさせない施術が重要視されます
それを解決するには、まず第1としてマッサージをする手の部分に接触鍼を装着することを考え、第2にどちらの施術に対しても不都合な環境、すなわち、それぞれの存在がそれぞれの施術の邪魔にならないことが大切です
それらを考慮した上での施術器具を下記に発明しました
接触鍼をマッサージを提供する手の指と指の間に装着する方法を考案し、なおかつ手掌側(施術面)には接触鍼とそれを挟み込む2つの指との間にゴム製素材でつなぐ形を取り、手背側には接触鍼の後面から後方へ両側の指に向かって非収縮性の素材を延ばし、マジックテープの使用により両指後面からしっかりと装着し固定します。このように装着する場合は必ず両側の指を閉じた状態であることが要求されます
この両側の指を閉じた状態が接触鍼での施術のスタイルとなります。両側の指を閉じることにより接触鍼を後面から支える形を取るため、接鍼による強刺激も可能となります
次にマッサージの施術スタイルに入れ替える場合は両側の指を離し、広げることで接触鍼を手掌側で両側の指とを結ぶゴム製素材の働きと、接触鍼の後面から後方の手背側の両側の指に固定されている非伸縮性素材によって接触鍼を後方に引く形になります
この場合、接触鍼が多少手掌側からはみ出ていても、両側の指が開いていることと、両側の指との間を結ぶゴム製素材の働きで、マッサージ施術時に手掌が患部に当たる場合にはみ出た接触鍼が患部に押されて後方に動く形をとります
接触鍼の装着部位も多種多様で示指と中指との間、中指と薬指との間、薬指と小指との間、および指の関節を挟んだ指先の指腹部分、中央部分、指の付け根部分と、施術の用途に応じた9通りの部位に装着が可能となります
また、マッサージ施術から接触鍼施術に入れ替える場合は両側の指を閉じることで前面(手掌側)のゴム製素材の働きにより接触鍼を前面に戻します
【発明の効果】
【0007】
手の一部分に接触鍼を装着することで鍼とマッサージの両刺激が即座に入れ替えることができるとともに、それぞれの施術に対しての不具合も解消されたことでスムーズ、且つリズミカルな施術が提供でき、施術を受ける側に不快感を感じさせない施術が可能となる施術用具です。また、これにより認知症の症状のみならず、患者の意思に関係なく経絡の反応により体調の変化が読み取れ、体全体のケアが容易に提供できることになります
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】…正面図(施術面)
図2】…裏面図
図3】…上から見た構造
図4】…前面から見た装着イメージ
図5】…横から見た装着イメージ
【実施例】
【0009】
現状の認知症ケアは症状の進行を遅らせたり、不安などの精神状態による異常行動を抑制する目的というのが一般的です。このケアに東洋医学の施術法を併用することで認知症の症状のみならず体調についてのケアも併用して心と体のケアを提供できうる要素となります
【符号の説明】
【0010】
A〜Kは経絡治療用接触鍼についての符号
A…接触鍼頭
B…接触鍼の後面半分を覆うカバー部分
C…接触鍼と指を前面(手掌側)で結ぶゴム製素材
D…接触鍼後面カバーの後部から後方(手背側)の指に固定される非伸縮性素材
E…前面(手掌側)から指を覆う指装着マット
F…非伸縮性素材を折り返させるための金具
G…指(上から見た断面)
【産業上の利用可能性】
【0011】
東洋医学での現状の認知症対策は予防を重視する治療が一般的ですが、ここ最近になり認知症後の介護の視点から認知症ケアへの関心が深まってきました。本来、経絡の反応による気血の働きによる体調管理を重視する東洋医学の考えを注ぐことで認知症ケアのみならず体全体のケアを提供することが可能となりえます。それに伴い、東洋医学を志す施術者により、この先新たな治療法が構築され、よりよい認知症ケアへと発展していく可能性があります。この施術用具はそのための礎となってもらえるように祈ります
また、認知症ケアのみならず、他の症状に対する施術にも応用できる施術器具でもあります
図1
図2
図3
図4
図5